M&A 基本合意書の巻
2007.10.31

今日は昨日に引き続き、温かくていい天気でしたね。毎日、こうした天気が続いてくれるとよいのですが。こうしたせっかくの天気なのに、何だかばたばたしていて、落ち着きません。一日中やることがなくて、ボーーっとお茶でも飲んでいられたらどんな気分なのでしょうか。ま、そこまで行かなくても、せめて10分間、お茶をゆっくりと落ち着いて飲みたいものです。

娘は最近、何でもつかもうとします。けっこう、力、強いんですね。赤ちゃんでも、なかなかばかにできないです。今日は、家内が娘をひざの上にのせながら、スパゲティを食べていたら、そのスパゲティのはしっこをしっかり握って離さなかったようです。何だかよくわかりませんが、こうした行為が何らかの良い方向に将来開花してくれることを期待しています。

さてさて、今日は、基本合意書についてのお話です。これは売り手と買い手がこのM&Aに関して、基本的な事項で合意ができた場合に交わされるものです。必ず交わされるとも限りませんが、通常は交わされます。内容については案件ごとに異なってきますが、共通している項目をあげます。

①買収形態及びその範囲
これはこのM&Aの対象となっているのが、何なのかを明確します。株式譲渡なのか、事業譲渡なのか、株式譲渡の場合には、発行済株式全部なのか、それとも一部なのか、事業譲渡の場合なら、どの事業なのかということです。

②買収価格
記載されない場合もありますが、普通は記載されます。この交渉の中で、通常最も重要な部分は価格ですから、合意ができるなら記載します。逆に言えば、明らかに合意できないほどの価格差が生じている場合には、最終合意に達する可能性は小さいので、基本合意を結ぶ意味が弱いかもしれません。

③独占的交渉権
これは、他を排除して交渉する権利のことですが、普通は基本合意書に組み込まれます。買い手からすれば、他社に取られなくなるわけですから、早期に付与されたいと思いますし、売り手からすれば、なるべく遅いタイミングで、本当にこの相手でいいのか、と慎重に決める必要があります。この独占的交渉権の期間は、案件によっても様々ですが、通常は60日~90日が多いようです。

④秘密保持
これは、交渉によって知りえた情報を他の第三者に開示しないことを約束するものです。基本合意の公表も相手側の了解が必要となります。もちろん、公開会社では、開示が要求されますが、非公開会社はこのタイミングでは通常は開示されません。それと秘密保持にも有効期限が設けられます。これは交渉が決裂した場合に備えてです。

⑤善管注意義務
これは善良なる管理者としての正当なる注意義務をはたす、というものです。これは、交渉中に対象企業の内容が大きく変わらないことを、売り手の義務として課すことを意味しまう。具体的には以下の事項です。
・通常の営業を行う
・従業員の賃金水準などの雇用条件の大幅な変更をしない
・増資、減資を行わない。
・重要な営業の譲渡、廃止、新設、大幅な設備投資を行わない
・多額の新規借入れを行わない

この基本合意書には法的拘束力を持たせないのが一般的です。そのための規程をいれます。ですから、最終合意にいたらなくても、通常は違約金の支払は発生しません。それではなぜ、こうしたものを結ぶのでしょうか。

①当事者の誠実義務を促す(お互いに約束を守りましょう)
②買い手は、独占的交渉権をもつので、慎重に判断できる
③最終契約までのスケジュールが明確になる
④最終契約書の基礎となり、最終契約書作成の時間が短くなる
⑤基本合意に達しなければ、重大な問題で合意とならないということであるから、見切りがお互いに早くできる

こうしたことを理由に基本合意書を結びますし、私もその方がよいと思います。ちなみに基本合意書でなくても、その簡易版として、趣意書やターム・シートと言って、項目を箇条書きにしたもので代替することもあります。

基本合意書まで来るとあと少し、と言う感じがしないでもないですが、結構かかりますね、ここからも。


M&A 従業員に対する告知のタイミング
2007.10.30

今日は一日中雨でしたね。朝から雨でした。私は、朝9時に家内と共に娘を小児科の病院に連れて行ったのですが、満杯でした。大混雑。子供でも風邪がかなり流行っているのですね。娘の風邪は日々良くなっているので、とても嬉しく、安堵しています。

すみませんが、もうお酒を飲みはじめています。ま、2合くらいですが。純米大吟醸がとてもおいしいです(自分では買えませんので、頂き物です)。たまには、9時からお酒を飲ませてくださいね(誰に頼んでいるのか知りませんが)。

さてさて、酔っ払いながら、書きたいと思います。支離滅裂だとしたらご勘弁ください。

この前が、従業員のお話だったと思いましたので、今日はその続きにしましょう。従業員にM&Aの事実を告げるタイミングです。従業員にも幹部とそれ以外ではタイミングを分けるのが一般的ですし、私もそれがよいと思います。特に中小企業は経営者と従業員の結びつきは強いですし、幹部社員などはよく「うちのオヤジ」などと経営者のことを呼びます。こうした経営者との精神的なつながりの強い幹部社員のモチベーションを落とさないためにも、他の従業員よりは早めの方が良いと思います。この場合、できれば個別面談が更に良いです。特に、辞めて欲しくない、キーパーソンは、早いタイミングで買い手との接触を持たせて、そのモチーベーションを落とさずに、報酬を含めて安心して働ける職場環境を約束する必要があります。
まず、キーパーソン・幹部社員、一般従業員という段階での告知が必要です。

以前、秘密保持のお話をしましたが、秘密保持はとても重要ですので、この従業員らに対する告知は通常はかなり最後の方となります。具体的には、キーパーソン・幹部社員には、少なくとも基本合意書の後ですし、一般社員では最終契約書締結の直前・直後です。

どのような会社であれ、結局は人です。人のモチベーションは非常に大事です。このモチベーションを高めることに注意してください。彼らに安心感を与えるとともに、飛躍を予感させてください。もちろん、一般の従業員の最も関心あるのは給与面等を含んだ自分の待遇です。これについては、買い手が決める部分も多いのも事実ですが、なるべく安心感を与えることに留意してください。


M&A 従業員の処遇については?
2007.10.29

こんばんは、月岡です。お酒を少し飲みながら書いていますので、少々意味不明なところもあるかもしれませんが、ご容赦ください。

今日はあちこち移動が多くて大変でした。本日、8月決算の会社の税務申告書に押印をもらおうと思って会社に行ったら、その申告書を事務所に置いてきてしまいました。な、な、なんてバカなのでしょう!!!事務所を出る前に一度、かばんから取り出して確認したのですが、丁度事務所に来客があったので、つい机の上に置いてしまったのでした。。。自分の馬鹿さ加減にあきれましたね。久しぶりに。

