米下院、金融安定化法案否決
2008.09.30

今朝のニュースにはビックリしましたね。
新聞各紙は、議会が合意して成立の方向性で書かれていたと思いますが、
ネットで確認した限りでは、5時28分の朝日、6時19分のトムソンロイターの記事が
最初の記事なんですかね。
新聞各紙が朝刊を配り始める時間に否決されたようです。
アメリカでは、本法案の否決を受けてNYダウ平均が777ドル安。
日本でも東京市場は急落で始まったようです。

しかし、タイムテーブル的には世界がアメリカに裏切られた格好ですね。
asahi.comの1時34分の記事によれば、
日本銀行を含む世界各国中央銀行が、市場へのドルの協調供給を倍増させ、
約6200億ドル(約65兆円)とすると発表したその4時間後ですからね。

ブッシュ大統領も身内の共和党が半分以上裏切るとは思わなかったのでしょうが、
アメリカ大統領選への影響は計り知れないですね。
この法案については、むしろ民主党は過半数が賛成に回っているだけに、
世界経済の評価が、共和党を離れ、オバマ新大統領の誕生を
後押しすることにもなりかねない事態です。

この法案が休会後の再議決で再び否決されれば、
アメリカ発の世界恐慌さえ生みかねないのですから。

小さな政府を標榜する共和党にはあるまじき大きな財政出動に踏み切った
ブッシュ大統領の強い意志を感じていただけに、実に残念な否決です。
市場の動向を議員たちが真摯に受け止めて再議決の際には
是非とも可決されることを願っています。


自分で奇跡を起こす方法
2008.09.30

今日は、口コミだけで1万ダウンロードされた
スピーチを元に書籍化された

「自分で奇跡を起こす方法」 井上裕之(フォレスト出版)

を紹介したいと思います。

井上氏は北海道の歯科医師さんですが、
この本は歯科医師とは全く関係ありません。

交通事故により医師から
「全力を尽くしました。でも、奥さんの意識がいつ戻るかはわかりません。
申し上げにくいのですが、良くて植物人間になると思っておいてください。」
と宣告されてしまった井上さんの実話に基づいて、
井上さんの人生を変えた体験を本にしたものです。

井上さんの奥さんは、井上さんやご家族の「絶対に回復するんだ」という
強い思いに支えられて、回復されています。
回復されたからこそ書けた話でしょうが、
この本をオススメしたい理由は、感動的な話だからではありません。

井上さんの、奥さんを支えるために、
現実から逃げないことを選んだことにあります。
「逃げたら生死をさまよっている妻を守り切る強さがないということだ。
この状態を当たり前の事実として受け入れればいいだけだ」
「乗り切れないと思ったら三途の川を渡らせてしまう」
と思い、

「彼女は今、健康を取り戻すために闘っている。
そう、彼女は必ず目を覚まし、以前のような健康を取り戻す。
それなのに、彼女を支えてあげるはずの私があきらめてどうするんだ。
彼女が目を覚ましたときに、彼女を支えてあげられる人間になろう」

と気付いたんです。それが今の井上さんを形作っているのかもしれません。

押し付けがましい感動と手垢のついた説教と感じる方もいるかもしれませんが、
ぜひ皆さんにも、人生の困難を乗り越える勇気を本書から受け取って欲しい。

井上さんは、最後にこんなメッセージを託しています。

「今日を大切に」
「この瞬間を最後だと思って精いっぱい生きてほしい」


第3回出版成功セミナー
2008.09.29

先週金曜日、岩元さんという方が主催する出版成功セミナーに出席してきました。
すでに2回開催されていて、今回が3回目ということでした。

ビジネス書評メールマガジン「ビジネスブックマラソン」編集長の土井さん、
1回目のセミナー受講生のマーク富岡さん、
フォレスト出版の編集者である長倉さん、
そして主催の岩元さんがそれぞれ講演され、非常に有意義なセミナーでした。

特に、マーク富岡さん。
サラリーマンとして勤務しながら今年の6月
「3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術」
という本をサンマーク出版から出され、
アマゾンでランキング1位を獲得した方ですが、
この方の話が特に面白かったですね。

また、宣伝を兼ねてということもあったのでしょうが、
やはりこのセミナーの体験者で、今月、
「自分で奇跡を起こす方法」という本を
フォレスト出版から出されたばかりの井上裕之さんを始め、
岩元さんとの出会いによってベストセラー作家になられた方々も
多く出席されていました。
懇親会でお話を聞かせて頂き、大変、参考になりました。

僕自身は、35名の共著の本があるだけで、
自分の本というところまでは辿り着いていませんが、
いい刺激を頂いてきましたね。

仕事とリンクした、納税者が知りたい本音のところで
何か書きたいなと強く意識したところです。


税法における住所ってドコですか?(6・武富士事件まとめ)
2008.09.28

武富士事件は、地裁と高裁とで、事実認定が同じでありながら、
正反対の判断が下されました。
なぜこのような結果になったのか、ここで検討してみたい。

地裁の判断のは、本件滞在日数に関しての判断において、
香港で約3分の2の日数を生活していること、香港での業務について、
香港各会社が存在し、その代表者としての業務をしているから、
香港の生活に実体がある、と判断したものと考えられます。

しかし、高裁は、香港で約3分の2を過ごしていることを認めながら、
その実質は、租税回避目的であって、香港各会社もペーパーカンパニーでは
ないものの、実際の業務に関与している日数が、証拠から
判明している限りでは少ないので、実体を伴わないものと判断し、
毎月の一時帰国における日本での生活は従前と変わらないことを
考えると、生活の本拠は日本にあって、香港での生活は、
実質的に単身赴任者と同じではないのか、と判断したのではないだろうか。

地裁では、課税庁が主張する、「外国における勤務等が終わった後に
日本に帰る予定である者の住所は日本にあるものとすべきであると
解しうる見解」について、「かかる見解によれば、例えば、
わが国における居宅を引き払って、数年間外国に勤務し、その間に
わが国に帰国せず、日本国内に生活拠点を保持しなかった場合であっても、
将来日本に帰る予定があれば、国内に住所を有することになる」から
この見解は認められないと一蹴しているが、課税庁は、外国へ単身赴任
している者のような日本に自宅を残して外国に赴任しているケースを
想定しているのであって、地裁の判断に疑問が残りますね。

武富士事件については、香港事業の内容を事実認定で見ていくと、
実体に乏しい印象は拭い切れません。
租税回避=否認ということは租税法律主義からすると認められませんが、
経済事象の実質的な実体を捉えて課税をすることは、
課税の公平を図る上では必要な部分でもありますね。
武富士事件については、租税回避を税制改正前にあわててやったために、
また、亡BやJ弁護士、S会計士らが作りこんだであろう租税回避スキームの
本当の意味(つまり、税務調査に入られても対抗できる要件の具備)を
原告が理解していなかったことが、否認を許した理由であろう。

そこまで踏み込んできっちりやった事件が、
次回から検討するユニマット事件である。


税法における住所ってドコですか?(5・武富士事件高裁判決)
2008.09.27

武富士事件は地裁判決において、(4)に書いたように判断理由で
納税者勝訴判決が下りましたが、高裁では一転して原告の住所が
国内にあるものとした税務署の処分が適法であるとして、
逆転敗訴しました。現在最高裁に上告中です。

