タレントとの写真を選挙ポスターに、肖像権問題に発展
2009.07.31

選挙ポスターで肖像権問題が発生しているようですね。
前回の衆院選で郵政民営化に反対して片山さつき衆院議員を刺客として
送り込まれた、元町村派の城内実元衆院議員(静岡7区)が、タレントの
真鍋かをり氏と写っている写真をポスターに使っていることが分かり、
真鍋氏が昨日のブログで、なぜこの写真が使われているのかわからない旨の
コメントを出す騒動に至っている。
31日6時1分 Sponichi Annex記事はこう報じた。

衆院静岡7区から無所属での立候補を表明している城内実氏(44)の
ポスターに、タレントの真鍋かをり(28)の写真が掲載されていることが
分かり、眞鍋は30日までに自身のブログで「無断掲載された」と訴えた。
眞鍋は29日のブログに「その方とは全く関係ございません。特定の政党や
政治家の応援はしていません」とコメント。
眞鍋はフジテレビの情報番組「とくダネ!」にレギュラー出演しているが、
同局は30日、選挙前に特定の候補者を支持する者の出演は誤解を招く
として眞鍋の出演を見合わせた。
眞鍋の所属事務所は「事実関係を確認中なので、ノーコメント。
来週の出演も未定です」とした。
フジテレビ関係者は「このままポスターが張られ続けると、選挙が
終わるまで眞鍋さんの番組出演は難しい」としている。
一方の城内氏は30日、自身のブログで「許可をいただいた」と反論。
「都内在住の知人のご厚意で、眞鍋かをり氏所属事務所よりご本人の
写真をお借りして、掲載許可をいただいた上で作成した」と主張。
事務所では「(経緯などは)現在確認中。ポスターの撤去等に関しても
協議中です」としている。


刺客候補であったとはいえ、有力議員になりつつある片山議員や
民主党からは元NHK静岡局アナウンサー斉木氏が相手ですから、
なりふり構わず、という姿勢が現れてくるのかもしれませんが、城内氏の
ミスは、事務所との直接の交渉の末での写真掲載ではなかったことにあろう。

タレントの肖像権は本人が管理することもあるだろうが、多くの場合、
所属事務所が管理することになるわけですから、所属事務所が選挙ポスターに
使用することを許可したとは考えにくい。
(真鍋氏が城内氏と共同歩調を取って平沼グループとして動いているならば
分からなくもないが、そういう素振りは見受けられませんね。)
そうなると都内在中の友人が所属事務所のどのレベルまで話をして
使用許可を取ったかが問題となろう。

まさか、元国会議員で、開成―東大―外務省のエリートが、
肖像権を知らないとは言わせない。
もし知らないで使っているとすれば、そもそも議員になってもらっては
いけない方だということになる。
仮にも我が国は法治国家だ。
悪法も法は法なのだ。
悪法を知らずに改正することを怠ってきた元議員を国会に戻すわけにはいかない。

おそらくは肖像権のこともちゃんと分かっているにもかかわらず、
全てを秘書任せにしていて、使用許可がどのレベルまでいっていたのかを
確認もしなかったのであろう。
ただ、肖像権使用契約は契約である以上、当事者がサインすべきものですね。
もし議員に内緒で秘書がやったことであるならば、その秘書は即刻クビに
すべきだし、実名報道で情報公開をお願いしたいところだ。

国会は、悪法(制定当時は適切なものだったものが多いはずですが・・・)
を正し、現在に生き、未来を望んでいる我が国民を導くために、選挙で
国民の代表として選ばれた国会議員が、現在・未来のあるべき姿を模索して、
適切な法に直すために政策論議をする場所ではないのでしょうか。

もし肖像権にこのような問題があることを知らずに勝手にポスターや
HPを使っている議員がいるのであれば、法治国家において議員を
続ける資質があるとは思えないし、有権者の方でも、そういう方を選挙で
落選させる努力、ないし有権者がそういう方を支持していないことを
伝える努力はやってもらいたいものですね。

投票率が50%を割るという事態は、有権者の50%以上は誰でもいいと
言っているのと同じわけで、たとえ有権者の30%程度が支持しているだけ
であったとしても、当選人を支持しなかった方は少ないことになる。

国民のために汗をかき、政策のために勉強する(キムタクが主演した
チェンジでも官邸で夜通し勉強してましたよね)、そういう議員を選んで頂きたいものです。


正式なマニフェストではない?
2009.07.30

鳩山民主党に何がしかの期待をした私がバカだったのかもしれない。
27日月曜日に発表したマニフェストは単なる政策集で正式なマニフェスト
ではないだと!!(怒)
国民をバカにするのもいい加減にしろ!
マニフェスト選挙を日本に持ち込んだのは政策論議によって政権奪取を
目論んできた民主党ではなかったのか!
これでは、民主党にに政権担当能力があるのか、疑わしいとしか
感じられないではないか!

以下に紹介する記事を見て怒りを感じ、呆れるばかりである。
29日22時34分asahi.com記事はこう報じた。

民主党の鳩山代表は29日、27日に発表したばかりのマニフェストに
「国と地方の協議の場の法制化」を追加する考えを明らかにした。
マニフェストから漏れたことに、大阪府の橋下徹、宮崎県の東国原英夫
両知事が反発したため、あわてて対応した。
「法制化」は、自治体から政府への要望が軽視されないよう地方6団体が
求め続ける悲願。
全国知事会は14日、各党マニフェストの点数評価で最高点の配分を
決めていたが、民主党は「印刷に間に合わない。別に作る『政策集』に
載っていればいい」(幹部)とマニフェストに明記しなかった。
ところが、「非常に不満」(橋下氏)、「後退した」(東国原氏)と批判が続々。
鳩山氏が急きょ指示し、「法制化」を総選挙の公示日から配る改訂版に
入れることにした。
鳩山氏は記者団に、27日に発表したのは「政権政策集で正式なマニフェスト
ではない」と苦しい説明だった。

この記事を見る限り、マニフェストとは別に政権政策集を作ることを前提に
していたわけで、国民に隠した政策が他にもあることを疑わせる内容だ。
これでは、日本新党ブーム以前の自民党の密室政治と何も変わらないではないか。

国民の政治不信は、政治家の行動がオープンではなく、その行動や政策に
不信感を抱いたことが原因にあると私は考えている。

民主党に期待したのは、議論をオープンにし、何を改革すべきなのかを
国民の前に示し、わかりやすい政治を行うことなのだ。

特に政治主導による官僚支配打破を実現するためには、国民の圧倒的な
支持が必要なわけで、国民の目にこれまでの不合理を晒さなければ、
国民の支持を得られないと考えるからだ。

例えば小泉氏が何故あれほどまでに支持されたのか。
郵政民営化のみを争点とし、政治に関心が薄い一般国民にもわかりやすい
キャッチフレーズを多用し、政治が変わるかも、との期待を集めた
からではないのか。
政治に関心がある国民には判りにくいフレーズであってもかまわないが、
圧倒的多数の国民は政治に関心が薄いのですから、どうせわからない
と思っている国民を動かすにはとにかくわかりやすさが肝要であろう。

