織田信長の経営塾(幻冬舎文庫2007)
今日は、ちょっと変わった視点から、会社経営について考えている
本を紹介したいと思います。
北見昌朗「織田信長の経営塾」(幻冬舎文庫)です。
もともとは2004年に講談社から出版されたものを
幻冬舎が、昨年、文庫化した本です。
織田信長のエピソードを現代の企業経営に置き換えて、
信長ならこういうときはどうするだろうかという視点から、
企業経営を考えている本で、著者の北見氏は、
歴史家ではなく、経営コンサルタントである。
著者自信があとがきにおいて、
「私はあくまでも歴史を題材にして、現代の経営者に労務管理の
極意を伝授したかったわけである。」と書いているが、
本書においては、学問上、史実性が疑わしいエピソードも取り上げられている。
本書は歴史書ではないから、一般に知られているエピソードは
史実であるであろうとのもと、題材として使っているに過ぎない。
本書の41~42ページでは、信長の経営相談として、
社員にヤル気を起こさせる秘訣は何ですか?
というコラムがあるが、このコラムが本書の特長であろう。
信長 人の上に立つ者は、もっと人間というものを勉強して欲しい。
人間というのは、頭と心と体がある。問題はその心だ。
人間は、自分が行っている仕事に対して誇りを持ちたいものだ。
仕事を通じて世の中の役に立っているのだという自覚を持てば、
人間は自然と意欲を燃やすようになる。
だから、人の心に火をつけることが最も大事だ。
塾生 「人の心に火をつける」のですか?
信長 そうだ。人の心に火をつけるには理想が要る。
予の場合は、それが天下統一というものだった。
長く続いた戦乱の世を終わらせて、平和な時代を作ることだった。
戦国時代は、全国に無数の大名がいて競い合ったが、
みな自分の領地拡大だけを考えていた。
予のように天下統一という大目標を真剣に掲げた者は少なかった。
理想とは、遠く、大きなものだ。他人が、
「そんなことできるわけがない」と言うような大きな目標が必要だ。
その理想に人が協力してくれるのだ。
塾生 なるほど、そうですか。
それならば、私には反省点がございます。・・・(以下略)
このようなやり取りの後、
現代の経営に置き換えてみれば
として、コラムで信長と塾生のやり取りを踏まえた
コンサルタントの解説が入ってくる。
経営指南書となると、小難しい専門用語を並び立てる本が多い中、
本書は、歴史好きにはたまらない、薀蓄を含みながら、
自然に会社を経営する心構えを示してくれている。
これから会社を起業する方、事業に伸び悩みを感じている方に
一読を薦めたい本である。


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書籍を推薦いただきありがとうございます。光栄至極です。
北見昌朗 拝
投稿者: 北見昌朗 | 日時: 2008.08.19