事業承継 古参幹部の扱い
2008.08.28

こんばんは。月岡です。

さきほど娘の部屋に入り、その寝顔をじっくり見た後、部屋をそっと出ようとしたら、ドアが閉じる瞬間にガチャッと音がしてしまいました。起きないだろうと思っていましたが、部屋から娘の泣き声が聞こえだしました。そこで、すかさず部屋に戻り、泣いている娘を抱き上げ、あやしましたが、一向に泣き止まみません。泣き声はさらにけたたましくなり、体をくねらせ、左手をドアに伸ばし、家内を探している模様。そこに家内が到着し、抱っこするとあら不思議、泣き止みました。この瞬間がどれほど悔しいものか、みなさんにわかるでしょうか。

さて、今日も事業承継のお話です。経営環境について、特に古参幹部のお話です。

後継者が経営をしやすいように経営環境を整備するのは、社長の役目です。

その経営環境の話の中で、必ずでてくるのが古参幹部の話です。社長は、この古参幹部と後継者とを上手く引き継いであげなくてはなりません。そうは言っても、なかなか一筋縄ではいきません。後継者に多くの実績がない場合には、古参幹部が後継者をすぐには信任しないことがよくあります。こうした古参幹部の信任をいかに早く勝ち取るかということも事業承継における大きな問題の一つといえるでしょう。その信任獲得の手助けをしてあげるのが、社長の役目です。社長から、「君の能力や経験がわが社にはまだまだ必要なので、どうか後継者を一つ頼む。」と言われて、俄然やる気になる浪花節の古参幹部もいるでしょう。ま、どのような言い方であれ、古参幹部と後継者の橋渡し、調整をしなくてはなりません。

しかし、そうした引止めではなくて、そもそもその古参幹部が本当に必要なのかということを、じっくりと後継者と共に考えてみるいい機会です。率直に言って、長年働いている古参幹部の中には、実力以上の給与をもらっている人がたくさんいます。本人はそれが当然だと思っていますが、その人が一歩社外に出れば、その能力から言って、給与が破格であることが分かるはずです。こうした古参幹部が、なにかと従来の方法に固執したり、後継者と社長のやり方を比較して反発したり、若い人材の新しい試みをつぶしたり、ノウハウを独占したりと組織全体に悪影響を与えていることが間々あります。社長は長年勤めている彼らには、同情的なのかもしれません。しかし、この機会に辞めてもらうという選択も検討に値します。後継者及び会社にとっては本当に有効な選択はどちらなのでしょうか。もちろん辞めてもらうに当たっては、それなりの配慮をしてあげる必要があるでしょう。難しい話し合いになるかもしれませんが、それを行うのも社長の役目です。後継者に任せるのはあまりに酷ですし、会社運営に大きな支障がでてしまう可能性もあるでしょう。

こうした世代交代は必ず行われるものですから、優秀な次のブレーンの育成は必ずしていかなくてはなりません。


事業承継 後継者の選定
2008.08.27

こんばんは。月岡です。

久しぶりに晴れましたね。さっそく朝から娘とお散歩しました。ご近所に犬を飼っているお宅があるのですが、そのワンちゃんは基本的に室内犬でお庭で遊んでいることはあまりありません。お庭にいるときも高い壁で囲まれているので、よくわからないのですが、ときどき大きな門の隙間から、こちらに向って、ワンワンとほえるので、今日は外なのだと知る程度なのです。ですから、私も娘もあまり会ったことがないのですが、娘はこのワンちゃんがとてもお気に入りです。毎日、門の前まで行って、ワンちゃんがいないと、「ワンワンいないねー。」と舌足らずにしゃべります。今日も、「いないねー。」と寂しそうに話していました。

さて、今日も事業承継のお話です。そのうちの親族承継の場合の留意事項です。特に後継者の選定についてのお話です。

一部上場会社では、創業者の親族が経営しているところはだいぶ少なくなっています。それは、親族だというだけでは、株式市場も従業員も得意先もなかなか納得しないという現実があります。大企業である以上、ステークホルダーが非常に多岐にわたり、公の存在に近くなります。これらステークホルダーに支持されなければ、どれほど大企業であっても、アッというまにブランドは既存し、市場から撤退しなくてはなりません。しかし、中小企業では、親族以外の優秀な人材を後継者にしたくても実際にはなかなかできません。まず、親族の後継者候補ありきというのが多くの場合の現状でしょう。そうであるならば、どのような人材であっても、「後継者になってもいい。」と親族が言っているだけで、後継者に指名すべきでしょうは。私はそうではないと思います。中小企業であっても、幹部役員がいて、従業員がいて、他の株主がいて、得意先がいる以上は、本当に後継者として問題がないか、問題があるとすればどの点で、その不足した部分をどのように今後補っていけばいいかということを見極めていかなければなりません。