今日は、逆転敗訴になってしまった高裁判決を紹介しましょう。
TAINSではイニシャルが地裁と高裁が異なりますので、
ここでは、地裁に統一しています。
また、原告が被控訴人、被告が控訴人になります。

東京高裁平成20年1月23日判決(TAINSコードZ888-1305)は、
事実認定について殆ど地裁と同様の内容の引用判決となっている。

高裁の判断内容は以下の通り。

(1)住所の認定について
地裁と同様

(2)租税回避の目的
被控訴人は、平成11年10月ころ、S会計士から本件贈与の実行に関する
具体的な説明を受け、本件贈与後、定期的に国別滞在日数を集計した
一覧表を作成してもらったり、S会計士から香港に戻るよう指導されるなど
していたのであるから、本件贈与以前から、香港に居住していれば多額の
贈与税を課されないことを認識し、本件贈与の日以後の国内滞在日数が
多すぎないように注意を払い、滞在日数を調整していたものと認められる。
さらに、上記事実に、(1)贈与者が所有する財産を国外に移転し、更に
受贈者の住所を国外に移転させた後に贈与を実行することによって、
我が国の贈与税の負担を回避する方法が、被控訴人が香港に出国する
相当以前から、いわゆる節税方法として一般に紹介されていたこと、
(2)亡Bは、平成9年2月ころ、J弁護士から上記の贈与税回避方法について
一般的な説明を受けていたこと、(3)香港子会社の設立及び被控訴人の
代表者就任は、亡Bの提案によるものであったこと、(4)被控訴人は
亡Bの実子であり、平成5年11月の贈与につき多額の贈与税を負担した
ことがあったこと、(5)被控訴人は、平成9年5月8日、亡B、J弁護士などを
交えた会合に出席したこと、(6)被控訴人は本件贈与契約の当事者であり、
かつ、上記の方法による贈与税回避の利益を直接に受ける本人であることを
総合すれば、被控訴人は、平成9年6月29日に香港に出国した際においても、
贈与の実行の時期や贈与税の負担回避の具体的方法の詳細は別として、
香港に居住すれば将来贈与を受けた際に贈与税の負担を回避できること
及び上記の方法による贈与税回避を可能にする状況を整えるために香港に
出国するものであることを認識し、出国後は、本件滞在期間を通じて、
本件贈与の日以後の国内滞在日数が多すぎないように注意を払い、
滞在日数を調整していたものと認めるのが相当である。

(3)被控訴人の生活場所について
本件滞在期間中の日本滞在日数の割合は、26.2%であり、これは4日に1日
以上の割合を占める。本件自宅の被控訴人の居室は、被控訴人が平成9年
6月29日に香港に出国した後も、家財道具等を含めて出国前のままの
状態で維持され、被控訴人が帰宅すれば、従前と同様にそのまま使用する
ことができる状況にあった。被控訴人は、日本滞在中は、本件自宅で
起居し、特別な用事がない限り、朝夕の食事は本件自宅でとり、毎朝、
本件自宅からB社に出勤し、毎夕本件自宅に帰宅するなど、被控訴人が
香港に出国する前と同様の状態で本件自宅で生活していた。

他方、被控訴人は、本件滞在期間中の65.8%の日数、香港に滞在し、
その間、本件香港自宅で起居していた。したがって、本件滞在期間の
約3分の2の日数、本件香港自宅において生活していたことになる。
しかし、被控訴人が上記の方法による贈与税回避を可能にする状況を
整えるために香港に出国するものであることを認識していたこと、
被控訴人の香港における執務状況によれば、被控訴人が面談等のために
執務した日数は、全滞在期間を通じて168日にすぎず、かつ、被控訴人は
その立場上、執務日を自由に決定することができる立場にあったものと
考えられることに照らすと、被控訴人は、その香港における滞在日数を
上記の方法による贈与税回避の計画を考慮して容易に調整することが
できたものと認められること、実際にも、被控訴人は、滞在日数を
調整していることからすると、本件事実関係の下では、香港における
滞在日数を重視し、これを日本における滞在日数と形式的に比較して
その多寡を主要な考慮要素として本件香港自宅と本件自宅のいずれが
住所であるかを判断するのは相当ではないというべきである。

そして、本件香港自宅は、ホテルと同様のサービスが受けられるサービスアパートメント
であって、(略)本件自宅における生活状況をも考え合わせると、
被控訴人と本件香港自宅との結びつきは、被控訴人と本件自宅との
結びつきと比較すると、より希薄であったものというべきである。

(4)被控訴人の職業活動等について
被控訴人は、亡Bの実子で、亡BがB社における亡Bの後継者として
認めていた人物であり、いずれは亡Bの跡を継いでB社の経営者になる
ことが予定されていた。したがって、被控訴人は、B社にとって、
単なる取締役としての存在を超えた極めて重要な人物であるとともに、
被控訴人にとってB社は、将来自分が経営者の重責を担うことが予定
されていた点において被控訴人の職業活動上最も重要な拠点であった
と認められる。

他方、被控訴人は、(略)B社又は香港各会社の業務として、香港及び
その周辺諸国に在住する関係者との面談その他の業務に従事していたほか、
欧米でのB社のIR活動等にも従事していたものである。もっとも、
これらの業務活動は、証拠上、具体的かつ詳細に明らかにされているとは
いい難く、(略)被控訴人の香港における業務活動にどの程度の実体が
伴っていたかは疑問があるといわざるを得ない(略)。被控訴人の
香港における業務が日本におけるB社の役員ないしはB社における亡Bの
後継予定者としての業務活動と比較して、その重要性において上回る
ものと認めることはできないものというべきである。

(5)資産の所在について
被控訴人の資産のほとんど大部分が日本にあったというべきである。

(6)外部から認識することができる被控訴人の居住意思について
事実によれば、被控訴人には、香港を生活の本拠としようとする意思は
強いものであったとは認められない。

(7)まとめ
本件滞在期間中の被控訴人の香港滞在日数が前記のとおりであり、
被控訴人が香港において前記のとおり職業活動に従事していたことを
考慮しても、本件滞在期間中の被控訴人の生活の本拠は、それ以前と
同様に、本件自宅にあったものと認めるのが相当であり、他方、
本件香港自宅は、被控訴人の香港における生活の拠点であったものの、
被控訴人の生活全体からみれば、生活の本拠ということはできないものと
いうべきである。


登録政治資金監査人制度
2008.09.26

昨日、東京税理士会・東京税理士政治連盟共催の
「登録政治資金監査人制度に関する研修会」に出てきました。

近年の政治資金の不正流用疑惑や、領収書の使い回し疑惑などに対応するために
議員立法によって策定された監査制度について、総務書が担当窓口として
制度開始に向けて準備しているところです。

登録政治資金監査人による監査は、
公認会計士監査のような適正性の確保のための監査ではなく、
政治資金の会計事務に対する外形的・定型的な監査であり、
会計責任者の責任において作成された会計帳簿の実在を確認し、
その裏づけとしての領収書等の存在を確認するための監査なのだそうです。