一度出したマニフェストが完璧ではなく、後から追加で主張することが
あっても、それは仕方ない部分もあろうが、それはあくまでも追加論点で
あって、マニフェストの変更であれば、「政策のブレ」以外の何物でもない。
これでは、民主党が麻生首相を徹底的に批判してきた「ブレ」と変わらない。

鳩山民主党には猛省を求めるとともに、明確な自己批判をした上で、
国民に対する明確なメッセージを新しいマニフェストに示して頂きたい。
そして、それが国民が真に評価し、民主党に期待を寄せるに足るもので
あってもらわなければならない。

まさか、新しいマニフェストを選挙までに出さないということはあるまい。

鳩山代表が「正式なマニフェストではない」と明言した以上、
現在発表されているマニフェストではない正式なマニフェストが示されるまで、
民主党の政権公約は闇に包まれているとしか評価できないところである。


中田横浜市長、突然の辞任宣言
2009.07.29

4日間更新をお休みしてしまいました・・・
更新していない間に、政治が大きく展開してきましたね。

一昨日には民主党がマニフェストを発表し、30日発表予定の自民党の
マニフェストが出揃うと、マニフェスト選挙が実現することになりました。

昨日、今日のマスコミや新聞の報道を見ていると、民主党のマニフェストに
対してかなり辛辣なコメントが寄せられているように思う。
考えてみれば、非現実的なマニフェストを出しているのは、民主党以外の
野党各党も同様であり、かつての民主党のマニフェストにも多分に
非現実的な構想はあったのではないかと思う。

しかし、今回ここまで否定的なコメントが出てくるのには理由がある。
民主党政権の実現可能性が絵空事ではなくなり、そのマニフェストを実行に
移す可能性が高まっているからこそ、従来から行われてきた政権与党に
対するマスコミの批判と同様の厳しい視線が民主党に注がれだしたからである。

そういう意味では、今までのような、反対のための反対や、政権与党への
アンチテーゼとしての批判ではなく、具体的な実現性を持った政策を持って
政策論議ができることが期待されていると言えよう。
そうでなければ、自民党に期待できないから民主党という消極的な選択肢
でしかなく、もし政策が失敗したときには、致命的なダメージを受けかねない。

民主党のマニフェストの内容については、明日のブログで詳しく述べたいと
思うが、私の危惧が現実にならないことを願うばかりだ。


また、昨日は、中田横浜市長が突然の辞任宣言。
横浜市政改革が完成する前とはいえ、任期満了の3月まで全うすると
選挙費用で約10億円よけいにかかるということ、9月には2010年度
予算編成が始まるため、任期満了に伴い勇退予定の自分が決めた予算より、
新市長の方針に基づいた予算編成をすることが横浜市政に良い、等による
判断だと言う。

唐突である印象が強く、今回の衆議院選挙を睨んでの国政転身?と強く
疑われるタイミングであるだけに、真意が図りかねている。

しかし、小さい頃から優秀で家柄も良い方が多い政治家の中にあって、
自分で気付きを得たときから一念発起して勉強し始めて、政治家となり、
横浜市長にまで上り詰めた中田氏には大いなる期待を寄せていきたいと思う。

彼の半生は、中学、高校と決して成績優秀とはいえない方に、
非常に参考になると思う。
中田宏「なせば成る 偏差値38からの挑戦」講談社α文庫2005年
を是非一読頂きたい。
本書は2003年に出版された同名の書籍の文庫版であるが、彼のチャレンジ
精神の源泉を垣間見ることができる良書である。

私は高3の5月の某予備校の公開模試で英語の偏差値が28だった
ところから1浪の末、母校法政大学に進学した。
私の体験からも、できなかった経験があるからできるようになった
自信が持てるのだと思う。
中田氏は「高校三年生のとき、偏差値38を記録した」(25ページ)
そうだが、2浪の末、青山学院大学経済学部に進学。
大学4年生のときに、松下政経塾を知り、その門を叩いたことが、
現在の政治家中田宏を生んだという。

中田氏のチャレンジ精神は、最初の章 「バカ」?・・・だから、できる!
に凝縮されているように思う。

自分で「できない」と思えば、できることもできなくなる。
その反対に、自分で「できる」と思えば、できないことだったできるようになっていく。
コンピュータ技術者は、頭がいいからやっているのではない。
コンピュータが得意なだけなのだ。
科学者も頭がいいからではない。
科学がすきなのだ。
宇宙飛行士は、心のそこから宇宙に行きたかったのだ。
反対に、バカだからやる職業などはこの世にない。
どんな仕事にも頭を使う。
人それぞれ、得意、不得意はある。
不得意な分野だって、多少やる気になれば程度は違ってくる。
ましてや、学校で習ういくつかの科目のみをもって、自分の人生の限界を
設定するのはバカバカしいことだ。
「この世の中に不可能はない」
そのくらいの意気ごみをもって、自分勝手な思いこみによる
「自称バカ」は、いますぐにやめよう。
(27-28ページ)

私の院の同期の稼ぎ頭の一人は、国士舘大学の内部進学です。
彼は、既に複数の書籍を自分の名前で売っています。
彼が専門学校で指導していた当時は、かなりの人気講師でしたし、
非常に頭の切れる男ですね。
知識ではなく(もちろん講師になった頃には知識量も素晴らしいですが)、
知恵で人生を勝負するタイプで、少なくとも中田氏の言う「自称バカ」
とはかけ離れた男ですね。

私の教え子にも、スポーツ推薦で入学してきて、2年生までの成績は
凄惨たるものでしたが、大学3年の後半には自分の将来設計を見据えて、
自分でバイトした金で専門学校に通い、4年の4月には就職先を決め、
現在は自分の夢を実現すべく、日夜頑張っている男がいます。

私は授業中、学生に対して、かなりの暴言を吐き続けていますが、
彼らのように化けてもらいたいから、あえて苦言を呈しているつもりです。

人生には、早く結論を出さなければならないことと、長期計画でやらなければ
ならないことがある。
いますぐ結論を出さなくてもいいものは、「急がば回れ」の精神で、
アンテナだけは立てておく。
それをつづけていれば、いつか「それだよ!俺が求めていたのは!」という
瞬間がやってくる。
自分を活かすための偶然の出会いは、人生のなかで必ずある。
そして、それは偶然ではない。
なぜならば、頭のなかに意識しつづけた結果、出会った人、起こったことは
すでに必然なのだ。
何か気になることがあったら、そのことをずっと意識しつづけることが大切。
意識していなければ、せっかく求めていた情報も気づかぬうちに目の前を
通りすぎてしまう。
(121ページ)

中田氏は、辞任会見で、国民会議に専念する旨を仰っていましたが、
彼からすると、さらなる改革の実現に向けてキャッチしたアンテナが
国民会議なのかもしれませんね。

やらずに後悔するより、やってみて失敗しても経験が残ります。
まだ40台という若い政治家だけに、横浜市長としての2期7年半の
経験を次のステップにどのように活かしてくれるのか、期待したいところだ。


ライブドア代表訴訟和解成立の報を受けて
2009.07.24

ライブドアショックに端を発する株主代表訴訟が解決へと進みだした。
旧ライブドアの払拭決算の影響で株価が暴落し、不当に損害を受けた
とする株主代表訴訟の原告団410名のうち、95%に当たる381名が
和解に応じ、第1審判決に近い約14億円での和解が成立したという。
23日22時21分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

