原子力発電廃止乃至推進 其の⑪~軽水炉~
2011.08.31

・日本で最も利用されている原子炉のタイプは軽水炉である。
 ~軽水炉(LWR:LIGHT WATER REACTOR)~ 


・炉の構成

 1、燃 料:低濃縮ウラン 
 2、冷却材:軽水
 3、減速材:軽水


・蒸気を発生させる仕組みにより沸騰水型炉(BWR)と加圧水型炉(PWR)の
 二種類がある。

 1、沸騰水型炉(BWR:BOILING WATER REACTOR)
   原子炉容器内の燃料が核分裂により周りの水を熱して水蒸気を発生させる。
   高温・高圧水蒸気(約280度、70気圧)を、そのままタービンに送り込んで
   発電機を回します。
   蒸気には放射性物質を含む為、タービンや復水器についても放射線管理が
   必要となる。
   東京電力の原発の多くが此のタイプである。
   今回事故を起こした福島第一原発はこのタイプである。

 2、加圧水型炉(PWR:PRESSURIZED WATER REACTOR)
   原子炉容器内の軽水を高温、高圧で一次系統の配管を循環させ、熱だけを
   蒸気発生器で二次系統の配管を流れる水に伝えて蒸気とし、タービンを回す。
   放射性物質を含んだ水がタービン、復水器に行かない為、タービンなどの発電
   部分に関するメンテナンスがBWRより向上している。
   コンパクト設計が可能につき空母、潜水艦等の船舶にも使用される。
   日本の原発では、主として関西電力にて使用されている。      


 


原子力発電廃止乃至推進 其の⑩~原子炉~
2011.08.30


・原子炉の区分は多岐に亘り、門外漢には理解するのが難しい。
 本欄では概要のみを披露する。原子炉に興味のある方は個別に探求されたい。


・原子炉とは、安全且つ継続的に原子核反応等を持続させる装置である。
 多くは原子力発電、航空母艦、潜水艦等に利用される。 


・核反応による分類

 1、核分裂炉

   重い原子であるウラン、プルトニウムの原子核分裂反応を利用する。
   ①熱中性子炉:低エネルギーの中性子が核燃料に衝突
     ア、軽水炉:減速材に軽水を使用
     イ、重水炉:減速材に重水を使用
     ウ、黒鉛炉:減速材に黒鉛を使用
   ②高速中性子炉:高速エネルギーの中性子が核燃料に衝突
     ア、高速増殖炉:減速材は無い
     イ、他にも有るが馴染みが薄いので省略する。

 2、核融合炉

   軽い原子である水素、ヘリウムによる核融合反応を利用してエネルギーを
   発生させる。
   現在、日本を含む世界各国が協力して関連技術の開発が進められている段階
   である。実用化にはまだまだ時間を要する。
   太陽を含めて恒星が輝きを得ているのは、全て核融合反応により発生する
   熱エネルギーによるものである。
   地球上にて核融合反応を発生させるには極めて高温(1億度程度)か、或いは
   極めて高圧の環境が必要とされ、資金面、技術面等の課題が山積している。      

 


原子力発電廃止乃至推進 其の⑨~減速材~
2011.08.29

減速材(NEUTRON MODERATOR)は原子力発電において、核分裂後に
 放出される中性子の速度を下げる役割を果たす。

 原子炉内において中性子と核燃料を効率的に反応させる為に用いられる。


・核分裂により発生する中性子は高エネルギーを有する高速中性子と言われ、その
 ままでは核燃料と反応せず、継続して核分裂が発生しない。そこで高速中性子を
 減速材に衝突させてエネルギー減少、速度減速させる。此れを熱中性子と言う。

 熱中性子が核燃料と継続的に衝突して、核分裂を繰り返すことができる。

 減速材は高速中性子と衝突して熱中性子に変え、熱中性子が核燃料と衝突し、
 核分裂を引き起こして高速中性子及び熱を発生させる。 


・殆どの原子炉では減速材を使用するが、高速増殖炉ではプルトニウムの生成に
 高速中性子を必要とする為、減速材は使用されない。


・減速材の材質

 1、中性子を減速するまでの所要時間が短い
 2、中性子の吸収効果を少なくする 


・減速材の材料

 1、軽水(H2O)~日常生活にて使用する水
 2、重水(D2O)~軽水より比重が大きい、自然界では殆ど存在しない。
 3、黒鉛      

 


