高くても なぜ売れる?
---「勇気ある経営大賞」受賞会社ーーー
名刺に「電化の山口はとんで行きます」と東京町田市の電化の㈱山口は印刷している。
普通の電化製品を他社より高い価格で売っているのに業績が拡大している秘訣は何か?
先日TV「ルビコンの決断」で特集していたのでご紹介します。
㈱山口は普通の電化製品をほぼ定価で売っています。この不況時に驚きです。
まともな戦いでは、周りにたくさんあるビックカメラ等量販店の値下げ競争に負けて
しまいます。
そんなピンチの状態の時、山口社長は老夫婦の言葉からヒントを思いつきます。
従業員が帰ってしまったある夜、修理依頼があったので仕方なく社長が直接お客様先
へ行きました。
修理した後、そこの老夫婦にとても感謝されて新しいTVを買ってくれるといわれた。
老夫婦は「少しぐらい高くても、人間味があって困った時に助けてくれる店があれば
うれしい」と。
それをヒントに、社長はノルマを今までの売上でなく粗利にし、良いサービスをして
地域密着型で利益を上げる方向に転換した。
当時、年間売上は16億だったが、売上が減少確実だったので、どうしても粗利35%
が必要だった。
そこで、具体的に35%を稼ぐため、次のような思い切った対策を打った。
①お客様の数を3分の1にしてサービスの質を高めた。
②5年間に買い物に来ないお客様はやめる。
③高齢者(平均64歳)を対象に、お助けの商売をする。
④究極の御用聞きになる。
たとえば、買い物、掃除、留守番など困っていたら駆けつける。
でも家電の何が売れそうだとか、何を望んでいるかなどの必要情報は集める。
⑤顧客情報をデータベース化。
その後、少しずつ業績が回復し13期連続黒字で、商工会議所から特別賞も受賞した。
(注1)
あるお客様の亡父からの遺言を聞いて感動したという。それは次のようだった。
「何でも山口さんに頼め、遠くの親戚より近くの山口」
しかし、周りのライバルも頑張っている。その動きも見ておくと
1、ヤマダ電機も㈱山口をまねようとしている。
2、AZスーパー
お客様のため「ないものはない38万品目で、24時間営業」を標語に今までにない
サービスをしている。
3、巣鴨信用金庫
年金を自宅に届けたり、業務時間外で住宅ローン相談をしたり、業務時間外で無
料落語を主催したりしている。
このようなサービスは誰でもできそうだ。
でも、続けることは大変だろう。
とおやま ひでゆき
(注1)
でんかのヤマグチは東京商工会議所主催の「第5回勇気ある経営大賞」特別賞を
受賞しました。
受賞理由
■地域に密着した顧客作りのための、徹底した外回りサービスや30年間にも及ぶ毎週
末に開催する各種イベントといった「お客様をとことん喜ばす」サービス姿勢は類を
見ず、量販店と比べて「かなり高い売値であっても買ってもらう」経営手法は秀逸で
ある。
■小型の電気店が続々と閉店に追い込まれる情勢の中、成長を続ける当社の経営手法
は、ますます進展する高齢化社会に適応しており、家電業界だけでなく様々な業種の
小売業が生き残るモデルとなり得ること。


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