民主党税制調査会(3・税目ごとの改革指針 その2)
2008.12.27

今日も引き続き、

民主党税制抜本改革アクションプログラム

の続きで、3.各税目における改革指針 の消費税から紹介します。

(5)消費税

消費税に対する国民の信頼を得る第一歩は、その使途を明確にすることである。
そのためには消費税収を財政赤字の穴埋めには使わないことを
約束した上で、最低限のセーフティネットとしての年金、医療、
介護など国民に確実に還元することになる社会保障以外に
充てないことを法律上も会計上も明確にすることが必要である。

また消費税の制度自体にも国民不信の原因があると考えられる
ことから、インボイスの導入などにより制度の透明性を高め、
また逆進性対策として「給付付き消費税額控除」の導入を図る
ことが必要である。

消費税率の引き上げについては、民主党が政権を獲得した後に
税金のムダづかいを徹底的に根絶した上で、社会保障目的税化や
その使途となる上記の社会保障制度の抜本的な改革の具体的内容を
示した上で検討する。
仮に引き上げが必要となる場合には、引き上げ幅などを明らかにして
総選挙で国民の審判を受け、具体化するものである。


この点については、私のHPからアクセスするブログにコメントを
寄せて頂いた方の考え方と非常に近しいかもしれません。
しかし、コメントを寄せて頂いた方は、税負担が低くても、
充実した福祉を得られるようできるはずとのお考えでした。

民主党案は、まず税金の無駄遣いを是正した上で、福祉目的税化
した消費税を引き上げる必要があるかを検討するというものである。

くしくも政府与党案も民主党案も、消費税を福祉目的税化する
方向で一致している。ただ、民主党の改革案は、
消費税制度だけではなく、所得課税にも影響する問題を提唱している。

すなわち、欧州型インボイスの導入である。
欧州型インボイス制度の導入のためには、
青色申告制度が特典のままの所得税・法人税では対応は難しいであろう。
この問題については、国士舘法学38号(2006)に、
「青色申告制度の帳簿要件」という論文を書いていますので、
そちらをご参照下さい。
消費税法がインボイスを徹底するのであれば、
青色申告制度は一般化しなければ制度としての平仄は取れないし、
そもそも推計課税は、帳簿を持たない者へのペナルティの制度として
考えられることになるので、立証責任自体の転換が起きてこよう。
消費税が欧州型インボイスを導入するのは、いかがなものだろうか。

ただ、将来に向けて必要な議論であることは間違いない。


(6)個別間接税
1 基本的考え方
消費税は基本的に全ての財・サービスに課されていることから、
そのほかに間接税を課することは二重課税を行うことになる。

2 自動車関係諸税
自動車取得税は消費税との二重課税を回避する観点から廃止する。
自動車重量税及び自動車税は、保有税(地方税)に一本化し、その税収を
自動車から生じる社会的負担に広く対応する地方の一般財源とする。
ガソリン等の燃料に対する課税は、一般財源の
「地球温暖化対策税(仮称)」
として一本化し、特定の産業に過度の負担とならないよう十分配慮しつつ、
排出権取引制度と一体的な制度設計を行う。

3 酒税・たばこ税
酒税・たばこ税は、いずれも消費税との二重課税になっているという
基本的な問題があると同時に、これまで安易な財源確保策として
用いられてきたこと、特に酒税については企業の技術開発の努力を
踏みにじる対応が取られてきたという問題がある。

酒税・たばこ税は国民の健康確保を目的とする税に改めるべきであり、
その際には国民に分かりやすい仕組みにすることが必要である。
その観点から、酒税については、特に清酒・焼酎などの現行の
税負担に配慮しつつ、基本的に致酔性に着目してアルコール度数に
比例した税制とすることが望ましい。
また、たばこ税については財源確保の目的で規定されている現行の
「たばこ事業法」を廃止して、健康増進目的のたばこ規制法を
新たに創設し、「たばこ規制枠組み条約」の締約国として、
かねてから国際約束として求められている喫煙率を下げるための
価格政策の一環として税を位置づける。


間接税改革については、商品価格に転嫁された間接税に消費税が課される
ことがないようにすべきことはいうまでもないことであろうが、
今まで、そのまま放置されてきた問題である。
ここを指摘したことには大きな意義があろう。

自動車関連税を環境関連税にすることは政府与党と同様の方向である。


(7)地方税財源のあり方
国と地方の役割分担の大幅な見直しと合わせて、それぞれの担う役割に
見合った形へと国・地方間の税財源の配分のあり方を見直す。
また、現在の個別補助金は基本的に全廃し、地方が自由に使える
財源として一括交付する。


地方税が独自財源を確保しつつ、国と地方の税財源の配分を見直す
方向性は、やはり政府与党と近いのではなかろうか。
個別補助金の一般財源化を原則とする施策は早急に実現願いたいですね。
いわゆる族議員の反発は必死ですがね。


民主党税制調査会(2・税目ごとの改革指針 その1)
2008.12.26

昨日に引き続き、

民主党税制抜本改革アクションプログラム

から、3.各税目における改革指針 について紹介する。

この内容について、

民主党政権の最初の任期中に順次具体的な制度設計を行う旨

明言している。

(1) 所得税

産業構造の変化、雇用の不安定化、これらに対する政府の無策から
格差の拡大が進行している。
加えて、国際金融危機などに端を発する急速な実体経済の悪化の中で、
社会的弱者が一層厳しい状況に追い込まれ、格差は今後さらに
拡大する可能性が大きい。
特に、下への格差拡大を食い止めることが喫緊の課題である。


とした上で、これまでの所得税制の方向性である格差是正のための
最高税率の引き上げにより、高額納税者の日本からの離脱や
海外資産投資を考えれば、所得再分配機能の回復策としての実効性は
乏しいとして、


これに対する答の一つが、民主党がかねてから提唱してきた
「所得控除から手当・税額控除へ」である。
手当は相対的に高所得者に有利な所得控除に代えて現金給付を
行うものであり、定額の給付であることから相対的に支援の必要な
人に実質的に有利な支援を行うことができる。

さらに、所得再分配機能を高めていくためには所得控除を税額控除に
替えるだけでなく、「給付付き税額控除」の導入を進める。
これは税額控除を基本として、控除額が所得税額を上回る場合には、
控除しきれない額を現金で給付する制度である。
給付とほぼ同じ効果を有する税額控除を基本とすることから手当と
同様に、相対的に低所得者に有利な制度となる。
「給付付き税額控除」は多くの先進国で既に導入されており、
わが国で導入する場合には、所得把握のための番号制度等を前提に、
生活保護などの社会保障制度の見直しと合わせて、以下のいずれかの
目的若しくはその組み合わせの形で導入することを検討する。

ア)低所得者に対する生活支援
基礎控除を「給付付き税額控除」に替えることにより、
現在の課税最低限以下ではあるが生活保護レベルまでには
至らない低所得者に対して、生活支援を行う。

イ)消費税の逆進性緩和
消費税の逆進性緩和対策としては「複数税率」もあるが、
複数税率の導入は実質的に「消費税の物品税化」につながり、
消費税の特性である水平的な公平性を大きく損なう。
また軽減税率の対象を選択することが極めて困難であることに加え、
課税ベースが大きく侵食されて、結果的に基本税率が高くなる
ことにもつながるため、逆進性緩和策として適当とはいえない。
むしろ逆進性緩和策としては「給付付き消費税額控除」の導入が適当である。

ウ)就労促進
 職に就き自ら収入を得ても同額の社会保障給付が減ってしまえば、
手元に残る現金の額は変わらないため、就労の意欲を減退させかねない。
イギリスでは就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を
増額させ、就労による収入以上に実収入が大きく伸びるようにしている。

という。
つまり、民主党の所得課税抜本改革の基本方針は、
イギリスが導入したような、いわゆる「負の所得税」の導入であろう。

政府委員でも森信茂樹中央大学教授を中心としたグループも提唱するが、
政治的には、民主党がかねてから主張してきた方向性である。

格差是正という観点からは、給与所得控除の見直しも検討の対象となる。
サラリーマンの経費の概算控除とされる給与所得控除は所得の
上限がないが、サラリーマンの必要経費が所得の増加に応じて
必ずしも比例的に増加するとは考えにくく、高所得者により
有利な制度になっている。
担税力に応じた課税を行う観点から、給与所得控除については、
一定の上限額を設けることが適当である。

サラリーマンであっても、本来は実際にかかった経費の実額を控除する
ことが望ましいが、現行の特定支出控除はほとんど機能していない。
自己研鑽費用、新聞等購読費、業務上不可欠な衣服費など特定支出の
対象を大幅に広げることにより、サラリーマンにとって使いやすい制度とする。


給与所得控除の是正にも手をつけ、実額控除の可能性を示唆することから、
国民皆申告制への移行を視野に入れているようにも思える。


(2) 相続税

相続税については、「富の一部を社会に還元する」考え方に立つ
「遺産課税方式」への転換を検討すべきである。
相続財産は社会の存在を前提に形成されたものであり、また、
その一部は社会保障給付が反映されているとも考えられる。
格差拡大を抑制する観点からは、このように形成された相続財産の
一部を社会に還元されることが適当であり、その意味では相続人が
資産等を得た時点で課税するのではなく、
遺産そのものに課税することが適切である。

としており、政府与党の方針、特に昨年の政府税調答申、今年1月の
福田内閣の閣議決定の抜本改正の方向性とは真逆を示している。

政府与党は、遺産取得課税への転換を主張するが、
これは、世界的な潮流との整合性もさることながら、
残されたものの課税負担の公平に主眼が置かれたものと考えられよう。
しかし、民主党案は、なくなる方の財産の過多に対する公平に
主眼が置かれているのであろう。そのため、現行の折衷案ではなく、
純然たる遺産課税を標榜するのであろう。

相続税のあり方に対する国民的な議論を経て、
コンセンサスを得たいところですね。
この議論は、我々税理士が在野において、
リードしなければいけないような気がします。

(3)法人税
(4)租税特別措置法の抜本的な見直し

民主党は租税特別措置の抜本的な見直しを行うこととしているが、
これを進めて課税ベースが拡大した際には、企業の国際的な競争力の
維持・向上などを勘案しつつ、法人税率を見直していくこととする。

地域経済の柱であり、雇用の大半を担う中小企業を支えることは、
税制の重要な課題であることから、中小企業の立場に立ち、
その規模に応じて活性化や競争力の向上を支援していく。
同時に起業についても、起業者・誕生直後の企業・出資者など
それぞれのステージや立場に応じて、適切な支援を講じていく。

なお、租税特別措置の見直しにあたっては、研究開発の促進など
真に必要な措置については、現在の時限措置から恒久措置へと転換していく。
また、温暖化を中心とする環境対策、雇用の維持・拡大、
自治体の工夫や努力などによる地域活性化などの重要課題への対応を
法人税制の中で図ることも検討する。

とした上で、
租税特別措置の実質は、隠れ補助金に他ならないことを指摘する。
そのため、

租特の新設・継続に当たっては、補助金同様、対象者が明確であること、
効果や必要性が明白であることなど、透明性の確保を通じて、
納税者の納得が得られるように改めるため、

「租税特別措置透明化法案」

を次期通常国会に提出し、租特の整理・合理化を進める。

とする。つまり、民主党案は、法人税の見直しの根本は、
特権化している租税特別措置の見直しに他ならず、
必要な措置は法人税法に組み入れる形で本法化し、
不必要な措置を廃止することを大前提としている。

この点は、政府与党と立場を明確に異にするところであろう。
私も租税特別措置のなし崩し的な半恒久化には反対である。
租税特別措置はあくまで特別措置であるのだから、
時限立法でしかるべきと考えるがいかがであろうか。

