今が 良ければ それでいい?
2009.09.30

世界経済フォーラムが8日に発表した「2009年版世界競争力報告」で、日
本の総合順位は昨年より1つ上がって8位となった。

政府部門は債務水準が"ワースト1"まで膨らむなど不振だったが、製造
業など民間部門が健闘して全体を押し上げた。

金融危機の影響が大きい米国は首位から2位に転落し、スイスが取って代
わった。
アジア勢ではシンガポールが3位に食い込んだ。(注1)
             
日本はこの不況でも8位かと感心するが、世界競争力報告の詳細を見ると、
なぜ政権交代が起きたのか分かるような気がする。

・インフレ安定性       1位
・平均生存年数        1位
・バイヤーの洗練度      1位
・国内サプライヤーの質    1位
・会社レベルの技術対応力   2位
・R&D(研究開発費)      2位
・学童就学率         3位
・一人当たり公共輸送     4位 
・海外市場開拓度       5位

・外国からの投資への障壁  93位
・銀行の健全度       84位
・教育費支出        96位
・政府支出の無駄度     99位
・課税の効率と実効度   101位
・雇用や解雇の自由度   116位 
・政府債務残高      133位 (注2)

世界レベルから見ると、物価は安定してるし、大衆の知的レベルもそこ
そこで医療も良く、会社が頑張っているので生活はしやすい。

しかし、その繁栄を支えているのは競争力下位の分野で、国の借金は膨大
だし、政府支出は無駄が多く、税金は高く、外国からの投資は制限し、会
社には自由に解雇できないようにしている。

つまり、今の快適生活は多くのほころびた崩壊寸前のシステム上にあり、
そのツケは近い将来払わなければならないという事だろう。


「今が良ければそれでいい」という歌がありました。
    ツケは子供たちに払わせますか? 無理だろうなーー。(*^。^*)

                       とおやま ひでゆき 

(注1)
 日本経済新聞 9月9日 
2009年の世界競争力ランキング
 1.スイス
 2.米国
 3.シンガポール
 4.スウェーデン
 5.デンマーク
 6.フィンランド 
 7.ドイツ
 8.日本
 9.カナダ
10.オランダ


(注2) 10秒で読む日経 世界競争力報告の上位と下位を拾った。
 http://archive.mag2.com/0000102800/20090910121000000.html


JALは なぜ飛べなくなったか?
2009.09.25

bs.jpg
日本航空が策定中の再建計画が難しいらしい。
金融機関が融資に難色を示しているらしいが当然だろう。(注1)

JALの決算を見てみるとANA(全日空)と驚くほど似ているが微妙な違い
もある。
資産規模は同じくらいだし、売上はJALの方が若干多いものの営業総利益は
26百億円台だ。

決算書から何が問題なのか検討してみた。
①売上総利益率が低く下落傾向。
 両者とも同じようだが、JALは下落して来てこの利益だ。
なぜ粗利が低いのか、主なものは不採算路線が多いからのようだ。
不採算は地方地元の要望で政治家の圧力もあったという報道もある。

②営業利益がマイナス。
 マイナス要因の大きなものは人件費だ。
ANAと比べると倍以上で、退職引当も多くこれでは金融機関は貸さない
だろう。

③キャッシュフローがマイナス
 資金繰りも当然悪く、お金がドンドン減っていく。
資金ショート寸前というところだろう。

 このような兆候は数年前から決算書で簡単に読み取れる。
なぜもっと早くから対策を採らなかったのだろう。
外資制限があり法律で守られていて日本の代表的会社だから、国が国民が
税金で、今までのように何とかしてくれるとでも思っているのだろうか。(注2)

    JALは今の日本に似ている。
    コスト削減は必要だが、無料酒類は無くさないで欲しい。


                    とおやま ひでゆき


(注1)
日本航空(JAL)(9205.T)が策定中の再建計画について「実現可能性に
不安があり、週末帰国する鳩山総理と対応策を協議する」と述べた。同日、
JALの再建問題について同社幹部や政策投資銀行など金融機関と個別に
会談した後、記者団に語った。

 JALは今春、金融機関に対して年末までに2000億円の融資を実施
するよう求めていたが、金融機関側はこれを拒否。6月に政府保証が付け
られる形で1000億円の融資契約を締結し、JALが9月末までにまと
める再建計画を見た上で1000億円の追加融資に応じるか決める計画。

これまでにJALは、2011年度までにグループ全従業員の14%に相
当する6800人の削減や国内外50路線の削減、1600億円規模の退
職給付債務の削減などの再建計画を打ち出していることが明らかになって
いる。ロイターニュース:2009/09/24

(注2)日本航空株式会社に対する助成
 http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/shouwa43/ind110301/002.html