旧ライブドア(現LDH)の粉飾決算事件で株価が暴落して損害を受けた
として、個人株主410人が、LDHや旧ライブドア社長の堀江貴文被告
(36)(上告中)らに約44億円の損害賠償を求めた訴訟を巡り、LDHは
23日、原告のうち381人に計約14億360万円を支払うことで、訴訟外で
和解したと発表した。
この訴訟では、東京地裁が今月9日、原告402人に計約14億6600万円
を支払うようLDH側に命じる判決を言い渡し、LDH側が控訴していた。
LDHは381人に1審判決と同額を支払い、控訴を取り下げる。
和解できなかった原告については、控訴審で訴訟を続ける。
LDHは「1審判決は原告の請求額を大幅に減額した点で満足できる。
訴訟が続いた場合の費用負担などを考慮し、早期解決が最良の選択と
判断した」とコメントしている。


裁判が長期化すればそれだけ弁護士費用等の裁判費用が嵩むだけに、
新生ライブドアからすれば、引き継いだ負の遺産の精算を急ぐ方が得策、
との思いがあるだろう。
堀江氏側の意向は兎も角、ようやくとはいえ、和解が成立したことは
我が国経済を考えると、朗報であろう。
しかし、全員が和解に応じれたわけではなく、また、訴訟を継続すること
によって経済犯罪を明らかにしたいという考えの方もいるだろう。

ただ、後者については、新生ライブドアとは直接の関係はなく、堀江氏の
問題なんですよね。
その意味では、損害賠償の相手先は旧ライブドアの法人格を引き継いだ
新生ライブドアよりも堀江氏をはじめとした旧経営陣ではないか、と
思うのですが、いかがでしょうか。

この点については、例えば、旧経営陣が行った不正行為が、旧経営陣が
退職した後の税務調査で発覚して追徴されるケースでも感じるんです。
法人格が継続している以上、現経営陣が会社を代表して会社の資金から
追徴税額を支払うことになるんですが、どこか釈然としないものを
感じるんですよね。
また、現経営陣の経営判断で別法人を設立して、実態を移した場合には、
この追徴税額の第二次納税義務者はどこになるのでしょう。
通則法を見る限り、別法人であっても法人の実態が移っている以上、
税金が追っかけてくるだろうし、解散した場合には、旧経営陣ではなく、
現経営陣に責任がかかってくるのではないだろうか。

これがもし、何も事情を聞かされていない方がヘッドハントされて
代取社長に就任していた場合には、何も聞かされていないのに、
悪さをした旧経営陣は一切の責任を追及されることなく、ヘッドハント
された代取社長が責任を負わされることになり、不当な結果となることは
疑う余地が無い。

こういう事情を考えると、課税当局に有利に法ができている部分が多い
通則法、徴収法の不合理部分は、早急に改正するべきところであろう。

私自身も、この点については、論文として発表できるほど頭が整理できては
いないので、今後の研究課題として、できるだけ早く結果を出したいところだ。


管理栄養士が提供する治療食 美食奄ごる
2009.07.23

闘病生活をされている方は食事制限で外食できないケースが多いですね。
そういう方にも外食して頂ける食事処が渋谷にあります。

美食奄 ごる
http://www.bisyokuengoru.jp/

道玄坂の百軒棚商店街にある、ビルの1階にある小さなお店です。

完全予約制のお店で、昨年8月のオープンですが、関係者を中心に、
少しずつですが、浸透してきている気がしています。

店長の里山さんは管理栄養士で、腎臓病や糖尿病の患者さんにも安心して
食べて頂ける栄養相談所を併設して、健康で安心な食事を提供しています。

昨日の夜は、ビルのオーナーの経営会議に参加した関係で、食べてきました。

腎臓病の方に提供した料理を試してみてください、と出された
鳥のから揚げ香味ソースやピーマンの肉詰めが絶品でしたね。
普通に食べて美味しいのに、これで塩分2g以下に抑えているのだから、
健康に気を使わざるを得なくなってきたメタボな私には嬉しい話です。

ただ、美味しくて食べ過ぎてしまうんですよね・・・

残念ながら店長おまかせのコースしかありませんが、予約の段階で、
リクエストなり、どういう状況の方が来られるのかをはっきりして頂くと、
相応の対応をして頂けます。
治療食が必要な方への食事の提供をしているの、当然なんですが、
適切な治療食を提供し、食事療法の指導をするためには、情報を頂く
必要がございます。
そういう方には個別対応が必要な場合がありますので、完全予約制で
やらせて頂かないと経営上成り立たないというのが現実でしょうか。
現在は、ビルのオーナー(ソフト開発の会社です)と共同で栄養管理ソフトの
開発にも力を入れています。

健康で長生きするためにも、管理栄養士が提供する美味しい栄養管理食を
食べてみませんか。


中小企業知財経営推進会発足記念講演会
2009.07.22

昨日は、中小企業知財経営推進会の発足記念の講演会に行ってきました。
法政会計人会の江口先生からお誘い頂いたので、知財にも興味を持つ
スタッフを連れて参加してきました。

私の目的は、記念講演で、前の経済産業事務次官だった北畑隆生氏の
講演を聴くことにありましたので、北畑氏の卓越した視座を拝聴できた
ことは非常に有意義でした。
テーマは「日本の成長戦略―技術と知的財産―」
僅か30分の講演でしたので、概要しか拝聴できませんでしたが、頂いた
講演録には、もう少し突っ込んだ話が掲載されているので、参考になりました。

特に、日本経済・世界経済の展望について、私が感覚的にクライアントに
話していた、今年一杯はともかく、来年には経済は復活するという持論に
ついて、その根拠を示して頂いた思いがし、勇気を頂きました。
北畑氏はもっと早い回復を考えているようですが、最悪のシナリオでも
来年中には回復するというお考えで、それもキチンとした根拠をお持ちでした。

また、私が学生に向って話をしているところですが、少子化の進展により
経済のダイナミズムが失われ、成長要因がなくなるため、更に厳しい時代に
なりかねないという問題について、北畑氏から、ヒトやカネによる成長
ではなく技術革新に活路を見出すべきである、という貴重な視座を頂きました。

我が国の中小企業における生産現場が持つ高い技術力を保護するためにも、
特許権や商標権等によってブランド力を守ることが経営の継続に必要なのだ。

我が国の知財に対する脇の甘さは、抜け目の無い世界では通用しない。
我が国企業の企業価値を形成するはずの技術力を盗まれ、その結果、
国際競争力を維持できないのであれば、本末転倒ではないか。
国際競争力だけではない。
大企業による中小企業の知財の収奪も行われがちである。

中小企業知財経営推進会が発足したのも、そうした理由からのものであろう。

経済産業省系統の人脈がかなり入り込んでいるように感じましたが、同様の
プロジェクトが中小企業庁系統の人脈においても推進されており、
将来的には、合流することになるのかもしれないな、と思いながら、
私が教えている国士舘の知財研はどう動いているのか、気になって
仕方がありませんでした。

