クライスラー、財務省と債権者の交渉決裂、破綻処理へ
2009.04.30

クライスラー、一転して破たん処理へ
複数の米紙が29日夜、財務省と債権者グループの交渉がまとまらず、
破産法の適用(日本の民事再生法に当たる)を申請する方向だと報じた。
これに関連して、オバマ大統領も、就任100日の会見で、
クライスラーが一時的に破綻する旨を言及した。
30日13時22分asahi.com記事はこう報じた。

オバマ米大統領は29日夜(日本時間30日午前)、経営改善策提出の期限を
30日に迎える米自動車大手クライスラーについて、再建の過程で一時的に
経営破綻する可能性も示唆した。
一方で、「存続に向けた解決策が提示されることに、先月の時点より希望を
持っている」と長期的な存続見通しを強調した。

この日が政権発足100日目にあたることから、ホワイトハウスで記者会見
した中で、クライスラー問題に言及した。

オバマ氏は、同社が経営改善策の検討の過程で、連邦破産法11条の
申請についても選択肢の一つとして準備していることに触れ、
「緊急事態に備えなければならないのだから、クライスラーがそうした
準備をすることは、賢明であり適切だ」と評価。
その上で「クライスラーがそうした(破産法申請の)選択をするかは
まだはっきりしないが、主要な債権者が譲歩姿勢を示しているのだから、
同社が一種の経営破綻を経なければならないにしても、非常に短期間の
破綻になる」と述べた。
一時的な破綻を通じて、債務を大幅に削減した後、再生する可能性を
示唆したものとみられる。


クライスラーの再建計画について、再建後のクライスラー株式について、
全米自動車労組(UAW)が55%、伊フィアットが35%、政府等が10%を
保有することにする形で、一度は再建の方向で話がまとまったように見えた。

しかし、債権者たちに政府の示した債務削減案に対して、政府と債権者の
交渉がまとまらず、一時的に破たん処理する方向性で落ち着きそうである。

オバマ大統領の会見からすれば、大統領はクライスラーが再建されることを
望んでいるように思われますが、GMの再建案に対する対応を見ても、
現状のままで再建されることを望んでいるわけではない。
むしろ、大量消費を前提としたアメリカ型の消費社会ではなく、環境に
配慮したハイブリッド車の開発を主軸においた、新しい体制が構築される
ことを望んでいるように思う。

クライスラーの債権問題で、財務省が強い姿勢で債務削減を要求しているのも、
債権者が要請を受け入れないのであれば、破たん処理もやむなし、との
姿勢があるからであろう。

ただ、アメリカが経済改革に本気で取り組む意思を示していることは、
どん底から再生しようとしている世界経済の姿が、従来型の消費社会を
前提としないものとなることが予想できる。

わが国はエコ活動に尽力しているとはいえ、まだまだ取組が場当たり的で、
信念を持ったエコ活動が国家レベルで浸透しているとは言い難い。

クライスラーの債権問題からアメリカの強い姿勢が見え隠れするだけに、
わが国も本気で環境問題に取り組む必要があろう。


社労士テキストで215箇所のミス、回収へ
2009.04.30

社会保険労務士受験用の参考書に大量のミスが見つかり、
回収騒動にまで広がっている。
30日3時5分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

住宅新報社(東京都港区)が出版した参考書「真島のわかる社労士
基本書2009年版」で215か所もの間違いが見つかり、同社が回収作業を
進めていることがわかった。

昨年11月中旬以降、計9850部が出回ったが、半分近くの4657部が
回収できておらず、8月の国家試験に向けて、間違いだらけの参考書が
使われている可能性が高い。

同社によると、資格試験向けに作られたこの本(918ページ)は、
社会保険労務士(社労士)の真島伸一郎氏が編著者で、ほかに4人の
社労士が執筆。
初版は1万2000部。
塾でテキストとして使っていた真島氏自身が、12月初めに間違いの
多さに気づき、出版社に申し出た。
「解雇」とすべき所を「雇用」に、「保険者」が「被保険者」に、
「賃金」が「貸金」になっているなど、基本的なミスが目立つ。

同社は今年1月から回収を始め、ホームページ上に正誤表を掲載している。
別の出版社によると、参考書は専門知識を持つ第三者に内容をチェック
させるのが普通だが、同書はこうしたチェックがなかった。

真島氏は「確認がおろそかだった」とミスを認め、同社の花田俊裕編集長は
「迷惑をかけて申し訳ない。
交換や返金をするので知らせてほしい」としている。

セカンドチャンスの少ないわが国における数少ない人生やり直しの
チャンスとして資格試験を目指している方は多いのではないだろうか。

しかし、資格試験のテキストには今回のようなミスが意外と多いことに
なかなか気付かれない。

テキストの出版時期が決まっているという事情もあるのだろうが、
人生を賭けている方にとってはいい迷惑であろう。

専門学校等に通っている方は、講義を通じてテキストの誤植やミスを
指摘され、難を逃れることになるが、通信講座の方や、独学の方には
気の毒としか言いようがない状況である。

私も、ブログやセミナー原稿をよく確認をせずに書いていますが、
やはりミスすることもあります。
気が付いた時点で訂正するようにしていますが、ご迷惑をかけている
場合も当然にあるわけで、その方には本当に申し訳なく思います。

今回のケースは5人の共著ということですが、それぞれが自分の担当箇所の
原稿しか目にしていなかったのでしょうね。

校正作業は、自分の原稿を自分でというのが一番難しいんですよね。
頭に原稿が入っているために、目で読まずに頭が読んじゃうので。
そういう意味では、第三者的に読める他人が校正をした方がいいんです。

今回は他人(専門家)による校正が行われなかったということですが、
これも予算の関係ということなのでしょうか。
それとも専門書を扱う出版社でありながら、それなりの知識をもった
職員がいないところだったのでしょうか。
真島先生だから大丈夫、との先入観で出版されて様な気がしますね。
詳しい事情は別業界なのでわかりませんが、200箇所を超えるミス
というのは残念なニュースです。


政府税調が今年初めて開催されました
2009.04.29

昨日28日、今年に入ってはじめての政府税調(企画会合)が開催された。
提出された資料は14点にも上ったが、昨年末からここまでに決められた
閣議決定や経済財政諮問会議の内容ばかりで、税調独自の議論をする
気概のようなものはまったく感じられない内容であった。

29日13時の時点ではまだ議事録や記者会見録がアップされていないため、
詳しい内容まではわからないが、実にさびしいというか情けない内容である。
これでは、政府税調が独自の第三者機関である意味がなくなってしまうと
思うのだが、いかがなものだろうか。

唯一の救いが資料の14点目、
「税制抜本改革に向けた実務面の課題にかかる海外調査について(案)」
であるが、これは、5~6月にかけて税調委員のメンバーで海外視察をする
というものでしかない。
主な調査内容として
・各国における最近及び今後の税制改正について
・「給付金つき税額控除」制度の実態について
・納税者番号制度(及びこれに類似する制度)について
・所得再分配状況及びその把握方法について
の4点が挙げられているが、ここで注目されるのは
「給付金つき税額控除」であろう。

森信茂樹中央大学教授が昨年中央経済社から同名タイトルで出版されており、
氏が主査を務める東京財団は2008年4月に
「日本型給付つき税額控除―給付付き児童税額控除の提言―」
を発表されております。

ご参考にして頂きたいところですが、昨年から急にクローズアップされてきた
論点で、わが国の税法学者にもいわゆる負の所得税については、専門家が
少ない分野なんですね。
我が師匠、西野敞雄国士舘大学教授は、10年近く前に国士舘法学で
イギリスにおける負の所得税の取組について、論文を発表されています。

でも、考えてみると、森信教授も西野教授も国税出身の研究者です。
わが国にはなかった制度への提言を純粋な研究者ではなく、国税出身の
研究者から出てくるというのも、実務家からすると若干の違和感を感じます。

それだけ優れたシンクタンクとしての機能を税務大学校が持っている
証拠でもあるんですけどね。

話が逸れましたが、他にはあまり見るべき中身がなかった1回目の会合で、
若干の失望感を感じておりますが、28日23時22分asahi.comの記事を
読むと、なるほどと思わなくもありません。
しかし、それでもやはり、独立の第三者機関としての役割を放棄している
ような気がしてなりません。
同記事は以下のように報じている。

首相の諮問機関である政府税制調査会の今年度初会合が28日開かれた。
今後の審議の進め方について議論したが、香西泰会長は海外視察の実施を
決めるにとどめ、テーマの設定などは見送った。
会合後の記者会見で香西会長は「内閣が代わるかどうかわからない。
何をというのは、もう少し展開を見てやりたい」と述べ、総選挙の結果
などを見極める姿勢を示した。
香西会長は「新しい問題を提起しておくとか、できればそうしたい」
としたうえで、「そういうことをやっても、内閣も違っていて誰も答申だ
といっても見てくれないかもしれない」と語った。

首相の諮問機関としての存在であることは確かではあるものの、少なくとも
現職の委員は、麻生首相から諮問を受けて税制改正論議を深めているはずです。
内閣が変わったら答申を出しても意味がないというのであれば、
現職の麻生首相からの諮問を放棄しているとしか考えられないのであって、
それこそ、職場放棄である。
これ以上の税金泥棒はない。
それも税のあり方を議論する政府税調である。

冗談では済まされない。
財政の専門家ではあっても税の専門家ではない香西会長では致し方ない
のかもしれないが、そうならば会長を変えなければならないのではないか?
それこそ任命責任も問われかねない事態であろう。

その程度の認識で税調が運営されるのであれば、税調を解散して、
経済財政諮問会議に一本化するほうが効率的だし、経費削減できる
のではないだろうか?

税調の役割というものは、その程度のものではないと信じたいものです。
高い見識を持って、諮問した首相の意向に反してでも、あるべき税制の
全体像を議論すべきではないのか。

それが国家100年の計につながるのではないか。

昨日の会議は非常に残念でならない。


クライスラー、再建に向け、フィアット、UAWと合意
2009.04.28

迷走したクライスラーの再建方針は、新生クライスラーの株式を
全米自動車労組(UAW)が55%、伊フィアットが35%を保有する形で
決着するようだ。
これで、米政府から公的資金を得て、再建を図るようだ。
28日12時23分トムソンロイター記事はこう報じた。

ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)によると、米自動車大手
クライスラーと全米自動車労組(UAW)は、最終的にUAWが新生クライスラー
株の55%を保有することで合意した。

イタリアのフィアットは「最終的に」新生クライスラー株の35%を保有、
米政府と有担保債権者は同10%を保有する計画という。

27日午後に開かれた労組幹部の会合で、計画の概要書が配布された。

UAWは26日夜、クライスラーとの合意を発表。
UAW組合員による批准は29日までに終える必要がある。

クライスラーは、UAWが管理する退職者向け医療保険基金に対し、
45億8700万ドル相当の社債を割り当てる。
さらに2010年と11年に現金3億ドルを払い込む。
2019年─23年には払い込み額を最大8億2300万ドルに引き上げる。

同基金は「かなりの規模」のクライスラー株も受け取り、クライスラーの
取締役会に代表を派遣する。
将来的には、取得したクライスラー株の売却を認められる。

フィアットは、クライスラーの米国工場で少なくとも小型車1車種を
生産することに合意。
クライスラーは、フィアットの投資が80億ドルに相当し、UAW組合員
4000人の雇用を新規に創出できるとみている。


先日、アメリカ政府はGMに対する公的資本投入を決めたが、その際にも
クライスラーの問題に触れ、フィアット及びUAWとの交渉が成立しない
限り、支援をしない旨を明らかにしていた。

フィアット及びUAWとの合意が明らかになったことで、クライスラーも
公的資金の投入を受けられる準備ができたということになろう。

ただ、私は、これがいい方向に行くとは考えていない。

自動車ビッグスリーが環境対応車の開発に本気で着手するであれば、
将来展望も開けるであろうが、従来からのアメリカ的な大量消費社会を
前提とした将来展望を見直さない限り、彼らの未来は閉ざされつつあると
考えているからだ。

確かにクライスラーを破綻させることは、アメリカ経済への影響が大きく、
失業者問題に苦しむことになろうが、ここは毅然とした態度で、
経営計画の中身を吟味した上での公的資本投入を期待したいところですね。

この構図はわが国にも当てはまる。
リーマンショック以後の急速な景気低迷は、投機マネーに頼ったミニバブル
が弾けたのに過ぎないのであって、日本の実体経済はあまり傷つかなかった
ように思う。
しかし、バブル経済の傷跡から完全に回復していないわが国経済は、
内需拡大を果たせていないため、輸出産業の低迷はそのままわが国経済の
停滞を生んでしまう。

その点では、アメリカ経済の構造と明らかに異なる点であろう。

クライスラーの今後の展開は、わが国の経済運営にどう影響するのか。

注目されるところですね。


欠損金の繰戻還付をやってみました
2009.04.28

欠損金の繰戻還付を早速やっています。

欠損金の繰戻還付というのは、当期の申告で赤字に転落してしまった場合に、
前年度の申告において納税した法人税に対して還付請求ができるというもので、
平成11年度税制改正において適用除外となっていた制度です。
平成21年度税制改正で適用除外措置が解除になり、平成21年2月1日
以後に終了する事業年度から適用できることになりました。

驚いたことに、繰戻還付を行うと、別表が国税と地方税でずれるんですね。
地方税では6号様式2の3に繰戻還付した税額が来期以降の法人税割の
控除項目として7年間繰り越すことになり、6号様式別表9は繰戻還付
適用前の欠損金が引き継がれることになるんです。
東京都主税局の相談窓口に確認したところ、法人税とは別異の管理を
お願いしますとのことでした。

法人税においても、繰戻還付請求書を提出しなければ還付が認められず、
思いのほか、手間のかかる制度として復活しましたね。

今月の申告から適用が開始されるので、準備が大変です。

法人税とは別異の管理ということになりますので、申告ソフトによる
一元管理も難しそうです。
スタッフがミロクに確認したところ、6号様式2の3に対応していないので、
手書きで対応してくださいとのことでした。

別表7と連動して6号様式別表9ができていますので、
ここは手入力で管理していく必要がありそうです。

繰戻還付制度の復活自体は非常に望ましい税制改正ですし、
2月決算法人から適用する等、できる限り早く対応して頂けたことは
ありがたいのですが、実務上の手間は結構かかりますね。

皆さんもご注意下さいね。


始めるのに遅すぎることなんかない!
2009.04.27

今日は、最初の一歩を踏み出すためのちょっとした勇気をくれる本を
紹介したいと思います。

中島薫「始めるのに遅すぎることなんかない!」
サンマーク出版ポケットブック2009年4月


本書は10年ほど前に出版され、文庫版、そして今回ポケットブック版
が出版されたというものです。

見開き2ページに101のテーマで書かれた文章は、どこから紐解いても
勇気と希望をもたらしてくれるものと思います。

9話「どんな人も、始めはでたらめである」
21話「できるかできないかよりも、まずは始めてみよう」
45話「したことへの後悔よりも、しなかったことへの後悔のほうがずっと大きい」
といったチャレンジを勧めるものばかりではなく、
7話「失敗よりも、失敗したままやめてしまったほうが問題である」
51話「わからないのは、わかるまで続けないからである」
の方が僕的には意味があると思う。

まずはやってみなければ才能があるかどうかもわからないけれども、
とにかくやり遂げてみなければ、その先にあるものは見えてこない。
人は「自分には才能が無い」と諦めてしまいがちですが、
本当にそれでいいんですか?