政治資金規正法がかなり細かくなり、人件費以外の経費について
1万円以上の領収書のコピーの提出が求められるようになり、
住民からの開示請求があった場合には、1円以上の領収書の開示が求められるので、
不正流用等は大分改善されるんじゃないかなと思います。
その上で、弁護士・会計士・税理士による監査が要求されたことになります。

研修では責任解除要件として、会計士監査の場合の
適正意見、限定付適正意見、不適正意見、意見差控に該当するような
形式や、どこまでやればいいのかについて質問したのですが、
どうやら、鑑査の過程で不十分な点があった場合には、
限定付という扱いで処理すればいいような感じでした。
しかし、政治資金規正法の改正経緯から考えれば、
むしろ不適正意見や意見差控にあたるような事例のほうが多くなるような気がします。
その場合の我々のやれることと、責任の解除方法が明確になりませんでしたね。

実務指針は来月公表されるようですから、
この点について明確になっていることを期待したいですね。


さて、全く別件になりますが、昨日は、この研修の後、
自民党の木村勉議員のパーティーに出てきました。
義父が熱心に応援している議員で、私も現在は江東区民ですから、
自分の選挙区ということで話を聞いてきました。
昼間は政治資金の話を聞いて、夜は政治家の演説を聞いてきたわけです。
来賓で石原伸晃自民党都連会長や山崎拓元自民党副総裁などが来てました。
石原さんの話は面白かったですね。
講演会の方の後に登壇して、
先にしゃべられてしまったネタが多かったようですが、
なかなか説得的な話でした。

来るべき総選挙はどうなるのでしょうか?
そんなことを思いながら政治一色の一日でした。


麻生内閣発足
2008.09.25

昨日、麻生さんが新総理に就任致しましたが、
閣僚名簿の発表が官房長官ではなく、総理自身が行ったという点は、
驚きとともに、なかなか面白いなと思いました。
総理の一言によって、
それぞれの閣僚に何を期待しているのかが分かったことは
言葉が足りない方が多かった政治の世界で評価されるべきではないでしょうか。

ともかくも麻生新内閣がスタートしたわけですが、
僕的には、ちょっと意外な人選が多かったなというのが感想です。
選挙管理内閣がもっとはっきりするような布陣を敷いてくるかなと思いましたが、
どちらかというと、自分がやりたい政治を行うための人選のように思います。

早い時期から名前が固まっていましたが、
選挙管理内閣であれば、官房長官に穏やかなサポートタイプではなくて
国民受けする方を持ってくると思っていましたが。
それよりも麻生カラーをいち早く打ち出して、
国民にどういう政治を目指すのかを
はっきりさせようとしているような気がしますね。

来るべき総選挙に勝って、落選者がいなければ
内閣改造をしなくてもいい、というつもりなんですかね。

今度は小沢民主党の明日の内閣がどんな陣容で来るのか。
民主党の弱点かもしれませんが、小沢さん、菅さん、鳩山さん、のあとが
国民にあまり知られていないんですよね。

麻生内閣と小沢内閣と、閣僚の顔ぶれも踏まえてで、
どちらを選ぶのかという選挙になることを期待したいところです。


税法における住所ってドコですか?(4・武富士事件地裁判決)
2008.09.24

武富士事件は、かなりボリュームがありますので、
判決そのものを読むのもなかなか苦労します。
前回は、事実認定を紹介致しましたので、
今日は、地裁判決の判断内容を紹介します。
地裁判決は次のような判断により、原告勝訴判決を下しています。

(1)住所について
法令において人の住所につき法律上の効果を規定している場合、
反対の解釈をすべき特段の事由のない限り、住所とは、各人の
生活の本拠を指すものと解するのが相当であり(最高裁S29.10.20)、
生活の本拠とは、その者の生活に最も関係の深い一般的生活、
全生活の中心を指すものである(最高裁S35.3.22)。

一般的には、住居、職業、国内において生計を一にする配偶者
その他親族を有するか否か、資産の所在等の客観的事実に基づき、
総合的に判断するのが相当である。これに対し、主観的な居住意思は、
(略)補充的な考慮要件にとどまるものと解される。

被告は、相続税の性質や課税体系の点から、外国における
勤務等が終わった後に日本に帰る予定である者の住所は
日本にあるものとすべきであると解しうる見解を紹介している。
しかしながら、かかる見解によれば、例えば、わが国における居宅を
引き払って、数年間外国に勤務し、その間にわが国に帰国せず、
日本国内に生活拠点を保持しなかった場合であっても、将来日本に
帰る予定があれば、国内に住所を有することになるが、このような
場合にまで住所が国内にあるというのは、(略)採用し難い。

(2)原告の住居について
原告は、本件滞在期間中、その26.2%に相当する日数は日本に滞在し、
その間は本件滞在期間前の住所である本件自宅に起居していたところ、
原告が日本出国日に香港へ携帯したのは衣類程度であったのであるから、
本件自宅は従前と同様、原告の住居として使用することができる
状態にあったと考えられる。

他方、原告は、本件滞在期間中、その65%余りの日数を香港で過ごし、
その間は専ら本件香港自宅で起臥寝食していたものである。
そして、本件香港自宅は、ホテルと同様のサービスが受けられる
サービスアパートメントであるが、当初の契約では、賃貸期間を24ヶ月とし、
(略)本件香港自宅は相当期間使用されることが予定されていたと
いうべきであって、原告の香港滞在が一時的なものであったことを
裏付けるものとはいえない。

被告は、本件香港自宅がサービスアパートメントであること、原告が
本件自宅から生活諸道具を運搬していないことを指摘しているが、
海外に転居する場合、引越し費用や通関手続等を考慮すれば
生活諸道具を運搬しないことも格別不自然なことであるとは考え難い。

(3)原告の職業等について
原告は、B社の取締役として、B社の取締役会その他の会議、新入社員
研修会、格付会社との面談やアナリストないしファンドマネージャー向けの説明会に
出席するなどしているものの、これらの業務はいずれも原告が
国内に常駐することを予定しているものであるとはいえず、
現実に原告が本件滞在期間中に国内にいた日数は全日数のうちの
4分の1程度にすぎない。
これに対し、原告は、B社の香港駐在役員、B社の子会社である
香港各会社の代表者の地位にあり、本件滞在期間中の6割以上の日数、
香港に滞在し、B社ないし香港各会社の業務として、香港ないし
その周辺諸国に在住する関係者との面談その他の業務に従事していた
ほか、欧米でのB社のIR活動等にも従事していたのであって、原告の
職業活動の点から、原告の生活の本拠が国内にあったとすることも
困難である。

被告は、原告の香港における活動は、実体の伴わないものであって、
香港における居住事実を作出するための作為的なものにすぎないと
主張するのであるが、香港における原告の本件滞在期間中の活動が
香港を中心としたものであったことは既に詳細に認定したとおりである。
そして、原告の活動が、一人前のベンチャーキャピタリストとしてのそれである
との評価に値するものであったかどうかには疑問があり、むしろ、
研修ないし武者修行としての色彩があることは否定し難いとしても、
研修ないし武者修行の場が香港であると認められる以上、
職業生活の場が香港であることには変わりがないのであるから、
いずれにせよ被告の主張を採用することはできない。