いずれにせよ、科学技術立国を標榜する我が国において、知財経営は
将来に向けて、非常に重要な旗振り役を担う分野であり、今後の動向が
注目されるところですね。


明日は皆既日食。エリカ様も奄美入り。
2009.07.21

いよいよ明日、皆既日食です。
我が心の故郷、奄美大島でも観測できるため、観光客で大変なことに
なっているようです。
そういえば、あのエリカ様も奄美入りしました。
21日8時SANSPO.COM記事はこう報じた。

1月に結婚した女優、沢尻エリカ(23)とハイパーメディアクリエイター、
高城剛氏(44)が、22日の皆既日食を見物するため20日、東京から
鹿児島・奄美大島に移動した。
羽田空港では、沢尻は胸元を強調した服装に、白色の大きなつばの帽子姿。
終始無言だったが、手には一眼レフカメラを持つなど気合十分。
出発ゲートをくぐる際に笑顔で報道陣に手を振った。
2人は昨年8月、中央アジア・アルタイ共和国の山中で皆既日食を
眺めていた時、高城氏が沢尻にプロポーズしたエピソードで知られる。


エリカ様の騒動は私にとってはどうでもいいことですが、奄美大島が
メディアに触れる機会を増やしてくれるのであれば、何でも使いたい
というのが本音のところ。
奄美に帰ろうにも1日1往復の直行便では、やはり厳しい。
奄美の産業振興のためにも、東京に2往復、大阪に2往復は欲しいところ。
ただ、採算ベースには乗らないだろうから、仕方がないでしょうね。

私も急な用事で帰るのならば、翌朝の直行便が取れればいいですが、
朝になって急遽という場合では、6時半の1番機に間に合わないですね。
だから、鹿児島まで飛んで、鹿児島-奄美便にトランジットするか、
夕方の鹿児島発沖縄行のフェリーで明け方(夜明け前?)の名瀬港へ。

ゆったりのんびりの奄美大島の空気に浸っていると癒される気がしますね。
オススメは実は春先。
スギ花粉がないんですよね。
花粉症の方にはオススメです。

皆既日食を機に、奄美を気に入ってくれる方が増えることを期待しています。


土用ウシの日
2009.07.20

昨日は土用丑の日。
皆さん、ウナギに舌鼓を打たれたことと思います。
私は高校時代から20年以上、ウシの日にちなんで、吉野家に通っています。
昨日も牛丼に舌鼓を打ち、ウシ違いの一日を楽しんだわけです。

今年は梅雨明けと同時の暑さで、皆さん往生しているようで、それなりに
ウナギの売上も上がったようですが、中国からの輸入ウナギの販売も
復活したようですね。

食の安全より生活防衛が優先されるんですね。

ただ、中国産だからキケン、という考え方はおかしいですね。
日本から生産管理の専門家を派遣して、安全で美味しい食材を外国で生産
している業者も多いのですから、現地生産に丸投げであるならばともかく、
世界中、どこで作られていても、生産管理がしっかりしている業者が作った
商品であれば、安全なものだと思いますね。

中国との取引があるクライアントもいることから、中国とのやり取りには
注意しているつもりですが、日本人との文化の違いがあるために、特に
食の安全などの安全管理意識や遵法意識はかなり希薄なところがあるため、
その辺のチェックが欠かせないことは事実ですね。

しかし、ダメなものはダメと、しっかり主張すべきときに主張しなければ
なめられるのは、国際社会での常識ではないでしょうか。
我が国独特の仲間意識をベースとした島国根性は世界標準ではないことは
明らかである。
中国との取引は最初の段階で明確にしなければならないところをあいまいな
ままでスタートさせてしまえば、後で大変なことになるケースも多いようだ。

日本と同じレベルでの安全意識やお客様主義はないものと考え、しっかりと
したビジョンを示した上で、中国側から協力を引き出せれば、中国の人件費の
安さとその勤勉性に基づく優秀性を発揮してくれるはずです。

国際標準の商取引を意識しなければ、中国と言わず、あらゆる国で、正当な
取引が成立しなくなるはずです。
我が国経済の脆弱性は、国内市場の弱さにあるわけですから、国際標準を
意識した商取引がなされていくことを期待したいところだ。


「51歳の左遷」からすべては始まった
2009.07.19

今日は、サッカーファンならずともビジネス書として読んで頂きたい
本を紹介したいと思います。

「51歳の左遷」からすべては始まった ~大逆転のリーダーシップ論~
川淵三郎著 PHP新書2009年7月

早稲田大学在学中から日本代表として活躍し、古川電工(現ジェフ千葉)や
日本代表の監督を歴任、Jリーグの初代チェアマンとしてJリーグの成功を
支えた川淵氏の人生論は、読んでいて面白い。

日本代表監督を降りて以来、サッカーを離れて古川電工の管理職として
華々しい活躍をしていた川淵氏であるが、51歳のとき、当時の支店長から
子会社への出向を電話で告げられたことで、足を洗ったはずのサッカー人生に
舞い戻ることになったという。
子会社への出向も、取締役としての出向であったから、左遷という言葉が
しっくりくるわけではないが、本社への栄転を目指していた川淵氏にとっては
左遷以外の何者でもなく、相当のショックだったようだ。
しかし、川淵氏の場合は、左遷命令をきっかけに第2の人生をサッカーに
捧げて、成功したといえるようだ。

本書で特筆すべきは、川淵氏のリーダーとしての姿勢が垣間見える
「7 良き独裁者」(52ページ以下)、「8 理念を持つ」(58ページ以下)、
「9 嫌われ役でいい」(64ページ以下)の3節であろう。
目標達成のためには意思決定のスピードアップが重要で、助言を聞きつつ
トップダウンで意思決定を行っていけば、当然に万人に好かれることは無い。

また、理念を持つことの重要性を強く意識していたことが、Jリーグバブルが
弾けた後の横浜フリューゲルスの消滅時の対応にも現れていた。
川淵氏の心の支えとなった言葉に、「そんなに儲けた、儲けたとえらく
喜んでいるけど、その利益は、世の中のためになったのか?」という
富士通中興の祖と言われた岡田完二郎氏の言葉だという。(59ページ)

「理念を無視したら、本当のリーダーにはなれない」
その通りだと思う。
理念では飯を食えないが、理念が無ければ苦しいときにやっていけないのだ。

また、「JFA2005年宣言」で、「夢があるから強くなる」と宣言し、
2050年にW杯で優勝すると宣言したと言う。(188ページ以下)

夢を捨ててしまった大人が多い我が国ではなかなか受け入れられにくい
かもしれないが、夢がなければ成長は止まってしまう。
いつまでも夢追い人である私が言えた義理は無いかもしれないが、
ベンチャーというものはそういうものではないだろうか。
だからこそ、ベンチャーの人たちは、こんな閉塞感のある景気低迷の時期でも
エネルギッシュな活動ができるのではないだろうか。

大人よ、もう一度、夢を持とうではないか。
ばかげた夢かもしれないが、死ぬまで夢を見続けようではないか。

私の夢は山本守之先生。(言っちゃった・・・)
20年後、30年後にはああいう存在になっていたいと思う。
実務研究者としてスタートが遅かったが、夢は諦めたら潰える。
しかし、高いハードルだ・・・