私は大学に行こうと決意したとき、本当に英語ができなかった。
高3の5月に某大手予備校が実施した模試で偏差値28でしたからね。
それでも、一浪の末、法政大学に合格しました。

その後大学院に進学しましたが、英語力の無さが、純粋な研究者の道を
諦める原因にもなりましたが、国士舘で出会った先生方のおかげで、
実務研究者としての今の立場を得ることができました。

普通に考えたら、高3の春に偏差値28だった人間が、大学院受験予備校で
専門英語を教えませんよね。
私は早稲田予備校大学院コース、日本編入学院大学院コースで
社会科学系英語、法律英語で受験指導もしました。

そのレベルまでは来れたんですね。約15年かかったけれど。

この本を読んでいて、その頃のことを思い出しました。

また、67話「ナンバーワンよりオンリーワン」では、こう記述されている。

一番ということは、確かにすばらしいことです。
でも、それはどこか危うい幹事もします。
それは、一番というのは、何かと比較したときに、「その中で一番いい」
ということだからです。

比較する、つまり比べるということは、どちらかが、またはどれかがいいと
いうことを決めるのです。
ということは、比べられて落ちてしまったものもあるということです。
そして、その中では一番かもしれないけれど、そこにないものの中に、
もっといいものがあるかもしれないという可能性も存在します。

それは何を意味するかというと、一番になったということは、
追われる立場であるということ。
これから先、抜かれるということです。
永久に一番であり続けるということは、絶対にないからです。

だから私は、ナンバーワンよりも、オンリーワンのほうが好きなのです。
オンリーワンというのは絶対的なもの、ただひとつのもの。
だから輝きが違う。(156~157ページ)


私は娘にオンリーワンの人間に育って欲しいと願って名前をつけました。
スマップの「世界に一つだけの花」から取ったわけですが、
私の生き方そのものでもあります。

他の人と同じ生き方なんて真っ平です。
誰もやっていないこと、誰も気付いていないことを見つけることに喜びを
見出しているからです。
だからこそ、毛色の変わった税理士でいるのかもしれませんが、
人が気付いていないことを探しているから気付けるということもあります。
人には見たいと思うものしか見えないといいます。
見たい・知りたいと思っているから気付けるんですね。

頭脳レベルが高くないことは高校時代に思い知らされていますから、
僕は頭脳の切れ味で勝負できない以上、特長を見出さなければその他大勢で
終わってしまうんですね。

10年後に、そういえば10年間からこんなこと言っていたよね、
と言われることが夢でもあります。


また、38話の「出る釘は打たれるが、出すぎた釘は打たれない」
も考えさせられますね。

目障りというのは、その人の視線の範囲内で目立つから目障りなのであって、
それならばいっそのこと、その人の視線から大きく飛び出してしまうくらいに
目立ってしまえばいいのです。
どうせやるなら徹底的に、というのを彼から学びました。
以来、私が何かするときには出すぎるくらいとことんするようにしています。
(99ページ)

高校時代の友人に標語を作るのが上手いのがいました。
その時に言っていたのが、
「出る杭はへこまされる。出すぎた杭は打てない。」でした。
まさに同じことですね。
彼もいわゆる出すぎた杭でしたが、才能がフルに発揮できれば、誰もが
出すぎた杭になれると思います。

何を言われても、主張し続けるとそれが通るようになることもあります。

そして、本書の最後には「ありがとうと毎日言える自分になる」。
感謝の気持ちをいつまでも忘れずに、恩返ししながらの人生を
過ごしていきたいものです。


与謝野財務相の消費税増税論再び
2009.04.26

与謝野財務相の持論とも言うべき消費税増税論が再び注目されている。
26日8時5分産経新聞記事はこう報じた。

財政再建派の急先鋒である与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が、
再びのろしを上げた。
「100年に1度」の経済危機に対応した追加経済対策の発動で、史上最大の
"大盤振る舞い"を行った財務相として歴史に名を残すことになって
しまったが、その鬱憤を晴らすかのように、しばらく自粛してきた持論である
消費税率引き上げ論をぶち上げている。
解散・総選挙を控え、迷惑顔の同僚議員などまったくお構いなしだ。

◆"増税公演"再開
「国と国民は同じだ。(福祉は)国がやればいいというのは、他の誰かが
負担すればいいと言っているのと同じ。みんなで負担する制度でなければ、
制度は成り立たない」

今月16日に放送されたBS番組。
与謝野氏は、すべての国民が広く税負担する消費税の増税の必要性を
強調し、国民に増税への覚悟を強く迫った。

年明け以降、「"公演"は一時中止」と、増税論議を自粛してきたが、
ついにその封印を解いた。

自粛は、経済危機による大誤算が原因だった。

「日本経済にもハチが刺した程度の影響はあるが、日本の金融機関が
痛むことは絶対にない」

米リーマン・ブラザーズが破綻した直後の平成20年9月17日。
自民党総裁選に出馬していた経済財政担当相の与謝野氏は街頭演説で、
"対岸の火事"と言わんばかりの楽観論を披露した。

年末までは財政再建派としても活発に活動。
総額2兆円の定額給付金にからみ、「ゆえなき減税は今年でおしまい」と、
嫌みたっぷりにクギを刺す。

12月に閣議決定した税制の抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」でも
麻生太郎首相をたきつけ、23年度からの消費税増税を可能にする文言を
明記させることに成功した。

◆酩酊会見でとばっちり
だが、楽観論は外れ、日本経済は垂直落下する。
銀行の貸し渋りが深刻化し派遣切りも横行。
10~12月期は震源地の米国よりもひどいマイナス成長に陥り、年明け以降、
さらに悪化に拍車がかかった。

もう一つの大誤算が、2月にローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行
総裁会議(G7)だ。
出席した中川昭一前財務・金融担当相が、ろれつの回らない酩酊会見で、
帰国後に辞任。
経済財政に加え、財務・金融担当相という"一人三役"を仰せつかることに
なってしまったのだ。

最大の使命は、経済危機への対応。
増税論議どころではない。

財政責任者として取りまとめた追加経済対策は、財政支出で約15兆円、
事業規模で約57兆円、追加の国債発行額が約11兆円という過去最大に
膨れあがった。

省エネ家電のエコポイント、エコカーへの買い替え補助、贈与税減免...。
「寄せ集めによる選挙対策」という"ばらまき批判"も、与謝野氏は粛々と
受け入れた。

◆いばらの道選ぶ
だが、最後の最後で反撃に出る。
追加経済対策の政府・与党合意の中に、消費税増税を明記した
「中期プログラム」について、6月をめどに見直すことを盛り込ませたのだ。

「財政再建の重要性は、相当な大きな補正予算を作っただけに、一層、
重要になっている」

今月17日の諮問会議後の会見では、大盤振る舞いの"食い逃げ"は許さない
との姿勢を強調。
財政再建派としての活動再開を宣言した。

中期プログラムの見直しでは、「増え続ける社会保障費を賄うためだけでなく、
財政規律を守るためにも、消費税増税が必要なことを明記させることを
狙っている」(財務省関係者)とされる。

さらに、衆院選の自民党の公約として、消費税増税を掲げ、戦うべきだとの
主張まで始めた。

これに対し、与謝野氏がかつて「悪魔的」と批判した経済成長による
税収増を目指す"上げ潮派"議員に加え、公明党から、「増税ありきの
姿勢で有権者の理解を得られるはずがない」との反発が出ている。

「政治は国民の前に堂々と増税の可否と、その使い方の選択肢を提示
しなければならないはずだ」

自著「堂々たる政治」でこう記述した与謝野氏。
通算3回も落選を経験し、弱いといわれる自らの選挙への影響も心配されるが、
"正論"を取り下げるつもりはまったくない。

総選挙に加え、世界同時不況の深刻化で、増税論議への逆風が吹き荒れる中、
あえていばらの道を歩もうとしている。(比嘉一隆)

緊縮財政を旨とする与謝野氏の政策をズバリ指摘し、今後の税制の方向への
懸念を産経新聞は表明したいところなのであろう。

与謝野氏が増税ありきの立場にあるのは当然のことであろう。

経済立て直しのための財政出動はどうしても必要なことだから、赤字国債を
乱発してででもやるべき政策だと思う。

しかし、年金財政の近い将来の破綻が憶測されたまま、赤字国債の償還
のための負担を将来世代に残すことは政治家の取るべきスタンスではない。
少なくとも私はそう考えるし、そういう政治家には落選して頂きたいと思う。

だから私は学生にも、ありがとうと言っているのだ。

それはそうだろう。
ベビーブーマーの私たち世代が引退するときに、その年金負担と税負担を
して頂くのは、私たちの世代よりも人数がかなり少ない、今の学生たち
なのだから。

政治家の皆様も自分の世代のための負担を誰がしてくれているのか、
その後に残される膨大な財政赤字を誰が解消してくれるのかを、よくよく
考えて頂きたい。

与謝野さんは増税時期の明確化に拘っているようであり、その点には
疑問があります。
増税するためにもまずは景気回復。
景気回復が安定してからの増税でないと、第2次橋本内閣による消費税増税が
景気回復を失速させた失政の二の舞を踏むことになろう。

しかし、近い将来、大増税を行うことによって、財政再建を果たさなければ、
将来世代が安心した老後を迎えることは困難になるのだ。

そんな国で安心して子どもを産めないのも当然だと思う。

自分の子どもが将来を不安視して生きなければならないのならば、
子どもをたくさん産み、育てようという意欲が生まれようもないのだ。

そういう意味で、与謝野さんの増税論には聞く耳を持っておくべきであろう。

まさに良薬は口に苦し。

増税は嫌なものかもしれないが、必要であるものでもある。
そのためにも、タイムリーな情報をいち早くキャッチする耳と、行動できる
フットワークを養っておきたいものです。


NICe埼玉交流会に参加しました
2009.04.26

昨日は、経済産業省委託事業であるNICeの埼玉交流会に参加しました。

NICeとは、経済産業省が平成19年度より実施する「企業支援ネットワーク
環境整備事業」を、財団法人ベンチャーエンタープライズセンターが受託し
運営する事業で、National Incubation Centerの頭文字を取った愛称です。
「NICe」は、インターネットを活用し、地域や分野を越えた起業家・
ベンチャー企業と、投資家を含む起業支援者・支援機関とが、出会い、
交わり、手を携えるチャンスを創出、推進します。
まさに「日本一丸」となって有望企業を輩出しようとする
「志のネットワーク」です。(NICeのパンフレットから引用)

私がNICeを知ったのは、ベンチャーマッチング交流会を主催されている
行政書士の早川先生からご招待されたことがきっかけで、
3月から参加したばかりです。

NICeの実態を知るためには、ネット上だけではなく、実際に参加して
みることだと思い、ウチのクライアントの3分の1が位置する
埼玉の交流会に行ってきました。

いってみれば異業種交流会なんですかね。
出展ブースもあり、なかなか面白い企画でした。

また、第1部の講演はセレブリックス・ホールディングス㈱の櫻井社長が
「トップ営業マンは要らない~組織として売れ続ける、マネジメントのコツ~」
というテーマで講演されました。

これが良かった。
この講演を聴いただけでも、雨の中、足を運んだ価値はありましたね。

ポイントは、
自社製品がお客様の不平不満の解消に繋がる点がどこかを明確にすること。

確かに、クライアントから話を聞いていても、いい製品を作っている、
いいサービスを提供できている、という自負はよく判るんですね。
しかし、売れない。
なぜか。
講演内容から推察できたのは、本物の営業ができていないからなんですね。

櫻井氏はリクルート出身だけあって、売るためのスキルをお持ちです。
しかし、彼が講演で判ってもらいたかったことは、
売るための営業をしてもダメ、購買意欲を起こす営業をしなさい、ということ。

我々税理士業界も同じこと。
税理士であれば、誰に頼んでも同じサービスが提供されると、
購買者である一般納税者が考えている以上、
誰に頼むかでサービス内容が違うんだよ、ということを理解させて、
自分が選ばれるための戦略を練らなければ、
これからの時代では、業績を伸ばすことは難しいでしょう。

そういう意味では、昨年から私たち事務所が取り組んでいるやり方の
方向性には自信を持ちましたね。
ただ、改善点はいくらでもあるでしょうから、
直しながら前に進むしかないですね。

私としても、昨日出会えた皆様とのご縁を大事にさせて頂きたいものです。

せっかくなので交流会後の懇親会も参加したかったのですが、
昨日は法政会計人会の東京支部の総会でしたので、NICe交流会の終了後、
会計人会の懇親会から参加しました。

9月の法政会計人会総会に向け、また、11月の全国会計人会サミットに向け、
さらには来年度に来るべき大事業に向け、非常に多くの会員の参加を
得たことは、意義深いところです。
今年から法政大学での日税連寄附講座(3年間の予定)も始まり、
会計人会としても盛り上がりが感じられます。

久しぶりにエールをきり、筋肉痛ですが、そんなことにめげずに
頑張って行きたいですね。


G7声明。世界経済は最悪の状況を脱したかも
2009.04.25

世界経済は最悪の状況を脱したかもしれない。
G7は日本時間25日早朝、声明を発表し、世界経済の景気後退が鈍化し、
最悪の状況を脱した可能性を示唆した。
25日7時27分トムソンロイター記事はこう報じた。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は24日、ワシントンでの7カ国
財務相・中央銀行総裁会議(G7)の声明発表後に会見し、G7声明は、
世界経済が最悪期から脱したかもしれないことを間接的に表現したものとの
認識を示した。

G7の世界経済の認識について同相は「景気後退しているが、その速度が
鈍化しているという消極的な言い方をしている。疑問符付きの表現だ。
最悪期から脱したかもしれないということを間接的に表現したもの」と説明した。

また、今回の日本の景気対策は金融サミットの考え方に一致していると指摘した。
また同相によれば、米財務長官は3月に発表した金融改革について詳しく
説明したが、議論はなかったという。


G7声明が発表され、懸念されていた日本に対する追加的な財政措置の要求は
無かったようである。
むしろ、麻生内閣の新経済対策が3月のG20金融サミットの考え方に一致
していることを認知させ、外交ルートによる麻生内閣の政策評価につなげる
意図が見えるものとなった。

また、世界経済の景気後退に歯止めがかかったとの共通認識が持たれたことは、
経済対策に奔走する各国首脳にとって追い風になるものであろう。

アメリカの昨日の対応にしても、GMに対して追加的財政措置を施しながら、
伊フィアットとの提携交渉も進展せず、再建策が見えてこないクライスラー
に対しては財政措置を行わなかった。

G7の共通認識としてこれ以上の景気後退が進まないとの見通しが立った
ことで、何ら具体策を打ち出せないクライスラーに対して、強い懸念を
表明できたのであろう。

わが国の景気低迷に効果的なカンフル剤にならないかもしれないが、
外需主導型のわが国の経済状況では、世界経済の早急な回復が景気上昇への
最良の方策となろう。
ただ、苦しいときだからこそ、抜本的な改革を進めなければならないのも
事実ですから、内需主導型への経済構造のシフトを政策レベルにおいても進め、
安定した社会を維持できる社会への転換を図らなければなりませんね。


外環全線開通へ着工準備始まる
2009.04.24

外環が全線開通に向けて着工に向けた準備を始めることが分かった。
練馬―世田谷間の着工により、関越と東名がつながり、
慢性的な環八の渋滞の解消に役立ちそうだ。
24日8時5分産経新聞記事はこう報じた。

国土交通省が、東京外郭環状道路(外環道)の未着工区間(関越道-東名高速、
16キロ)を整備計画路線に格上げする方針を固めたことが23日、分かった。
27日に「第4回国土開発幹線自動車道建設会議」(国幹会議)を開催し、
着工に向けた準備が整う。
計画凍結から約40年たって、懸案だった事業がやっと動き出すことになった。

外環道は、千葉・埼玉・東京を環状に結ぶ全長85キロの高速道路。
うち、東京・練馬と世田谷の約16キロの未着工区間は、昭和41年に
高架方式で都市計画決定していたが、環境への影響を懸念する地元住民らの
反対で45年に計画が凍結され、埼玉県内の区間が開通する中、
着工は大きく遅れていた。

未着工区間について、平成11年に初当選した石原慎太郎都知事が
地下化を提案し、19年4月に地下40メートル以上の大深度地下方式で
都市計画変更が決定。
同年12月の第3回国幹会議で基本計画路線に格上げされた。
石原知事は、2016年五輪招致への影響も考慮し、繰り返し国に早期着工を
求めていた。

現在、国は未着工区間を6車線で計画しており、大深度地下を
シールドマシンで掘り抜く方針。
途中に3カ所のインターチェンジ設置が予定されている。

同区間が開通すれば、関越道、中央道、東名高速が相互に結ばれることになり、
首都高や環状8号線の慢性的な渋滞が大幅に改善されると見込まれている。
現在は環状8号線経由で40~100分かかっている関越道-東名間が
12分程度に短縮されるという。

国は、未着工区間の整備事業を今月10日に発表した追加経済対策に
盛り込んでおり、平成32年度の供用開始を想定。
総事業費は1兆6000億円を見込んでいる。

都と国は年度内をめどに、建設主体など事業の枠組みを確定したい考えで、
国または高速道路会社が建設の主体になると見込まれる。
都は「いずれにしても、用地買収などで都が協力することはあり得る」
としている。

