杉山会計事務所ブログ

税理士:杉山文成

今年の税制改正 故意無申告への刑罰創設

2011年7月28日

3党合意改正税法の重罰主義

 6月30日公布された3党合意23年度税制改正法で目立つのは、「故意の申告書不提出によるほ脱犯の創設」で、申告納税に係る17の税法への新設です。

 これは重加算税というような行政ペナルティーの強化ではなく、犯罪としての懲役・罰金刑の法定で、憲法の罪刑法定主義の要請による法定です。

17の税法の3様相

①   新法は2ヶ月間の周知期間経過後の行為に対して適用されます。

②   所得税法に限っては、平成23年分以後の所得税に係る行為について適用です。

③   措置法に係る所得税・相続税の義務的修正申告の不提出もこの類型です。

ほ脱犯とは

ほ脱犯とは脱税犯のことです。故意犯なので、1) 納税義務の存在の認識 2) 偽りその他不正の行為の認識 3)正当な税額の全部又は一部を免れる結果となることの認識、があるとされるとき対象になります。

個人については、懲役刑と罰金刑の両方が併科され、又、法人の場合には代表者等に懲役刑、法人に罰金が科されることがあります。

重加算税との重複は?

 憲法39 条の「又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。」との関連で、重加算税と併せて刑罰を科してもよいのか、の議論があるが、確定した判例では是とされています。

憲法上の黙秘権と税法の調査協力義務

 立件を目的にする犯罪調査には憲法上黙秘権の行使が保証されています。もちろん、一方で調査における協力義務の問題もあるので、境界が微妙です。

実務的にも、理論的にも、議論の多いところです。

「東京税理士界」機関紙の心配

納税者の権利は薄く、義務はあつく、質問検査権による調査は、事実上の強制調査に変貌か、このようなタイトルの記事が機関紙「東京税理士界」2011年3月1日号の11面にありました。

 これを怖れます。税務調査も、鋭く対立する場面が、場合・事案によっては避けられません。犯罪調査に一転する可能性を秘めて税務調査に協力的に臨むことへの相反的危うさがあります。

今年の税制改正 年金者は申告しなくてもよい

2011年7月27日

3党合意をうけて今年から創設適用

 6月30日公布された3党合意23年度税制改正法の目玉は、年金者の申告不要制度でしょう。

毎年の早春の喧騒を彩る所得税の確定申告の風物詩は、10数年前から「自書申告」のスローガンのもと、年金所得者の申告手続の急増に備えていました。今年からは、それを更に進化させて、「申告不要」ということにしてしまいました。

申告不要制度の対象

年金のすべてについて申告除外ということではありません。制度創設の趣旨は、年金者への利便を唱ってはいても、行政サイドの少額多数者対象事務コストの削減です。

年金者でも高額少数者に対しての申告義務の解除はまったく予定していません。その線引きは、

①   年金の種類は公的年金等に限定

②   収入金額が400万円以下

③   それ以外の所得金額が20万円以下

です。年金の平均収入より高いので、年金者の7~8割を申告不要対象にしようとしています。

申告不要は税の非課税や減免ではない

 申告不要で税の減収は予定していません。税収は確定申告手続きによってではなく、源泉徴収や特別徴収の手続きによって確保する予定です。

 とは言え、今までの年金に係る源泉徴収票では税額の算出過程が不透明で、その正確性のチェックがどの程度のものなのか疑問の多いところでした。

扶養親族等申告書の提出を承けて

源泉徴収の税額は、年金受給者が提出する扶養親族等申告書の記載内容によります。

ただし、その記載が正しいか否かを年金支払機関はチェックしません。給与所得者の扶養控除等申告書についても同じです。提出されたものを正しいものとして信じて源泉徴収等の事務処理をするだけです。不正記載への罰則もありません。

源泉徴収事務の強化が主眼か

年金には年末調整のような課税所得を精算する場がなく、年金支払機関も複数の場合が多く、正確な計算が困難です。そんな中で申告不要の導入をするとなると、源泉徴収による税の確保が要所となります。今後はそこの制度改善がクローズアップされてきそうです。