ただ、法人税について、民主党案が掲げる中小企業対策、
環境対策、雇用の維持・拡大等については、
政府与党案と比べて貧弱かつ具体性に乏しく、残念である。


民主党税制調査会(1・税制抜本改革の方向性)
2008.12.25

民主党税制調査会は24日、

民主党税制抜本改革アクションプログラム
ー納税者の立場で「公平・透明・納得」の改革プロセスを築くー

を公表した。

このアクションプログラムは、
先日公表された自民党平成21年度税制改正大綱に対応するもので、

その内容は次の5つから成り立つ。

1.民主党政権がめざす税制抜本改革のビジョン
2.税制改正プロセスの抜本改革
3.各税目における改革指針
4.執行体制の改革指針
5.平成21年度税制改正について

今日は、民主党の方針に関する1.2について紹介し、
具体的改正に関する3以降については、明日以降で紹介する。

まず、アクションプログラムには前文がついており、
この前文が、政府与党の経済財政運営に対する強烈な批判として
的を得た注目される特長にもなっている。

民主党は昨年の「民主党税制改革大綱(2007.12.26)」において、
納税者の立場に立って税制のあり方を根本的に変える税制抜本改革に
政権を担った暁には着手することを宣言した。
この税制抜本改革は単に税制の中身にとどまるものではなく、
税制を決めるプロセスにおいても実現されなければならない。

これまでの自民党政権下における税制改正は、税制に関する法的な
権限と責任を有するはずの総理大臣や財務大臣、総務大臣よりも
強大な権限を、なんら法的な責任を負わない与党税制調査会が持ち、
そこでの議論によって実質的な税制改正が決められてきた。
このような法的な責任を負わない機関が実質的な意思決定権
を有するという“権力の二重構造”は自民党政治の象徴であり、
民主党政権においてはこうした無責任・不透明な体制は
根絶しなければならない。
したがって、国民生活に直接影響する税制についても、誰が、
どのような内容の税制改正を、どのような手続きで決定するかという
税制改正プロセスは、納税者である国民の目から見て、
納得できるものにしなければならない。

自民党政権下において、政府税調、自民税調、経済財政諮問会議が
それぞれバラバラに議論され、一体どこに責任の所在があるのか、
分からないのが現状であり、民主党はそうならないように、
改正プロセスをオープンにして、納得してもらいますよ、と言うのである。

理想的な見解である。こういう大局を見据えた見解を示す
のであれば、余計に先日の強行採決が残念でならない。
強行採決こそ、議論に最終的にはフタをしてしまう行為だけに、
残念でならない。参院国対委員長はどう答えるのであろうか。

私の見解は兎も角、具体的にアクションプログラムを紹介しよう。

1.民主党政権がめざす税制抜本改革のビジョン

においては、3つの方針が掲げられている。

(1)納税者の立場に立つ では、

「代表なくして課税なし」の言葉に象徴されるように、
議会制度は税と共に発展してきたといっても過言ではない。
つまり議会制民主主義における税のあり方は、あくまでも
税を納める納税者の立場に立って決められるべきものである。

と、近代民主主義の萌芽期において、税が市民革命の基礎を
担う思想を作り上げてきた歴史を踏まえ、
為政者の立場ではなく、納税者の立場に立つことを明示する。

次に、(2)「公平・透明・納得」の三原則 では、

納税者の立場に立ってあるべき税制の姿を考えると、
それは公平で仕組みが透明で分かりやすく、
その仕組みに基づいて納税することについて、
誰もが納得できるものでなければならない。

という理念の下に、「公平」で「透明」性が高く、納税者が
「納得」できる税制の構築を標榜する。

(3)時代と社会の変化に適合する では、

世界はグローバリゼーションの進展により、これまで各国税制の
前提条件であった「国は納税者を囲い込むことができる」という
状況が根本的に変化し、納税者である人や企業は、担税力の高い
者ほど納税する場所さえ、自ら自由に決めることができるような
状況が生まれている。
また、税と社会保障の一体化やグリーン税制改革、国際連帯税など、
新しい税制改革の潮流も生まれている。
さらに、わが国は人口減少・超高齢社会というこれまで経験したこと
のない新しい社会へ突入している。税制抜本改革を行うに際しては、
こうした時代や社会の変化をしっかりと認識しなければならない。

という時代背景を示して、時代に即した税制を標榜する。

(3)に関しては、自民党と民主党の間に大きな差異はないが、
(1)、(2)を明確に打ち出したと言う点で、
民主党は、政権構想を示したとも言えるであろう。


2.税制改革プロセスの抜本改革 においては、

(1)これまでの政権における税制改正プロセスの問題点 として、

与党税制調査会、政府税制調査会、経済財政諮問会議が
バラバラの議論を行っており、責任の所在が曖昧である。

政府税制調査会は、内閣総理大臣の諮問に対し答申を出すことが
本来の仕事である。しかし、様々な有識者や業界団体の代表者等に
より構成されているため、答申は利害調整の結果の妥協の産物と
なりがちである。しかも、与党税制調査会を慮った答申が続いており、
本来の機能を果たしているとは言えない。

現下の厳しい財政状況の中で財政規律を堅持しつつ、メリハリの
効いた予算編成を行うためには、歳入をまず見極め、その上で
歳入に見合った歳出を決める「入るを量りて出ずるを制す」という
考え方に立って予算編成を行うことを基本とすべきである。
しかし、自民党政権はムダづかいや将来への負担先送りをするばかりで、
歳入歳出ともに制することも量ることもできず、迷走している。

と、従来の税制改正プロセスの不透明性を明確に批判し、
対案として、(2)、(3)を示している。つまり、

(2)民主党政権における税制改正プロセスの基本的考え方 では、

「公平・透明・納得」の三原則に基づき、責任の所在を明確化し、
政治主導の政策決定を行う。納税者の立場に立った税制議論を行い、
既得権益を打破し、公平で国民が信頼し納得する税制を築く。
まずは歳入予算を定め、それに対応した歳出予算を定めることを基本とする。

という理念を示し、(3)具体的な税制改革プロセス で、

与党内の税制調査会は廃止し、財務大臣の下に新たな政治家を
メンバーとする政府税制調査会を設置し、政治家が責任を持って
税制改正作業及び決定を行う。
地方税については、地方6団体、総務大臣、および、新たな
政府税制調査会が対等の立場で協議を行う。将来的には、
地方6団体を核とし、地方自治体の主体的判断に委ねる仕組みとする。
従来の政府税制調査会は廃止し、代わりに税制の専門家として
中長期的視点から税制のあり方に関して助言を行う専門家委員会を
新しい政府税制調査会の下に置く。
意見集約の過程は公開を原則とする。

と、税の専門家が、中長期的な視点からの税制のあり方を検討し、
具体的な税制改正は財務大臣を中心に政治主導で行うことを明確にした。

確かにこの方が責任の所在ははっきりするが、
問題は政治家が具体的な改正意見を集約しきれない場合には、
官僚主導になりかねない危険性を孕んでいるように思います。

その点が回避できれば面白い見解だと思いますが、皆さんはいかがですか?


平川忠雄先生の21年度改正解説を聞いてきました
2008.12.24

今日24日1:30より、東京ミロク会計人会主催で

平川忠雄先生による

「平成21年度税制改正緊急解説」

が開催され、参加してきました。

平川先生の講演ということもあり、この時期の講演とはいえ、
かなりの盛況でした。

参加して非常に参考になったのは、各種の参考文献が添付され、
非常に見やすいレジュメなので、後で確認しやすい点と、
平川先生の考えがある程度見せてくれた点ですね。

ここでも税制改正について私なりのコメントをさせて頂いておりますが、
平川先生の話を聞いて、大分安心しましたね。
私の考えていた方向が間違ってはいないと確認できましたから。

民主党税調が出てから詳細については、ご紹介させて頂くつもりですが、
平川先生は、住宅・土地税制、事業承継税制をはじめとする
相続税改革に、強い関心があるようでした。


また、今日は、思わぬところで、教え子に出会いました。
平川先生の講演の前に、ちょっと人に会う予定があり、
軽くということで、マックに入ったのですが、
武蔵野情報学園で経営学を教えたTさんが
正社員として勤務していました。

彼女の方が気が付いて、声をかけてくれたのですが、
忙しい中、周りを見る余裕があるのは流石です。

Tさんは、学生時代からマックでバイトしていたのですが、
そのまま正社員として就職したんですね。

非常に明るい子でしたが、元気そうでしたね。
仕事を楽しく出来ているというのが嬉しかったな。

こういうことがあるから、教員家業は辞められない。


21年度予算案、医療、雇用に775億円
2008.12.23

麻生首相は、22日、平成21年度予算案で、
財務省原案に示されなかった約3300億円の重点課題推進枠について、
社会保障や地域活性化に重点を置き、
景気対策重視を改めて印象付けた。
首相は22日、首相官邸で記者団に対し、
重点枠について「医師不足、非正規雇用、食糧自給率など
「生活防衛」と「地方の底力」の2点を基本に配分した」と強調した。
(産経新聞オンライン記事23日8時5分)

中川昭一財務相は22日、平成21年度予算編成の焦点となっている
3300億円の「重要課題推進枠」の配分内容を各省閣僚に内示した。
地域経済の下支えと生活不安の払拭のための施策などに重点配分した。
“生活防衛”の対策として医療や雇用の社会保障に775億円を計上した。
21年度予算案は24日に政府案をまとめ、来年1月の通常国会に提出する。

重要課題推進枠の内訳は(1)社会保障(2)消費者庁・中小企業対策
(3)地域の活性化(4)食糧自給力向上(5)教育・研究開発
(6)成長力強化・外交力強化ーを重点配分項目とした。

社会保障は、医療確保・救急医療対策に304億円、出産・子育て支援に
42億円を配分し、非正規労働者の就労支援に51億円を充てるなど
計775億円とした。生活防衛の消費者庁・中小企業対策としては、
中小企業資金繰り対策の123億円など計255億円を配分した。
(産経新聞オンライン記事23日8時5分)


記事によれば、21年度予算案が具体的に明らかになり、
麻生カラーを打ち出すための「重要課題推進枠」では、
医療・雇用を重視した社会保障政策が打ち出されている。

麻生さんの構想は、安心できる生活を回復させることが
最優先課題だということであろうか。

私の事務所のクライアント親睦会である
三愛会の理念にも通じる考え方ですね。

三愛会の掲げる3つの愛

・ お客様を愛すること
・ 家庭を愛すること
・ 仕事を愛すること

私の代になって、父が標榜したものと若干変えましたが、
基本線は同一のものです。

お客様に愛されなければリピーターが増えません。
お客様目線で提供できる商品やサービスを提供することが
これからの時代では必要なのではないでしょうか。

家庭が安定していなければ、仕事に打ち込むことは出来ません。
家庭生活は、人生の基本を支えるのですから。

好きなことであれば、無理も出来るし、自分から工夫もするでしょう。
いい仕事をするためには、自分の仕事を好きになり、
誇りに思って欲しいですね。

私の事務所の経営方針でもありますが、
お客様が安心して仕事を出来る環境を整えるための
アドバイスができれば、いい仕事をして頂けるのではないでしょうか。


政治の役割も私たち国民が安心して生活できる環境作りだと思います。
組織が大きすぎて中々タイムリーな対応は難しいのかもしれませんが、
手遅れになる前に次の一手を効果的にやって頂きたいですね。


消費税10%へ方針固まる?
2008.12.22

昨日のテレビ番組で、与謝野経産相は、

「2011年から15年までの間に税制の抜本改革をやっていく。
(15年の)消費税率は8.5%から10%。
そこまでいかないと、今の年金・医療・介護は続けられない」
と語り、消費税率を段階的に引き上げていく考えを示した。
その上で、消費税率引き上げによる増収分は、
「年金・医療・介護・子育てなどに使う。
(国民に)全部お返しする。」と述べた。

という。(YOMIURI ONLINE 21日20:51記事)

この与謝野発言は、先日開催された経済財政諮問会議において
示された「中期プログラム」の内容と同様のものであるが、
消費税率の具体的数値が出てきたことは更に突っ込んだコメントである。

中期プログラムについては、先日、ここでも既にコメント済みなので、
そちらを参照して頂きたいが、
注目すべきは、
asahi.com 22日03:03記事である。
これによると、