ミスユニバース日本代表宮坂絵美里のトラベルNOW
2009.07.18

梅雨が明け、いよいよ夏本番。
皆さん、夏休みの予定は決まっていますか?
まだという方にオススメの旅行サイトを参考にしてみませんか?
アドレスは、
http://www.asahitravel.jp/now/ana/

asahi.comの旅行特集の記事から飛んでいくサイトで、同じ記事が毎日jp
からでもアクセスできます。

題して、2009ミス・ユニバース日本代表 宮坂絵美里のトラベルNOW

この「トラベルNOW」のコーナーは、2009年ミス・ユニバース日本代表の
宮坂さんが旅行会社を訪問して最新の旅行情報を紹介するコーナーなんですが、
今アップされているのは、その第1回、ANAのCAである天野さんとの
対談記事です。

天野さんは夏は沖縄を勧めています。

沖縄地方(私的には琉球と言いたいですね)独特のゆったりとした時間の流れ。
実にいいものです。

私自身も奄美をルーツに持つだけに、その独特の空気感は行かなければ体感
できない、かけがえの無いものだと思いますね。

ところで、奄美といえば、来週の皆既日食で大騒ぎです。
帰りたいけど帰れない・・・
その日だけの滞在では面白くもないですしね。
帰るなら、ゆっくり時間を取って帰りたいですね。

ところで、トラベルNOWを担当する宮坂さん。
来月にはミス・ユニバース世界大会です。
ぜひとも頂点を目指して欲しいものですね。
期待していますよ! 


アコード租税総合研究所の委員会活動、今後の予定
2009.07.17

昨日16日夜、財経詳報社の会議室にて、アコード租税総合研究所の
理事会(運営会議)がありましたので、出席してきました。

8月3日の設立シンポジウムの打ち合わせも兼ねておりましたが、
年2回発行する機関誌や今後の委員会活動の方針が決まりました。

設立初年度の平成21年期は、税理士会の認定研修を毎月1回開催し、
委員会は国税通則法検討委員会と所得課税検討委員会を各毎月1回開催
する予定です。

国税通則法検討委員会は酒井克彦所長(国士舘大学法学部教授、国税OB)
を、所得課税検討委員会は今村隆研究主幹(駿河台大学法科大学院教授、
法務省OB)をそれぞれの座長としてリードして頂くことになりました。
お二人を含む顧問(品川芳宣早稲田大学会計大学院教授、国税OB)、
研究主幹(玉國文敏中央大学法学部教授、吉村典久慶應義塾大学法学部教授、
経団連の阿部泰久氏)の全員と、秋山高善上席主任研究員(税理士)と私
の8名は各委員会に共通委員として参加し、研究顧問の各先生方の所属
委員会を暫定的に決めさせて頂きました。

国税通則法検討委員会は「加算税制度のあり方」についてまず検討し、
今後の課題として、立証責任の問題や納税者番号制度の問題にも取り組む
予定です。
所得課税検討委員会は「年末調整制度の再検討」についてまず検討し、
今後の課題として、信託課税の問題や事業体課税の問題にも取り組む予定です。

また、今後のセミナー開催の予定は以下のものが決まっています。

8月3日(月)18時~20時40分、東京税理士会館2F会議室
創立記念シンポジウム「納税者の保護と納税義務の履行の確保」
(東京税理士会認定研修)
基調講演:品川芳宣顧問「租税が抱える課題―租税は国家―」
講演:今村隆研究主幹「納税義務の履行に関する問題」
講演:吉村典久研究主幹「納税者の保護に関する問題」
パネルディスカッション:上記3名に加え、酒井克彦所長、玉國文敏研究主幹
資料代として、一般1000円、会員無料

9月14日(月)18時30分~20時30分、東京税理士会館2F会議室
「税務調査の法律問題―税務調査における具体的法律問題とその対処法―」
(東京税理士会認定研修申請中)酒井克彦所長
資料代として、一般1000円、会員無料

10月19日(月)18時30分~20時30分、東京税理士会館2F会議室
「重要租税判例解析講座(導入編)
―税理士が知っておくべき重要租税判例の解説及び分析―」
(東京税理士会認定研修申請中)酒井克彦所長
資料代として、一般1000円、会員無料

特に最後の重要租税判例解析講座(導入編)は、11月、12月に同内容の
セミナーを、東京以外の会場で開催する予定でおります。
これは、来春に予定している「重要判例解析講座」(全5回、参加費1回
につき一般30000円、会員15000円)の入門編として考えています。

判例が税法改正に与えた影響も大きく、判例や裁決の結果、通達が改正
されたり、取扱いが変わったりすることも多いのですが、我々税理士は
判例に射程距離があることをほとんど理解していないように思います。
判例の結果は、特殊事情を踏まえたその事例の結果に過ぎず、法律としての
機能を持たないのですが、何故判例がこのような判断をしたのか、という
判決理由は、他にも使える一般化可能な部分も多いのですね。
複雑な税法を解釈する上で、利用価値が高いものなんです。

にもかかわらず、勝った負けただけが議論されているように思います。
これからの税理士制度が税の計算屋としての役割ではなく、税法の解釈の
交通整理の役割が求められると私は思います。
税法の解釈が争われる現場こそ、税務調査であり、税務訴訟だと思うのです。

税法解釈の回答を、国税職員の書いた指南書に求めれば、税務当局よりの
回答が出てくることは必定です。
しかし、それが常に正しいとは限りません。
ロースクールで税法を学んだ弁護士から見れば、正しい税法解釈を考えない
税理士は、税理士賠償訴訟のカモにしか見えないでしょうね。

私が税理士登録した時の登録時研修で、鳥飼弁護士が、ちゃんとした仕事を
しないのであれば、私が訴えるという趣旨の話をしていたのを思い出します。

私が実務研究者として、判例研究をベースにした実務研究を続けているのも
原点は、責任あるプロフェッショナルの仕事を追及するためです。
大学院に進学したから見えた道ではありますが、専門家責任が果たせない
のであれば、国家資格を付与されたプロフェッショナルの意味がありません。

アコードの話があったときに、メンバーを見て場違いな気がしたけれども、
私が入ることで、実務家の声が当局よりの方々に届くのであれば、と
考えたのも事実です。

アコードが名前の通り、税務関係者の橋渡しになるよう、頑張ります。


地方消費税の増税を提言、全国知事会
2009.07.16

支持政党の表明問題等で揺れた全国知事会は、結局各党のマニュフェストを
知事会独自の基準によって採点することを採択して閉幕した。
今回の提言では、2年連続ではあるが、地方消費税の引き上げが提言された
ことに注目したい。
15日11時18分asahi.com記事はこう報じた。

全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)は15日、三重県伊勢市で開いた
総会で消費税の増税を提言した。
自治体が財政危機から脱出するためには「現在5%の消費税のうち1%に
相当する地方消費税の引き上げが不可欠だ」と指摘。
消費税の増税は前年の全国知事会議でも提言している。
知事会の分析では、12年度に地方の財源不足は最大13.1兆円に達し、
財源不足に充てるための基金がなくなり、財政破綻に追い込まれる。
13.1兆円は消費税に換算すれば5.2%分に相当するという。
「国民の理解を得られない」(橋下徹・大阪府知事)などの異論もあったが、
「財政危機から脱して行政サービスを安定的に提供するためには消費税・
地方消費税の引き上げを含む税制の抜本改革が必要なことを国民に訴えていく」
と決めた。