それでは、具体的にはどのような意識や資質が後継者に求められるのでしょうか。欲を言えば、きりがないのですが、何といっても本人の強い事業意欲が第一番でしょう。逆に言うと、この強い事業意欲があれば、多くのことはクリアするでしょう。この事業をどうしても成功したいと尋常ならざる強い思いがあれば、もともと文系であっても、現場に行ったり、専門家に聞いたりして、技術のこともしっかり学びます。理系であっても、財務、会計、法律のこともきちんと学びます。必要であれば、個人資産の提供や借入金の連帯保証をすることもためらいません。こうした事業意欲とともに、一定の資質があることが、非常に望ましいです。その資質とは柔軟性、決断力、誠実性、指導力、忍耐力などです。以前のベンチャーキャタルが経営者にどのような能力、資質を求めるか、ということをブログで書いたことをもう一度記載します。

1.先見性があるか。
2.数字を把握することができるか。
3.説得力があるか。
4.実行力があるか。
5.体力はあるか。
6.嘘をつかないか。
7.公私混同しないか。
8.リーダーシップはあるか。
9.愛嬌はあるか。
10.他の経営陣はしっかりしているか。
11.高い目的意識を持っているか。
12.常にチャレンジ精神を維持できるか。
13.謙虚であるか。
14.人脈を持っているか。
15.高い集中力を持続できるか。
16.虚栄心が強くないか。
17.リスクをとりにいけるか。

どうでしょうか。この能力、資質をすべて持っている人が、地球上に何人いるでしょうか。こうした人材を探すことに心血を注ぐよりも、今の後継者候補のどの資質が強みでそれを伸ばす方法と、苦手な面をどのような幹部がカバーするように手配するかということの方が現実的な対処法だと思います。


事業承継計画の作成手順②
2008.08.25

こんばんは。月岡です。

今日も一日雨でした。事務所に行く前に、娘が強く散歩を要求するので、抱っこしながら、雨の中を二人でぶらぶらしました。娘は手を上下にふりながら、舌足らずな口で「ピチャピチャ」と言って、今日が雨であることを教えてくれます。私の腕の中から、水溜りを見つけると、体をよじって、下に降りたそうにします。「はだしだから、また今度にしよう。」と娘を説得して、私は家を出たのですが、本日帰宅すると玄関に娘用のかわいい長靴が置いてありました。

さて、事業承継のお話です。前回の続きです。

③. 自社の分析、事業環境の予測及び事業ドメインと方向性の決定
これは、通常の中長期経営計画の作成と同じです。後継者と共に、自社の現状を認識し、数字に基づいてその強みや弱み、競争力の源泉やボトルネックなどを分析し、把握します。その後、自社の事業環境が今後、どのようになるかを予測し、それに対して自社がどのように対応していくかという戦略を決定していかなければなりません。このことは、事業ドメイン(事業領域)を明確化し、その方向性を決定する作業です。事業ドメインを正しく捉えていないと、成熟した産業の中で衰退を待つのみという事態にもなりかねません。明確化した事業ドメインの中で、自社の資源の配分する領域の決定などを行います。これらの作業の際には、後継者の意見も尊重してあげてください。最終的に、今作ろうとしていている事業計画を実行していくのは、後継者です。後継者はまだまだ能力不足だと思うでしょうが、後継者だからこそ見えている世界もあります。また、こうした一連の作業は後継者育成の一環です。モチベーションと自覚も積極的に持ってもらうためにも、後継者に対する尊重は不可欠です。


④. 中長期数値目標の設定
事業ドメインと方向性が決まったら、そのあるべき姿を数字で具体的に示します。数字の提示は不可欠です。挑戦的でかつ実現可能性が高い数字でなければなりません。この数字には、売上高、売上高営業利益率、総資本利益率、自己資本比率などがあります。これらの数字が明示され、それに基づいて、経営をしていかないとそもそも事業の承継・拡大は困難です。特に後継者は、自社の状況を皮膚感覚で理解しているわけではないでしょうから、数字に基づかなくては、経営がおぼつかないでしょう。


⑤. 事業承継の方法、時期、手順等の組み込み
事業ドメインや方向性が決まり、それを数字に落として、中長期の目標を設定した後に、この計画に、事業承継の時期や方法等を具体的に組み込んでいきます。この事業承継の組み込みと事業の方向性や目標数値が相容れない場合もあります。例えば、株式の譲渡を後継者に行うと仮定した時期に負担できないほど株価が高額になってしまう場合などです。これらが生じた場合は、事業計画、もしくは承継の方法を再考する必要があります。このように、具体的な課題、矛盾点を整理して、その解決方法、手順を見出さなくてはなりません。一般的には、後継者の育成、経営権確立のための親族対策・銀行対策、経営幹部人事、株式の移動の方法、相続や所得税等の税金対策などが大きな課題となります。これらの課題の解決方、手順が示され、それが中長期計画に時期、方法として記入されれば、事業承継計画はひとまず完成です。