自民、公明両党は21日、消費増税などの道筋を示す「中期プログラム」
の与党PTの幹部会合を開き、22日に幹事長・政調会長会議を開いて
与党合意を目指すことで一致した。
麻生首相のこだわる消費増税の時期について、
「3年後」は明記される方向だ。
政府原案は「経済状況の好転後に消費税を含む税制抜本改革を
11年度(3年後)より実施」とした。
これに対し、公明党は景気回復の道筋に重点をおくべきだとして、
「11年度までに経済状況を好転させた後、
消費税を含む税制抜本改革を実施」とする案を提示。
会合では「3年後」は残しつつ、原案の一部を修正する方針を確認した。
また、消費増税で確保した財源の使い道として、年金の最低保証額の
引き上げや医療・介護従事者の報酬増、子育て支援の拡充など、
社会保障制度の機能強化に重点的に充てることでも一致。
こうした内容をプログラムにも盛り込む方向で調整する。

という。

つまり、3年後の消費税増税の方向が
自民党を中心とする政権である限り、確定したのである。

しかし、その内容は、社会保障制度の充実のための財源に
限定されており、中曽根元首相が導入を目指した

「福祉目的税」

を彷彿させるものである。

20年以上を経て、消費税導入の源流にあった、
福祉目的のための消費税導入論議に先祖帰りした思いである。

この方向性はあながち間違っていないと思うがいかがであろうか。

低負担・低福祉のままでいいと考えるのか。

それとも麻生さんが打ち出した

中負担・中福祉をめざすのか。

それとも、小沢さんのもともとの考え方どおり、
消費税を20%程度まで引き上げる代わりに、

高負担・高福祉をめざすべきなのか。

我々国民は、真剣に自分の国の将来を

自分の責任で考えなければならない局面を迎えたと考えるべきだろう。


夢をかなえる経営計画
2008.12.20

今日は、公認会計士・税理士の赤岩茂氏が書いた本、
「夢をかなえる経営計画」(TKC出版2008年11月)
を紹介したい。

赤岩氏とは面識がないのですが、不思議と接点が多い先生です。

法政大学経営学部卒で獨協大学で非常勤講師をされておりますが、
私も法政の経営の出で、独協では2年間でしたが、非常勤講師をしていました。
そういう意味では、非常に親近感がわいてきます。

赤岩氏はTKCの方なので、TKCの継続MASシステムを使った
経営計画書を紹介しています。
ただ、私から見ると、TKCのMASは使い勝手に難があるように思います。

実際、経営計画のソフトを販売している某ソフト開発会社の
クライアントの多くはTKCの先生だと聞いています。

本書は目次を見ていただくと、赤岩氏がなぜ経営計画に
着目するのかが良く分かります。

第1章 まだ、成り行き経営をしているのですか?
第2章 会社を元気にする経営計画
第3章 経営計画はこうつくる(利益計画書編)
第4章 経営計画はこうつくる(計画貸借対照表・資金計画書編)
第5章 魂を込めた経営計画は未来をつくる
第6章 歴史上の人物に学ぶ変革期の経営戦略

こういう構成で作られた本書は、経営計画がこのような時代だからこそ
求められるのであり、成長するために必要なのだ、というのですね。

我々税理士業界では、まだまだ経営計画を含めた経営のアドバイスを
行っている方が少ないだけに、啓蒙活動の意味もあって
本書を出されたのでしょう。

社長の頭の中にある漠然としたビジョンや思いを
経営計画という数字を伴った形に落とし込んであげることで、
これから進むべき道を明確にするんですね。

夢を従業員と共有できる会社がこれからの時代では伸びていくのでしょう。

言葉にしなければ実現しない、と言われています。

社長の思いを従業員に見えるようにしてあげること、
これがこれからの事業経営に必要なことなのではないでしょうか。


野党、雇用4法案を強行採決
2008.12.19

民主、社民、国民新党の野党3党が提出した雇用対策4法案は
18日の参院厚労委では、強行採決がなされ、
19日午前の参院本会議において可決された。

これまで与党・自民党による強行採決を散々批判してきたはずの
民主党・社民党・国民新党により強行採決が行われることは、
これまでの批判を自己否定することになりはしないだろうか。

今後の審議に悪影響がでないことを祈りたいところではあるが・・・

政府・与党は、内定取消の規制は現行法で十分対処できる
としているほか、契約打ち切りとなった派遣労働者らの寮など
からの退去の猶予措置をとった企業に、助成金を支払う制度などを
追加雇用対策で打ち出したと協調している。

というが、果たして本当に十分であろうか。

十分であるか否かを検討しきれないうちの強行採決だっただけに、
残念でならない。

今回の野党案には、
現状では制度として保証されているものが何もない
住宅を失った失業者等に対する住宅確保支援について、

住宅貸与と生活支援金月10万(上限)

が謳われており、実効性のある意味のある法案ではないかと思います。

財源措置として雇用保険の財源には疑問を呈さざるを得ないが、
喫緊に必要な措置であり、面子に拘ってもらいたくないところですね。

ただ、山岡国対委員長のやり方が、自民党の悪いところを
コピーしている気がしている。

これでは、民主党に期待をかけている層に反発されかねないであろう。

十分に議論をし尽くし、足並みをきちっと揃えて、
民主党と自民党の主張の違いを国民に理解されるよう、努力をせず、
数の論理、力の論理で推し進めようとするのであれば、
民主党が政権をとったときには、数の論理でゴリ押しをするのだな
と思われてしまっても仕方がないであろう。

法案としていいものを出していると思うだけに非常に残念なところである。

ただ、自民党もしっかりとした対案を出さずに
反対のための反対をするのであれば、
政権担当能力に疑いをもたれても仕方がないところであろう。

早急に対案を持って議論をしていただきたいところである。


足立支部で研修講師をしてきました
2008.12.18

昨日17日、お隣の足立支部で研修講師をしてきました。

先々週に地元葛飾支部でやりました研修と同じテーマですが、
しゃべっていることについては、時間配分のこともあって、
若干違いますが・・・

テーマは「税理士補佐人の経験から」

税理士が補佐人として法廷に立つ場合の役割について、
自分が体験したことをベースに話してきました。

準備書面の段階から弁護士に対して我々の方から
訴状の原案を作っていくべきだということを協調したいところです。

残念ながら、税法に強い弁護士が非常に少ないだけに、
我々税理士がどこまで頑張れるかが、キーになってくるんですね。

幸いにして私の場合には、
税額3億円超の軽油引取税の不当課税事件について、
東京高裁平成20年7月10日判決において逆転勝訴させて頂きましたが、
法律解釈ではなく、事実認定を争っている事件なので、
私が関わっていない地裁でなぜ勝てなかったのか、
疑問が残るところではありますが。

ところで、足立税理士会館には、6年ぶりくらいですかね、
久しぶりに行きました。

亡き父が平成4年5月から平成11年11月まで足立支部に所属しており、
また、父の死後お世話になった事務所の方が独立したときに、
足立で独立し、私も一緒についていったので、
平成12年8月から平成15年1月まで、足立にいたんですよね。

私自身は葛飾で登録しましたが、実務修行のほとんどの時期を
足立で過ごしたわけです。

また、その当時の支部長が、受験仲間のお父様だったこともあって、
公私ともに、非常にお世話になりました。

そういう意味では、愛着のある足立での研修講師は感慨深いものでした。
亡き父も喜んでいるのではないかな、と思います。

補佐人を経験している税理士はまだまだ少ない中、
勝訴経験のある税理士はさらに少ないので、
私の経験が少しでも業界のお役に立てれば嬉しいですね。

これからも積極的に講師をさせて頂きたいと思っています。


経済財政諮問会議、2011年度抜本的税制改革着手を明言
2008.12.17

昨日16日、政府は経済財政諮問会議において、
持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム
の原案を明らかにした。

原案は、
1 景気回復のための減税策
2 国民の安心強化のための社会保障安定財源の確保
3 税制抜本改革の全体像
4 今後の歳出改革のあり方
5 中期プログラムの準備と実行
の5項目に分かれ、工程表まである。

これによると、

まず、減税策については、

世界経済の混乱から国民生活を守り、

3年以内の景気回復を最優先で図るため、

景気回復期間中に減税措置及び定額給付金を
税制抜本改革を前提に時限的に行う。


として、今年度のバラまきとも思える減税策は将来の
税制抜本改革の前段階の時限立法であることを強調する。


次に、

安心強化の3原則として

原則1 中福祉・中負担の社会を目指す。
原則2 安心強化と財源確保の同時進行を行う。
原則3 安心と責任のバランスのとれた安定財源の確保を図る。

の3つを掲げ、公債発行による将来世代への負担のつけ回しをせず、
現在世代にもしっかり負担をしてもらうことを前提に、
充実した社会福祉政策を標榜している。

そのための財源確保のために、税制抜本改革を行うというのだ。

そして、
経済状況の好転後に実施する税制抜本改革の3原則として、

原則1 多年度にわたる増減税を法律において一体的に決定し、
    それぞれの実施時期を明示しつつ、段階的に実行する。
原則2 潜在成長率の発揮が見込まれるかなどを判断基準とし、
    予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとする。
原則3 消費税収は、確立・制度化した社会保障の費用に充てること
    により、全て国民に還元し、官の肥大化には使わない。

の3点を掲げ、経済状況の好転後に消費税を含む税制抜本改革を

2011年度(3年後)より実施し、2015年度までに

段階的に行って持続可能な財政構造を確立する。
このために必要な法制上の措置を2010年にあらかじめ講じておく。


として、2011年度(平成23年度)の税制改正において、

消費税法を改正し、「複数税率」導入を含め、税率構造を見直し、

その反面、「社会保障目的税」とすることを明言した。

税制抜本改正においては、

所得税については、最高税率や各種控除の見直しを図る。
具体的には、「給付金つき税額控除」の検討を図るという。

給付金つき税額控除構想については、
森信茂樹編「給付つき税額控除ー日本型児童税額控除の提言ー」
(中央経済社2008.10)を参照されたい。
また、発想は、かつてイギリスで導入された負の所得税である。
負の所得税については、わが師匠西野敞雄国士舘大学教授が
かつて国士舘法学で書いた論文が存在している。

法人税については、国際的整合性の確保と国際競争力の強化の
観点から、課税ベースの拡大とともに、法人実効税率の引下げを
検討する。

相続税については、格差の固定化防止、老後扶養の社会化の
進展への対処等の観点から、相続税の課税ベースや税率構造
等を見直し、負担の適正化を検討する。

としか、明記されていないが、
遺産税方式から遺産取得税方式への移行が検討されているのは
間違いあるまい。

ただ、遺産取得税方式を50年前に撤廃した理由を考えれば、
諸外国の遺産取得税方式をそのまま持ち込むことには異論がある。

わが国の実情を反映した相続税法の転換であってもらいたいものだ。


また、歳出改革についても

原則1 税制抜本改革の実現のためには不断の行革の推進と
    無駄排除の徹底の継続を大前提とする。
原則2 経済状況好転までの期間においては、財政規律を維持
    しつつ、経済情勢を踏まえ、状況に応じて果断な対応を
    機動的かつ弾力的に行う。
原則3 経済状況好転後においては、社会保障の安定財源確保を
    図る中、厳格な財政規律を確保していく。

という3原則を掲げ、国民に負担を強いる税制抜本改革の前提は、
政府のスリム化であるが、社会保障は削らない方針が明確になる。


政府税調、自民税調、自民予算を通じて、バラまきともいえる
減税策のオンパレードであり、経済下降基調の現状では当然であろうが、
財政規律を重んじる与謝野さんが閣内にありながら、
麻生さんはどうするつもりかと疑いたくもなりましたが、
今回の中期プログラムに時期が明言化され、
税制抜本改革の基本方針が明確になり、評価できる内容になりましたね。