ま、それはさておき、今日は従業員についてです。売り手の経営者からするとどの従業員にはその後もずっと会社で働いてもらいたいと思うでしょう。売り手は株式を売却して、ある程度まとまったお金を手にすることができるので、従業員にも幸せになってもらいたいという情緒はよくわかります。一方で、買い手からすると従業員の雇用を当然に保証しようとは思っていません。このM&Aは投資ですから、投資に見合うリターンを得られるかどうか、当然従業員もその観点からチェックされることになります。優秀な従業員には絶対に辞めてもらっては困ります。特に人材の個性が競争力の源泉という事業の場合にはその傾向が顕著です。そういう場合、買い手は売り手にこの会社に留まらせることを行動を真剣に行うように要請します。売り手もこの人がいなくなっては企業価値が下がる、売値が下がる、という意識がありますから、M&Aのタイミングで、その人にやらせる仕事の期間や質にも注意します。例えば、M&Aが終わるまでは、決して終わらないような長期的なプロジェクトにその人材を組み込んだり、またはこのM&Aそのものの進行責任者に組み込んだりします。一方で、不必要と思われる人材をあらかじめ売り手の責任で辞めさせることを求めることもあります。

私が持っている資料によると、1999年以降の合併について言えば、合併後、従業員数が約10%減少ているとの事です。また、合併当事者の事業に関連性がある場合は約13%減少し、非関連合併ではほとんど変化なし、救済合併では、20%程度の大幅な削減が行われているようです。

結構、やめていますね。以前コストシナジーは比較的表れやすいというお話をしたことがありますが、人数の減少はそれを如実に表しているように思います。コスト削減がかなりの確度で見込める分野でしょう。

売り手の経営者としては、首切りはやめてくれという気持ちもよくわかりますす。しかし、当然、買い手は投資先としての評価ですので、人であろうとドライな処理となることもあります。売り手の経営者の方には一つの割り切りが必要だと思います。

それと、M&Aがありますと従業員の方には、福利厚生制度や退職金制度などいろいろと差異がでてきます。しばらく2制度の続行ということもありますが、新しい制度を作る場合や、どちらかに統一する場合、二つのうち良い方へ統合する場合といくつかのパターンがあります。こうしたことも経営者の頭を悩ませる問題ですし、従業員も気になるところだと思います。ここは求める統合のスピードやコスト、企業文化や風土との兼ね合いもありますので、慎重に検討が必要だと思います。どのような形であれ、従業員の多くの方が納得される方向性をとりたいですね。


勉強と娘と株主分散について
2007.10.26

本当は今日、セミナーに行こうと思っていたのですが、仕事が終わらず行けませんでした。この自己学習、勉強と仕事の割合も難しいような気がします。ある程度余裕があるときに、新しい分野の知識を積極的に学習しようとしないと、従来の仕事の延長線上にある知識しか広がりません。同心円の輪が少しずつ大きくなるだけです。私はあちこちに知識の飛び石を作りたいと思っています。この業界に関する知識のフィールドは広大です。誰もこれを極めることなどできないでしょう。ですが、飛び石をいくつかつくり、そこから輪が少しずつでも広がり、他の輪とつながるようになればいいなと思っています。そうは言っても最近は時間がなくて、この飛び石を思うようになかなかつくれません。ま、睡眠時間を減らして、勉強時間を増やせば解決することなので、とても単純な問題ですが。。。。お恥ずかしい話なのですが、私の気合が足らないということなのです。

家内によりますと、本日、娘は4ヶ月健診でBCGの注射をうたれたようです。お医者さんが何本も針のある注射を娘の腕にとても強く押し付けるので、かわいそうだったようです。それでも、あまり泣かずにえらかったと家内は言っています(お恥ずかしいのですが、家内は親ばかだと思います)。

さて、ようやく本題です。今日は株主が経営者1人ではなく、何人もいる場合のお話です。中小企業で従業員に株式を持たせているところで、その従業員が退社し、亡くなり、相続が起こっていたりすると、株主を見つけるだけでも結構大変です。結局、誰が真の株主であるか分からない場合もあります。ここまで、極端な場合でなくても、M&Aの場合、売り手は株式を100%集めてくるか、株主から売却への同意を得なければなりません。ですから、M&Aのことを少しでも考えるのであれば、株主の分散はあらかじめ避けるようにしなければなりません。結局、従業員のモチベーションを増加させようとか、経営者グループの相続対策のために、多くの株式を分散させたりするのですが、M&AやIPOなどの強い経営権が要求されるときには、従業員やOBらに分散した株式を再度集めることととなり、このばらして、集めてを繰り返しているへんてこりんな状況を散見します。繰り返しになりますが、M&Aの時には意見を集約する必要がありますので、結局集めることになりますから、M&Aを最終的な出口の一つと考えられている経営者の方は、相続対策も良いのですが、株式をあまり分散させないよう留意しましょう。
そうは言っても分散しているものは仕方ありません。彼らの同意を取り付ける必要がありますので、株主の皆様にお話をしなければなりません。これは基本合意書ができた後の手続きになります。合併などは株主総会がありますから、株主の意見は総会で必ず明らかになりますが、株式の譲渡となりますと、そうした機会はありません。売り手の大株主である経営者が他の少数株主に説明し、理解を求めることになります。この意見をまとめる方法として、売り手の経営者に対して、少数株主から委任状を提出してもらうことが多いです。これは株式の譲渡契約を売り手経営者が代理として行い、個々の譲渡手続きを簡便化するためのものです。

それと、会社法になって、相続等がある場合に、相続人等から会社が強制的に株式を買取ることができる定款の変更が可能となっていますので、この定款の変更が行われていない方は、やって方が良いように思えます。ただし、経営者である大株主の相続があった際もこの規程はいきますので、少数株主がクーデターをおこし、元経営者の株式を会社に買取らせることも可能となりますので、少々注意も必要です。


最近思うこと・・・
2007.10.25

おかげさまで、とても忙しい日々を送っております。やるべきこととその納期に強くプレッシャーを感じてしまう今日この頃です。ありがたいことです。しかし、このビジネスはしみじみ労働集約型の産業だと思います。私自身が働いて時間を削る、切り売りする側面が非常に強いです。ただ私もご飯を食べなくてはならないし、寝る必要もありますので、24時間のうち使える時間は限られます。もちろん、誰か他のスタッフの人ができる仕事ならばよいのですが、単調な仕事は月岡事務所にはあまり多くありません。ここはとても大きな問題なので何とかしようと強く思います。

すみません。リアルな話でちょっとひいてしまったでしょうか。会計事務所なり士業はみな抱えている問題の一つだと思います。一方で、PCとインターネットの普及はこうした士業にもとても大きな影響を与えていますね。会計ソフトや税務申告ソフトはとても安価ですから、時間がある方なら、簡単に自分で入力し、決算書や税務申告書を作成することができます。情報もインターネットで無償で手に入ります。ですから、税務申告や記帳の報酬はどんどん下がっていますね。今、会社の数はどんどん減っていますし、一方で事務所の数は増えていますから、この傾向は続くでしょう。従来の税務申告と記帳代行という会計事務所のあり方を見直さないと、ご飯を食べていけなくなるところが今後沢山でてくると思います。

一方で監査法人の寡占化は益々進むでしょう。はっきり言って大手監査法人の株は買いです。ま、売りに出されていませんが。また監査の仕組みそのものが大規模化を要請してますから、中小の監査法人には厳しく、合従連衡があるでしょう。金商法による内部統制制度は大規模監査法人には追い風です。結局、彼らは海外提携事務所の事例を豊富に持っていますので、そうした先行している実例が日本の標準を作っていくことでしょう。

こうし時代の中で、私は竹やりしか持たない小兵ではありますが、自分自身の知識や経験をしっかり磨いていき、時代の要請するものを捉えていきたいと思います。方向性を間違えないで日々弛まぬ努力をすれば、社会の中で表す時代のさまざまな面のうち、私が捕まえられるものも何かあるでしょう。そこに自分自身をかけてみたいと思います。決して負けずに、挫けずに、前進していきたいと思います。

今日はM&Aとまったく関係ない話となりました。失礼いたしました。さーーて明日も仕事をしっかりしましょう!!