原子力発電廃止乃至推進 其の⑧~冷却材~
2011.08.26

 

・核分裂によって放出される熱を原子炉から取り出す役割を果たす流体である。
 此の熱により水を沸騰させ、タービンを回転させて電力を得る。

 冷却材が水以外の場合には、二次冷却材として水を使用して水に熱を伝え、
 タービンを回転させて電気を起こす。 


・冷却材としての特徴

 1、中性子の反射及び吸収効果が無い 
 2、熱伝導率が高い  


・主な冷却材

 1、軽水(H2O)~日常生活にて使用する水
 2、重水(D2O)~軽水より比重が大きい、自然界では殆ど存在しない。
 3、二酸化炭素(炭酸ガス) 4、ヘリウム 5、金属ナトリウム
 6、ナトリウムカリウム合金 7、水銀 


・冷却材に関する事故

 何らかの理由にて冷却材が喪失すると、原子炉内の冷却が充分に行われなくなり
 ボイド(蒸気の泡)の異常増加、メルトダウン(炉心溶融)を引き起こして、最悪の
 場合には原子炉爆発を引き起こす。

 米国スリーマイルアイランドで起きた事故は、一次冷却材喪失にてメルトダウンを
 引き起こした。(1979年3月事故発生)

 日本でも高速増殖炉原型炉もんじゅの遺漏事故が発生し、溶融金属ナトリウムが
 漏れて、爆発炎上したとされている。(1995年12月事故発生)

 今回の福島原発で冷却材漏洩により発生したボイド(水素)爆発事故は、記憶に
 新しい。  

 


原子力発電廃止乃至推進 其の⑦~制御棒~
2011.08.25

・原子炉の出力を制御する為の棒状、又は板状の物体である。


・制御棒(CONTOROL ROD)の役割

 1、原子炉内の出力制御 

 2、原子炉内の中性子数を調整

 3、燃料の反応度を制御
    

・制御棒の操作

 1、原子炉停止状態 ~制御棒を核燃料の間に差し込んで中性子を吸収して臨界
   状態にならないようにしている。

 2、原子炉起動~制御棒を徐々に引き抜き、中性子数を増加させ、臨界から定格
   出力になるまで反応を上げる。

 3、緊急時~制御棒を全て挿入し、炉を停止させる。何らかの理由で制御棒の
   挿入が不完全になると、操作不能となり放射物質漏れに繫がる。


・制御棒の材料

 中性子を強く吸収する材料でできている。

 炭化ホウ素、カドミウム合金、インジウム、銀、ハフニウムが主な材料である。
      


原子力発電廃止乃至推進 其の⑥~燃料棒~
2011.08.24

・燃料棒(FUEL ROD)は原子炉炉心の部品の一つである。

 棒状の燃料棒が複数本束ねられて燃料集合体と呼ばれるユニットによって
 炉心が構成される。

 核燃料の交換作業は燃料集合体の単位で行われる。


・燃料棒の構造

 1、燃料ペレット
   濃縮ウランを直径、高さ共に1cm程の円柱に焼き固めたセラミックスである。
   熱交換効率を高め、安全性の確保、取り扱い便宜の為に行っている。

 2、燃料被覆管
   ジルコニウム合金でできた厚さ2mm、直径1cm、長さ約4mの細長い形状の
   管である。
   此の中に燃料ペレットを封入する。
   被覆菅としての役割は高温に耐え、熱伝導率が高く、冷却材と反応しない事が
   求められる。

 3、燃料棒:燃料ペレットを燃料被覆菅に封入し、端栓で気密にしたものである。

 4、燃料集合体:燃料棒が複数本束ねられて燃料集合体を構成する。 


・福島原発の水素爆発

 燃料被覆菅は冷却材と反応しない事が求められるも、今回、異常な高温、高圧の
 もとで、冷却材の軽水とジルコニウムが反応して水素が大量発生したことによる。      

 