(4)親族について
被告の指摘する事実は、原告の両親と弟が本件自宅に居住することを
意味することにとどまるところ、原告は成年の男性であり、職業に
就いて自ら収入を得ているのであるから、香港に滞在している間は、
両親らから独立した生活を営んでいたといわざるを得ず、両親らが
本件自宅に居住していたことは、本件自宅が、原告の日本滞在中の
生活拠点であったことを裏付けるにとどまるものというべきである。

(5)資産の所在について
金額面で比較すれば、原告の資産は国内にあるものが主であるが、
香港でも生活する上で必要な資産を有しており、本件滞在期間中の
生活費等の支払も、日本国内、香港の双方の銀行口座からされている
から、資産の所在から、原告の生活の本拠が本件自宅にあったか否かを
判断することは困難である。

(6)居住意思その他原告の主観的事情について
金融機関等への住所変更届での状況は、数の上では届出をしなかった
金融機関等が多いが住所変更手続の手間を厭ったものと考えられない
わけではないし、現実に住所変更届出をした金融機関もあるのであるから、
直ちに原告の居住意思が本件自宅にあったものとは認められない。

原告は、B社の常務取締役就任時の取締役就任承諾書及び役員宣誓書に
本件自宅を住所地として記載しているが、他方で、本件香港自宅を
住所として記載した書類も多数残されており、(略)B社の常務取締役
就任時の取締役就任承諾書等の記載から、ただちに原告の居住意思が
本件自宅にあったと認定することもできない。

原告は、平成11年10月ころ、S公認会計士から本件贈与の実行に
関する具体的な説明を受け、本件贈与後、定期的に国別滞在日数を
集計した一覧表を作成したり、S公認会計士から香港に戻るよう
指導されるなどしていたのであるから、本件贈与以前から香港に居住
していれば多額の贈与税を課されないことを認識し、本件贈与日以後の
国内滞在日数が多すぎないよう意識していたものと認められる。(略)
原告は亡Bの実子であり、平成5年11月の贈与につき多額の贈与税を
負担し、また原告自身、平成9年5月8日にJ弁護士も交えた会合に
出席していることからすると、日本出国日時点においても、香港に
居住すれば将来贈与を受けた際に贈与税の負担を回避できることを
認識していた可能性もあり得るものと考えられる。
しかしながら、原告はB社の海外駐在役員ないし香港各会社の代表者の
地位にあって、現実にそれらの業務に従事していたものであり、
かかる業務が贈与税を回避するために作出された外形にすぎないとは
認められないのであるから、原告が本件滞在期間中に単に贈与税の
負担を回避することのみを目的として香港に滞在していたとは認定
し難い。また、原告の香港滞在の目的の1つに贈与税の負担回避が
あったとしても、現実に原告が本件香港自宅を拠点として生活をした
事実が消滅するわけではないから、原告が贈与税回避を目的としていたか
否かが、本件自宅が生活の本拠であったか否かの点に決定的な影響を
与えるとは解し難い。


税法における住所ってドコですか?(3・武富士事件事実認定)
2008.09.22

海外財産の譲渡と住所の認定が問題となった2つの事例、
武富士事件とユニマット事件を取り上げる。

武富士事件については、東京高裁平成20年1月23日判決において、
原審取消の敗訴判決を書き、ユニマット事件においては
東京高裁平成20年2月28日判決は原審維持、納税者勝訴で確定している。

この2つの事件を比較検討することにより、住所概念を検討したい。

まず、武富士事件の地裁判決を紹介する。(今日は事実認定まで)

東京地裁平成19年5月23日判決(TAINSコードZ888-1248)

判決の内容は以下の通りである。

<事件の概要>
オランダ法人A社は、亡B及びCがそれぞれ560口、240口を出資して
設立された非公開会社である。
平成11年12月27日付けの本件贈与契約書により、
原告は、A社の出資持分を亡Bから560口、Cから160口、贈与された。
被告税務署長は、本件贈与について、原告に対し、本件贈与に係る贈与税の
決定処分及び無申告加算税賦課決定処分(本件処分)をしたところ、
原告は、香港に居住し、生活の本拠も香港であったと主張して、
本件処分の取消を求めて提訴したのが本件である。

<裁判所の判断>
1.認定事実
(3)原告の経歴
原告は出生後、昭和57年12月に亡B、C、実弟Dとともに、本件自宅に
転居し、亡B、C、Dが引き続きに居住している。
原告は留学中の平成5年、亡Bから、B社株式1000万株余りを
贈与され、帰国後の平成7年1月にB社に入社、平成8年6月には
取締役営業統括本部長に就任している。

(4)原告の出国に至る経緯
亡Bは、平成9年2月頃、J弁護士から、贈与者が所有する財産を国外に
移転し、さらに受贈者の住所を国外に移転させた後に贈与を実行する
ことによって、わが国の贈与税の負担を回避して、又は、いずれの国の
贈与税の負担も免れるという方法の、一般的な説明を受けた。
B社は、平成9年5月の取締役会において、海外での事業展開を図るため、
香港に海外事業統括子会社を設立することなどを決議し、同年7月の
取締役会において、海外事業の具体的な検討・準備のため、
現地駐在員として原告を選任し、6月29日付で着任したことを承認した。

(5)入出国の状況について
平成9年6月29日から平成12年12月17日までの本件滞在期間中に
占める香港滞在日数の割合は65.8%、日本滞在日数の割合は26.2%
であり、本件滞在期間中、原告は欧州又は北米に9回渡航しているが、
このうち7回はいったん成田を経由してから欧州又は北米に渡航している。

(6)原告の住所について
原告は、香港において、サービスアパートメントに滞在するため、
原告が日本出国日に香港に携帯したのは衣類程度であった。
原告は、本件滞在期間中、月に一度は日本に帰国し、本件自宅で起居していた。
原告は、本件滞在期間前には、1ヶ月5~10万円をCに生活費として
渡していたが、本件滞在期間中は、5~10万円程度の土産や現金を渡していた。

