取引先の仕入れ代金補てん-贈与とならないために-
日経ニュ-スによりますと、ローソンは食品材料の値上がりを受けて、全国8000店強のフランチャイズチェーン(FC)加盟店の仕入れ代金の一部を本部が補てんする制度を月内に本格導入するそうです。
対象となるのは独自商品の弁当や総菜、おにぎり、調理パンなどで、全100品目のうち食材の値上がりが大きい商品について補てんします。補てんにより一品当たりの粗利益率を高め、加盟店が安心して発注できる体制をつくる狙いがあります。
今回は上記のロ-ソンの施策について、税務会計上の処理をどうすべきか考えてみたいと思います。以下では、ロ-ソン側の処理をとりあげます。ロ-ソン側は販売に係る処理、加盟店側は仕入に係る処理となります。
記事では「仕入れ代金の補てん」としていることから、どういう基準で加盟店の仕入代金を減額するのか、また当該取引が税務会計上、どの費目に該当するかは明確ではありません。
ロ-ソンとしては、会計上、売上値引、売上割戻し、売上割引などで処理することが考えられます。それぞれの費目の定義は下記となります。
1.売上値引
値引とは、商品の量目不足、品質不良、破損等の理由により代価から控除されることをいいます。
2.売上割戻し
割戻しとは、一定期間に多額または多量の取引をした取引先に対する返戻のことをいいます。
3.売上割引
割引とは、売掛金等につき支払期日前に決済したことにより、仕入代価の一定割合の減額を意味します。
上記のうち、記事の趣旨から値引と割引は該当しないでしょう。適切なのは、売上割戻しとして処理することです。即ち、加盟店が特定の商品を仕入れた量や金額を基準にして仕入代金を減額するわけです。
この場合、会計上の処理としては売上金額から控除する方法、若しくは売上金額から控除しないで、販売奨励金等の科目で販売費として計上することが考えられます。
次に税務上の処理ですが、上記のような基準で売上割戻しとして処理するならば、損金として認められるでしょう。損金にできるのは、算定基準が販売価額等に基づいており相手側に明示されている場合は、販売した日の事業年度となり、それ以外の場合は、相手方に通知した日又は支払った日の事業年度となります。
しかし、上記のような基準ではなく、単純にロ-ソンが加盟店の仕入費用を負担したり、加盟店の損益割合に応じて補てん金額が変わる場合には、ロ-ソンが加盟店に経済的利益を無償で供与することを意味します。よって、特別の合理的理由がない限り、寄附金として取り扱われることになります。
また、法人が販売促進の目的で特定の地域の得意先である事業者に対して、販売奨励金等として金銭を交付する場合の費用は交際費等に該当しないことから、特定の地域の加盟店に対する仕入代金の補てんであるならば、この規定を使って損金計上することが可能です。
しかし、ロ-ソンは特定地域の加盟店のみを対象とするものではないでしょうから、販売価額等を基準にして一定額を割り戻す又は支払うというスキ-ムが適当であると考えます。
以 上
税理士 齋藤 忠志[http://www.saito777.com]
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