国士舘大学大学院、修士論文提出終了
2009.01.31

昨日30日、私の母校でもある国士舘大学大学院では
修士論文の提出締切日でした。

今年も、わが西野研究室は、通い切った11名全員が
指導教授である西野敞雄教授の許可を得て、修士論文を提出できました。

皆、よく頑張ったね。

後は、2週間後に控える口頭試問で、先生方からの質問に
しっかり答えられるようにして下さいね。


今年は進行が遅く、大分心配しましたが、先生も倒れることなく、
何とか間に合いました。

内容的にはいいものもイマイチなものもありますが、
自分で苦労して書いたことは、必ず将来に役立ちます。

昨日の提出後のパーティーでは、高橋学部長からも、
ご自分の修士論文を書いた頃の思い出話があったように、
大なり小なり、皆、〆切りに追われながら、頑張ってきたわけです。
実力のない自分だけが苦労したとは思わずに、
レベルはともかく、皆が通ってきた道だと思って下さい。

また、やはり昨日のパーティーで酒井先生が言われたように、
将来の税理士会を背負って立つような人材に成長して欲しいですね。

修士の2年間で、文献の調べ方や文章の書き方は覚えたはずです。
意外なことかもしれませんが、税理士にとって強くない分野だけに、
いい勝負が出来るはずです。

後輩たちの前途に幸多からん事を!


石川遼、納税済ませてマスターズ
2009.01.30

30日6時2分スポーツニッポンネット記事はこう報じた。

男子ゴルフの石川は29日、埼玉・越谷税務署でパソコンによる
確定申告のデモンストレーションを行った。
収入1億円、所得8000万円の設定だったが、わずか10分で申告終了。
制服姿で人生初の“納税”を終えた石川は「みんなが笑顔で
いられる使い方をしていただければ」と話し、「これからは毎年、
納税をした後にマスターズというふうになればいいですね」と
笑顔を見せた。

毎年、芸能人やスポーツ選手にデモンストレーションを
お願いする電子申告普及キャンペーンですが、
今年は、ゴルフの石川遼選手に白羽の矢が立ったようですね。

石川選手が電子申告を10分で終わらせたことは、
難しいのではないか、面倒ではないのか、との電子申告への
抵抗感を和らげる意味では、非常に意味があったように思います。
テレビでも10分で終わったことを伝えて欲しいなあ。

石川選手の自宅は越谷税務署管内ですから、
越谷で行ったのは当然でしょう。

越谷税務署のどのブースを使ったのかなあ。
今度行く時に聞いてこよう。
って完全にミーハーですね。

ただ、そういうミーハーな気持ちからでも、
電子申告の普及は進むかもしれない。

税務行政の簡素化、効率化を考えれば、全ての税目について
電子申告の普及が急務になっているのは間違いない。

セキュリティーの問題が完全にはクリアになっていないものの、
電子政府の推進とともに、セキュリティーレベルは格段に
向上している。
セキュリティーレベルはもともと民間よりも厳しく制度設定
されていたのですから、徹底することが肝要でしょう。

こんなことを書いておきながら、私としては、100%の安心が
図れないことを理由に、電子申告への移行を進めていません。

個人情報保護法が個人情報漏えいの責任を漏えいさせてしまった
事業者に求めることが原因の一つである。

私の事務所では、業務用のパソコンをネットに接続させて
いないのです。
ネットに繋がっているパソコンを3台持ちながら、
セキュリティーを徹底させようとすると、
業務用パソコンの接続をためらうのですね。

電子申告は国税庁HPから電子申告用のソフトをダウンロード
すればいいので、今の体制でも出来るんですがね。

1回こっきりしか使えない電子申告控除も延長されることですし、
これがあるうちに電子申告への切り替えを
どこかで決断しなければいけないですね。


国際会計基準、2010年3月期から任意適用へ
2009.01.29

28日16時27分ロイター記事は次のように報じた。

金融庁の企業会計審議会(金融庁長官の諮問機関)は28日、
日本企業に2010年3月期から国際会計基準の任意適用を認める
方針を了承した。
当初は選択制として、強制的に適用させる義務化については
2012年をめどにして是非を判断する。
金融庁が中間報告案として抽出した。
金融庁は、審議会の了承を受けて来週にも公開草案としてまとめ、
一般からの意見を2ヶ月程度募集した上で、今年の夏をめどに
正式な中間報告としてとりまとめる。

今夏めどの中間報告は、国際会計基準の導入に向けた
「行程表(ロードマップ)」と位置付けられる。
中間報告をもとに金融庁は年内に規制を改正し、
2010年3月期の決算に間に合わせる。
国際会計基準が反映される財務諸表の第1号は2010年6月ごろ
財務局に提出される。

中間報告案によると、国際会計基準の適用は連結財務諸表が対象。
任意適用を認める企業については、
1)上場企業、
2)国際会計基準の財務報告に適切な体制を整備、
3)国際会計基準の会計処理方法を有価証券報告書で開示、
4)国際的に活動する企業・一定規模以上の企業
などの条件で詳細を詰める。
また、強制適用の是非は2012年をめどに判断するが、
実際の適用時期は、「3年間の準備記間を確保」とするにとどめ、
今後の検討課題とした。

同日の審議会では、経済界の委員を中心に「強制適用の実施時期を
明確に示して国際会計基準に対する日本の姿勢を打ち出すべき」
との意見が相次いだ。
しかし、国際会計基準の設定主体の国際会計基準委員会財団
(IASCF)の国際監視体制が構築の途上にあるほか、
昨年11月の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)が
国際会計基準の見直しを要請するなど「国際動向で不透明な要素が
多い」との意見もあり、義務化の時期の明記は見送ることとした。

国際会計基準は、欧州連合(EU)やオーストラリアを含む
100カ国以上で導入され、グローバルな単一の会計基準としての
地位を築きつつある。
EUは2005年1月からEU域内の上場企業に適用を義務付けた。
また、米国は、2008年11月に国際会計基準の適用に関する
「ロードマップ案」を公表。
これによると、2010年以降の会計年度から一定の要件を満たす
企業について任意適用を認める。
さらに、2014年から義務化することの是非について、
2011年までに最終判断することとしている。


とうとう、国際会計基準(International Financial Reporting Standards,
IFRS。国際財務報告基準と訳すのが正式であるが、マスコミは
International Accounting Standard,IASの訳であった国際会計基準と
訳すことが一般的なので、ここでも国際会計基準と書きます)
という名の黒船が、日本本土に上陸することになるようです。

金融庁企業会計審議会企画調整部会1月28日会合提出資料には、
「わが国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)」
が含まれている。

これによると、
「コンバージェンスの推進には、これまでの会計を巡る実務、
商慣習、取引先の関係、さらには会社法との関係及び税務問題など
調整を要する様々な問題が存在する。
こうした状況を踏まえ、今後のコンバージェンスを確実にするための
実務上の工夫として、連結財務諸表と個別財務諸表の関係を少し緩め、
連結財務諸表に係る会計基準については、情報提供機能の強化及び
国際的な比較可能性の向上の観点から、我が国固有の商慣習や
伝統的な会計実務に関連の深い個別財務諸表に先行して機動的に
改訂するやり方(いわゆる「連結先行」の考え方)で対応していく
ことが考えられる。」
と指摘されており、
まずは連結財務諸表のみ先行して国際会計基準を適用することと
されている。

ただ、中間報告案は、以下の3点の課題を指摘し、
拙速な国際的調和が許されないことも指摘する。

「1)IFRSはプリンシプル・ベースの会計基準であると
言われているため、作成者、投資者、監査人、当局の習熟や
体制整備が不可欠であり、十分な時間が必要であるとともに、
教育・研修をはじめ市場関係者に多くのコストが発生する。
また、作成者においては、会計マニュアルの作成や経理システム
変更を含めた体制整備が必要となる。

2)IFRSの基準としての内容及び今後の改定動向については、
十分な注視を行うとともに、我が国の商慣習や経営実態、会計実務を
踏まえつつ、国際的に受け入れられるような情報発信が不可欠である。
この点に関し、会計の国際的なコンバージェンスがIFRSを
軸に進展しているという現実を踏まえれば、むしろ我が国において
IFRSを適用する中で基準設定プロセスに対する存在感を
高めていくべきであるとの指摘が多く出されている。
また、昨今の金融危機に対する会計基準の取組に関し、IFRSの
内容及び基準設定プロセスについて金融安定化フォーラムなど
各種の場において様々な議論がなされているところであり、
今後、IFRSの基準内容やプロセスに対し我が国からの一層の
積極的な意見発信や貢献が必要である。

3)会計基準は財務報告の作成・監査・分析・監視の各段階を
通じた会計実務と相まって、投資者に信頼性の高い財務報告が
届けられてはじめてその役割が果たされることとなることに鑑みれば、
IFRS適用が真に財務報告の国際的な比較可能性の向上、
ひいては金融資本市場の機能向上につながるか否かは、実務の
コンバージェンスや執行面での国際的な協力にかかってくると
考えられるため、こうした実務・執行面での取組みが極めて重要である。」


官民一体となって実務的な取組が必要であることを指摘するのだ。


まさにその通りである。
理論的な整合性が取れていたとしても、実務に対する影響を
考慮しなければ、どんなに素晴らしい制度であっても、画餅と化す。

2010年に任意適用、2012年に強制適用というが、
その対象はどこまでになるのか。

2010年は、上場企業の連結財務諸表のみが対象であるから、
税理士が顧客層とする中小企業には当面は関係がない。

しかし、「中小会社の会計に関する基準」の内容を考えれば、
公認会計士は見ることが出来ても、一般の税理士
(企業会計基準審議会(ASBJ)非加盟)は見ることが
許されない規定が前提として基準が作成され、
その内容を一般の税理士が見ることが不可能
(少なくともASBJ非加盟私は確認することができていません)
な状態のまま、「中小会社の会計に関する基準」に準拠しているか
否かをチェックリストで確認を求められる現状が
健全なものと言えるはずがなかろう。

2010年任意適用が方針となれば、ASBJは国際会計基準を前提とした
各種の規定を次々と発表していくことは当然の帰結であり、
その規定を一般の税理士が見ることが出来ないことも、
容易に予測されるところである。

この現状を考えた上で、ASBJ及び金融庁には
行動を起こしてもらいたいものである。


桑田真澄さん、早大大学院に合格
2009.01.28

28日6時 毎日jp記事はこう報じた。

元米大リーグ、パイレーツの桑田真澄さん(40)が28日、
早大大学院スポーツ科学研究科に合格した。

合格したのは、スポーツビジネスなどを学ぶ同科
トップスポーツマネジメントコース(修士課程1年制)で、
桑田さんは24日に面接による入学試験を受けていた。

桑田さんは大阪・PL学園高3年だった85年、早大への進学希望を表明。
しかし、プロ野球・巨人からドラフト1位指名を受けて、
大学に進学せずにプロ入りした経緯があった。

桑田さんはこの日、東京都内で報道陣の取材に答え、「うれしい。
ホッとしている。人生、最後までわからない。
この感動をかみしめながら勉強して、野球界の発展に貢献したい」
と語った。

日本のプロスポーツは経験に基づく指導が一般的で、
理論的に研究した上で、指導者になる方が非常に少ない。

そのために、指導に一貫性がなく、自己流に陥ってしまう
危険性も孕んでいるように感じている。

日本サッカー協会の指導者ライセンス制度は、そういう意味では
画期的な制度かもしれない。

桑田さんのような勉強家がプロスポーツの世界では少ないから
かもしれない。
最近ではどの球団でもコンディショニングコーチが置かれているが、
選手経験のないコーチは少ないように思います。
桑田さんが大学院で理論的に勉強したことをプロ野球界に
持ち込むことで、身体能力を発揮できる選手の発掘や、
怪我の防止に繋がるのであれば、素晴らしいことではないでしょうか。

現役時代にファンだった選手の1人だけに、
桑田さんの新たな1歩に、敬意を表するとともに、
大学院の研究の過酷さを知るものの1人として、
勇気ある1歩を応援したいですね。


北九州園児熱中症死亡事件判決に見る、プロの責任
2009.01.27

27日11時30分時事通信社ネット記事は次のように報じている。

北九州市で2007年7月、認可外保育施設「仲居保育園」(廃園)の
送迎車内に放置された園児浜崎暖人ちゃん=当時(2)=が熱中症で
死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元職員の
上田麻貴(27)、小林英美(29)両被告の判決公判が27日、
福岡地裁小倉支部であった。
三浦隆昭裁判長は、「気温が上がる車内で助けを求めることも
できずに、死に至った被害者の苦しみは想像も困難だ」として、
いずれも禁固1年、執行猶予3年(求刑禁固1年)を言い渡した。

判決によると、両被告は同月27日、園外保育から戻った園児らが
車を降りる際やその後園内に入ってからも、園児の人数確認を怠り、
暖人ちゃんを車内に約4時間にわたり放置。
熱中症で死亡させた。

実況検分の結果、車内温度は50度近くになっていた可能性が
高いことが判明した。

三浦裁判長は「保育事業者としてのみならず、一般人の視点から
考えても、子どもを預かる立場にある者として当然と思われる
基本的な注意義務に反し、過失の程度は重大だ」と批判した。

事故では、北村寿和元園長(32)も業務上過失致死で書類送検
されたが、不起訴処分となった。
同園は07年10月に廃園した。

暖人ちゃんの両親は閉廷後、「中井保育園の関係者をこの命が
果てても許すことはないと思います。行政には、すべての保育園が、
働く親が安心して子どもを預けることができる施設になるよう、
体制をつくっていただきたい」とするコメントを出した。

北村元園長の話 責任者として再度、事の重大さを痛感している。
暖人ちゃんや遺族に対し、今後ともできる限りの対応をしなければ
ならないと考えている。


私も保育園に娘を預けていますので、他人事と思えない
痛ましい事件でした。

この事件を考えて頂く場合、まず指摘しておきたいのは、
本件では、保育園の責任者である北村元園長は不起訴になり、
亡くなった暖人ちゃんを担当した保育士だけが起訴されている点です。