全国知事会は地方財政の破綻への対応策として、地方消費税の増税を
要求している。
景気に左右されない安定財源として、消費税は魅力的であるだけではなく、
消費税は地域的な偏在性も少ないことから、地方財源として確保できれば、
地方交付税による地域的偏在性の調整もなくなるからだ。

現在の消費税法は、5%(正確には105分の5)のうち、4%が国の取り分で、
1%が各地方の取り分ということになっている。
地方税職員からすれば、地方独自に調査する必要がない、国税にただ乗り
している地方消費税の増税は、事務量も増えないため、実に望ましいものだ。
しかし、国からすれば、各税務署の負担のみが増えるため、地方消費税だけが
増税されるのであれば、実に割に合わない改正となる。

そこで、私は国税としての消費税と地方税としての地方消費税を1体のもの
として捉える現行法を改め、消費税法に2つの別の税目を乗せる形式に
切り替えることを提言したい。
現行相続税法が相続税と贈与税を規定するように、消費税法を改め、
国税としての消費税は税務署に、地方税としての地方消費税は各地方に
申告をし、各々の責任で徴収することにするべきだと考えるところです。

地方税職員の税に対する見識の低さは目に余る限りで、税務のプロとしての
職業意識さえ持ち合わせない職員もいるようである。
私が現在最高裁で争っている軽油引取税事件の税務担当職員のI氏も
そのような職員の1人であったようだ。
いくらなんでも税額にして3億円を超える確信犯的不納付(原告は自己に
納税義務がない旨を主張し、私もその主張を支持・支援している)を
脱税犯として告発できないこと(地裁でI氏は「告発要件に至りません
でした」と証言している)は、あきれ果てる限りである。
私が原告を支援するのは、父の友人であるクライアントだからだけではなく、
3億円もの確信犯的不納付犯を脱税犯として告発できないことが、原告が
そもそも納税義務者ではないことの裏返しの証拠であると確信するからだ。

こういう職員ばかりでは、地方税行政はどんどん悪くなるばかりだ。
これでは、どれだけ行財政改革を行ったところで、良くなるはずがない。
だからこそ、自分たちの改善を自己責任で行えるよう、小泉改革で行った
三位一体の改革の趣旨に立ち戻って、地方財源の地方独自化を推進する
べきだと考えるのだが、いかがなものだろうか。

それとも、地方税改革に期待することは端から諦めて、地方税は国税の
お零れで良いとする考え方のままでいいのだろうか。
全国知事会が地方消費税の増税を安易に求めているように感じられるだけに、
消費税の全面的地方税化を要求するくらいの気概が欲しいところです。
実際に、消費税を現行の水準のまま地方税化すれば、財源不足は13.1兆円
ではなく、3兆円規模まで減額できることになるではないか。
地方消費税を1%ではなく、5%にすればいいだけですよね。
この提言を国が呑むとは思えませんが、それくらいの思い切った提言は
できないものだろうか。

それとも、知事自身が、自分の県の職員には、独自徴収は不可能とでも
考えているのだろうか。
だから、国が所管する税金のお零れの増額を要求するのだろうか。
もしそうであれば、残念なことであり、そんな首長を選んでしまった
自らの責任も感じずにはいられないですね。


国会空転の功罪。重要法案の審議が必要ではないのか?
2009.07.15

先週末の都議選における歴史的大勝を受け、民主党は政府与党との
対決姿勢を強めているが、合意間近にあった重要法案を含めて17法案が
廃案となる公算が高いことで、読売新聞が注目すべき指摘をしている。
15日1時18分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

野党4党が衆院に提出した内閣不信任決議案は否決されたものの、
麻生首相問責決議案は参院で可決された。
野党は、自らが問責した首相の下では国会審議に応じられないとして、
衆参両院で全面的な審議拒否に入った。
このままの状況が続けば、21日にも予定される衆院解散で、
北朝鮮貨物検査特別措置法案など政府提出の17法案は廃案になる。
児童ポルノ禁止法改正案のように、与党と民主党が法案修正で
合意目前だった議員立法も同様だ。
民主党は、貨物検査法案をこのまま廃案にしてよいと思っているのだろうか。
法案が成立しないと、北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査や禁輸品の
押収を、海上保安庁や税関が実施できない状態が続くことになる。
これらの措置は、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議に基づくものだ。
民主党の鳩山代表は記者会見で、法案の早期成立を是認する意向を示していた。
民主党が掲げる国連中心主義にも合致する。法案に賛成するのが筋だろう。
民主党内には、法案が海上自衛隊の派遣も可能にしているため、
旧社会党系議員を中心に、消極的な意見がある。
法案への賛成は、衆院選を前にして、社民党との選挙協力に悪影響が出る
ことを懸念したとの見方もある。
国内法の不備を放置するツケが近い将来、民主党に回ってこないとも限らない。
衆院選から数週間後の9月後半にニューヨークで国連総会、ピッツバーグで
世界20か国・地域(G20)金融サミットが開かれる。
日本の首相も出席し、その場でオバマ大統領との日米首脳会談や
胡錦濤国家主席との日中首脳会談が行われる可能性も高い。
中国はじめ各国の首脳に対し、制裁決議の厳格な履行を促し、北朝鮮に
核廃棄を迫る国際包囲網の強化を訴える絶好の機会だ。
衆院選で民主党が勝利し、政権交代が実現すれば、「鳩山首相」の
外交デビューとなる。
その時、貨物検査法案が成立していなければ、「鳩山首相」の訴えは、
まったく迫力を欠くものとなろう。民主党はそれでもよいのか。
審議拒否の理由について、与党は、鳩山代表の個人献金偽装問題を
国会で追及されたくないからだと批判している。
与党の批判の当否はともかく、民主党はやはり、北朝鮮貨物検査法案の
今国会での成立に協力すべきであろう。


まったく同感である。
政局を考えれば与党への協力を拒否して対決姿勢を全面に出すという
今回の戦略も考えられなくはないが、これは野党でい続けることを前提とした
下策に過ぎない。
本気で政権担当能力を国民だけではなく、世界にもアピールしたいのであれば、
国連決議に基づく北朝鮮貨物検査特別措置法の改正案だけでも審議しておく
べきではないのか。
読売が指摘するように、9月には新政権の外交デビューとなろう国連総会、
G20が控えているのだから、国連中心主義を唱える鳩山民主党の外交戦略が
机上の空論ではないことを世界に大きくアピールする場になることは
確実であるにもかかわらず、国連決議に基づく法案を廃案に持ち込んだ
となれば、国際的な信用は得られまい。
鳩山民主党にとっても今は政局ではなく政策ではないのか。
麻生内閣の延命のために言うのではない。
国益を損なうことを恐れるのだ。