実行能力がどれだけあるのか、麻生さんの腕の見せ所ですが、
果たして・・・


平成21年度自由民主党予算重要政策(基本方針)
2008.12.16

昨日は自民予算政策の項目だけをご紹介しましたが、
今日は、基本方針を紹介します。


世界の金融資本市場は、100年に一度と言われる危機に陥っており、
金融の激変が世界経済を弱体化させている。
わが国経済は、すでに景気後退局面に入っており、輸出、生産、収益が
減少するとともに、倒産が増加している。
今後のわが国経済については、世界的な景気後退を受けて、外需面に加え、
国内需要も停滞し、景気の下降局面が長期化そして深刻化するおそれが
高まっている。

国民生活と日本経済を守る観点から、

「生活者の暮らしの安心」
「金融・経済の安定強化」
「地方の底力の発揮」

の3つの重点分野に対する支援を行うとともに、

内需主導の持続的成長が可能となるよう経済の体質を転換し、

日本経済の「底力」を発揮させる。

また、財政規律の維持の観点から、安易に将来世代への負担のつけ回しは
せず、国民に温かい効率的な政府を目指すという考え方を基本とし、
経済成長と財政健全化の両立を図る。

平成21年度予算においては、国民生活と日本経済を守るため、
次の取組に施策を集中する。

第一に、生活者の暮らしの安心のため、雇用・社会保障、
教育、安全・安心に係る取組を推進する。

第二に、金融・経済の安定強化のため、金融、戦略的国際協力、
中小・小規模企業等支援、成長力強化、低炭素社会の実現に
係る施策を推進する。

第三に、地方の底力の発揮のため、地域活性化、強い農林水産業
づくり、住宅・公共投資、地方財政に係る施策を推進する。

1 経済成長戦力の実現
厳しい経済状況の中、中小企業対策や雇用の確保等に万全を期す。
二度の経済対策における中小企業金融の強化、下請取引の適正化等を
着実に推進し、現下の危機的状況を乗り切り、明るい未来を切り拓く。
一方、危機を克服し、中長期的な成長を実現するために、
わが国の強みを最大限に活用した取組を推進する。

2 経済構造改革に対応した競争環境整備
現下の経済実態や行政課題を踏まえ、改正法により導入された課徴金
減免制度や犯則調査権限を適切かつ積極的に活用し、特に国民生活に
影響の大きい価格カルテルや官製談合を含む入札談合事案、国際カルテル
事案等に厳正に対処するとともに、そのための体制を強化する。
また、中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の濫用や不当廉売、
差別対価等の行為、製造分野・サービス分野における下請法違反行為に
対して迅速・厳正に対処するとともに、そのための体制を強化する。

3 未来を切り拓く教育の振興、文化芸術・スポーツの振興と
成長力の強化の実現
教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため
策定された教育振興基本計画の着実な実施を目指す。
わが国が直面する社会経済の様々な課題を克服し、明るい未来を
切り拓いていくため、科学技術創造立国の実現を目指し、
第3期科学技術基本計画を踏まえ、科学技術を戦略的に推進する。

4 活力ある社会を持続するための施策の展開
国民の医療に対する安心と信頼を確保するため、医師や看護師等の
確保対策、救急・産科・小児科等地域医療の確保、ドクターヘリの
配備など医療提供体制の整備強化、がん対策、高齢者医療の円滑な
運営のための施策等を推進するとともに、後発医薬品の使用促進を図る。

現下の厳しい経済状況の中で、企業は解雇、雇い止め等を行う動きを
急速に進めており、この状況を放置すると、雇用失業情勢は過去最悪の
水準を上回るおそれがある。
このため需要喚起等による雇用創出を行った上で、雇用のセーフティ
ネットの万全を期すため、非正規労働者をはじめとした社会的弱者の
雇用の下支えを行いつつ、雇用保険制度についても適用拡大や
給付改善等の機能の大幅な強化を行う。

出産に係る経済的負担の軽減や地域の子育て支援の充実、仕事と生活の
調和の実現などにより総合的に少子化対策を推進するとともに、
介護従事者の処遇改善など安心で質の高い介護サービスの確保、
障害者の自立支援など障害者の福祉基盤の充実のほか、薬害再発防止の
ための体制の強化、食品の安全対策などの国民の安全と安心のための
施策等を推進する。

6 農林水産業・農山漁村の新たな可能性を切り拓く挑戦
水田等の有効活用等により、食料自給率向上戦略作物の増産を図りつつ、
米粉・飼料用米等の供給体制を整備すると同時に、国産農産物の
利用拡大や国内農業の体質強化を推し進め、食料供給力を強化する。
法人経営や新規就農の促進、地産地消の推進など農業経営を支援する。
食の安全と消費者の信頼を確保する。

低炭素社会の実現に向け、森林吸収源対策を一層推進するとともに、
国産材の利用拡大を図り、社会全体での森林資源の保全・活用による
山村再生システムを構築する。

7 行政改革の推進
効果的・効率的な事業の執行や経費の抑制によって国民負担の上昇を
抑えることの重要性は益々高まり、しかも現下の経済・財政状況を
鑑みれば、積極的な行政改革の推進は避けられない。

独立行政法人、公益法人等については、法人そのものの必要性の精査を
厳密に行うほか、国からの支出については、役員等の報酬、契約等の
あり方、事務事業の必要性等の観点から厳しく見直し、大幅な削減を
目指す。特別会計の支出についても不要不急な事務事業を削減する。

8 地域の活性化と安心できるくらしの実現に向けた財源措置と
総合的施策の展開
地域の活力を呼び覚まし、それぞれの地域が誇りと活力を持つことが
必要であり、地方分権改革を推進することが重要である。このため、
国と地方の役割分担を徹底して見直し、地方への権限委譲や国の
地方公共団体に対する義務付け・枠付けの見直し、条例制定権の拡大等を
図るとともに、地方税財政について、国と地方の税源配分、地方交付税、
国庫補助負担金を地方債に含め一体的に見直し、地方の権限・責任の
拡大にふさわしい地方税財源の充実強化を図る。
全国どのような地域であっても一定水準の行政サービスを提供できる
ようにするとともに、喫緊の課題である地域の元気回復に向けて
自主的・主体的に活性化施策に取り組めるよう、必要な地方税、
地方交付税等の地方税財源の財政措置を講じる。

11 持続可能な社会の構築に向けた取組の本格化により、
環境立国・日本を創造し、世界へ発信する
京都議定書第一約束期間の温室効果ガス排出6%削減目標を達成すると
ともに、実効的な次期枠組みづくりを主導する。2050年に温室効果
ガスの排出を60~80%削減するといった中長期的視点に立ち、環境・
エネルギー技術を育て、環境と経済がともに向上・発展する
低炭素社会・日本を構築し、世界の低炭素化をリードする。

14 ICT分野の国際競争力強化と新たな郵政行政の展開
ICT(情報通信技術)がわが国の経済成長や国際競争力の向上に
大きな役割を果たすものであることに鑑み、ICTの基盤整備の
加速化や産業の国際競争力の強化、利活用の促進及び利活用による
地域活性化、ICTの利用面での安心・安全対策などを総合的に
推進するための施策展開を図る。


平成21年度自由民主党予算重要政策(項目紹介)
2008.12.15

2回にわたって紹介させて頂いた
自民税調平成21年度税制改正大綱と同時に、
自民党は、平成21年度の予算重要政策を発表している。
こちらは21項目、115ページにも上り、
税制改正大綱よりも充実した内容である。

税制改正大綱における平成21年度中の改正事項を理解する上では、
この予算重要政策をあわせて読むことが肝要であろう。

簡単に紹介しよう。

まず、基本方針には16項目、重要政策では基本方針には記載していない
5項目を加えた21項目が取り上げられている。
重要政策で取り上げられているのは次の21項目である。

1 省庁横断的分野における統合政策の推進
(1)大規模地震や風水害等における防災対策の推進
(2)ITの恩恵を実感できる社会の実現
(3)男女共同参画社会の実現
(4)少子化対策・仕事と生活の調和の推進
(5)犯罪被害者等のための施策の推進
(6)自殺対策の推進
(7)食育の推進
(8)障害者施策の推進
(9)交通安全対策の推進
(10)青少年育成の推進
(11)高齢社会対策の推進
(12)科学技術立国の実現
(13)原子力研究開発利用の推進
(14)公共サービス改革の更なる推進
(15)世界最先端を目指した知的財産戦略の推進
(16)低炭素社会づくり
(17)情報セキュリティ政策の推進
(18)消費者長の創設と消費者行政の抜本的強化
(19)国家戦略としての宇宙開発利用の推進
(20)国民保護施策の推進
(21)公文書の保存に向けた体制整備

2 経済成長戦略の実現
(1)現下の経済状況を乗り切るための中小・小規模企業対策
(2)地域経済が活力を取り戻すための総合的な政策の実現
(3)中長期的な成長のための我が国が持つ強みの最大限の活用
(4)着実に取り組むべき重要課題

3 経済構造改革に対応した競争環境整備
(1)厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用
(2)中小企業に不当な不利益を与える行為の取締り強化
(3)競争環境の積極的な創造
(4)競争政策の運営基盤の強化

4 未来を切り拓く教育の振興、文化芸術・スポーツの振興と成長力強化の実現
(1)初等中等教育の充実
(2)社会全体での教育向上への取組み
(3)大学教育の充実と教育の質保証
(4)多様な人材を育む私学の支援
(5)学生が安心して学べる環境の実現
(6)国際教育交流・協力の推進
(7)活力ある社会を支えるスポーツの振興
(8)文化芸術立国の実現と文化発信
(9)科学技術関係人材の育成・確保のための投資の拡充
(10)多様な技術シーズを生み出す基礎研究の充実と国際競争力の強化
(11)国家基幹技術など分野別研究開発の強化

5 活力ある社会を持続するための施策の展開
(1)健康な生活と安心で質の高い医療の確保等のための施策の推進
(2)働く意欲を有するすべての人たちの就業の実現
(3)安定した雇用・生活の実現と安心・納得して働くことのできる環境整備
(4)人口減少社会の到来を踏まえた少子化対策の推進
(5)高齢者等が生き生きと安心して暮らせる福祉社会の実現
(6)障害者の自立支援の推進
(7)国民の安全と安心のための施策の推進
(8)年金記録問題等への対応
(9)各種施策の推進

6 治安の再生

7 安全な社会の実現への取り組み
(1)安全で安心な国民生活を守る警察の体制整備
(2)交通安全対策の推進

8 食料供給力の強化と農山漁村の活性化
  森林資源の整備・活用と林業・山村の再生
(1)国際的な食料事情を踏まえた食料安全保障の確立
(2)農山漁村の活性化
(3)資源・環境対策の推進
(4)低炭素社会に向けた森林資源の整備・活用と林業・山村の再生

9 将来にわたって持続可能な力強い水産業の確立
(1)省エネや構造改革の推進による漁業経営の体質の強化と担い手の育成
(2)加工・流通・消費対策の強化
(3)資源管理・回復の推進
(4)漁港・漁場・漁村の総合的整備、多面的機能の発揮

10 行政改革の推進

11 沖縄振興の推進
(1)沖縄の優位性・強みをより高めるための取組等の推進
(2)沖縄の着実な発展を支える基盤づくり等の推進
(3)沖縄科学技術大学院大学(仮称)設立構想の推進

12 地域の活性化と安心できる暮らしの実現
(1)地方分権の断行、地域の活性化及び地方財政基盤の充実
(2)消防防災行政の積極的推進
(3)各種施策の推進

13 安全、安心な低炭素社会の実現を目指して
(1)低炭素社会日本、低炭素の世界の実現
(2)自然と人間が強制する社会の実現
(3)資源を繰り返し活かす循環型社会への転換
(4)安心して暮らせる安全で豊かな環境の確保

14 将来を展望した防衛力の整備と基地対策の推進等
(1)防衛省改革
(2)安全保障環境を踏まえた防衛力の質的向上
(3)平和協力国家の実現に向けた体制強化
(4)新たな脅威や多様な事態等への対応
(5)宇宙利用・海洋安全への取組
(6)着実な防衛力整備
(7)米軍再編への取組
(8)基地対策等の推進
(9)一層の合理化・効率化への取組