刑法は非常に厳格な解釈が要求される法律で、
特に、故意犯か過失犯かの判定はより厳格な解釈が求められます。

国民の身体・自由を制限する刑法だからこそ、
冤罪を生まないためにも、厳格な解釈が必要なのです。

ただ、その反面、故意(わざと)または重過失(わざとじゃないけど
それはないよね)が認定できないと、犯罪として裁けない。

北村元園長の責任を追及するには民事裁判なら可能でしょうが、
マニュアルを作らなかったことや安全指導を怠っていたことが
故意または重過失に当たらないので、不起訴になったわけです。

起訴された保育士は、保育士であれば当然行うであろう確認を
怠ったことから、起訴され、執行猶予が付いたとはいえ、
処罰されることになった。

善管注意義務といいますが、善意の管理者として払うべき注意義務
が通常の場合でも課されます。
人様を預かるわけですから、預かる以上、プロであれ素人であれ、
約束した以上、責任を持って預かる。
それでも、ケガをしたり、不幸な事故に遭ってしまう場合もある。

ただ、注意すべきことはやっていた上でのことであれば、
仕方がないであろう。

今回の事件は、そうではない。
素人ではなく、無認可とはいえ、れっきとした保育所として
事業が営まれていたのですから、プロに預けたわけです。

プロの負う責任は、善管注意義務よりも更に厳しいものである。
結果として、無事に預かったというものではなく、
無事に預かるために、誠心誠意の努力をすべきであろう。

そういう意味では、職員でしかないとはいえ、保育士が刑に
服することになるのは、致し方ないのかもしれない。

私としては、責任者である元園長の責任も問いたいところですが、
法の壁を突き崩すことは困難であろう。


さて、私のような税理士は、税に関してクライアントの求めに
応じて、国家資格を有するプロフェッショナルとして、
公正中立の立場から、クライアントの利益を守ることを、
専門家として、責任を負っている。

税理士の場合は、弁護士と違い、公正中立の立場を堅持することを
求められるため、クライアントの利益のために何でもやる
は許されておりません。

そういう意味では、中途半端な立場の専門家のなのですが、
私は、プロフェッショナルの誇りにかけて、全力を傾けて、
クライアントの利益を守っているつもりです。

「理論武装は納税者の利益に!」
は、私の事務所のキャッチコピーとして使っておりますが、
私が理論武装をしているのは、専門家だからこそ手に入れられる
情報を一般の方に提供したいからなんです。

それこそが専門家の役割だと思うから。

だからウチのスタッフも専門家としての当事者意識をもって
仕事をしてもらっています。
専門家としての責任を果たすために。

そういう意味でも、今回の事件における裁判長の指摘は重い。


第3回エコノミクス甲子園
2009.01.26

昨日25日、高校生を対象とした金融経済クイズ選手権
「第3回エコノミクス甲子園」の決勝大会が六本木ヒルズで開催された。

今年度の優勝者は、奈良・東大寺学園高校の中里君、田中君のペア。
優勝の副賞として、アメリカ・ニューヨークへの研修旅行がプレゼントされた。

エコノミクス甲子園のHPを見ると、
第1回は鹿児島・ラサール高校ペア、
第2回は東京・開成高校ペアが優勝しています。

やはり、名だたる受験校が名前を連ねていますねえ。

このHPのいいのは、優勝したペアの研修報告が掲載されていること。

ただ、優勝の副賞としてNY観光がついてくるわけではなく、
金融知力普及協会というところが主催するお堅い大会だけあって、
研修旅行にも事後のレポートがついていました。

彼らのレポートには考えさせられるところがありますね。

ご興味があれば検索してみて下さい。


Fuji Sankei Business I 26日4面は次のように報じた。

エコノミクス甲子園は、学校で学ぶ機会が少ない金融への正しい知識を
もってもらおうと、金融知力普及協会が2007年から開催している。
今回は全国15カ所で地方大会が行われ、約850人の高校生が参加。
この日の全国大会は、地方大会を勝ち抜いた高校生ペアが、
優勝を目指して金融知識を競った。

大会参加者は、金融に関する筆記試験や論述試験のほか、
ビジネスアイデアのプレゼンテーションなども課せられた。

このプレゼンテーションでは、難解な金融関連語句を
「小学生でも分かるように説明せよ」などの課題が出され、
優れた回答をした参加者には会場から大きな拍手が送られた。


国士舘大学の講義で学生に対して話していることですが、
就職活動において結果的に偏差値上位校が有利になっているのは、
知識量の差だけではない、コミュニケーション能力と
プレゼンテーション能力の差が大きいと話しています。

私のゼミは比較的ゆるいゼミですが、
それでも、最初から発表形式をとるのは、
人の発表を聞いて理解する能力と、
人にわかるように発表する能力を鍛えるためです。

就職活動では、かつてのような学歴(私は学校歴と呼んでいます)
に依存しない人物本位の採用が、各企業人事担当者の努力により、
進んできましたが、知識量が多い方がやはり有利なのは確かでしょう。

また、自分の長所と短所を客観的に見ることができることや、
人の話を聴いた上で自分の意見を加えることが出来ることの方が
ビジネスの現場では使えるため、学校歴のない人でも、
こういう能力に長けている人の方がグループディスカッションで
目立つことが出来るので、就職には有利です。

そういう意味では、エコノミクス甲子園がプレゼンを採用
していることは、非常に評価できることだと思います。

この金融不況の中だけに注目されにくいものかもしれませんが、
若いうちから生きた経済を学んでおくことは、
モノを考え、表現する力をつける意味でも大切なことではないでしょうか。

理系では、数学オリンピックや化学オリンピックで
日本の高校生が世界を相手にメダルを獲得する年も多いですから、
まだまだ日本も捨てたものではありません。

技術立国、知財立国ニッポンの将来に期待したいところです。


銀行との交渉を成功するための2冊
2009.01.25

今日は、2冊、本を紹介します。

八木宏之「7000社を救ったプロの事業再生術」
(日本実業出版社、2008年11月)
篠崎啓嗣「社長さん!銀行員の言うことをハイハイ聞いてたら
あなたの会社、潰されますよ!」(すばる舎リンケージ、2008年12月)

どちらの本も事業再生を専門とされるコンサルタントが書いた本です。

金融機関との交渉に悩まれている社長さん、経理担当者には
是非一読頂きたい本ですね。

金融機関の方がどういう視点で融資を判断しているのか。
金融機関の職員の実態はどういうものであるのか。

私も専門ではない分野だけに、随分参考にさせて頂きました。

事業が軌道に乗っている、またはちょっと苦しくなってきたけれども、
この不況さえ乗り切れば・・・と考えている社長さんは、
縁のない話と思いがちな事業再生コンサルタントの本ですが、
彼らの示唆は、事業の本質を突いたものですね。

私はこのお二人とは違う会社の事業再生コンサルタントと
お話させて頂く機会が持たせて頂きましたが、
税理士が、中小企業のホームドクターであり続けるならば、
彼らの持つ視点、つまり、

金融機関と対等に渡り合うための努力

を惜しんではならないと感じています。

特に、篠崎氏の本のタイトルはかなり刺激的ですよね。
ただ、篠崎氏のタイトルも、実務的にはありうる話ですね。

大学時代の友人や後輩に金融機関の人間も多いのですが、
特に金融機関に就職する後輩たちに言ってきたことは、
「財務諸表のウラを読める銀行員になれ!」
ということでした。

会計は相対的なものであり、絶対的な処理基準が存在しません。
そのため、財務諸表が、会社のあるべき姿を
映さなくなることもあります。

かつて税理士試験委員を務められた先生の中には
貸借対照表ゴミ箱理論を打ち立てたこともありました。

学説的にはかつての考えを乗り越えられていらっしゃいますが、
取得原価主義全盛の時代には、損益計算を重視する余り、
貸借対照表が何の役にも立たないゴミ箱同然だった
時代もあったわけです。

現行の時価主義万能主義も、リーマンショックに端を発した
世界的な金融不況の原因ともなったわけで、
客観性のない時価が万能ではないことは明白であろう。

会計は解釈で動く部分が大きいのです。

だから、金融機関に就職する後輩たちには、
税理士が作ってきた財務諸表を鵜呑みにすることなく、
自社の基準を含めて、自分で判断できるようになりなさいと
要求してきたのです。

これを書いてしまうと、私が関与しているクライアントを担当する
銀行員に誤解されてしまう危険性もあるわけですが、
会計が「生きる経済」の1時点を切り出してきた結果を
解釈したものでしかないために、
制度上許される幅も大きいわけです。

あまり自由に動かせるようにしてしまうと、
外部の利害関係者(株主や債権者、従業員、顧客等)にも
その会社の業績が判断できなくなってしまうので、
期間比較の可能性を高めるために、
継続性の原則をはじめとする一般原則があるわけです。

変な話を書きましたが、

プロフェッショナルの仕事をしている事業再生コンサルタントの皆様は
金融機関の対応を頭に入れた上で、会社の実態を把握しています。

えてして事業再生コンサルタントが入ると税理士も変更になる
ケースが多いのですが、これは事業再生コンサルタントが
会社の実態を把握するための資料を、税理士が用意できないから、
というのが多いように感じています。

それだけ、ルーティンワークとして仕事をこなしている事務所が
多いという意味にもあるのかもしれませんが。

税理士は税務署の方を向いて仕事をしているとよく言われますが、
やはり、申告書の作成を念頭においているために、
税務申告上問題がないような処理をしようとする傾向はあると思います。

ただ、それは税務会計上の問題であって、
経営の実態を把握するためには、先週紹介した「課長の会計力」
もそう指摘するように、管理会計的な視点が必要になります。


事業再生コンサルタントがクライアントから案件を持ち込まれた時、
まず考えるのは、クライアントの収益獲得力でしょう。
それから社長、幹部スタッフの人柄。

収益力がなければ再生をお手伝いしても、一時凌ぎにしかなりませんし、
社長や幹部スタッフが頑張れないのであれば、一緒に頑張れません。

八木氏の本の60ページには、
再生スキームを立てる時の心得として
・やみくもに走れば自分の首を絞める
・すべてを守れば、すべてを失う
・数字は正直、人間はうそつき
・廃業も時には最良の選択肢

という4つの心得が記載してあります。

事業の実態を把握するためには、ヒアリングが効果的ですが、
データ化された数字に裏打ちされてはじめて根拠付けることができます。

その結果、何のために再生するのかを考えるから
時には、廃業を勧めることもあるでしょう。

また、55ページ以下では、再生を妨げる5つの要因として
・見栄とプライドを捨てきれない
・決断できない
・他力本願から抜け出せない
・自立していない
・感謝の気持ちを忘れている

という5つを指摘しているが、成功する事業者になるためには
この反対を実行することをオススメします。

つまり、
・余計な見栄やプライドを持たない
・決断するのは経営者の仕事
・マイナスを他人のせいにせず、自分で考え行動する
・自分の会社であることを自覚する
・感謝の気持ちや初心を忘れない

この5つの矜持を持って経営を実行すべきでしょう。

この不況の中、お客様からは、この不況は何とかならないのか、
という声をよく聞きます。

ただ、政治家が何とかしてくれるわけではなく、
我々の自発的な経済活動による以外、景気回復のための起爆剤はないのです。

不況のときだからこそ、創意工夫をして、知恵を絞って
生き残るために考えていかなければならないのです。

経営者の皆さん、一緒に考え、乗り越えていきましょう。


論文盗作による不正資金疑惑(民主党山岡国対委員長)
2009.01.24

23日から24日にかけて、
マスコミ各誌が民主党山岡国会対策委員長に対する
不透明資金疑惑を報じている。

その内容は次のようなものだ。

(asahi.com 23日3時0分記事)
民主党国会対策委員長の山岡賢次衆議院議員(比例北関東)が、
東京都渋谷区の学習塾経営会社の口座を使って、不透明な資金を
受け取っていることが分かった。
01年にあった北関東の市長選で公設秘書を応援派遣した市長側から
同年~03年に計405万円を受け取ったほか、08年秋にはマルチ商法
業者からの「花代」10万円も受領していた。
朝日新聞の質問に対し、山岡氏は秘書派遣に対する見返りの受領を
否定しながらも、塾経営会社との関係については回答しなかった。

この口座の会社名は「ニューワールド」(以下NW社)。
山岡氏が大蔵政務次官を辞任した時の資産公開(91年)によると、
妻が発行済み株式の6割にあたる1万2千株を保有していた。
複数の役員経験者が「山岡氏に頼まれて名前を貸しただけ」と説明。
登記上の本社所在地のマンションには社名や営業を示すものはなく、
その実態は不明だ。

405万円の資金提供について、市長側は「公設秘書を派遣したことへの
見返りとして、山岡氏から要求された。その場に山岡氏を含め4人いた」
と証言し、国から給与を受け取っている公設秘書に給与を二重取り
させる形になっていたと指摘する。

これに対し、山岡氏は会社との関係は説明しないが、秘書派遣については
「関係するあらゆる選挙で秘書を応援に出しているが、見返りを
受け取ったことはない」と否定している。

405万円は、市長側の関連法人が01年1月~03年3月まで毎月15万円ずつ
振り込んでいた。
NW社と市長側の関連法人は顧問契約を結んでいたが、市長側は
「実際は秘書派遣に対する山岡氏へのお礼で、顧問契約は仮装だった」
と主張する。

実際、顧問契約はなされておらず、NW社が契約終了にあたって
関連会社側に提出した「経営リポート」の大半は、他人の論文を
無許可で丸写ししたものだった。
論文を転載された有名大学教授は「そもそもNW社も、転載されていた
事実も知らなかった」としている。


(asahi.com 24日7時9分記事)
民主党国会対策委員長の山岡賢次衆院議員が、秘書を選挙の応援に
派遣した栃木県真岡市長側から学習塾経営会社NW社を使って
不透明な資金を受け取っていた問題で、NW社から市長側が受け取った
顧問業務報告書5部のうち少なくとも4部は、他人の文章の
無断転載だったことがわかった。
盗用されたのは、舛添厚生労働相や慶応大学教授らで、
誤字や脱字も含めて原文と同じだった。

