内閣改造報道を機に、政治について言いたいこと
2008.07.31

死に体とまで酷評されている福田政権がようやく内閣改造に踏み切るらしい。
福田首相がやりたい政治がこれで見えてくるのかが知りたいですねえ。
残念ながら途中で投げ出す形になってしまった安倍政権から、
トップの首のすげ替えだけで誕生した福田政権はこれまでで
安倍政権の負の遺産を払拭できたのか、不安材料は多々あるようですが、
日本経済の底辺からの復活を早期に図るためには、
一日も早い政治の安定が必要だと思いますので、
福田政権がわが国をどこに連れて行きたいのか、一日も早く、
その展望を見せて頂きたいものです。

ところで、私は大学に限らず、あちこちで
「選挙には行って下さい」と訴えています。
どこに入れろだとか、誰に入れろだとかは、正直どうでもいいんです。
自分の行動に責任を持って欲しいから言うんですね。

投票に行かない国民は「入れる人がいない」だとか、
「俺一人いかなっくったって何も変わらないし、いったって変わらない」
だとか理由を考えていることでしょう。

しかし、政治家の意識は選挙で我々国民が行動をしないと変わらないですね。
「入れる人がいない」なら無記名投票したらどうですか?
いないと意思表示すべきではないのですか?
当選者の得票よりも無効票のほうが多い場合って、
当選者は有権者に認められたと堂々と胸を張れますかね?
そういう時代がもし来るとしたら、その瞬間は真っ暗闇かもしれませんが、
その先の未来は開けるかもしれません。見たくはありませんが・・・

だってそうでしょう。
国民がはっきりと自己主張できる国民になったのだから。
また、このことに公憤して、政治に命を捧げる方が出てくる可能性が高いですから。

我々は「誰もいない」といっていますが、
そんな政治家を間接的に選んでるのも我々なんですね。
いないならいないで、不適切な方を落選させるよう、
投票に行くという簡単な努力さえしない国民が多すぎるように思います。
自分で選んでおいて、今更文句を言うなんて卑怯ですよね。

小泉さんの改革は確かに新鮮でしたね。
ただ、小泉さんのやり方は、
「自分のことは自分でやる自己責任社会の構築」にあったはずです。
ところが、地方はそこまで手が回らず、結果として、
「宮崎のセールスマン」として全国を走り回っている東国原知事ら
一部の例外を除くと、自分のことを自分でやりきれない自治体が
悲鳴を上げて、「地方切捨て」と叫んでいるのが実情でしょう。

ただ、切り捨てられた地方さえも
小泉さんを礼賛していた事実を忘れるべきではないでしょう。

もう国民の関心は、福田さんの内閣改造ではなく、ポスト福田であり、
次の総選挙でどちらが政権をとるのかに移っているように思います。

ポスト福田といわれている方だけではなく、民主党の中にも、
私は個人的に、将来を託すことを期待したい方もいらっしゃいますが、
まずは現状をどう打開するのか、お手並みを拝見させて頂きたいですね。
そして、何よりも、政治家の皆様には、
国民のために汗をかいている姿をもっと見せて頂きたい。

日本の政治家はマスコミを使ったアピールが下手すぎる。
タレントになれとは言いませんが、
自分がやってきた政策がどういうもので、
今後の検討課題として何があり、どういう障害があり、
それを打開するために、どういう対策を打とうとしているのか、
アメリカの大統領予備選を見ながら、
わが国の政治家の密室度の高さを感じずにはいられませんでした。

皆さん、選挙には必ず行きましょうね。


月刊税務事例に論文が掲載されました
2008.07.30

月刊税務事例2008年8月号が昨日、事務所に届きました。
28~36ページに私の論文が掲載されました。
テーマは「役員分掌変更と退職の事実」。

以前にここでも書きましたが、
6月18日に東京税理士会館2F大会議室で開催された
税務訴訟学会第21回研究会で発表した内容で、
当日配布資料(102ページ)から、レジュメ(31ページ)を
取り出して、文字数制限に合うように要約したものが
今回掲載された論文ということになります。

発表資料では、引用脚注7件、参考文献17点を記載してありますが、
掲載論文では、文字数の関係から参考文献をカット、
引用脚注も5件に絞りました。

発表資料自体をご要望の方は、租税訴訟学会事務局へ連絡して頂きたい。
確か1部1000円(資料代)で配布して頂けるはずです。
租税訴訟学会のHPを張っておきます。
http://sozei-soshou.jp/

昨日は、租税訴訟学会の理事会が東京弁護士会館にて開催されました。
理事会の1時間前から私の所属する研究提言部会の部会もありました。

今週末には九州支部が結成されることになり、
租税訴訟学会も、税理士・弁護士・学者が協力し合いながら、
全国に展開できていることを実感致しました。

ただ、租税訴訟のあり方や支援の仕方については、
相互が連携しての研究が始まったばかりの分野であるためか、
それぞれに温度差があるようにも感じています。

ここでも以前に紹介致しましたが、私とは見解が全く異なりますが、
志岐先生からも発表希望があったようです。
私は個人的にはどのような発表をするのか、聞いてみたいのですが、
一参加者として聞いた場合、ぶつかるのは必死でしょうね。
出版された書籍の第2編(所得税法36条)を中心に論理展開されると、
このテーマの新しい切り口として評価されるのではないでしょうか。

発表予定が少なくとも今年中は決まっていること、
テーマ的に(すでに2回やっているテーマなので)
会員の興味を保てるのか等の問題があるようですが、
山下副会長を窓口に対応して頂くことになりました。

これからも色々な問題が出てくるのでしょうけれども、
皆様の英知を結集すれば、よりよい方向性を生み出せるものと信じています。
師匠からの指示とはいえ、そのような場に参加できることがラッキーですね。


税額3億円超全部取消事例、TAINSにアップされる
2008.07.29

私が高裁から税理士補佐人として関わってきた軽油引取税の事例が
TAINS(税理士情報ネットワーク、(有)日税連情報サービスが運営)に
7月25日、アップされました。

私から情報提供として判決文を送らせて頂いたのですが、
おかげさまで、税額3億円を超える軽油引取税の不当課税について、
全部取消の逆転判決を頂きました。

控訴人準備書面と師匠にお願いした鑑定意見書についても
TAINSに情報提供させて頂くことで、控訴人、弁護人とも了解済みです。
まだ準備中で送れていませんが・・・

他にも税務専門誌ばかり数誌に情報提供させて頂いております。
昨日、師匠から、判例時報、判例タイムスにも
情報提供するよう、指示を受けております。

課税庁側は、2週間の期限ぎりぎりで上告してきました。
しかし、上告理由書を後日提出ということで上告してきましたので、
我々はまだ何も手を打てないでおります。

ただ、最高裁は法律審ですから、何を争えるのか、僕には分かりません。
なぜなら、地裁・高裁とも法律解釈は殆ど争いになっておらず、
事実認定による争いであるからです。
この点については、2月に日本税法学会関東部会で
この事例を発表した際にも、出席した先生方から同様の指摘を受けております。

事実認定だけであるならば、最高裁は上告不受理で却下になりますから、
みすみす争うこともできない事例で、
先例として最高裁判決を受けることを、総務省が許すのでしょうか?
それとも、知事のレベルにさえ、この訴訟の報告があがってないのでしょうか?
平成17年度予算から未収になっている3億円超の税額が
議会で問題視されないのでしょうか?