また、23日、沿線7区市長意見交換会が都庁で開かれ、国交省と都が
まとめた環境・騒音対策を盛り込んだ「対応の方針」が了承された。

外環が全線開通になるのは平成32年ということなので、あと10年以上
先のことではあるが、慢性的な渋滞で身動きがつかない環八の渋滞が
緩和されることが期待され、物流の効率性が改善されると思われます。

石原都知事は2016年東京五輪招致を有利に働かせることも目論んでいる
ようですが、さすがに間に合わないでしょう。
ただ、地下工事で実施されることになれば、環境対策にもつながり、
海外メディアも含め、注目されることになろう。

エコが注目される時代だけに、環境を守りながら開発を進めることが
重要なんですね。

ただ、これだけの大工事。
道路財源の一般化が決まった直後に発表されるというのも皮肉なものですね。


G7今日開幕。追加財政措置には繋がらないと財務省
2009.04.24

今日24日から開催されるG7の議題について、財務省は、追加の財政措置を
求められるための議論にはならないという方向性を明らかにした。
23日18時52分トムソンロイター記事はこう報じた。

財務省の杉本和行次官は23日午後の定例会見で、24日にワシントンで
開かれる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)について、各国に対して
あらためて追加の財政措置を求める議論にはならない、との見方を示した。

4月2日にロンドンで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)
は、成長回復に向けた「必要な規模の財政努力」にコミットした。
杉本次官は、サミットを受けて「国際協調の考えに基づいて各国が
対応措置を講じている」と指摘。
その上でG7における財政支出の議論について「あらためて追加的な財政措置を
求める方向にはならないと考えている。現在、講じている措置を各国とも
協調してやっていくということではないか」と語った。

杉本次官によると、G7で日本は、政府・与党が10日に決定した追加経済対策
を説明、「現下の世界的な経済・金融危機の克服に向けた議論に積極的に貢献
したい」と述べた。

一連の経済対策に伴う財政支出によって、日本の財政状況は一段と悪化する
ことになるが、杉本次官は「当面は財政対策を最優先としつつ、中期的には
財政責任を果たしていくことが重要」と指摘。

財政支出自体に対しても「財政だけで経済を支えていくことにはならない。
当面の措置を通じて経済が民間の活力で戻っていく流れを期待している」とし、
「財政の持続可能性は経済の観点からも必要。財政の持続性に対する信認
なくしては、かえって経済に対して悪影響を及ぼす」と強調した。 


今日開催されるG7の議論の内容は、わが国の政治動向を左右しかねない
部分もあるため、会議後の声明がどのようなものになるのか、注目される。

麻生内閣の新経済対策に世界各国が理解を示すのか。
理解を示されなかった場合には、どのような対策が打てるのか。

残り僅かの任期に向け、麻生内閣の命運が問われることになる。

財務省の杉本次官の記者会見では、追加的な財政出動を迫られることはない
との見通しであるが、もしさらなる財政出動を求められるのであれば、
麻生内閣が示した新経済対策を世界は評価していないということになろう。

これ以上の財政出動は、赤字国債の追加発行という意味でしかないので、
近い将来の大増税が容易に予想でき、なお一層の将来不安を引き起こす。

それだけは避けてもらいたいところである。

与謝野大臣の交渉能力に期待をしたいところですね。


与謝野財務相、赤字国債発行の可能性を示唆
2009.04.23

与謝野さんがとうとう本音を漏らしてしまった。
税収の減少の財源について、赤字国債の発行も視野に入れていることを
明らかにしたのである。
23日11時19分トムソンロイター記事はこう報じた。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は23日の参議院財政金融委員会で、
2009年度予算で税収が減収になれば、新たな赤字国債の発行もありえる
との見方を示した。
09年度当初予算は、経済成長率ゼロ%を前提にして作成しているが、
同相は、成長率見通しを引き下げてその分の税収の減収幅がはっきりすれば、
それを国会に提示すると述べた。
今後減収になれば、新たな赤字国債の発行もありえるのかとの質問に
対しては「減収になれば当然そうなる」と述べた。
民主党の富岡由紀夫委員の質問に答えたもの。


与謝野財務相は財政均衡を旨とし、増税による財政赤字の解消を図ろうと
しているはずであったが、麻生内閣の緊急経済対策への対応を迫られ、
将来世代への負担の繰り延べとなる赤字国債の発行の可能性に言及した。

私は今回の緊急財政出動により赤字国債の大量発行に踏み切らざるを
得なくなることを、かねてより警告してきたところですが、とうとう
与謝野さんの口から明言されてしまいましたね。

今の日本の経済状況からすれば、当然の帰結であって、何も驚くことは
ありませんが、少子化対策もままならないまま、将来世代への負担の繰り延べを
行うことには、はいそうですかと言いたくありませんね。

私はベビーブーマーですから、私の世代が引退する頃に働き盛りとなる
今の学生諸君に、ありがとうとしか言えませんね。
何せ、私の世代の方が1.5倍くらい人が多いのに、その少ない人数で、
今の世代からの赤字国債のツケと脆弱な年金財源を負担して頂くわけですから。

財政負担が必要な時期であることは当然のことです。
景気が悪いときに財政出動によって景気回復の起爆剤を提供することは
財政の景気調整機能を発揮すべきタイミングなわけですから、赤字国債でも
何でも発行して大規模な財政出動をするべきなんです。

しかし、そのための準備として、景気のいいときに増税をして、国庫に
余裕を持たせ、赤字国債の償還を終わらせていなければ、将来世代に重い
負担を背負わせることになることは、当然の帰結ですね。

昨日の経済財政諮問会議でも、安心社会の実現に向けて、集中審議が始まり、
有識者提出資料によれば、「安心あっての活力」が謳われているのです。

残念ながら、わが国の財政は、景気の良かったバブル時代に赤字国債の償還を
大規模に行わなかったツケを、今払わなければならない状況であり、
その是正のために安倍内閣が掲げた財政再建方針も、麻生内閣のバラマキ
により、瓦解するに至っています。

今はまず景気回復。
景気回復を待って財政再建を行うことを、次の内閣またはその次の内閣に
託さなければなりません。
その時には、大規模増税は避けられないでしょう。
消費税も10%どころか小沢さんが自民党幹事長だった20年前に主張した
20%にせざるを得ない可能性もあります。

そうしなければ、さらに人口が減って、今の中堅世代が死ぬ頃には、
わが国の財政は死に体を晒していることになりかねません。
人口が減り、企業も事業拠点を海外に移転させれば、わが国の税収は
必然的に激減するからです。

今の中堅世代・若手世代が安心して日本で老後を迎えられるためには、
今が正念場なのかもしれません。

消費税の近い将来の増税を公約にすることを要求している与謝野さんが
赤字国債の発行の可能性に言及したのは、それだけ重い意味を持ちます。

与野党の論戦の中で、実りある議論がなされることを期待したいところですね。


弁護士辞任のために懲役11年で裁判打ち切り
2009.04.23

弁護士の職業倫理に疑問符を投げかけざるを得ない事件が起きました。
弁護士は依頼人の利益を最大限考慮しなければならない専門職業人であるが、
殺人事件の容疑者として高裁に控訴していたにもかかわらず、弁護士が
投げ出してしまったために、裁判自体が打ち切られて無罪を勝ち取る
チャンスがなくなってしまったというのである。
22日9時23分asahi.com記事はこう報じた。

殺人などの罪に問われ、一審で懲役11年の判決を受けて名古屋高裁に控訴
していた男性被告(29)が、弁護人が控訴趣意書を提出しなかったため、
裁判を打ち切る決定(控訴棄却決定)をされていたことが21日、分かった。
被告側は異議を申し立てたが、高裁は17日付で棄却した。
被告側は最高裁に特別抗告ができるが、これも棄却されれば、控訴審が
開かれないまま一審判決が確定する。
被告は無罪を主張していた。

被告は07年11月に大分市出身の津末一守さん(当時55)を殺害し、
遺体を岐阜市の長良川に捨てたとして殺人と死体遺棄の罪に問われ、
昨年11月、岐阜地裁で懲役11年(求刑懲役13年)の判決を受けた。
一審で被告側は「殺害、死体遺棄行為にかかわっておらず、無罪だ」と
主張していた。

関係者によると、弁護人=愛知県弁護士会所属=は控訴後の昨年12月に
選任され、控訴趣意書の締め切りを、当初の1月7日から延長するよう
申請したという。
高裁は締め切りを3月23日に延長したが、弁護人は当日になって再度、
延長を申請。
これを受け、高裁は同30日まで再延長した。
しかし、弁護人は同24日、3度目の延長を申請。
高裁が不許可の決定を出すと、同26日付で弁護人を辞任したという。

高裁は3月31日付で控訴棄却決定を出した。
弁護人は4月になって再度、選任され、控訴棄却決定に対する異議を
申し立てたという。

弁護人は、締め切りの延長を申請した経緯について「ノーコメント」としている。


この弁護士の対応については怒りを覚える。
12月に選任されたとはいえ、被告人の意向を十分に聴取するための時間として
3ヶ月を与えられていながら、2回目の期間延長も期限当日。
3ヶ月の間に何度面会していたかはわかりませんが、職務怠慢を疑われても
致し方あるまい。

依頼人である容疑者の意向を十分に汲めなかったにしても、提出期限の延長が
認められなかったら辞任すれば良いというものではないだろう。

この容疑者が懲役11年の実刑に服さなければならなくなったのは、
この弁護士のせいとしかいいようがない。
これが冤罪だった場合には、どう責任を取るつもりなのか。

弁護人辞任ですむ問題ではなかろう。
日弁連には早急に懲戒処分を含めた処分の検討をお願いしたいものである。

それこそ、弁護士の職業倫理が疑われ、真面目に一生懸命に弱い者のために
頑張っている弁護士の尊厳をズタズタに切り裂いたと言わざるを得ない。

こんな人が弁護士をやっていて、この行動が当然だと思われるのであれば、
弁護士業界の良識を疑わざるを得ない。
司法試験改革でロースクールが生まれ、法曹界の常識がおかしいから
裁判員制度ができたと考えるのは、考えすぎなのだろうか。

法曹界の良識が問われる重大な事件である。

私のような税理士にも同じことが言えよう。
依頼人である納税者から申告書の作成を依頼されても、資料を頂かなければ
申告書の作成は不可能になってしまうが、たとえ資料に不備があっても、
そのために申告書が作れないことを納税者が納得しない限り、一旦、契約を
交わしたのであれば、納期限までに判っている限りの資料に基づいた申告書の
作成をしなければ、契約不履行で訴えられることになる。
いわゆる税理士賠償訴訟であるが、もし契約不履行で期限内申告ができない
場合、期限内申告ができなかったことについての合理的な立証が
できなければ、敗訴することになる。

税理士の場合には、契約解除に合理性が無ければ、契約解除で終わりではなく、
契約不履行の責任を負うのである。
弁護士でも、今回の場合、契約不履行事件そのものではないのか。

専門職業人としての専門家責任は、一般の善管注意義務よりも重いのだから、
契約解除でOKなどと甘いことは言えないはずだ。

上告趣意書を出さないということの意味を被告人に説明をした上での
辞任であれば、被告人にも非があろうが、今回の場合には、弁護士の
一方的な辞任であったとしか思えない。
弁護士であれば、上告趣意書を出さなければ、当然に控訴が認められず、
被告人の権利が保護されなくなることは、十二分に知っていたはずである。

もしそれさえ知らなかったというのであれば、弁護士資格を返上するべき
ではないのか。
そもそも弁護士と名乗るだけの見識も知識も無かったということでしょう。

そうではないと思うから、弁護士業界を揺るがすトンデモナイ事件だと
考えるのである。

隣接分野の専門職業家として、大学法学部の教員として、弁護士業界の
良識を今一度問いたいところである。


代理母制度に伴う特別養子が認められた!
2009.04.22

子どもを産めない夫婦を救済する手段として活用される可能性がある
代理母制度であるが、わが国では法整備の遅れも伴い、懸念材料が多く、
実用化されにくい土壌が残っている。
しかし、法律上の懸念材料の1つが解決される可能性が出てきたことが
21日、明らかになった。
22日3時14分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

生まれつき子宮がない娘の代わりに実母が代理出産した「孫」と、
娘夫婦との間で、特別養子縁組が成立したことが21日、わかった。

国内で行われた代理出産で、戸籍上実子と同様に扱われる特別養子縁組が、
裁判所で認められた事例が明らかになったのは初めて。

代理出産を実施した諏訪マタニティークリニック(長野県)の根津八紘院長が、
同日の自民党脳死・生命倫理及び臓器移植調査会で明らかにした。

根津院長によると、特別養子縁組が認められた男児は、西日本在住の
20歳代の娘夫婦の体外受精卵を50歳代の実母の子宮に移植し、
昨年2月に生まれた。
現行民法では、出産した女性が生まれた子どもの母親とされるため、
いったん男児は実母の実子として出生届が提出された。
その後、実母と娘夫婦が特別養子縁組を希望し、家庭裁判所に申請。
家族関係や生活実態などの調査を経て、裁判所は今年1月ごろ、
特別養子縁組を認めたという。

国内で代理出産が明らかになっているのは、根津院長が実施した8例。
同院長によると、過去に別の1家族が特別養子縁組の申請をしたが、
裁判所に却下されたため、通常の養子縁組の手続きを行っていた。

タレントの向井亜紀さんが、代理出産で生まれた双子との母子関係を
認めるよう求めた裁判で、2007年、訴えを認めなかった最高裁は、
補足意見で、「特別養子縁組の可能性」を示していた。

根津院長は、「今回、実子としての扱いに近い特別養子が認められたのは
よかった。将来は、最初から実子と認める法律ができてほしい」と話している。


わが国の民法は、子どもが産まれた場合には、産みの母親の戸籍に入ることに
なっているため、高田延彦・向井亜紀夫妻の場合は、子どもはあくまで
アメリカ人の代理母の子どもであり、彼ら夫婦の実子とすることができない。
そのため、DNA鑑定をすれば彼ら夫妻の子どもであることが証明できる
としても、アメリカ人を養子にすることしかできないのである。

余りに時代錯誤した規定が親族法の規定には残されているように思う。
例えば、
婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの
日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
(民法772条2項)
という規定は、離婚後300日ということは約9ヶ月ということですよね。
離婚成立後に再婚の予定であった場合、再婚する夫婦は離婚成立から
1~2ヶ月は性交渉をすることを控えなさいと言っているとしか思えない。

離婚成立後6ヶ月で再婚できるのであるが、
例えば、離婚した奥様が再婚時に妊娠6ヶ月であったとしよう。
もし早産になってしまい、8ヶ月目の後半で生まれてしまった場合、
産まれてきた子は、この夫婦の子どもではなく、解消した元夫の子どもと
されてしまうのである。

こんなバカな話があろうか。
そんなに早く生まれることを想定するのかと言われるかもしれないが、
私自身が予定日から50日以上早く生まれており、気になるところですね。

養子にすればいいじゃないかといいますが、養子の法律上の相続権は
実子の2分の1に制限されていますので、本当は実子であるにもかかわらず、
法の不備のために、保護されるべき権利を制限されるというのは、
法の下の平等を謳う憲法、いや近代法治主義に反すると言えよう。

法の不備を是正しない国会議員も問題ですが、そんな議員たちを
無批判に当選させ続けている我々国民の側にも責任があります。
法は不知を許さず、といいます。

知らなかったでは済まされません。
投票率の低さに危機感を感じない日本国民はバカじゃないかと思いますよ。
こんなバカな法律を改正しないで放置していることを国民が許してきたのは
事実なのだ。

5月21日からスタートする裁判員制度が機能するかどうかは判りませんが、
法律を知らないことの怖さを知らないで平気な顔をしてきたフツーの方々には
いい刺激になるかもしれませんね。


工藤公康「現役力」PHP新書
2009.04.22

人様を指導するということは実に難しいことです。
税理士という職業柄、私の場合には大学講師という肩書きもありますから、
必然的に指導する立場におかれているわけですが、実に難しい職業です。

いわゆるコーチングについての本も巷には溢れていますが、
正直、決定版というものには出会えていませんね。

そんな中、指導者として忘れてはならないことを指摘してくれた本に
出会いました。

工藤公康「現役力」PHP新書(2009年3月)です。

45歳の現在でもまだ現役のピッチャーとして投げ続けている
横浜ベイスターズの工藤投手が書いたこの本には、指導者の立場に立つ
者にとって、素晴らしい示唆を与えてくれる本かもしれません。