盗作の発覚は「顧問契約」に実態がなかったことを裏付けるもので、
23日に会見した福田武隼市長も「契約は表向きだった」と偽装を
認めている。
一方、山岡氏は同日、秘書派遣見返りの受領を再度否定し、
「顧問契約は、市長所有の病院経営問題の弁護士などの諸経費だったと
聞いている」と説明した。

「医療の合理化と医療レベルの維持について」と題した文書は、
舛添氏が厚労相就任前の02年11月ごろ、HP上に公開した論文と同一。
「平成14年(02年)9月」の分としているが、その時点で開かれていない
はずの10月13日の会合に参加した話や、母親の介護体験などを記していた。

HPには「無断転載を禁止」との注意書きがあった。
舛添氏は「著作権者に何の断りもなしに使用するのは言語道断。
法的にも同義的にも問題だ。非常に憤りを感じる」と話している。

「日本の医療制度の現況について」と題した「平成13年(01年)9月」の分は、
慶応大学の池上直己教授(医療経済学)が、98年3月に病院関係者の
研究会で話した内容で、「講演要旨」として主催者がネット上に
公開したもの。
池上教授は「会社自体を全く知らない。転載の許可もしていない」という。

「平成13年12月」分の「人権を守る医療活動と医療・経営構造の転換の
課題について」は、宮城県の宮城厚生協会の水戸部秀利理事長の論文だった。
理事長は「無許可で悪質な商売に使われたら心外だ」と話している。


(産経新聞24日8時5分ネット記事)
この問題をめぐっては栃木県真岡市の福田武隼市長が23日の記者会見で、
平成13年の市長選で山岡氏の当時の公設秘書らに手伝ってもらった
見返りに2年間で約400万円の報酬を要求されたと主張した。

これに対し、山岡氏はコメント文で「市長の所有する病院の土地買収問題の
弁護士代などの諸経費だったと聞いている。当選後、政敵となった
市長サイドの虚言であり、近々行われる真岡市長選への悪質な
選挙妨害としか考えられない」と反論した。

自身の口で説明しない山岡氏の狙いは「嵐の過ぎ去るのを待つことだ」
(周辺)というが、与党からは「黙っているのは後ろめたいことが
あるからだ」(自民党中堅)という声も漏れる。

真岡市長からの入金について民主党関係者は「違法性はなく、
選挙活動の報酬だとしても、ただの「セコい話」というだけ」と見ている。
だが、振込先だった都内の学習塾経営会社については「ペーパーカンパニー
だった場合、与党に徹底追及されるのではないか」(幹部)との懸念が
広がっている。
この会社の口座にマルチ商法関連会社から「花代」10万円が振り込まれ、
返金した経緯もある。

民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者会見で、「党の問題というよりも
個人の問題だ」としつつも「疑惑が多少でもあるとすれば、晴らす努力を
しなければならない」と注文をつけた。

自民党の細田博之幹事長は「事実関係について確認していないが、
公人として十分な説明をすべきだ」と述べ、山岡氏の出方を注視する考えだ。

山岡氏のNW社を用いた不透明な資金の動きをとやかく言うつもりはない。

ただ、今回の口頭による顧問契約に基づく経営リポートの「盗作」
について断固批判したいだけである。

論文の「盗作」は著作権法違反である。

NW社を、著作権法違反によって、告発したいだけである。

また、NW社に対して、大規模な税務調査をお願いしたいところですね。
零細企業から搾り取るのではなく、犯罪行為をやるところには
きちんと取り締まって頂きたいものです。


ちょうど今の時期は、大学院生にとっては、
修士論文の提出・審査の時期に当たる。

税理士試験免除を希望する院生も多い。
私が指導してきた学生に関してはほぼ100%が免除目的であった。
(国士舘のドクターにその例外がいますが)

しかし、卒業するために修士論文を盗作したらどうなるのか。

かつて、税理士登録後に修士論文の盗作が発覚し、
税理士資格を剥奪された事件がありました。
(大学の名誉のために大学名は伏せておきます。また、その学校は、
名誉回復のために、指導力のある教員を補充しています。)

「盗作」は犯罪です。

知財立国を目指すわが国にとって絶対に許されない犯罪です。


論文であれば、引用ルールに則って行わなければならないのです。

不用意な転載でそれまでの名声を失った方も多いのです。


山岡氏にはその辺を踏まえて、政治家として、少なくとも
地元の有権者には早急にきちんと説明責任を果たす義務があるはずです。

国対委員長を務め続けるのであれば、その職責は全国民に及びます。
それならば、全国民に説明責任を果たす義務があります。


民主党が本気で政権を担うつもりならば、身体検査が出来ていない
議員に重責を担わせるべきではないのでありませんか。

すくなくとも問題が発覚したら説明責任を果たせる方を。


消費税増税、条件に幅?
2009.01.23

asahi.com 22日10時53分記事は以下のように報じている。

政府は22日、消費増税への道筋を示す09年度税制改正関連法案の
付則案を自民党財務金融部会に提示し、同部会と党政務調査会は
これを了承した。
「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」とする一方、
党内の増税反対派に配慮し、実際の税率引き上げ時期は
景気動向などを見極めて別の法律で定める「2段階方式」を採用。
政府が年末に閣議決定した税制改革の中期プログラムに比べ、
消費増税への道筋は不透明となった。

法案の衆院採決で造反も辞さない構えだった中川秀直元幹事長ら
増税反対派も政府案を容認し、09年度予算案と関連法案をめぐる
「消費税政局」は回避される方向となった。
法案は23日に自民党総務会で了承され、同日中に閣議決定される
見通しだ。

付則案は「11年度からの消費増税」の明記にこだわる麻生首相の
意向を踏まえ、「消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、
11年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする」と記した。

一方、増税の実施時期の法制化については「景気回復過程の状況、
国際経済の動向などを見極め、予期せざる経済変動にも柔軟に
対応できる仕組みとする」と条件をつけ、景気回復が実現しなければ
11年度には増税しないという姿勢をはっきりさせた。

中期プログラムには経済好転の判断基準として「潜在成長力の発揮」
が盛り込まれていたが、中川氏らの反発をうけ、この部分の記述は
見送られた。
さらに、増税前に行政改革を断行すべきだとする中堅・若手の
意見を採り入れ、「不断に行政改革を推進」「歳出の無駄の排除を
徹底」などの言葉が盛り込まれた。


昨年末の経済財政諮問会議に提出された政府試算が、
2011年から毎年1%ずつ消費税率を引き上げ、消費税率が10%
になることを前提に試算されていたことに端を発する
今回の消費税増税騒動。

これは、財政に明るい方ではない麻生首相の指示を利用して、
悲願となりつつある消費税増税を実現しようとした財務省の暴走が
招いた事態のように感じている。

年末の経済財政諮問会議まで、消費税増税の議論をしていなかったにも
かかわらず、消費税率アップの幅や時期に複数のシナリオを用意せず、
まず増税ありきの印象を持たせてしまったことは大きな問題であろう。

これでは納税者が納得するはずがない。

政権政党としての矜持といわれても、増税するためには、
それ相応に合理的な理由と試算が事前に示され、十分な検討をし、
小泉改革路線から引き継いできた行政改革の断行を優先した上で、
それでも財政再建のためには、増税(消費税にこだわらない)が
必要だという、合理的な説明がなされていれば、
しぶしぶであっても、納得できよう。

しかし、今回の騒動は消費税に関して突然示されてだけではなく、
シナリオさえ消費増税が前提で設定されている。

これでは、議論の余地がないではないか。
それとも、経済財政諮問会議は儀礼的な組織とでもいうのか。

議論するためであれば、複数のシナリオと複数の試算が当然である。

政治主導できちんと官僚を使いこなさないと、こういう暴走が起きる。

中川さんや塩崎さんのような財政通に反発されて、
はじめてちゃんと議論をした、というのが本音のところではないのか。

1月6日の平成21年度第1回経済財政諮問会議では、
この点の議論は全くなく、
1月16日の平成21年度第2回経済財政諮問会議では、
消費税に関して6つのシナリオを提示してきた。

1 消費税率を据え置き
2 2011年度から2013年度にかけて3%引上げ
3 2011年度から2015年度にかけて5%引上げ
4 2011年度から2017年度にかけて7%引上げ
5 2013年度から2015年度にかけて5%引上げ(2013年度に3%引上げ)
6 2015年度に5%引上げ

の6つのシナリオである。

この6つの消費税改正のシナリオを元に、
経済回復の3つのシナリオ(順調回復、急回復、横ばい)で
財政再建シュミレーションを試算してきたのである。

なぜ最初からこうできないのか。

議論をするためには、あらゆる可能性を変数として意識しながら、
検討しなければ、今のような激動の時代は読み得ない。

今回、麻生さんが2011年度に消費税を上げる方針を変更して、
時期を明確にしなかったのは、当然のことであろう。

麻生さんが政権政党としての矜持として増税に言及したときに
どう言っていたのか、思い起こすべきであろう。

麻生さんは、経済回復後の増税に言及していたのであって、
その具体的な方策は、年末の経済財政諮問会議まで
出していなかったですね。

だから、2011年度に増税すると明言しなかったことは
「ブレた」ことには決してならないと思う。

それに消費税法自体の問題もある。

国士舘法学38号に書いた「青色申告の帳簿要件」でも
一部触れましたが、
消費税の計算構造上、仕入税額控除を行う必要がありますが、
母法であるフランスとは異なり、商法上の帳簿規定がないに等しい
わが国では、インボイス方式を導入することは商法を改正しない限り
不可能であり、消費税法だけが厳格すぎるくらいの帳簿要件を
保持していることになっています。

所得税法・法人税法では簡易帳簿で税制上の特典として青色申告を
認めながら、消費税法では、領収書・請求書等に相手先が明確に
なるほどの判然性を備えていなければ、仕入税額控除を認めないと
言うのである。

また、今後の消費税率アップ局面では想定されるであろう
複数税率を導入するためには、わが国商法上の帳簿規定では
対処できないことは明白である。
これは商法上の義務としてインボイスを法制化しない限り
複数税率導入は、中小事業者の事務負担が過度に重くなるだけである。

かりにそうなったとすれば、顧問料の増額をお願いし、
その分でスタッフの増員をしなければ、
その事務負担に対処できるわけがない。

インボイスが法制化されていないために、
帳簿書類の精査が要求されるからである。
また、そこまでやらなければ、
税理士の専門家責任が解除されない可能性が高いのである。

財政学上の問題としては、景気に左右されやすい所得課税中心主義から
景気に左右されにくい消費課税へとシフトしていくのは必然かもしれない。

しかし、わが国が法治国家である以上、法律にどのように落とし込むのか、
そして、事務処理をする現場の負担がどれほどになるのか、
そこまで議論してはじめて、十分な議論を尽くしたと言えるのではなかろうか。

安易な考えの官僚たちには頭を冷やしてもらいたいものである。


西松建設の裏金・外為法違反事件を考える
2009.01.22

1月20日に国沢幹雄前社長が、
1月14日に国沢前社長の側近であった藤巻恵次
元海外担当副社長、高原和彦元海外事業部副事業部長
らが外為法違反容疑により逮捕された
西松建設外為法事件について考えてみたい。

西松建設といえば財務体質の強固さで知られた準大手のゼネコンである。

バブル崩壊の際にも、健全経営を旨とした経営体質から
大打撃を受けた他のゼネコンを尻目に業績を伸ばしてきたことからも、
マネーゲームに踊らない体質の会社だと思ってきました。

しかし、昨年発覚したこの事件により、その信頼が揺らいでしまった。

西松建設は、逮捕直前の国沢前社長の辞任を受けて、石橋副社長が昇格。
翌21日には、以下のようなコメントが発表されている。

「当社は、昨日発表致しました新社長のもとで、企業体質の改革にあたり、
内部統制の再構築を中心とした社内改革を協力に推し進め、一日も早く、
透明性の高い、社会から信頼される会社に生まれ変わるべく、
全力をあげて取り組んでまいる所存でございますのでご理解の程、
宜しくお願い申し上げます。
尚、本社法律顧問として、1月20日付、逢坂貞夫氏(元大阪高検検事長、
現弁護士)を選任致しました。当面の間は、法律顧問として当社の
経営改革について、ご助言を頂きますが、その後、直近に開催される
株主総会において、社外取締役にご就任いただく予定でございます。」

コンプライアンス経営を謳う会社が増えてきているが、
その中心的役割を担う社外取締役に大物弁護士を起用するというのは、
本気で遵法意識を高めようとする現れであろうか。

この改革姿勢は高く買いたいところである。

ただ、事件そのものは、かなり手の込んだ周到なものであった。


16日の産経新聞記事によると、
ヤミ資金には3つのルートがあることがわかっている。
・海外リベート
・脱法献金
・原発利権

海外リベートについては、

西松は平成15年、タイ・バンコク都庁発注のトンネル建設工事を
現地企業とJV(共同企業体)を組み、約70億円で受注した。

香港の口座で裏金を管理していた元海外事業部副事業部長、
高原和彦容疑者(63)は特捜部の調べに対し、「裏金は外国公務員への
リベート資金だった。タイの工事では、約4億数千万円のわいろが
提供された」と供述。リベートはバンコク都庁首脳ら発注側に、
受注額の5%に当たる約3億5000万円、有力者らに1億円以上が
渡されたという。JVを組んだ現地企業と折半し、西松側は
2億数千万円を負担。わいろの提供役は現地企業だった。

特捜部は不正競争防止法違反容疑でタイ検察当局に捜査協力を要請している。

原資となった資金は、10年以上前からつくられていたが、国沢社長は
15年の社長就任前まで、裏金口座からの資金の引き出しを指示する
本社の管理本部のトップを務め、裏金の実態を把握する立場だったとされる。

藤巻容疑者がその後任の管理本部長で、社内で藤巻容疑者は国沢社長の
側近とされることから、国沢社長が裏金を黙認していた疑いがある。


脱法献金については、

西松は、OBに「新政治問題研究会」(7年設立)と「未来産業研究会」
(11年設立)という2つの政治団体をつくらせ、18年までの
12年間に、与野党の国会議員側などにパーティー券の購入を含め総額
約4億8000万円の政治献金をしていた。政治団体をトンネルにした
違法な企業献金だった疑いがある。