知事の政治的手腕から、知事を支持している私としては
失政だといいたくありませんが、この事件には不可思議な点が多々あります。
師匠は、少なくとも処分時点では、副知事にさえ、
詳しい報告が行かなかったのかもしれないねえ、とおっしゃっていましたが。

何を主張・立証して上告理由を書いてくるのか、
何を今まで隠し持っていたのか、
学問的には非常に楽しみですが、
原告の立場を考えると、もうこれ以上、苦しませることはやめて
早く開放させてあげて欲しいと願う今日この頃です。

ですから、最高裁には、上告を受理するにしろ、不受理にするにしろ、
(当然不受理で、課税処分全部取消が確定することを望んでおりますが、)
このような宙ぶらりんの状態ではなく、闘い続けなければならないのか、
もう開放されるのかを、決めて頂きたいものです。


書評、心に響く名経営者の言葉
2008.07.28

今日は、出たばかりの本を紹介しようと思います。

2008年7月23日に発行された
「決断力と先見力を高める 心に響く名経営者の言葉」
ビジネス哲学研究所編 PHP研究所発行 950円(税別)
を紹介致します。

新書判の本書は、6部構成で、
名言と解説を見開き2ページで書かれた読みやすい構成である。

第1章 ビジネスチャンスのつかみ方      24名
第2章 成功する人のお金の使い方・活かし方 8名
第3章 高いモチベーションを保つには?    28名
第4章 失敗から学ぶ成功学            8名
第5章 人材とは?人生とは?          15名
第6章 企業とは何のために存在するか     6名

実に89名もの経営者の名言を集め、太鼓持ちではなく、
ちょっと辛口のコメントが気を利かせて、味わい深さを加えている。

例えば、一番最初に取り上げられている 井植歳男(三洋電機創設者)では、
「与えられた仕事を命じられたままトレースするのではなく、
自分の持つ知識・能力・技術・アイデアをプラスし、自分の足跡を残せ」
という名言を紹介し、解説では、有名な豊臣秀吉の草履の話を持ち出し、
「現在のビジネスシーンでも、いわれたことをいわれたとおりに
やっているだけでは頭角を現すことはできない」と釘をさす。

また、岩崎弥太郎(三菱財閥の創設者)の話では、
「機会は魚群と同じだ。
はまったからといって網をつくろうとするのでは間に合わぬ」
という名言を紹介する。
岩崎は、武士ではあっても名ばかりの農民の出であったが、
わずかなチャンスを物にし続けて、
現在まで世界に冠たる三菱グループを築きあげた男である。
彼の飛躍のきっかけになった長崎赴任の役職は「下役」、
つまり使い走りだったそうだ。使い走りからチャンスをつかみ、
グラバーや坂本竜馬らと友好を結び、飛躍のきっかけにしたそうである。

このような手垢のついた教訓話も多いが、
今の時代、耳の痛い話も多い。
紀伊国屋書店の創業者、田辺茂一の話は、
「何でも時代のせいにしていれば、そりゃ楽だ」。
今の時代、どこの企業も苦しい経営を強いられていよう。
失敗したときには「タイミングが悪かった」とか、
「時代の読みが甘かった」とか、時代のせいにする言い訳もよく聞かれる。
しかし、本書は、こう言い切るのである。
「本来、事業や計画というのは、時代のニーズやタイミングまでを
推し量って進めるものだ。つまり、タイミングを考えるのも
事業や計画のうちである。それにもかかわらず、失敗の責任を
時代のせいにするのは、ビジネスパーソンとしては「姑息」なのではないか。」と。

そして、本書の名言から、将来ビッグになりたいという若者に向けて
阪急電鉄創設者、小林一三の言葉を送りたい。
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」


久しぶりの完全オフ
2008.07.27

昨日は、仕事の予定も学校の予定も入っていない、完全オフでした。

いい仕事をするためには、しっかり休まないといけませんね。
体を壊しては元も子もないことを、この2年くらいで身にしみました。
今年に入ってやっと体調は戻りましたが、
その間に失った信用や信頼関係は戻りませんから。
休めるときには休まないと、体が資本の経営者は身が持ちません。

土曜日が師匠の大学院の講義・演習日のため、通常は大学にいっています。
また、日曜日は青山IGC学院で大学院志望者を教えていますので、
土日が滅多に休みにならないんですね。
まあ、土曜日は手伝いですから、行く義務はありませんので、
仕事が入ると仕事していますが。
今日もIGCのあと、事務所に来ています。

大学は麻疹騒動の余波で2週間ずれ込んだため、
僕の学部の講義は明日で最終。試験は予定変更でレポートです。
レポートが2つになったので、かえって大変かもねえ。
大学院は、8月9日までやるそうです。

さて、昨日は、娘が通う保育園のイベントでした。
嫁サンも働いているため、ほとんど、嫁さんの両親に頼りっきりですが、
昨日は、娘と一緒でした。
やっぱりいいもんですね。

娘のためにも、頑張らなくっちゃ!


HPリニューアル
2008.07.26

HPをリニューアルしました。
よかったら以下のURLからアクセスしてください。
http://www.sanaikai.com

旧HP http://www5.ocn.ne.jp/~zeitaira/
は学生向けのメッセージ発信も目的の1つであったため、
非常に雑多な、ある意味ふざけているのでは?
と思われても仕方がない作りにしておりましたが、
新HPは完全に業務用として、独自ドメインを取得してオープンしました。

正直、旧HPは自分ひとりでは管理しきれませんでした。
今年の1月から幹部スタッフとして手伝ってくれているかつての受験仲間が
もともと工学系のIT専門家であることを活かして、
旧HPを作成したスタッフとともに、
新HPの立ち上げ、管理をしてくれています。

事務所のコンピュータの総取替えを機に、
HPのリニューアルにも取り組んでもらいました。

ところで、ドメインのsanaikai、三愛会は、父の方針でもあり、
事務所クライアントの親睦会の名称として使っております。

仕事を愛し   この仕事が好きだからより良い仕事ができる
会社を愛し   自分の会社だからより頑張ることができる
家庭を愛す   円満な家庭があってこそ良い仕事ができる 

との3つの愛をモットーに
クライアント様との家族ぐるみのお付き合いをさせて頂いてきました。

これからも3つの愛の精神とともに、
これに大学に籍を残した私のカラーとして
「理論武装は納税者のために!」をキャッチコピーに
納税者の皆様方のお役に立つ、駆け込み寺のような存在になりたいと思います。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。


事業承継税制セミナー無事終了
2008.07.25

昨日24日、ひがしん金町支店で行いました
新・事業承継税制の活用法セミナー、
無事終了致しました。

平日の昼間の開催ということもあり、
20名ほどの会議室に18名の参加を得て、
こじんまりとやりました。
ビデオ撮影をしておりますので、
参加できなかったクライアント様には、
DVDにコピーして、お渡しする予定です。

今回は先週末でレジュメを作り上げ、細部のチェックをしていたところ、
前々日22日の政府税制調査会において
相続税の大改正方針、遺産取得税方式への変更という
平成21年度税制改正における基本方針が明らかになったことを
前日23日の新聞で知ったことを受けて、
レジュメの修正はとても間に合わないので、
話す内容の変更を急遽変更して対応させて頂きました。

新・事業承継税制は大きく3点に分けられる。
1.自社株の80%納税猶予
2.民法の特例(自社株生前贈与の遺留分からの除外、自社株評価額の固定)
3.新・制度融資を中心とした金融支援

特に注意しなければならない点は、
1.新制度の適用時期
経営承継法は20年5月成立、10月施行。
税制改正は21年度ではあるが、今年の10月にさかのぼり適用される。
しかし、民法の特例は、経営承継法公布から1年以内に施行という特則のため、
来年1月とか4月とか言われています。
10月1日に飛びつくのは危険です。

2.適用条件①持株条件
前代表が単独で過半数もしくは同族で過半数かつ同族内筆頭の保有である場合に、
新代表者が、新制度による株式移転後、単独で過半数もしくは
同族で過半数かつ同族内筆頭の保有になることが必要です。
注意すべきは、現代表者が代表権を手放し、
筆頭株主でもなくなることを想定している、ということです。
お子さんを筆頭株主としてコントロールしようとしたり、
代表権を少なくとも共同にしなければアウトということになります。
また、みなし退職による退職金をもらいたいのであれば、
実態として退職の事実がなければ認められないというのが、判例の考え方です。

3.適用条件②5年間の事業継続要件
新制度による自社株の移転を行う場合、
5年間の事業継続要件が課されています。
つまり、5年間は代表を続けることです。
また、雇用の8割以上の維持が要求されています。
もし社長と承継者の2名で事業を行っていた場合、
社長が完全勇退したり、5年間のうちに死んでしまったら、
雇用が1/2になってしまうため、アウトです。
この制度を使いたければ、家族共々長生きしてください。
さらに、株式の保有継続については、年数制限が設けられていないため、
死ぬまで持たなければならない制度とも読めます。
この継続要件は、要件を満たさなくなった時、納税猶予が終わりますので、
その瞬間から納税義務が生じることを忘れないで下さい。

そのほかにも多くの注意すべき点がありますが、
新制度を節税スキームであると思い込んで、
飛びつくと痛い目に合うということだけは忘れないで下さい。
また、従来からの相続税節税スキームと考えられていた手法の一部では、
新制度を使えませんので、ご注意下さい。