15 国際協力を通じた国益を確保する外交の推進
(1)オールジャパンの総力を結集した機動的外交
(2)平和協力国家として、国際社会の平和と発展への一層の貢献
(3)外交基盤の強化
(4)拉致問題の局面打開・解決に向けた対策の推進

16 ICTによる成長力強化
(1)誰もがICTを利用できるための基盤整備
(2)ICT産業の国際競争力強化
(3)地域におけるICTの徹底活用
(4)ICTのつながり力による産業・社会の変革
(5)ICT安心・安全対策の推進
(6)電子政府・電子自治体の推進

17 安心・安全で豊かな社会と国土の整備
(1)知恵と工夫にあふれた地域の実現
(2)安心・安全の確保の推進
(3)住まいの豊かさの実現
(4)陸・海・空にわたる総合的な交通政策の推進
(5)活力に満ちた総合的な国道政策の推進
(6)北海道総合開発計画の着実な推進

18 司法制度改革の基盤整備へ向けた法務・司法の充実
(1)司法体制の充実
(2)治安・法秩序の維持と国民の権利保全

19 健全で豊かな社会と国土の建設
(1)地方と俊がともに支え合う共生に基づく地方再生の推進
(2)地域力再生機構
(3)地方分権改革の推進について
(4)道州制の導入に向けた検討について
(5)総合的な海洋施策の推進
(6)地理空間情報の活用推進

20 会計検査機能の充実強化

21 その他各種施策の推進
(1)北方領土問題の解決の推進
(2)情報機能の強化


自民党税調平成21年度税制改正大綱(具体的改正内容)
2008.12.14

昨日に引き続き、自民党税調の21年度税制改正大綱を紹介する。
今日は、21年度改正の具体的方針について紹介したい。


大綱第1及び第3 は以下のように指摘する。(抜粋)

わが国経済は、国内的な構造改革の取組や国際面での輸出の進展もあって
息の長い景気回復を続けてきたが、金融資本市場の混乱などにより
世界経済が一段と減速する中、すでに景気後退局面に入っている。

わが国経済に対する下押し圧力は急速に高まっており、今後、景気の
下降局面が長期化・深刻化する恐れも指摘されている。
また、こうした状況の下、大企業と中小企業、正規雇用と非正規雇用、
都市と地方の間などでいわゆる格差の一層の拡大が懸念されている。

平成21年度税制改正においては、このような経済金融情勢に即応し、
世界経済の混乱やそれに伴う国内経済の不振から国民生活を守り、

今年度からの3年間のうちに
景気回復を最優先で実現するとの断固たる決意に基づいて、
わが国の内需を刺激するため、

大胆かつ柔軟な減税措置を講じる。

その際、低炭素化の促進の観点から税制のグリーン化に配慮する。

そのポイントは以下の通りである。

1 住宅・土地税制
(1)住宅税制
住宅投資は内需拡大の柱であり、景気対策として地域経済への大きな
波及効果を見込めるのみならず、国民の将来における豊かな住生活の
実現にも役立つものである。
このため、住宅ローン減税の適用期限を5年間延長するとともに、
制度を大幅に拡充し、特に長期優良住宅については最大控除可能額を
過去最高水準を上回る600万円に引き上げる。

本格的な長寿化社会の到来に備えて高齢者の安心・安全な居住空間を
確保する必要があるほか、低炭素社会の実現に向けて家庭部門における
省エネ対策の重要性が高まっている。
このような経済社会的要請の変化を踏まえ、省エネ改修促進税制、
バリアフリー改修促進税制及び耐震改修促進税制の適用期限を
5年間延長する。

さらに、自己資金で長期優良住宅を新築する場合や省エネ及びバリアフリー
改修を行う場合にも税額控除を認める措置を創設する。

(2)土地税制
平成21年、22年に取得する土地を5年超所有して譲渡する際の
譲渡益について1000万円の特別控除制度を創設する。
あわせて、事業者が平成21年、22年に土地を取得した場合、その土地を
先行取得資産としてその後10年間に売却した他の土地の譲渡益課税を
繰り延べることを可能とする制度を創設する。

土地の売買等に係る登録免許税の軽減措置の現行税率を2年間据え置く。
事業用の長期保有土地等の買換え特例の適用期限を3年間延長する。

平成21年度から平成23年度までの間、土地に係る固定資産税の負担調整
措置の仕組みを継続するとともに、税負担が大幅に増加する商業地等及び
住宅用地について、条例の定めるところにより、税額の上昇を抑制できる
制度を創設する。

2 自動車税制
自動車の販売台数が減少し、裾野の広い関連産業に影響を及ぼしている中、
自動車の買換・購入需要を促進するとともに、今後わが国が目指すべき
低炭素社会の実現につながる措置を講ずる必要がある。

このため、自動車重量税・自動車取得税について、環境性能に優れた
自動車の取得・継続保有に係る負担を21年4月1日より24年4月30日
までに取得・継続検査を受けるときは、免除・軽減する措置を導入する。

3 成長力の強化・地域の活性化
世界的な資源高など、今後長期にわたり継続すると予想される構造問題に
対応し、成長と両立する低炭素社会を実現するためには、省エネ対応を
進め、資源生産性の向上を実現する経済構造への転換が求められている。

このような観点から、企業による省エネ・新エネ設備等や省エネ性能の
高い家電製品等の生産設備等への投資を促進すべく、即時償却を可能とする
措置を2年間延長する等の投資減税措置を講ずる。

4 中小企業対策
中小企業は、わが国経済の基盤となって産業競争力を支えているが、
金融不安や景気後退の影響を受けやすいことから、安心して意欲的に
企業活動が励めるよう大胆な支援措置を講ずることが求められている。

このような観点から、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの
間に終了する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する
法人税の軽減税率を22%から18%に引き下げ、
平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額
について、現在適用が停止されている欠損金の繰戻還付制度の適用を
復活させることにより、赤字に陥った中小企業の資金繰りを支える。

5 農林漁業対策
農地制度の見直しに伴い、相応の見直しを行う。

6 相続税制
相続税制の計算方式の見直し、負担水準の適正化等については、
税制抜本改革の際に実現を図るものとする。

平成21年度改正においては、相続税制の喫緊の課題に対応するため、
中小企業の事業の円滑化を通じた雇用の確保や地域経済活力の維持を
図る観点から、新たな事業承継税制を導入し、
取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度等の創設とともに、
取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度等をあわせて創設する。

7 道路特定財源
平成21年度予算において道路特定財源制度を廃止し、都道府県及び
市町村に対し財源を譲与する目的規定に改める。

道路特定財源の一般財源化に伴う関係税制のあり方、特に暫定税率分も
含めた税率のあり方については、今後の税制抜本改革の際に検討する
こととし、それまでの間、地球温暖化問題への国際的な取組み、地方の
道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、現行の
税率水準は維持する。

8 金融・証券税制
金融市場については、金融所得課税の一体化を推し進め、簡素で
分かりやすい制度とすることで、個人投資家が投資しやすい環境を
整備することが重要であり、引き続き取り組んでいく。

上場株式等の配当等について、現下の経済金融環境にもかんがみ、
現行税制の3年間の延長を行う一方、その後の金融所得課税の一体化の
取組みの中で、少額投資のための簡素な優遇措置を創設する。

具体的には、10%軽減税率が廃止され20%本則課税が実現する際に、
5年間毎年100万円までの上場株式等への投資に係る配当・譲渡益を
非課税とする措置を導入するため、平成22年度改正において
法制上の措置を講じる。

9 国際課税
わが国企業が海外市場で獲得する利益の国内還流に向けた環境整備が
求められる中、間接外国税額控除制度を廃止し、平成21年4月1日以降
開始する事業年度から、外国子会社配当益金不算入制度の創設等の措置を講じる。

10 円滑・適正な納税のための環境整備
電子認証の普及拡大の観点から、電子証明書を有する個人の電子申告に
係る所得税額の特別控除制度の適用期限を2年間延長する。
課税の適正化を図る観点から、外国法人が受ける割引債の償還差益に
対する課税の見直し等を行う。

11 その他の政策税制

12 その他


大綱は以上の12項目について、検討しているが、
「バラマキ」と批判されても仕方がないほど、

減税策のオンパレードであり、

将来の財政破綻が容易に想像できる内容である。しかし、麻生首相は、
3年後の消費税増税を明言しており、まずは経済対策と言い続けた
麻生さんらしい単年度の方針であろう。

麻生首相は、直接税を諸外国並に引き下げ、消費税を諸外国並に
増税することにより財政規律を図ることを狙い、
社会のグリーン化を狙っているのではないだろうか。


自民党税調平成21年度税制改正大綱(抜本改革の方向性)
2008.12.13

平成21年度の税制改正大綱が自由民主党税制調査会から
12日、発表されました。

翌13日の公明党のニュースによると、
自民党津島税調会長、公明党井上税調会長が出席した上で、
両党の合意により与党税制改正大綱が決定したとされていますから、
この自民税調による大綱が、そのまま与党の大綱となったようです。

そうすると、今度の通常国会では、この大綱に基づいた
税制改正法案が提出され、国会での論議の中で一部修正される
項目もあり得るであろうが、概ねこの通りに改正される運びとなった。

我々税理士が肝に銘じなければならないのは、
10月24日の遡及立法事件福岡高裁敗訴の記事(詳しくは検索して下さい)
でも書きましたが、適用限界2週間程度の新聞の片隅に掲載された
税制改正大綱の記事や、一部の税理士等による喧伝活動のみで
納税者への周知がある程度できているとする裁判所の姿勢である。

これでは、情報をいち早くクライアントに提供できなかった
税理士の専門家責任は免れることは出来ず、節税が出来なかった
納税者から税理士賠償訴訟を提起されたら、勝てないことに
なりかねないのである。

そこで、今日、明日で、自民党税制改正大綱を簡単に紹介する。

70ページに上る大綱は、以下の4つに分けれている。
第1 平成21年度改正の基本的考え方
第2 税制抜本改革の全体像
第3 平成21年度税制改正の具体的内容
第4 検討事項


第1、第3の具体的な内容については、明日の記事で紹介することとし、
今日は、先送りされた税制の抜本改革について検討したい。


大綱は、第2において、次のように記載する。(抜粋)

昨年の税制改正対抗において、後世代に負担を先送りしないために
必要な措置について、不退転の決意でその具体化に取り組む決意を述べ、
これまでも累次にわたって税制抜本改革の早期の実現を訴えてきた。

その基軸となるべき消費税率の見直しについては、現下の厳しい
経済金融情勢をかえりみれば今その実施のタイミングにない。

しかし、毎年1兆円規模で費用が増大する社会保障制度の持続可能性の
確保はもとより、来年度から実施する基礎年金国庫負担割合の
2分の1への引き上げや、社会保障の機能強化に対する国民の要請に
適切に応えていくためには、制度準備を整えた上で、

経済情勢の好転後、

速やかに税制抜本改革を実施する必要がある。

1 個人所得課税については、格差是正や所得再分配機能の回復の
観点から、各種控除や税率構造を見直す。

2 法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の
観点から、課税ベースの拡大とともに、法人実効税率の引下げを検討する。

3 消費課税については、その負担が確実に国民に還元されることを
明らかにする観点から、消費税の全額が社会保障給付と少子化対策に
充てられることを明確化した上で、税率を検討する。

4 自動車関係諸税については、税制のあり方及び暫定税率を含む
税率のあり方を総合的に見直し、負担の軽減を検討する。

5 資産課税については、格差の固定化防止、老後扶養の社会化の
進展への対処等の観点から、相続税の課税ベースや税率構造等を見直し、
負担の適正化を検討する。

6 納税者番号制度の導入の準備を含め、納税者の利便の向上と
課税の適正化を図る。

7 地方税制については、地方分権の推進と、国・地方を通じた
社会保障制度の安定財源確保の観点から、地方消費税の充実を
検討するとともに、地方法人課税のあり方を見直すことにより、
税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進める。