芽が出ずに燻っている者にも勇気を与えてくれる本でもあると思います。

厳しくも温かい言葉には、プロフェッショナルの世界で長年生き残ってきた
プライドと、自分の後に続く者たちへのエールが込められているようだ。

「工藤さん、残念ですが、今シーズンでユニフォームを脱ぐことになりました」
「おっ、そうか。じゃあ今日は落ち込むだろうし、家に帰って好きなだけ泣け。
でも明日から、将来を見据えて、自分にはこれから何ができるか、どうしなきゃ
いけないか、しっかりと考えるんだぞ」
そう言うと、たいていはみんな「これからどうするんだ。大丈夫か?」などと
声をかけてくれると思いこんでいるものだから、一瞬きょとんとした顔をする。
「この人は俺がクビになって落ち込んでいるというのに、なんてことを
言い出すんだ」という心の声が、ありありと表情に浮かんでいるんですね。
でも、そういう人たちは、それだけのことしかやっていない。
自分に甘えているから、他人に対しても甘えた言葉を要求する。
「俺は一生懸命にやったけど、運が悪くてダメだったんだ」
「なんて自分はかわいそうな人間だ」
「俺が悪いんじゃない。まわりが悪いんだ」
そんなアピールがみえみえなんです。
そういう甘えは、プロの世界では通用しないと思うのです。後輩たちには
一年でも長くやってもらいたい。だから、やるべきことをやっていない
人間に対しては、心を鬼にして徹底して冷たくあしらいます。
志半ばでプロ野球を諦めた人は、「コーチにつぶされた」とよく口にしますが、
他人につぶされたんじゃない。自分で勝手につぶれただけだと思うのです。
(91~92ページ)

この指摘について、工藤投手の後輩へのアドバイスにも共通することがある。

ぼくのアドバイスは、こういう感じで、正解はあげません。
答えは自分で見つけ出すものだからです。山口君の場合、すでに1度、
答えにたどりついているはず。それが実践できないのは、まだほんとうの
意味で身になっていない証拠です。だから、自分で思い出すように、
頭で考えさせるように導いていく。
答えまで出したら、その場だけの対処療法に終わってしまい、いつかまた
同じ失敗をくりかえしてしまうものだからです。
でも、みんな求めるものは答えばかり。「どうすればよくなるか」という
正解ばかりを聞いてくる。
「何を、どれくらい、どうやればいいんですか?」
「どうすれば身体が強くなりますか?」
「球が速くなるには何をするのが近道ですか?」
「ぼくはこういうふうに考えるのですが、どう思われますか?」
ではないんですね。考えた形跡がまったくない。
「どうも自分には、こういう部分が足りないと思うのですが」と聞かれたら、
「じゃあ、それを解決するには、こういう方法があるね」とアドバイスも
できるというものですが、「どうすればよくなりますか?」では、その人間が
現状をどれほど認識して、何を問題視しているのか、まったく伝わってこない。
おそらく、自己認識がまったくできていないんです。
そんな状態のままでいたら・・・想像するだけで心配に思えてなりません。
(131~132ページ)


自分には何ができて何が足りないのかを把握できてプロとしてやっていける
ということではないだろうか。

できないことや足りないことがあるから人間は成長できるわけですし、
何でも最初からできれば、人間じゃありませんね。
工藤投手の指摘はまさに的を射たものであろう。


そして、本書で衝撃を受けた件が以下の文章である。

決まった方法でないと目的が達成できないと思うから、だれかにその方法を
教わらないと何もできないし、仮に方法を教えてもらっても、考えて、
工夫して、それを自分にとってよりよいもの改良しようという発想が起きない。
「だって教えてもらってないし・・・」
「このやり方は自分に合わないし・・・」
子どものころに考える訓練をしてこなかった若い選手は、必ずこういう
言い訳をします。言われたことしかやってこなかったからです。
発想がこうなってしまうと、大人になってから「考えろ」と言われても、
もう考えられないんです。考えない習慣ができあがってしまっているんですね。
世代的なものもあるのでしょうが、要は、子どものころの体験の差なんだと
思うんです。
「今日、俺が教えたことに対して、練習を五つ考えてこい。なんでもかまわない。
五つ考えついたら俺に言いにこい」
こんな課題を若い選手たちに出したことがありますが、だれ一人として
答えをもってきた人間はいませんでした。ぼくが言っていること自体を
そもそも理解できなかったのではないかと思います。
小学、中学、高校と、先生から「こうやってみろ、ああやってみろ」と言われて
成長し、プロの世界に入ってこられたのは、たまたま素質があったり、
その先生の方法が合っていたからにすぎません。
そのまま自分で考えずに、ずっと生き残っていけるほど、プロ野球は甘くない。
いえ、どんな世界だって、そんなことでは真のプロフェッショナルには
なれません。
そのそも、人生がつまらない。
大切なのは、過程も解答も、自分でつくっていくものなのだから、心の中に
いつもクエスチョンを絶やさないことです。
でも、残念ながら日本の教育現場では、いまだに「これをやりなさい」が
主流なんですね。「1+1=2」の指導法。マンツーマンで、一生、つきっきりで
見てもらえるのだったら、これでもまだいいのでしょうが、そんな贅沢な
環境は望むべくもありません。
たしかに、人に教えるのは難しいことです。
これでいいのかと、いつも迷います。
教え方しだいで、その子の人生が決まってしまうかもしれない――
そう思うと、自信が揺らぎます。
でも、大人が迷っていると、子どもに伝わります。おどおどした態度、
キョロキョロした視線を、子どもは敏感に感じ取ります。
教える側がしっかりしたポリシー、考え方をもつことです。教える側が
勉強を怠らないことです。
大人もつねにクエスチョンを絶やさないことです。
(170~172ページ)


何かと指導的な立場に立つ機会の多いプロフェッショナルの士業の皆様には
耳の痛い話かもしれません。

しかし、指導する立場の人間こそ、「ナゼ?」を大事にしていないと、
コトの本質を見誤ることになりかねません。

本筋を外さずにプロフェッショナルを全うするためにも、自己研鑽を
絶やさないことです。

税理士会でも研修努力義務規定を罰則のある強制規定に変更すべきだという
声もあるという。
しかし、自己研鑽を怠ればプロフェッショナルのレベルを維持できるものでは
ないだけに、努力義務で十分なはずではないのか。

強制しなければならないレベルの方がいらっしゃること自体が業界の恥である。

工藤投手の本に接し、改めて、自己の襟を正し、プロフェッショナルとしての
誇りに恥じない生き方をしなければならないと考え直したところです。


和歌山毒物カレー事件最高裁判決
2009.04.21

和歌山毒物カレー事件の最高裁判決が、上告棄却と判決された。
これにより林真須美被告の死刑が確定した。
21日15時6分asahi.com記事はこう報じた。

和歌山市で98年7月、夏祭りのカレーに猛毒のヒ素が入れられ、4人が
死亡した事件などで殺人罪などに問われた林真須美被告(47)の上告審で、
最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は21日午後、弁護側の上告を
棄却する判決を言い渡した。
これにより、林被告の死刑が確定する。

林被告はカレー事件のほか、夫や知人男性に対する殺人未遂事件と
保険金詐欺事件で起訴された。
捜査段階では黙秘を貫き、公判でも保険金詐欺を除いて一貫して無罪を
主張してきた。

公判で最大の焦点となったカレー事件では、林被告と犯行を結びつける
直接証拠がなかった。
検察側は(1)殺人未遂事件を含め、林被告がヒ素などを使って夫や
知人らの殺害をはかった「類似事実」が存在する(2)カレーに混入された
ヒ素は林被告の自宅にあったものと同一(3)カレーへのヒ素混入の機会は
林被告にしかなかった――などの状況証拠によって立証してきた。

弁護側はいずれの点についても反論してきたが、一審・和歌山地裁、二審・
大阪高裁はともにカレー事件が林被告の犯行だと認めて死刑としたため、
最高裁に上告。
今年2月24日に開かれた弁論でも「カレー事件は金銭目的の保険金詐欺と
異なり、林被告に動機がない」と強調し、改めて無罪を主張した。

また、ほかの状況証拠についても「ヒ素に関する鑑定は信用できない」
「カレー鍋付近で林被告を見たという住民の目撃証言は、林被告の次女と
見間違えた可能性がある」「他の人にも混入の機会はあった」と述べ、
上告棄却を求める検察側に反論していた。

町内会の夏祭りで振舞われたカレーに砒素を混入し、無差別殺人を企図した
として世間を恐怖に陥れた和歌山毒物カレー事件も約12年かかって
やっと決着した。

直接の物証がなく、状況証拠しかなかったため、検察の立証行動を裁判所が
容認できるのかが注目されるところであったが、状況証拠の判然性が高いと
認められたのであろうか、死刑が確定することとなった。

この5月21日から始まる裁判員制度が導入された後は、法律家の常識
ではなく、市民感情も量刑の考慮事項になりえるであろうから、このような
状況証拠のみによる立証であっても死刑判決が下される可能性は高まるだろう。

しかし、それは冤罪を招く危険性を孕んでいるものであり、検察側の
立証行動には、なお一層、慎重かつ確実な行動が求められよう。

マスコミによってミスリードされた情報が独り歩きして、冤罪が起き易い
社会になってしまうことに危惧するところですが、裁判における判断が
市民感覚を取り戻す方向に向かうのであれば、納得できる裁判が増えること
にもつながり、望ましいのですがね。

判決文を読んでいないので、状況証拠についてどこまで踏み込んだ判断が
なされているのか判りませんが、状況証拠の判然性が極めて高いと評価
されているものと信じたいところですね。

そうでなければ、冤罪を産みかねない状況証拠のみによる犯罪の認定には
賛成しかねるところですね。

皆さんはどう思いますか?


省エネ大賞に不当表示、実はエコになっていない?
2009.04.21

昨年の省エネ大賞を受賞した日立製の冷蔵庫に不当表示という
残念なニュースです。
21日2時21分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

廃棄された冷蔵庫の樹脂を断熱材に使い、製造工程での二酸化炭素(CO2)
排出量を48%削減したなどとうたいながら、実際にはリサイクル材を
ごくわずかしか使っていなかったとして、公正取引委員会は20日、日立製作所
の子会社「日立アプライアンス」(東京都港区)に対し、景品表示法違反
(優良誤認)で排除命令を出した。

問題の冷蔵庫は昨年度、経済産業省の「省エネ大賞」を受賞したが、
同社は命令を受けて大賞を返上、同省もこの日、受賞を取り消した。

公取委によると、同社は昨年9月以降に発売した冷蔵庫9機種について、
ポスターや新聞広告で「使用済み冷蔵庫の樹脂を極細繊維化し、真空断熱材
の芯材として活用」などと表示。
しかし、このうち6機種ではリサイクル材は使っておらず、残る3機種も、
わずかな量しか使っていなかった。
また、9機種の中の1機種では、カタログや自社サイトで「真空断熱材製造工程
でのCO2排出量 約48%削減」と表示していたが、実際の削減量は48%を
大きく下回っていた。

同社では昨年、リサイクル材を活用した冷蔵庫の開発を目指していたが、
夏頃になって効果的な断熱効果が得られないことが判明。
ところが、開発を担当する設計部と、カタログやポスター製作を担当する
商品企画グループとの連絡に不備があり、結果的に不当表示になったという。

また、昨年9月に行われた省エネ大賞選考のためのヒアリングでも、
同社は、当時はリサイクル材を使っていない機種しか販売していなかったのに、
経産省の担当者に「既に発売済み」と説明していた。
省エネ大賞は、消費電力などエネルギー効率だけでなく、製品自体の
「省資源性」も考慮して決めるといい、担当課では「省エネ大賞を始めて
19年だが、受賞取り消しは初めて」としている。

同社は「お客様に誤解を与え、深くおわびします」とコメントしているが、
製品の性能には問題がないとして、返品や交換は受け付けない方針。


日立グループのコンプライアンス自体を疑われかねないこの事態を
日立製作所の経営幹部は苦々しい思いで聴いているのではないだろうか。

子会社がやってしまったこととはいえ、日立の顔ともいえる商品での
不祥事ですから、日立グループ全体の信用に関わる重大な問題ですね。

商品自体の性能に問題が無いという言えばその通りでしょうが、この商品を
選んだ消費者のニーズはエコにあったはずです。

これほど消費者を馬鹿にした対応はないでしょうね。

急激な景気後退に、とにかく売れればいいとでも言うのでしょうか。
それも夏の段階でこの状況が判っていたとなれば、リーマンショック以前に
判っていたということですよね。
不祥事隠蔽の企業体質と疑われても致し方あるまい。

今こそ日立グループの総力を挙げて不祥事への対応、コンプライアンスの
徹底を図らなければなるまい。
日本産業グループ・鮎川財閥の流れを汲む名門をこのまま腐らせることは
日本産業界への大打撃だ。

日立グループの今後の対応が注目されるところだ。


住宅ローン控除の上乗せ分が認められた裁決
2009.04.20

今日は、住宅ローン控除をめぐる裁決を紹介したい。
住宅の夫婦共有持分を離婚に伴い取得した夫が、妻の債務も引き受けたところ、
妻の分の住宅取得控除は「家屋を2以上有する場合」に該当するため、
受けられないとされた処分を争った裁決が、全部取消となった
平成21年2月20日裁決(TAINSコードF0-1-311)です。

裁決の要旨は以下の通りである。

本件は、妻と共有していた居住用の家屋(マンション)に関し、住宅借入金等
特別控除を適用して所得税の確定申告をしていた請求人が、その後離婚し、
財産分与により取得した前妻の持分を含めて同特別控除を適用して申告をした
ところ、原処分庁が、家屋の共有持分の追加取得は「家屋を2以上有する場合」
に該当するから、追加取得に係る特別控除を重複して適用することはできない
として更正処分等を行った事案である。

マンションの取得に係る借入金は、請求人と妻との連帯債務となっていたが、
財産分与のとき前妻の債務を引き受け、本件借入金は請求人の単独債務と
なっている。

措置令26条1項及び2項は、住宅借入金等特別控除について、居住の用に
供する家屋を2以上有する場合には、これらの家屋のうち、主として
その居住の用に供すると認められる一の家屋に限る旨規定しているところ、
これは、本件控除制度が持家取得の促進を図ることを主な目的としているため、
既に持家を取得し、本件控除の適用を受けている者が、別荘など主として
居住の用に供さない家屋を取得した場合にまで重ねて本件控除の適用を
認めることは相当でないことから、主として居住の用に供さない家屋に
ついての本件控除の適用を制限するために規定されたものであると解される。

共有の場合の各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用を
することができる(民法249条)ことからすると、既に居住の用に供する
家屋に係る共有持分を有する者が他の者の共有持分を追加取得したとしても、
それは、新たに別の家屋を有することとなるものではなく、既に居住の用に
供する家屋の持分を追加取得したことにすぎず、共有持分の追加取得後の
所有権の及ぶ対象は当該家屋の一個のみである。
また、その場合、観念的には、当初は持分に応じた当該家屋を居住の用に
供する権利を得ているのみで、いまだ完全なる所有権(居住の用に供する
一の家屋)を取得していなかったものが、持分を追加取得したことにより
更なる権利を得ることになっただけであり、持分の追加取得の前後を通じて、
当該家屋を主としてその居住の用に供している実態に変わりはない。
したがって、共有持分を追加取得した場合、措置令26条2項に規定する
「家屋を2以上有する場合」には該当しない。

さらに、措置法41条の2は、居住者が、その適用年において、2以上の
居住年に係る住宅借入金等の金額を有する場合には、所要の計算調整により
その適用年の控除額を計算する旨規定している。
そうすると、同条の規定は、一の家屋において、2以上の住宅の取得等がある
場合を前提にしていると解されるから、一の家屋の共有持分を追加取得した
場合も、本件控除をいずれの共有持分についても適用することとしても
本件控除の制度の趣旨には反しないと解される。

以上の結果、原処分庁の主張には理由がなく、本件各更正処分は、
いずれもその全部を取り消すべきである。

住宅自体の名義が夫婦共有名義かどうかはともかくとして、住宅ローンを
夫婦共有で借り入れ、夫婦がそれぞれで住宅ローン控除を受けているという
方は多いのではないでしょうか。