事業承継対策や相続税対策は、拙速が最悪です。
長期計画を立てて、税務署から修正申告を求められないように
物証をそろえながらじっくり整えていくことが肝要です。

また、税賠を考えれば、我々もクライアント様に安易な節税スキームを紹介できない時代です。
長期的視点に立って、相続後の税務調査を終えた後、
結果としてクライアント様に喜んでもらえる適正な節税指導をしようではありませんか。


遺産取得課税方式を導入、政府税調方針
2008.07.24

政府税調は、50年ぶりに相続税の課税方式を変更する方針で、
改正作業に取り組み始めた。

7月22日に開催された政府税調企画会合において、
数多く提出された提出資料によれば、
相続税関係に関する18ページの資料は、
新しい事業承継税制に関する資料はほとんどなく、
そのほとんどを現行の法定相続分課税方式から
遺産取得課税方式への変更の検討資料であった。

国際比較をしてみると、
遺産全体を課税物件として、
例えば遺言執行者を納税義務者として課税する「遺産課税方式」は
アメリカやイギリスで採用されている。
このやり方は、遺産分割の仕方によって
税負担に差異が生じないという特徴があるが、
取得した遺産額に応じた課税が出来ない等、
担税力に応じた課税という面からは難がある。

一方、遺産を取得した者を納税義務者とし、取得した遺産を課税物件とする
「遺産取得課税」は、ドイツやフランスで採用され、
かつてはわが国でも採用されていた時期があった。
このやり方は、各々が取得した遺産額に応じた課税が出来るという反面、
遺産分割の仕方によって税負担に差異が生じる可能性が高いという難がある。

わが国の現行制度は、折衷方式ともいえる方法であるが、
他の相続人が取得した財産も含めて全ての財産を把握しなければ
申告できなかったり、
相続人の人数によって財産額が同一でも税額が異なる場合等、
不合理な点が目立ってきたため、
かつての遺産取得課税方式への転換を図ろうというのである。

この大改正が実行されると、
従来から行われてきた、いわゆる相続税対策を総ざらいして
再検討しなければならなくなります。
なぜなら、現行の法定相続分課税方式を前提として
各種の対策が立てられているため、
遺産取得課税方式に変更されると、その土台が崩され、
その結果、節税効果がなくなるどころか、
増税になってしまう場合さえ考えられるからである。

私は、本日7月24日14時より、新・事業承継税制について
地元の東京東信用金庫金町支店でセミナーを開催するが、
安易な節税策の提案を予定したレジュメを作成しなかったことに安堵している。
遺産取得課税方式が平成21年度税制改正で
導入される予定であることが明らかになった以上、
相続税を軽減するための対策として事業承継を捉えることは厳しくなる。
むしろ、自己のもつ資産をどのように有効活用し、
事業を継承すべき者を考えなければならない時代が到来すると言えよう。

我々税理士は、常に制度の大改正があることを念頭に入れながら、
適切な税務コンサルティングをしなければならないのである。

その他の論点についても含めて、
詳しく知りたい方は以下のURLにアクセスして下さい。
http://www.cao.go.jp/zeicho/gijiroku/kikaku.html


書評、法律の世界地図(文春新書)
2008.07.23

今日は、国士舘大学文学部の法学でレポートに指定させて頂きました
21世紀研究会編「法律の世界地図」(文春新書2007)
をご紹介したいと思います。

「悪いのは人か?法律か?」
アメリカでは、弁護士多くして産科医減る?
イスラーム世界の法とコーランの関係は?
中国人に遵法精神はないのか?

等、センセーショナルな言葉が並ぶオビが特徴の本書は、
内容を見てみれば一目瞭然。
社会文化の違いがその国の法律の特徴になるため、
異文化から見るとおかしいと思える法律が
世界にはたくさんあることを思い知らされます。

例えばイスラム法は成文法ではないため、
その解釈のために権威者がファトワーを発するのである。
例えば、「悪魔の詩」事件は、ホメイニ師により「死刑に値する」との
ファトワーが発せられたことにより、
作者及び翻訳者、出版関係者の多くが命を狙われたのである。
また、イスラム社会にはジハード(聖戦)が認められているため、
イスラム共同体を守るために命を賭して戦う殉教者たちが行動を起こしたのであろう。

また、イスラム法では、一夫多妻制が認められている。
この点ばかりクローズアップすると、何ゆえに認められるのかという本質が見えてこない。
イスラム共同体を守るためのジハードに散った男たちのあと、
誰が戦争未亡人や戦争孤児の面倒を見るのか。
また、何人もの妻を持つことを認めても、彼女らを平等に扱い、
嫉妬の感情が起こらないようにしなければならないのである。
神を信じる彼らが神の教えに反することはできないであろう。
多くの庶民は、一夫一婦の夫婦生活を送るのが普通なのである。

また、アメリカでは弁護士が多すぎることからくる訴訟社会が生まれたのである。
日本では、被害者の損害に応じた実質的賠償制度であるが、
アメリカでは、もともと実質的賠償が容認される金額が高めであるばかりか、
加害者に対して懲罰的な賠償を課して責任を負わせることに社会が合意しているのである。

また、中国では、「上有政策、下有対策」との諺があるように、
法の網をかいくぐる庶民のたくましさをあらわすとともに、中央政府の決めた政策を
地方政府が適用しないことにも、よく引き合いに出されるそうだ。
この表現は、中国人は遵法意識が希薄だという批判と結び付けられやすいが、
法家思想に基づく秦の始皇帝による支配やその他の歴史的背景を考えれば、
中国人が法に対するアレルギーのようなものを持っていても仕方あるまい。
ところが、本書の指摘は、中国人批判に止まらない点は秀逸である。
法意識国際比較研究会が行った研究によれば、中国人よりも日本人の方が、
法に対して否定的イメージをもつ人の割合は多いのだそうだ。

我々こそ、法の持つ意味と効果を考えなければならないのかもしれない。


頑張れ!中小企業
2008.07.22

先週土曜日に中小公庫と専修大学との合同セミナーに出てきました。
専修大学の教授が公庫出身の方なので、合同セミナーとなっていたようです。
明日は、ある法律事務所主催のベンチャー支援のセミナーに出てくるつもりです。

多くの中小企業は、長引く不況の中、生き残りのため、必死に頑張っています。
うちの事務所のクライアントも同様で、
どこも厳しい経営を何とか乗り切って、ここまで来ているように思います。
正直なところ、売上が上がっても、他人の不幸(つまり倒産)のおかげで
こちらに仕事が回ってきたというのが本音のところで、素直に喜べないですね。

オンリーワンの企業になっているベンチャー企業には、
自力で成功されている方も多いでしょう。
土曜日のセミナーでは、ケーススタディーのパネラーとして、
大田区の製造メーカー2社が体験談を話していました。

そこで、ふと気がついた。
オンリーワンを目指すとして、我々がクライアントに何を提供できるかと。

我々が提供できるものは、やはりデータ分析から見た現状分析なんですかね。
あとは、クライアント様とじっくり話し合って、
営業戦力を含めた経営計画を一緒に作っていくことでしょうか。

中小企業の多くは、社長も現場に出ていることでしょう。
そのために、総務的な役割がおざなりになっていることも多いと思います。
我々税理士は、税務コンサルティングを中心に、
社長さんの「困った」を解決するお手伝いをしています。

中小企業の社長さんは、「いいものを作れば必ず売れるはず」
との思いが強いと思います。

しかし、現在の国際化の流れからすると、規格品の製造は、
コンピュータ制御した機械を駆使すれば、世界のどこでも作れます。
そのため、カスタマイズされた付加価値商品を作っていかなければ生き残れないでしょう。

腕自慢の職人が起こしたベンチャー企業も多いはずです。

今こそ、自ら情報発信して、自慢の腕を買ってくれる顧客を見つける時です。
情報化時代は、世界中に自分の腕を買ってくれる顧客がいる可能性を広げたのです。

次の一手を打つための戦略を一緒に考えていきましょう。


盆踊り、花火大会、そして受験シーズン
2008.07.21

昨日、一昨日と、居住する木場の町会での盆踊りでした。
非常に盛会で、ごったかえしていましたね。
妻の父が町会の役員をやっていますので、妻の実家はてんやわんやです。

私の両親も町会役員をやっていましたので、
地元の祭りでは手伝いに駆り出されていましたね。
また、母は沖縄舞踊を習っていましたので、盆踊りは毎年楽しみにしていました。

また、明日22日は、事務所のお膝元、葛飾柴又の花火大会です。
いち早く開催される花火大会ですから、毎年、楽しみにされている方も多いでしょう。
私の事務所から見えますので、毎年、会場ではなく、
事務所から堪能させてもらっています。

そして、24日は土用丑の日。
言わずと知れたうなぎを食べる日です。
税理士登録以来、うなぎにあたる確率は増えましたが、
私は高校時代から牛を食べる習慣があります。
今年はひがしんでのセミナー当日。
吉野家の牛丼を食べて、頑張ります。

さて、梅雨も明け、いよいよ夏本番ですね。
わが業界では受験シーズンの到来です。
今年は8月5~7日。
うちの事務所では3名が受験します。
3名ともリーチがかかっていますから、問題運が来ることを祈る次第です。

また、この季節ですから、体調管理も大切です。
今はまだ冷房設備が増えましたが、
私が受験していた頃は、冷房設備のない会場が多く、
灼熱の中、アイスノンが必需品だったのを覚えています。
ただ、それをカンニングに悪用した奴がいたらしく、
使用禁止になった年がありました。
その年の僕の答案用紙は血染めでした。試験中にのぼせて鼻血を出したんです。
また、この年は救急車の音が何度もなっていましたね。
あの頃は、試験会場に救急車がスタンバイしていましたものね。
体を壊さない程度に頑張って、合格を勝ち取ってもらいたいですね。

祈! 合格!