両団体の会員は主に西松社員で、西松側が会費を負担し、両団体に
献金先を指示していた。政党以外への企業献金を禁じた政治資金規正法
違反の疑いがある。

16~18年には、民主党の小沢一郎代表や自民党の森喜朗元首相ら
国会議員8年の資金管理団体に、献金やパーティー券購入で
計約3000万円を支出。また自民党二階派の政治団体「新しい風」に、
パーティー券購入で818万円を支出するなどしている。


原発利権については、

特捜部は昨年11月、外為法違反容疑で、裏金の使途の関係先として
電力業界や政界に太いパイプを持つ都内の元会社役員の複数の
関係会社を捜索。このうち警備会社は青森県六ヶ所村の使用済み
核燃料再処理施設の警備業務をしており、西松から融資を受けていた。

また、宇都宮敬容疑者(67)が社長を務めた西松子会社の松栄不動産が
15年ごろ、ダミー会社を通じて福島県の建設会社に約2億円を
融資していた疑いもある。西松は当時、この建設会社と組んで、
福島第2原発などの東京電力関連施設から出る砂の搬出事業の
受注を狙っていたとされる。融資は返済されていないとされ、
裏金の一部が流用された可能性がある。

特捜部は、西松の原発利権の獲得資金についても注目しているようだ。

この記事を見ると、西松の拡大戦略が見て取れる。
バブル崩壊までは堅実経営を旨としていた西松建設も、
他のゼネコンが落ち込む中、業績を伸ばしていたが、
その中で、リスクをとりながら拡大する意識が強くなったのだろうか。

それとも、スーパーゼネコンの仲間入りをもくろんだのであろうか。

ただ、その拡大戦略の影で、建設業界の悪弊に手を染めたのであろうか。

ウラ献金を始めた時期も、バブル崩壊後であり、
国沢前社長が経営の実権を握る15年を前後して、
海外リベート、原発利権と続いている。
これは何の符号であろうか。

従来の堅実経営に戻せるのか、不正を正し、遵法経営できるのか。

石橋西松丸の船出は、吐き出さなければならない膿が多いかもしれない。

その手腕は建設業界全体の浮沈にも関わりかねないだけに
注目せずにはいられない。

石橋新社長の経歴を見ると、法政大学経営学部出身だと言う。

頑張れ!先輩!


オバマ新大統領就任式
2009.01.21

昨日というか、日本時間では今日未明、
アメリカ、ワシントンの連邦議会議事堂前において
オバマ、アメリカ第44代大統領の就任式が行われた。

オバマ新大統領の就任演説には、わが国に
そのまま置き換えられるような重大な示唆が多く含まれている。

その一部を紹介したい。(gooニュース21日7時51分記事より)

(前略)

私たちが危機の最中にあることは今や、周知のことです。
この国は、暴力と憎しみを掲げる大規模ネットワークを相手に、
戦争を戦っています。
また、私たちの経済はひどく弱体化してしまった。
一部の人の強欲と無責任のせいではあるが、私たちみんなが
全体として、新時代に向けて厳しい選択をして
国を準備してこなかったせいでもあります。
おかげで人々は家を失い、職を失い、事業は閉ざされてしまった。
私たちの医療保険は高すぎる。
この国の学校はあまりにあちこちで破綻しすぎている。
そして私たちのエネルギーの使い方は、敵を勢いづけて、
この惑星を脅かしている。
その新しい証拠が、連日のようにあがっている。

どれもこれも危機の指標として、データや統計で図れるものです。
それに比べて、数字では図りにくいが同じくらい重大なのが、
国中にはびこる自信の喪失です。
アメリカの衰退は避けがたいものだという、いかんともしがたい恐怖。
そして次世代の国民は期待の水準を下げなくてはならないという不安。
こういう自信の喪失のことです。

私は今日、みなさんにはっきり言います。
私たちが直面する課題は、本物です。
課題は深刻で、たくさんあります。
簡単に解決できないし、短期的に解決できるものでもありません。
けれどもアメリカよ、これは知っておいてもらいたい。
問題は、解決します。

(中略)

この国は依然として、この地球上で最も豊かな、最強な国です。
この国の労働者は危機が始まった時と比べて、
決して生産性が落ちたわけではない。
私たちの創造性が低下したわけでもなければ、先週や先月や去年に
比べてこの国の製品やサービスに対する必要性が減ったわけでもない。
私たちの能力は衰えていない。
けれども、何もせずに済む時代は終わりました。
つまらない利益を死守したり、不愉快な決断を先送りしたり、
そんなことをしていられる時間は、確実に終わったのです。

(中略)

この国の経済状態は大胆で素早い行動を必要としています。
そして私たちはただ新しい雇用創出のためだけではなく、
新しい成長の基盤づくりのために行動します。

(中略)

どれもできることばかりです。
どれも、これから実現していくのです。

(中略)

シニカルで懐疑的な人たちには分からないのです。
足下の地面が、とっくに動いてしまったことを。
私たちをずっと巻き込んできた中身のない政争は、もう意味がないのだと。
今日この日に私たちが問いかけているのは、政府が大きすぎるか
小さすぎるかではなく、政府がきちんと機能しているかどうかです。
国民がまともな給料の仕事を見つけられるよう、
政府が協力しているかどうか。
高すぎない医療サービスが提供できているかどうか。
尊厳ある引退生活を提供できているかどうか。
「イエス」と言える分野についてはこのまま続行するし、
「ノー」と言う分野についてはその政府事業は終わりにします。
そして国民の税金を扱う我々は、賢明に使い、悪い習慣を改善し、
透明性の高い形で仕事をするよう、責任を負う。
そうしなければ、国民と政府の間に不可欠な信頼を回復できないからです。

同様に、問われるべきは市場の善悪ではありません。
富を作り出し自由を拡大するためのものとしては、
市場ほど強力なものはない。
けれども今回の危機で、きちんとした監督がなければ、市場は
無軌道で野放図な動きをしてしまうと、改めて思い知らされました。
さらには、富める者しか厚遇しない国は、あまり長いこと
繁栄できないのだということも、今回改めて分かりました。
昔からそうだったが、この国の経済がうまく行くために大事なのは、
国民総生産の規模だけではなく、その繁栄がどこまで届いているかなのです。
大事なのは、やる気のある全ての人に私たちがいかにチャンスを
提供できるかです。
慈善でそうするのではなく、その方が確実に国民全員の利益に
かなうからこそ、広くチャンスを提供できるかどうか。

(中略)

目の前に広がる道を眺めながら、まさに今このとき、遠い砂漠や
はるかな山岳で警備にあたっている勇敢なアメリカ人たちを思い、
謙虚に感謝します。
今の兵士たちは多くのことを教えてくれるし、アーリントンの
国立墓地に眠る戦死者たちは時を超えて囁き続けています。
兵士たちを称えるのは、私たちの自由を守ってくれるからだけではなく、
奉仕の精神を体現しているからです。
自分たちよりも大きな何かに意味を見出そうという、その意欲のことです。
そして今この時、私たちの時代を決定付けようというまさにこの瞬間、
私たち全員に求められてるのは文字どおり、この奉仕の精神なのです。

なぜなら、確かに政府は多くのことができるし、多くのことを
しなくてはならないわけですが、この国が究極的に頼みにしているのは、
アメリカ国民の信念と決意のほどなのですから。

(中略)

私たちの運命を最後に決めるのは、煙が充満した階段に飛び込んでいく
消防士の勇気もそうですし、あるいは子供を育てようという
親のやる気でもあるのです。

私たちは新しい課題に直面するかもしれません。
取り組むための道具も、新しいものかもしれません。
しかし私たちが成功するには、勤勉や正直、勇気や公平、
寛容と好奇心、忠誠と愛国心といった価値観が必要なのです。
昔からの古い価値観です。
真実の、本物の価値観です。
そういう価値観こそが、私たちの歴史をずっと静かに前進させてきたのです。
今何が求められているかというと、こういう真実に立ち返ること。
私たちに今求められているのは、新しい責任の時代に入ることです。
全てのアメリカ人が、自分たち自身への責任と、国への責任と、
世界への責任を認識することが必要です。
嫌々、不承不承に責務を担うのではなく。
難しい仕事に全身全霊を尽くすことほど、心が充実し、
人格を作り上げてくれるものはないのだとしっかり認識した上で、
進んで喜んで責任を受けれいることが、今必要なのです。

(中略)

「未来の世界に伝えるべし。
希望と善行しか生き残れないような厳冬の極寒の中、
共通するひとつの危険に危機感を抱いた街と国は、
危険に立ち向かうべく乗り出したのだ」

アメリカよ。
困難ひしめくこの冬にあって、共通するひとつの危険を前にした今、
時代を超越したこの言葉を覚えておきましょう。
希望と善行をもって、氷浮く凍てついた激流に再び挑んで、
どんな嵐がやってこようとも耐えしのぎましょう。
子供たちの子供たちが語り継いでくれるように。
試練に遭って私たちは、この旅路の中断を受け入れなかったと。
後戻りもしなかったし、ふらつきもしなかったと。
そして地平線をしっかり見据え、神の恩寵を身に受けて、
自由という偉大な賜物を携えて前に進み、
それを未来の世代に無事に伝えていったのだと。

(後略)


オバマ新大統領の演説は、まさに至言である。

彼の示唆を我々も心に刻み、「Let's Change !」

勇気を持ってこの荒波に立ち向かっていきましょう。


課長の会計力(望月実著、日本実業出版社)
2009.01.19

ビジネスの現場で必要とされるべき会計の知識を
分かりやすく解説した本が出ました。

「課長の会計力」(望月実著、日本実業出版社2008年12月)

大手企業の課長さんに向けて書かれた本ですが、
中小企業の経営幹部に読んでもらいたい本なので、ここで紹介します。

ビジネスにおける会計思考は、管理会計をマスターできるかに
かかってくると言っても過言ではありません。

私のような税理士が日常業務として扱っている税務会計や財務会計は
基本的には過去情報に基づいたものであり、将来予測には
参考程度の役にしか立ちません。

投資案件の評価や利益の出る見積もり計算などに必要な知識は
ほとんど管理会計の知識からくるものなんですね。

残念ですが、税理士には、試験科目にないために
管理会計を勉強したことがない方もいらっしゃいます。

私の場合、公認会計士試験挫折組とはいえ、
大学院まで行って会計学者を目指していた分、
管理会計まで勉強しましたが、
正直、入門編として分かりやすい本に
なかなか出会えませんでした。

そういう意味では、本書は近年急速に増えつつある会計本の中でも
特にオススメの1冊かもしれません。

本書の特長は、ケーススタディーにあると言えましょう。

各章ごとに、コラムとしてケーススタディーが用いられています。

第1章 値引きはどこまでしてよいか
では、「吉野家はなぜ牛丼を280円で売ったのか」

第2章 資金繰りで困らないために
第3章 “勘定あって銭足らず”を避ける技術
第4章 儲かるための「コスト」の基本
では、それぞれ、
「有利な資金繰りは諸刃の剣 NOVAの運転資金」
「NOVAのキャッシュフロー計算書から破綻の兆候を読み取る」
「生徒数の減少で大きなダメージを受けたNOVA」

第5章 予算がわかれば“会社”が見える
では「三越伊勢丹グループの中期経営計画」

第6章 予算を達成するための数字の見方
では「経営環境が業績に与える影響 任天堂はなぜ業績予測を変えたのか」

第7章 勝ち組企業の「儲け力」
では「資生堂の“心の価値”を上げるブランド戦略」

第8章 経営の効率とスピードを上げる
では「吉野家と任天堂の株主のプレッシャーに負けない経営」

本書を読んでいく上で、

会計にはちょっと抵抗感が・・・

とか

数字はちょっと・・・

という方は

ケーススタディーだけでも読んでみて下さい。

数字を読めるとビジネス展開がどう変わるのか、
今の自分のやり方をどう変えていこうか、がはっきりすることでしょう。

また、ケーススタディーを先に読んでしまってから、
本文を読み始めるのもいいかもしれません。


本書の最後には、望月氏オススメの経営本が7冊ほど紹介されています。

その中には、私にとっても座右の書となっている

「ハイパワー・マーケティング」
(ジェイ・エイブラハム、金森重樹訳、インディックス・コミュニケーションズ)

が紹介されています。

そのうちと思っているうちに、紹介しないまま来てしまいましたが、
マーケティング手法をビジネスの現場にどう生かすか、
現代の生ける伝説的マーケッター、ジェイ・エイブラハムの
エッセンスが詰まった本です。

むしろこちらの方が絶対のオススメ本だったりしますが・・・

ご興味がおありの方は是非お手にとって見てください。


毒入りギョーザ事件で中国公安が容疑者拘束
2009.01.18

17日17時32分KYODO NEWSは次のような記事を報じた。

日中両国で被害者が出た中国製ギョーザ中毒事件で、
中国の公安当局が昨年6月に中国で起きた事件について、
製造元の天津食品(河北省石家荘市)の工場で当時勤務していた
従業員数人に容疑者を絞り込み、昨年秋以降数ヶ月間にわたって
拘束、事情聴取していることが17日、分かった。
中国筋が明らかにした。
元従業員らの家族も聴取しているが、元従業員らは否認している。


安全神話が崩壊したきっかけの1つに数えられる
冷凍ギョーザ事件がようやく解決の方向に動き出したようですね。

容疑者の段階ですから、犯人扱いすることは許されませんが、
中国でメタミドコス等が混入した可能性が限りなく
高くなってきたものと思われます。

食品の安全性の管理は、都市生活者が圧倒的に多くなった
現代の日本では、徹底することが不可欠ですが、
偽造問題もあって、どこまで信じてよいのか、不安が残っています。

偽装問題の根の深さは、ばれなければよい、と思ってしまう
我々の心のありようを反映したものかもしれません。

多くの人が、皆がやっているから、昔からこうやってきたから、
といって、ルールどおりではない従来のやり方であっても、
そのやり方を変えたがらない傾向にあります。

政府が取り組んでいる行財政改革もその例にもれないようですが、
ばれなければいいという問題ではなく、その場のノルマをクリア
するために、その場しのぎの手を使ってしまうのではなく、
例えクリアできなかったとしても、ルール通りに行うことを
是とすることを、皆が合意していかなければならないことでしょう。

