こんばんは。月岡です。
雨が一日中降っていましたね。こうした雨の日に電車に乗ると、濡れた傘が足に当たって、気持ち悪いときがありますよね。今日、電車の中で濡れた傘を見ながら、伊藤忠商事の取締役会長である丹羽宇一郎氏のことを思い出しました。
丹羽氏は、伊藤忠商事の社長であったときも、車の送り迎えを使わずに、電車で会社まで行っていたようです。著作の中に、通勤電車にのると雨傘で冷たい思いをするときは不愉快だが、社員の目線からずれないようにする必要がある、とあります。この方の行動は、むしろ普通の一流企業の経営者の感覚とずれているような気がします。そこが、非常に珍しく、マスコミに取り上げられ、多くのファンがいる理由ではないでしょうか。ご自身の著作も数冊あります。
その著作の中から、私が個人的に面白いと思った箇所です。
ファミリーマート株を1350億円で取得するときの交渉の場面です。
『97年の年末、私が社長になる数ヶ月前です。池袋のサンシャインビルへ交渉に行きました。相手は西部を立て直した立派な経営者で私の尊敬する和田繁明さん(西武百貨店会長)です。買収額が合意に至らず、にらみ合いが続きました。向こうはより高く売りたいと考えていますし、こちらは提示した額をビタ一文上げるつもりはありません。お互いに腕を組んだままで、ひと言もしゃべらず時間ばかりが過ぎます。
絶対に動くもんかと思っていました。和田さんがこの状態で一時間我慢するなら、私は一時間半我慢する。相撲の水入りのときと同じで、絶対に動かない。辛抱しきれずに動いた方が負けだと思っていました。これは、ビジネスで決着をつけるときの一つの要諦だと私は思います。』
どうでしょうか。緊張した場面で、ぐぐっと我慢ができないとダメなのです。こうしたところも人間力ですね。文章は、この後和田さんが「ちょっと失礼する。」と言って、席を外した、としています。結局、丹羽氏の主張する金額で株式を取得できたわけです。


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