書評、社員10人までの小さな会社の総務がよくわかる本
2008.07.20

今日は、ある異業種交流会でお会いした社会保険労務士、小岩和男先生が執筆した本
「社員10人までの小さな会社の総務がよくわかる本」(明日香出版社2007年11月)
をご紹介させて頂きます。

我々税理士のクライアントの多くは、中小零細企業であると思います。
中小零細企業においては、従業員の分掌が進んでいないことも多く、
総務を担当されているのは、経営者のみであるということも多いのではないでしょうか。
また、税務に関しての税理士、社会保険関係についての社会保険労務士、
登記関係についての司法書士等の顧問契約まで至っていないこともあるかもしれません。

小岩先生は、そのような中小零細企業において、特に人事労務業務を中心に、
1年間のスケジュールの中で、どのタイミングに何があるのかを図解により明らかにしながら、
非常に分かりやすく、説明されています。

総務の役割として、社内での役割と社外での役割とに分け、
「社内では、経営者と一体になり、1 経営活動の補佐をしていくこと、
2 現業部門の従業員の支援をしていくことが必要です。」(10ページ)
「また、社外に対しては、会社の窓口として官公庁、業界団体、取引先、
金融機関、消費者、地域社会などとの交渉、交際、折衝、情報収集など
様々な対応があります。」(11ページ)
と指摘しています。
独立したばかりの経営者は、自分に自信がある分、技術や営業に特化しがちで、
コンプライアンス経営を軽視しがちです。
その点、一見、雑用にも見える総務部門の重要性を強く主張されているのでしょう。

また、忘れられがちな点として、
コラム「経営者も労災保険に加入できることがあるんです!」(121ページ)では、
「この制度に加入するには、労働保険事務組合という団体に事務処理を
委託することが必要になります。」「労働保険事務組合への組合費が
別途かかりますが、メリットが非常にありますので検討されてはいかがでしょうか。
最近では、この特別加入を条件に、業務委託、請負発注をする企業も
多くなりました。」と指摘しています。
人材派遣や業務委託契約において、一人親方が現場に入るためには、
労災保険の特別加入が要求されるケースが増えていますが、
偽装請負を防止するために派遣業法が厳しくなりましたから、
現場に入る一人親方を従業員としてその親族が社長を務める会社も
増えてくることが予想されますね。
ただ、経営者も現場に出る会社は中小零細企業では当たり前のことでしょうから、
労災の特別加入制度はもっと活用されてもいいのではないでしょうか。

人事労務関係の記載が多い本書ではありますが、
小岩先生の伝えたいことは、総務部門の有効活用にあるように思えます。

総務部門の有効活用が会社の発展に繋がるんですね。



源泉徴収制度の法的意義
2008.07.19

今日は、私の税制への不満の1つについて、その法的構造を考えてみたい。
それは「源泉徴収制度」についてである。
私は、源泉徴収制度の存在が、
納税者を税に対して無関心にさせてきた元凶ではないかと考えている。
ひいては、法がどのようになっているのかについてさえ考えようともしない
わが国国民の政治的無関心を増幅させているような気がしてならないのである。

わが国の納税者では、給与所得者がかなりの割合を占めている。
給与所得のみの納税者は、給与を支払う雇用主から給与を支給されるときに、
税金分や社会保険等を天引きされて支給される。
そのため、税金をいくら払っているのか、関心が薄れてしまうのである。

それも、通常は年末調整において、会社が給与所得者の年税額を計算して、
12月分の給与の支給時に、天引きされる税額を調整して支給を受けることになり、
通常は、年末調整の際、天引き過大として還付される。

年末調整で還付される所得税額を、支払い過大による還付ではなく、
臨時の収入、つまりボーナスの一部であるかのような
錯覚を起こしている給与所得者が多いのではないだろうか。
その結果、自分が支払っている所得税額がいくらであるのか、
源泉徴収票を書いてあるにもかかわらず、
分からないし、関心もない納税者が増えてしまうのである。

本当にこのような状態でいいのだろうか?

また、源泉徴収制度の法的構造にも問題がある。

源泉徴収制度においては、
国に代わって納税者の租税を徴収することが許された源泉徴収義務者(雇用主)と
納税者との雇用関係に基づく私法関係と
納税者から集めているはずの税額を国に納付する義務を課された
源泉徴収義務者(雇用主)と国との租税債権を挟んだ公法関係とが存在するのみであり、
国と納税者との関係は断絶されているのである。

そのため、納税者は、税額を過大徴収されていたことに気付いても、
国に直接その過大分の還付を請求することが出来ないのである。
最高裁平成4年2月18日判決(平成2年(行ツ)155号)(民集46巻2号77頁)
において、原告が敗訴したことからもこのことは確認されるところである。
つまり、雇用主が過大徴収している場合には、
雇用主に還付請求しなければならないのである。

また、源泉徴収票の記載も納税者を混乱させる要因である。
源泉徴収票には税額欄があるが、ここに記載される税額は、
雇用主が納税者から天引きした税額ではない。
雇用主が国に対して納付するべき税額でしかないのである。

私は講義で学生に「給与明細をとっておけ」と繰り返し訴えている。
給与明細には、給与から天引きされた税額が記載されるからであり、
給与明細に記載された税額の合計と源泉徴収票の税額を
比較することを薦めています。

一年間、給与明細を取っておき、年末調整後に、
自己診断しているサラリーマンはどれだけいるのでしょうか?
大手企業では問題行動はないでしょうが、
労働組合もない中小零細企業では、どうでしょうか?

うちの事務所では、源泉税の納付時期に、アルバイトも含めて、
給与台帳の確認をさせて頂くよう顧問先にお願いしております。
手間がかかるかもしれませんが、全員の確認をすることが
適正な申告、納税の推進に繋がると信じているからです。

サラリーマンにも自分が納税者であることの自覚と責任を持って頂きたいものです。


ケーススタディ企業税務訴訟・審査請求
2008.07.18

ふじ合同法律事務所と税理士法人緑川・蓮見事務所が共著した
「ケーススタディ 企業税務訴訟・審査請求」という本が
新日本法規から平成20年5月に出版されています。

この本との出会いは、わが師匠の研究室に、
緑川先生から寄贈本が送られてきたことでした。
執筆メンバーに友人がいることもあり、この本を紹介させて頂きます。

平成14年の税理士法改正以後、税理士が補佐人として法廷の中に
入れるようになったこともあって、この手の本が近年多数出版されている。
ただ、本書のように、ケーススタディに関して、全ての事件に、
税理士の視点と弁護士の視点、双方からの検討をする書籍は少ない。
その意味で、本書のケーススタディーは、税理士補佐人を行う
税理士に、業務に必要なことのヒントを与える本であるといえよう。

本書の構成は、第1編において、一般的な税理士が弱いと考えられる
税務訴訟の手続きを開設した後、
第2編において、86の事例を検討するものである。

本書の最大の特徴は、執筆者の本音を書いてしまったことであろう。

はしがきにおいて、もう「見解の相違」はやめよう、と銘打ち、
次のように指摘しています。
「リスク管理という観点から見ますと、違法とは認識していなかった
税務処理に課税されるということは、税務リスクの把握が
十分ではなかったことを意味しますし、国税当局の見解が
正しいと考えていないのにそれを争わないというのは、
顕在化したリスクを低減する努力を怠っているということになります。
こう見ると、今や「見解の相違」という言葉は、リスク管理・対応が
不十分との批判を受けるという別のリスクを招きかねない
危険な言葉の感さえあります。」