これから流行る ビジネス
2009.09.21

 不況のせいで米国では離婚率が減っているということが話題になったが、
最近の米国の会計事務所の業務内容を教えてもらう機会に恵まれて感心し
た。(注1)

米国でもリセッションが長く、今年は成長率がゼロだということだ。
日本人が経営する米国の大島会計事務所は中規模(30人程度以下)の事務
所で日米間の取引を援助する体制で業務を組み立てている。(注2)


 初めて知ったのは離婚に関する業務だ。
米国では離婚率が5割に近いので、離婚は日常茶飯事で、ビジネスになる。
例えば、財産の開示を嫌がる相手の調査や、財産評価や税金の仕事である。

そのくせ、米国のビジネスマンは家族や恋人の写真をデスクの上に飾って
大切にしているように見るが、その事と多くの離婚関係業務の対照がよく
分からない。

 大手の事務所は会計関係の法規を作る側に携わっていて、企業の国際化
に必要なサービスを高い料金を取りながら生み出している。
不安を煽って、お金を取れる法律やビジネスを作っているかのようにさえ
見える。

場所も超一等地だし、人材も洗練されていて優秀だ。
広告宣伝もさすがに先進国で、WEB上ではもちろん、車社会でもあるこ
とからラジオ宣伝もしており、費用もかなりの額を掛けてブランド作りを
していた。

 日本の場合は会計業務に関しては立場上後進国にならざるを得ないが、
学ぶべき点と、呆れてしまう事がたくさんあった。

     世界は広くて面白い。
     いま世界の端にある小さな物語を見に行こう。(*^。^*)


                     とおやま ひでゆき


(注1)米国の離婚
http://www.trend-news.jp/life/entry-8961.html

(注2)
http://www.oshimasaito.com/


米国経済好調は うそ?
2009.09.18

 最近、米国に詳しい2人のエコノミストの話を聞く機会に恵まれた。
結論から言うと2人の意見は、米国経済の低迷は底を打ったという事だ。
しかし、V字型の回復は期待できずに、U字型あるいはL字型の回復曲線
になるという。

 一般的に1929年の大恐慌と比較され、大恐慌は底まで15年下がり続け、
実質的には世界第二次大戦まで回復のきっかけを待ったことに比較される
が、当時と比べると世界も学習をしてきていてもっと短く2年程度で回復
または横ばい基調になるようだ。(注1)

 その詳細は
①個人消費は住宅市場の持ち直し開始が始まり、2010年以降期待できる兆
 候がある。

②企業部門は受注の減速があるため、設備投資の伸びがマイナスとなって
 いて売上の伸びが厳しく急回復は望めない。

③金融政策は事実上のゼロ金利政策に移行し、年内はこの傾向を持続せざ
 るを得ない状況にある。来年は少し上がる。

④株価は年内7~9000ドルのレンジを推移して、為替は80円台に向けた円
 高相場になる。

 また投資については2から3年、最長5年を見据えた長期投資を考えた方
 が良く、具体的には。(注2)

①株式のポートフォリオは40%程度にし、中国株を多めにしたほうが良い。

②金は今後マイナスの要因はないのでポートフォリオの10%程度は欲しい。
 しかし、このシナリオは各国の政策が適正になされることを前提として
 いるので、細心の注意をして見守っていくことが必要だということです。
 では日本はどうなるか?
 予想は周りに影響されるので、何とも言えないようです。
 

    予想(よそう)は外れることが多い。
    逆から読むと、「うそよ」ですから。

                       とおやま ひでゆき 


(注1)
三菱東京UFJ銀行調査室 勝藤史郎
(注2)
メルリンチAsianUSComplex Vice Prejidennt 武田勝男


「悟りの窓」と「迷いの窓」
2009.09.17

satori.png
京都は何度行っても、また行きたくなる街です。

日ごろ迷いの多い私は、「悟りの窓」と「迷いの窓」という文字に惹かれ
て源光寺で、しばし人生を考える時間を持ちました。(注1)

そこでは白装束の若い外人女性が座禅をしていて、これが日本人以上に絵
になっていました。

源光寺の入り口の立て札には次のような説明があります。
『丸窓は「悟りの窓」と呼ばれ、円型は「禅と円通」の心を表し、円は大
宇宙を表現。

角窓は「迷いの窓」と呼ばれ、角型に「人間の生涯」を象徴し、生老病死
の四苦八苦を表している。 いずれも仏教の真理を表わしている。』

多くの観光客で賑わっている源光寺ですが、これほど多くの賑わいを見せ
るのは、その歴史もさることながら、この「2つの窓のネーミング」の良
さのお陰だと思います。

例えば、「丸い窓」「四角い窓」や名前がなかったりしたら、色々な書籍
等で引用されたり、私のように名前に惹かれて行く人もなかったと思うの
で、「ネーミング」は重要だと思いました。