こういう夫婦が円満にローンを返済し切れればいいのですが、
紹介した事例のような離婚や死別により、一方配偶者が住宅の名義を
引き継ぎ、ローンの残債を引き継ぐケースは少なくないであろう。

これまでは、1つの住宅であるにもかかわらず、権利が2つになることから、
後から取得した分をそれまでの住宅取得控除に上乗せすることが認められず、
それまでの自分の名義の分のみを控除するか、一方配偶者の名義のもののみを
引き継ぐか(つまりそれまでの自分の分を捨てることになります)を
選択しなければなりませんでした。

しかし、今回紹介した平成21年2月20日裁決は、1つの住宅であることを
認め、後から取得した分を住宅取得控除に上乗せすることを認めたのです。

普通に考えると、至極当然な裁決のように思いますが、法律の文言を
厳密に解釈するべき法律家の常識からは画期的な裁決だと思います。

文言通りに捉えれば、2つの権利であることは明白で、住宅に居住する
権利は1つしかありえないと読みますので、従来通りの取扱いが考えられます。

しかし、共有名義の住宅ローンは本当に2つの権利なのでしょうか。

民法上の議論がどうなるのかがわからないので、土地法や区分所有法を
専門とされている方に是非ご意見を聞かせて頂きたいところですが、
私の理解では1つの権利を分割しているだけだ、と考えます。
ですから、分割されていた権利が元の1つに戻るだけなのだから、
2つの権利ではなく、1つの権利である、
したがって、住宅取得控除の上乗せが認められて当然である、と考えます。

この論理構成は、今回の裁決に近しいものだと思いますが、いかがでしょうか。

最近は、審判所にも民間人の登用による人事交流も出始め、
審判所が話のわかるところになってくると期待しております。

このような庶民感覚に近い裁決を積極的に下して頂きたいものです。


邪馬台国はドコに?来月17日大分宇佐市でシンポジウム
2009.04.19

邪馬台国はどこにあるのか。
そんな歴史ロマンを追求するシンポジウムが来月17日に、
大分県の宇佐神宮で開催される。
16日10時30分西日本新聞記事はこう報じた。

大分県宇佐市のパロディー国家「新邪馬台国」は15日、同市の宇佐神宮で
5月17日に開く「第5回全日本邪馬台国論争大会‐アマチュア研究家大集合」
の5人の論者を発表した。
それぞれ「宇佐説」や「日田‐吉野ケ里説」など邪馬台国の場所について
持論を展開した後、来場者も一緒になって議論する。

同大会は約20年ぶりに復興した新邪馬台国の第一弾イベント。
論者5人は、全国の17人の応募者から提出論文のユニークさを基準に選んだ。
鹿児島市の主婦高橋ちえこさん(64)は、邪馬台国を「ヤマダ国」と呼び、
宇佐市に小山田神社があることから宇佐説を唱える。
ほかに「魏志倭人伝の倭国は北部九州を指す」とする日田‐吉野ケ里説や、
中津説、朝倉説、山陰説を主張する5、60代の考古学ファンが東京などからも
集まる。

大会は午前10時から。
参加希望者は事前申し込みが必要(5月10日まで)。
参加費2000円(古代米を使った弁当付き)。
同市観光協会=0978(37)0202。


私も高校の頃には本気で日本古代史を研究したいと考えたこともあるだけに、
非常に楽しみな大会です。
行けるかなあ。
3月決算で追われているような気もしますが・・・

宇佐説は結構アリかなと思っていますので、1度行ってみたいですね。


「草魂」
2009.04.18

「草魂」というと往年の大エース、近鉄バッファローズの鈴木啓示投手を
思い出すところですが、今日は、ある税理士の半生を描いた本を紹介します。

野川伯「草魂―満州還りのど根性税理士―」幻冬社ルネッサンス2009年3月


法政会計人会の大先輩でもある野川先生の自叙伝です。

帯にはこう評されている。

踏まれても踏まれても、希望を捨てなかった。

幼少の頃に患った脊椎カリエスによるハンディキャップを抱えながらも
戦中、戦後の満州を生き抜き、帰国後も幾多の困難を乗り越えてきた筆者。
不断の努力で税理士となり、
夢を叶え続けてきた男の愛と希望に満ちた半生記。


本書を読んでみると、野川先生の明るさの秘密が垣間見える。
修羅場を潜り抜けてきた者の強みというか、何か普通の人ではないなという
凄みのようなものを感じていたのですが、満州での体験が、野川先生の
自信の根幹にあるんだなあと改めて感じました。

野川先生は、はじめにの中で、
「私たちが戦争の真っただ中、生きた満州はもはや非在である。
戦争が残した傷跡、日本の罪、それを鑑みても、これほど切実に郷愁と
哀愁を感じさせる土地はなく、満州に咲くアカシアの甘く芳しい香りが
記憶の端から蘇ってやまない。
できることなら、戦争という歴史に糊塗されてしまった日本人家族の姿を
知ってもらいたいと思う。」(3ページ)
と書かれているが、
野川先生にとって、本書の約半分を占める満州での生活は、
厳しくも楽しい青春時代だったのでしょう。
当時の生活が生き生きと描かれている。

最後の第6章「税理士を目指して」では、苦労して税理士になった者が
体験したくない生々しいエピソードも紹介されている。

ある日親父が、こんなことをぼやいた。
「おい伯、お前は一体いつになったら税理士試験に受かるつもりなのだ、
俺はもう65歳だぞ・・・いいか、よく聞けよ。
俺が死んだ後に、お前が俺の墓に『親父、やっと合格しました』と
報告に来たって、俺はちっとも嬉しくないからな・・・」
この言葉を聞いたとき、私は一瞬ギクッとした。
なるほど、そりゃそうだ。
この言葉を聞いた瞬間、グッと心が引き締まった。
その後何年経ってもこの親父の言葉は、忘れることができない。
この言葉が励みになったという芝居がかったことを言うつもりはない。
だが、この後、親父と協力しつつ、百人町に家と工場の2階建てを
建設したのだから、親父も喜んでくれただろう。(223ページ)


野川先生の場合には、生きている間に親孝行ができたケースですが、
私の場合には、まさに野川先生のお父さんが危惧したとおりでした。
私は合格通知を今は亡き母とともに父の墓前に捧げました。
今の2足の草鞋という生き方も、私の夢を応援してくれた
親父との約束事の1つですから、意地でも全うしたいですね。


さて、本書は、野川先生のエピソードをハッピーエンドとして締めくくる
最高の親孝行の場面で結末とする。

父が80歳になったときに、私は税理士仲間と共同して、西新宿7丁目に
税理士ビルを完成させた。
痛い膝をさすりながら、父が見に来てくれた姿を昨日のことのように思い出す。
満州から丸裸になって引き揚げてきた親子が、苦労を味わった末に交わした笑顔。
何よりも嬉しかった。
その後間もなく、父は81歳でこの世を去った。(268ページ)


野川先生の波乱万丈の前半生が生き生きと描かれた本書は、戦争を知らない
我々の世代には、戦争の悲惨さを物語るだけではなく、そこには生々しい
生活があったことを教えてくれるものであるとともに、いつでも創意工夫で
困難に立ち向かってきた先生の生き様から、生きる勇気をもらえるものでした。

特に、野川先生は、身体的なハンディキャップをお持ちなだけに、
持ち前の明るさと勇気で乗り越えてきた先生には生命力というか、
強さを感じる。

覇気の無い若者が増えてきたこの時代だからこそ、野川先生の体験記は
貴重なものになっているような気がする。


景気後退底が見えたのか?英中央銀行マイルズ氏
2009.04.17

リーマンショック以来、金融関係にいいニュースが少なくなっていますが、
久しぶりにいいニュースが飛び込んできましたね。
16日17時5分トムソンロイター記事はこう報じた。

退任するブランチフラワー・イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員の
後任に指名されているモルガン・スタンレー・インターナショナルの
マネジングディレクター、デービッド・マイルズ氏は、英国の景気後退
(リセッション)が最悪期を脱した可能性があるとの考えを示した。
また、量的緩和は政策として機能していると指摘した。
ウェスタン・メール・アンド・エコー紙が16日、同氏の発言を伝えた。

マイルズ氏はイングランド銀行による一連の利下げと量的緩和が経済・金融
危機への対応を支援しており、「慎重ながらも楽観的」になる理由があると述べた。

「金利の大幅な引き下げと一段の量的緩和によって、一定の時間差は
あるものの、経済需要に大きな効果が表れる可能性が高い。
リセッションの最悪期は過ぎ去った可能性がある」と述べた。

量的緩和については「まだどうなるか分からないが、(量的緩和が)
奏功している初期の兆候があり、企業債務のコストとその利用可能性に
影響し、資金がシステムの中を環流することで銀行の貸し出しが容易に
なることを期待している」と語った。

イギリスの中央銀行総裁が、イギリスにおける景気後退が底を見せたと
考えていることが報道されることは、政治的な意図があるにせよ、
疑心暗鬼に陥った世界経済を落ち着かせる要素として捉えてよいであろう。

伊フィアットによる米クライスラーの救済問題が、労働組合との交渉が
暗礁に乗り上げているために、遅々として進展しない状況での、
イギリスの意見表明は、非常に貴重である。

イギリスは先のG20財務相・中央銀行総裁会議の議長国であったわけだし、
金融には長い伝統を誇る国である。
そのイギリスから肯定的な意見が出るということは、世界経済にいい
影響があるものと期待したいと思うのは当然のことではないだろうか。

底を打って下げ止まったわけではないが、これ以上の原則は世界経済に
決してプラスの影響ではなく、翻ってわが国経済のためには、世界経済の
落ち着きを回復させなければ、外需主導型のわが国経済は破綻の方向に
行きかねない。

政府の増税シナリオどおり、2009年半ばまでに景気の底を打ち、そこから
反転して景気回復基調に乗せていければ、3年間で40兆円もの財政出動を
検討する政府与党の経済対策にも意味があったということになろう。

大量の赤字国債の発行を避けられないだけに、将来世代への負担の押し付けに
ならないよう、早期に経済回復を図り、均衡財政路線への復帰を早期に
行うべきであるだけに、イギリスとはいえ、いいニュースは歓迎ですね。

このコラムでもマイナスの情報をあまり出したくないですから、
早い経済復興を願いたいところです。


イチロー、3086本安打達成、日本新記録更新
2009.04.17

イチローが遂に日本プロ野球最多安打記録を更新した。
17日12時33分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

プロ野球の日本選手通算安打記録に並んでいた米大リーグ、マリナーズの
イチロー外野手(35)は16日(日本時間17日)、シアトルで行われた
エンゼルス戦の四回に右前打を放って日米通算3086安打とし、張本勲氏
(元巨人など)が持つ3085安打の日本プロ野球記録を更新する新記録を
樹立した。

復帰戦だった前日、2安打でタイ記録を達成したイチローは、
一回の第1打席は遊ゴロに終わった。
三回まで相手投手にパーフェクトに抑えられていたが、四回の第2打席に
チーム初安打となる右前打を放って記録を達成すると、電光掲示板には
3086安打をたたえるメッセージが表示された。

WBCでも絶不調を極めたイチローでしたが、とうとう偉業を達成して
くれました。
特に今シーズンは、WBCでの不振だけではなく、そのプレッシャーからか
胃潰瘍で故障者リスト入りし開幕メジャーも逃していただけに、ホッと
しているのではないですかね。

彼にとってみれば3086という数字は通過点でしかないかもしれませんが、
我々ファンからすれば、特別の意味を持っていた数字ですから、
感慨深いものがありますね。

オリックス時代は、何かと注目されたパンチ佐藤と同様にバットコントロール
で勝負する左打ちの外野手だっただけに、特長を出すことに苦労があった
のではないかと思います。
初期の頃は監督やコーチとも合わなかったらしく、いわゆるエスカレータ
選手でしたね。
それでも戦力として評価できたのは、足と守備だったんでしょうね。

一軍抜擢の年にいきなりシーズン200本安打をマークしてスターになったので、
あまり下積みという印象が無いイチローですが、2軍時代の河村コーチとの
出会いが転機になったと記憶しています。

芽を出すための工夫として編み出された振り子打法は、その才能を開花させ、
この偉大な記録に結び付いたのですね。

創意工夫がなければ、あるはずの才能も腐ってしまう。

本当の才能というのは、いい指導を引き出す才能なのかもしれませんね。

「能ある鷹は爪隠す」とよくいいますが、高校時代の友人のブラック
ジョークに「能ない鷹は爪がない」というネタがありました。

爪がないかどうかはわかりませんが、隠しているうちに爪が腐ってしまう
ことはあると思います。

芽が出ずにくすぶっている若者には、芽を出すための創意工夫を
考えてもらいたいものです。
人と同じことをやっていても、存在に気付いてもらえませんから、
爪を見せる機会を失います。

イチローは、振り子打法という他にはいない打ち方で注目され、
(ただし、初期はそのために否定されていたのも事実ですが)
結果を残すチャンスをモノにしました。

チャンスをモノにした者、誰もがこのような偉大な記録を残せるわけでは
ありませんが、チャンスをモノにするための準備は、
怠らないようにしたいですね。


3年間で40兆規模の経済対策、自民党
2009.04.16

自民党による日本経済再生のシナリオが明らかになった。
3年間で40兆円に達する経済政策により、200万人の雇用創出と、
中小気的に3%成長を目指すという。

15日14時25分トムソンロイター記事はこう報じた。

自民党の日本経済再生戦略会議(会長:町村信孝前官房長官)は30日の
会合で、国際的な金融・経済危機に対応した緊急に対応すべき重点施策と
今後3年の日本経済の再生シナリオを明示した最終報告をとりまとめた。

金融を除いた対策の事業規模は3年間で約40兆円に達し、200万人の雇用を
確保・創出するとともに、中長期的に3%の経済成長をめざした経済基盤を
構築するとしている。

戦略会議の最終とりまとめ「日本経済再生への戦略プログラム」は、先に
政府・与党が決定した追加経済対策を含むが、3年間の対策規模40兆円
から09年度補正予算で措置される金融対策の事業規模41.8兆円は除かれる。
追加経済対策の事業規模56.8兆円から金融対策を除いた15兆円程度が
09年度分となり、残りの25兆円程度は10年度、11年度で対応する。

戦略プログラムでは、当面の緊急課題として雇用対策や中小企業の
資金繰り問題などの早期解決を提言。
同時に日本の将来像として、1)低炭素革命の進行による「グリーン経済社会
システム」への移行、2)「21世紀型のインフラやシステム」の整備、
3)「質の高い生活コミュニティ」の形成──をあげ、
具体的に10の施策を優先的に実施すべき項目として明記した。 


解散総選挙を睨んでの政策が与野党から続々と明らかにされてきている。

自民党は、麻生内閣が打ち出した史上最大15兆円規模の経済対策に連動して、
3年間合計で40兆円もの経済対策を打ち出してきた。

今の不況を乗り越えなければ、日本経済は回復不能の大打撃を受ける
危険性が高いだけに、今のタイミングでの大幅な財政出動は避けられませんが、
財政の均衡という視点を忘れてしまうと、赤字国債の大量発行につながり、
その返済財源を将来世代への重しとして残してしまうことになる。

その意味では、与謝野財務相が政権公約に消費税増税をと主張されているのは、
至極真っ当な見解なのでしょうね。

少なくともこれだけの規模で財政出動をするのですから、
効果的なものであってもらいたいものです。

今年の初回講義では、どこの学校でも今回の財政出動の話をしていますが、
景気が悪いときほど財政出動が必要なのですから、景気がいいときに
緊縮財政を行って、赤字国債の極小化を図らなければ、こういう時に必要な
財源を確保できるはずがないのですね。
今回の大規模経済対策の財源にしても、いわゆる埋蔵金を使うとのことですが、
埋蔵金には現金支出としての限界があり、赤字国債の発行は避けられまい。

学生には、「ありがとう」と言っておりますが、破綻する年金財源にしろ、
赤字国債の返済資金にしろ、将来世代に負担を押し付けているからこそ
現在の必要資金が賄われるということを、国民は理解しているのだろうか。
自分の子どもや孫たちが負担する税金で、今の暮らしが楽になることを
考えることを是とするのか。
バカ親の見識を疑いたい。

そもそも私の年代でも20~25年後には年金の世話になるのであるが、
その頃の働き盛りである30~40代は今、小学生から大学生の年代である。
ですから、私は「ありがとう」というのです。
私たちベビーブーマーより明らかに少ない人数で、高負担になっているであろう
年金や税金を負担して頂くわけですから。
これには感謝せずにはいられない。