M&A 社長の個人保証 修正削除 移動
2007.10.24

風邪がなかなか治りません。娘も風邪が治りません。私が娘を抱いて、家内が液体の薬を飲ませるのですが、この薬が大嫌いなようで、口に入れてもダーと横からこぼします。無理に飲ませようとすると首を激しく振ります。それでも飲ませようとすると、泣きそうな顔で私を見ながら「いやだよ~。助けてよ~。」と目でうったえます。思わず「もういんじゃないか。」と家内に言いそうになりますが、心を鬼にして「おいしいよ。おいしいよ。」とニコニコしながら、娘に話しかけます。あーー、ほんとうに早く治って欲しいものです。私も早く治さないと。

ということで、私も今日は早く寝たいと思います。ちゃっちゃっと行きます。

今日は、社長の個人保証です。これが中小企業のM&Aではよくひっかかる点ですね。事業承継が上手くいかない大きな理由の一つでもあります。

そもそも事業売りたいという理由のひとつもここにある方もいらっしゃいます。会社の借入金等の個人保証があるので、これが頭のすみにいつもずっとひっかかっていて、なかなか気が休まらないのですね。
会社を売却しても、個人保証が残ったままというのは、最悪のパターンです。自分の経営ミスで個人財産がとられてしまうのは、納得できても、第三者の経営ミスで自分の個人財産がとられてしまうのでは、たまりません。そこで、M&Aの際には、最終的な譲渡代金のやり取りが終わった前、もしくは直後に、すぐに個人保証を解除する手続きを行う義務を契約書に盛り込む必要があります。時々、買い手がこの条文を契約書に入れるのを嫌がる場合がありますが、これは絶対に譲ってはいけません。売り手の中には、当然に個人保証が外れるものと思っている方がいらっしゃいますが、何も手続きをしなければそのままですので、注意してください。

ただ、時々地方の金融機関などでは、この保証の解除が認められない場合があります。売り手の社長ならいいけど、よく知らない買い手は保証が得られないのです。買い手の財務内容や規模が、売り手の数倍であっても、認めてくれない場合があります。こうした場合では、買い手は他の金融機関から借入れを行い、反対する金融機関の債務を弁済するなどしなけれななりませんので、大変です。

今日は短いですが、これでお終いです。


M&A 秘密保持について
2007.10.23

今、家族で風邪がはやっています。私もゴホゴホ、家内もゴホゴホ、4ヶ月の娘もコホコホ・クシュンです。娘は生まれて初めての病気です。娘は鼻水がでるので、私や家内が鼻水を拭いたり、ストローのような器具で鼻水を吸い取るのですが、本人にとっては鼻をいじられるのが不愉快らしくエーンエーンと泣きます。体調不良で、みなたいへんです。

さてさて、本日はM&Aにとって不可欠な秘密保持についてです。売り手、買い手共に自分がかかわっているこのM&Aについての情報が流出することに注意しなければなりません。仮に、基本契約締結の前に会社を売るという情報が流れますと少々よくない影響が表れる可能性があります。

①まず、社員が動揺します。自分が解雇または左遷されるかもしれないと思い、これに反対する運動が起きたり、優秀な社員が辞めてしまう可能性があります。

②次に、取引先が不安を感じます。会社が売却されるということから、資金繰りが悪化しているのでは、という憶測が流れ、決済条件が厳しくなる可能性があります。

③更に、金融機関も不安を感じます。もちろん、理解のある金融機関もあります。しかし、担当者の認識が低い場合には、非常に感情的な対立を会社と起こす場合があります。

このような事態を避けるために、通常は秘密保持契約を仲介会社や買い手会社、会計事務所等と結びます。しかし、意外に多いのが、売り手の社内情報管理が甘く、情報が流出する場合があります。そこで、以下のことに注意してください。


・電話のやり取り
①会社の電話を使ったやり取りは極力やめて、携帯電話で行います。
②他者のいるところではメモをとらない。

・メールのやり取り
①メールの内容に相手会社を名前をダイレクトに書くのを止めます。
②ファイル名に「M&A」など判明しやすいタイトルは止めます。
③添付ファイルにはパスワードをつけます。

・ファックスのやり取り
①あらかじめ電話で通知し、受信ファックスをすぐ取れるようにします。

・打ち合わせ
①密閉した会議室で行います。
②電話の取次ぎの際には、会議を中断します。

・買い手や仲介会社との交渉場所
①自社ではなく相手先に行う。

このようにかなり気を使う必要があります。
当初はよいのですが、交渉も中盤にかかり、売り手も買い手から、さまざまな資料を請求されて疲れていたり、なかなか交渉が前に進まずやきもきしているときは、ついつい経営者の方は従業員にポロと愚痴の一つでも出てしまうそうになりますが、ぐっと我慢してください。ここで話をしてしまうと上手くいくものも上手くいかなくなってしまう可能性がありますので、注意してください。


売り手としてのディスクローズ情報
2007.10.22

先日、電車で甲府に行ってきました(もちろん、お仕事です)。生憎、天気はあまりよくなかったのですが、電車の窓の景色が、東京の高層ビル群から、豊かな自然へとどんどん変化し、自分自身がその風景の中に徐々に入り込むような錯覚を覚えました。晴れていたら、さぞ素晴らしい景色だったでしょう。

さてさて、今日は売り手の方がとても嫌がりますが、避けては通れない情報開示についてお話します。通常は売り手のノンネームシートを見て、買い手は手を挙げるわけですが、この情報だけでは、相手がどのような技術力、製品、人材、設備、借入金などを持っているかさっぱり分からず、買収後に自社との具体的な戦略を描くことが出来ないので、価格をつけることが出来ません。そこで、より詳細な情報の開示を求めます。この前提として、よく秘密保持契約を結びます。

この求められる情報は買い手によっても違いますが、一般的なものを挙げてみます。

 基本情報として
①会社パンフレット
②商業登記簿謄本
③株主名簿
④商品・製品の内容(カタログ)
⑤会社組織図(関係会社,事業部門,支店等)
⑥会計監査人報告書(あれば)
⑦顧問税理士・会計士・弁護士
⑧中長期戦略
⑨過年度の予測と実績の乖離の状況