今年の税制改正 3党合意に至らなかったもの

2011年7月26日

当初の内閣提出の税制改正案は

 通常国会の初期に出されていた当初の平成23年度税制改正案は、衆議院で立往生していましたが、その一部が、自公民3党合意案として分離され、6月22日に国会通過し、6月30日公布されました。

 3党合意に至らなかった残りの部分は、年度改正ではないタイトルに変えて引き続き「所得税法等一部改正案」として衆議院で継続審議という立往生状態を続けています。

本年改正が断念されたもの

 そういう経過で、当初の税制改正案で今年の成案化が絶望視されているものは以下の通りです。今年の改正の目玉項目だったものの多くを含んでいます。

<個人所得課税>

・役員の給与所得控除の上限設定

・給与特定支出控除の見直し

・成年扶養控除の所得制限

(特定扶養親族・障害者等は存続)

・5年以下の役員退職金の1/2課税廃止

<法人課税>

・実効税率を5%引下げ

(法人税率30%→25.5%)

・減価償却の見直し(200%定率法)

・  大企業欠損金繰越控除の2割制限

 

・中小法人に対する軽減税率の引下げ

(18%→15%)

<資産課税>

・相続税の基礎控除の引下げ、

税率構造の見直し

・贈与税の税率構造の緩和

・精算課税の孫への対象拡大

<国税通則法>

・納税者権利憲章の策定等の抜本改正

増税路線と権利保護の破綻

ここに列挙した税率軽減・贈与税以外の項目はすべて増税項目で、納税者権利保護もその増税への不満忌避としての策にすぎません。

多分、今後は次々と新しい増税項目が毎年目白押しに出てくることになっていたのだと思われます。消費税の税率アップが当面の切所ではありますが。

それが、最初の増税元年に破綻してしまったわけです。しかしながら、財務省は継続審議として成案化を追求し続けています。来年2年分をまとめて増税改正できるか否かが、今後のわが国の財務省主導の財政のあり様に、大きな影響を及ぼしそうです。

居住用建物賃借権の相続について

2011年7月25日

まずは相続に関する基本から

建物の賃借権もまた、他の財産と同じく相続の対象となります。しかし、居住用建物では、当事者にそのような意識がある人は少なく、遺言や遺産分割協議書で誰に承継させるかを明示しないままに推移しがちです。それで、そこに住み続ける相続人が契約更新にあたって、賃貸人との間で、自らが相続したと新しい借主となって契約書を締結し直す例が間々見られます。

相続人資格のない同居者等の立場は?

 もっとも、相続人であるならば、他の相続人が異議を述べない限り、特段困ったことは起きないかも知れません。しかし、これに対し、これまで死亡した賃借人と一緒に同居していた、あるいは、死亡した者の名前で賃借した部屋に住まわせてもらっていた内縁の妻、事実上の養子等近しい関係にもかかわらず相続人資格がない者(以下「同居者等」といいます)の場合は深刻です。彼らは貸主に対する関係で、賃借人の地位を相続したと主張できないからです。  

しかし、そのような形式論だけで直ちに明渡請求を甘受しなければならないのでは、余りに気の毒といえます。

居住用建物による建物賃借権の承継制度

そこで、借地借家法では、居住用建物の賃貸借で、賃借人が相続人なくして死亡した場合、事実上の親族的関係として同居していた者は、相続と同様に賃借人たる地位を承継することができると規定されています。

相続人がいた場合には問題が残る

しかし、上記の規定は、下線で強調したように相続人がいた場合は適用がありません。そうすると、死亡した賃借人の賃借権は相続人に承継されます。

この点、賃貸人に対する関係では、裁判所は、昔から相続人の持つ賃借権を援用して賃貸人に対抗できるという理屈付けで同居者等の立場を保護してきました。

これに対し、当の相続人が、同居者等における居住の継続を望まず、自ら明け渡し請求をする、賃貸人との間で合意解除する、あるいは、わざと家賃滞納をして解除させるという手段で追い出しを図ることが考えられます。そうした場合には、同居者等の保護は図られません。何らかの立法的解決が待たれるところですが、経済的・感情的対立が絡み、大変な難問です。