また、税務訴訟を積極的に利用する方策(20~22ページ)では、
次のように指摘します。
「税務訴訟を提起するということは、課税庁を敵に回すということを
意味します。課税庁を敵に回すからには、争う者は、自分の足元が
しっかりしていなければなりません。問題になっている所得認定が
崩れそうだという時には、課税庁は、あらゆる強権的な手段を
使って、争う者に他に捕捉漏れの所得がないかを調査してきます。
これに耐えられる公正かつ明朗な会計をし、正確な帳簿諸票を
備えておく必要があります。透明性、公正さが強く要求される
今の時代には、課税当局と良好な関係を維持することによって、
税務申告で有利な取り扱いを受けようなどと考えることは、
無益なことであるとさえいえましょう。それまで良好な関係が
維持されても、ある所得の発生について、課税当局が納税者と
見解を異にすれば、容赦なく修正申告を迫ってくることになります。
お目こぼしを願うなどということは、権力の恣意的な行使も
結果的に許されることもあった旧時代の話であって、
現代ではおよそ通用しないと知るべきです。」

まさに至言と言えるのではないでしょうか。
わが税理士業界は、残念ながらクライアントである納税者ではなく、
税務署の顔色を窺って仕事をされている方が少なくありません。
かつては税務署との太いパイプが納税者のためになっていた
時代もあったようですが、癒着の構造を指摘されたらマスコミの
餌食にされる現在では、税務署側からもそのようなことは
敬遠されてしかるべきでしょう。
むしろ、適正な記帳、適正な申告を指導していくことこそが、
我々税理士に求められている使命のはずではないでしょうか。

独立した公正な立場であるはずの税理士の姿勢が問われている
時代だからこそ、本書の主張が胸に響くのである。

また、具体的な方策として、例えば事例47(251~253ページ)は、
税理士の視点から、「行為が行われた目的、経緯といった事実関係を
十分に検討する必要があり、計算基準だけでなく、その基準を
採用するに至った事実経過や判断要素等を記録、保存しておく
ことが大切です。」と指摘した点を、弁護士は、
「個々の事情を反映した処理をする場合には、それが恣意的な
ものにならないよう注意するとともに、客観的に見て実質的に
平等であって公正な処理であることを証明できるように
準備しておくことが重要でしょう。」と指摘している。

リスク管理に疎い方が多いわが税理士業界には耳の痛い
ケースであるが、税理士補佐人を経験した者として、
証拠を残しておくことがリスク管理にとって
どれほど重要なことであるのか、身にしみた部分でもある。
また、これからの時代、おそらく増えてくるであろう
税理士賠償訴訟事件への対応のためにも、自己防衛のために
証拠を管理・保存することが必要になっているのである。

本書のケーススタディーを対岸の火事として
傍観できる時代は終わったのである。


理論武装は納税者のために!!
2008.07.17

私ども平仁税理士事務所は、
「理論武装は納税者のために!!」
をモットーとして、納税者の視点に立って、
適切な税務コンサルティングを実施することを標榜しております。

経済情勢は刻々と変化しておりますし、
税法も他の法律では考えられないほど、毎年のように改正されています。
そのため、他の士業の方も同様でしょうが、
激しい変化に対応するためにも、徹底した理論武装が必要とされるのです。

ひとえに理論武装と申しましても、学者さんのように、
浮世離れした研究では、実務の現場には対応できません。
我々が提供する理論は、弱者である中小企業経営者や
一般の皆様に提供するべきものだと考えます。

私は、大学でも講義をしている関係で若干研究色がありますが、
実務に根差した研究をすることが、実務研究者の使命であると考えます。
徹底した理論武装に基づいて、
正しいことは正々堂々と主張・立証することによって、
課税庁の不当な課税から納税者を守ることが私たちのポリシーなのです。

残念ながら、わが業界は、納税者のほうではなく、
税務署の顔色ばかり窺っているような方も多いのです。
税務調査になってしまいましたら、
頼んでいる税理士の対応を観察して頂きたいですね。
お金を払っているのはこちらなのに、
相手であるはずの税務署のいいなりになっていることに気付くでしょう。

幸いにして、私が税理士補佐人として訴訟参加した最初の事件である
東京高裁平成20年7月10日判決では、
税額3億円を超える不当な課税処分に対して、
全部取消の完全勝訴判決を頂くことができました。

この事件がきっかけで、この原告の方や弁護士と、
強固な信頼関係を築くことができました。
本当は、裁判にならないようにしなければいけないところですが、
飯塚事件(詳しくは、高杉良「不撓不屈」新潮文庫を読んで下さい)
当時ほど、むちゃくちゃな課税はないと信じておりますが、
平成14年税理士法改正以後、
租税訴訟における勝訴率が2%強から20%超に上ることを考えると、
税理士の功績もさることながら、無理な課税が増えている証左ではないでしょうか。

このような今の時代だからこそ、
税理士は「理論武装を納税者のために」提供しなければならないのです。


裁判員制度
2008.07.16

来年から裁判員制度が実施されることに伴い、7月15日から、
各裁判所は、裁判員候補者名簿の作成が始めたようです。
(e-hoki リーガルニュースより)

裁判員に選ばれた場合、
事前に配布される調査票に記載した辞退理由が認められた場合を除き、
裁判所からの出頭に応じなければならないことになっています。

記事によると、辞退理由が認められそうなケースは
仕事などで代わりの人がいるか、大きな影響が出るかという観点から判断されるようです。
例えば、
地域性の問題では、豪雪地帯では冬場の積雪、農産地では収穫期等が、
ライフスタイルでは、リウマチの治療や要介護の場合等が、
業種・職種では、食料品メーカーでは盆や正月、クリスマス等、
営業職で接待や宴席で不在の場合、美容師では指名が入っている等が
認められる可能性として考えられているようです。

経理担当者には、「決算期前後は業務量が膨大」という理由が挙げられています。
そうすると、我々税理士の場合、決算期前後は、業務量が膨大であるとして
裁判員の辞退理由として認められるのだろうか。
私は否定的に考えています。
せいぜい、月末と確定申告期が認められればいいのかもしれません。
また、税理士でなくても、職員でもいいとして、代替性を見られてしまうかもしれません。

また、裁判員制度においては、当然、守秘義務等が厳密に守られる必要があります。
酒の肴に裁判員の体験を具体例をもって話した場合、
守秘義務に抵触する恐れがあるのではないでしょうか。
我々も守秘義務については非常に意識しているものと思いますが、
仕事に対して、クライアントの秘密を守ることは意識できても、
専門外のことについてまではいかがでしょうか?

私の場合は、大学の講義日は代替性がないので、そこは辞退ができるでしょう。
しかし、それ以外の日では辞退理由でこれはカタイなと思う理由が思い当たりません。
論文についても、守秘義務に抵触しないように常に書いていますので、
これもキビシイかなあ。
従業員が裁判員に選ばれた場合は、法令を遵守して、送り出すことになりますが、
正直、自分では辞退理由を色々と思案しております。

皆様はどのようにお考えですか?