原子力発電廃止乃至推進 其の⑤~プルトニウム~
2011.08.23

・プルトニウムは天然ウラン鉱石中に僅かに存在するが、原子炉燃料や核兵器材料
 として用いられるものは、原子炉内にてU238が中性子に捕獲され、段階を経て
 PU239が生成されたものである。PUの大半は人工的に製造されたものである。
 各段階にてPUが生じるので、原子炉内に蓄積するPUは幾つかの同位体の
 混合物である。


・使用済み核燃料の中に含まれるPU同位体

 下記表は2年間運転後の軽水炉(百万kW)内にあるPU同位体組成の一例で、
 2年間運転後、約60tの使用済燃料の中に6百kgのプルトニウムがある。

 放射能(半減期)       重量比(%)      放射能強度(兆ベクレル/㎏)
 PU238(87.7年)        1.8         11.3
 PU239(2.41万年)     59.3           1.4     
 PU240(6560年)       24.0          2.0
 PU241(14.4年)       11.1        425.0
 PU242(37.3万年)       3.8          0.0056
   (出典:原子力資料情報室)   


・上記表から見て判るように、PU239の半減期は人間の寿命を遥かに越えており
 一度、体内に入ると一生抜けきらない。更には放射能強度も強く、被爆量は測り
 知れない。
 1945年8月9日に長崎市に投下された原爆にはプルトニウムが用いられた。
      

・プルトニウムは核兵器に使用されるが、一方で夢の原子炉と言われる高速増殖炉に
 用いられて電力発生を可能にする。
 通常の原子炉では使用できないU238に中性子を衝突させてPU239が作られる
 ので、ウランの再利用がはかられる。いわば資源の再利用が可能となる。 


原子力発電廃止乃至推進 其の④~劣化ウラン~
2011.08.22

・天然ウランを濃縮後、濃縮ウランと減損ウラン(U235の含有率0.7%未満)に区分
 されるが、更にU235の含有率0.2%以下のウランを劣化ウランと云う。
     

・劣化ウランを更に濃縮してU235を取り出すこともできるが、コストがかかるので
 濃縮を行うことはない。  


・劣化ウランの用途

 1、高密度且つ重い金属につき、ロケットや航空機の動翼、列車や車両等の重心
   微調整用の重りとして利用される。(産業用)

 2、原子番号が大きいので、X線やガンマー線の遮蔽効果が大きく、医療用放射線
   機器等から発する放射線の遮蔽に利用される。(医療用)

 3、プルトニウム(PU)239の原料となりうる。
   U238に中性子を吸収させてPU239へ転化させることができる。
   PU239は核分裂を起こしやすく、高速増殖炉の燃料となったり、原爆等の
   各兵器製造にも利用もできる。

 4、劣化ウラン弾の原料
   米国はイラン戦争にて劣化ウラン弾を使用してと言われ、使用地域の人々の
   健康被害が取り沙汰されている。


・産業用、医療用への用途はあるものの、核兵器等軍事用途もある
 何れに利用するかは、人間の英知が試される試金石と思われる。 


原子力発電廃止乃至推進 其の③~濃縮ウラン~
2011.08.19

・原子力発電用に利用されるウランの大半は、天然ウランを転換、濃縮という加工
 工程を経て得られる「濃縮ウラン」と言われるものである。
      

・「濃縮」とはU235の割合を高めることを云う。濃縮ウランに中性子が連続衝突して
 エネルギーを継続的に発生させ、熱を得て発電に利用できる。
      

・濃縮ウランと減損ウラン
 ウラン濃縮工程から得られる生成物に掲題の二種類がある。

 1、濃縮ウラン
   U235の割合が天然ウランよりも多い。
   ①低濃縮ウラン:原子炉の核燃料として利用される。
     天然ウラン中のU235濃度(0.7%)より多く、20%以下の生成物
   ②高濃縮ウラン:兵器用の核燃料として利用できる。
     U235濃度が20%超の生成物

 2、減損ウラン
   U235の割合が天然ウランよりも少ない。 


・濃縮方法

 様々な方法があり、核拡散に繫がる技術にもなりうるので取り扱いが微妙である。
 メディアにて報道される濃縮方法は主に下記の二つの方法である。

 1、ガス拡散法
   ウラン化合物をガス化してU235とU238の質量比による拡散速度の差異を
   利用して分離する。
   消費電力、所要時間が共に膨大にてコスト高である。