それで良いと私たちの先輩世代は選択してきたわけですね。
だから、投票率50%程度という低投票率も成り立つのでしょう。

私が少子化対策や子育て支援を意識するのは、自分がちょうど最中にいる
ということもありますが、長期的に自分が引退する年代になったときに
安心して引退できる社会であるために必要だから、少子化対策を意識するのです。

我々若手が今考えるべきは、今のことだけではなく、20年30年先の
わが国のありようではないでしょうか。

自分が引退する年になってから慌てても、後の祭り。

社会的弱者になったときに、他力本願に政府を頼っても頼りにならないのは、
今回の派遣村騒動でも明らかではないのですか。

そのためにも、今から真剣に考えていくべきですね。


クルーグマン教授、かつての日本批判を陳謝
2009.04.15

アメリカの正義を疑わなかった学者がかつて批判した日本政府の取組に対し、
現在のアメリカ経済の実情から、自己批判している。
14日11時55分YOMIURI ONLINE記事はこう報じている。

「私たちは、日本に謝らなければならない」--。
2008年のノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン米プリンストン大
教授は13日、外国人記者団との質疑応答で、1990~2000年代にデフレ不況に
陥った日本政府や日本銀行の対応の遅さを批判していたことを謝罪した。

教授は、「日本の対応が遅く、根本的な解決を避けていると、西欧の識者は
批判してきたが、似たような境遇に直面すると、私たちも同じ政策を
とっている」と指摘。
「上昇する米失業率を見ると、失われた10年を経験した日本より悪化
している」と述べ、経済危機を克服するのは予想以上に難しいとの見方を示した。

クルーグマン教授は、日本のデフレ不況時に、日銀に徹底的な金融緩和を
促す論陣を張るなど、日本批判の急先鋒に立っていた。

また、景気回復の見通しについては、「(景気判定では)今年9月に
景気後退が終わっても不思議ではない。
しかし、失業率は来年いっぱい上昇し続け、回復は実感されないだろう」
とし、極めて緩やかな回復になるとの見方を示した。

「1930年代の大恐慌では、景気の落ち込みには、何度か休止期間があった」
とも述べ、回復に向かったとしても、一時的なものにとどまる可能性を指摘した。


誤りを改めるのは、非常に勇気のいることであるが、自国の経済政策の誤りを
認め、それを支えた自己の学説に対しても否定することになるだけに、
厳しい判断が求められるところだったことは予想されます。

それこそ、「転向」ですからね。

そういう意味では、昨年末に出版された

中谷巌「資本主義はなぜ自壊したのか」集英社インターナショナル2008

も同じ範疇に入るものですね。

中谷教授は、小泉改革にまで発展した構造改革路線を推進してきたブレーン
だったわけですから。
中谷教授の転向は、自己の学者人生さえ全否定しかねない、自己批判ですね。

ただ、生きた経済に対する政策ですから、誤りを是正するには、
できるだけ早い方が良い。
クルーグマン教授や中谷教授は、抜き差しならない経済情勢を考え、
転向表明に踏み切ったものと思われます。

古き良き日本の伝統を絶やさないためにも、中谷教授の懺悔に耳を傾ける
ことに価値があるように思います。

学者が、自己の理論に固執して本質から離れていくことは、その存在価値を
失うことにもなりかねません。
私も実務研究者として、意識していくべき視点なんでしょうね。


新・事業承継税制の活用法
2009.04.14

本日14日19時より、新・事業承継税制の活用法という題名で
セミナー講師を務めます。

会場は、浦安市市民活動センターです。

ある異業種交流会で知り合いました
FPソリューションの辻畑先生からのご紹介で、
辻畑先生のセミナーに講師として出講させていただく事になりました。

平成21年度の税制改正で、昨年既に成立していた経営承継法を
機能させるための必要な措置が改正され、
平成20年10月1日に遡って適用されることになった、
非公開株式の相続税80%納税猶予措置について、
その上手な活用法を話してきます。

ただ、この税制は非常に制約の多い使い勝手の悪い税制ですので、
税理士によるプランニングよりも、FPによるプランニングの方が
お客様にとってよりいいものになる可能性が高い税制でもあります。

税理士はどうしても節税に目が向きがちですから、
短期的に節税になるアドバイスをしがちです。

しかし、事業承継については、長期的な視野を持って、
私の持論では、10年くらいの計画性を持って対策しなければ、
効果的な対策にならないと考えていますので、
そういう視点は、保険にも詳しいFPの方が得意なんだと思います。

本当は、税理士がFP的な視点を持って、クライアントを適切に
導いてあげるべきだと思いますけどね。

事業者相手のセミナーはよくやりますが、
異業種の専門家相手のセミナーは初めてなので、
若干の戸惑いはありますが、共存共栄できるいい関係を作れるよう、
頑張ってきたいですね。


講義が始まります
2009.04.13

いよいよ講義が始まります。

今年は、月曜日に国士舘(1限アジア学部税法、3限文学部法学、
4限法学部税法、5限法学部ゼミ)、水曜日に専修(1限法学部税法)、
金曜日に法政(2限経営学部税理士会寄附講座、私の担当は7月10日)です。

今日は国士館での講義開始。
今年はどんな学生が来るのだろうか。
楽しみですね。

先週10日、法政での税理士会寄附講座「日本の税制入門」は始まりました。
法政会計人会会員税理士が代わる代わる講師を務めることになっておりますが、
開講初日だけは、法政OBではなく、池田日税連会長にご登壇頂きました。

どれほどの人数が集まるかわからないこともあり、
講師会議を開講に合わせて行い、池田会長の講義をサクラとして受ける
準備をしておりましたが、最大96名収容の562教室が超満員。
立ち見が出るほどの状況で、心配は杞憂に終わりました。

池田会長の話はちょっとカタすぎるかな、という感はしました。
次回の山川先輩(東京税理士会会長)のテーマも具体論には入りにくいので、
まだとっつきにくいかもしれませんが、
3回目からはリアルな話になるので、もっと興味深い、
大学教員ではない実務家が行う講義らしいものになるのではないかと思います。

私の担当は7月10日になるんですかね。
「税務調査と税理士」がテーマです。
税務調査は税理士にとって最高のパフォーマンスが求められるステージだと
考えていますから、守秘義務に反しない程度に話をするつもりです。

受講生には税理士希望者だけではなく、公認会計士講座に所属する会計士受験生や
国税専門館を目指す者もいることと思います。
私は会計士挫折組なのでエラそうなコトは言えませんが、
会計士講座に5年半在籍し、個人机を貸与されていましたので、
状況は把握しているつもりです。
本試験に集中したいけれども、講義や前期試験に乱されたくないでしょうが、
実務についてから何かのヒントになればと思っています。

過酷な試験に向けて頑張っている後輩たちにエールを送るとともに、
受験だけではない大学でしか得られない何かを感じ取ってもらいたいなと思います。
そうは言っても、ゼミ(大下ゼミ平成5年度ゼミ長)も
サークル(書道会第37期幹事長)もやって受験に挫折したのだから、
痛い目を見たんですけどね・・・


政府新経済対策、15兆円規模に
2009.04.12

政府・与党の追加経済対策が正式に発表された。
当初言われていた10兆円規模というものから大きく上方修正され、
史上最大の15兆円規模のものとなった。
11日8時5分産経新聞ネット記事はこう報じている。

麻生太郎首相は10日夕、首相官邸で記者会見し、事業規模56兆8000億円、
財政出動15兆4000億円と過去最大の追加経済対策を発表した。
政府は27日に経済対策を反映させた平成21年度補正予算案や関連法案を
閣議決定、国会に提出する。
首相は「野党の理解もいただき、成立を急ぐ」と述べ、6月3日が会期末
となる今通常国会中に成立させる考えを表明した。

首相は、2日にロンドンで行われた主要20カ国・地域(G20)首脳会合
(金融サミット)で財政・金融上の対策を総動員するとの合意を踏まえ、
「国民生活を守るため、世界各国とともに危機に対処するため断固とした
対策を打つ」と訴えた。
「経済危機対策」と銘打った今回の経済対策については、(1)景気の底割れ回避
(2)雇用や社会保障、子育て支援(3)成長が期待される分野-に重点を置いたと
説明した。

同時に「大胆な財政出動をするからには中期の財政責任を示さないといけない。
消費税(率引き上げ)を含む税制抜本改革は、景気をきちんと立て直す
ことを前提に必ず実施する」とも述べた。
昨年末に閣議決定した税財政改革の「中期プログラム」は、その後の
国債増発や経済状況のさらなる悪化を受けて見直していく考えだ。

■浮揚と成長へ総動員
「100年に1度」の経済危機に対応するため、麻生太郎政権が打ち出した
追加経済対策は、まさに"政策総動員"となった。
深刻化する雇用の安全網の整備など生活者の不安払拭に努めると同時に、
太陽光発電の普及、エコカーや省エネ家電の買い替え促進など環境を中心に、
将来の成長分野への投資を重視した。不況にあえぐ家計にとって朗報となる
項目も多い。

《雇用》
重点施策の雇用対策には、1兆9000億円を投じる。
特に、今年6月までの失職者が約19万人に達する非正規労働者の安全網を整備。
雇用保険の給付を受けられない人を対象に、職業訓練期間中の生活支援として、
月10万~12万円程度の支給と上限8万円の貸し付けを行う「訓練・
生活支援給付」制度を創設する。

このほか、住居を失った離職者には、10万円以内のつなぎ資金を融資するほか、
最大6カ月間、家賃の一部を補助する。

また残業を減らすなどで非正規の雇用を守るワークシェアリングを実施した
企業には、1人当たり最大45万円を支給する。

《子育て・医療》
3万6000円の「子育て応援特別手当」は、すでに決まった平成20年度補正
では、3~5歳(昨年3月末時点)の第2子からが対象だったが、第1子も
支給対象とする。

医療分野では、医師不足の解消や患者のたらい回しの防止のため、
3100億円の「地域医療再生交付基金」を創設し地域の医療体制を整備。
女性を対象に乳がんや子宮頸がん検診の無料クーポン券を配布する。

《環境》
省エネ家電の普及促進では、省エネ性能を星印で示す「多段階評価制度」で
4つ星以上の冷蔵庫やエアコン、テレビを対象に、他の製品の購入に使える
エコポイントを購入金額の5%分付与。
買い替えによるリサイクル費用も、ポイントで還元する。

エコカー購入に対する補助金制度も導入。
13年以上使った自動車を廃車にして一定の燃費基準達成車に乗り換える
場合は普通車で最大25万円が支給される。
車体価格230万円程度のハイブリッド車に買い替えた場合、21年度税制改正で
実施されたエコカー減税の12万~13万円を合わせ、40万円弱の負担軽減となる。

《税制》
贈与税の減免は、約1400兆円の個人金融資産の動きを活性化するのが狙い。
住宅購入・増改築資金に限り、非課税枠を通常の110万円から610万円に
拡大する。
減税は今年1月までさかのぼって適用し22年末までの時限措置。

親の高齢世代から子供の若い世代への贈与を促し、住宅購入につなげる。

中小企業(資本金1億円以下)の交際費課税も、定額控除の限度額を
現行の年400万円から600万円に引き上げる。
中小企業の税負担が軽減されると同時に、地域の飲食店などでの消費が
増えることが期待される。


昨日まで紹介した民主党案と比較すると、非常に似ている気はしますが、
基本線は、昨年末の税制改正大綱の路線を踏襲しているようだ。

雇用、子育て、医療、環境という麻生内閣の重点政策に特化したものであるが、
環境問題という意味で、ハイブリットカーへの買い替え需要が増えることが
期待されている。

ハイブリットカーは、トヨタが世界に対しても強みを持つ領域ですし、
ホンダも力を入れている。
自動車メーカーの動向はわが国経済に大きな影響があるだけに、
期待が寄せられて当然であろう。

また、税制面では、住宅関連での暦年課税の贈与税控除額が500万増加。
住宅購入や増改築の需要が増えることが期待される。

中小企業の交際費上限アップは果たして交際費増加に寄与するのか。
この点は疑問ですね。

期待度は高いが、期待通りの経済浮揚効果を発揮できるのか、
麻生内閣の真価が問われる新経済対策である。


民主党、生活・環境・未来のための緊急経済対策(3)
2009.04.11

昨日に引き続き、民主党「生活・環境・未来のための緊急経済対策」の
具体的な内容をご紹介します。

(3)現在の不安を軽減し、将来の安心感を高める(4.5兆円程度)
セーフティネットの強化による不安軽減・安心感醸成によって、1400兆円の
個人金融資産を活性化させる。

・全ての労働者に雇用保険適用
原則として全ての労働者に雇用保険を適用する共に、雇用保険給付に対する
国庫負担割合を法律本則である1/4(現在13.75%)とする。
・中学生までの医療費無料化
(※詳細検討中)
・医師・看護師・コメディカル・クラーク等の不足解消(所要額0.5兆円)
救急、周産期、外科等に従事する勤務医の待遇改善に向けた助成等の拡充、
就業環境改善による潜在看護師の就労促進、コメディカルスタッフ
(医師・看護師以外の医療従事者)・事務スタッフの人員増等による
医療従事者の就業環境改善を通じて、信頼できる医療を確保する。
・ドクターヘリの導入促進等
救急医療上顕著な成果をあげているドクターヘリの増強を図る。合わせて、
高規格救急車、救助資機材搭載車両の配置を進め、救急医療体制のさらなる
充実を図る。
・介護労働者待遇改善・人材確保
介護報酬の7%相当額を税財源から給付することで介護労働者の賃金改善・
介護人材の確保を図り、介護サービスの安定提供・質向上に繋げる。
・学校・病院等の耐震化加速等
緊急に対応を要する小中学校(私立を含む)、新耐震基準を満たしていない
病院等の耐震化を加速する。
・学校教育の情報化
小中学校のパソコン配備の加速(教師1人に1台、児童生徒3.6人に1台)、
教科書等のデジタル化をはじめ教育の情報化を促進する。
・コミュニケーション教育の充実
国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな
人材を輩出するためのコミュニケーション教育拠点を整備する。
・全ての小中学校にスクールカウンセラーを配置
生活相談、進路相談を行うスクールカウンセラーを全小中学校に配置する
(現在は3校に1校)。
・求職者支援制度
雇用保険給付の切れた長期失業者、雇用保険が適用されない非正規労働者、
非自発的廃業自営業者等を対象に職業訓練(農林水産業を含む次世代産業
における人材育成を優先)を実施し、訓練受講中の生活の安定化を図るために、
月額10万円の手当を給付する。また、失業に伴い医療保険料負担が過重
となった者に対して負担軽減を図る。
・消費生活相談員の拡充
地方消費生活相談員及び国民生活センターの待遇を改善し、また人材を確保する。

上記項目については、速やかに実施する。

(4)消費の拡大、新産業の育成、安定雇用の維持・創出(1.0兆円程度)
可処分所得増による家計の購買力向上や新たなライフスタイル支援により
生まれる新しい市場の成長を支援すると共に、新市場に対応できる人材の
育成を進めることで安定雇用の創出を図る。

・省エネ家電等の購入補助・地デジ対応機器の購入補助
(※詳細検討中)
・農林水産業における戸別所得補償制度等の創設
農林水産業を未来に向けた新産業と位置づけ、その基盤として市場価格と
生産コストの差額を基本とする交付金を交付する農業への戸別所得補償制度
を創設する(林業・漁業・畜産業についても同様の制度を創設)。農山漁村の
6次産業化を通じて、食料自給率の向上、農山漁村再生、雇用増大を実現する。
・グリーンイノベーション機構の創設
全国的に展開される環境・エネルギー・農業関係の事業を支援する組織として
「グリーンイノベーション機構(仮称)」を創設する。新規就農者の受入や
職業訓練に取り組む農業生産法人に対して積極的に出資を行い、農業における
雇用拡大を進める。
・環境・エネルギー技術の開発促進
水素燃料電池、石炭ガス化発電、海水淡水化等浄造水技術など次世代の
環境エネルギー技術の開発を促進するための投資を行う。
・次世代科学技術を支える人材の育成等
ポストドクター等の就労支援、海外からの優秀な若手研究者の招聘等により
人材の育成・確保を図る。革新的材料・ナノテク・最先端医療などの
重点分野について世界最先端レベルでの研究体制を確保するための拠点を
整備するとともに中長期的研究ファンドを創設する。
・求職者支援制度(再掲)
雇用保険給付の切れた長期失業者、雇用保険が適用されない非正規労働者、
非自発的廃業自営業者等を対象に職業訓練(農林水産業を含む次世代産業
における人材育成を優先)を実施し、訓練受講中の生活の安定化を図るために、
月額10万円の手当を給付する。また、失業に伴い医療保険料負担が過重
となって者に対して負担軽減を図る。
・職業訓練・職業人材育成教育
高校中途退学者の「学び直し」を支援し、また働きながら大学、専門学校に
通うことによって就業中の職業能力向上(資格取得等)や転職等を視野に
入れた職業能力(農林水産業に係わる技能を含む)の習得に係わる費用の
一部を助成する。