養老保険の謎パートⅡ

2011年7月22日

養老保険は、積み立て型の保険で、満期保険金と死亡保険金が受け取れます。そこで国税庁は、法人契約の養老保険の取り扱いを以下のように通達しました。

①   満期保険金も死亡保険金も法人が受け取る場合→保険料は、全額資産計上

②   満期保険金も死亡保険金も従業員やその遺族が受け取る場合→保険料は、その従業員の給与

③   満期保険金は法人だが死亡保険金は従業員の遺族が受け取る場合→保険料の1/2は資産計上、1/2は保険料。但し一部の役員又は従業員の場合は給与

 

しかし4つ目は気がつかなかったのか?

④ 満期保険金は従業員 死亡保険金は法人の場合は、どう取り扱うのでしょうか?

従来このような契約が無かった為、国税庁の通達にも、明確に謳われておりません。

上記③より類推すると、1/2は給与・1/2は保険料(経費)と考えられます。この取り扱いも物議を呼んでおりますが・・・

 

更に、受け取った満期保険金の計算は?

満期保険金は、従業員が受け取りますから、受け取った満期保険金は従業員の一時所得となります。

 

一時所得の計算は以下となります。

(満期保険金-支払い保険料-50万)÷1/2

ここで問題となっているのが、支払い保険料です。この支払い保険料は、本人が負担した分(④で給与とされた分)か?会社負担分も含めた全額か?

 

国税庁の通達では全額!!

国税庁の法解釈である通達の所得税基本通達34-4では、明快に「支払を受ける者以外の者が負担した保険料又は掛金の額も含まれる」と記載されております。

 

裁判所も二転三転

福岡高裁で2009年に出された判決は、全額を認めていますが、2010年12月に同じ福岡高裁で出された判決は、通達の解釈が間違っているとして、本人負担分しか認めませんでした。

これを受けて2010年12月22日「23年度税制大綱」では支払い保険料は本人負担分とする旨を明確にしようとし、2011年6月22日の国会で成立しました。

養老保険の謎

2011年7月21日

生命保険の構成は、大きく定期保険と養老保険の2種類となっております

定期保険には平準定期と逓減定期と逓増定期の3種類があります。

養老保険のうち男性の満期を105歳、女性の満期を108歳として保険料を計算したものを、終身保険といいます。

 

定期保険は、所謂掛け捨ての保険です

ですから満期保険金というのはありませんので基本的に保険料という経費で落とせます。その為、節税対策に多く用いられました。そこで平成20年にその取り扱いが厳しく制限されるようになりました。

 

養老保険は、所謂積み立て型の保険です

ですから保険料は、基本的に保険積立金として資産に計上することが原則です。しかしこの養老保険に思わぬ落とし穴がありました。

 

法人契約の養老保険の取り扱い

国税庁の通達によると、以下の3通りとなっております。

①   満期保険金も死亡保険金も法人が受け取る場合→保険料は、全額資産計上

②   満期保険金も死亡保険金も従業員やその遺族が受け取る場合→保険料は、その従業員の給与

③   満期保険金は法人だが死亡保険金は従業員の遺族が受け取る場合→保険料の1/2は資産計上、1/2は保険料。但し一部の役員又は従業員の場合は給与。

 

4つ目は気がつかなかった?

④ 満期保険金は従業員 死亡保険金は法人の場合は、どう取り扱うのでしょうか?