(7)原告の職業について
B社は、平成9年9月、消費者金融業及びベンチャーキャピタル業を営むことを
目的として香港で原告らを取締役とするC社を設立したが、
平成10年10月当時、C社の事務所は、共同出資者のE社の事務所の一部を
借りており、電話は設置されたものの、現地の商工会には加盟せず、
常勤の役員は原告1名で他に従業員はおらず、会計帳簿・稟議書等は
B社本社において作成されていた。
原告は、パソコンの操作方法を習熟しておらず、手書きの書面をB社本社
海外事業部にファックスして従業員Oに書面化してもらっていた。
B社は、平成10年12月新たに全額出資子会社として、休眠会社を買い取り、
D社とし、原告は平成11年1月にD社の取締役に就任した。
現地採用秘書は、香港各会社の経費支出を逐一B社本社に報告し、
香港各会社の帳簿類は、B社で作成していた。
Oが原告から送られたファックスや電話での聴取内容に基づき作成した
業務実績表等によれば、原告が香港において、香港各会社ないしB社の業務
もしくは原告の香港における滞在に関連して、面談、接待、契約ないしIR活動を
行ったのは本件滞在期間中168日間である。
平成10年2月のB社取締役会において、原告は平成9年9月17日付で
営業統括本部長の職務を解かれたことが了承された。
原告は、本件滞在期間中も、月1回の割合で開催されるB社取締役会の多くに
出席し、海外投資活動やB社の海外IR等の海外事業について報告している。
原告は、香港各会社から役員報酬として、平成10年には約108万香港ドル、
平成11年には約110万香港ドルを受け取った。
他方、原告は、本件滞在期間中、B社から平成11年3月期に約150万円、
平成12年3月期に180万円の役員報酬を受け取った。
原告が香港各会社及びB社から受領した役員報酬の合計額は、同時期の
B社常務取締役のうち最も報酬の高い者と近い額となっている。

(8)資産の所在等
原告は、国内においては、B社の株式1000万株余り(平成9年決算期)、
1300万株余り(平成9年5がつ無償増資後)を所有し、
平成10年12月31日現在の預金残高約23億円、
借入金残高約182億円であった。
原告の香港における資産として、約5000万円の預金があった。

(9)原告の作成した書面等
原告は、香港出国日に借入のあった銀行10行、ノンバンク3社のうち、
銀行3行については、住所が香港に異動した旨の届出を行っているが、
銀行7行ノンバンク3社については届出を行っていない。
原告は平成10年6月24日にB社の常務取締役に就任した際に
署名した取締役承認承諾書及び役員宣誓書に、本件自宅を住所として
記載している。
他方、B社の有価証券報告書の大株主欄には、原告の住所として
本件香港自宅が記載されている。
原告は、貸金業の規制等に関する法律に基づくB社の登録更新手続の
際の登録申請者等の履歴書にも、原告の住所として本件香港自宅を記載
したほか、在香港日本総領事あて在留証明願、香港移民局あて申請書類一式、
香港での納税証明書、香港の医療保険会社の加入手続書、F社取締役就任時の
宣誓書及び登記所備付変更通知書においても、本件香港自宅を住所としている。

(10)本件贈与に至る経緯
平成10年後半から平成11年初頭、S会計士は、亡Bに面会し、
数回にわたり、相続税・贈与税、事業承継等をテーマにレクチャーし、
平成11年10月頃、本件贈与の実行に関する具体的な提案をした。
同年12月、S会計士は、政府税調が相続税法の改正を検討している
との情報を得て、亡Bに対して、同年内の本件贈与の実行を進言し、
贈与を実行した場合には、原告が1年以上海外にいるようにすること
などを説明した。

(12)原告の香港出国と日本への帰国
原告は、本件贈与後、3ヶ月に1回程度、国別滞在日数を集計した一覧表を
Oに作ってもらっていた。原告は、平成12年11月頃、日本に長く滞在
していたところ、S会計士から、早く香港に帰るよう注意を受けた。
原告は、平成12年12月17日、一身上の都合で退職する旨の退職届と
亡Bの期待に応えられないことを謝罪する内容の手紙を残して香港を出国した。
原告の出国後、B社は、香港各会社の新たな代表者を選任せず、
平成13年8月には事務所も閉鎖し、同年12月には株式を譲渡した。


税法における住所ってドコですか?(2・外国人漁船員)
2008.09.20

河北新報の記事は、日本人が外国の船舶に乗っている事例ですが、
逆のケース、つまり、外国人が日本の船舶に乗っている事例は、
裁決ですが、先行事例が存在します。

平成18年1月25日裁決(裁決事例集71集349頁)
(TAINSコードJ71-2-14)です。

本件は、外国人漁船員の給与等に係る源泉徴収税の告知処分
に対する取消請求で、全部取消になった事例です。
しかし、取り消された理由は、税務署のミスでした。
以下で、裁決の内容を紹介しましょう。

<事案の概要>
本件は、漁業を営む同族会社である請求人が、請求人所有の船舶に
乗船させる外国人漁船員の手配等を依頼した法人(H社)に支払った
金員の一部について、原処分庁が国内源泉所得に当たるとして行った
源泉所得税の納税告知処分に対し、請求人が、国内源泉所得に
当たらないこと等を理由にその取消を求めた事案である。

<認定事実>
請求人は、海上技術安全局船員部労政課長通達に基づき、
「海外基地を中心に操業する日本漁船に乗り組む外国人の配乗等に関する調書」
を所轄運輸局に提出し、また、船員法等の規定に基づき、
外国人漁船員に係る船員手帳の交付申請に必要な船員手帳交付申請書
及び添付書類を海外漁業船員労使協議会に提出するなど、
本件船舶に外国人漁船員を乗船させるための所定の手続を行っている。
なお、船員手帳交付申請書の添付書類である雇用契約証明書には、
請求人が外国人漁船員を本件船舶の船員として雇用契約していることを
証明する旨及び雇用契約期間、外国人漁船員の氏名、生年月日、国籍等の
記載事項がある。

<裁決要旨>
請求人は、自らが所有し遠洋漁業を行う本件船舶に乗船させた
外国人漁船員とは雇用契約書を取り交わしておらず、外国人漁船員の
手配等を行うH社から派遣されたものであるから、本件船舶に乗船させた
外国人漁船員の人的役務の提供の対価は所得税法161条8号イに
掲げる国内源泉所得に該当せず源泉徴収義務はない旨主張する。

しかしながら、本件船舶に乗船させる外国人漁船員は請求人の意思で
その採否を決定していること、請求人は外国人漁船員の船員手帳の
交付申請に際し外国人漁船員の雇用証明書を提出していることなどから
すれば、請求人と本件船舶に乗船させた外国人漁船員とが直接の
雇用契約書を取り交わしていないとしても、請求人と当該外国人漁船員
との間には雇用契約があると認めるのが相当である。したがって、
本件対価は、請求人との雇用契約によるものであるから、
所得税法161条8号イに規定する国内源泉所得に該当する。

そして、請求人は本件対価をH社の国内預金口座に振り込む方法により
支払っており、また、外国人漁船員が本件船舶に1年以上の期間
乗船していたとしても、本件船舶は当該外国人漁船員にとって勤務地
であって住所や居所には該当せず、当該外国人漁船員は非居住者に該当
するから、所得税法212条1項の規定により、請求人は本件対価の
支払の際に源泉徴収義務がある。

なお、本件納税告知処分には、各月分の納付すべき源泉所得税の額及び
法定納期限の認定に誤りが認められるが、法定納期限の認定の誤りは、
国内源泉所得の支払地が国内か国外かによるものにすぎず、既に
自動的に確定している隔月分における源泉所得税に係る国税債権に
影響するものとは認められず、また、正当な法定納期限後の日付をもって
本件納税告知処分をしたことが請求人の利益侵害とも認められないから、
当該誤りをもって本件納税告知処分を取り消すことは相当ではないと
認められるが、本件納税告知処分のうち正当に計算した本件対価の
支払に係る各月分の納付すべき源泉所得税の額を超える部分は違法
となり取り消すべきである。