 今、迷われている方は
 ぜひ源光寺の2つの窓を見に行って欲しいと思います。
 特に紅葉の時は、新しい発見があるかも知れません。

                       とおやま ひでゆき 

(注1)源光庵   山号 鷹峰山 曹洞宗
貞和2年(1346)に臨済宗大徳寺の徹翁により開基。その後、元禄7年
(1694)に卍山道白により曹洞宗に改宗された。 本尊は釈迦牟尼仏。

本堂は1694年の建立。 天井板は伏見桃山城から移築したもので1600年
に徳川家家臣鳥居元忠らが石田三成に破れ自刃したときの跡が残り、血天
井となっている。

本堂右には「悟りの窓」」という丸い窓と、迷いの窓という四角い窓があ
り、2つの窓越しに庭園を望むことができます。


契約書がない! どうなる?
2009.09.11

「契約書は作るべきだが、なくても効果はある」

契約書がなくてトラブル発生という話を良く聞きます。弁護士さんに聞け
ばいいのですが、要約してみました。

①契約書を交わしていないのに契約が成立?
 取引で、契約書は非常に重要です。しかし、日本の法律では、一部の契
約を除いて、契約の成立に書面は必要とされていません。口頭でも有効で
す。
また、表題が「合意書」「覚書」となっていても、原則として契約書と同
様の法的拘束力があります。

②契約を締結していないのに損害賠償?
 交渉の過程で、両者の条件がおおむね合致して契約締結のための準備に
入ったような段階で、どちらかが一方的に契約締結を拒んだような場合、
相手に対して損害賠償責任を負うこともあります。

③契約書はなぜ必要?
 契約書の最大のメリットは、訴訟やトラブルになった場合に証拠として
の価値が高いことです。
裁判でもきちんと契約書に書かれていれば有利です。

④一方的に契約の解除をできる場合
 逆に、クーリング・オフといって、訪問販売等の場合、消費者が契約を
してしまったとしても、一定の期間内であれば書面によって契約の解除を
することができます。消費者は損害賠償金を払う必要はありません。(注1)

    日常はいくつもの契約の積み重ねなんですね。
    でも、重要なことは契約書で!。


                       とおやま ひでゆき 


(注1)事業者にとって大変厳しい規定なので、できる期間は限られています。
①訪問販売、電話勧誘販売 法定書面を受領した日を含めて8日間
②特定継続的役務提供 法定書面を受領した日を含めて8日間
③連鎖販売取引(マルチ) 法定書面を受領した日(商品の再販売がある場合
 で最初の商品の引き渡しを受けた日が書面より後の場合はその日)を含めて
 20日間
④業務提携誘引販売取引 法定書面を受領した日を含めて20日間
⑤通信販売 法律上のクーリング・オフはない。



将来に対する 漠然とした不安
2009.09.08

将来について不安を感じるのは、作家の「芥川龍之介」だけではなく、60
歳未満で80%を超えています。(注1)

不安の主なものは「健康」「老後」「環境問題」「経済財産」「不況」
「未婚」(注2)等ですが、
その中で、特に老後の3つの不安について見ていきましょう。

①経済的な不安 
老後の収支は、一般的な予想(典型的な4人家族で、夫が50歳で年間家計収
入550万円、)では、厳しい状況になることが予想されます。

仕事のある65歳までは貯蓄も増えますが、その後は生活費をまかないきれ
ない分は、貯蓄を取り崩して平均寿命を超えるとかなり少なくなります。
いくら必要なのか確認しておきましょう。(注1)

②健康の不安 
老後の健康のためには、若いうちから続けられる体力づくりとして、何かを
始めることが良いそうです。

 病気への備えは、まず予防・健康診断で、次に介護への対応が重要です。
介護は資金面だけでなく、誰がどうやって面倒をみるかということが大き
な問題になります。

③過ごし方への不安
  老後は誰と、どんなことをして過ごすかイメージできていますか。
 あなたの趣味が、どなたかと一緒に楽しめるものであれば、仲間を増や
していくことをお勧めします。年をとっても、そうした仲間があなたの心
の支えになってくれるでしょう。

趣味は若い時から始める方が、取り組みやすいそうです。
また、働けるうちは、やりがいのある仕事を続けるのも老後の充実に役
立つ。
仕事は生甲斐になるんですね。

     しかし、20代の15%が「月曜日が不安だ」と回答してる。
     理解できますか? (^_^.)