従来このような契約が無かった為、国税庁の通達にも、明確に謳われておりません。

上記③より類推すると、1/2は給与・1/2は保険料(経費)と考えられます。

 

4つ目の事案に対する現在の国税庁の対応

「実態に則して個別に対応する」と、なっております。ただしこのような契約が節税対策として一般化すると、課税上弊害が出るとして、規制してくるのも時間の問題かと思われます。

セールス成功への道

2011年7月20日

 セールスを成功させる鉄則は、セールスの責任者が部下をやる気にさせ、売上向上

を図ることです。

 この当然のことが、決してやさしいことではなく、奥行きが深い創意工夫を必要とします。

 それは、部下それぞれのセールスに対する思いや能力に違いがあり、顧客も様々であり、セールスの初訪、顧客ニーズの把握、応酬、クロージングなどの場面に応じて、セールスの現場での状況判断と咄嗟の対応が必要なためです。

セールス成功の原則

この難しいセールス活動においても、次のような成功の原則があります。

①   セールスチームとセールスマン個々が達成したい目標を設定する。その場合、目標とする顧客・販売数量・金額とその根拠について部下に考えさせ、発言させて、前向きな目標設定に誘導し、最終的に責任者の決断とその根拠を示して決定する。

②   現状と決定した目標のギャップを期間・月間・週間などの販売数量・金額に分解して目標設定する。

③   基本的な商品知識・セールストーク等販売知識を徹底的に叩き込む。

その場合、決して妥協してはならない。

④   動きつつ考え、体験交流でセールスのやり方を修正、改善する。

経営者・販売責任者の留意点

1.   全員参加のノウハウ共有

人間は、その場、その場でリアルタイムの知を使い、即座にねらいをもって行動する習性をもっており、その体験が生きたノウハウの集積になります。

セールスチーム・セールスマンそれぞれの個性を認め、その体験から学んだこと、創意工夫した体験事実、反省点を、全員の前で発表、ノウハウを理解・共有すると良いでしょう。

2.モチベーションの向上策

 「会社に貢献したこと」が評価されることは、やる気・モチベーションの向上に役立ちます。定期的にセールスチームとセールスマンのオープンな評価・表彰を行い、努力を顕彰すると良いでしょう。その場合評価の対象となった、販売実績・販売行動を具体的に指摘、評価することが大切です。

精神障害等の労災請求状況とメンタルヘルス対策

2011年7月19日

脳・心臓疾患や精神障害者労災の補償状況

 厚生労働省は平成22年度に脳・心臓疾患や仕事のストレスでのうつ病等精神疾患を発症し、労災申請した人と労災認定された人の状況を発表しました。脳血管や心臓疾患は過重な仕事が原因で発症する場合があり、これが「過労死」に繋がる事があります。

 労災認定された人の1ヶ月の平均残業時間は80時間から100時間未満の人が最も多く、22年度に申請した人は800人と、4年ぶりに増加しています。

精神疾患の労災申請は2年連続増加しており、仕事上のストレス等でうつ病を発症したとして申請した人は前年度より、45人増え、1,181人で過去最多を更新し認定者数も308人で最多となりました。

精神疾患の原因は対人トラブルの増加

22年度に認定された308人のうち発症の原因は「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」とする人が最も多く、次に21年度から認定基準に盛り込まれた「ひどい嫌がらせ、いじめ、又暴行を受けた」が続き「上司とのトラブル」「セクハラ」等も含め対人関係が原因となっている事例が増えています。申請が増えた背景には、「ひどい嫌がらせやいじめ」も労災対象になるという認識が、広まりつつあるということが挙げられます。

仕事でストレスを感じる人は6割

 うつ病等気分障害患者数は20年の調査では100万人を超える状況となっています。仕事や職業生活に強い不安やストレスがあるとする労働者の割合も6割に上るとのデータもあります。過去1年間にメンタルヘルスを理由に連続1ヶ月以上休業又は退職した人がいる事業場の割合は8%となっており、一方でメンタルヘルス対策に取り組む企業は3割未満といわれています。

メンタルヘルス対策に取り組むには

 企業は、対策の推進の核となる担当者を選任し、その必要性を労働者や管理職にも理解を求め皆で職場改善を点検してみる事が良いでしょう。例えば職場のレイアウト・作業方法・コミュニケーション・職場組織等をチェックリストで点検して問題点を洗い出してみましょう。又メンタルヘルス不調者の発生予防、早期発見の為の管理職研修や社内相談機関の設置、無料で相談できる国の支援センター等に支援を依頼する事もできます。