毒入りギョーザにしても、作らなければならない数に足りない材料で
ノルマ数を作ろうとした結果、その場にあるものに手を出して
しまったのではないか、と僕は思っています。

各種の偽装事件にしても、最初は、儲けるためにわざとやったもの
ではなかったと思います。

ただ、偽装が常態化してしまった時に、誰も元に戻そうと
言い出せないような状況はあったのだろうなと思います。

こういう時の正論は、周りの逆恨みを買うことが多いからです。

しかし、そういう時こそ、勇気を持って、正論を唱えるべきでしょう。

私の父は、周りの人が嫌がっていようと、平気で正論ばかり
言っていましたから、敵も多かったですが、
父の葬式のときに、「これから誰とケンカすればいいんだ」と
泣いていた方がいらっしゃいました。

私は、その方は父の敵だと認識していましたが、本当のところは、
お互いに理解しあっていたんですね。

言われた時は、「正義づらしやがって!」と腹が立っていたとしても、
後になって冷静になってみると、正論の重みを感じていたのかもしれません。

私も今になって、父の凄さを思い知らされています。

仕事の上でも、マンションのことでも、父の七光りを感じずには
いられませんが、亡き父にあやかりたいところです。


正論ということでは、大学時代のサークルの友人にもいました。

某私立大学の国際法の講師をやっているんですが、人呼んで「正論のジョー」。

サークルの運営上、彼の青臭い正論は、煙たい反面、有難かったですね。

特に彼の理詰めの正論は、こちらとしては反論の余地がなく、
随分、苦しめられましたが、彼の影響を大分受けていますね。


話が大分逸れてしまいました。

食の安全にしろ、偽装問題にしろ、ばれてしまえば、すべてを失います。

我々も同じこと。

「ばれなければいい」という考えが、恥と思える日本人でありたいですね。


京品ホテル、東京地裁が明け渡し命令
2009.01.17

15日12時58分asahi.com記事によると、

廃業により解雇を通告された京品ホテル(東京都港区)の一部の
従業員らが雇用継続などを求めてホテル内の飲食店などを自主営業
している問題で、東京地裁は15日、従業員らに対しホテルを明け渡す
よう命じる仮処分を出した。従業員側は「仮に強制執行があっても、
出て行くつもりはない」としている。

仮処分は、ホテルを経営する京品実業(同)が「従業員らの自主営業は
建物の不法占拠だ」などとして申し立てた。従業員側は「正当な組合活動」
などと反論したが、退けられた。

同じく15日16時21分YOMIURI ONLINE 記事によると、

東京地裁(蓮井俊治裁判長)は15日、「従業員に(営業の)再開を求める
権限はなく、ホテル占有にも正当性はない」として明け渡しを命じる
決定をした。

労組側は同地裁に異議を申し立てる予定だが、異議が認められるケースは
少なく、近く強制的に立ち退きが執行される可能性が高い。

という。


品川駅前の老舗ホテル「京品ホテル」を巡る労使対決は、結果的に
裁判に持ち込まれ、一昨日の15日、一応の決着を見た。地裁段階のため、
確定された判断とはならないが、過去の判例等を考えれば、このまま
自主営業を行う元従業員たちの強制退去となるものと思われます。

京品ホテルのHPにアクセスすると、京品実業側の見解がアップされています。
それによれば、

会社の閉鎖(現在、清算手続中)、従業員全員の解雇は、平成20年5月に
決定されており、組合に対しても平成20年5月7日の団体交渉において
宣言しているとのこと。
また、平成20年7月2日付で文書により、平成20年10月24日までに
すべての給与等の支払いを支払う旨、最雇用先の斡旋を行う旨等を
記載して、全従業員に通知し、平成20年10月26日現在で、給与等の
支払は完了し、精算済みとなっているものの、再雇用先の斡旋については、
一部の辞退者を除きほぼ完了しているとのことである。

また、12月7日付の見解によれば、

今回当社が清算法人として、精算業務を行うに当たって当社の債務及び
買掛金、未払金等の清算を行います。
特に現況の土地については個人所有となっており、建物についてのみ
法人の所有となっております。
只、建物についての評価額は低く、すべての債務は個人資産である土地の
売却によって、京品実業株式会社の債務を肩代わりし、支払いを行う
ものであります。

マスコミ等の報道によりますと、民事再生や会社売却を行うべきではないか
との報道があります。
第一に、民事再生については、多くの取引先及び債権者に多大なご迷惑を
掛けるスキームであると認識しております。
第二に、会社売却については、当社の債務状況からお引き受けいただける
会社がありませんでした。
この様な状況から、当社は清算法人としての選択をさせて頂きました。


会社側の見解ばかり引用し、組合側の意見を引用しないのは、公平に反する
とのご批判を受けるかもしれないが、少なくとも、会社側は、再建の努力は
していたと見るべきであろう。しかし、個人による債務肩代わりをした上での
清算の道を選ぶしかなかったのかは、私が入手できる資料からは分からない。

ただ、言えることは、民事再生にしろ、会社売却にしろ、外資系を中心とした
投資銀行が得意とするスキームであり、また、専門とするコンサルタントでさえ、
ホワイトナイトたる救済支援企業が見つからなければ、困難なスキームである。

民事再生であれば、自主再建の道もあろうが、それは債権者が足並みを
揃えて、大幅な債権放棄ないしは超長期へのリスケに応じて頂ける場合であって、
京品ホテルの場合には、債権の大半を支配するサンライズファイナンスが
債権放棄に応じない以上、民事再生の道は取りようがなかった。
それもサンライズ社はリーマン系で、9月のリーマンブラザーズの破綻
を受けて、共倒れした会社である。

もともと、ハゲタカファンドが京品ホテルの土地に目をつけ、ホテルを
解体した上で、転売ないし新ビルによる事業展開を考えての投資であったと
思われるだけに、リーマンショック前に清算手続が進んだのもうなづける。

こういう経緯を考えれば、今回の従業員側の対応には、心情的には理解できる
ものがあるが、わが国が法治国家なるがゆえに、その行動には問題があろう。

まず、従業員側は不当解雇を主張していたのであるが、例えば、
一部の従業員のみを解雇するリストラや、赤字会社が別会社を作って、
一部の従業員のみを再雇用するような場合であれば、
採用しない従業員の線引きに合理性がない限り不当解雇とみなされよう。

しかし、今回のケースでは、全従業員が解雇され、会社も閉鎖する。
そのため、一部のみに対する不当解雇の場合にあたらない。

それも、5月から労使交渉を続けての結果であれば、事前通知なしの
場合にもあたらない。

したがって、今回のケースでは、不当解雇として認定することは困難であろう。

また、本件ホテル建物は、京品実業の持ち物であり、一部の者のみを
立入禁止にしたのではなく、管理上必要ある場合を除き、立入禁止にした
建物に対して、元従業員とはいえ、管理者の許可なく建物に侵入している
ことになり、刑法犯としての住居不法侵入罪を適用されてもやむを得まい。
さらに、ホテル建物の賃借料を支払う意志もなく、ホテル営業許可を
得ないままでの自主営業になっていること、等を鑑みれば、
京品実業が刑事告発をした場合には、労使問題ではなく、
警察の領域に入ってしまう状況にあると言えよう。

このような状況を踏まえた上で、本件判決は妥当であると言わざるを得ない。


税制法案附則(消費税3年後増税方針)、反論相次ぐ
2009.01.16

麻生首相は、3年後の消費税増税にかなり強い意欲があるようですね。

15日14時30分時事通信社オンライン記事によると、

麻生太郎首相は15日午前、首相官邸で中川昭一財務相と会い、
2011年度から消費税を増税する政府方針について、昨年12月に
閣議決定した税制改正の中期プログラムに沿って、09年度税制改正
関連法案の附則に明記する方針を確認した。

附則への消費増税明記に対しては、自民党内から批判が噴出しているが、
首相は会談で「政府として決まったことを進めてほしい」と指示した。
この後、財務相は記者団に「経済情勢が良くなるという前提で附則は
成り立っている」と党側に理解を求めた。

という。
また、16日8時5分産経新聞オンライン記事は、次のように伝える。

首相は中川財務相に「政府として決めたことを粛々と進めてほしい」と
指示。記者団には「(中期プログラムは)党の了承を得て閣議決定されたと
理解している。従って瑕疵はない。党がさらに丁寧な説明に努力することは
よいことだ」と述べ、党の了承取り付けに自信を見せた。

だが、15日朝の自民党財務金融部会・金融調査会の合同会議は異様な雰囲気に
包まれた。伊吹文明前財務相ら党税制調査会の重鎮がずらりと並び、にらみを
利かせたが、若手・中堅は相次いで附則への方針盛り込みに反対を表明。
業を煮やした伊吹氏が「平成23年に景気が回復したら(増税を)発動する。
しなければ発動しない。それだけの話だ」と説明したが、若手らの納得は
得られなかった。

15日昼の各派総会でも領袖らは「緊迫した国会だからこそ政権与党の自覚が
必要だ。つらい時に我慢して政権を支える使命感をもってほしい」(古賀誠
選対委員長)、「中期プログラムの表現はあらゆる角度から検討して作った
道筋の記述だ」(津島雄二元厚相)と相次いで若手・中堅を牽制した。

だが、最大派閥の町村派では、主流派路線の町村信孝前官房長官、反主流色を
強める中川秀直元幹事長という2人の代表世話人がさや当てを演じた。

町村派総会前には中川氏の主導で町村派政策委員会が開かれ、附則への
批判が噴出した。町村氏は総会で「首相が「これでいきたい」と言ったことを
変えると「また、ぶれた」といわれる。その政治的マイナス効果を考えてほしい」
とクギをさしたが、中川氏は「増税の前にやるべきことがある」と譲らなかった。


こういう自民党内の動きに対して、野党はというと、
15日22時30分時事通信社オンライン記事は、次のように伝える。

民主党は15日、政府が今月下旬にも国会に提出する2009年度税制改正法案の
附則に11年度からの消費税引き上げが明記された場合は、その部分を削除する
修正案を提出する方向で検討に入った。安易な増税に頼らず行財政改革を
徹底するとした党の立場をアピール。麻生太郎首相がこだわる増税方針明記に
自民党内で批判が高まっていることを踏まえ、揺さぶりを掛ける狙いもある。

これに関連して、民主党の菅直人代表代行は同日の記者会見で「わたしたちは
まず税金の無駄遣い構造を根本から変えていく。地方機関の廃止などを
やらないで、お金が足りないから増税というのは筋が通らない」と強調した。

一方、共産党の志位和夫委員長は会見で「総選挙で国民の声を聴く前に
増税のレールを敷くのは、議会制民主主義を根底から覆すやり方だ」と
首相を非難。自民党を離党した渡辺喜美元行政改革担当相も、日本テレビの
番組で「天下りは容認し、行政改革はやらない、公務員天国を温存しておいて
消費税を上げる(ということなら)、「ふざけるな、この野郎」と言いたい」
と語った。


麻生さんがぶれないことは確かに大事なことかもしれませんが、
国民が麻生さんに期待を込めたのは、閉塞感の打開だけではなく、
麻生さんの説明能力の高さにもあったと思うのですが・・・

就任当初の失言騒動があって以降、すっかり官僚主導になってしまった
感がありますね。
官僚主導が絶対に悪い、とは思いませんが、官僚は国民への説明責任も、
結果責任も負っていないのですから、せめて政治家が優秀な官僚を上手く
使いこなして、国民に分かりやすい政治を進めてもらいたいものです。

そういうことを含めて我々は麻生さんに期待したのではないかと思います。

昨日も書きましたが、消費税増税を方向として決めるのであれば、
何故に消費税を上げる必要があるのか、そして、私が一番気になっているのは、
何故に5年間で1%ずつ引き上げるという、特に中小零細の事業者に
過度な負担となるような増税方法をとろうとするのかを、
明確に説明して頂きたい。

我々税理士にとっては、複雑な税制になればなるほど、仕事が増えるので、
商売としてはありがたい話であるが、それはクライアントとなる納税者に
とってみれば、必要なかった出費かもしれないのですから、それ相応の
合理的な理由がないのであれば、断固反対の立場を取りたいところです。

財政再建のためには、減税の余地は少なく、むしろ増税をして、国庫に
負債ではない収入を増やす必要があることは理解しているつもりです。

しかし、行政改革が進展せず、議員定数も全く変わらないのであれば、
民間企業がリストラを断行してきた経緯、今回の派遣切り問題に発展する
労働環境問題を抱えながら、経営大改革を行ってきたのに対して、
国だけは、一切リストラも改革も行わないのであれば、痛みに耐えてきた
国民が納得できるはずはなかろう。

まずは自ら襟を正し、自ら行うことができる改革をやった上でも
増税しなければ近い将来の財政再建が難しいことが試算されたのであれば、
国民も納得できるのである。

今回の造反劇が、行政改革を推し進めてきた渡辺氏が起こしたものであるだけに、
病巣は深いのかもしれません。

今こそ麻生節を復活させ、官僚の書いた文章ではなく、自分の言葉で
国民に向けて、分かりやすい説明をして頂きたいものです。


自民政調、消費税10%前提の政府案に反発
2009.01.15

Fuji Sankei Business I、15日記事によると、
自民党政調は消費税増税を前提とする政府試算の了承を見送ったという。


自民党は14日の政調全体会議で、消費税率を2011~15年度に毎年
1%ずつ引き上げても、国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)
黒字化の達成は、18年度にずれ込むとする政府試算の了承を見送った。
消費税引き上げを前提とすることに、出席議員から批判が噴出した。
内閣府は消費税率据え置きの場合も試算するが、衆院選を控える自民党
議員は、閣議決定された増税方針そのものに対しても不満を募らせている。
求心力が低下している麻生内閣に対して、見直しを求める声が強まる
可能性がある。