 財務数値として
①採用している会計方針
②過去3~5年分の財務数値(決算書,税務申告書)
③過去3~5年分の各勘定明細
④棚卸資産の時価情報(陳腐化)
⑤回収不能債権の内容
⑥土地、有価証券等の時価情報
⑦借入金の状況(借入先,返済スケジュール,利率等)
⑧引当金の状況(賞与、退職給付、役員退職)
⑨担保状況
⑩保証債務・被保証債務
⑪偶発債務情報

 組織情報として
①組織図
②役員の経歴
③従業員名簿
④就業規則・給与規程・退職金規程
⑤労働組合

 営業情報として
①市場状況、シェア情報
②過去3~5年分の主要顧客別売上明細
③過去3~5年分の商品別売上明細
④価格戦略
⑤競合会社
⑥広告活動

 設備状況として
①生産能力
②稼働状況
③有形固定資産明細
④設備投資計画
⑤リースの内容

けっこうあるでしょう。他にも買い手によっては様々な情報を要求されますので、覚悟してください。

また、通常はM&Aは一般の従業員には気づかれないように行う必要がありますので、時間がかけられません。ですから、短い時間で買い手の要求に応えるのは大変です。ま、どうせ必要とされるのですから、あらかじめこれらの情報は売り手としては集めておきましょう。ただし、信頼できる財務担当役員などがいない中小企業などは、社長自らこの情報を集めたり、資料を作成しなければならないので、結構大変です。

買い手は時間がないものですから、つい高圧的な態度になってしまうことがありますし、買い手はそれが大変なストレスとなり、中にはで会社に来なくなってしまう担当者もいます。感情的な対立はディールの失敗にもつながりかねないので、いくら忙しくても精神的な余裕をお互いにもてるような、配慮が双方に必要だと思います。特に仲介会社は情報の必要性について、相互に上手に説明し、売り手に気持ちよく情報がでるような体勢と、買い手もある程度の余裕をもてる体勢をとれるようにアドバイスする必要があります。


M&A 交渉に際に必要な態度とは。
2007.10.20

私のブログは書くのに時間が結構かかるんですよ。考え、考え書くものですから1時間くらいかかるのはザラなのです。今、PM11時15分です。たぶん今日中に書き終わらないと思いますね。もし、今日中に書き終わったら、気持ちよくビールが飲めそうです(でも、このブログの後やる仕事を終えてからですが・・・)。

今日は、交渉のことにしましょう。売る方は高く売りたいし、買う方は安く買いたいので、普通はストレスがかかりますね。そして、それぞれは希望をかなえようと交渉の場に臨むのですが、まず申し上げたいのは、何事もそうですが、自分のことばっかり考えていたら、全然上手くいきません。前に進むものも進みません。なるべく安く買い叩いてやろうとか、思いっきりふっかけてやろうという姿勢では非常に難しいです。そうした姿勢では、信頼を得ることが出来ません。信頼のない人と手を組もう、自分の会社を託そう、従業員を託そうと思うでしょうか。そもそもお互いの会社のことが気に入ったから、お見合いの場にいるのですから、敬意を持って接しましょう。

私はこの交渉のときに、一番重要なのは、先方が最も望んでいることをなるべく早くつかむことだと思います。M&Aは、会社、経営者、役員、従業員、得意先、仕入先、金融機関等の様々なステークホルダーに関係するものです。M&Aを決断する経営者の方々も、必ずしもお金が最も重要事項だとは限りません。売り手経営者としては、従業員の雇用の維持こそが重要だという方もいらっしゃれば、体調の関係で早急な契約の締結を求めている方もいらっしゃいます。買い手としては、あの製造工場と特許権が絶対に欲しいとか、あの得意先が絶対に欲しいとか、欲しいものが通常は明確にあります。そもそもなぜM&Aを選択するのか、それぞれが相手先の戦略、バックグラウンド等に思いをはせましょう。その譲れない線を相互に把握しましょう。ここが把握できて、お互いがその点に関しては、譲歩できるものならば、余裕が双方にでてきますので、その後の交渉が非常にしやすいものになります。

そうは言っても、通常は売り手と買い手の提示金額は大きく乖離するのが普通です。この場合で、どちらかの一方が明らかに不合理な金額を提示して譲らないならば交渉は止めましょう。しかし、金額が一定の妥当な金額のレンジに入っている場合には、別の方法をとりましょう。

①.全株所有をあきらめる。50%超の株式を当初保有して、今後買い進めることにする。

②.役員退職金を支給して、現預金を減少させるか、負債を増加させ、純資産を圧縮し、評価額を減少させる。配当金として、社外に現預金を流出させるよりも、退職金は損金計上されるので、法人税法上有利である。所得税法上も配当金よりも退職金の方が有利である。

③.LBO(レバレッジバイアウト)で、買い手は資金調達する。これは買い手の調達資金を買収対象会社のキャッシュフロー(資産の処分価値を含む)とするものであり、余剰資金がある会社などの買収に適している。

④.②と類似するが、買い手にとって、不要な高額な資産(土地や有価証券)を売却し、売却資金を社外流出させ、純資産を圧縮し、評価額を下げる。

お互いに是非この会社とと思うならば、まず相手のことを考えましょう。そうすれば、双方が受け入れられる無理のない妥協点が見つかるはずです。

やっぱり、だめでしたね。翌日になりました。残念無念。ま、いつでもビールはおいしいのですから、いいですね!(意味不明)


M&Aの手順について
2007.10.18

最近、気候の変動が激しいせいか、風邪が流行っているようですね。私の周りでも、ゴホゴホと咳をしたり、お休みしている方が結構います。私自身も熱気味で、あまり芳しくないです。皆さん、身体が資本ですから、体調管理に気をつけましょう。

さてさて、本日はM&Aの実際の手順について書きたいと思います。書いてなかったんですね。今まで。失礼しました。

一般的な流れは下記のようです。

①M&Aを決断する。
②仲介機関を選択し、契約を締結する(仲介機関がない場合もある)。
③売り手・買い手を探す。
④企業評価を行う(③の前の場合もある)。
⑤相手と交渉する。
⑥基本合意書を締結する。
⑦デューデリジェンスを実施する。
⑧最終契約を締結する。
⑨クロージング(対価の支払)を実行する。
⑩統合活動を開始する。

①M&Aを決断する。
経営者がM&Aをするかどうかを決断します。まず、ここが大きな関門です。売り手として、自社の売却のタイミングをいつにするかは、売却価格に大きく影響するので、とても重要です。日常の中で、ついついずるずると経営を続けていってしまうことが多いのですが、こうしたことにより日々企業価値が失われることもよくあることです。冷静に自社の取り巻く環境と自社の人材を考慮して、絶好のM&Aのタイミングを見極めましょう。
買い手は資金調達の目処がつくかどうかが最も重要です。内部留保でまかなえればいいのですが、借入れでまかなう場合は金利状況、増資でまかなう場合はマーケットの状況が影響を与えます。

②仲介機関を選択し、契約を締結する(仲介機関がない場合もある)。
仲介機関は以前お話しましたようにいくつもあります。その中で、複数相談に行って、うまが合いそうな、信頼できそうなところと契約を結びます。彼らは相談にのったり、相手先の情報を見つけてきたりしてくれます。