"顧客ご満足"の獲得

2011年7月15日

 "顧客ご満足"を獲得するには、

・どの市場の顧客を獲得、維持するのか

・どのような商品(品質・サービス)で

顧客のご愛顧と信頼を勝ち取るのかを計画し、実践しなければなりません。言いかえれば、企業活動の目的を追求することに他ならないと言えます。

 

"顧客ご満足"獲得の基本

最も基本となるのは次のようなことです。

①   「市場」の定義

市場はどこに存在するのか(法人顧客ならその業種や規模・数、個人顧客ならその性別・年齢層・顧客数など)

②   顧客の定義

・自社が販売したい商品・サービスから考えて、どのようなニーズや欲求を持っている顧客か

・その顧客は日本国内・アジア・欧米などのどの地域にいるのか

・顧客が商品・サービスを購入する目的、理由はなにか

・顧客が商品・サービスを購入する方法は何か

 

 

 

このような"顧客ご満足"の基本を入念に調査・検討して、マーケティング戦略を立てることが重要になります。

 

マーケティングの4P

 マーケティング戦略を立てる四つの重要な要素があります。それは「マーケティングの4P」と言って、

・プロダクト(商品・サービス)

・プライス(販売価格)

・プレイス(販売経路)

・プロモーション(販売施策)

を指します。

 この四つのPのどこで競合他社と差別化するか、その巧みさが"顧客ご満足"獲得の勝負を決定づけることになります。

 

経営者・販売責任者の留意点

 次の点に留意することが大切です。

①  販売経路は十分に形成されているか

②  競合他社の存在とそのマーケティング戦略を知り、自社の4Pによる差別化を検討、実施する。

販売担当者の人材確保、能力開発、組織化を十分に行う

サラリーマンの節税

2011年7月14日

選択済みの最大の節税策

サラリーマンは収入を誤魔化せないし、認められる経費も少ない、経営者たちは、領収書を集めて節税をやっていて、羨ましい・・・、なんて不満話はよく聞きます。

 しかし、給与所得者であることこそが、最大の節税策です。

事業者とサラリーマンの比較

 事業所得者で経費を2,000万円かけて4,000万円の収入があったとすると、稼ぎは2,000万円です。所得控除が200万円だとすると、所得税と住民税は約620万円で、社保負担を無視した税引き後手取は約1,380万円です。

 サラリーマンが同じ条件で同じ手取となるときの稼ぎである年収は約1,800万円になります。

 つまり、2,000万円とこの金額との差は給与所得控除による効果で、税法の世界では最大の既得権、最大の聖域です。

被災地の事業者とサラリーマンの比較

 大震災に遭って、一家の稼ぎ手が死亡したような場合、サラリーマンだと、まず労災保険の遺族補償の適用があり、厚生年金等の遺族年金の対象になります。年収として何百万円かになります。

 事業主の遺族には、労災も厚生年金も適用外で、国民年金の遺族年金が数十万円支払われるだけです。従業員の労災保険料の全額・年金保険料の半額を負担する事業主には人生のリスク管理は自己責任とされています。

法人成りは給与所得者成り

 多くの個人事業主にとって法人成りは、給与所得者となって節税効果の恩恵に与かれるとともに、本人も社会保険に加入できる、安定への第一ステップの意味をもっています。給与所得者であることにメリットがなかったら、法人成りへの意欲はあり得ません。給与所得者であることは最大の節税策なのです。

正社員保護制度が厚いことへの気付き

 逆に、経営者を妬んだり、不正の常習犯のように思ったりしている人々で、それなら自分も脱サラをして経営者になってやろう、と行動に出る人は滅多にいません。

 脱サラして初めて、給与所得控除という架空経費控除制度の恩恵に気付き、起業に失敗して初めて、正社員サラリーマンを保護する制度から脱したことのリスクの大きさに気付きます。