「こんな前提をいったい、誰が決めたのか」。会議では、内閣府側からの
説明が終わった途端、出席者から厳しい声が相次いだ。11年度からの
増税は閣議決定された中期プログラムに盛り込まれたが、税率は一切、
明記されていない。だが、試算は5年間で5%の引き上げを基本にし、
批判の的となった。

また、プログラムは景気回復を条件としていたが、試算では世界経済の
低迷が続き、名目GDP(国内総生産)の成長率が、11年度までマイナスを
続ける最悪のシナリオでも増税を前提とした。消費税増税反対派の急先鋒
である中川秀直元幹事長が「景気が上向いたところで増税するというが、
それでは2番底、3番底に落ちる。そうならない保証があるのか」と
執行部に詰め寄るなど、会議は紛糾した。

自民党政調は、この日の了承を予定していたが、反対一色となったため、
保利耕輔政調会長は、内閣府に新たな試算の提示を求めることで場を収めた。
15日に再び議論するが、中川氏は「11年度に引き上げると議論したことはない」
と中期プログラムそのものを批判する。

試算では、世界経済が(1)順調に回復(2)急回復(3)底を這う-
の3通りについて日本経済、財政の姿を示した。「順調に回復」でも、
目標としていた11年度の基礎的収支は15兆2000億円の赤字になり、
18年度にようやく8000億円の黒字になる。急回復でも、11年度は
12兆6000億円の赤字で、目標達成が絶望的であることが改めて
試算で示された格好だ。


この記事の内容は、昨年末12月26日に開催された経済財政諮問会議の
会議内容と同じもので、今年に入ってから議事録が公開されています。

そういう意味では、議員たちも昨日の会議で初めて聞いたのであれば、
勉強不足と言われても仕方がないところであろうが、経済財政諮問会議の
12月26日及び1月6日の議事録を読んでも、2011年度から5年間、毎年
消費税率を1%ずつ引き上げていくことの根拠は一切示されておりません。

中川氏の反論は、これまでの議論の中できちんと国民に説明できるような
合理的な根拠を示していないことに憤りを感じてのものではなかろうか。

中川氏の場合、増税派の与謝野氏とは対極の上げ潮派に属し、
財政再建のための増税ではなく、経済成長による自然増収を目指すべき
という立場の経済・財政政策をもっているから、余計に腹立たしいであろう。


誰であっても、合理的な根拠もなく増税をすることには納得できまい。

消費税率を上げなければ財政破綻するというのであれば、それを具体的な
根拠をもって公表することも、政権政党としての矜持ではなかろうか。

麻生さんは政権政党としての矜持として3年後の増税を明言したのだから、
その根拠も明確に示してしかるべきであろう。
このままでは、国民に対する責任がない官僚が主導する政策がまかり通る
ことになりかねない。

少なくとも何故に消費税率を5年間にわたって1%ずつ上げるという
納税者の事務負担が甚大となる試算を行ったのか。
その明確な根拠が知りたいところである。


超訴訟社会(平野晋著、ビジネス社)
2009.01.14

今日は、裁判員制度導入前に是非とも読んで頂きたい本を紹介します。

平野晋「超訴訟社会ーモンスター化するー権利主張と恐怖の連鎖」
ビジネス社2008年12月(新書版)

です。

著者の平野氏は、NY州弁護士でもある中央大学の教授です。
元NTTドコモ法務室長でもあり、実務に根差した法学者です。

この本で平野氏が伝えたかったことは、アメリカのような濫訴社会を
招くことなく、抑圧的な因習社会に逆行せずに住む方法であろう。

172ページ以下の「おわりに」にそのエッセンスが凝縮されている。
つまり、以下の6点である。

第一に重要なのは、訴訟や裁判に頼りすぎてはいけないという自覚である。
訴訟よりも社会に必要な規範は、「道徳、礼節、倫理規範と呼ばれる
ルール」である。

第二に重要なのは、埠頭に抑圧されることなく、特に今の日本人が
再発見・再認識すべき倫理観は何かと問えば、それは「他人の権利への
平等な尊重」だ。

第三に重要なのは、「正義」という概念が多義的であるという事実だ。
アメリカの法曹界においては、「百人いれば百通りの正義がある」と
いわれる。ユーモアにおいてさえも「正義とは自己に有利な決定をいう」
と揶揄されるほどだ。

第四に重要なのは、「自己責任」の倫理規範である。
そもそも他人の権利に対して平等な敬意を払うとは、何でも他人のせい
にしないという意味である。
他人のせいにしないとは、むやみに他人に責任を転嫁して、自分自身が
安堵を覚えようとする「本能的・認知的な甘えを許さない」ということだ。

第五に重要なのは、江戸幕府の八代将軍である徳川吉宗が、治世に
用いたといわれる「中庸、折衷と呼ばれる徳」、あるいは日本人が
尊重してきた「大岡裁き」と呼ばれるバランス感覚だ。
それは、筆者が専門とするアメリカ法において、「衡平」(イクイティー)
と呼ばれるほうに近い考え方でもある。

第六に重要なのは「マスコミの報道にいちいち惑わされてはいけない」
という点だ。
そもそもテレビ、ラジオ、新聞などのマスコミは、視聴率、聴取率、
あるいは読者数にその財政基盤が左右されるから、大衆への「受け」に
媚びざるを得ない性格を本質的に内包する。
事実を伝達すべき報道の内容さえも、大衆受けを狙い、つい「劇的」
(ドラマチック)な伝達に偏る。物事を「善と悪」に二分して、
単純化して伝える。劇場型な二元論のほうが分かりやすいし、
スッキリしているから大衆に受けるのだ。


以上の6点の主張を、平野氏は本書の中で、実例や映画、ドラマを使って
濫訴社会の恐ろしさを具体的に解説していく。

日本社会がクレーマー化し始めている現代だからこそ、
アメリカの実情を研究する平野氏の主張が他人事ではないことに
気付かされる方も多いはずである。

裁判員制度が導入され、庶民から切り離されていた感のある「法」が
身近なものとして近づいてきたタイミングで、
我々それぞれが当事者意識をもって向き合わなければならない時代になってくる。

その上で、その法を作っているのは誰なのか。
ろくでもない法だったとしても、それを作る政治家を選んでしまったのは
我々自身なのである。

法化社会の前提を頭において、本書を是非読んで頂きたいものである。


高校サッカー、広島皆実初優勝
2009.01.13

昨日12日、全国高校サッカー選手権大会決勝が、
国立競技場で、広島県代表の広島皆実高校が初優勝しました。

私は準優勝に終わった鹿児島県代表鹿児島城西高校を
応援していましたが、非常に面白い試合、かつ、
選手たちの努力の跡が見える大会だったと思います。

結果的には、ここで競技者としてのサッカーを引退するものが多い
鹿児島がが負けましたが、どちらも挫折から這い上がってきた者であり、
彼らの将来の人生が非常に楽しみな一戦でした。

鹿児島城西は、天才ストライカー大迫勇也君の個人技が輝るチームで、
ディフェンスが弱い分、点を取りにいくチームでした。
ただ、一人のみのチームではなく、大迫君の影で目立ちませんが、
6戦全てで得点し、大会2番の7得点を挙げた野村君や、
中盤のパサー大迫希君など、大迫君に引っ張られるような形で
皆が成長したチームでした。

私が個人的に強く応援してきた奄美大島出身の伊地知君は、
高校卒業後は自衛隊員として、サッカーで鍛えた献身的な守備を
国民の安全を守るために示してくれるようです。

一方、広島皆実は、J1広島ジュニアユース出身者がスタメンに7名と、
ユースチームにスカウトされなかった悔しさをバネにして
高校サッカーで活躍してくれました。

スポーツニッポン13日6時1分オンライン記事によると
藤井監督は、「ユースに昇格できないといっても1年間に12,13人の
枠に入れなかっただけ。中学で線引きされても、高校で変わるチャンスが
ある」と、同高OBである日本代表候補の大分DF森重選手を引き合いに、
高校で頑張って将来につなげることを指導されていたそうです。

実際、日本代表に欠かせない存在にまで成長したセルティックの
中村俊輔選手も、横浜ジュニアユースからユース昇格を果たせず、
同じ境遇の仲間たちとともに桐光学院高校に進学し、
選手権初出場を勝ち取っています。

挫折をしても、それを乗り越えるための努力を怠ってしまえば、
そのまま負け犬になってしまいますが、広島皆実イレブンは、
見事、挫折を乗り越え、お互いを信頼する仲間たちとともに
栄冠を勝ち取りました。

広島皆実は県内有数の進学校でもあり、決勝で2得点の金島君は、
今週末の大学入試センター試験を受験するという。
彼も競技者としてのサッカーをここで引退する一人であるが、
その彼が、最高の舞台で最高に輝いていた。

彼は弁護士志望という。

人の気持ちと痛みを分かる素晴らしい弁護士になって頂きたいものです。

挫折した者の気持ちと頑張ろうとする者の気持ちの両方が分かる
彼には、期待したいものです。

挫折に負けなかった彼らにあやかり、我々も負けずに頑張りましょう。


今日は鏡開き
2009.01.11

今日、11日は、鏡開きです。

お供えした餅を割って、お汁粉やお雑煮にして食べる日ですね。

高校生のころ通っていた塾(予備校?)では、
毎年、11日にお汁粉が振舞われていましたね。

今は名前こそ残っているものの、大手に吸収されてしまったため、
古きよき伝統は失われてしまったかもしれませんが、
懐かしい思い出です。

今年は、正直なところ、神頼みでも何でもいいから
気休めでも、何かに諸々のことを頼みたい気分です。

縁起物ですから、しっかりと担いでおきたいですね。

ところで、昨日は、久しぶりに大学院のゼミの時間に
研究室に顔を出してきました。

昨年末の状況は、過去最低の進捗状況だっただけに、
かなり心配はあったのですが、院生たちが正月返上で頑張ってくれたようで、
先生の機嫌は上々でしたね。

修論提出〆切まで3週間を切っていますので、
厳しい追い込みではありますが、ある程度の目処はたったようです。

全員一緒の卒業は厳しいかもしれませんが、
昨日先生に出せているものについては何とかなりそうでほっとしました。

鏡開きできっちりリセットしたいですね。

私も、昨年スタッフを増やした分、今年は売上1.5倍を目標に、
研究面でも3月〆切の1本を皮切りに、4~5本、頑張りたいですね。


トヨタ大政奉還
2009.01.10

10日8時5分産経新聞オンライン記事は以下のように報じ、
トヨタ自動車の新社長に創業家出身の豊田章夫副社長が
昇格することを伝えた。


販売不振にあえぐトヨタ自動車は9日、6月下旬に豊田章夫副社長が
社長に昇格する人事を固めた。14年ぶりに誕生する創業家出身社長は、
急速に縮小しつつある名古屋経済にとっても切り札となる。

トヨタの赤字転落に伴い、トヨタ本社のほかに7工場が立地する
豊田市では来年度の法人市民税収が約400億円減と今年度に比べて
9割も減る。好調トヨタに支えられ、過去3年連続で地方交付税の
不交付団体だった愛知県は実質的な財源不足は3500億円以上になるという。
名古屋のヒト、モノ、カネはやはりトヨタが支えていたのだ。

かつて豊田家出身のトップが現場を視察したとき、直立不動で
出迎えた工場長は「ご苦労さん」と声をかけられて涙ぐんだ。
生産現場と管理部門をつなぐこの求心力こそが創業家の強みだ。
文字通り「原点回帰」で全社一丸となって難局打開ができるかどうか。
名古屋にとっても、日本経済にとっても重大な関心事だ。

リーマンショックに端を発した世界同時株安、金融不況は、
急激な円高を生み、その結果、トヨタ自動車は、
連結決算開示以来初の営業赤字転落の憂き目を見た。

その後は、他社同様、非正規社員のリストラを行い、
早急な体制建て直しを図っているところである。

経費削減努力は、業績修正を公表した記者会見にも表れている。

トヨタ自動車の年末記者会見は例年名古屋市内のホテルで
行われていたが、今年は、トヨタ名古屋オフィスの会議室であった。

なりふり構わぬ財務リストラの姿勢を示したものであろう。

このような状況で、トヨタ自動車は、待望論が出ていた章夫氏への
大政奉還を決断したのである。


昨年末12月24日の日経ビジネスオンライン記事は以下のように報じる。

取締役に就任して以降も、異例のスピードで昇進を続ける章夫氏に
対して「大政奉還はいつか」との見方はずっとついて回ってきた。
クルマ好きとして知られ、排気量5000cc、423馬力という大出力エンジンを
搭載するスポーツカー「レクサスIS-F」の開発にも自らかかわった。
一方、調達部門を担当すれば各地の部品メーカーに自ら足を運び、
営業担当になれば販社との関係強化に力を注ぐ。
「偉ぶったところもなく気さく」というのが人物評だ。

未曾有の危機に直面した今、章夫氏に求められているものは
「トヨタの旗」として求心力を発揮することだ。そんな願いが
トヨタ社内のほか部品メーカーや国内販社からも出ている。
IMVや中国事業など章夫氏が手がけたプロジェクトは総じて
成功を収めたというのがグループ内での評価だ。
その手腕をもって、これから切り込まなければならない聖域なき改革に
チャレンジする。それが創業家トップ誕生にかかる期待である。

トヨタのプリンスとして順風満帆に育てられてきた章夫氏が
これからの難局に乗り出していくことになった。
気さくな人柄から、多くの方々から貴重なご意見を賜る機会も多いであろう。

しかし、これまでとは異なり、最終決断をつけなければならない立場になる。
その孤独にどこまで耐えられるか。

政界のプリンスとして苦労を知らずに首相まで上り詰めてしまった
お友達内閣の首相の二の舞にならないよう、
周囲のご意見番たちの役割がより重要になってくるのであろう。

厳しい時代だからこそ、また、厳しいリストラを内外に納得させるためにこそ、
トヨタは切り札とも言うべき章夫氏の登板を決断したはずである。

この点において、世襲の強みを生かせる経営ができるか、
それとも、世襲のマイナス面が目立つのかは、これからの
章夫氏の対応がその評価を決めることになるであろう。

親や親族の苦労を小さいときから目の当たりにしているからこそ
生まれる覚悟のようなものが発揮できるかどうか。

成功する2代目と失敗する2代目の分かれ道である。

中小企業の皆様も、自分の後継者を決めるときには、
子供だから後を継がせるという考え方ではなく、
親の責任も含めて覚悟を決められる人物であることを確認できれば、
これほど力強い後継者はいないと信じて後継者を決めたいものです。