以上が、裁決の内容です。

全部取消事案なので、遠洋漁業の船舶に外国人を乗船させた場合の
給与の源泉所得税の支払義務が取り消されたのではなく、
税務署の計算ミスのために、取らなければならないはずの税額を
裁決によって取り消されたという事例です。

本裁決によれば、
外国人漁船員にとって、本件船舶は住所ではなく勤務地であるから、
住所は日本にはないけれども、日本の会社で働いている以上、
日本で稼いだ分については、日本で課税するよ、ということです。

河北新報の事例についても、気仙沼税務署は、本裁決を参考に
漁船員の住所は船舶ではない、と主張されることでしょう。


リーマン破綻・AIG公的援助
2008.09.18

久しぶりの更新です。
私事ですが、12日に法政会計人会で講演させて頂き、
気持ちのいい酒を飲ませて頂きましたが、
その日の晩から娘が体調を崩し、
ウィルス性の下痢が我が家を襲いました。
私は月曜日から丸3日苦しみ、
万全ではありませんが、今日からようやく職場復帰です。

さて、その間に世界経済に激震が走りましたね。
米証券大手のリーマンブラザーズの経営破綻、
それに伴う世界同時株安、
同時に報道された米保険大手のAIGグループの経営危機報道、
そして機能報道された米政府によるAIGへの公的資金投入。

証券投資をやっている方々はいつかは当然来ることを
予想しつつ投資されていたと思いますが、
アメリカのサブプライムローン問題から来る経営破綻が
とうとう現実のものになってしまいました。

様相的には、わが国のかつて来た道に非常に近いのでは、
と感じている方も少なくないと思います。
そう、バブル崩壊です。
住宅専門金融会社の経営破綻がきっかけに、
日本拓殖銀行、山一證券等が吹っ飛んだ時期と似ている気がしませんか?
あの当時は、わが国の経済学者もバブル崩壊の危険性を唱えれば
中央から抹殺されかねない状況で、
実際に崩壊の危険性で論陣を張ったのは、
立教大学助教授(当時)の斉藤精一郎先生
ぐらいだったのではないかと記憶しています。

今回についてもサブプライムローンがおかしくなり始める前に
警告を鳴らしていた方が非常に少なかったのではないかと思います。
少なくともわが国で紹介されている警告は少なかったのではないでしょうか。

しかし、機会の平等、結果の自己責任を標榜するアメリカが
AIGへの公的資金投入を決断したのは、
非常に勇気のある行動であったのではないかと思います。
結果責任の国ですから、失敗すれば倒産は当然です。
しかし、北京五輪が終わり中国経済に停滞感が出始めたこの時期に
アメリカを代表するような世界トップの2社を飛ばすことは
アメリカ発の世界恐慌の引き金を引くことにもなりかねないだけに、
世界経済へのアメリカの姿勢、つまり、
アメリカ発の世界恐慌はなんとしても阻止する
という姿勢を示したものと、私は思います。

特に保険トップの破綻ということになれば、
保険をリスクヘッジに使えなくなるという状況を生むことになるだけに、
企業経営に与える影響は計り知れないものがあります。

公的資金を投入したことには内外から批判も多いでしょうが、
ブッシュ大統領の勇気ある決断に敬意を表したいですね。


税法における住所ってドコですか?(1・遠洋漁船)
2008.09.11

先週の河北新報の記事(2008年9月4日付)にこういうのがありました。
http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/region/20080904t13032.html


1年の大半を漁船内で過ごしているのに、所得税を課されるのは不当だとして、
いずれも宮城県気仙沼市の60代の漁船乗組員の男性2人が3日までに、
国に課税処分の取り消しを求める訴えを仙台地裁に起こした。
国外で1年以上の継続居住が必要な職業を、納税義務にない
「国内に住所を有しない者と推定する」と定めた所得税法施行令の解釈が
焦点になりそうだ。

訴えなどによると、2人は台湾の漁業会社とマグロはえ縄漁船の
乗船契約を結び、ともに漁労長兼船長としてインド洋上で創業。
気仙沼税務署は昨年2月、2人の2003-05年の申告所得税の
更正処分と、過少申告に伴う賦課処分を決定した。これに伴い、
2人はそれぞれ約86万円、約88万円の加算税を課された。

2人は税務署に異議を申し立てたが棄却され、仙台国税不服審判所への
審査請求も今年6月、「公海上や外国の領海上で過ごす船舶の船員は
国内に住所を有しない者との推定を受けない」として棄却された。

住民登録地への納税を求める税務当局は、「船舶は船員の単なる『勤務場所』
にすぎない」とのスタンス。2人は03-05年の国内滞在日数がそれぞれ
16-78日、30-107日で「休暇による一時帰国にすぎず、
職住一体の船員にとって船舶は『住所』でもある」と反論している。

原告代理人の弁護士は「原告らと同じ会社で同様に働いていた乗組員の中には、
別の税務署から『納税義務はない』と回答された例もある。税務署の見解が
統一されていない」と話している。
気仙沼税務署は「コメントできる立場にない」としている。


この記事を読んで、武富士事件をすぐに思い出しましたが、
遠洋漁業の船員の場合には、国内に住所を残したまま船に乗りますが、
その大半は海の上ですよね。
その場合に、生活の拠点がどこになるのですかね?
海外への転勤の場合には、住所が変わりますが、
海外への長期出張の場合は、住所を国内に残していくケースが多いですよね。
この人たちの場合には、どちらに当たるのでしょうか。

このシリーズでは、住所という問題を取り上げて検討したいと思います。

今後の議論のために、所得税の条文を記載しておきましょう。

所得税法2条3号 居住者
国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。

所得税法2条5号 非居住者
居住者以外の個人をいう。

所得税法3条2項
前項に定めるもののほか、居住者及び非居住者の区分に関し、個人が国内に
住所を有するかどうかの判定について必要な事項は、政令で定める。

所得税法施行令14条
国内に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、
その者は、国内に住所を有する者と推定する。
一 その者が国内において、継続して一年以上居住することを
 通常必要とする職業を有すること。
二 その者が日本の国籍を有し、かつ、その者が国内において生計を一にする
 配偶者その他の親族を有することその他国内におけるその者の職業及び
 資産の有無等の状況に照らし、その者が国内において継続して一年以上
 居住するものと推測するに足りる事実があること。
2 前項の規定により国内に住所を有する者と推定される個人と生計を
 一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国内に居住する場合には、
 これらの者も国内に住所を有する者と推定する。

所得税法施行令15条
国外に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、
その者は、国内に住所を有しない者と推定する。
一 その者が国外において、継続して1年以上居住することを
 通常必要とする職業を有すること。
二 その者が外国の国籍を有し又は外国の法令によりその外国に永住する
 許可を受けており、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者
 その他の親族を有しないことその他国内におけるその者の職業及び
 資産の有無等の状況に照らし、その者が再び国内に帰り、
 主として国内に居住するものと推測するに足りる事実がないこと。
2 前項の規定により国内に住所を有しない者と推定される個人と
 生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国外に居住する場合には、
 これらの者も国内に住所を有しない者と推定する。
     