 2、遠心分離法
   ガス化したウラン化合物を遠心分離装置内にてU235とU238の質量差にて
   分離する。
   ガス拡散法よりコストが低く抑えられる。
   北朝鮮の核記事を新聞記事にてしばしば目にすることがありますが、北朝鮮は
   この濃縮技術を開発、確立して独自に濃縮ウランを確保していると見られる。

 上記以外にもレーザー原子法、レーザー分子法等々がある。


原子力発電廃止乃至推進 其の②~天然ウラン~
2011.08.18

・原子力発電の燃料に利用されるのはウランである。

 自然界に存在するウランは「天然ウラン」と言われ、そのままでは発電には利用
 できないことが多い。天然ウランのままでは発電効率が低い。


・天然ウランとは

 自然界にあるウラン資源(ウラン鉱石や海水に含まれるウラン)を一般的には云う。
 ウランには質量数235と238の同位体があり、天然ウランにはU235を約0.7%、
 U238を約99.3%が含まれている。

 U235は核分裂する放射性同位体であり、原子炉で核燃料として用いられ、更には
 核兵器の主要材料となる。U238は核分裂を起こさない。

 ウランを発電に利用するにはU235の割合を高める必要がある。 


・核分裂を起こすU235は、天然ウランに含まれる割合が圧倒的に少ない。


・ウラン資源

 1、埋蔵量国はオーストラリア、カザフスタン、カナダ、南アフリカ、米国等である。

 2、日本では岡山県と鳥取県にまたがる人形峠、岐阜県土岐市にて鉱床が発見
   されたものの、商業用に満たない資源量にて開発されずに至る。

   日本国内で必要とするウランは、全量海外からの輸入に依存している。
   日本においては、原料調達面での不安定さは否定できない。 


原子力発電廃止乃至推進 其の①
2011.08.17

・今回、大震災にて本邦内における原子力発電の是非が官民を問わず、論議されて
 いることは皆様御承知の通りです。 


 浅学の知識を以って原発廃止乃至推進を論ずるわけにはいきませんが、過去の
 経験を踏まえて原子力発電の仕組み等を披露し、読者諸氏が原発に対する認識を
 新たにされる糸口になれば幸甚とするところです。


・小生が原子力発電と係わり合いを持つキッカケは、福井県敦賀原子力発電所を
 見学した頃からです。   


・見学した時の印象は、広大な敷地、コンクリート製の巨大な建屋、様々な諸施設を
 目の当たりにして、まさに巨額な資金投入にて建設されたものと云うものでした。

 見学とはいうものの、格納容器を蔵する建屋の直ぐ傍まで行くのですから放射線を
 少なからず恐れていました。

 巨大な諸施設とはいえ、地震による地割れ等があれば少なからず損傷は免れ
 ないのではないかと云う危惧を一瞬は抱きました。一方、原発の安全性の話を
 聞いた後では、安全性神話に納得もしました。  


・それでも、自宅に帰って乳幼児の子供と接触して大丈夫なのかなと云う不安は、
 少なからず抱いていました。
                             


(株)安愚楽牧場破綻~原発事故関連倒産~
2011.08.16

・当社は栃木県に本社を置いて、和牛畜産、和牛オーナー制度運営にて業績を
 伸ばしてきた会社である。

 今回の原発事故が引き金になって破綻に至る。

  H23.8.9東京地裁へ民事再生法の適用申請を行い、同日保全命令を受ける。 


・当社運営上の特色~和牛オーナー制度~

 1、繁殖牛のオーナーを募集し、生まれた子牛を当社がオーナーから買い取る。

 2、オーナーは繁殖牛購入の資金を当社宛投入する。
   繁殖牛購入資金を一般投資家が負担し、繁殖牛の飼育を当社に委託して
   生じた収益を享受する。
   この低金利時代に利回りは2~3%と見られ、個人オーナー(約7万人)には
   人気があったと云われていた。
   