経済財政諮問会議、消費税率10%を想定か?
2009.01.09

2009年1月8日8時5分付産経新聞オンライン記事によると、
内閣府が、平成27年度に10%の消費税率を前提に
今後10年の日本経済の姿を試算していたことが、
7日公表された経済財政諮問会議の議事要旨で分かった、という。

これは、平成20年12月26日に開催された、
平成20年度第31回経済財政諮問会議の議事要旨のことである。

26日の会議においても、年明け1月6日の会議においても、
「経済財政の中長期方針と10年展望(仮称)」について、
議論されている。

これは、
第1章 経済財政運営の現状と課題
第2章 経済社会の将来展望
第3章 今後10年の日本経済
の3章から構成されているもので、これを読むと、
政府が財政再建をどのように進めていこうとしているのか、
よく分かると思います。
まだ、原案段階なので、正式決定されたら、その具体的な内容を
ここでも紹介していこうと思います。

問題とされているのは、第3章の今後10年の日本経済についての
齋藤内閣府計量分析室長の説明である。

「財政に関しては、3つのシナリオすべてに共通するものとして
次の2つを想定している。

1つ目は社会保障の機能強化について、「中期プログラム」で示された
工程表に沿って機能強化と効率化が図られることを想定している。

2点目が、同じく「中期プログラム」の記述を参考にして、
2011年度から毎年1%ずつ、段階的に消費税を上げる。
その結果、2015年度には5%の引き上げが実施されているという
想定をしている。」

齋藤内閣府計量分析室長の言葉に明確に2011年度から毎年、
消費税率を1%ずつ上げて、2015年度には5%の引き上げになる
との言質がある。

つまり、官僚側は消費税10%を想定して将来の財政再建のための
シナリオを作成しているのである。

いつの間に、消費税10%が確定していたのであろうか。

議事録は、与謝野経済財政政策特命大臣の
「この話は、今日はまだ結論が出ないので打ちかけにさせていただき、
もう一度ご相談させていただきたいが、よろしいか。」
の一言で閉会していることから、
年明けの平成21年度第1回経済財政諮問会議議事要旨の公表を待って
今一度検討したいところである。

消費税率を上げるにしても、納得のできるシナリオと、
中小企業の事務負担の過度な増加がないような仕組みを作って頂かないと、
その内容を素直に「はいそうですか」とはいかないところであろう。


譲渡損失遡及適用事件のその後(東京高裁H20.12.4)
2009.01.08

今日は、昨日のコラムの中で指摘した
東京高裁平成20年12月4日判決(TAINSコードZ888-1387)を紹介する。
本件は、既に紹介済みの千葉地裁平成20年5月16日判決の控訴審判決で、
昨年8月1日から4日、10月22日の各コラムも参照して下さい。

本件は、不動産の譲渡損失の損益通算を不可とした平成16年度
税制改正法案の訴求適用を争うもので、法案は3月31日に成立したが、
その適用は1月1日に遡って適用するとした点を争うものである。

判決は以下の点の補充があったものの、いわゆる引用判決で、
地裁の事実認定が全面的に肯定され、納税者の主張が排斥されている。


第2 事案の概要
本件は、控訴人が、平成16年1月30日にした長期譲渡所得の課税対象
となる土地の譲渡について、その譲渡によって生じた損失2500万円余を
控訴人の平成16年分の給与所得等の他の所得と損益通算すると
平成16年分の所得税について還付されるべき税金136万9400円が
存在するとして、その旨の更正請求書を提出したが、処分行政庁が、
控訴人の上記更正請求には更正すべき理由がない旨の通知処分をしたため、
控訴人が、平成16年法律14号附則27条1項の規定は憲法84条が
原則として禁止する遡及立法にあたり、上記の更正請求に理由がない旨の
通知処分は違法であるとして、その取消しを求めた事案である。

第3 裁判所の判断
1 当裁判所も、本件改正附則は憲法84条に違反せず、本件通知処分は
適法であり、控訴人の本件請求は理由がないものと判断する。

2 当裁判所の補充の判断
(1)憲法84条の定める租税法律主義の内容の一つとしての課税要件
法定主義は、課税要件と租税の賦課・徴収の手続は法律によって規定され
なければならないとする原則であるが、遡及立法は、納税義務が成立した
時点では存在しなかった法規を遡って適用し、過去の事実や取引を
課税要件とする新たな租税を創設し、あるいは、既に成立した納税義務の
内容を納税者に不利益に変更する立法であり、法律の根拠なくして租税を
賦課することと同視し得ることから、租税法律主義に反するものとされる。

(2)所得税は、いわゆる期間税であり、歴年の終了の時に納税義務が
成立するものと規定されている。したがって、歴年の途中においては、
納税義務は未だ成立していないのであり、そうとすれば、その歴年の
途中において納税者に不利益な内容の租税法規の改正がなされ、その
改正規定が歴年の開始時に遡って適用されることとされたとしても、
このような改正は、厳密な意味では、遡及立法ではない。

(3)しかし、厳密な意味では遡及立法とはいえないとしても、本件の
ように歴年当初への遡及適用によって納税者に不利益を与える場合には、
憲法84条の趣旨からして、その歴年当初への遡及適用について合理的な
理由のあることが必要であると解するのが相当である。

ただ、歴年当初への遡及適用に合理的な理由があるか否かについては、
「租税は、今日では、国家の財政需要を充足するという本来の機能に加え、
所得の再配分、資源の適正配分、景気の調整等の諸機能をも有しており、
国民の租税負担を定めるについて、財政・経済・社会政策等の国政全般
からの総合的な政策判断を必要とするばかりでなく、課税要件等を
定めるについて、極めて専門技術的判断を必要とすることも明らかである。
したがって、租税法の定立については、国家財政、社会経済、国民所得、
国民生活等の実態についての正確な資料を基礎とする立法府の政策的、
技術的な判断にゆだねるほかはなく、裁判所は、基本的にはその裁量的判断を
尊重せざるを得ないものというべきである。」(最大判S60.3.27)
と解される。

すなわち、本件においても、立法府の判断がその合理的裁量の範囲を
超えると認められる場合に初めて歴年当初への遡及適用が憲法84条の
趣旨に反するものということができるものというべきである。

(4)そこで、本件における歴年当初への遡及適用に合理的な理由があるか
否か、すなわち、歴年当初への遡及適用を行うものとしたことが立法府の
合理的裁量の範囲を超えると認められるか否かについても検討するに、

1 そもそも、分離課税の対象となる土地建物等の登記譲渡所得に対する
課税については、利益が生じた場合には税率20%の分離課税とされながら、
損失が生じた場合には総合課税の対象となる事業所得や給与所得などの
他の所得と損益通算して他の所得の額を減額することができること
については、かねてから不均衡であるとの批判が強く、長期譲渡所得
について損益通算の制度を廃止すべきことが指摘されていたこと

2 平成16年1月1項の土地建物等の長期譲渡所得について損益通算を
廃止することは、自民党の「平成16年度税制改正大綱」の中に
盛り込まれており、そして、この「平成16年度税制改正大綱」は
平成15年12月18日の日経新聞に掲載されて、納税者においても、
平成16年1月1日以降の土地建物等の譲渡について損益通算が
廃止されることを事前に予測することができたこと

3 改正措置法31条1項と同様に歴年の途中から施行されながら
その適用が1月1日に遡るものとされた改正規定は少なからず存し、
これによると、本件の歴年当初への遡及適用についても、納税者において、
歴年の途中から改正規定が施行されてもその適用が1月1日に遡るものと
されることは予め十分に認識し得たといえること

4 もし、本件改正附則を設けないものとして、改正措置法31条1項を
1月1日に遡って適用せず、3月31日までの長期譲渡と4月1日からの
長期譲渡とに区別し、前者については改正前措置法を、後者については
改正措置法を適用して別異に取り扱うものとすると、仮に前者の譲渡に
ついて損失が生じた場合、その損失をどのように損益通算するのか、
仮に、前者の譲渡について利益が生じた場合に、その利益をどのように
損益通算するのか、また、特別控除額100万円はその全額を3月31日
までの間の譲渡所得から控除していいのか、等の問題が生じるのであり、
さらに、3月31日までの譲渡と4月1日からの譲渡に区分すると、
納税者においても所得税確定申告の手続がそれだけ煩雑となり、
申告を受けた課税庁においても正しく区分されているかどうか等を
調べるために付加的な労力を要することになること

5 3月31日までの譲渡についてその損失を他の各種所得と通算できる
ものとすると、その間に譲渡損失を出すことのみを目的とした駆け込み的な
不当に廉価な土地建物等の売却を許すことになり、公正な取引を行う
他の納税者との間に不平等が生じ、不動産市場に対しても悪影響を及ぼしかねないこと

6 本件において、歴年当初への遡及適用の期間は1月1日から
3月31日までの3カ月間にとどまること

7 居住用財産を譲渡した場合の譲渡損失の一部については、
なお一定の要件の下に損益通算が認められていること

等の事情を総合考慮すると、本件における歴年当初への遡及適用には
合理的な理由があり、歴年当初への遡及適用を行うものとしたことに
立法府の合理的裁量の範囲を超えるところはないというべきである。


以上のような理由で、東京高裁は本件控訴を棄却した。

判決には反対意見をもっているところであるが、
実務家としては、
最高裁でも勝てなければ、我々税理士は、改正大綱の段階から、
タイムリーな情報提供をすることを判例は要求していると
考えるべきであろう。

それだけに昨日の私見を言いたいのである。


民主党税制調査会(5・完・平成21年度税制改正)
2009.01.07

今日は、いよいよ民主党税調の主張する平成21年度税制改正の
具体的内容について、紹介する。

これまでの4回の主張がその前提となっていることを踏まえて、
先に紹介した自民党税調(今年は自民党税調から発表された後、
自民・公明両党の合意とされている)による平成21年度税制改正大綱
との異同を考えて頂きたい。

5.平成21年度税制改正について
9月のリーマン・ショック以降の金融、為替、株などの国際市場の
混乱や世界経済の需要の急速な縮小の影響を受け、わが国の実体経済は
これまでに例を見ないスピードで悪化している。
世界経済が混乱していることから、外需をきっかけとするこれまでの
回復パターンを期待することができず、今後の見通しは極めて厳しい
状況にある。

民主党は政権獲得後直ちに、前記のような理念、方向性、プロセスに
基づき税制の抜本的な改革に取り組んでいくが、平成21年度の税制改正
については、現下の経済状況に対応し、国民生活を守り、わが国経済の
基盤である中小企業の経営を支えることを中心に、以下の改正に
重点的に取り組むことを求めていく。

(1)租税特別措置の見直し
民主党は租税特別措置について「租特透明化法」を制定することを通じて、
抜本的な見直しを進めていく。
しかし、今次の平成21年度税制改正においては、租特の抜本的な見直しを
行うだけの十分な資料が収集・公表されておらず、その実態や政策効果を
正確に把握することができない。
よって今次改正においては、基本的な考え方を踏まえつつ、可能な限り
個別の租特の意義、効果を検証した上で、個別の案件ごとに判断していく。

ア)費用対効果
減収額、担当部局の人員、事務量などの当該租特を実施するための費用に
対して、十分な効果が得られているか。
またその効果は現在の社会に求められている効果か。

イ)実施時期
当該租特の政策目的に照らして、その実施時期が適切か。
既に目的を果たしていないか。
目的自体が社会のニーズに即しているか。

ウ)支援措置の重複
補助金などの歳出側からの支援制度において、当該租特と同様の
目的を有する制度が存在しないか。
歳出側からの支援制度との役割の分担は明確か。

(2)内需主導型経済への転換
家計の可処分所得を増やすことにより、過度な外需依存型から
内需主導型への転換を図る。
・道路特定財源については、平成21年度において着実に一般財源化を
図ると共に、暫定税率を廃止し、減税する。
・年金課税については、「公的年金等控除」「老年者控除」を、
平成16年度改正以前の状態に戻す。
・証券税制については、一体課税の環境が整備できるまでの間、
現行の優遇税制を延長する。
・住宅ローン減税については、現在の平均的なローン残高が1600万円程度
であることから、いたずらに最大控除可能額を拡大するのではなく、
バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して
重点的な負担軽減策を講じる。
また、自らの資金で住宅を新改築・購入した場合でも、住宅ローン減税と
同程度の負担軽減を受けることができる制度を創設し、団塊世代などの
建て替えやリフォームのニーズに応えていく。
・生損保などの民間保険会社の保険料控除については、社会保障制度を
遺族・医療・介護・年金といった保険商品に対応した、新しい保険料控除
制度を創設した上で、所得控除限度額を所得税において15万円程度に
引き上げる。

(3)中小企業等に対する支援
わが国経済の基盤である中小企業の活動を支えると共に、これを通じた
雇用の確保を図る。
・中小企業に係わる軽減税率を、当分の間、現行の22%から11%に引き下げる。
・いわゆる「特殊支配同族会社」の役員給与に対する損金不算入制度は廃止する。
・平成4年度から凍結されている繰戻還付制度は、凍結を解除する。
・中小企業の交際費の損金算入限度額について、現行の90%を上限規制を
撤廃し、400万円以下の部分について全額損金算入を可能とする。
・中小企業の事業承継に係わる税制については、事業や雇用の継続を条件に、
株式についても事業用宅地並みの軽減措置を適用する。
・企業が国外に保有する資金を国内に還流し、設備投資、賃金引き上げ等に
活用できるよう、海外子会社からの配当について非課税とする。

(4)市民が公益を担う社会の実現
・所得税の寄付優遇税制に「税額控除」を創設する。
・NPO税制については、パブリック・サポート・テストなどの認定要件を
大幅に緩和すると共に事務手続きの簡素化を進める。
・認定NPOにおけるみなし寄付の損金算入限度額の引き上げ、NPOに
対する寄付の税額控除制度創設などを行う。