8 低炭素化を促進する観点から、税制全体のグリーン化を推進する。


その上で、第4の検討事項において、以下のように記述する。(抜粋)

1 グリーン環境投資の拡大を通じて内需拡大に貢献し、経済社会、
国民の生活行動の変化を招来するよう、環境先進国として、
未来に向けて低炭素化を思い切って促進する観点から、
税制のグリーン化を推し進める。

2 少子・高齢化が急速に進展し、本格的な人口減少社会が到来する中、
社会全体の意識改革や働き方の見直し、税制面においても少子化対策を
支援していくことが重要な課題となっている。
扶養控除のあり方を検討するとともに、少子化対策のための国・地方を
通じて必要な財源の確保について、税制抜本改革の中で検討する。

3 要援護高齢者等の介護費用に係る税制上の措置については、
介護保険の実施状況や介護保険制度改革に向けた検討状況を勘案しつつ、
税制抜本改革における特別な人的控除の見直しとの関係等も踏まえ、
具体的な検討を行う。

4 企業年金、確定拠出年金等に係る税制については、年金制度改革の
議論等を見極めつつ、拠出・運用・給付段階を通じた課税のあり方に
ついて抜本的な見直しを行う。

5 納税者番号制度は、的確な所得把握を通じて適正・公平な課税の
実現に資するものであるが、行政効率化に資する異議も大きい。
現行の住民票コードの活用や、社会保険番号との関係との整理等を
含め、国民の理解を得て、早期かつ円滑な導入を目指すべきである。

7 市街化区域内農地については、都市計画制度等の見直しの中で、
農地に係る制度上の位置付けや保全・利用のあり方の検討を行い、
それを踏まえ、相続税の納税猶予制度のあり方について
必要な見直しを検討する。

8 試験研究等を目的とする独立行政法人を指定寄付の対象とする
措置については、その事業実態を見極めつつ、対象となる法人の
範囲等について、平成22年度税制改正に向けて具体的に検討する。

12 近年、国際条約の発効や国民の健康増進の観点から、たばこ消費を
積極的に抑制すべきとの指摘も出てくるなど、たばこをめぐる環境は
変化しつつある。たばこに関するあらゆる健康増進策を総合的に検討
した結果を受けて、たばこ税のあり方について、必要に応じ、検討する。

13 酒税のあり方については、税制の中立性・公平性・国際性の
観点や財政状況等を踏まえ、酒類間の税率格差を縮小する方向で、
税制抜本改革も念頭に置きつつ、引き続き検討する。

15 公益法人制度改革に対応する税制上の措置については、
新制度施行後の実態を見極めつつ、必要な見直しを引き続き検討する。

16 金融危機の中、世界的に開発資金の確保が一層困難になることが
予想される一方、途上国支援のための資金の需要は依然として大きい。
こうした状況を踏まえ、また地球温暖化対策の一環として、国際社会が
共同して途上国を支援するための税制のあり方について、
納税者の理解と協力を得つつ、総合的に検討する。


自民税調による税制改正大綱は、明日検討する具体的な改正案と同時に、
先日の政府税調の答申が新しいことを何も検討せず、ただ先送りにした
のとは異なり、責任政党として、来年以降に抜本的税制改正を
どのように取り組んでいくのかの道筋を約1割の8ページに渡って、
かなり具体的な方向性を示してくれている。

この答申に民主党税調がどう応えてくれるのか。

私としては、民主党が責任政党としての政権担当能力を
持っているか否かを図るためのバロメーターとして
期待したいところである。


与党税調答申本日公表、麻生色なしか?
2008.12.12

与党税調の平成21年度税制改正答申が
本日公表される運びとなっている。

先日来、小出しに色々な情報が流れてきているが、
タバコ税の増税が見送られ、
消費税増税についても麻生首相が明言していた
3年後の増税方針は明記されない方向で固まっているという。

先月28日には、政府税調の答申が公表されているが、
政府税調は、昨年の自らの答申において明言していた
平成21年度に抜本的税制改正について一切の言及をせず、
全てを先送りにした。
今回、与党税調においても、抜本的税制改正については、
景気回復後に先送りする方針であり、麻生色のある税制改正の
目玉商品といえるものは、何もないようである。

YOMIURI ONLINE 2008年12月12日07:52記事によると、

政府・与党が11日、2009年度税制改正の焦点となっていた、
たばこ税の引き上げを見送る方針を決めたのは、支持率急落で
指導力が低下した麻生首相が、与党の反対論を
抑えきれなかったためだ。
(略)
与党では増税反対論が高まっていたが、財務省は首相の意向を
盾に正面突破を図ろうとした。10日の自民党税制調査会の
津島雄二会長、柳沢伯夫小委員長からの報告を踏まえ、
首相が増税検討の指示を出すーーという筋書きを描いていた。
しかし、同日の首相との会合で、柳沢氏は「景気対策で減税を
やろうという時に、何百億円のたばこ税にこだわるんですか」
と反発したという。首相は指示を出さず、財務省の思惑は
不発に終わった。
中川財務相が税調幹部との調整に乗り出すこともなかった。
2006年度税制改正でたばこ税引き上げを決める際、慎重だった
党税調の会合に谷垣財務相(当時)が出席し、幹部を説き伏せた
のとは対照的だった。津島氏は11日、記者団に「予算編成に絡む
話なら財務相が言ってくるなら議論してもいいが言ってこない。
首相の指示もない。」と、政府の根回し不足を批判した。


麻生色を打ち出して、指導力を示して頂かなければならない時に、
何も指示がないのでは、党税調も麻生色を打ち出しようもないであろう。
ただ、消費税の3年後増税方針については、首相就任当時から
明言していただけに、この点の見送りは、
選挙目当ての甘言に見えてしまう。

いずれにしても、与党税調の改正答申を読んでの話になるが、
公表前に聞こえてくる話からは、麻生色は見えてこない。

すでにここでも紹介している損益通算遡及適用事件のことも
ありますから、与党税調がどのような答申を示してくるのか、
来年1月からの適用予定の改正が入るのかどうか、
早急に見極める必要がありますね。


英語がしゃべれなくても・・・
2008.12.11

昨晩、スウェーデンのストックホルムで、
ノーベル賞の授賞式がありました。

日本人が3人同時に受賞したこともあって、
注目度も高かったのではないでしょうか。

私はニュース映像を見て感動致しました。

式典では日本語を使っているではありませんか。
英語を話せない益川京産大教授へのご配慮のことと思います。

彼らは、自分たちの流儀に周りが合わせることよりも、
偉大な研究者が、寛げる場を提供することによって、
その場を共有できることを喜んだのでしょうね。

益川先生は、受賞記念講演を日本語で行いました。
ご本人は英語がしゃべれないだけ、とコメントされていますが。


我々日本人にとって、特に学生時代に英語が苦手だった方には、
周りが英語という環境はストレスになりますね。

私自身も、大学受験を決意した高校3年の5月に、
英語の偏差値28を記録していますからね。

今でこそ、専門誌を読むだけなら余り苦労しませんが、
英語が受験科目になければ、浪人もしなかったかもと思います。

ただ、益川先生を見ていますと、
あの方は英語がしゃべれないことを
コンプレックスとして表には出していませんよね。
また、周りも益川先生が英語をしゃべれないことを
分かってくれていますよね。

日本語であっても、周りが納得する実績なり、
尊重される何かをもっている方になれば、
英語圏の方も、英語の通訳を付けて対応するんですね。

ちょっと古い本ですが、
本田健氏の「ユダヤ人大富豪の教え」
(コミック版の文庫はだいわ文庫から2007年に出ています)
によると、本田氏は剣道着でパフォーマンスをしたことで、
アメリカでのセミナー講師としての成功のきっかけを掴んでいます。

成功したいと思う方には是非一読をオススメします。

この本を読むと、スピーチの良し悪しではなく、
自分が伝えようとする思いの強さが、観衆を魅了するのであって、
成功するためには、その思いをどのように伝えるかを
考えることだということが分かってきます。

英語も言語である以上、コミュニケーション手段でしかありません。
英語が上手い方でも、伝えたい内容がなければ、意味がない。

益川先生も、苦手な英語でニュアンスが伝わらなくなるのであれば、
日本語でスピーチした方が、自分らしくスピーチが出来ると
考えたのではないだろうか。
共同研究等で英語圏の方とも一緒に研究されたことも
あるはずですから、英語が全くダメという、日本人に多い
英語コンプレックスではないはずです。

英語がしゃべれなくても、それを補うに余りある自分の武器を磨く方が、
自分の人生を輝かすためには、必要なことではないでしょうか。


一人親方に対する外注費の課税仕入該当性
2008.12.10

一人親方に支払った金員を外注費として課税仕入に算入したところ、
給与であるとして課税仕入該当性が否認された
東京地裁平成19年11月16日判決(TAINSコードZ888-1365)
東京高裁平成20年4月23日判決(TAINSコードZ888-1366)
を紹介しよう。

本件は、地裁、高裁とも、納税者が敗訴しており、
特に高裁は、引用判決であるため、地裁を検討することにしよう。

1.事件の概要
本件は、電気工事の設計施工等を業とする原告が、原告の業務に
従事した者6人に対して支払った金員につき、これらを請負契約に
基づいて支出した外注費に当たるとして、同金員を課税仕入れに係る
支払対価の額として計上するとともに、同金員に係る源泉所得税を
徴収納付することなく、平成13年3月期、平成14年3月期、平成
15年3月期消費税等の確定申告等をしたところ、S税務署長から、
同金員は、所得税法28条1項に規定する給与等であり、消費税法上、
課税仕入れに係る支払対価の額に該当せず、原告において、その支出に
係る各月分の源泉所得税を徴収納付しなければならないとして、
本件各課税処分を受けたため、これらの処分の取消しを求める事案である。

2.前提事実
ア 本件各支払先は、いずれも原告との間で日当を口頭で約束し、
原告が元請業者から請け負った電気配線工事等に従事していた。
イ 本件各支払先は、それぞれが作業に従事する各仕事先において、
原告代表者又は元請業者の職員である現場代理人の指揮監督の下、
電気配線工事等の作業に従事していた。
ウ 本件各支払先は、各仕事先で使用する材料や道具類、作業着等を
原告又は元請業者から無償で支給されていた。
エ 本件各支払先は、電気配線工事等に従事するに当たり、原告に
対して、現場名、出勤日、残業時間及び夜間勤務日等を記載した
出勤簿等を作成し、これらを提出していた。
オ 原告は、本件各支払先から提出された書面に基づき、本件各支払先に
対する支払金額として、基本給、残業給、遅刻減給等記載した
労務費明細書を作成していた。
カ 原告は、労務費明細書に基づき、本件支出金を支払い、(1)本件
支出金を外注費として経理し、給与等の源泉徴収の対象とせず、(2)本件
支出金を課税仕入れに係る支払対価の額として、消費税等の申告を行った。
キ 元請業者は、その下請業者を管理するために、協力業者登録申請書
並びに協力業者従業員名簿及び下請業者内訳書等の提出を求めていたが、
本件各支払先は、協力業者従業員名簿に記載されていた。
ク 原告は、本件各支払先が受診した定期健康診断の費用を負担していた。
ケ 原告は、本件各支払先に対して食事代、慰労会及び忘年会等の費用の
一部を負担し、これらの負担額を福利厚生費として経理していた。

3.裁判所の判断
(1) 事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性
及び有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが
客観的に認められる業務から生ずる所得をいい、これに対し、給与所得
とは、雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に
服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいうものと
区別することが相当であり、給与所得については、とりわけ、給与支給者
との関係において何らかの空間的又は時間的な拘束を受け、継続的ないし
断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるもので
あるかどうかが重視されなければならない(最高裁昭和56年判決参照)。