上記項目については、速やかに実施する。


今日ご紹介した政策は、
・医療・介護・教育面における安全・安心の確保
・求職者支援・人材育成
の意識が非常に高い分野のものです。

安心できる生活を確保するためには、もしものときにも安心できる社会作りが
不可欠であろう。
その意味では、高齢者社会においては、医療・介護の問題は非常に重要です。

また、母親が安心して子どもを産める環境を確保しなければ、少子化の傾向に
ストップをかけられません。

私の住んでいる江東区は、保育園の入園環境が劣悪で、我が家では、希望する
保育園への入園できる可能性を考えたら、1歳児クラスからの入園を
決断せざるを得ませんでした。

それでも、嫁さんの両親のご協力がなければ、嫁さんの職場復帰は不可能でした。

近年は医者不足も深刻化していますが、医師不足や保育所不足は、行政がハコを
作ればOKというものではないので、後継者教育の段階(中学校・高校)から
自分の将来を考えさせる教育をしていかなければならない問題だと思います。

そういう意味では、教師に対する再教育も含め、社会教育がより求められる
時代になったと言わざるを得ません。

私は大学の授業で就職活動の話を良くしていますが、正直な話、今の大学生は
自分に何ができるのか、何をしたいのか、わかっていませんので、
大学に入学する前の段階で、将来何をしたいのか、考えさせる必要があります。

私は中3のときに、税理士を志しました。
大学受験も、税理士として信頼される学問をと、経営学を専攻しました。
中小企業の社長の相談にのるためには、経理だけでは無理だと考えたからです。

その選択は間違っていなかったと今では確信しています。

高校時代にそういう発想を持たせてくれた母校の教育に感謝するばかりですが、
正直なところ、上位校の学生と話していても、就職活動を始めるまで
自分の将来を意識している方は皆無に近いのが現状です。

その点を踏まえて、教育改革を行って欲しいと思っています。

安心できる社会は少子化の是正には不可欠です。
高齢者に目が向くのは当然だと思いますが、
少子化対策にも力を入れて頂きたいですね。


民主党、生活・環境・未来のための緊急経済対策(2)
2009.04.10

昨日の記事で基本方針等をご紹介した民主党の「生活・環境・未来のための
緊急経済対策」の具体的な内容を今日、明日の2回でご紹介します。

3.具体的な政策
(1)家計が自由に使えるお金(可処分所得)を増やす(14.1兆円程度)
家計に対する直接支払の拡充や減税、生活コストの低減によって、家計が
自由に使えるお金を増やす。合わせて、地域が自由に使えるお金を増やして、
地域事情に応じた生活改善策を支援する。

・子ども手当
中学卒業までの子ども1人あたり月額2.6万円の「子ども手当」を支給。
・高校実質無償化
国公立高校通学世帯に対して授業料相当額を助成し、実質無料化を図る。
私立高校通学世帯についても、12~24万円の助成を講じる。
・大学生に対する奨学金の大幅拡充
所得800万円以下の世帯の子女に対し、国公私立大学それぞれの授業料に
見合う無利子奨学金を交付する。所得400万円以下の世帯の子女については
生活費相当額についても奨学金を交付する。また、低所得者への授業料負担
軽減を実施する大学に対する交付金・助成金を増額する。
・年金課税の見直し
H16年税制改正で講じられた「公的年金控除の縮小」「老年者控除の廃止」
を取りやめ、H16年改正以前の状態に戻す。
・高速道路無料化
首都高速、阪神高速を除く高速道路料金を、原則無料化する。これにより、
生活コストを引き下げ、また地域活性化を促進する。
・暫定税率廃止・直轄事業地方負担金廃止
2.5兆円の減税を実施すると共に、直轄事業に対する地方負担金制度を廃止し、
地方の自主財源を増やすことによって、地域の実情に応じた生活改善策を支援する。
・中小企業の法人税率引き下げ等
中小企業向けの法人税率を11%に引き下げる。
・中小企業オーナー課税の廃止
1人オーナー会社にかかわる、いわゆる「オーナー課税制度」を廃止する。
・中小企業、住宅ローンを抱える個人に対する支援
時限的な措置(原則2年)として、取引先の倒産等の影響を受けている
中小企業、勤め先の倒産・リストラ等により住宅ローンの返済が困難と
なっている個人等の返済条件を緩和する。そのため、変更等に柔軟に
応じた金融機関に対する財政上、金融上の支援を行う。

上記項目のうち、可能なものについては年内に実施する。

(2)新しいライフスタイル、新しい価値の実現を支援する(1.6兆円程度)
以下の財政政策に加え、再生可能エネルギー分野における固定価格買取制度の
速やかな導入などを含めた大胆な政策を講じることで、国民のライフスタイル
や価値観の変化に対応した新しい市場・産業の育成を推進する。

・太陽光パネル設置促進等
住宅用太陽光パネルの設置に対する半額助成など再生可能エネルギー導入に
対する経済的支援を実施する。
・次世代自動車購入支援
一定基準以上の低燃費車、ハイブリッド等の環境対応車への買い替えについて、
200万台程度を対象に最大30万円の促進策を実施する。
・省エネ等住宅リフォーム
(※詳細検討中)

上記項目については、速やかに実施する。


今日は4項目ある具体的な政策のうち、1、2を紹介しました。
昨年末に発表された平成21年度民主党税制改正大綱からより具体的になった
部分もありますが、基本的には、同じ系列のものと考えられます。

今日、ご紹介した中では、
・子ども手当
・老年者控除の廃止(平成16年改正)の解除
・高速道路無料化
・昨年4月に混乱した暫定税率の廃止
・中小企業に対する税率の引下げ
・特定同族会社の業務主催役員に対する給与所得控除分の損金不算入等の廃止
等が盛り込まれた。

2項目目に掲げる環境対策については、麻生内閣案の方が充実しているように
思いますが、国民の可処分所得向上に向けた民主党の積極的な取り組みが
見て取れ、積極的な評価をすべき点ではないかと思います。

ただ、ばら撒きの結果として財源が確保できるのか、心配もありますが。

いずれにせよ、景気回復が先決であり、景気回復の後の大増税は避けられない
方向性だと思います。

次回は後半の3,4の具体的な政策をご紹介します。


石井公認会計士逮捕、プロデュース粉飾決算事件で
2009.04.09

以前、このコラムでも書いた事件の続報が入りました。
新潟の電子部品メーカー、プロデュースの粉飾決算事件で、
とうとう担当していた公認会計士の逮捕にまで発展してしまいました。
9日12時30分時事通信社ネット記事はこう報じた。

ジャスダックに上場していた電子部品装置製造「プロデュース」(新潟県長岡市、
民事再生手続き中)の粉飾決算事件で、さいたま地検特別刑事部は9日、
証券取引法違反容疑で、会計監査担当だった公認会計士石井清隆容疑者(40)
を逮捕した。
特別刑事部によると、同容疑者は容疑を認めているという。

また、金融商品取引法違反などの容疑で同社前社長佐藤英児容疑者(40)
=証券取引法違反罪で起訴=ら2人を再逮捕した。

石井容疑者の逮捕容疑では、佐藤容疑者らと共謀し、2005年11月、
同社の同年6月期決算で、実際は売上高が約14億7600万円、最終損益
(税引き前)が約6800万円の赤字だったのに、架空の売り上げを計上し、
最終損益を黒字と偽った有価証券届出書を提出したとされる。

特別刑事部によると、石井容疑者は資産の振り替えや利益の水増しなどの
粉飾方法を指示していたという。 


専門家が結託して投資家を騙した詐欺事件である以上、石井氏の刑事責任は
免れ得ないものと思います。

公認会計士という専門職業人の歴史は常に粉飾との闘いであっただけに、
自分の職責の何たるかを理解しないバカが、偏差値秀才であるがゆえに
難関の試験に合格し、結果として社会的に抹殺されることになるのは、
非常に近しい専門職であるものとして嘆かわしい事態ですね。

公認会計士を目指される方には、是非以下の2冊を熟読されたい。
友岡賛『会計プロフェッションの発展』有斐閣2005
R.H.パーカー、友岡賛・小林麻衣子訳『会計士の歴史』慶應義塾大学出版会2006

2冊とも慶応の友岡教授の本ですが、偶然です。
僕は友岡先生と面識ありませんので・・・
お会いしてみたい先生のお一人ですけどね。

イギリス・アメリカにおいて、公認会計士制度がいかにして現在の地位を
築いてきたのか、よくよく理解できよう。

先人たちの努力を無にする石井氏の行為には怒りさえ覚える。

アメリカにおいても、エンロン事件に伴い、世界最大の会計事務所の1つだった
アーサー・アンダーセンが崩壊しました。

いくら弱小の監査法人であったとしても、業界の品位を疑われるような
行為をしたわけですから、日本公認会計士協会には、石井氏の除名を含め、
処分を検討して頂きたいものですね。


民主党、生活・環境・未来のための緊急経済対策(1)
2009.04.09

民主党は、8日、「生活・環境・未来のための緊急経済対策」を発表した。
その骨格は以下の通り。(具体的施策については明日以降順次ご紹介します。)

1.基本方針
・基本理念は「生活が第一」「生活を良くすれば、経済が良くなる」。
・2年間で約21兆円の財政出動(真水)で景気回復・雇用拡大の実現をめざす。
・生活不安世帯・若年世帯を中心に、家計が自由に使えるお金(可処分所得)
を増やす。
・セーフティネット(年金、医療、介護)の抜本的な拡充を図り、
現在の不安を軽減し、将来の安心感を高める。
・「内需主導型」経済構造への転換により需給ギャップを縮小し、
未来に向けた産業を育成する。
・既得権温存を目的とする事業、旧来型公共事業などの非効率な事業を排し、
生活・環境・未来のための政策を実現するために、予算の総組み替え
(税金の使い方の抜本改革)に着手する。

2.基本シナリオ
(1)家計が自由に使えるお金(可処分所得)を増やす
(2)新しいライフスタイル、新しい価値の実現を支援する
(3)現在の不安を軽減し、将来の安心感を高める
(4)消費の拡大、新産業の育成、安定雇用の維持・拡大

3.具体的な政策
(内容詳細は次回以降ご紹介)

4.規模・財源
・2年間で約21兆円(真水)の財政出動。
・「天下り廃止等による公共調達のコスト削減」「独法・特殊法人の原則廃止」
「国家公務員の総人件費削減」「直轄公共事業の見直し」「個別補助金の
原則廃止、一括交付金化」等に財源を確保。
これを担保するため、民主党は既にNC各部門において国の全ての事業の
精査(事業仕分け)に着手済。
・H21年度の措置は、「経済緊急対応予備費」の活用、埋蔵金等により確保。
<参考>「埋蔵金」残高
  「財政投融資特別会計」 =6.5兆円
  「外国為替資金特別会計」=19.6兆円
・現下の経済状況に応じた緊急措置を講じると共に、これを一時的な対策に
とどめることなく、国民生活の向上、社会保障制度の抜本改革、内需主導経済
への転換を実現するための恒久的な政策へ切れ目なく移行し、その財源は
予算の総組み替え(税金の使い方の抜本改革)の本格実施により確保する。

以 上

麻生内閣が10兆円規模の新経済対策を行う方針であることを受けて、
小沢民主党は、それを倍以上上回る21兆円規模の緊急経済対策を打ち出した。

この動きは、反対のための反対ではなく、政策をもって政権与党に対峙する
政権担当能力のある有力野党のあるべき姿だと思うので、歓迎すべきことですね。

その方向性は、民主党が掲げる生活防衛を前面に出した、相当程度の現実感を
持ったものであったことは、非常に評価できよう。

ようやく腐れ野党ではない、本気で政権担当能力を持っていることを
明らかにしてくれた感がありますね。

今回の経済対策の内容について、我々国民は、政権与党案と民主党案の違いを
よく吟味した上で、来るべき総選挙の判断を下すべきなんでしょうね。

具体的な内容までは今日の記事では紹介しきれていないので、次回以降、
順次紹介していきます。


中小企業の資金繰りに緊急融資保証枠拡大方針、経産省
2009.04.08

昨秋のリーマンショックに端を発した金融不況の煽りを受けて、
中小企業の資金繰りが切迫している。
緊急融資の保障枠も半分を超え、中小企業への悪影響が心配されるところで
あったが、経済産業省は、この緊急融資枠を10兆円積みます方針を固め、
麻生内閣が取りまとめる新経済対策に盛り込む方針だと言う。

8日7時22分asahi.com記事はこう報じた。
経済産業省は7日、中小企業の資金繰りを支援する緊急保証制度の保証枠を
10兆円積み増し、計30兆円に拡大する方針を固めた。
政府・与党が近くまとめる新経済対策に盛り込む。
政府は10兆円規模の09年度補正予算案を編成する方針だが、保証枠拡大に
伴い倒産などで損失が出た場合に備え、補正で1兆円規模を計上する方向で
調整している。

さらに、経産省は日本政策金融公庫と商工組合中央金庫による中小企業への
低利融資枠を、現行の10兆円から5兆円程度引き上げ、計15兆円に
拡大する方針だ。
世界的な景気後退の影響で売り上げが低迷する中小企業を支援する。

緊急保証制度は、中小企業が金融機関から融資を受ける際に、各地の
信用保証協会を通じて政府が返済を保証する仕組み。
借りた企業が倒産などで返済できなくなっても、保証協会が100%肩代わり
するので、金融機関はお金を貸しやすくなり、貸し渋り防止につながる。
原油・原材料価格の高騰に苦しむ中小企業を支援しようと、昨夏の
総合経済対策に6兆円の保証枠が盛り込まれた。

対象として545業種を指定し、昨年10月末から受け付けを始めた。
金融危機を受け世界的な景気後退が深刻化し、昨年後半から利用が急増。
政府は08年度予算の2次補正で保証枠を20兆円に拡大した。
現在の対象は760業種で、今月6日までの保証の累計額は約9兆3千億円
(約44万2千件)に上る。

利用が保証枠の半分に達したことに加え、年末から自動車・電機業界など
業績が急速に悪化した下請けの中小企業の利用が増えていることから、
経産省は「思い切って拡大することが安心につながる」(幹部)と判断した。
昨年度の1次・2次補正では計約8千億円を計上しているが、倒産の割合が
想定していた8~9%から11~122%程度に悪化していることから、
今回の補正では公庫や商工中金の融資枠と合わせ1兆数千億円規模の
大型の予算措置を検討している。

金融危機以降、融資を申し込んでも断られるケースが増えているという。
バブル崩壊時の貸し渋りの再現が起きている現状では、この緊急融資枠の
拡大は救いの神になるかもしれない。

銀行もかつてのような貸し剥しについては、マスコミの目だけではなく、
金融庁の目が怖いので、さすがに少ないようであるが、融資枠の減少や、
追加担保要求など、中小零細企業の経営者にとっては、会社が潰れたら
身包み剥される状況を強いられているのも実情である。

中小企業経営をサポートする立場の私としては、場合によっては、
個人財産が残せるのであれば、傷が浅いうちに会社を畳むことをオススメ
せざるを得ない状況を視野に入れながら、業務支援を行っています。

銀行も護送船団が崩壊し、融資枠についても、保証協会等の完全保証が
なくなった状況では、融資先の信頼性をどのように判断するか、
厳しい選択を迫られていることも確かでしょう。

しかし、わが国の金融市場は、銀行融資による間接金融が伝統的に強く、
国民も名の知れた上場企業ならいざ知らず、名もない中小企業に対する
直接金融商品に対する購入意欲は希薄である。