事業承継計画の作成手順①
2008.08.24

こんばんは。月岡です。

今日は一日中雨でした。雨にもかかわらず、娘は外で遊びたがります。仕方がないので、傘をさしながら、お散歩です。水溜りを見つけると大喜びで、激しく足踏みをして、水がはねるのを楽しみます。それにあきると、両手を水溜りに入れて、その感触を楽しみます。その時、小石や葉っぱが沈んでいたら、宝物のように拾い上げ、大事そうに別の場所に移動させます。こうした作業を水溜り見つけるたびに行います。私はその間中、娘に傘をさしているので、背中はたっぷり雨に濡れています。濡れっぱなしで少々寒いので、雨の当たらないどこかへ行こうと、車に乗せようとすると、娘の激しい抵抗にあいます。こうした娘の元気の良さに、あきれることもありますが、とても嬉しく思います。

さて、今日も事業承継のお話です。事業承継計画の作成手順です。

このステップは5つです。

① 自社・自分の現状の再認識と共有化
② 経営理念の創造又は改訂
③ 自社の分析、事業環境の予測、事業ドメイン・方向性の決定
④ 中長期数値目標の設定
⑤ 事業承継の方法、時期、手順等の組み込み

今日は、そのうちの①及び②です。

①. 自社・自分の現状の再認識と共有化
事業承継を行う上で、まず始めに自社及びオーナーの有する財産や負債、従業員や株主の状況等を網羅的にチェックしましたが、ここでは後継者とその情報を共有化させます。もちろん、後継者が息子であっても、すぐにはオープンにできない自分の資産や親族等の情報については、このタイミングでオープンにする必要はありません。しかし、相続等を踏まえた場合、あらかじめ認識してもらった方が良いと思われる情報については、事業承継の進展と共に、オープンにしていったら良いと思います。

②. 経営理念の創造又は改訂
そもそも、経営理念とは、企業がステークホルダー(株主、従業員、得意先、仕入先、地域社会等の関係者)に対して、その存在意義や経営活動の指針を示したものです。現在、その経営理念がある場合もない場合も、後継者と共に経営理念を再確認もしくは創造するという作業が必要です。後継者に、まだそこまでの経験や思い込みがない場合もあるでしょう。その場合は、もう少し日数を経た後でも良いと思います。しかし、経営理念の創造という目的を通じて、相互の理解がより深くなるものですから、決して事業承継手続きの中では省かないでください。オーナーは自分の経営理念を率直にぶつけるとともに、後継者の経営に関する考え方を聞いて、改訂する必要があると思えば、積極的に改訂すべきです。時代の要請と共に、企業とステークホルダーとの係りあい方も必ず変わってきます。


事業承継計画の立案
2008.08.21

こんばんは。月岡です。

娘は1歳2ヶ月なのですが、母乳が大好きです。夜にしかあげてないのですが、夜になると「おっぱい、おっぱい」といって、飲みたがります。おっぱいを飲んでるときは、とても幸せそうです。ひとしきり飲んだ後、ぷぁーと言いながら、素晴らしい笑顔を見せてくれます。こんな笑顔を見せながら、ごはんを食べて欲しいと思いますが、一向にそのきざしはあらわれません。

さて、今日も事業承継のお話です。事業承継計画の立案についてです。

後継者のメドがたったからといって、事業承継が間違いなくスムーズに行われるわけではありません。自分から後継者へ代表権と株式を移転させながら、事業を存続・拡大させる必要があります。このことが一番重要な目標です。そのためには、会社内外の多くの関係者の協力が必要となります。弁護士や会計士、税理士、司法書士等の専門家の意見を上手に利用する必要もあるでしょうし、後継者以外の相続人や親族の主張を聞く必要もあるでしょう。
事業承継計画とは、この「自分から後継者へ代表権と株式を移転させながら、事業を存続・拡大させる」目的のために、自社の中長期計画に、代表権や株式の移転を組み込んだ計画書のことを指します。
それでは、なぜ事業承継計画を作成する必要があるのでしょうか。それは、円滑な事業承継のためには、様々な考慮すべき課題があるからです。例えば、資金負担を可能な範囲に抑える、あるいは税金等のキャッシュアウトを最小にするといった資金繰りが大きな問題になります。また、多くの関係者の理解を得る必要がありますので、後継者自身が確実な実績や経験を積み上げ、説得力を得なければなりません。そのためには、どうしても一定の時間が必要になります。だからこそ、事業承継にはある程度時間がかかるのです。この時間のかかり、考慮すべき点がたくさんある作業を場当たり的に行っていたのでは、最終の「自分から後継者へ代表権と株式を移転させながら、事業を存続・拡大させる」という目標が見失われるおそれがあります。そこで、この目標を前提として、考慮しなければいけない事項を一つ一つ整理し、再確認することが重要です。この事業承継計画は、当然ですが、オーナーと後継者が一緒に作成していくものです。その過程で、経営理念の共有化を図る場面もあるでしょう。事業承継である以上、経営理念の承継を抜きにすることはできません。そのことは、後継者にとって、会社経営を真剣に考える貴重な機会です。また、この経験を通じて、自社の置かれた状況、自分の置かれた状況を再認識するでしょう。オーナーからすれば、様々な情報や人に触れた後継者の以前とは違う側面を発見するかもしれません。そのことは、彼が後継者として本当に適しているのかを見極める機会になるかもしれません。この機会に幹部なども後継者として認知してくることになるでしょう。それにより、後継者は幹部とも従来以上の意思の疎通を図ることもできるでしょう。これは、後継者の人脈、知識、経験等の育成という側面もとても大きいのです。