・破綻の原因

 1、平成22年に発生した口蹄疫問題にて牛の殺処分(15千頭)を余儀なくされる。

 2、ユッケによる食中毒事件にて牛肉市場が低迷し、減収に陥る。

 3、原発事故にて牛肉需要減少、且つ価格下落を引き起こし採算悪化を招く。

 4、個人オーナーが不安を抱き、投資資金の回収要請に走り、当社の資金繰を
   圧迫する。
   投資家の不安心理が投資資金の回収に走り、当社の資金繰を圧迫したものと
   言える。

・負債総額は約4,330億円(H23.8.9時点)にて、多くの投資家(73,356人)が損害を
 被ることになる。大半の債権は切り捨てられることになる。


東京都中小企業融資制度 其の②~小口資金融資(経営指導特例)の内容~
2011.08.15

・本件の申し込み窓口
 事業所の所在する東京商工会議所の各支部窓口である。

・融資条件
 1、資金使途
   運転資金、設備資金
 2、融資限度額
   1,250万円 
   但し既存の保証協会保証付融資残高との合計で1,250万円以下
 3、融資期間
   運転資金・・・7年以内(据え置き期間6ヶ月を含む)
   設備資金・・・10年以内(据え置き期間6ヶ月以内を含む)
 4、融資利率
   固定金利乃至変動金利、変動金利については一部金融機関にて取扱無
   下記の通常金利より0.1%優遇金利が適用される。
   ア、固定金利
     借入期間の長短により金利が異なる。
       3年以内・・・1.8%以内
       3年超5年以内・・・2.0%以内
       5年超7年以内・・・2.2%以内
       7年超・・・2.4%以内
   イ、変動金利
     短期プライムレート+0.6%以内
     短プラ水準及び変動サイクルは金融機関により異なる。
 5、返済方法
   分割返済とする。但し、融資期間が6ヶ月以内の場合には一括返済も可能。
 6、融資形式
   証書貸付、但し1年以内の融資では手形貸付形式も可能である。
 7、信用保証
   信用保証協会100%保証
 8、保証料率
   保証協会所定の料率
 9、保証人
   法人の場合:代表者を連帯保証人とする。
   個人事業主の場合:原則として不要である。
 10、物的担保
   原則として不要である。

・公共的な機関である東京商工会議所の経営指導を受けることで、通常よりも
 有利な融資条件を利用することが望まれる。
 異なる角度から経営指導を第三者に仰ぐことも、経営上大切かとも思います。
東京都中小企業融資制度 其の①~小口資金融資(経営指導特例)の特徴~
2011.08.12

・東京商工会議所の経営指導を受けることにより、有利な融資条件を得ることが
 できる融資制度である。


・本制度の特徴

 1、東京商工会議所が経営改善と資金調達をサポートする
 2、通常の小口資金融資より融資利率が0.1%優遇される
 3、責任共有制度の対象外である→東京信用保証協会100%保証付
   (責任共有制度:民間金融機関がリスク20%を負担する)


・融資対象条件

 本件制度は優遇されるだけに、クリアーすべき条件が相応に存する。
 1、東京23区に事業所を有し、東京信用保証協会の保証対象業種に属する
   事業を営んでいる
 2、事業税又は法人税(個人事業主は所得税)を完納している
   →税金納付が延滞している先は対象外となる
 3、当該事業を営む為に許許可等を必要とする業種にあっては、当該許認可等を
   受けている
 4、従業員数が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の中小業者
 5、東京商工会議所から6ヶ月以上の経営指導を受け、其の証明を受けた
   中小企業者である

映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑪~当時の世相Ⅷ
2011.08.11

映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑪~当時の世相Ⅷ「プロ野球名解説者」~

・当時、プロ野球の名解説者として有名な小西得郎氏がいました。

 プロ野球のラジオ実況中継を聞きながら、小西氏の解説を聞くのも楽しみの一つ
 でした。小西得郎氏は1896年7月生、1977年6月亡 享年80才であった。


・独特の語り節、忘れることができない名文句「何と申しましょうか」で始まる解説
 今や、特色のある名解説や本人以外ができない語り癖をする解説者が少ないのは
 残念です。      


・今回、此の名調子を小学生が真似をして語っているのを聞いて、当時を懐かしく
 思い出します。50年近くの時を経ても鮮明に記憶に残っているのは、それだけ
 印象深いインパクトを与えてくれたのだと思います。