③売り手・買い手を探す。
売り手の情報はノンネームシートで、買い手に打診されます。このシートには、業種、所在地、売上高、店舗数などの設備、譲渡理由、特徴などがの大まかな情報が記載され、会社名が判明しないようにします。
買い手が仲介機関を通す場合は、情報を待っている状況なので、通常は何もしません。もちろん、具体的な名前を挙げて、仲介機関に接触をお願いすることも出来ます。

④企業評価を行う(③の前の場合もある)。
以前お話しましたように、企業評価額の方法としては、中小企業だと純資産方式が最も多いです。この評価方法のみで算定する場合でも各種の資料が必要となりますので、売り手は結構たいへんです。また、後日触れますが、従業員には内緒で行うことが多いので、情報の収集は結構気を使います。
買い手は買い手で、売り手の提示した情報に基づいて価格を算定します。通常は、両社に大きな乖離があります。

⑤相手と交渉する。
相互に関心がある場合は秘密保持契約を締結します。その後で、買い手は売り手の詳細な資料を検討します。これにより、財務・営業・製造・人事・法務等の売り手を網羅的にチェックします。非常に細かい資料も要求されるので、担当者は結構たいへんです。これを従業員に分からないようにするため、色々と工夫します。次に経営者同士の面談を行います。また、経営者自身が相手先の工場や会社に出向く場合もあります。更に、様々な情報に基づいて、買収価額等の条件交渉を行います。具体的には買収金額、支払方法、旧経営陣や社員の待遇などです。

⑥基本合意書を締結する。
⑤までの交渉は、買い手が複数いる場合には複数と交渉しますが、基本合意書は1社のみとなります。この基本合意書は、有効期限、1社独占契約、買収監査前の株価、スキーム、役員・従業員の処遇などです。

⑦デューデリジェンスを実施する。
次に、売り手の財務上、税務上のリスクはないか(売掛金の回収可能性、不良在庫の存在、退職給付債務、債務保証等)、法務上のリスクはないか(従業員・組合・取引先との係争事件等)、その他リスク(土壌汚染等)はないかを会計士・弁護士などによって、調査します。

⑧最終契約を締結する。
デューデリで発見されたものを株価や支払条件で調整したり、基本合意書で留保された問題点をすべて決めていきます。

⑨クロージングを実行する。
対価の支払、株券の受け渡し、代表取締役の交代などの形式的手続きを実行します。

⑩統合活動を開始する。
従業員や取引先、関係者に説明し、理解を得て、なるべく早く両社の文化が融合し、シナジー効果が早期に発揮されるようにマイルストーンなどを設けて効果を測定していきます。

結構長かったですね。ここまで、読んでくれた人は1人くらいいるのでしょうか。心からありがとうございますと申し上げたいと思います。


お相手を自分で探す場合の注意点
2007.10.17

抱っこ紐で抱えた娘と散歩に行ってきました。チョウチョやトンボ、鮮やかな花々や木々を目で追いかけていました。こうしたことを通じて、多くの事を覚えていくのかと思うと不思議ですね。自分にもこうした瞬間があったのでしょうが、まったく覚えておりません。。。

さて、先日は買い手を探す際の方法として仲介会社の説明をしましたが、別に彼らに頼まなくても売り手自身で、探しても一向に問題ありません。

経営者自らが、仕入先や得意先、競合企業、関連業種を行っている企業から相手先を探すということです。気心の知れた仕入先や得意先、競合企業ですと、経営者自身がアプローチをとり、話も比較的しやすいので、スムーズに進む場合があります。大規模会社のM&Aは、このパターンが多いですね。
ただし、競合企業の場合ですと、売り手の役員・従業員にすれば「買われた」という意識が強くなり、モチベーションの低下を招くことも恐れたり、売り手の経営者自身もそうした体面を気にする場合があります。そうするとよくある「対等合併」なども「対等の精神」で、ということになるのですが、この「対等の精神」はくせものです。なかなか両社のプライドがぶつかって、邪魔をし、スムーズに組織統合が行われないことがしばしばです。私は基本的には、「売り手」、「買い手」は明白にするべきだと考えています。そして、どちらがイニシアティブをとるのかを明白にし、支持命令系統を一本化させ、いびつなセクショナリズムを排すべきと思います。
また、トップ同士が決めた場合は、もはや合併比率などもあらかじめ決めてしまって、デューデリジェンスも意味がない場合も多々あります。あらかじめ決めた比率に近づけるようにする作業となってしまうということです。こうなると実行部隊のモチベーションは下がり気味です。私はトップ同士で大まかな合意にあらかじめ達することは良いと思いますが、新しい事実が検証過程を通じて発見された場合はきちんとそれを反映させるべきだと思います。それでなければ、大規模法人の多数の株主の経済的利益を毀損することにもなりかねません。

話がずれましたが、経営者が自ら探す場合は、先方の経営者を知っていることがほとんどですが、知っているがゆえに切り出しにくいということもあります。もし、断られたら、それ以降の取引に支障をきたさないかと、売却の噂が流れるのではないかということですね。もし、知り合いの会社であっても、売却の可能性が不透明な場合には、仲介会社に間に入ってもらうことを頼むこともできます。彼らは売り手の情報を明かさずに先方の意向を集めてきてくれます。

自分で探す、仲介会社に頼む、どちらもお相手を見つける方法であって、相手がすばらしければ」どちらでも良いのです。良いお相手を見つけることができるといいですね。


中小会社のM&A 仲介会社について
2007.10.16

月岡です。こんばんは。

今、娘が大きな声で突然泣き出したので、急いでベッドに駆け寄ろうとしたら、ゴミ箱のすみに足の小指を強打してしまいました。イテテテテテ。それにしても、娘は何がそんなに悲しいのでしょうか???

さてさて、本日のテーマは仲介会社についてです。

中小企業の経営者の方が、よし、会社を売ろう、と決意しても、買い手がいなければ話になりません。この買い手の探し方は主に二つ。

一つは仲介会社に依頼する方法。もう一つは自分で探す方法です。

今日はこの仲介会社についてですが、仲介会社は、買い手を探すだけでなく、企業価値の算定や買い手との交渉、法的書類の作成支援、デューデリジェンスの支援、全般的なアドバイス等を行います。どこまで行うかは仲介者によっても異なりますが、M&Aに必要な手続きは通常は同一なので、少なくとも手続きの補助や支援は行ってくれます。

この仲介会社は免許が必要なわけではないので、だれでもできます。実際にいろいろな会社・ひとが行っています。

1.大手銀行
2.大手証券会社
3.地銀
4.信用金庫
5.商工会議所
6.M&A専門仲介会社

多いのは上記だと思いますが、なかには法律事務所や会計事務所、コンサルティング会社などが仲介をする場合もあります。ただし、大手の銀行や証券会社では、通常中小企業のM&Aを扱ってくれません。それ以外でしたら、通常は規模が小さくても扱ってくれます(もちろん、売却の可能性があるということが前提での話ですが)。