事業承継パターン③(M&A)
2008.08.20

こんばんは。月岡です。

最近とても可愛いことに、娘は私が事務所に行こうとすると、追いかけてきて、泣き出しそうに顔をゆがめて手を伸ばし、事務所に行くなとうったえます。あまりにも可愛いので、事務所に行くのをやめようかなと思います。この娘の可愛さに比べると大抵のことが、どうでも良いように思えます。ま、そうは思いつつも、ここでやらないと、後で泣くのは私だということはよく分かっているので、エッチラオッチラ自転車をこいで駅に向います。

さて、事業承継のお話です。この前の続きです。

M&Aは中小企業には関係ないと思われておりましたが、最近では中小企業においてもM&Aの活用が浸透してきています。従来は身売りという言葉と共に悲哀が感じられましたが、そもそも身売りが出来るだけ立派な会社であるという認識が広がっています。こうした状況を受け、最近では、M&Aの仲介業を行う会社が非常にたくさんできています。私のところにも、そういった方から電話やメールがよく来ます。売却したいという会社があれば、教えて欲しいというのです。それは、さておき事業承継においても、M&Aを活用する事例が徐々に増えてきています。しかし、増えたといっても、事業承継全体からいえば、1~2%程度の少数派です。

この方法のメリットは、一般的には以下の通りです。

・適当な後継者が親族や従業員等から見つからない場合でも、事業を継続することができる(これにより、従業員の雇用がある程度確保され、また得意先・仕入先等に迷惑をかけずにすむ)。

・外部に株式もしくは事業を売却するので、売却価格を最大限にする方法を躊躇することなく、合理的に選択でき、交渉も手加減する必要がない(親族や従業員等に売却する場合は、相手の財布の中身もよく分かっていることもあり、事業承継の最も重要なポイントを売却価格とすることは一般的ではない)。

この方法のデメリットは、一般的には以下の通りです。

・買い手がなかなか見つからないため、事業承継が進まない(M&Aは会社同士のお見合いのようなものなので、相手が良いといっても、こちらが気に入らなかったり、こちらが気に入っても、相手が気に入らない場合には、最終的にまとまらない。そうこうしている内に、数年があっという間に過ぎてしまう。また、会社を売却して引退しようとオーナーが思うと、一般的には事業意欲が衰えるので、会社の業績も落ちる。そうすると、ますます買い手が見つからないという状況になりがちである)。

・経営の継続性や一体性が保ちづらいので、従業員や得意先等が離れてしまうことがある(オーナーにしてみれば、会社を売った後でも、従業員も得意先も満足して、事業が拡大していって欲しいと思うのが普通だが、買い手が企業文化の大幅な変革やリストラ等を周到な準備もせずに行うと、その反動が優秀な従業員等の退社や、それによるサービス水準の低下から得意先の離反に繋がる場合がある)。


事業承継承継パターン② (従業員ら)
2008.08.18

こんばんは。月岡です。

外が暗くなっても、娘は外に行きたいといって、玄関に座り込みます。しばらく見ていると、自分のくつを持って、玄関の扉をたたきながら、大きな声で何かしゃべっています。その熱意に負けて、近所をぶらぶらするのですが、外を歩きながら、ガードレールや小石をなめるので、目が離せません。


従業員らに承継する場合とは、親族以外への承継です。社内だとすると優秀な取締役や従業員等へ承継する場合と、社外だとすると取引先や金融機関から人材を派遣してもらう場合があります。中には、親族へ承継することは決まっているが、まだ後継予定者の能力・経験等が未熟なため、一時的に幹部等に経営権を預ける場合もあります。

この方法のメリットは、一般的には以下の通りです。

・会社内外から広く優秀な経営者を求めることができる(一定規模以上の企業で、親族というだけの理由で経営能力の乏しい者が経営権を握ると、本人ばかりでなく、従業員をはじめ周りの多くの関係者を不幸にすることになる。そうした状況を避けるためには、優秀な人材を広く求めることに意義がある)。

・社内への承継の場合は、経営の一貫性、一体性が維持されやすく、反発が比較的少ない(会社独自の経営理念や事業の進め方をあらかじめ理解しているので、承継当初からの大きな変革は少ないのが一般的である。そのため、社内に反発が生じる可能性が少なく、事業承継がスムーズに行きやすい)。

この方法のデメリットは、一般的には以下の通りです。

・後継者に株式を取得するだけの資金力がないため、所有と経営が分離する場合がある(代表権を有する者が、株主総会の議決権の過半数を得ていないと大胆で迅速な経営は行えない。オーナーも後継者もフラストレーションがたまる事態となる可能性が大きい)。

