ソニーの凋落 と  サムスン

2011.05.31

 ソニーの最近の凋落は残念だが、ソニーだけではなく、他のパナソニック、日立製
作所や東芝、シャープなど、電機大手9社の営業利益の合計は、6400億円(10年3月期)。
日本の電機大手が束になっても、サムスン1社の営業利益に届かないのである。

 これはむしろサムスンが急成長したといった方が正しいだろう。
筆者によれば、急成長の理由は以下のようだという。(注1)

1、IT改革
 全プロセスを効率化し、例えば製造プロセス改革で携帯電話1年間で2億5000万台生産。
 日本のトップメーカーは1000万台で桁が違う。

2、デザイン革命
 グローバル戦略の根幹は「顧客は最初にデザインによって心を動かす」という李会長
 の考え。

3、材料費削減運動と価格決定は引き算方式
 徹底的な経費削減で製造原価を見直し。

 日本は製造費用を積み上げて価格を決めるが、サムスンは消費者ごとの売れるための
 価格を設定し作り始め、目標原価を上回りそうだと中止する。

4、世界各地に散る「地域専門家」
 派遣先の国に6カ月から1年滞在し、日常業務はせず、その国の現実をつかみ、習慣を
 身につける。

 本格的な活動に入ると、その情報を生かしニーズにあった勝てる製品を作る。
 日本は良いものを作ればどこでも売れると考えるが、サムスンの考えの方が多くの人
 に受け入れられ、素早く正確な判断ができて現実的である。

 この話で僕は、バンクーバーオリンピック女子フィギャーの金「キム・ヨナ」、銀
 「浅田真央」の演技対決を思い出した。

5、戦略は明確化でなく抽象化する
 「デザインは心を動かす」というような、抽象的な戦略の方が部下は「自分で考える」
 ようになる。

6、10年先を読む情報収集
 10年先を読むため、会長は世界各地を飛び回り情報収集しているし、サムスンは司令

 塔として200人のエリートからなる「秘書室」を設け、彼らは95%以上のレベルで
 会長の判断と同じ考えを持っていると自負している。

 ちなみにサムスンの入社条件は「TOEIC(990満点中)900点」、課長以上への昇進は
「同920点」だそうだ。驚きだ。

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       金「キム・ヨナ」、銀「浅田真央」と
       サムスン、SONYの共通点は?
.


                    とおやま ひでゆき

(注1) サムスンの決定はなぜ世界一速いのか (角川oneテーマ21) [新書]
 吉川 良三 (著) 価格: ¥ 760
日立製作所などでCAD/CAMの専門家になり、三星(サムスン)電子に誘われて1994年か
ら10年間常務を務めた経験を持つ。

日本企業の追随から始まったサムスンが、1997年のIMF危機の前後に路線変更し、「妻
と子供以外はみんな取り替える」というフランクフルト宣言以降に独自の進化を遂げ
た様子とポイントを説明している。


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