また、仲介会社の仲介のあり方には、買い手と売り手の両方の仲介を1社が行う場合と、買い手と売り手にアドバイザーとして、それぞれつく場合があります。従来、日本では規模の大小にかかわらず前者が多かったのですが、最近では大規模M&Aでは当然に後者ですし、中小企業の場合であっても後者が増えてきています。この理由はモラルハザードの問題があるからです。つまり、仲介会社がどちらか一方の利益のみを代弁して、必ずしも別の一方の利益を代弁するとは限らないという問題です。たしかに前者は何かと手軽・簡便なのですが、本当に信用できるのかと売り手・買い手が疑心暗鬼になりやすく、前に進まなくなってしまう危険性があります。

以前にちょっとはなしましたが、仲介会社に対して、依頼者は通常着手金と、成功した場合の成功報酬を払います。成功報酬は売買契約の金額に、料率を乗じて算定します。契約金額が大きければ大きいほど、料率は小さくなります。仲介会社が売り手と買い手の両者の仲介を行う場合は両者からもらいます。このときに、売り手の成功報酬は、お金を手にしたものが払うので、株式の譲渡の場合は旧株主が払いますし、事業譲渡の場合は会社が払います。

少し、細かく説明しましたが、最後にどういう仲介会社が良いのかということです。能力の問題はとても重要です。情報収集能力、交渉能力、説得力、税務的・会計的・法律的な知識、業界の広範な知識、精神的・肉体的なタフネスさも要求されます。しかし、結局は信頼できるかできないかです。特に仲介会社が売り手と買い手の両者の仲介を行う際には、この信頼感の醸成ができるか否かが大変重要です。

もし、仲介会社に依頼をすることがありましたら、その仲介会社の担当者が信頼に値するかどうか、自分とうまが合うかどうかを良く見極めてください。



中小企業のM&A 清算と株式の譲渡
2007.10.15

先日、大阪・名古屋方面に3日間出張に行ってまいりました。良い天気にも恵まれ、とても気持ちの良い出張でした。

私は初めて、長良川の鵜飼を目にしました。

闇夜に、たいまつの明かりだけがゆらゆらと川面に映り、火の粉が宙を舞います。黒と赤のコントラストの中、鵜匠が黒い鵜を自由に操る様は単なる漁ではなく、幻想的な踊りのような優雅さがあります。とても印象深いものでした。今度は是非、家族をつれて来ようと思いました。

関係者の方々、すばらしい体験をどうもありがとうございました。

さて、本日は「清算」と「株式譲渡」の手取額の違いを見て行きたいと思います。

中小企業の経営者の方が、後継者がいないときによく「清算するしかないなあ」とおっしゃるのを聞きます。後継者がいないのですから、選択肢が「清算」、それしかないということだと思います。しかし、清算を考える前に是非、M&Aも考えていただきたいと思います。今日は、「清算」と「株式譲渡」の手取額の違いを簡単に見ていきます。

まず、清算する場合には、会社の保有するすべての資産を現金化して、借入金などの負債を返済します。そして、差し引き残ったものが清算所得となり、これに税金(約40%)がかかります。この税金を差し引いて、更にのこったものが配当のもととなります。これを配当するとそれにも再度税金(最高税率約50%)が課されます。結局、随分と税金が取られるのです。

一方で、経営者の方が株式を他社に売却した場合の税率20%です。税金はこれだけです。

数字を入れて見ていきましょう。まず、資産が3億円、負債が5000万円、資本金が1000万円、剰余金は2億4000万円とします。資産・負債はすべて時価とし、株式の売却価額は資本金と剰余金の合計額2億5000万円とします。

清算の場合は、清算所得は2億4000万円、法人税等は税率40%で9600万円、配当は残額の1億4400万円で、これにかかる所得税等は税率50%で7200万円となります。結局、手取額は7200万円です。

一方で、株式譲渡の場合は、譲渡所得は2億4000万円(2億5000万-1000万)、これにかかる所得税等は税率20%で4800万円となります。したがって、手取額は1億9200万円です。

ずいぶん違いますね。

同じリタイアでも、手取額が多い方が良いのに決まっています。また、株式譲渡では会社は存続するわけですから、従業員の雇用も維持できます。さらに、すぐに完全引退ではなく、会長として関与することも可能ですので、その行く末を見守ることができます。

もし、会社が売れるようなら、M&Aも検討してみてはいかがでしょうか。

念のために申し上げますが、私はM&A仲介会社から宣伝を依頼されているわけでも、お金をもらっているわけでもないので、誤解しないでくださいね。


DCF法です。本当は非常に奥深いのですが、ざっざっざっと簡便に。
2007.10.10

私の3ヶ月の娘はとても甘えん坊です。

私も家内も、娘が泣きだすとすぐ抱っこしたり、歌をうたったりと甘やかしているせいか、ちょっと1人にするとすぐ泣きだします。
私と家内が食事の際は、横に並べた二人の椅子の間においた、(名前がわかりませんがスィングする)椅子で横になっているのですが、食事に集中して娘に話しかけないと、不機嫌そうな声を出してアピールし、泣き出します。
赤ちゃんて、ずいぶん甘えん坊なんですね。みんなそうなのでしょうか。
かわいいので、ちっとも面倒ではないのですが、ちゃんと独立した人間に将来なってくれるのか、生後3ヶ月ですが、少々心配しております。

今日はDCF法の話をしましょう。もはやかなりメジャーな言葉だと思いますので、まったく聞いたことのない人は少ないのではないでしょうか。

DCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法にも何種類かあるのですが、最もポピュラーな方法をご紹介します。

基本は企業が将来獲得する事業価値ベースのキャッシュフロー(営業CF)を見積もって、これをある率(この割引率は、単純のモデルでは株主が要求する利回りと有利子負債の利率の加重平均です)で割り引き(ディスカウント、Discount)して、そのCFの合計値をその事業価値とします。これに余剰資金や遊休資産を加えて、さらに有利子負債を差し引いたものが株主価値です。

数字を入れてみますと、仮に毎年100万円の営業キャッシュフローがあるとし、これを10%の割引率で割り引きますと、1年目の価値は約91万円、2年目は83万円、3年目は75万円、4年目は68万円、5年目は62万円となり、6年目以降も100万円がずっと続くとするとその現在価値(終価とかターミナルバリュー、TVと言ったりします。ただし、これを認識しない場合もあります。)は621万円となります。これらをすべて合算しますと1000万円となります。これが事業価値です。仮に余剰資金100万円、遊休資産50万円、有利子負債80万円としますと1000万円+100万円+50万円-80万円=1070万円が株主価値となります。

DCF法は最も論理的な方法であると言われています。一方で、将来のCFの見積もりや割引率の算定に恣意性が入りやすいのが欠点です。こうした見積もりの数字により、評価額が大きく異なるので、根拠のない楽観論は許されません。見積もりには合理性が求められます。そこが、評価者である私としては、やりがいがあり、とても面白いところでもあります。
業界全体の動向や、評価対象企業の占める位置、今後の中長期戦略、その実行可能性等々を過去のマーケットや対象企業の実績の調査や業界に詳しい人へのヒアリング等を通じて確認していきます。そうして、各種の見積もりを自分自身で検証し、数字を作り、対象企業に対する評価者としての見方を固め、評価額を決定します。