自民党総裁選はじまる
2008.09.10

9月10日、いよいよ自民党総裁選が告示されました。
22日の投票まで、マスコミを巻き込んでのお祭り騒ぎです。

我々国民としては、誰がどのような政策を唱えているのか、
じっくり見極めていかなければなりません。

大本命と言われる麻生さんは、
積極財政論者ですから、現在の経済立て直しという面では
最も評価されるべきでしょう。
しかし、赤字国債の増発に繋がる危険性の高い政策である分、
将来世代に負担を先送りする危険性が高い批判もあります。

経済政策において正反対なのが与謝野さん。
与謝野さんはまず財政立て直しを急ぎ、
将来世代に禍根を起こさないようにするべきだという考え方です。
痛みを伴う時期を今か将来かを説いているわけです。
問題を先送りすれば、それだけ問題が大きくなり、
結果として財政出動が大きくなることは、当然のことです。
底が見えてきた今だからこそやろう、と言うことでしょう。

小泉改革路線の系統にあると考えられるのは、小池さんと石原さん。
小泉改革の成果として、色々なところから膿が出てきているからこそ、
改革を止めてはならない、というのが主張でしょうか。
ただ、経済政策については、いわゆる上げ潮派ですが、
上げ潮派は、経済成長による増収を求めていく政策ですから、
思惑通り経済成長が出来ればいいですが、失敗したら税収の激減を招きかねません。
赤字国債の増発しか対処できなくなる危険はあります。
また、勝ち組と負け組をはっきりさせるのも上げ潮派の特徴。
結果の平等ではなく、チャンスの平等を求めるからこそ、
チャンスが平等にしない規制を次々に撤廃したわけです。
大バケしてミニバブルを生めるとしたら上げ潮政策しかないと思いますが、
リスキーな政策です。しかし、リスキーを選ぶのも国民の自己責任です。
自己責任社会をわが国に持ち込んだ小泉さんの功績ですかね。
地方が切り捨てられるのも、自己責任で地方活性化の努力を怠っていれば
当然だ、というのも小泉改革の特徴でした。

石破さんは、上げ潮派と財政出動重視との中間という立場でしょうか。
上げ潮政策の中では一番現実的な政策ではないかと私は思います。
ただ、この政策って、小沢民主党の政策に一番近いのでは?

公平な社会を作ろうとする考えは皆同じでも、
現在世代の負担の公平を求めるのか、現在世代と将来世代の公平を求めるのかで、
とるべき経済政策は全く変わってきますね。

企業経営も同じです。
積極展開をしようとすれば借金が膨らみます。
借金をしてでも業績を上げて利益を出すのを選ぶか、
とにかく借金をできるだけ減らして身の丈経営に徹するのか、
これはトップの経営判断です。

政治に関心を持たない方が多いのは残念ですが、
難しく考えずに、自分の身に置き換えて、
今の負担減(将来の負担増)か、今の負担は変わらず出来る限りのことをするのか、
今の負担が増えてでも将来の負担が減るようにするのか、
よく考えなければならない時期に来ているのではないでしょうか。


第2回経営合理化大賞
2008.09.09

9月9日、大阪府経営合理化協会が主催する
経営合理化大賞の授賞式が行われました。

今回の大賞は、自動車のエンジン部品メーカーの
株式会社ナカキンという会社でした。
開発から手がけ、最近では、食品・化粧品・薬品業界で使われる
ロータリーポンプも好調なようです。

この会社が受賞したのは、
リストラで社員を解雇しない方針で、
身の丈経営に徹したことが評価されてのことではないでしょうか。

経営合理化協会の選考基準にも、
人重視の経営を実践している企業、
という基準がありました。

第1回の大賞を受賞したネジメーカー
サンコーインダストリー株式会社は
TQCにおいて若手が成果を上げていることからみると、
人材育成という点はかなり選考基準として重視されているのかもしれませんね。

厳しい経済情勢の中、多くの悩みを抱えている経営者は多いでしょう。
悩むのが社長の仕事と故松下幸之助氏も言っていたようですが、
やはり悩みは解決したいもの。
悩みの解決とまではいかないまでも、何らかの糸口は見つかるかもしれません。
そういう意味では、大阪発のこのような試みは、
全国的に広がりを見せて欲しいですね。


税務争訟ガイドブック(民事法研究会2008)
2008.09.08

我々の研究グループの研究成果がようやく世に出ました。
日本税務会計学会訴訟部門に参加した有志35名による共著で、
「税務争訟ガイドブックー納税者権利救済の手続と実務ー」
(民事法研究会2008年9月9日発行)です。
新刊案内は以下のURLでご確認下さい。
http://www.minjiho.com/new_detail.php?isbn=9784896284829

ガイドブックを作ろうという話は、
平成16年4月に募集された研究グループが発端でした。
朝倉先生、鈴木先生を中心とした研究グループは
第1期終了時(平成17年6月)には、わずか7名
(天野先生、竹田先生、原木先生、間山先生、私)になってしまいましたが、
非常に有意義な勉強会だったと思います。

第1期の研究を踏まえて、第2期のメンバーがガイドブックを書きました。
鈴木先生が東京会の税務審議部長になられたため、
リーダーを守田先生(第1期では税務訴訟支援グループのリーダー)
とし、メンバーも大幅に増員して、スタートしました。
最初の1年は勉強会、後半は班分けして分担執筆が始まりました。
とかくプライドの高い方が多い税理士です。
手直しのお願い等で困ることもありました。
校正を担当した先生方、本当にありがとうございました。
一時は出版停止という話もありましたが、ようやく出版に漕ぎ着けました。

本書の内容は、第1部 理論実践編、第2部 Q&A編 と2部構成で、
第1部は制度の概要や税理士としての対応策について解説しています。
第2部は、Q&A形式により、具体的にポイントを解説しています。

補佐人として初めて法廷の場に立つことになった税理士には、
理論実践編(特に手続関係)をじっくり読んで頂き、
とかく税法に弱いとされる弁護士には、
Q&A編から税理士がどのような点から取り組んでいるか、
是非、認識して頂きたいものです。

税理士が書いた実務書ですので、
体系的に取り組みのがなかなか難しかったのですが、
特に手続方面に関しては類を見ない書ですので、
不服申し立て(もうすぐ改正されて言葉が変わりますが…)から
税務訴訟にまで至って、ポイントを押さえてありますので、
この分野でご興味のおありの方は、ご一読をオススメします。

ちなみに私が執筆した部分は手続ではありません。


茨城県議会の傍聴規制強化
2008.09.04

9月4日のasahi.comの記事によると、
茨城県議会での議員の言動がブログで批判されたことが契機となり、
議会の傍聴規制が9月3日の議会で改正されて、規制が強化されたという。

ことの発端は、次のブログに掲載された写真のようです。
http://metro-ibaraki.blogspot.com/2008/06/blog-post_15.html

議会の傍聴目的には議場の撮影は入っていないでしょうし、
無断で議場を撮影したという問題はあるのでしょう。
しかし、このブログから写真がなかったとしたら、
何を批判しているかが分からないのでしょうか。