・オーナーの個人保証債務や担保の設定が解除されずに、オーナーのリスクが残ったままの状態になる場合がある(代表権が移転しても、一般的には金融機関はすぐにオーナーの個人保証等を解除しない。後継者がそれに代わる信用力や資産を有していれば、後継者に保証債務等が引き継がれることもある。その場合は、オーナーの個人保証等は解除に応じてくれる可能性が高いが、こうした状況は一般的ではないので、個人保証等の問題が長引く可能性が高い。そもそも、後継者が保証債務を引き継ぐことに抵抗を示す場合も少なくない)。

・取引先や金融機関など外部から招聘する場合に、オーナー一族や従業員、取引先等との信頼関係が上手く築けない場合がある(関係者との信頼関係の構築は、内部承継以上に重要となる。その会社独自の文化を十分に汲み取らずに、従業員らが反発する場合がある)。

・適切な後継者が見つからない(中小企業の経営者は、営業、製造、研究開発、マーケティング、資金調達、経理、総務等を大まかにすべてを把握し、強力なリーダシップを発揮する必要がある。しかも、金融機関からの借入れには個人保証を行わなくてはならず、自己破産の可能性も有しており、気楽な商売では決してない。そうしたことを積極的に行おうとする人材が、親族以外ではなかなか見つからない)。


事業承継パターン①
2008.08.17

こんばんは。月岡です。

娘は、外で遊ぶのが大好きです。家にはおもちゃや本がたっぷりありますが、どんな遊び道具も外に転がっている小石や小枝には負けてしまいます。昨日も今日も、朝ごはんを食べ終えたら、「お外に行こう行こう」と、玄関に座って、私が靴をはかせるのを待っています。靴をはかせたら、満面の笑みです。前までは、帽子をかぶせるとすぐ脱いでしまっていましたが、帽子=お外という図式が娘の中にできたらしく、今では自ら帽子をかぶって、玄関に座っています。今日も外でひとしきり遊び、喉も渇いたので、娘を抱えて家に戻り、娘の汚れた手と顔を拭いて、ジュースを飲ませ、自分も麦茶を取りいくと、娘はもう一度外に行きたいらしく、玄関に座っていました。その元気のよさに思わず笑ってしまいました。元気の良いのが一番ですね。

さて、今日は事業承継のパターンです。区分しますと、①親族内承継、②従業員等の外部への承継、③M&Aの3つに分けられます。もう少し、詳しく分類すれば、以下の通りでしょう。

(1)親族内承継
  ①. 子息、子女
  ②. 子息、子女以外
(2)親族外承継
  ①. 従業員等の外部
   ア.役員、従業員
   イ.取引先や金融機関の出向者
  ②. M&A
   ア.会社の全部譲渡
     株式売却、株式交換、合併
   イ.会社の一部譲渡
     会社分割、事業譲渡

(1)親族内承継
 最もオーソドックスなのは親族内承継です。事業承継といえば、従来は当然に親族が行うものとなっておりましたが、近年親族内承継の割合は減少しています。減少しているといっても事業承継全体の約6割ですので、主流であることは間違いありません。

この方法のメリットは、一般的には以下の通りです。

・内外の関係者に受け入れられやすいので、後継者に関するお家騒動が生じる可能性が低い(誰しもが予想しているということです)。

・経営理念の伝承を含めて、後継者教育のための準備期間を十分に確保できる(後継者となる子息等は、子供の頃から、オーナーの経営理念や経営方針を働く姿勢を通じて、実感として自然と理解します。また、業界の知識や人脈等も比較的早くから吸収することができます)。

・相続等により、資金負担が比較的少額で、自社株式や事業用財産を移転できるので、所有と経営の分離を回避しやすい(株式の売買では、多額の資金が必要ですから、後継者は代表者となっても、オーナーがそのまま株式を持っている場合があります。そのため、所有と経営が分離して、経営が安定しません。しかし、相続の場合は、各種制度があり比較的キャッシュアウトが少額で、株式や事業用資産の移転が行われます)。

この方法のデメリットは、一般的には以下の通りです。

・後継者以外の他の相続人への財産分配における公平性の確保が難しい場合がある(相続財産のほとんどが自社株式や事業用資産としますと、後継者にそれらが移転することになり、他の相続人が不満を述べ、そのことが事業承継の大きな問題になる場合があります)。

・経営者として適切な後継者候補がいるとは限らない(事業環境が厳しい現在においては、経営者にはますます様々な資質は求められています。肉親というだけでは、幹部社員や従業員等の関係者を納得させられない場合があります)。

・現経営者が株式を売却する場合、相手が身内であるため、第三者に売却する場合よりも、価格が低めに設定される場合が多い(オーナーが引退後、安定した生活を送るためにも、株式売却による利潤を得たいと思うのは当然ですし、それがなければ引退も難しいでしょう。しかし、株式の売却先が身内の場合は、お金を身内でやり取りしますから、そこで株価を高めに設定することは後継者に多額の資金負担をさせることを意味しますので、なかなか現実には困難です)。