どうです。面白そうでしょう。私の好きな仕事の一つです。


中小企業の評価方法としての時価純資産法
2007.10.09

こんにちは。月岡です。

最近は風がふくとそのさわやかさにすっかり秋であることを感じます。家のサクラの葉もずいぶん散っています。毛虫もまったくいなくなりました。秋ですね。。。

娘が寝るとき、ちょっと前まではタオルケットをかけていましたが、今では薄手のふとんです。外に出るときも、薄手の帽子から、ニットの帽子に替わっています。秋ですね。。。

それはさておき、企業評価方法としての時価純資産法のお話をしたいと思います。これは、中小企業のM&Aでよく使われます。簡便で、客観性が高いので当事者が納得しやすいのです。

具体的な方法は、理論的には単純です。まずBSの資産科目を時価に換算して、そこから負債を差し引くだけです。

例えば、売掛金・受取手形は回収不能額を減額します。棚卸資産も時価評価します。有価証券も時価評価です。ここで、非上場株式で時価がないものについては、簿価で計上したり、または時価純資産を求めて、それに持分割合を乗じて算定したりします。固定資産については、固定資産税評価額を使用したり、重要性がある場合には不動産鑑定士による鑑定額を用いる場合が多いです。土地は、路線価や公示価格を基準にして算定したり、重要性がある場合には不動産鑑定士による鑑定額を用います。ゴルフ会員権は時価評価します。保険積立金は解約返戻金で評価します。BSに計上されていない無形資産(営業権、商標権、特許権等)も計上します。営業権の評価は人によって様々なのですが、異常な変動を除いた税引後利益の3~5年分というのをよく見かけます。この営業権の評価方法の欠点として、論理的ではないという批判があります。しかし、他の方法も、恣意性が強い点や、煩雑な点が欠点としてあげられます。
 負債については、引当金(賞与、退職給付、役員退職)をしっかりと必要な金額を計上します。また、係争事件や環境問題を抱えている場合には、偶発債務として引当金を計上する場合もあります。

この評価方法は、数値の根拠が比較的明白で、恣意性が入りづらく、当事者同士が納得しやすいので、中小企業の評価方法としてはメジャーです。


中小企業の評価方法いろいろ
2007.10.05

先日、わが娘はお食い初めというものを行いました。

日本には、色々な風習があるのですね。初めて知りました。

正式には鯛やら赤飯やらが必要らしいのですが、そんな贅沢するゆとりもなく、妻がりんごをすりつぶしたものと異常に薄いおかゆをつくってその代わりとしました。

りんごジュースはおいしいらしく、スムーズに飲んでくれましたが、異常に薄いおかゆは相当まずいらしく、顔をしかめておりました。

妻によると、これで一生食事に困らないとか。

そんな大事なことを保証してくれる割にはとても安上がりで、大賛成ですね。非常に好ましい風習です。


それはさておき、今日は評価方法の話です。企業評価は僕の好きな仕事です。

企業評価は奥が深いのですね。もちろん、どんな仕事も奥が深いのですが、この企業評価は「アート」と呼ばれています。芸術ですね。鑑定人は、企業の置かれている状況などを注意深く観察し、企業の将来性や収益性、資産性等を十分に加味し、他の類似会社も考慮に入れながら決定していきます。
評価の際には考慮すべきことが多く、また鑑定人の見積もりの要素が大きいので、鑑定結果は鑑定人よりケッコウ千差万別です。そもそも、企業価値評価の方法は、今現在においても、唯一絶対の方法は存在しません。国の違いや時代の流れの中で、刻々と変化しています。今、日本で一般的に使用されている方法は以下のとおりです。

(1) インカムアプローチ
・ DCF法
・ 収益還元法
・ 配当還元法
・ ゴードンモデル法
・ EVA法
・ リアル・オプション法

(2) コストアプローチ
・ 時価純資産額法
・ 修正簿価純資産額法
・ 簿価純資産額法

(3) マーケットアプローチ
・ 類似公開会社方式
・ 類似取引方式

この中で、中小企業の非公開会社の評価に良く使われるのが、修正簿価純資産法と時価純資産法ですね。修正簿価純資産法というのは、時価を入手できるもの(建物・土地・有価証券など)は時価評価するという方法です。時価純資産法は営業権なども無形固定資産も時価評価します。しかし、時価純資産法といっても営業権の評価が、税引き後利益の5年分とかあまり論理的とはいえない方法もよく使用されています。純資産法は簡便で客観性が高い(営業権の評価以外)ので、当事者の方々が納得しやすいのですね。


中小企業の社長は廃業のタイミングに注意!!!
2007.10.04

つい先日発見したのですが、私の3ヶ月の娘は鏡で自分を見ると大喜びします。
キャッキャッと大笑いです。
その笑顔がクレイジーパパとしてはうれしくて、何度も鏡の前に連れて行きます。
さすがに、4回連続で連れて行ったら、飽きたようでした。
皆様もそうでしょうが、子供の笑顔は最高の喜びですね。

子供の話はさておいて、本日はM&Aで売れない赤字会社のお話です。話の内容がまったく異なってしまいますが、さっそくいきますね。

起業を考えられている方、実際に現在起業されている方も、よく知っておいて欲しいのが、会社をたたむタイミングです。

会社経営を続けていますと、わが子のように自分の会社に愛着がわきます。そうしますと業績が悪化してもなかなか止める踏ん切りがつきません。しかし、やめ時はいつも頭の片隅にとどめて置いてもらいたいのです。と申しますのも、資金繰りの目処もつかず、万策尽きての倒産となるますと大変悲惨だからです。

会社が倒産しますと、通常は会社の資産をバラバラにして叩き売ります。商品・製品、有価証券、土地・建物、機械、自動車等の換金できるものはみな換金します。その際の価格はかなりディスカウントされたものとなります。

また、負債の方は、従業員の退職金、税金、買掛金、未払金、金融機関等からの借入金がありますが、資産を換金したお金でこれらを支払います。すべてきちんと支払えれば良いのですが、通常は支払えません。特に金融機関からの借入金は社長の個人保証がついているのが普通ですので、社長はご自身のお金・不動産・有価証券などの私財を提供し、すっからかん、もしくは負債をかかえることになるのが普通です。

若い人ならば、こうした状況でも再起のチャンスがあるでしょうが、ご高齢の方にはかなり酷な現実です。ですから、こうなる前に、致命傷を負う前に、止め時・廃業の決断をしてもらいたいのです。

私は赤字が2期続くようでしたら、専門家に相談されることをお勧めします。冷静に現在の状況を見つめ、将来の予測をしてください。その時、根拠のない楽観論は禁物です。いつか必ずまた良い流れになるはずとは考えないでください。

今、どのような産業も世界を意識せざる得ない世の中です。この流れは不可逆的です。そうした中で本当にやっていけるのか、それとも泥沼を突き進むのか、是非検討してください。