企業会計と税法の乖離ー棚卸資産の場合
2008.07.15

リース資産の取扱の変更について、多くの方からのヒットを頂いて、ありがとうございました。

会計基準が国際的イコールフッティングを志向して大きく変わり始めている現在、
財務諸表の比較可能性の向上を旨とする会計基準と
納税者間の課税の公平と法の持つ予測可能性を重視する税法とは
大きく乖離して当然であるが、実務家はその調整に苦労することになるのである。

中小会社会計基準について、私が非常に批判的なのは、
会計と税法の乖離は当然のものとして考えているからであって、
そもそも目的の違う制度を同じ土俵で評価することに意味がないと考えるからである。
確定決算主義に基づく税法側の損金経理要件が会計実務を歪めてきた事実を考えれば、
会計が目指すべき方向性は、会計の税法からの離脱であると信じるところである。
つまり、確定決算主義からの離脱なしに、
会計基準を国際的に調和化したとしても、
強行法である税法の強制規定が会計実務を歪め続けるため、
税コストの最適化の標榜は、公認会計士監査に耐えるものになろうはずがないのである。

棚卸資産の評価について、実務家はどこまで理解して処理されているのだろうか?
棚卸資産の評価については、
平成18年7月5日公表、企業会計基準第9号により、会計基準は大きく変更され、
平成20年4月1日以後開始する事業年度から適用されている。
つまり、通常の販売目的で保有する棚卸資産は低価法で評価され、
取得原価と正味売却価額との差額を、当期の費用とすることとなったのである。

従来は棚卸資産の評価方法は原価法を原則としており、税法とも整合性がとれていた。
しかし、税法は企業会計が求める強制評価減についても損金算入を認めているが、
災害や著しい陳腐化等の場合に限定し、
「棚卸資産の時価が単に物価変動、過剰生産、建値の変更等の事情によって
低下しただけでは、令68条1項1号に掲げる事実に該当しないことに留意する」
(法人税基本通達9-1-6)
ことになっているから、新会計基準とは乖離している。

ところが、新会計基準に準拠した処理をしなければ、
公認会計士監査において適正意見を下してもらう可能性はない。
したがって、棚卸資産の評価を低価法で行った場合、
損金不算入になる可能性が高く、必然的に利益に対する税コストは増大する。
税効果会計によってコストとして反映された税コストを株主はどう評価するのか楽しみである。

利益に対して高すぎる税コストを払わせられることによって
物言う機関投資家から経営責任を問われる取締役が出ないことを祈るばかりである。


授業再開
2008.07.14

国士舘大学では、12日の土曜日からはしかによる2週間休講明けの講義が再開しました。
私の授業は月曜日なので、今日から再開になります。
2週間の臨時休講のため、講義も2週間先延ばしになり、試験は8月に入ってからになります。

非常に悩みましたが、文学部の法学については、試験期間ではない対応にし、
法学部の税法は8月4日に試験日程を組んでもらうよう、事務室にはお願いしています。

また、わが平ゼミでは、7月7~9日に予定していたゼミ旅行も日程変更になりましたので、
見学をお願いしていたS税務署に日程変更で受け入れて頂けるよう、お願いしております。
実施できていたら大変だったかもしれませんね。
なにせ洞爺湖サミットの最中にやろうとしていたのだから。
結果論として、変更になってよかったと思いたいですね。

鶴川校舎の21世紀アジア学部は世田谷校舎の閉鎖中も講義がありましたので、
今日14日で講義終了、21日に試験です。
何か変な感じですが、今年からは校舎が完全に分かれていますからね。
去年までであれば、おそらく鶴川も休講だったのでしょう。

さて、土曜日から学校が再開したので、
久しぶりに師匠の修士課程のゼミの手伝いをしてきました。
今年の2年生は12名の大所帯。
来週提出期限になった修士論文テーマの提出のため、
必死になって修士論文の骨子を固めようとしています。

ドクター在籍者と私の6名が手伝うにしても、
3~4人でも多すぎるといわれるのが常識の大学院で二桁はさすがの師匠も大変そうです。
結局、一昨日では2名が許可をもらえず、今日に持ち越しです。
2名は午前中に来ているはずなので、そうすると私は会えないかな。
このブログがアップされる時間にはすでに許可されていることを期待しています。

今年もテーマは色々です。
千葉商大の山本教授は、税法の修士論文は手続ばかりだと、嘆いておいででしたが、
残念ながらわが西野研究室のテーマも、課税実体法の研究は多くありません。
ただ、研究一本でこられた先生方の研究室とは異なり、
比較的実体法の研究が盛んだとは思います。

どうしても8月に試験を受ける学生の進み具合はよくありませんが、
なんとか、いい論文を書いて、自信をもって卒業(退院?)して頂きたいものです。


盆の入りに日本文化について考えた
2008.07.13

お盆ですね。我が家では、迎え火をたいてご先祖様の霊をお迎え致しました。
普段はなかなかお墓参りにも行けず、お仏壇のお水を取り替え、
毎朝手を合わせるくらいしかできませんが、こういうときはしっかりやりたいものです。

今日は僕が講師をしている青山IGC学院の学院長の数多くの趣味の1つである
能の舞台が、渋谷の観世能楽堂でありました。
私は用事が入ってしまいドタキャンしてしまいましたが、
今年も多くの受講生や関係者が学院長の晴れ舞台をご覧になったことだと思います。
学院長批判をする方に狙い撃ちされる話でもあるのですが、
少なくとも、学院の考えを誤解している方の意見ですからね。気にしないことにしています。

さて、大学院入試には一見関係のない「能」ですが、
日本文化を語る上では、当然知っていなければならない教養の1つかもしれません。
時代劇では、祝言のシーンや、信長の出陣等で、高砂や敦盛が演じられています。
わが国の貴族文化や武家文化において切り離せない教養であったものと思います。
どこかのタイミングで(できれば感受性の高い若い頃がベター)触れておくべきでしょう。
わが国の古典文化は、基礎知識無しでは理解できないものが多いように思います。

私の趣味である(下手の横好きですけど・・・)書道は、
おそらく世界に類を見ない文化的遺産でしょう。
絵画のように映像美を追求したものではなく、
もともとは文章を受け取る側に不快感を与えない美しい文字を標榜したものではないでしょうか。
その点では、ヨーロッパの文字に見られる飾り文字やカリグラフィーも近いのかもしれません。

しかし、わが国の文化における特徴は、
様式美の追求と精神性の追求にあるのではないでしょうか。
ただ、どちらも今の若者(こう書くとオジサン化していることを感じますね)が
一番嫌うものなんですよね。

大学時代、国学院の書道研究会の方がアメリカ留学されたときに、
自分のアイデンティティーを守るために、書を書き続けたと言っておりましたが、
海外に出ると、余計に日本的なものに意識がいくようですね。

私たちは日本人ですから、もう少し日本のことを知っておく必要があるのではないでしょうか?


異業種交流会
2008.07.12

昨日は、某生保主催の異業種交流会に参加しました。
普段はあまり参加しないのですが、24日のセミナーの宣伝を兼ねて行ってきました。
商品を売る事業者様と異なり、税理士の場合には、
名刺を配りまくる方法はとりにくいかもしれません。
私たちのような業種は、お話させて頂いてナンボというところがありますからね。
そんな短い時間の中で私と名刺交換をさせて頂き、
お話を聞いて頂いた皆様、ありがとうございました。

ベンチャーのビジネスマッチングであれば、顧問税理士を頼んでいない方も多いでしょうが、
すでに事業を起こされて何年も経っている方が多いですから、
当然、すでに税理士を頼まれているケースがほとんどだったと思います。
私が話をした中で税理士に頼んでいなかった方は少なくともいらっしゃいませんでした。

ただ、頼んでいる税理士に満足している納税者がどれだけいるのでしょうか?
成功されている事務所のお客様にはあまりいないかもしれません。
顧客満足度が高いから成功する。だから当然でしょう。
しかし、わが業界の実態は残念ながら顧客満足度の高い業種ではないようです。
他に税理士を知らないし、料金体系も不明瞭だから、
不満が顕在化しないだけ、というのが実情でしょう。

今回はたまたま24日のセミナーがありましたので、
近くにいらっしゃった方を中心にセミナーのご案内かたがた名刺交換をさせて頂きました。

本来、専門家の世界はセカンドオピニオンは必要ないはずなんです。
医師の場合には、診断の結果は変わらないまでも、治療方針が違う場合もありますから、
セカンドオピニオンが浸透しているように思います。
税理士の場合、法律業務ですから、担当した税理士によって申告内容が異なることになっては、
法の趣旨に反することになるように思います。
本来、セカンドオピニオンにより内容が異なる可能性が低いはずの世界なので、
セカンドオピニオンが進まないのは当然なんですね。
しかし、業界の実態を考えると、悲しいですが、
セカンドオピニオンも含めて、お話させて頂いています。

社長や担当者から、私の名刺やセミナーの案内を出されて、
「こないだこんな奴がきてたよ」などという会話がきっかけになって、
顧問契約をされている先生が本気になって頂ければ、
業界全体の顧客満足度も向上するのではないでしょうか。
そうあって欲しいとも願っています。

異業種交流会がきっかけとなり、私の売上が上がるとそれはそれとして有難いですが、
それよりも、私ごときがしゃしゃりでたくらいで、顧問契約が変更されてしまうとしたら、
同じ税理士として悲しい出来事です。

仕事だけではなく、ここで知り合えた事で何かの縁に繋がれば嬉しいですね。
共存共栄できるいい関係をたくさん作り続けて行きたいものです。


リース取引の取扱の変更
2008.07.11

平成19年度税制改正により、
平成20年4月1日以後に締結されるリース契約について、
リース資産の賃貸人から賃借人への引渡しのときに、
そのリース資産の売買があったものとして取り扱われることになっています。