映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑩~当時の世相Ⅶ「性」~
2011.08.10

・性の問題は大人でも微妙なのに、映画の中では小学生の会話と吉永小百合の
 演技に表現されている。
    

・女性が大人かどうかは生理の有無によると言う会話を交わしているシーンを見ると
 小学生と雖も大人へのステップを示す役割を果たしているようにも思えます。
      

・中学三年生役の吉永小百合が修学旅行の当日、旅行を急遽取りやめ荒川堤にて
 座り、思い悩んでいると、突如走り出して荒川鉄橋の下の草叢にしゃがみ込み、
 暫くして立ち上がり顔をしかめて絶句するシーンがある。

 初めての生理を経験する場面で、言葉を発する事無く、顔の表情のみで表現して
 いる。浦山監督の苦心の跡が伺える箇所だと思います。

 当時の中・高男子に理解できたであろうかは判然としない。 


・小説の作者が女性だからこそ取り扱うことができた内容かなと思います。 


・後日、此の映画について友人と語りましたが、彼の友人が当時此の映画を見て
 此の場面だけを鮮明に記憶しているという発言がありました。

 男子高校生にとっては、衝撃的なシーンとして記憶に留めることになったのだと
 思います。      


米国債の格下げ~S&P社~
2011.08.09

・スタンダード&プアーズ(S&P)社が米国債の格付をワンランク引き下げたことに
 より、米国ばかりか世界主要国に少なからず影響を与えている。
     

・S&P社の引き下げ内容

 従来格付:AAA(所謂トリプルA)をワンランク引き下げてAA+(ダブルAプラス)と 
 している。
  

・他の大手格付け会社の対応

 1、ムーディーズ社:Aaa(トリプルA)の変更をしない

 2、フィッチ社:AAAの変更をしない 


・大手格付け会社の対応を見て米国社会の健全性を垣間見た気が致します。

 1、大手三社が横並びの対応ではなく、各々自社見解を貫いている。

 2、米国政府はS&P社に対し異例のクレームを呈するも、S&P社は自社独自の
   見解を貫く。米国政府も事態を見守らざるを得ない状況となっている。
      

・世界各国への影響

 1、米国債保有各国(中国、日本 2011.5末時点、1兆1千億ドル超保有)は
   米国債金利上昇にでもなれば、保有含み損の発生は免れない。

 2、引き下げの事実を米国政府は重く受け止めて、再度、トリプルAへの格上げ
   努力を米国政府に望むものである。 


政府、日銀による単独為替介入
2011.08.08

・先日、政府、日銀は円売り、ドル買いの市場介入を実施しました。

 政府の強い姿勢を感じて、市場は一時的とは云え急激な円高に一応の歯止めを
 掛けました。    


・今回介入の特徴

 1、日本政府、日銀による単独介入
   欧米各国と協力して介入を行う協調介入ではない。

 2、一日の介入実施額4兆円、一日の介入額としては過去最高額
   政府、日銀の円高抑制に対する強い姿勢が垣間見える。
   マーケットも政府、日銀の姿勢を汲み取り、一方的なドル売りを見送ったかに
   見える。      

 3、金融緩和策を同時に実施する旨発表
   円高傾向による国内景気の足かせを除くものと見られる。


・単独介入の限界

 1、欧米の財政、景気の行方が依然として不安感を拭え切れない。
   ドル安、ユーロ安要因を抱えており、マーケットは円買いのタイミングを測って
   様子を見ている。

 2、単独介入について欧米から批判的な見方が出ている。
   米国は単独介入を支持しない。
   欧州からは協調介入こそが一方的な為替の動きを抑制すると言われている。
                                      
                                             


映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑨~当時の世相Ⅵ「友情」~
2011.08.05

・小中学生間に於ける友情を、毎日の学校生活や日常生活の中で色濃く描いて
 いる。

・小学生の男子生徒達は毎日の遊び、新聞配達のアルバイト(当時、小中学生の間
 では家計の一助としていた)、伝書鳩の飼育等を通じて友情を育んでいる。

・中学生の女子生徒達は勉学、スポーツ、修学旅行等を通じて明日の未来を信じて
 生きようとしている様子を描いている。

・映画の中では苛め、暴力等後ろ向きの問題を扱わず。当時の世相の方向は
 他人との関係の中で明るい未来を夢見て必死に生きることにあった。生きることが
 先ず第一であって、それ以外は二の次の問題だと思われます。
映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑧~当時の世相Ⅴ「北朝鮮
2011.08.04