孫の笑顔を心から楽しめる、ゆとりある老後となるよう勇気を持って、決断してください。


中小企業のM&Aの手法のご紹介
2007.10.03

こんにちは。月岡です。

M&Aの話を書いていますが、今日はそもそもM&Aの一般的な手法のお話です。

1.株式譲渡
これは、売り手が買い手に株式を売却する方法です。通常は現金を売り手に渡します。買い手が個人ではなく、通常は会社なので、売り手の会社は、買い手の会社の子会社になります。

メリット
①.売り手の株式譲渡益に課せられる税率は20%(非公開会社)なので、税引き後の手取現金が多い。
②.簡便である。売り手の会社が株式の譲渡に取締役会の承認が必要ならば、取締役会決議でOK。
③.売り手と買い手の企業文化摩擦が、あまりない。

デメリット
①.売り手の会社に、引き継ぎなくない資産・負債があっても引き継がなくてはならない。特に簿外の債務の問題。

2.合併
売り手会社が買い手会社を包括的に吸収する方法です。当然、買い手会社は消滅します。売り手会社の株主は、通常は買い手会社の株式(現金も可)をもらいます。

メリット
①買い手は対価として、通常は株式を発行するのでお金が不要。
②手続きはそれほど複雑ではない。
③売り手と買い手との統合が早い。

デメリット
①売り手と買い手の文化摩擦が起こる場合があります。
②売り手が入手する株式が非公開の場合、現金化が困難。

3.事業譲渡
むかしの営業譲渡。売り手の事業(資産・負債・人材等)を買い手に売却する方法です。これは売却代金が売り手会社に入ります。

メリット
①買い手は、好きな事業だけ選べるので、簿外債務等のリスクが低い。

デメリット
①買い手は個別に資産を選定する必要があるので、煩雑である。
②従業員の同意が必要。
③消費税が課される。

4.株式交換
買い手会社が、売り手会社の株主から、売り手会社株式を受取り、対価として株式を交付します。これにより、売り手会社は買い手会社の子会社となります。

メリット
①買い手は現金が不要である。
②売り手と買い手の企業文化摩擦が、あまりない。

デメリット
①売り手が入手する株式が非公開の場合、現金化が困難。

5.新株発行
売り手会社が新株を発行して、買い手会社が売り手会社の議決権の過半数を取得します。

メリット
①買い手会社は全株取得するほどにはあまりお金を必要としない。
②買い手会社のお金が事業資金として使われる。

デメリット
①売り手株主がお金を手に出来ない
②買い手会社は100%の議決権を取得できない。

会社分割
売り手会社の一部事業を切り出して、買い手会社に吸収させる方法です。売り手株主は、通常は買い手会社の株主となります。

メリット
①買い手はお金がかからない。
②事業の法的移転が事業譲渡より簡便
③売り手と買い手との統合が早い。

デメリット
①売り手と買い手の文化摩擦が起こる場合があります。
②売り手が入手する株式が非公開の場合、現金化が困難。

いろいろの手法があり、それぞれにメリット・デメリットがありますが、中小企業のM&Aで最も多いのが株式譲渡です。買い手が嫌がらなければ、売り手にとってこれが最も簡便です。


会社の売り時、タイミングが大事
2007.10.02

こんにちは。月岡です。

昨日に引き続きM&Aの話題です。

最近、中小企業のM&Aが活発だと申し上げていますが、だからといってどの会社も売れるわけではありません。売ろうと思ったときに、すぐには買い手がつかない方が多いでしょう。

社長さんが会社を売ろうと思う理由には、

①後継者がいない
②新規事業を自ら立ち上げる
③業績が悪く事業継続が難しい

というようなことが挙げられますが、①の場合は売り手の会社の売却価格や技術・製品・人材等が優れていれば、相手が見つかる可能性は十分にあります。
②の場合も同様です。
しかし、③の場合は問題があります。まず、見つかりません。もはや、こうなっては遅いのです。

売却価格の高い順に言いますと、②→①→③が通常です。

なぜなら、会社の業績が上向きのときに、最も会社の価値は高くなります。まさに売り時です。社長に何かやりたいことが明確に別にある場合(②の場合ですね)は、この絶好のタイミングで売る決断ができますが、そうでなければ普通はできません。

①が売却の理由の場合は、自分が年齢とともに疲れているということと会社の業績に成長が見られなくなって、事業に対する意欲が少しなくなっている場合です。こうなると、業績は前年と同じか、やや下降気味という状況というのが多いです。この場合であっても、売却価格は十分満足いくものではないかもしれませんが、売れる可能性は十分にあります。

しかし、③が売却の理由の場合には、会社の売り・強みが見られないのが通常です。借金も過大で、債務超過になっている場合もあります。こうなってしまっては、もはや誰も引き取り手がありません。こうした会社の末路は悲惨です。この赤字が多大で、債務超過となってしまった会社については後日、記載します。

私が申し上げたいのは、会社を売却するにはタイミングがとても大事だということです。ちょっともったいないなあと思うくらいがベストなのです。まだ早い、この金額ではダメだ、ということを何回も繰り返して、売却のタイミングを逃さないでください。


M&Aの買い手の半数以上は後悔!?
2007.10.01

先日、M&Aでみんなハッピー!?と書きましたが、買い手にとって最終的にハッピーかどうかは、購入後の会社の業績次第、というのは当然ですね。

結局、M&Aは投資ですから、投資に見合ったリターンがなければ買い手としては失敗です。

一方で、買った会社が、投資する際に見込んだとおりの技術・人材・製品・マーケットシェアなどがあり、自社の技術・人材・製品などと上手く相乗効果(よく言われるシナジー効果ですね)が発揮できれば成功と言えます。外資系大手会計ファームによりますと、この成功の確率は30%~50%というアンケート結果が出ています。

つまり、半数以上が思ったほど良い結果が出ていない・失敗であるということです。厳しいですね。

売り手はなるべく高く売りたいですし、一方で買い手はなるべく安く買いたいと思うのは当然ですが、買い手に数社が手を上げると思った以上に価格が高くなってしまいます。
買い手としては、最終的に投資金額を超過するリターンが得られる価格を、シミュレーションに基づき、DCF法などを使って算出するのですが、シミュレーションが現実よりもかなり「バラ色予想」としますと、高い買い物となってしまいます。結果として失敗につながります。

野菜でも、焼き鳥でも、マグロの解体ショーでも、どんなものでも人が群がっていると、きっと良い物に違いないと思い、ついつい自分も欲しくなってしまいますが、M&Aでもまったく同じですね。同じ人間の心理です。金額は随分違いますが。

成功されてお金があまっている方、数年内に株式公開しようとしているが利益が足らない方、株式公開後に集めた資金の投資先に困っている方、すぐに会社を買おうとされますが、価格付けにはくれぐれもご用心ください。現実を直視し、細心の注意を払って、必ず少数派の「成功」を勝ち取ってください。

今、売り情報も買い情報も多いですから、その中で良い会社とのご縁をしっかりつかんでください。


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