私は麻生政権に期待感を持ち、ここまで支持してきたことは事実である。
しかし、現状の政権は末期症状をきたし、政権を失う可能性がかなりの
確率であると思われる。
政策的に支持できることの多かった政権でしたが、国民への丁寧な説明が
足りなかったと言うべきでしょう。
麻生政権は、「国家百年の計」を考えていた。
だからこそ、景気回復を待っての消費税増税を明言し、将来の社会保障財源の
確保を優先したのでしょう。
この姿には20年前の消費税導入時とダブるところも多い。
当時は、「国家百年の計」に殉じて落選した大物もかなりいらっしゃったと
記憶しておりますが、今度はどうなりますかね。

まさかとは思いますが、麻生おろしによって登場する新総裁が、「消費税凍結」
などという暴挙にでないとは限りません。
選挙を考えれば十分にあり得る話です。
しかし、そうなれば小泉さんの消費税凍結と同じだ。
小泉さんは消費税増税で得られる財源を、経済振興によって法人税収を増やす
方向で打開しようとしていたことはわかっていますが、世界経済の現状では
この手は取れまい。
徹底した行財政改革によるのであれば、鳩山民主党を財源問題で批判
してきたことが嘘になろう。

将来の我が国の行く末を考える上で、今後の政治の動きには目を離せない。


脳死は人の死。改正臓器移植法はA案で成立
2009.07.13

脳死を人の死とする改正臓器移植法が成立した。
曲折が予想されたが、衆院で可決されたA案がそのまま参院でも可決、
脳死を人の死とすることが原則となった。
13日13時9分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

脳死を「人の死」とすることを前提に臓器提供の年齢制限を撤廃する
改正臓器移植法(A案)が13日午後、参院本会議で賛成多数で可決、
成立した。
1997年に成立した現行法下では禁じられている15歳未満からの臓器提供に
道が開かれることとなった。
改正法は公布から1年後に施行される。
採決は押しボタン方式で行われ、A案の投票結果は、賛成138、反対82だった。
共産党を除く各党は党議拘束をかけず、各議員が個人の判断で投票した。
改正法は「脳死は人の死」とする考えが「おおむね社会的に受容されている」
との認識に立ち、臓器を提供する場合に限って脳死を人の死としている
現行法の考え方を大きく変更するものだ。
現行では意思表示カードなど生前に本人が書面で同意していることを
臓器提供の条件としているが、改正法は、本人の意思が明確でない場合は、
家族の承諾により臓器提供ができる。
また、現行制度は意思表示が可能な年齢を15歳以上としているが、改正法は
意思表示を臓器提供の絶対的な条件に設定していないため、15歳未満でも
家族の同意で臓器提供ができるようになる。
現行法が成立した97年以降、国内での脳死臓器移植は81例だが、
日本移植学会や患者団体などは、書面による本人の意思表示を求める
臓器提供条件と、年齢制限によって、脳死臓器移植の機会が大きく
狭められているとして法改正を求めていた。
臓器提供条件の緩和のほか、書面により親族への臓器の優先提供の意思を
表示することができる規定も盛り込んだ。
この日の参院本会議では改正法に先だって、改正法の骨格を維持しながら、
脳死を現行法通り臓器移植時に限り「人の死」とする修正案が採決
されたが、反対多数で否決された。
またA案の対案として参院野党有志が提出した「子ども脳死臨調設置法案」は、
先に採決された改正法が過半数の支持を得たため、採決されずに廃案となった。


臓器移植法の改正により乳幼児においても臓器提供が可能になるため、
現在では締め出されつつある外国での臓器移植以外に助けることができない
幼い命を救済できる可能性が高まったことは評価できよう。

ただ、脳死を人の死とするということに国民的なコンセンサスが得られている
とは考えがたく、国民に対してどのように啓蒙していくのか、本法案の
意義を国民的に浸透させていくことが絶対的に必要であろう。

そこで、私は、ドナーカードをあらゆる公共機関に無償で提供することを
提案したい。
特に、運転免許証の交付やパスポートの交付時には、必ずドナーカードを
書いてもらうようにしたらどうかと考える。

不意の事故により失われつつある命に対して親族が臓器提供の意思を
問われても混乱している状況で、冷静な判断が下せるとは思えない。
だから、事故にあう前の冷静な状態で、ドナーカードを書いて頂き、
運転免許証とともに常に携帯して頂けばいいのでは、と思うんです。

悲しみにくれる家族に過度な精神的プレッシャーを与えないためにも、
是非ドナーカードの携行を実践して頂きたいものですね。


献金記録を削除した方の寄付金控除は不正還付だ
2009.07.12

鳩山民主党代表の政治団体に故人が献金していた疑惑を受け、鳩山氏側が
実際には献金はなかったとして、献金記録を削除した問題で、記録が削除
された53名について、寄付金控除による税金の不正還付の疑いが浮上した。
10日0時50分asahi.com記事はこう報じた。

民主党の鳩山由紀夫代表の虚偽献金問題で、鳩山氏側に献金をしたとして、
所得税の控除を受けるための書類交付手続きが行われていた69人の実名が
9日、明らかになった。
この中には、鳩山氏が「献金の事実はなかった」として献金記録を削除した
53人が含まれる。
献金実態がないのに税の控除を受けていた場合は不正還付の疑いがある。
自民党の菅義偉選挙対策副委員長が衆院倫理選挙特別委員会の質問に先立ち
情報開示を要求、総務省が明らかにした。
69人については、05~07年の3年間に4661万円を献金したとして、
鳩山氏の資金管理団体によって書類交付手続きがとられていた。
このうち53人、1186万円分は、献金がなかったとして修正により記載が
消えた人たちだった。
交付された書類をもとに、何人の人が実際に所得税控除の手続きをしたのか
は明らかになっていない。
国税庁は国会答弁の中で「一般論」としつつ「課税上問題があれば、
法令等に照らして適正に取り扱うことになる」と述べた。
不正還付の可能性について鳩山氏は9日、「脱税などということは基本的に
あり得ないと確信している」と記者団に語った。


鳩山氏の脱税はあり得ないとのコメントは彼が税オンチであることを
自白しているとしか思えない、馬鹿げたコメントであった。
税の不正還付は違法行為であり、脱税犯と同視すべき重大問題であるにも
かかわらず、献金の事実がないにもかかわらず、寄付金控除の書類交付を
行っていたのであれば、脱税の共犯とされても仕方あるまい。
それとも、財源問題でさえかなり突っ込まれた上に、税の徴収の現場の
困難性を知らずに、安易に考えているとでも言うのだろうか。
政治団体から寄付金控除の書類が交付されていれば、税務署としては、
寄付金控除の適用が認められてしかるべきであるが、国税庁に鳩山氏の
資金管理団体を税務調査して頂きたいものである。
本当に調査されたら国策調査と主張するのであろうが、自業自得ではないか。
徴収の現場に迷惑をかけ、少なくとも53名の寄付金控除については、
早急に更正処分が課されなければならない状況を自ら作り出したのは、
かく言う鳩山氏自身ではないのか。
この点も踏まえたら、秘書が勝手にやりましたではなく、もし本当に
勝手にやったというのであれば、刑事告発すべきではないのか。
脱税教唆犯を身内においたままで首相になるとでも言うのですか。
国民をなめるのもいい加減にして頂きたい。
首相在任中に秘書が逮捕され、世界的な政治スキャンダルになる姿だけは
見たくないものである。