映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑧~当時の世相Ⅴ「北朝鮮への帰還」~


・吉永小百合主演の青春映画の中で、北朝鮮への帰還について取り扱われている
 のは、或る意味で奇異に感じた人々が居るかもしれない。

 それは、同名小説の作者「早船ちよ」が共産党員であった事と関係していたものと
 思われる。更には、当時の時代を色濃く反映していたのも一因かもしれない。 


・夫婦であっても日本に残る側と夢を抱いて北朝鮮へ渡る側と二つに分かれてしまう
 現実があった。

 更に親子と雖も、二国に分かれて生活を送らざるを得ない状況を映し出している。
 終戦から10年以上を経ても、貧しくも悲しい別離が存在していたのである。


・北朝鮮へ帰還した人々は大きな夢と希望を胸に抱いていたに違いない。現実は
 如何であったのであろうか、将来の歴史の証明を待ちたい。 


映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑦~当時の世相Ⅳ「親子関係」~
2011.08.03

・一室に親子六人が住んでいるが故に、親子関係は良い悪いに関わらず、現在より
 一層親密であった。 


・父親は一家の大黒柱であり、妻、子供からは一目置かれ、家庭内に於いては
 絶対的な存在であった。父親の指図には家族全員が従う、見方を変えれば服従と
 言ってもよい程の父対家族の関係が存在した。

 父親の存在が絶対的なだけに、父親の性格は頑固一徹そのものである。

 酒を飲んでは酔っ払い、妻、子供達に悪態をつく。妻は必死になって頑固親父を
 宥める役に徹する。

 頑固な父親役を俳優東野英治郎が見事に演じている。今でいえばDVとも取られ
 かねない言動を演じている。  


・母親は子供達に向かって常に言葉を発していて、親子関係の断絶等は微塵も
 感じられない。TV無く、TVゲーム無く子供達は常に母親と相対していた。


・家庭内では夫婦間、親子間、子供間にて言葉の遣り取りが飛び交っているので、
 たとえ怒られたり喧嘩をしても少し時間が経てば、わだかまりは直ぐ解消、何時も
 通りの親しげな会話を交わし始める。

 陰湿な嫌がらせの発生する余地は全く無い。「親子の断絶」など微塵も無い。

 


映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑥~当時の世相Ⅲ「進学断念」~
2011.08.02

・本人に進学意思があっても、父親の収入、家族構成を斟酌すると到底進学費用の
 捻出が不可能である。学業優秀でありながら、泣く泣く進学を諦めた若者が多数
 存在していた事実を忘れてはならない。

 高校、大学に進学できる幸せを享受して、現在の学生諸君には勉学に勤しんで
 欲しいと願うところです。  


・この作品の中では、高校進学を諦め、昼間は工場で働き夜間定時制高校に進学
 する道を選んでいる。

 小生の通った中学には定時制の中学課程が設置されていて、映画の中の設定
 よりも、更に貧しい状況の人々が居た事実を鮮明に記憶している。


映画【キューポラのある街】主演吉永小百合 其の⑤~当時の世相Ⅱ「貧困」~
2011.08.01

・今現在でも貧困問題は存在しているが、昭和30年代前半は戦後の貧しさを
 まだまだ引き摺っていた時代であり、映画の中でも随所に表現されている。
     

・映画の中で見られる貧しさを映し出しているシーンの例

 1、長屋住まい~借家であっても一戸建てではなく、所謂二軒長屋

 2、間取りは今でいう1LDK(台所、居間、玄関)、夫婦二人と子供四人が寝起き
   中学三年生役の女子学生が父親、弟の居る同一部屋でスカートの着脱を
   事も無げに行う

 3、共同水道~家の中には無い
   残念ながらトイレの存在については映し出されていない

 4、修学旅行の費用負担を親に頼めず、中学三年生がパチンコ店でアルバイトを
   して費用捻出を図る

 5、高校進学断念~貧困が一因となっている 


貧困が貧困を生むという負の連鎖を表現している作者の指摘に共感する。