これは、平成19年3月30日に公表された
企業会計基準13号「リース取引に関する会計基準」
企業会計基準適用指針16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」
に対応して、法人税法においても、
従来、賃貸借処理が認められていた
所有権移転外ファイナンスリース取引についても
売買処理に変更されたのである。

会計基準の変更は、企業会計の比較可能性確保のためには、当然の措置といえよう。
例えば、航空機の所有に関して、自社保有を中心とする日本航空と
リース物件を多く保有する他社との財務諸表を比較しようにも、
リース物件が資産計上されていない以上、
膨大な注記情報からリース資産・負債を取り出し、
オンバランス化して、比較検証することを、
プロフェッショナルであるアナリストならいざしらず、素人に不可能だからである。

また、国際的なイコールフッティングを考えれば、
リース資産・負債をオンバランス化せず、リース料として費用計上を認める
わが国の基準が少数派なのである。

しかし、税法まで会計基準の国際的調和の波に飲み込まれていいのであろうか。
わが国の文化・伝統に根付き、予測可能性を担保してきた制度を
それも税調での議論でもつい最近出てきた議論が
いきなりいとも簡単に改正されていいのであろうか。

中小企業会計基準にしてもそうである。
中小企業の実態を全く反映しない制度が、国際的な調和を旗印に
どんどん改正されていくことが本当に日本経済の復活のためになるのであろうか。

税法の改正は、わが国の実情を踏まえた慎重な議論に基づいて
実施してもらいたいものである。


逆転勝訴、3億円不当課税をひっくり返す
2008.07.10

税額3億円超の不当課税について、逆転勝訴判決を勝ち取りました。

平成20年7月10日、午後1時15分、
東京高等裁判所第808号法廷において、
軽油引取税更正決定処分取消請求訴訟の判決がありました。

平成19年(行コ)第11号 軽油引取税更正・決定処分取消請求控訴事件
(原審 東京地裁平成16年(行ウ)第493号)

主文
1 原判決を取り消す
2 被控訴人が控訴人に対し平成16年6月25日付でした軽油引取税更正・決定処分を取り消す
3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする

全部取消の逆転判決でした。

この事件は、
ある人物(A・B)に唆されて、休眠状態に陥っていた会社(K社)を持つ原告(X)が、
Aらが行う軽油取引にK社の名義を使うことを了承し、
また、X自身もAらの連絡役として、当該取引に関わってしまったことから、
Xのみに対して課された、軽油引取税の無申告に伴う更正決定処分に対して
その取消を要求して争われた事件である。

この事件においては、取引に使用された名義はK社だけではなく、
Bと苗字の読み方が同じCが主催する個人事業P商会の名義も使われています。

税額が3億円を超える課税処分でありながら、重課もなく、
脱税犯としての刑事告発も行われないという実におかしな処分がなされているだけでなく、
主犯格のA、Bには一切課税されず、Xが仮に税を支払ったとしても、
A、Bへの求償権の行使さえできない、不当極まりない処分であった。

弁護士は、民事法分野においては非常に優秀な方なんですが、
残念ながら税法は専門外でした。
そのためか、東京地裁では、主張が認められず、敗訴。
地裁では、Xは軽油を製造も販売もしていないという点から主張立証しました。
地裁敗訴を受けて、Xからの依頼を受けて、
私が税理士補佐人として関わることになりました。
原告は私の父の友人です。

高裁では、地裁の敗訴を受け、
Aらが主導した本件取引はXを含めたAグループが行ったものであるとすると、
1 納税義務者が法律上の名義人であるK社及びP商会ではなく、なぜXなのか
2 Xが納税義務者だとした場合、Xのみではなく、Aらとの連帯責任ではないのか
3 3億円を超える課税処分にも関わらず、なぜ刑事訴追されないのか
の3点を中心に、逆転勝訴への論陣を張りました。

Xのような手伝っただけ、という方の場合、
平成16年の地方税法改正において、
軽油引取税の課税対象者として規定されましたが、
取引が行われた平成13年当時は、規定がありませんでした。
その点についても、遡及適用ではないのか、と主張しました。

鑑定意見書は、私の師匠である国士舘大学法学部の西野教授にお願いしました。
ただ、師匠の鑑定意見書はちょっとあせりました。
途中まで「裏切られた」と思うほど、課税をするための根拠を意見として書いていたからです。
師匠らしいといえばらしいのですが・・・
結果的には、最高の鑑定意見だったのかもしれません。

最初に相談を受けてから約2年、正式に関わってから1年8ヶ月かかりましたが、
本日、冒頭のように、全部取消の逆転勝訴を勝ち取ったわけです。

納税者の権利が守られ、司法の良心が生きていることを実感しています。
万歳!!


書評、志岐昭敏ストックオプション判決にみる課税事実・・・
2008.07.09

ストックオプション事件において一時所得説で論陣を張った
志岐昭敏税理士が本を出しました。
アカサカ経理センターから2008年2月25日に発行された
「ストックオプション判決にみる課税事実の捏造と税法適用の偽装」です。
志岐先生の経営する会社が出版元ですから、
自費出版で出されたものと思います。

私とは解釈の異なる、むしろ一時所得説を批判する私とは
正反対の主張をされている書籍ですが、特に税理士補佐人を未経験の方には
是非とも読んで頂きたい書籍なので、紹介させて頂きます。
自費出版してでも、おかしな判決
(少なくとも志岐先生はそう考えていると思います)
を繰り返させまいとする志岐先生の熱き思いを感じて頂きたいですね。

志岐先生の論調は、非難を受けることを承知で書きますが、
暴言に近いほど激しい論調ですが、
先生がどんな思いで補佐人として
クライアントを守ろうとしてきたのかがよく分かります。
また、補佐人として、ここまで資料を集め、証拠を提出しても
勝てなかった無念がヒシヒシと伝わってきます。

志岐先生が主張する論理のすり替えは、
私も疑問として残る部分ではあります。

私は連結納税制度や企業再編税制が導入されている現在では、
直接の勤務関係がなくとも、
子会社への勤務がグループ全体への貢献に繋がるケースでは、
雇用類似の関係が類推される可能性があると考えていますから、
ストックオプションの付与時点は給与所得としての性質を有すると考えています。
しかし、平成8年当時には、議論の端緒をきったばかりでしたから、
当時から直接の雇用関係がない場合にも雇用類似関係が類推できるかどうか疑問です。

また、最高裁が出る前の平成16年5月に税法学551号に書き、
同年6月に日本税法学会大会(愛知大学)で発表しましたが、
給与所得として判断することの弊害はこれから多々出てくるでしょう。

国税当局は最高裁がストックオプション判決を
給与所得で判示したことで喜んでいるでしょうが、
寄付金や交際費はどうするのでしょうか?

雇用類似関係に基づく子会社役員への利益供与は、
最高裁が給与所得であると判断したのです。
ある研究会で国税庁OBでもある某教授も
寄付金関税との平仄を強調されておりました。

志岐先生は「捏造」や「偽装」とまで主張されておりますが、
そこまで言ってしまうのはどうかと思います。
裁判における事実認定の判断の違いであって、
また、先生が主張する(第5編第7章)所得区分については、
給与所得に該当するとすれば、明確な8区分に該当しない場合にしか
適用されない一時所得に該当する可能性がないことから
裁判所は判断を示さないだけであり、
民事裁判では自明のことではないでしょうか。

また、結果の妥当性を検証していないとの批判(第5編第16章)も、
法律解釈を争うのが裁判所の役割であり、
立法の不備や不当性を争うのであれば、
最高裁で憲法判断を争うことを最初から予定して
戦うべきではなかったのかと思います。

上記のような、言い過ぎや見解の相違はあるけれども、我々税理士が、
最悪のケースとして税務訴訟まで念頭において仕事をするためには、
是非にでも一読を薦めたい本である。


七夕ライトダウンに思う
2008.07.08

昨日、7月7日、全国各地で七夕ライトダウンが実施されました。
今年は、温暖化防止を訴えて世界へリーダーシップを示したい福田首相への応援を兼ねて、
洞爺湖サミット初日である昨日、ライトアップしている観光施設を中心に、ライトダウンしたわけです。

蝋燭の炎って何かいいですよね。癒されるというか、優しい明かりでたまにはいいものです。

我々の業界でも温暖化防止に協力できるエコプロジェクトは多々あるはずです。

税務署等の官公署では、職員もクールビズをしていますね。
先日の支部幹事会においても、支部長に、
参加した幹事のほとんどがネクタイ着用であったことを指摘されました。
私もネクタイ派なので人の事を言えないんですが・・・
幹事会の案内にはクールビズ指定されていました。以後気をつけます。

うちの事務所では、あまり冷房をつけていません。
事務所がマンションの5階であり、周りに高い建物が少ないこともあって、風が抜けるんですね。
事前にクライアントの訪問が予定されている場合は冷房を入れて事務所を冷やしていますが、
普段は冷房無しの事務所です。
ついつい電気をつけっ放し、気をつけたいですね。

税理士業界では紙の使用量が多いのは否定できません。
画面での確認が細かい部分では見にくい場合もあり、ついつい紙ベースでの確認をしがちです。
また、守秘義務の関係から、シュレッダーが必需品で、
印刷してはシュレッダーゴミとして消えていく運命は避けがたいかもしれません。
うちの事務所では、確認用の印刷は極力裏紙を使います。
守秘義務の関係がありますので、クライアント様の目に触れないところでの管理が必要ですが、
一手間かければいいことなので、職員にも協力させています。

わずかなことでも自分でもできることから始めてみませんか?