(2) 本件各支払先は、原告から指定された各仕事先において原告代表者
又は元請業者の職員である現場代理人の指示に従い、電気配線工事等の
作業に従事し、基本給、残業給、遅刻減額分を労務の対価として
得ていたこと、この間、原告に常用される者として他の仕事を兼業する
ことがなかったこと、各仕事先で使用する材料を仕入れたことは
なかったこと、ペンチ、ナイフ及びドライバー等のほかに本件各支払先
において使用する工具及び器具等その他営業用の資産を所持したことは
なかったことなどが認められるところ、さらに、原告が本件各支払先に
係る定期健康診断の費用を負担していたこと、原告が福利厚生費として
計上した費用をもって本件各支払先に無償貸与する作業着を購入していた
ことなどを総合的に考慮すると、その労務の実態は、いわゆる日給月給で
雇用される労働者と変わりがないものと認めることができるから、
このような本件各支払先について、自己の計算と危険において独立して
電気配線工事業等を営んでいたものと認めることはできない。

(3) 本件では、たとえ原告と本件各支払先の間でその労務が請負契約に
基づくものであるとして取り扱う旨の認識があったとしても、本件
各支払先としては、原告に対し、ある仕事を完成することを約して
労務に従事していたと認めることはできず、労働に従事することを
約して労務に従事する意思があったものと認めるのが相当であり、
実際、原告と本件各支払先の契約関係では、他人の代替による労務の
提供を容認しているとは認めることができないこと、本件各支払先は
原告代表者又は元請業者の職員である現場代理人の指揮命令に服して
労務を提供していたことが認められることなどからすると、本件
各支払先による労務の提供及びこれに対する原告による報酬の支払は、
雇用契約又はこれに類する原因に基づき、原告との関係において空間的
又は時間的な拘束を受けつつ、継続的に労務の提供を受けていたことの
対価として支給されていたものと認めるのが相当である。

(4) 原告が元請業者に対し、本件各支払先を原告に在籍する従業員として
記載した協力業者従業員名簿を提出していることからも裏付けることが
でき、また、原告において本件各支払先に対して食事代、慰労会及び
忘年会等の費用の一部を負担し、これらの負担額を福利厚生費として
経理していたことからも裏付けることができる


以上のような判断から、本件では、納税者敗訴となったのであるが、
本件判決は事例判決として捉えるべきであろう。

本件では、原告と一人親方とは正式な契約を締結せず、外注先であれば
当然に交際費で経理処理されるはずの一人親方の食費等の負担が
福利厚生費として処理されていることを考えれば、勤務実態から見ても、
原告の認識も給与でしかなかったことが伺える。

一人親方の外注費処理は建設業において広く一般的に行われていると
思われるが、少なくとも契約を交わし、日報は書くにしても、各々から
請求書をもらって支払っているのであれば、問題あるまい。

少なくとも書証がない本件では、課税庁の主張を覆す材料がなかったものと
考えられる。
我々税理士は、日常業務の段階から、租税訴訟をにらんで、
税務調査において、課税当局に対して堂々と主張できるよう、体制を
整えておくべきである。少なくとも、書証を確認することは基本であろう。

闘えないケンカを挑まれないよう、注意せねばなるまい。


租税訴訟第2号ー日本の税制改革の主要論点ー
2008.12.09

租税訴訟学会の機関紙「租税訴訟」第2号が発行されました。

私は研究提言部会の理事として参加しております。

第2号は、4月15日に第20回記念研究会において行われた
パネルディスカッション「日本の税制改革の主要論点」
を中心に、8名の会員の先生方が論文を出されています。

パネルディスカッションのメンバーは
山本守之副会長(研究提言部会担当)をコーディネーターに
山本二郎会長(弁護士、前東海大学教授)
藤曲武美理事(税理士)
阿部泰久氏(経団連)
森信茂樹氏(国税庁、中央大学教授)
の5名で、非常に活発な議論が行われました。

平成21年改正で税制の抜本的大改正が行われる予定でしたので、
ちょうどこのタイミングで発行すると、タイムリーだったのですが、
先日もここで書いたように、税調の答申が、あんなへたれた
ものでしたので、温度差を感じずにはいられません。

ただ、自民党税調において、
活発な議論がなされているようですので、
それがまだ救いのような気がします。

租税訴訟学会は、弁護士・税理士が学者とも協調しながら、
納税者の権利を擁護していくために作られた学会の1つです。

特に、とかく税法に疎いと言われ続けて来た弁護士たちが
かなり積極的に参加し、会長は国税出身の学者であった
山田二郎弁護士、副会長にも弁護士と税理士をともに登録する
青木康國弁護士、山下清兵衛弁護士が就かれており、
弁護士が中心に入っている学会である。

実際、租税訴訟になったときには、税理士は弁護士とともに
補佐人として訴訟参加することができるにすぎないですから、
我々税理士としても、税法に詳しい弁護士が増えてくることは
非常に喜ばしいことですね。

この学会が起爆剤になって、
租税訴訟の勝訴率を更に向上させていきたいものです。


中小企業の法人税軽減税率引下げ方針(自民税調)
2008.12.08

自民党税調は、6日、資本金1億円以下の中小企業の所得金額を
対象に、年800万円まで22%に軽減している法人税率を
18%程度まで引き下げる方針を固めた。
2年程度の時限措置として実施する。赤字転落した中小企業が
前年度納めた法人税を還付する制度の適用条件も時限的に
緩める。今月中旬にまとめる2009年度税制改正大綱に盛り込む。
法人税の軽減税率をさらに引き下げることで、景気悪化による
収益悪化に苦しむ中小企業を支援する狙いがある。現在、
資本金1億円以下の中小企業は、所得金額のうち年800万円以下の
部分は22%の軽減税率、800万円を超える部分には本則の30%が
課されている。財務省によると国内法人のうち約99%が
資本金が1億円未満だ。(YOMIURI ONLINE 12.7 09:14記事)


正直、赤字会社が大量に出る恐れが高いので、軽減税率が
引き下げられてもそれほど効果はないように思います。

しかし、繰戻還付の要件軽減は大きいですね。

多くの中小企業(特にベンチャー企業)は、収益に安定感がなく、
収益の変動幅が大きいですから、前年度に大きく利益を出しても、
翌年以降の利益に繋がる保証はない。

それゆえに、過度な節税策を求める理由にもなってきている
気がするが、繰戻還付があれば、翌年に赤字になれば、
前年に支払った法人税等が還付になるわけで、
無理な節税(租税回避?)をしなくてもいいことになる。

もともと繰戻還付は、橋本内閣のときに適用停止になったもので、
10年以上、創業から5年以内の法人を除いて、適用除外になっている。
これが条件緩和により、適用できる会社が増えるというのだ。

歓迎すべき税制改正である。

政府税調への失望感が強かっただけに、党税調、与党税調の
税制改正大綱に期待したいところである。


会計RPG もえビジ 密室の女子大生会計士
2008.12.07

山田真哉先生の小説の主人公であるはずの
女子大生会計士 藤原萌実先生が書籍デビューした!?

本書「会計RPG もえビジ 密室の女子大生会計士」角川書店
は、会計の考え方を知る上では、非常に読みやすい本である。

本書の目的は、プロローグでの萌さんとカッキーの会話に
はっきりと現れている。

「「ROE(自己資本利益率)=当期純利益÷自己資本×100」ですか・・・
まあ、日経新聞は楽しく読めるようになるかもしれませんね」
「なに言ってんのよ。そんなの教えた端から忘れてくに決まってるじゃない。
・・・あのね、本当に伝えるべきは、会計の知識じゃなくてその考え方なのよ」
「考え方?」
「そう。そりゃ、会計の技術をちゃんと身につけたいって人には、
簿記から教えたほうがいいと思うわよ。でもそういう人は
「ビジネスパーソンのためのワンポイント会計講座~これであなたも
会計が好きになる~」なんてものにわざわざ来ないでしょ?」
「まあ・・・そうかもしれませんね」
「大切なのは通り一遍の知識じゃないわ。世の中を生きていくための知恵なの」
「知恵、ですか」
「そうよ。世の中には知識をギュウギュウに頭に詰め込んで「自分スゲエ」
って勘違いしているバカもいるけど、そういうヤツって大抵小物じゃない。
もちろん実務には知識も必要だけど、はっきり言ってそれだけじゃ成功
しないでしょ。――私、明日はそういうことを伝えたかったのよ」
「・・・・・・」
「要はさ、ビジネスなんて知識じゃなく考え方なんだ、って」
(本書6-7ページ)

会計本や税務本の類の実務指南書の多くは、実務家が実務家向けに書いている
ことが多く、とかく、素人には理解不能なものが多い。

ここで私が書いている多くの記事も、そういう嫌いがあるのは事実だが、
わざとやっているところもあります。

ただ、知識ではなく、知恵やものの考え方が、ビジネスの現場では
一番大事なことだと、思っています。

そういう意味では、本書は、会計本には珍しい
会計の考え方が素人にも理解できるように書かれている。

山田真哉さんの女子大生会計士シリーズやさおだけやがヒットしたのには
そういうことが下地になっているのだろう。

解説でも山田氏は

数字をほぼ使わずに会計の知恵を伝えるという試みは
ほぼ成功したのではないでしょうか。(本書133ページ)

と書いていますが、まさにそのための本です。

税理士の説明がよく分からないと感じている社長様、
ビジネスの現場で活躍するビジネスパーソンに是非読んで欲しい本ですね。


法政大学における寄附講座
2008.12.06

一昨日、法政会計人会と法政大学との話し合いがありました。
大学側のコーディネーターが、私の恩師の1人
(事実上法政には師匠が2人います)である
神谷健司経営学部長でもあり、
本来は私も幹事の1人として出席しなければならないところでしたが、
一昨日は、昨日の記事にも書いたように、
東京税理士会葛飾支部で研修講師をしておりましたので、
出席できませんでした。

法政会計人会事務局長の武田先生(荒川支部)から連絡があり、
来春から3年間、日本税理士会連合会寄附講座として
法政の経営学部で、法政出身の税理士による講座が
開設されることが決まりました。

冒頭には、東京税理士会会長である山川巽先生(法政OB)が
ご挨拶される予定で、
私は「税務調査と税理士の役割」について担当することになりました。

後輩たちに税理士の役割をしっかり伝えることによって、
私たちの後に続く税理士を目指す者も出てくるでしょうし、
ビジネスの現場で税理士の必要性を実感する者も出てくるでしょう。

特に、税理士を探そうとする後輩たちが、
自分のニーズに合う税理士を探そうとするときの指針を
ある程度示せたらいいなと思っています。

来週の幹事会で、先輩方に会えるのが楽しみです。


税理士会で研修講師をやってきました
2008.12.05

昨日、税理士会の葛飾支部で、研修講師をやってきました。
テーマは「税理士補佐人の経験」。

私が実際に補佐人として、高裁逆転勝訴を勝ち取った
東京高裁平成20年7月10日判決を題材にして、
税理士の中でも経験者が少ない補佐人について、
私がとった戦略と役割について話してきました。

実名を出さないと分かりにくい事件のため、
オフレコということで、ホワイトボードを使って話をしました。

現在上告中ですが、事実認定の争いですので、
上告不受理になるものと考えています。

ここでも何度か書いていますし、判例紹介でも紹介済みなので、
詳しくは書きませんが、(過去の記事をご確認下さい)
税額3億円を超える軽油引取税の不当課税の事件です。

原告はこの事件において自己が代表者であった休眠会社の名義を
名義貸しただけではなく、連絡役の役割を担っていたため、
主犯であると誤認されたのですが、
この事件で軽油の製造に関わったE社の乙は、
別件の軽油引取税脱税事件(税額8000万円)の共犯者として
2年の実刑を受け、収監されています。

しかし、東京都のU調査官の地裁での証人尋問調書によると、
原告に対しては刑事告発の要件に至らなかったと言います。

8000万の共犯者が実刑を食らうのに、
同種の事件で、3億の主犯者が刑事告発されないのは、
どう考えてもおかしいですよね。

地裁は東京地裁の民事3部で負けたので、
高裁での戦略は

「原告は軽油を作っていないし、売ってもいない、ただの連絡役である」

ではなく、

「仮に地裁の事実認定が正しいとしても、

名義がA社であり、F商会であるから、A社やF商会の実態が
存在しないもしくは形骸化していることを一切立証していない
本件では、最初から原告を納税義務者と考えることはできない

