ソニーの凋落 と サムスン
ソニーの最近の凋落は残念だが、ソニーだけではなく、他のパナソニック、日立製
作所や東芝、シャープなど、電機大手9社の営業利益の合計は、6400億円(10年3月期)。
日本の電機大手が束になっても、サムスン1社の営業利益に届かないのである。
これはむしろサムスンが急成長したといった方が正しいだろう。
筆者によれば、急成長の理由は以下のようだという。(注1)
1、IT改革
全プロセスを効率化し、例えば製造プロセス改革で携帯電話1年間で2億5000万台生産。
日本のトップメーカーは1000万台で桁が違う。
2、デザイン革命
グローバル戦略の根幹は「顧客は最初にデザインによって心を動かす」という李会長
の考え。
3、材料費削減運動と価格決定は引き算方式
徹底的な経費削減で製造原価を見直し。
日本は製造費用を積み上げて価格を決めるが、サムスンは消費者ごとの売れるための
価格を設定し作り始め、目標原価を上回りそうだと中止する。
4、世界各地に散る「地域専門家」
派遣先の国に6カ月から1年滞在し、日常業務はせず、その国の現実をつかみ、習慣を
身につける。
本格的な活動に入ると、その情報を生かしニーズにあった勝てる製品を作る。
日本は良いものを作ればどこでも売れると考えるが、サムスンの考えの方が多くの人
に受け入れられ、素早く正確な判断ができて現実的である。
この話で僕は、バンクーバーオリンピック女子フィギャーの金「キム・ヨナ」、銀
「浅田真央」の演技対決を思い出した。
5、戦略は明確化でなく抽象化する
「デザインは心を動かす」というような、抽象的な戦略の方が部下は「自分で考える」
ようになる。
6、10年先を読む情報収集
10年先を読むため、会長は世界各地を飛び回り情報収集しているし、サムスンは司令
塔として200人のエリートからなる「秘書室」を設け、彼らは95%以上のレベルで
会長の判断と同じ考えを持っていると自負している。
ちなみにサムスンの入社条件は「TOEIC(990満点中)900点」、課長以上への昇進は
「同920点」だそうだ。驚きだ。
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金「キム・ヨナ」、銀「浅田真央」と
サムスン、SONYの共通点は?
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とおやま ひでゆき
(注1) サムスンの決定はなぜ世界一速いのか (角川oneテーマ21) [新書]
吉川 良三 (著) 価格: ¥ 760
日立製作所などでCAD/CAMの専門家になり、三星(サムスン)電子に誘われて1994年か
ら10年間常務を務めた経験を持つ。
日本企業の追随から始まったサムスンが、1997年のIMF危機の前後に路線変更し、「妻
と子供以外はみんな取り替える」というフランクフルト宣言以降に独自の進化を遂げ
た様子とポイントを説明している。


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