はしかの流行について
2008.07.07

昨年ははしかの大流行で、多くの大学で休講騒動が起きた事をおぼえていらっしゃる方も多いでしょう。
私が非常勤講師を務める国士館大学では、昨年は休講措置をとりませんでしたが、
今年は在校生から発症事例が出たためらしく、11日まで2週間ほど休講中です。

最近の学生は、面倒くさいことをやりたがらない傾向が強いんですね。
今年の4月には学校での健康診断があり、
希望者にははしかの抗体検査や予防接種をやっていたと思うんですけどねえ。
希望者だけでしたので、自分だけは大丈夫とでも思ったのでしょうか?
非常に残念です。

私たち税理士は〆切商売ですので、申告期限や提出期限を念頭において、仕事をしております。
しかし、税理士業界は、機械化・自動化が進み難い頭脳労働集団であるため、
規模も小さく、労働集約性も高い業種でもあるんですね。
そのため、健康管理が仕事の内であるとも言えるのではないでしょうか。

私自身、昨年、体調を崩し、実感せずにはいられませんでしたが、
税理士が体調を崩すということは、お客様の財産・仕事を守れなくなる、
ということに直結してしまいます。

私は今まで、自分が頑張れば何とかなる、と信じてやってきましたが、
万が一のこと、急な用事のために、お客様への対応が遅れることがないよう、
自分を補佐してくれるスタッフに事務所に入ってもらいました。
受験時代からの仲間でもあり、気心も知る、最高の仲間です。

自分のことは自分でやるのは当然のことではありますが、
はしか騒動にような、事前に準備さえしていれば防げるはずの事故を防ぐことも、
お客様のためには必要なことでしょう。
健康管理をしっかりやりながら、健康で長生きすることが我々には求められているように思います。


青山IGC学院の事
2008.07.06

今日は僕が担当している大学院予備校の講義の話をします。
青山IGC学院という新宿にある私塾で、
税法、会計学、ロースクール(未修者)対策の3コマを、日曜日の午後、指導しております。

私自身も青山IGC学院に7ヶ月通ったOBでもあるのですが、
ここは同業他社と比してとにかく高い。
ただ、学院長以下、講師一同、高い学費を出す価値がある講義を心掛けております。

予備校ですから、受講生に合格して頂くことを目標にしていることは間違いありませんが、
大学や大学院に、社会人がわざわざ勉強しに行くわけですから、当然、高い志を持っているはずです。
その点では、ライバル校の出身者ですが、東国原宮崎県知事をみれば明らかでしょう。
学問を志す方には、ぜひ東国原英夫「芸人学生、知事になる」(じっぴコンパクト)を一読されることをお奨めします。

青山IGC学院では、リベラルアーツを標榜し、自分で問題を発見し、考察できるよう、
学院長の小論文講座が必修になっております。
一部にはこれが批判の対象になっているようですが。
ただ、私の受講生時代もそうでしたが、小論文が書けるようになった方ほど、
入院後の研究成果が高いものになる傾向があるようです。

私の担当講座は、非常に専門的ですが、入試を突破させるだけであれば、希望校を早く特定して、希望の指導教授のお好きな分野だけきっちり勉強すれば、合格は簡単にできます。(ロースクールは特殊ですが)
ただ、無理やり押し込んでも迷惑を蒙るのは、押し込まれた指導教授です。
学会・研究会等でよく声をかけて下さる先生の下にも受講生を進学させた経験もございますが、
ロクデモナイ院生は自分で研究テーマさえ見つけられず、往生しているケースも多いと聞いています。
卒業させなければいいのでしょうが、留年続出ですと、学校の評判にも関わるため、
送り込んだこっちが恨まれますね。

私は受講生に、税理士になったら税理士会で研修できるくらいの実力を大学院で身につけて欲しい、
と、いつもいっております。
また、使えない税理士であれば、僕の研修には来るな、とも言います。
せっかく高い金を払って学問を志したのですから、それに見合う実力をつけて欲しいものです。
そして、願わくば、僕程度の税理士が及びもつかないような活躍をして欲しいと願っています。


法政会計人会「続・税理士雑記帳」出版打ち合わせ
2008.07.04

今日、法政会計人会の打ち合わせが武田事務局長の事務所でありました。
9月の定時総会時に「続・税理士雑記帳」を出版するための打ち合わせです。

法政会計人会は、昨年10周年のまだ新しい会計人会ですが、
前東京支部長である山川先生が東京税理士会の会長に就任したこともあり、
これからますます活動の場を広げていくことが期待されています。

原稿の集まりが不十分なため、太宰会長をはじめ、やきもきしておりますが、
何とかお盆前には編集作業を終えたいものです。

「続」とある通り、法政会計人会は、10年前に同趣旨の本を出版しており、
今回の出版が2回目になります。
「雑記帳」というタイトルは、専門的な話ばかりではなく、趣味の話や旅行記等、
顧問先の皆様にも気楽に読んで頂けるようなものにする趣旨だそうです。

私はこの「雑記帳」に税理士補佐人体験記を書かせて頂きました。
編集側の特権で、まだ完全原稿を入稿しておりませんが・・・
7月10日に判決が出るので、それを待って書かせてもらいます。

税理士が法廷に入ることはあまりありません。
私は院生時代に裁判を傍聴しておりましたので、裁判所はなじみがないわけではありませんでしたが、傍聴席と原告席とでは全く違いましたね。訴状の原案を作った関係で、発言を求められましたが、最初は声が出ませんでした・・・(我ながら情けない限りです)
1年半争ってきた結果が楽しみな今日この頃です。 


耐用年数の見直し
2008.07.02

税務弘報56巻8号(2008年8月号)に原稿が掲載されました。
第2特集 具体例で検討しよう 設備投資の判断・活用のポイント
の中で「法定耐用年数の見直しと短縮特例・確認制度」を執筆しました。
平成20年税制改正は大きな改正は少ないですが、
実務に大きな影響を与える改正点の1つです。
平成20年4月1日以後開始される事業年度において、
減価償却資産の耐用年数が既存資産を含めて変更になりますので、
耐用年数の短縮制度を使うのか、耐用年数の統一を使うのか
早急に判断することが必要になります。
金融機関に中小会社会計基準チェックリストを提出するのであれば、
適用の有無について税理士の責任が問われかねない点なので、
注意することが必要ですね。


源泉税のお支払いはお済みですか?
2008.07.01

7月に入りました。
今年ももう半分を超えたわけです。
皆様方におかれましては、本年度の目標をどの程度達成できているのでしょうか。
この時期はちょうど目標の見直しのチャンスの1つです。
ぜひ見直しを検討して頂きたいものです。

さて、源泉所得税の特別徴収の時期が近づいて参りました。
7月10日までに1~6月分の給与、報酬等の源泉税について集計して頂いて納付することになります。
源泉の納特により税務署に給与支給総額等および税額が報告されますので、
税務調査のときの資料に使われる情報を開示していることになるわけです。

このタイミングで給与支給状況を再確認して頂き、
人件費が自社の利益に対してどの程度貢献しているのかを再認識して頂きたいですね。

経営陣についても決算時と同様、給与額の妥当性を検討するいい機会になります。
必要があれば、どの時期に給与額を見直すべきかを、検討するべきでしょうね。