                       とおやま ひでゆき 


(注1) 金融広報中央委員会の生活設計診断を参考にしました。
https://www.saveinfo.or.jp/tool/sindan/input/index.html

(注2)日経ビジネス Associe
http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20090422/148508/


長寿企業に なりたい
2009.09.04

大不況に負けない長寿企業になりたいが、1000年以上も続いている企業が
何件かある。例えば

 法師(創業713)  旅館
 あぶり餅一和(1000) 和菓子
 田中伊雅仏具店(889) 仏具
 金剛組(578)     建築

 海外では一般的に、「創業者一族の影響下にある企業」をファミリービジ
ネス、ファミリー企業と呼びます。
そして実は、日本は世界でも類を見ない「長寿企業大国」で創業100年以上
の会社が5万社もあり、そのほとんどがファミリー企業だそうです。(注1)

ファミリー企業と一般企業(上場企業など)との明らかな違いは、
1、企業の目的
 ①一般企業(上場企業など)   → 企業価値の最大化
 ②ファミリー企業        → 会社を持続させていくこと。
  創業者が創業に込めた魂、すなわち起業家精神を後世へと伝えていくこと。

2、経営の「タイムスパン」が長い

 という事だそうです。

 では、創業したばかりのベンチャー企業や、持続的な経営を目指す会社が
ファミリービジネスのエッセンスを取り入れるうえで目を向けるべきポイントは。

①家訓(経営理念)
 経営理念を決めて、それを中心にした経営を実行していくことが理想のファミ
 リー企業に近づくための一歩。

②事業承継
 創業者一族である必要はないが、次世代を担ってくれる後継者を早いうちから
 見つけておくこと。

③会社の強みの認識
 老舗と呼ばれるファミリー企業の多くが自社のコア・コンピタンス(会社の強
 み)をきちんと理解し、それを強く打ち出していくことでユーザーの信頼を獲得
 しています。

  の3つだそうです。


   今いくら大きくても、急成長で格好良くとも
   潰れてしまったら オシマイです。
    長寿企業を目指しましょう。


                       とおやま ひでゆき 

(注1) 光産業創成大学院大学教授 後藤俊夫●1942(昭和17)年、東京都生まれ。
 東京大学経済学部卒業。専門は経営戦略で、日本におけるファミリービジネス
 研究の第一人者として知られる。

(注2)長寿企業の研究
 http://blogs.yahoo.co.jp/tjiblog/28766653.html


大恐慌の原因は何か? いつ脱出したか?
2009.09.02

 最近、「米ウォール街のアナリストの助言に従っていたら、70年間で最
大の上げ相場のなかで損失を被っていた」という記事が話題になった。(注1)
 そのくらい専門家の予想は外れるということなのだが、世界を大きく揺
さぶった1929年の大恐慌の原因は何か?(注2)

1、大恐慌の遠因としては、ヨーロッパが疲弊している隙を突いて米国や
日本が農産物や工業製品を輸出し、国内生産拠点を拡大したこと、金融機
関もそれに応じ て過剰に融資を拡大していったこと。

2、戦前の金本位制への復帰を目指したことも事後的には貿易赤字国にデ
フレ圧力をかけてしまった。

3、戦前の覇権国であった英国が債務国に転落し、米国は新覇権国として
リーダーシップを取る準備がまだできていなかったこと。

4、富の30%が富裕層に集中しており、株投資の失敗により消費も投資も
かなりの額が減少した。

5、専門家が財政均衡優先等無能なアドバイスをした。等
が原因でバブルがはじけ、資産・投資・消費を激減させ恐慌へ突入。

 では、どう脱出したか。

1、いち早く復帰したのは1931年に旧平価を切り下げた英国やスカンジナ
ビア諸国。

2、次に早かったのは為替レートの変動を認めた管理通貨国。

3、最も回復に時間がかかったのはフランス、ポーランド、米国など金本
位制に固執した国。

4、各国がなりふり構わずに大恐慌からの脱出を企てるようになると、た
とえば、英国が英連邦圏でブロック経済を形成し、自由貿易の拡大に消極
姿勢を示した。国際的な対立が不可避になるような方向に世界が向かって
しまった。

 最終的に世界各国にとって新経済が成立したのは第2次世界大戦後、15年
 目にして初めて大恐慌の呪縛が解かれたのである。
 まさか戦争にはならないだろうけど、それに匹敵するような大きなインパ
クトが必要ということなのだろう。

   過去の大恐慌という良い教科書があるのだから、
   キチンと学んで二の舞を踏まないで欲しい。

                       とおやま ひでゆき 


(注1)一例を挙げると、シティグループは3月11日付のリポートで、クレジ
 ットカード大手ビザの買いとアメリカン・エキスプレスの空売りを推奨
 した。しかしその1カ月後、同社はアメックスの投資判断を引き上げる。
 助言に従っていた投資家は12%の損失を被ったことになる。
フジサンケイビジネスアイ 8月20日

(注2)週間ダイヤモンド 090404

(注3) 大暴落→大恐慌? 今後は?
 http://blogs.yahoo.co.jp/tjiblog/18983892.html