そのため、圧倒的な数の中小零細企業は、その資金繰りを銀行からの
融資に頼らざるを得ないのである。
だからこそ、銀行融資がストップすることは死活問題となるのだ。

中小会社会計基準に基づくチェックリストが要請されるのも、融資先の
信頼性を銀行が確保するためであり、税理士業界の実態を考えると、
絵に描いた餅でしかない基準ではありますが、必要性があるからこそ
導入されたものなんですね。

ただ、中小会社会計基準の内容の全てを我々税理士は確認する術を未だに
与えられていないことは如何ともしがたい事実である。
ASBJ会員限定サイトでしか基準の全てが確認できない状況は、
日税連が打開策を考えて頂かない限り、一個人の税理士にはどうしようもない。

それともASBJの高い年会費を我々全員に支払えということなのだろうか。

税理士は会計業務をやってはならないというのであれば、納得もできるが、
いかがなものだろうか。
おそらく会計業務が禁止されて経営できる会計事務所は皆無に近いであろう。

我々税理士が通称名で会計事務所を名乗ることには理由があるのだ。


話が大分逸れましたが、緊急融資枠の拡大はいい方向性だけに
それに合わせて、我々税理士が是正すべき点も意識してもらいたいものです。


麻生内閣、10兆円の大型経済対策を示唆
2009.04.07

麻生内閣による追加経済対策が大詰めを迎えてきた。
3月にロンドンで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議で約束された
GDP比2%の経済対策について、与謝野財務相に指示をしたらしい。
7日3時14分asahi.com記事はこう報じた。

麻生首相は6日、与謝野財務相に対し、政府・与党が検討中の新経済対策に
ついて、国内総生産(GDP、約500兆円)の2%を上回る規模の09年度
補正予算案を編成するよう指示した。
10兆円超の国費を投入する見通しで、小渕内閣の98年度3次補正(7.6兆円)
を上回り、過去最大となる。
首相は大型連休前の補正提出を目指している。

「GDP比2%」は、ガイトナー米財務長官が3月にロンドンで開かれた
G20財務相・中央銀行総裁会議で、主要各国が取る財政刺激策の数値目標
として実現を呼びかけたもの。
日本の場合、09年度当初予算などもあわせれば3兆円超の追加支出で達成
できるが、首相は09年度補正予算案だけで達成するよう10兆円超の支出を
指示したことになる。

指示の理由について、首相は6日、「日本の経済成長率の見込みが、
先進諸国の中で一番落ちている。
もう一点は国際協調。ロンドンサミット(G20)でも、みんなで財政出動
しようという結論が出ている」と記者団に語った。

首相はまた、補正予算の優先項目として、与謝野氏に対し(1)非正規労働者の
ための新たな安全網づくり(2)政府系金融機関を活用した企業の資金繰り対策
(3)太陽光発電の抜本拡大(4)介護・地域医療に対する国民の不安の除去
(5)地方活性化のための自治体支援――の5点を指示。
ターゲティング(狙いを明確に)、タイムリー(タイミング良く)、
テンポラリー(一時的な)の「三つのT」の原則も示し、今回の対策が
景気回復までの時限的な措置であることも明確にした。

首相は与謝野氏への指示後の自民党役員会で、補正予算の提出時期について
「(大型)連休前に向けて党も努力してほしい」と指示。
与謝野氏は記者団に補正を含む新経済対策のとりまとめについて、
10日を目指していることを明らかにした。

麻生内閣は大型経済対策の実行に向けて現実的に動き出した。
解散総選挙をするためには、補正予算案の成立が不可欠な状況にあると思うが、
ゴールデンウィーク前に第3次補正予算を作成し、これを選挙公約にして
解散総選挙に打って出ることも考えられよう。

ただ、この施策が効果的に機能し、経済の回復フェーズに乗れば、
次に来るのは、財政規律回復のために必要な増税、
おそらくは消費税率のアップということであろう。

また、安倍内閣が閣議決定しながら麻生内閣がとりあえず先送りした
相続税法の抜本的な見直しも当然に検討されることになろう。

そこで求められることは、将来のわが国のために求められる「あるべき税制」
がどのようなものであるのか、という命題である。

これは内閣主導の下、研究者や実務家の英知を結集する必要があろう。
そのためにも、早急に政府税調を召集し、先を見据えた活発な税制論議が
必要であろう。

これまでの税調委員の選出には私は異論を持っている。

財政の専門家は多いのですが、租税論の専門家は少なく、ましてや税法の
専門家は更に少ない人選はいかがなものであろうか。

租税政策が経済に合致したものであるべきとの考えもあるだろうが、
税法は、納税者の権利保護のための法律でもあるのだ。

法律の改正には慎重を期すべきであると思う。
そのためにも、税法の専門家がもっと選出されるべきであろうし、
税理士会だけではなく、日本公認会計士協会や日本弁護士連合会にも
税法の特別委員会が設置され、それぞれの受験科目に税法が設置されている
現在では、税法の実務専門家として、税理士・会計士・弁護士が
それぞれ選出されてしかるべきではないだろうか。

今夕に予定される経済財政諮問会議で提出される資料に
どのようなタタキ台が用意されるのか注目されるところであるが、
それぞれの業界団体を含め、その対応が注目されるところである。


GM破綻方向を否定、GM新CEO
2009.04.06

米GMの破産への方向性は未知数であろうか。
先月31日にオバマ大統領がGMとクライスラーの破綻処理について
言及したことを受けて、GMのヘンダーソンCEOは、破綻を前提とする
考え方ではないことを表明した。

6日09:03トムソンロイター記事はこう報じた。
米ゼネラル・モーターズ(GM)ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は
5日、GMにとって破産処理は不可避ではないとの認識を示した。

GMがクライスラーとともに提出した再建計画が政府の自動車作業部会に
拒否されたことを受け、ヘンダーソン氏は先週、CEOに就任した。
両社は現在、再建計画の見直しを迫られている。

販売店、部品会社を含め米自動車業界では多額の損失計上が続き、過去1年間に
40万人の人員削減が行われた。
GMは昨年134億ドルの政府支援を受けたが、160億ドルの追加融資を要請。
クライスラーも同様な追加支援を求めている。

NBCの報道番組「ミート・ザ・プレス」で破産処理は不可避かとの質問に対し、
ヘンダーソンCEOは「ノー」とした上で、政府の要求に応えるため、
より迅速に大規模なリストラを進めるとの見解を示した。

同CEOは「仕事を成し遂げる計画だ。われわれは破産処理せずに再建を
はかりたい」と指摘。
「破産処理以外に再建ができなければ、その範囲内で行う」と述べた。

ちなみに、3月31日09:17トムソンロイター記事はこう報じていた。
オバマ米大統領は30日、米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラー
[CBS.UL]に対し、再建に向けた努力を加速させるよう求めるとともに、
破産処理を行う可能性もあると明らかにした。

大統領は、両社の再建計画について、大規模な追加公的支援を正当化するには
不十分との見方を示した上で、労働組合や債権者と譲歩で合意するため、
多少の猶予を与えた。

演説では「米自動車業界を消失させるべきではないし、消滅はさせない」と表明した。

大統領は、クライスラーには伊フィアットとの提携を完了させる間、
30日間の運転資金を供給するとした。
GMについては60日以内に再建計画を見直すよう求め、この日新たに
就任したヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は、破産法適用下での
再建が必要となる可能性もあると述べた。

政府作業部会のメンバー、ジャレッド・バーンスタイン氏はロイター・
フィナンシャル・テレビで、GMとクライスラーの「不良」資産を切り離し、
裁判所の管理の下でこれらの資産の破産処理を行う案が1つの選択肢だが、
米当局者はこれについて決定に至っていないとし、「今後60日間でどのような
修正や譲歩が出てくるかを確認するまで、そうしたレベルの分析を行う段階
にはない」と語った。

作業部会はGMとクライスラーが提出した再建計画を却下。
大統領は「クライスラーとGMは将来の道も別々の非常に異なった企業だが、
両社とも再建計画の実施に向けて新しいスタートが必要だ。
これは、破産法を適用して再建の加速化と基盤強化を図る必要が生じる
可能性もあるということを意味する」と述べた。

米政権は、GMとクラスラーに供給する運転資金の規模は明らかにしなかったが、
GMは4月だけで20億ドルが必要だと表明していた。

クライスラーは30日、フィアットと提携枠組みで合意に達したことを明らかにした。
自動車作業部会はクライスラー再建計画の柱としてフィアットとの提携を要求している。
クライスラーにとって次のステップは、債権者および全米自動車労組(UAW)と
コスト削減について合意に達することだ。
これらの条件をすべて満たすことができれば、米政府は60億ドルの追加支援の
実施を検討するとしている。

GMのヘンダーソンCEOは、向こう60日間に債権者や労組との合意など
「厳しい課題」に対応していくと表明。
「破産法の適用を申請することなく改革を完了することを強く望んでいる」
としながら、「しかしGMは再建の成功に必要なすべての措置を実施していく。
これには裁判所の管理下での措置も含まれ得る」と述べた。

この記事に関連して、ダイアモンドオンライン6日08:40記事を紹介する。

案の定、というべきか。
ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが2月17日に米政府に
提出していた経営再建計画に対し、オバマ政権は「実現不可能」とし、
全面的な見直しを命じた。

周知のとおり、当面のつなぎ融資は提供するものの、GMは60日、
クライスラーは30日と、与えられた猶予期間内に抜本的なリストラ策を
示さなければ、連邦破産法第11条(チャプターイレブン)を適用するという
手厳しい内容だ。

特に、クライスラーに対しては「単独では存続できない」とまで言い切り、
「フィアットとの提携が実現しなければ、追加融資を打ち切る」と明言している。

オバマ政権が“実現不可能”とした理由は何か。
たとえば、GMの再建計画の場合、楽観的な市場シェアや価格(の支配力)、
車種構成、競合日系メーカーに劣る環境技術など、あらゆる前提条件での
“甘さ”が指摘されている。

端的な事例をいえば、2008年の北米のシェアは21.5%だが、14年でも
19.1%を維持。
つまり、6年間で2.4ポイント、毎年0.4ポイント程度しか落ちないという前提だ。
ところが、06年の北米シェアは23.8%。
08年までのわずか2年間で2.3ポイント減少。
再建策でブランド数や車種数の絞り込み、レンタカー業者などへの法人向け
販売削減を打ち出すなか、「予想シェアがおかしいのは小学生でもわかる」
(業界関係者)。

加えて、14年時点でのネットキャッシュフローがマイナスとしている点も
問題とされ、ブランドやディーラー数の絞り込みが不十分としている。

「労働組合を支持基盤とする民主党のオバマ政権には、GMはつぶせない」。
医療保険基金への拠出金や無担保債務の株式化をめぐり、いまだに労働組合や
債権者から譲歩が引き出せていない点には、GMにも相手側にもそんな甘えが
あったのだろう。

だが、税金での民間企業救済に対し、世論の厳しさが増すなかで、外堀は
だんだんと埋められつつある。
3月19日には部品メーカーを対象にした政府支援策が、30日には政府による
消費者向けの米国車の保証プログラムなどが決定。
「万が一に備えてのセーフティネットが構築され始めている」
(寺澤聡子・みずほ証券シニアクレジットアナリスト)。

まさに、今度こそ、甘えが許されない“最後通告”といえよう。

大きな動きを捉えていかないと、アメリカ経済どころか世界経済の流れを
読み違えかねない問題だけに、その動向を注視していく必要がある。

オバマ政権の要求が思いのほか厳しいものであったことも、GMやクライスラーの
首脳には誤算だったのだろうが、オバマは“チェンジ”を標榜しているのだ。

新しいアメリカに生まれ変わるための足かせになるような古い考え方を
ドラスティックに変えるためには、センセーショナルな破綻劇も
有効な手段になるであろう。

クライスラーに対する単独での存続を否定する判断はそこにあるのではないか。

アメリカ発の世界恐慌を起こさないようにソフトランディングを果たさなければ
ならないことも、一つの要因にもなろう。

単独で存続できないと判断するならば、アメリカ的な部分を残せる企業との
合弁は当然の選択であろう。
フィアットであって、日本車ではないところに、オバマの意思を感じている。

今後の展開は世界経済の鍵を握っている。


司法書士の小林先生
2009.04.05

今日は、異業種交流会で知り合いました司法書士さんを紹介したい。

司法書士の小林彰先生です。

「損をさせない司法書士事務所」をキャッチフレーズに、人当たりのよさと
フットワークのよさが売り物の先生ですね。

私がはじめてお会いしたときの自己紹介では、
「スーパーダイエー出身の庶民派」と自己紹介されていました。

今回、小林先生を紹介しようと思ったのは、
『ニッポンの仕事777 2009年上半期』(リクルートムック)
に小林先生が紹介されているからです。

30代前半という若手で既に独立開業されているという先生は少ないだけに
(これは我々税理士も同じことが言えると思いますが)
この若さで他業種の出身者であることは貴重ですね。

私の事務所も、会計事務所一筋は1人しかいない異業種からの転身組
ばかりなので、余計に頑張って欲しいと思うのかもしれません。

私も頑張ります。
一緒に成長していきましょうね。


国士舘、大学院入院記念日
2009.04.04

入学式は1日にあったのですが、国士舘大学大学院では
実質的に今日からのスタートです。

今日はガイダンスの日だからです。

私は学部の担当教員ですから、大学院をお手伝いする義務はないのですが、
後輩に当たる者たちですので、今年もガイダンスから手伝いに行きます。

今年は私の予備校の教え子が3名、我が西野研究室に入院しますので、
関係者率が例年より高くなるようです。

入試でコネが使えればこんなに楽なことはないのですが、その辺は
西野先生はシビアですからね。

まあ、判らないでもないです。
コネでとって、修士論文がひどければ落第させるしかなくなりますからね。

私の関係者でも落第こそおりませんが、過去に無茶苦茶苦労したことも
ありましたから、師匠にお願いするのもリスクがあるんですね。

今年はどんな院生が入ってくるのか、楽しみでもありますが、
怖さもあわせもいっているんですよね。
ただ、税理士免除目的で進学してくる者が圧倒的に多い税法では、
レベルの高い研究を期待するよりも、レベルが低くない成果を
しっかり2年で出してもらうことの方が重要です。

税理士に限らず、士業は、国家資格を取得したことはゴールではなく、
スタートでしかないのですから。その点を勘違いしないで頂きたい。

勘違いしている方が多いせいもあると思いますが、
少なくとも私の関係からは「だから免除は使えない」と言わせない
税理士に育ってもらいたいと思います。

そして、来週11日は、法学研究科の第1回修士論文発表会です。

私が把握している限りでは、今年は期待していますよ。


事務所、確定打ち上げ
2009.04.03

今日はスペイン料理を食べに行きます。

これから事務所の打ち上げなんですね。
確定申告が終わってから職員全員の時間が合わず、
2週間伸びてしまいましたが。

日本人はとかく本音で話すことが苦手ですので、ノミニケーションは
インフォーマルな組織形成の中で非常に重要な要素になります。

誰は飲みに誘われ、誘われていないのは誰か、ということも
後になって、上司の足元を掬う要因になりがちでもありますからね。

たかだか5人の事務所ですが、わが事務所は全員一致が基本。

忘年会では私が醜態を晒してしまったので、今回は正念場ですね。

最初は居酒屋だったんですが、滅多にないことなので、
旨い物をということで今回はスペイン料理。

私は酒が美味しく飲めればいいんですけどね。

今月に入ってからは、私がほとんど事務所にいないので、
いない間の状況確認の意味も若干あるんですがね。

今日は楽しくやってきます。


専修大学でも教えます
2009.04.01

エイプリルフールです。
うそを言ってもいい日なんですがねえ・・・

何ともしっくりしないところです。

今日から専修大学の非常勤講師になります。

今年は国士舘と専修で税法を教えます。
母校法政でも税理士会の寄附講座(担当は税務調査)で教えます。

あんまり学校のことばかりやりすぎるとお客様に失礼になってしまいますが、
これも縁あってのものなので、月曜(国士舘)、水曜1限(専修)の講義、
法政は金曜2限で僕の担当は7月10日です。

今年はどんな学生が私の講義を受けるんでしょうね。
専修は、税法学会の関東部会の会場なので、たまに行っていましたし、
それに友人や教え子の中には専修の院に進学した者もおりますので、
身近に感じている学校の1つですね。

ただ、学校によって随分雰囲気が違うので、楽しみでもありますが、
怖いなという部分もありますね。

ともかく、これから辞令を頂きに就任式に行ってきます。