書評、社員10人までの小さな会社の総務がよくわかる本
今日は、ある異業種交流会でお会いした社会保険労務士、小岩和男先生が執筆した本
「社員10人までの小さな会社の総務がよくわかる本」(明日香出版社2007年11月)
をご紹介させて頂きます。
我々税理士のクライアントの多くは、中小零細企業であると思います。
中小零細企業においては、従業員の分掌が進んでいないことも多く、
総務を担当されているのは、経営者のみであるということも多いのではないでしょうか。
また、税務に関しての税理士、社会保険関係についての社会保険労務士、
登記関係についての司法書士等の顧問契約まで至っていないこともあるかもしれません。
小岩先生は、そのような中小零細企業において、特に人事労務業務を中心に、
1年間のスケジュールの中で、どのタイミングに何があるのかを図解により明らかにしながら、
非常に分かりやすく、説明されています。
総務の役割として、社内での役割と社外での役割とに分け、
「社内では、経営者と一体になり、1 経営活動の補佐をしていくこと、
2 現業部門の従業員の支援をしていくことが必要です。」(10ページ)
「また、社外に対しては、会社の窓口として官公庁、業界団体、取引先、
金融機関、消費者、地域社会などとの交渉、交際、折衝、情報収集など
様々な対応があります。」(11ページ)
と指摘しています。
独立したばかりの経営者は、自分に自信がある分、技術や営業に特化しがちで、
コンプライアンス経営を軽視しがちです。
その点、一見、雑用にも見える総務部門の重要性を強く主張されているのでしょう。
また、忘れられがちな点として、
コラム「経営者も労災保険に加入できることがあるんです!」(121ページ)では、
「この制度に加入するには、労働保険事務組合という団体に事務処理を
委託することが必要になります。」「労働保険事務組合への組合費が
別途かかりますが、メリットが非常にありますので検討されてはいかがでしょうか。
最近では、この特別加入を条件に、業務委託、請負発注をする企業も
多くなりました。」と指摘しています。
人材派遣や業務委託契約において、一人親方が現場に入るためには、
労災保険の特別加入が要求されるケースが増えていますが、
偽装請負を防止するために派遣業法が厳しくなりましたから、
現場に入る一人親方を従業員としてその親族が社長を務める会社も
増えてくることが予想されますね。
ただ、経営者も現場に出る会社は中小零細企業では当たり前のことでしょうから、
労災の特別加入制度はもっと活用されてもいいのではないでしょうか。
人事労務関係の記載が多い本書ではありますが、
小岩先生の伝えたいことは、総務部門の有効活用にあるように思えます。
総務部門の有効活用が会社の発展に繋がるんですね。


ビスカストップ