原告が主犯であるとしても、丁・辛ら他の主犯格の責任を一切
検討せず、原告のみに納税義務があるとした課税処分は違法である
(つまり、原告は丁・辛らに彼らが負担すべき税額を一切請求できない)
もしこれを許せば、丁・辛らは一切納税義務を負うことがなく、
不当な課税処分である」

という方向から攻めることにしたのです。

その結果、高裁での全部取消という形での逆転勝訴。

税金事件で地裁で課税庁が勝ち、高裁で逆転した事件は、
少なくとも私は他に知りません。

この事件について、来週12日に、(株)ミロク情報サービスの
研究機関である税経システム研究所にある租税判例研究会
(座長は大渕博義中央大学教授)で判例研究の担当として
発表してきます。

また、再来週17日には税理士会足立支部で研修講師として
この話をする予定です。

それまでに最高裁の結果が出てくれると嬉しいのですがね。


タイの反政府行動と空港閉鎖騒動について思う
2008.12.04

3日午後になってようやく、反政府団体が不法占拠を続けていた
新バンコク国際空港など2空港から撤収し、運航が再開された。
ただ、空港閉鎖が約1週間続いたため、輸出入業者や観光業者が
蒙った損害は甚大だ。

タイ政府などによると、空港閉鎖により約35万人の外国人が足止めされ、
経済損失は1千億バーツに上るという。

日本からもタイには随分進出していますから、
日本経済に与えた影響も少なくないでしょう。

何でこんなことになったんでしょうか。

政治に殆ど無関心で、政策の違いにも関心を示そうとしない日本人には
東南アジア社会の暗部は見えにくいかもしれませんね。

タイの場合には、王様を中心として身分制社会を基礎として築かれた
守旧派エリート層と、経済開放によってもたらされた経済的繁栄を
基礎とする新興エリート層との対立が色濃く見え隠れしている。

今回の騒動も8月の首相府占拠と構図は全く同一で、
選挙違反を組織ぐるみを行ってでも政権奪取に動いた新興勢力の
タクシン元首相派と、国王を頂点にすえた立憲君主制を求める守旧派の
反発という構図である。
これに軍部が絡んでいるために、複雑な様相を見せる。

もともと、タクシン元首相は2006年9月の軍部によるクーデターにより、
政権を失い、追い討ちをかけるように、亡命していたイギリスからは、
この10月に国有地取引を巡る裁判で禁固刑が確定したことを理由に
ビザを無効と判断されている。

そんな中で、義弟ソムチャイ首相が憲法改正をもくろんだことから、
これを阻止すべく、反タクシン派が空港占拠という暴挙に出たというわけだ。

空港占拠のさなか、先の選挙における組織ぐるみの選挙違反に対する
判決が下され、政権与党3党に対して政党の解散命令が下り、
ソムチャイ首相の公民権停止など、ソムチャイ政権崩壊が演出され、
ようやく大混乱の空港占拠事件は終わりを告げようとしている。

ただ、タクシン派は受け皿政党を作っており、選挙のやり直しをしないと、
事態は収まらないかもしれない。
一時休戦というのが実情であろう。


海外事業拠点を置くに当たり、政治の安定は欠かせない要素の1つである。
わが国経済の戦後復興は55年体制と称される安定政権もプラス材料であった。

しかし、アジアはそうはいかない。
中東では、宗教の問題もあるが、タリバンが何ゆえ生き残れるのか。

教育の充実とオープンな情報が確立されれば、
彼らが指示される所以は失われていくであろう。

タクシン派が庶民から期待されるのは、
日本でも田沼か水野かと同じ論理で、
タクシン氏の経済運営が国民の支持を受けているからである。
それによってどれだけ私腹を肥やそうとも、指示されるのである。

カリスマ性等の差はあれ、政治力では
かつての田中角栄元首相を思わせる豪腕振りではないか。

ただ、日本から事業拠点を作るための判断基準として、
政治的な安定性は不可欠な要素であろう。

政治が安定しないから今回のような暴挙も起こりうるのであって、
若年層の教育にしっかり予算を立てられる状況が作られていないのが
現状であるため、まずは経済ではなく、政治の安定であろう。

わが国においても、麻生政権の不安定さは、マイナス要因になろう。
かといって、小沢民主党も、小沢さんに万が一のことがあった場合に、
どうするのか、その青写真が見えてこない。

アメリカではオバマ次期大統領が、続々と閣僚人事を公表し、
その方向性がはっきり見えてきている。
火種を政権内に残している機がしないではないが、
一定の評価はされよう。

タイにおける反政府勢力の行動は、決して肯定できるものではないが、
文句があれば暴動を起こすという社会の素地が残っている以上、
リスクと考えざるを得ないであろう。

わが国は、世界標準の考え方を持って、きちんとリスク管理しなければ、
国際社会の中で生き残れない時代になっているのだ。


重加算税のあり方(租税訴訟学会研究会)
2008.12.03

「申告納税制度に基づく重加算税のあり方」というテーマで、
租税訴訟学会第23回研究会が、昨日、東京税理士会館にて開催されました。
講師は学会の九州支部副会長である弓削忠史九州共立大学教授。

学者の研究発表に慣れていない方には戸惑いもあったようですが、
格調高い講演で、また、レジュメに書いていないところのお話が、
非常に興味深く、いい研究会だったと思います。

昨日は、研究会後、研究提言部会の忘年会もありましたので、
弓削教授を始め、九州支部からも数人の参加を得て、盛り上がりました。

重加算税については、関心はあるものの、
なかなかきちんと研究する機会がありません。

講演でも主要判例として取り上げている2つの最高裁判決
平成6年11月22日判決
平成7年4月28日判決
によって、一見、重加算税の判断基準は固まっているようには見えますが、
国税通則法68条1項の「隠ぺい、又は仮装」の行為の文理解釈は
未だに困難を極めている。

フロアからの2名の弁護士からの質問の内容から
補足意見として発言させて頂いたことでもあるけれども、
私は平成7年判決は事例判決として捉えるべきだと考えています。

平成7年判決は、顧問税理士が原告の確定申告書を作成する際、
原告に対して株式等の売買の事実を確認するため、質問をしています。
その質問に虚偽の回答をした作為があるから、
重加算税の対象になっているものと私は判断しています。
フロアからの質問は、平成7年判決は不作為の事件ではないか、
という誤解があったように思いましたので、意見としての発言をしました。

いわゆるつまみ申告との兼ね合いも問題が残るところですね。

昨日は税理士の専門家責任論にも言及して頂きました。
特に平成7年判決は税理士の専門家としての役割を軽視し、
税理士を道具でもあるかのように判断しているところであり、
その後の専門家責任を追及する形の最高裁判決(松尾事件等)との
平仄も取れていないところです。

重加算税制度のあり方については、専門家責任論の流れの中で、
捉えなおさなければならない時代に入ってきたのかもしれませんね。


社長たちの成功学 7人のリアル島耕作
2008.12.02

今年6月、日本一有名なサラリーマンと言われた島耕作氏が
初芝五洋ホールディングスの初代社長に就任した。
就任が決まった時には、マスコミ各社で報道され、
社長就任会見まで行われたという。

弘兼憲史氏のマンガのキャラクターに過ぎなかったはずの島耕作は、
虚像のまま、マンガの世界から飛び出してしまったようである。

本書「社長たちの成功学 7人のリアル島耕作」
弘兼憲史&モーニング編集部編 講談社2008年11月

は、モーニング誌で現在連載中の「社長 島耕作」の連載スタートに当たり、
モーニング誌に掲載された、弘兼氏との社長対談をまとめたものである。

登場するのは、以下の7名(敬称は対談当時)

渡辺美樹(ワタミ株式会社代表取締役社長・CEO)
新浪剛史(株式会社ローソン代表取締役社長・CEO)
益子修(三菱自動車工業株式会社代表取締役社長)
木村芳幸(東芝燃料電池システム株式会社代表取締役社長)
佐治信忠(サントリー株式会社代表取締役社長)
勝俣恒久(東京電力株式会社代表取締役社長)
藤田晋(株式会社サーバーエージェント代表取締役社長)

対談のスタンスとして、これから社長に就任する島耕作氏に
先輩の社長としてアドバイスを、という視点で行われており、
この厳しい時代に、実際、経営に当たられている社長様や
これから起業を考えていらっしゃる方には、
大いに参考になるのではないでしょうか。

例えば、

「まずは、会社の思いを伝えることです。何のために
この会社があるのか、何のために仕事をするのか。
その「何のため」というミッションを明確にして、
全員がひとつのベクトルに向かうことです。」(渡辺氏15ページ)
「次に大事なのは、向かう先はどこなのかというビジョンを
明確にすることですね。(略)そのためにはこうしたらできる
という方法、戦略を社員に語りつづけました。」(渡辺氏16ページ)

「島社長に気をつけてほしいのは、どんな経営上の大改革で
あっても、現場にいる人達のことを忘れてはならない、
ということです。」(益子氏58ページ)

「私がみんなの前でよくいうのは「会社としてソフトパワーを
持ちなさい」ということです。ソフトパワーというのは
会社側から見ればブランド力ということになるのでしょうが、
そうではなくて、お客様や納入業者さんからみた時に、
あの会社の人間はいつも一生懸命やっている、きちんと
約束は守る、明るく議論しながら目標にむかってやっている
気持ちのいい会社だなと思ってもらえる。
そういう会社になろうよと。」(木村氏86ページ)

佐治氏のように社長という激務に耐えるためには、自分の時間を
作らなければ、という話が出てくることもあり、
実際に現役の社長としてバリバリに活躍している方が、
経済誌ではなく、マンガ雑誌という気楽さからか、
結構、本音の話が聞けた気がします。

そういう意味でも、一読をオススメします。
新書版ですから、持ち歩きにも便利ですしね。


いよいよ12月に突入
2008.12.01

今年も師走になりました。
発表待ちの受験生を抱えている事務所は、ハラハラドキドキ。
ウチの場合、幹部職員が皆、リーチですから、落ち着かないですね。
来週末には結果が分かりますね。楽しみですね。

さて、12月は、年末調整のシーズンです。
従業員を雇用して事業をされている方にとっては、
手間のかかる時期です。
ご自分でやられるにしろ、会計事務所等に依頼するにしろ、
準備を進めていることと思います。

従来まで、扶養控除申告書や保険料控除申告書は緑色に印字された
用紙を税務署から頂いてきたと思います。

ただ、今年から黒で印刷されているようです。
経費削減なのでしょうが、何か味気ないですね。

また、ウチのクライアント様にはお伝えしていますが、
従業員さんの年末調整の資料だけではなく、
来年1月末に提出する法定調書合計表の準備も、年末調整に合わせて
ご準備して頂きたいものです。


ところで、僕のほうは、12月は思いのほか忙しくなりそうです。
発表が3週間続きますからね。

4日(木)は地元葛飾支部で、12日(金)はMJSの租税判例研究会で、
17日(水)はかつて父が所属していた足立支部で、それぞれ
発表させて頂く機会を頂きました。

テーマは全て共通で、私が税理士補佐人として訴訟参加した
東京高裁平成20年7月10日判決について、その経験に基づいて
税理士補佐人の役割について話をさせて頂きます。

来年1月には、東京会の租税判例研究会でも発表し、
3月末〆切で、税法学に補佐人制度について論文を書かせて頂く予定です。


税理士の中でも特殊なポジショニングをとっていますので、
こういう税理士会での発表の機会は嬉しいところですね。

今回は、補佐人の経験談に基づいた話をします。
補佐人を経験されている方も少ないですが、
地裁で納税者が負けている事件を
高裁でひっくり返した経験者は皆無でしょうね。

そもそも高裁で逆転というと敗訴が当たり前ですからね。

実際、勝訴判決を貰ったときには、嬉しいのですが、若干の驚きもありました。

ホントに勝っちゃったよ。

私の経験が、税理士業界に貢献できると嬉しい限りです。