次回はそのほかのパターンのメリット、デメリットです。


名言集 宮崎駿 大人の問題
2008.08.14

こんばんは。月岡です。

今日は家に帰ったら、娘はもはや寝てしまっていました。鈴木選手が負けてしまったのも残念ですが、家に着いたときに娘の笑顔がないというのもとても残念です。仕方が無いので、静かにご飯を食べながら、オリンピックを見ておりました。
最近、娘は私を家の外まで見送ってくれます。玄関で私がバイバイすると、いっしょに玄関の外に出たがり、ぐずります。見送ってくれるのは、とても嬉しいので、私は家から遠く離れても、娘に手を振ります。でも、正直に言いますと、娘は私を見送るよりも単純に外に出たいだけのような気がしています(確認はしてませんけどね)。

さて、今日も事業承継のお話を書こうと思いましたが、最近、宮崎駿氏の『折り返し点1997-2008』という本を読んで、興味深かったので、その文章をご紹介します。私は宮崎氏の作品がとても好きで、毎回楽しみにしております。大人が何度も見たがるアニメを作る監督の思想が知りたいと思いまして、2700円+税と少々高いのですが、購入しました。その中の文章が、子供を持つ親として考えさせられました。

『 結局子供の問題というのは、大人の問題なのですよ。子供が学校に行かないといっておろおろしている親というのは、自分の不安をごまかしたいから、学校に行って勉強できるようになって欲しいといっているにすぎない。子供もにやるべき家事をやらせないで、勉強していればよしとしたり、やたらにモノを買ってあげたりすることが、愛情だと思っている。そうやってきたことの結論は、もう十分にでているんじゃないでしょうか。
 今の子どもたちは、ひ弱で善良で傷つきやすく、そして誇り高くて、仮面で武装することができないことがわかります。神経がむき出しになっているみたいに、感覚が非常に鋭敏になっている。小さいうちに、遊びやいろいろなことを通じて、自分を守るための防護壁を作っておかなければならなかった。しかし作る暇がなかった。その子どもたちが、この動乱の時代に居合わせるというのは、皮肉でもあり、悲劇です。
 僕は、ゆとりある教育をしたい、というのもよくわかるし、その一方で、理科教育もよくやっておかなければいけないとか、一生懸命勉強して働かなければエライことになるよというのも、本当だと思います。だけど両方とも全部噛み合わない。本当は少しぐらいの逆境には負けない、むしろ力を発揮するようなエネルギー、本来子どもたちのものであったエネルギーを子どもたちに返してあげることなんだと思います。
 日本の現実というのは、ひとつの民族が豊かさを求めて、何十年もやってきたことの結果でしょう?それをやってきたのは、日本民族だけじゃないですね。あらゆる民族が、殺し合いのない、飢えのないいい社会を作りたいとやっってきた結果が、今の世界なんです。それをどうするか。名案なしというところから始めるしかない。名案がないままに、三年後に景気が回復するかということと、地球温暖化とを全部含めて丸ごと考え、行動しようとする大人がいれば、子どもは尊敬しますよ。そんな大人がいないという問題を、僕らは突きつけられているんです。
 21世紀は、地球や宇宙のサイクルを人類の歴史と突き合わせて、もう一度長いスパンで次の文明を考えなければならないと思うんですね。じゃあどうするかといったら、とりあえずは立派なことを言うよりも、自分の思いつく範囲で、近所の川の掃除をするとかしようって、そういうことしか思いつかないですけどね。でも、イライラしたり、誰かが悪い、と思いながら生きてるよりも、少しマシじゃないでしょうか。』


事業承継 関係者との意思疎通
2008.08.12

こんばんは。月岡です。

今日、帰りがけに娘にお土産を買いました。一つが『てあそびのおうたえほん』というもので、ボタンを押すと手遊びのお歌が流れる本です。もう一つが『原寸大 どうぶつ館』というもので、原寸大の動物の写真が多数のっている図鑑です。『てあそびのおうたえほん』は大変気に入ってくれました。特に「コブタヌキツネコ」は大好きらしく、何度もボタンを押しては音楽にのっていました。一方、『原寸大 どうぶつ館』の方は、いまいちでした。原寸大なので、図鑑には動物の一部分しかのっていないため、この写真が動物だとなかなか認識できていないようでした。ただ、正面から見たパンダは気にいってくれたようで、キャッキャッと喜んでいました。

さて、今日は関係者との意思の疎通の重要性についてです。

現状を把握する際も、その現状を踏まえて事業承継計画を作成する際も、作成した事業承継計画を実行する際も、後継者候補や親族、幹部社員などの関係者としっかりとした意思疎通を図る必要があります。

後継者に関して言えば、事業を引き継ぐ強い意思や能力を把握するために必要です。中長期計画をつくり、その計画を実行していくのは後継者に他なりません。彼(もしくは彼女)の真摯な関与がなければ、円滑な事業承継はそもそも成り立ちません。また、後継者は株式を取得する必要がありますが、その譲渡価格や、その資金を負担できるだけの資力の有無や後継者となった後の報酬も話し合いの中で決めていくことになります。