地方自治法が「会議公開の原則」を定めていることを鑑みれば、
議事の内容が、傍聴した方によってブログ等に書き込まれた場合であれば、
ここまでの反応をしたのであろうか。

本改正が「議場の安全確保」が目的だというのであれば、
身分証明書の提示が何の目的のために行われるのか。
さらに、本改正は、議長提案で行われたことはともかく、
出席議員の採決がなく改正されたという。

条例でもなければ、地方議会は採決もしないのか。
法治国家が聞いて呆れる暴挙である。

大内久美子県議らは、規制の改正について、
「情報公開の流れに逆行する」と主張し、
規則の抜本的な規制緩和を求めているという。

議員は何のために選ばれて議員となっているのか。
それは国民生活のための政策を議論するためであろう。
議論をせずに規制が決まるのであれば、
それは議会制民主主義ではなく、独裁国家ではないのか。

選挙で選ぶ人がいないのであれば、いないと堂々と宣言するのも
政治を変えるための1つの手段だと思うが、どうだろうか。

この改正のきっかけとなったブログの中のコメントで
いねむり議員の地元の方のコメントとして
前回の選挙で対抗馬で出た方のほうがひどかった旨のコメントがありましたが、
私は、消去法でこの人、でしかないのなら、無効票を投じることを、
かなり前から、大学の講義等の雑談の中で主張してきました。

当選した方の得票よりも無効票が多かったら、
その方は信任されたことになるのだろうか?

支持政党を持つ身としては、支持政党を支援して頂きたいが、
国民・住民から選ばれる政治をしていなければ、意味がありません。

これは私の仕事(税理士)も同じです。
お客様から信任され、選ばれ続ける仕事をしなければ、
事業として成り立つはずがありません。

その辺のところ、政治家の皆様には、
危機意識があまりにもなさ過ぎるのではないでしょうか。


福田内閣退陣
2008.09.02

ビックリのニュースが飛び込んできましたね。
どこまでもつかなとは思っていましたが、
臨時国会での論戦もせずにやめましたね。
あの内閣改造は一体何のために?と思わずにはいられません。
投げ出したとまで言われた安倍さんの後を引き継いだだけに、
福田さんは、やめ時をしっかり考えて頂けると信じていただけに、
ちょっとがっかりです。

しかし、ものは考え様。
支持率の低い福田さんではなく、総裁選をやって
国民にも新たな政策を理解してもらって、新たな内閣をスタートさせて、
その上で総選挙をやるのもいいのかもしれませんね。

総裁選で政治ニュースは染まるでしょうから、
提言する政策如何では国民を説得できるかもしれません。

それにしても、民主党はなぜ代表選をしなかったのだろう。
ニュースを代表選で染めてしまえば、
国民に民主党の若手を知ってもらういいチャンスだったのに。
政治に関心のある方はともかく、民主党で小沢・鳩山・菅
以外の政治家を、一般大衆はほとんど知らないのが実情なのに。
岡田さんや前原さんだって、顔と名前が一致する人、
残念だけど少ないですよね。元代表なのに。

ともかく、これからは自民党総裁選。
誰がどんな政策を提言するのか、その応援演説を誰がするのか、
これからの日本を考える意味では、楽しみではありますが、
シビアな目で判断していかなければいけないですね。


現代会計の方向性と税法会計
2008.09.01

税法会計という言い方はあまりしないかもしれません。
一般には税務会計という言い方なのでしょうが、
税務会計と税法会計は明確に異なる概念なので、あえてこの言葉を使います。

税務会計は現代会計が向いている方向、つまり、
投資情報としての有用性を含む概念であり、
あくまで会計学の一領域としての会計という意味ですが、
税法会計という言葉を使う意味は、
税法が求める会計、という意味、
もっとはっきり言えば、いわゆる税法基準に基づいた会計
という意味で使います。

後で、書評として紹介させて頂く予定の
石川純治教授の「変貌する現代会計」(日本評論社2008)が、
「例えば、「企業会計原則の設定について」では、その設定の当初から
「証券投資の民主化」だけでなく、例えば「課税の公正化」などが
あげられており、そこにより広く国民経済に資する観点がみられます。
逆にみれば、今日の企業会計はそこでの「証券投資の民主化」に
いわば特化したものといえるでしょう。」(162ページ)
と指摘されている通り、従来までの企業会計は様々な利害関係者の
利害を調整する役割を会計に求めていたのに対して、
現代会計は、投資情報としての有用性に特化しているのである。

会計情報が、投資情報として特化するのであれば、
憲法14条に基づいた課税の公平を旨とする税法が、
投資情報として特化したために、客観性と反証可能性を失いかけている
現代会計から離脱しなければならないことは当然のことである。

もし現代会計が、法人税法74条1項に規定する確定決算主義の
趣旨を理解し、それを内包したものであるというのであれば、
平成20年度税制改正における減価償却制度の改正に対して
会計側が反論しないのか。

平成20年4月1日から始まる事業年度において、
機械装置の法定耐用年数が既存資産を含めて改訂しなければならず、
個別資産ごとの耐用年数をとる場合には、確認制度を用いて
税務署長の承認を得なければならないにもかかわらず、
公認会計士監査を受けるべき大企業の4半期報告書に
その旨を記載している会社がどれだけあるのか。
脱法行為を公認会計士が容認しているとすれば、
公認会計士が税法どころか税務会計分野でさえ
専門家であることを放棄したことに他ならないのではないか。

税法の逆基準性が会計理論を歪めている問題は、
今に始まったことではなく、問題の根は深いものであるが、
会計理論家が法律家から軽視されている現状を打破できないのも、
強行法である法律を無視しているからに他ならない。
かつて、田中耕太郎博士から、疑問が呈されていたことに対して、
会計学者は真摯に反論して頂きたいものです。
私の知る限り、昭和15年の田中先生の問題提起から、
その方なりの解答にチャレンジされた方は、
ほんの僅かしかいないように思います。
この点は企業会計法の研究者としての私のライフワークでもありますが。

会計理論家(公認会計士協会を含みたいので、あえて会計学者と呼びません)
がアングロサクソン系の会計理論を研究されるのは
国際的な潮流からすれば当然なのであろうが、
アメリカやイギリスは慣例法主義の国だから、
民間が策定した会計基準も当然に法的拘束力を持ち始める。

しかし、わが国は厳然たる成文法主義の国である。
その国で法律を無視することは、
法治国家であることを放棄したという意味に他ならない。
会計理論家は断じてアナーキニストであってはならない。
会計理論家はアメリカと同様の体制を法律側に要求しているとしか
思えないのであるが、いかがなものであろうか。

法人税法74条1項が撤廃され、税法会計が企業会計とは別系統の
2本の柱になることは、手書きの元帳の時代であればいざ知らず、
電子帳簿保存法が施行され、電子申告の進展も進む現代では
事務の手間が膨大になるとはどうしても思えない。
税法会計を1つの柱にせずとも、
別表調整だけでもいけるのではないだろうか。

現代会計が情報有用性に特化し続けるのであれば、
税法は課税の公平を守るため、確定決算主義から離脱すべきなのである。