(5)徴税の適正化
・毎年、1兆円弱の新規滞納が生じている現状に鑑み、徴税の適正化を図る。
また個人・法人合計で1000億円近くも加算税が生じている状況を是正する
ため、罰則の強化や重加算税割合の引き上げを行う。
・消費税の還付額が年間3兆円にも達しているが、その中には相当額の
不正な還付が存在すると考えられる。
これを防止するため、還付に係わる調査機能を強化する。
・企業活動の国際化に伴い、「移転価格税制」が課題となっている。
企業活動の円滑化を図るため、速やかに関係各国と調整を行う体制を整えると
同時に、一部に見られる租税条約の乱用等不適切な事業の摘発を強化する。

民主党の平成21年改正の具体的内容については、租税特別措置法の
抜本的見直しを主要な改正点としている点は、高く評価したいですね。

ガソリン税の暫定税率も同様ですが、暫定税率も租税特別措置も、
あくまでも暫定的な時限立法であるべきで、半恒久的な措置とするならば、
本法に規定すべきものである。

それにもかかわらず、安易に数十年も時限的措置の適用延長を行ってきた
ことについては、政治責任を追求することも仕方のないことであろう。

「移転価格税制」に至っては、国際課税における基本的ルールとまで
言えるような様相を呈しているにもかかわらず、法人税法には規定されず、
未だに租税特別措置法に規定されているにすぎない。

また、自民党税調も提言した繰戻還付の凍結解除も17年間、
規定の廃止ではなく、適用の停止を時限的措置として続けてきたものである。
凍結解除を唱えてきたので、自民・民主とも凍結解除を主張したことは
喜ばしいことであるが、法学部の教員としては納得いかないやり方であった。

ただ、民主党税調には、なぜ自民党に遅れること10日も経ってからしか、
主張が出てこないのか、と言わざるを得ない。
東京高裁平成20年12月4日判決(TAINSコードZ888-1387、未紹介)を
始めとする、不動産譲渡損失の損益通算を不可とする税制改正の訴求適用の
合憲性を巡る一連の裁判を民主党税調の首脳はどう評価するのであろうか。

12月第2週の金曜日に公表されていた自民党税調の答申の内容は
マスコミや税理士らによる緊急セミナー等により、改正が予想できた
のであるから、翌年の税制改正法案が国会で成立する前に行った
不動産譲渡の損失を、確定申告で控除することを認めないとする判決を
理解していたならば、仕事納めまでわずか3日しかない12月24日に
税制改正案を出してくることは責任ある政権政党を目指すものの行動とは
考えがたいと言わざるを得ないではないか。

本気で政権を取るつもりなら、公表の時期は、政権与党の翌日かせめて
週明けの月曜日に出すくらいの度量を示して頂きたかった。
内容は高く評価できるものだっただけに、実に残念である。


民主党税制調査会(4・執行体制の改革指針)
2009.01.06

今日6日より、いよいよ通常国会が始まりました。
鳩山民主党幹事長の代表質問にはなかなか切れがありましたね。

今日は、昨年末に書きかけになっている民主党税制調査会の
2008年12月24日に発表された
民主党税制抜本改革アクションプログラム
の残りの部分を紹介していこうと思います。

4.執行体制の改革指針
(1)社会保険番号制度と歳入庁設置
1 所得把握体制の必要性
政府が国民になんらかの負担を課したり、便益を与えたりする際に
最も重要なのは公平であることである。

現行所得税は所得に応じた税負担を求めている。
また年金や医療、介護をはじめとするさまざまな社会保障制度の多くが
所得に応じた保険料負担を求め、所得に応じた便益の供与を行っている。
したがって、こうした制度が国民にとって公平に運営されていると
信頼されるためには、正確な所得把握が必要不可欠である。

民主党は、社会保障制度の効率化を進めつつ、真に手を差し伸べるべき
人に対する社会保障をより手厚くするために、正しい所得把握体制の
環境整備が必要不可欠であり、そのためには番号制の導入が必要と考える。

利用する番号として最も望ましいのは、「消えた年金」「消された年金」の
再発を防ぐため国民全員に交付する「年金通帳」の番号であるが、早急な
番号制度の導入が必要なことから、政府が現在検討している社会保障番号も
含めて検討していく。

2 歳入庁の創設
税金も社会保険料も国が賦課徴収を行うという意味では国民にとって
同じであり、その納付先が異なることは国民にとって利便性に欠け、
国にとっても非効率である。また公的機関で最も所得捕捉能力の高い
徴税当局が保険料を徴収することによって公平性も確保できることになる。

民主党は、現在年金の保険料の徴収を担っている社会保険庁を廃止し、
その機能を国税庁に統合する。
統合された機関の名称は「歳入庁」とし、「歳入庁」が税と社会保険料の
賦課徴収を一元的に行うこととする。
これによって、徴税当局が把握した所得に基づき、税・保険を集めることになる。
行政機関の整理統合と共に、これまで社会保険担当部局が個別に行っていた
所得調査などの事務が必要なくなることによって、効率的な行政が実現できる。

(2)納税者の権利等
税制は議会制民主主義の根幹であり、納税者の立場に立つことが基本である
にもかかわらず、これまでの税制は為政者の立場に立ったものであった。
それは税務行政にも表れている。
民主党は税制の中身のみならず、税務行政についても納税者の立場に立ち、
根本から改革を進める。

1 「納税者権利憲章」の制定と更正期間制限の見直し
国民の納税者としての意識を高め、より強固な民主主義を構築していくための
第一歩として、確定申告を原則とし、給与所得者については年末調整も
選択できるという制度を導入する。
また、これを実現するにあたって、納税者の権利を明確にするために
「納税者権利憲章」を制定する。

納税者の権利を守るための具体的な改革として、更正等の期間制限が
課税庁からの更正と納税者からの修正で異なる点について見直していく。
特に課税庁の増額更正の期間制限が5年であるのに対して、納税者からの
更正の請求の期間制限が1年であることは納税者の理解を得られにくく、
早急に見直す必要がある。

2 国税不服審判所のあり方の見直し
税が議会制民主主義の根幹であることを考えれば、個別の課税事案
に対して納得できない納税者の主張を聞く「国税不服審判所」は、
民主主義にとって極めて重要な機関である。
しかし、国税不服審判所の現状は、この重要な役割を果たすには十分ではない。
特に、その機能を果たすために最も重要な審判官の多くを財務省・国税庁の
出身者が占めていることは問題である。
そのほかにも証拠書類の閲覧・謄写が認められていないなどの問題が
あることから、国税審判のあり方やその手続きについて、納税者の権利を
十分に確保することを基本に見直すことが必要である。


今日、紹介した部分については、私にとっては身近な提言である。

まず、歳入庁の設置については、我が師匠、西野敞雄国士館大学教授の
10年来の持論そのものである。年金問題が顕在化するずーっと前、
菅さんが厚生大臣だったころから、社会保険庁を解体して、税・年金を
一体化するべきだと、おっしゃられていましたね。

この意見を見たときに、ふと、その時の記憶がよみがえってきました。
当時は「この親父、何言ってんだ?」と思いましたがねえ。

納税者番号制度については、プライバシーの問題等、問題が多いのは
確かであるが、行政の効率化を図る上では、いつかはやるべき問題であろう。

住民基本台帳カードにおいても、社会保険にしても番号管理されている
わけですから、国民の側にもアレルギーが薄れてきたように思います。

(2)の納税者の権利等については、
東京税理士会の主張に非常に近しいように思いますね。

更正の期間制限については、税務調査の事前準備のために、
書類を見直しているときに、直したい点が発見されたとしても、
国税側は3年分を見ていくのに、こちらからは1年分しか主張できない
ということに、不公平感を感じている税理士は非常に多いと思います。

更正の請求の期間制限についてはせめて3年、できれば国税当局と同じ
5年にして頂きたいものですね。

また、「納税者権利憲章」については、先進諸国の中で「納税者権利憲章」を
持たない国がわが国くらいになってきた現状では、遅すぎるくらいの主張でしょう。

今日紹介した部分については、やっと政治家にも思いが通じたかな、
と思わせる部分であり、政府与党にも聞く耳をもって頂きたい主張である。

明日は、民主党の主張の最後を締めくくる、21年改正について紹介しよう。


タンス株はありませんか?
2009.01.05

今日5日より、上場株を対象に、株券の電子化がスタートしました。

その詳細については、証券保管振替機構(ほふり)のHP

http://www.jasdec.com/

から情報を得て下さい。

自宅で株券を保管している、いわゆる「タンス株」が

廃止になるわけではありませんが、

自分が持っているタンス株を、ほふりや証券会社で登録しないと、

市場での売買が出来なくなるので、注意が必要です。

また、相続・贈与等で親から貰った株券の名義を書き換えていない場合、

その株券が自分のものであることを証明できないと

株券の登録が出来ないので、株券を貰ったことを証明できる書類、

例えば、相続税や贈与税の申告書、遺産分割協議書等も

用意して頂いた方がいいでしょうね。

非上場株に関しては、電子化の対象にはなっていないので、

株券を発行していれば、株券を保有して頂くことになります。

株券の電子化により、取引の効率化が図れるだけではなく、

盗難や紛失のリスクを避けることが出来るようになります。

また、ニセ株券の防止にもなります。

メリットが大きい電子化ですが、

タンス株のままになっている方にとっては、

手間がかかりますね。

ご面倒ですが、タンス株をお持ちの方は、

早急に証券会社等にご連絡頂き、株券の登録をお願い致します。

場合によっては、必要書類を全部持参して、

直接窓口に行かれた方が早いかもしれませんね。


不祥事を乗り越えた東洋大陸上部
2009.01.04

正月の2・3日と正月の風物詩でもある箱根駅伝が今年も開催されました。

今年は、往路・復路とも初優勝の東洋大学が
初めての総合優勝を成し遂げました。

これだけでも栄誉が称えられて然るべきでしょう。

しかし、彼らは大会直前の不祥事を見事乗り越えているのです。

12月1日、2年生部員(当時、既に退部)が強制わいせつの現行犯で逮捕され、
翌々日の3日には、川嶋伸次監督と川野祐司部長が引責辞任、
練習も逮捕直後から5日間ほど自粛していた、という。

今回の東洋大学陸上部の躍進の原動力になったのは、
川嶋前監督がスカウトしてきた1・2年生の躍進だったわけですが、
2年生にとってみれば、同期の不祥事のために、
出場辞退まで囁かれたことへの汚名挽回だったのではないだろうか。

順風満帆の時に実力を発揮できることは普通のことでしょう。

しかし、負のスパイラルに陥ってしまうと、
そこから抜け出るためには、並大抵の精神力では困難であろう。

そういう意味では、今年の箱根駅伝には素晴らしいドラマがあった。

(私はリアルタイムではラジオでしたので、
映像は夜のスポーツニュースでしたが・・・)

東洋大学だけではない。

8区途中棄権の城西大学。9区繰り上げスタートの直前に
リタイアした仲間が担ぎこまれてくるのを横目に
繰り上げ襷を胸にスタートしたのであるが、
公認記録には残されない9区区間賞の走りで意地を見せてくれた。

私が奉職する国士舘大学も、エリートランナーが皆無の中、
シード権が見えるところまで這い上がってきた。
昨年まではランニングではなく、投擲種目等のインカレポイントの
おかげとまで皮肉られての出場であったが、今年はタイム差でも
11位で、インカレポイントを使わなくても予選会突破、
結局シードには届かなかったものの、総合11位に入った。

一方、連覇を期待され、大八木監督もその気であったはずの駒澤大学は、
狂ってしまった歯車を戻すことなく、優勝のために温存したはずの
復路メンバー変更も実らず、13位に沈んだ。

ライバルと目された東海大学も、復路での挽回がかなわず18位だった。

東洋大学の今年の強さは、不祥事を跳ね返す心の強さだけではなく、
走ることが当たり前ではなくなった時に沸き起こった、
箱根を走れることの喜びと感謝の気持ちによることが
大きいのではないだろうか。

景気が悪いと嘆くだけではなく、まだ会社を続けていける、
まだ働く場所があることに感謝しつつ、頑張っていきたいものですね。


今年は今日から業務スタートです
2009.01.03

新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い申し上げます。


昨年末より、しばらく更新がストップしてしまい、失礼を致しました。

今年は、このような長期のストップがないよう、精進に努めてまいります。


さて、今年は、今日からスタートを切りました。
事務所としては5日からなのですが、
お客様のところに今日から行ってきます。

さすが、三が日からのスタートは開業以来初ですね。
31日まで仕事ということはよくありますが・・・

そういう意味では幸先の良いスタートを切れたのかもしれませんね。

また、明日は、大学院の後輩カップルの結婚式です。
社会人の多い我が西野研究室の中では一際若い二人でしたが、
曲者揃いの代をしっかりまとめたゼミ長とムードメーカーの彼女が
新たな一歩を踏み出してくれることになりました。

厳しい時代の中にも新しい息吹は生まれてきます。
新しい風を感じることも大事なことですね。

今年は昨年後半からの金融不況の煽りを受けて、
逆風からのスタートですが、変革を実感できる年にしなければいけません。

アメリカでは、オバマ新政権がチェンジを旗印に出航し、
アメリカ経済の構造的大変革にチャレンジしようとしています。

変革には痛みが伴うだけに、どこまで耐えられるか。

特に今年の前半は痛みを伴う変革の準備をしていく必要がありそうです。

昨年は、北京五輪までの好況を、貯蓄に回し、
その後に予想された不況(結果的には五輪不況ではなく
リーマンショックをきっかけにした経済不況でしたが)
に対応するための準備をしていたところと、
準備をしていなかったところの差が大きく出たところです。

今年は反動を期待したいところですが、動くには早くて半年、
オバマ改革の反応が出てくるのは、1年以上かかる可能性が高いだけに、
わが国経済の外需頼み体質を早急に是正する必要があるでしょう。

我々税理士のクライアントである中小企業にとって、
非常に厳しい1年であることが予想されますが、
厳しいからこそ生き残るための創意工夫が必要になるのです。

クライアントの皆様とともに知恵を出し合って、
この荒波を乗り越えていきたいものですね。