親族に関して言えば、お家争いを避けるために必要です。代表者の長男が、当初後継者になりたくないということで、別の第三者を後継者として、選抜し育成している最中に、長男が会社を継ぐと突然言い出して、会社が非常に混乱するケースがあります。また、会社を引き継ぐ親族とその他の親族間での財産の分配で、不満がでる場合が多々あります。この不満が大きい場合には、会社運営に支障をきたす可能性があります。他にも突然、遺言が発見され、その有効性に有無を法廷で争うといった問題が生じる場合があります。こうした事態を避けるために、各相続人や親族の意思や希望を聞くと共に、自分の意思もはっきり伝えることが必要です。

幹部社員や従業員に関して言えば、その処遇をどうするかという問題があります。現在の代表者には極めて従順でも、後継者のやり方に常に反発し、事業承継を阻害する場合があります。また、次の後継者として考えていた長男がまだ経験が浅いので、中継ぎを幹部社員に頼んだところ、数年後に長男への経営権の委譲を拒否して、お家騒動になる場合もあります。こうした事態を避けるために、幹部社員や従業員に自分の意思をはっきり伝え、ときには会社の価値を下げないうちに、彼らには会社を去ってもらわなければならないかもしれません。

金融機関に関して言えば、個人保証や担保設定の解除してもらうために必要です。中小企業であれば、金融機関からの借入れに対し、代表者が個人保証をしているのが普通ですし、代表者の個人資産に担保が設定されている場合もあります。この個人保証や担保設定は代表者が交代しても、自動的に解除されるわけではありません。しかし、経営権が移ったのにかかわらず、いつまでも保証や担保が解除されないのでは、安心してリタイヤすることはできません。そのため、金融機関の担当者、支店長、後継者との相互の意思疎通を図りながら、信頼関係を構築していく必要があります。

もちろん、得意先や仕入先、他の少数株主がいる場合も当然考慮にいれなければならない関係者です。
様々な問題を回避するためには、関係者とのコミュニケーションを密にして、円滑な事業承継に協力してもらわなければなりません。これらの問題をすべて放り投げて、後継者に解決してもらおうとしても、とても不可能です。今の代表者が責任を持って、道筋をつくっていかなければなりません


事業承継計画 現状の把握
2008.08.11

こんばんは。月岡です。

今日もとても暑い日でしたね。私が夜帰りますと、娘はお風呂から出たばかりで、ニコニコと私を見つめてくれました。どうも熱が下がったようです。夕食後、私の手をとり、家中を何度もあっちにいったりこっちにいったりしておりました。調子も良いようで、ずっと一人でぺちゃくちゃおしゃべりしておりました。ほっといたしました。

さて、今日は事業承継計画のお話です。

円滑な事業承継を阻害する要因は様々あります。会社が時代に適合していけるかどうか、財務内容はどうか、ふさわしい後継者は誰か、その人間は社内外で受けいれられるかどうか、自分はいつ退任すべきなのか、どのように経営権を移転するか、株式はどのように移動するか、退任後の生活はどうするのか、遺族は相続税を納付可能か、といった様々な問題があります。自社と自分と後継者、内部・外部環境等を網羅的にチェックし、どこに問題点があり、その問題点をいつまでに、どのようにして解決すべきかという道しるべを立てる必要があります。これをしないと対策が場当たり的となり、重要な問題点に関する対処が抜けてしまう可能性があります。したがいまして、事情承継計画は必ず作成しなければなりません。

この事業承継計画のためには、まず現状を把握する必要があります。次に、この現状を踏まえた上で、承継の方法、後継者を確定します。さらに、この後継者へのスムーズな事業承継を実行するため、中長期事業計画を含む事業承継計画を作成します。

まず、現状の把握です。事業性や株式の状況等把握すべきことはたくさんあります。具体的には
①会社の経営資源の状況
これは、会社が有する資源(人、もの、金)をすべて洗い出し、事業上不可欠な資産の有無やその時価の把握するための作業です。この作業は、会社の競争力を把握や、事業承継に伴って行われる組織再編、相続税試算の基礎資料としても有用な情報を提供します。
·従業員の数、年齢
·資産の額及び内容
·キャッシュ・フロー等の現状と将来の見込み 等

②会社の経営リスクの状況
 これは、会社が直面する顕在化及び潜在化しているリスクを把握するための作業です。日々、直面し顕在化しているリスクとしては、事業リスクがあります。代表者として、このリスクを大局的な観点から捉え、そもそも事業承継することに意義があるのかどうかをまず問いかけます(当然ですが、事業承継する価値のない事業を継がせることは、後継者にとっても不幸です)。また、現在は顕在化していませんが、将来直面する可能性のあるリスクや通常の事業遂行上で意識していなかったリスクを改めて認識する作業です。
·会社の負債の状況
·会社の債務保証の状況
·会社の競争力についての現状と将来の見込み 等

③経営者の所有資産及び負債の状況
これは、事業承継の際に移転される自社株式の価値を把握し、その売却収入で引退後に、一定の水準以上の生活を維持することが可能かどうかを検証することを主目的にしている作業です。また、会社の事業に個人の資産(不動産、貸付金)、保証を提供している場合には、その清算が必要とされる場合がありますが、その手続きに必要な金額や手続きを把握しなければなりません。さらに、相続税額の試算の際にも、必要な資料を提供する作業です。
·保有自社株式
·個人名義の金融資産、土地・建物
·個人の負債
·個人保証等の状況 等

④後継者候補の状況
これは、後継者となり得る存在の検証作業です。あくまでも、まだ憶測です。今後その人物が本当にふさわしいかどうかは別途検証手続きが必要ですが、様々な観点から、まず後継者を選別する作業が必要となります。そして、可能ならば、この時点で後継者に足らない能力をおおよそ把握し、その補佐役の人選も考えられれば、さらに望ましいものとなります。
·親族内(子息・子女等)で後継者となり得るものがいるかどうか
·社内や取引先等に後継者となり得るものがいるかどうか
·後継者候補の能力・適性(統率力、意思疎通能力、広い視野、忍耐力、行動力、柔軟性等が備わっているかどうか)
·後継者候補の年齢、経歴、会社経営に関する意欲 等

⑤相続発生時に予想される問題点
 お家騒動を回避するには、法定相続人の把握と相続人間の信頼関係をまず理解することです。ただし、生前仲良くても、相続後骨肉の争いとなる可能性もあるので、遺言もしっかりと考慮に入れなければなりません。また、後継者は経営者にふさわしい株式数、議決権割合を保有する必要があるので、現在の株主の状況も把握しておきます。また、相続税が納付できるのかどうかも検討する必要があります。納付が困難な状況が想定される場合には、納付可能なスキームも検討していかなくてはなりません。
·法定相続人間の人間関係、信頼関係
·株式の保有状況
·相続税の試算、納税方法の検討 等

このように現状を把握するだけでも一苦労です。しかし、これが事業承継の重要な一歩なのです。このことを疎かにすると、お家騒動などのトラブルが起こる可能性も高く、そうなれば、あっという間に事業価値が毀損してしまいます。


大切な事業承継
2008.08.09

こんばんは。月岡です。

ご無沙汰しております。これからしばらく真面目に書こうと思います。

私は週末の土日のどちらか一日はできるだけ娘と遊ぶことを心がけております。本日もどこかへ遊びに行こうと思ったのですが、発熱しておりましたので、病院に連れて行きましたところ、39度以上も熱が出ておりました。出生以来の高熱なので、少々心配しております。早く治って欲しいものです。そんな中でも、ぶどうや桃、みかんやバナナなどのフルーツに対する食欲はまったく衰えませんでした。どんどん食べてくださいな。

さてさて、話は変わりますが、昨今事業承継に向けて、様々な法整備が進められております。5月に中小企業経営承継円滑化法が成立しました。これにより遺留分に関する民法の特例、金融支援制度が創設され、また、相続税の納税猶予の特例の創設が予定されています。詳しいことは今後、紹介していきます。まだ不明な点もありますし、こうした方が使い勝手がよいのではと思われる点もありますが、事業承継に向けて大きなバックアップとなることは間違いありません。この制度は10月1日に施行される予定です。ただ、「取引相場のない株式等の納税猶予制度」はまだ法律ができていませんが、平成21年に法律が制定され、平成20年10月1日に遡って適用できるよう措置される予定です。

これからしばらくこの事業承継に関連したことを記載しようと思います。そもそも、なぜこうした事業承継の制度整備が進められているかと申しますと、中小企業における事業承継があまり円滑に行われていないという現実があります。それについては、色々な理由があります。そもそも後継者がいないということもありますし、継ぎたいという意思のある後継者がいたとしても、事業の収益性や財務内容に問題がある、金融機関の個人保証がはずせない、後継者以外の他の相続人や関係者等の了解が得られない、株式が分散して収拾がつかないなどの様々な問題で事業承継がうまくいっていない事例が多いのです。しかし、中小企業は企業数で日本の法人全体の9割以上、雇用においても7割を占めます。また、世界に誇る技術を有する中小企業もあります。こうした非常に重要な役割を担う中小企業の事業承継が円滑に行われることは、日本経済の発展、雇用の確保という点からも必要不可欠なことなのです。また、日本の事業承継の制度は海外と比較してもが遅れているといわれていました。しかも、中小企業の代表者の平均年齢は57、8歳、引退予想年齢の平均が67歳ですから、事業承継の準備期間を考慮すれば、今後の数年間は非常に多くの中小企業の代表者は否が応でも直面せざる得ない問題なのです。こうしたことを背景に、今法整備が進められています。
これから、事業承継について、この法改正以外の点についても触れていきたいと思います。