法政大学の日税連寄付講座で税務調査を話してきました
2009.07.11

昨日10日11時10分より90分間、法政大学における日税連寄附講座
「日本の税金入門」で講義をしてきました。
全部で13回の講義は初回を池田日税連会長、2回目山川東京税理士会会長
(前法政会計人会東京支部長)を皮切りに法政会計人会のメンバーを
中心に13人による回り持ち講義を行ってきましたが、来週の太宰会長
の講義で千秋楽を迎えます。

私は「税務調査と不服申立て」をテーマに話をしましたが、意図的に
80%を税務調査の話にしました。
学問上は質問検査権と呼ばれる税務調査の問題は、数々の問題が残されて
いるけれども、実務的には、最終手段である税務訴訟においても証拠能力を
示すことが可能な資料を、当初申告の時点から税理士が収集に努め、
税務調査において正当な主張をしている場合には、問題は起こらないはずです。

ただ、クライアントが税理士にも見せていなかった書類が税務調査の時に
出てくることも多いのも事実でしょう。
我々税理士には、クライアントが任意に資料を提出しない場合に、それを
調査する権限を与えられていないため、クライアントの話をある程度信用
できないのであれば、そもそも税務申告自体できない状況なんですね。
だからこそ、税理士に隠し事をされると、適切な節税指導はできないんですね。
税務調査においては、黙秘権が認められないどころか、令状なしによる
現況調査権さえ許されるのから(いわゆる荒川民商事件、川崎民商事件で
確立されている)、税務署に隠し事をすること自体が非常に困難なんですね。

また、講義でも手の内を少し話しましたが、税務調査官という方々は、
観察力が非常に高いですね。
家の造作や室内の佇まいから、資産状況を推察し、取引先のヒントを
しっかり抑えていきますね。
この点は、はじめて紹介されるクライアントになって頂けるかもしれない
方のご自宅や会社を訪問する際に、私もできる限りの情報を取り入れさせて
頂いております。
実際に、見せて頂けていない銀行の通帳の存在を推察して、出して頂いた
こともあります。
私レベルで判るのですから、ベテラン調査官が気付かないはずがないんですね。

「無税入門」などという不届きな本のお陰で、脱税志向(本人は節税志向だと
考えているようですが)の方が増えているような気もします。

しかし、脱税は国の根幹を揺るがす重大な犯罪です。
許すわけにはいきません。

いまこそ、我々税理士は、かつての飯塚事件の教訓を思い出し、
払うべき税金を払って頂けるよう、納税者教育を充実させていくべきでしょう。
払うべきではない税金を払う必要はありませんが、払うべき税金を逃れる
ことは、許されるべきではない。
正直者がバカを見ない社会を目指すべきではないでしょうかね。


債務超過の子会社への支援が否認された理由
2009.07.10

親会社が債務超過に陥っていた子会社の支援のために出資したところ、
子会社の債務超過の原因が粉飾にあったとして2年間で10億円もの
過少申告となると指摘された事件が明らかになった。
9日13時41分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

産業用機械大手「日本製鋼所」(東京都品川区)が、東京国税局から、
2008年3月期までの2年間に約6億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。
ごみ処理施設を保守管理する関連会社への出資金について損金処理を
認められなかったという。
申告漏れ額は約10億円に上り、追徴税額(更正処分)は重加算税を含め
約2億5000万円に上るという。
同社などによると、日本製鋼所は01年、北海道室蘭市と周辺市町で作る
「西いぶり広域連合」から、西胆振地域廃棄物広域処理施設
(メルトタワー21)の建設を受注。
00年、 運転・保守管理のため、大手造船会社とともに出資して「西胆振環境」
という特別目的会社(SPC)を設立した。
メルトタワー21は03年に稼働。
日本製鋼所は07年にSPCが債務超過に陥ったことから、3億6000万円を資金援助。
しかし、地元税務署の調査で、SPCが設備の補修部品約2500万円分を
保管しながら、帳簿上は廃棄したと処理しており、債務超過に陥って
いなかったことが判明した。
日本製鋼所は「債務超過に陥っていなかったことは全く知らなかった。
ごみ処理施設が滞らないように、支援は必要だと考えた。
国税局の指摘に従って修正申告に応じた」と話している。


グループ法人をもっている法人を関与している税理士には怖い話だ。
グループ法人も関与先であるのならば問題ないのだが、グループ法人は
他の税理士が関与しているという場合には、お互いの守秘義務の関係が
あるため、子会社が親会社に黙って処理をして、子会社の決算書類を
正しいものとして親会社の税務処理をするしか方法がないからだ。

公認会計士監査の場合には、関係会社間取引の適正性を監査する権限が
あるため、グループ法人の経理内容についても一定のチェックが可能
であるが、税理士には子会社から委任を受けていない限り、チェック
する権限が与えられていないため、(これは公認会計士であっても税理士
業務に関しては同様ですが・・・)関係会社間取引が適切なものであったのか
親会社がもつ資料からでしかチェックができないんですね。

一方、税務署は組織的に全ての取引をチェックすることが理論的には
可能なんですね。
少なくとも、適正性に疑いがあると認められた取引については、反面調査
を行うことによって、取引先からもチェックができるからだ。

しかし、税理士にはそのような権限は与えられていない。
クライアントが騙されているかどうかを確認する術がないのだ。

だからこそ、税理士業界全体のプロフェッショナルとしての矜持と実力を
高めていく必要があるといえるのでしょうね。


市民税減税先送りに対して市民が過剰反応!?
2009.07.09

政治が活発になり、様々な意見が出てくることは非常に歓迎すべきこと
ですが、建設的な批判でさえ過剰反応が起きる残念な事態が起きている。
8日9時25分asahi.com記事はこう報じた。

名古屋市の河村たかし市長肝いりの市民税減税基本条例を、市議会6月
定例会で成立させることを見送った市議会各会派に、非難の電話や
メールなどが相次いでいたことがわかった。
匿名で脅しまがいの苦情もあり、「圧力」と感じた市議もいる。
河村市長への高い期待が過剰反応し、「市長批判は許さない」という
問答無用のクレームを生んでいるようだ。
7日朝、自民党市議団幹部の自宅に選挙区内の男性から「減税に反対する
とは何事か」と電話がかかってきた。
前日の財政福祉委員会で決めた「減税条例案見送り」が新聞各紙で
報じられたばかりだった。
市長選で河村市長の対立候補を支援した「野党」の自民には、6月の
議会開会以前から、抗議が相次いでおり、同月29日には一般質問で
桜井治幸団長が「ここに立つことについても逡巡したが、手紙や電話や
メールで抗議を受けているのはどう思うか」と河村市長に異例の質問をした。
自民と協力態勢をとる公明には、市長の公約でもある「外郭団体改革」を
進める質問に激励が寄せられた一方、市長給与を800万円に減額する条例案
への質問で「ゼロにしてみては」と発言したところ、「何でそんなに市長を
いじめるんだ」と市議の事務所に3件、控室に1件、党本部のHPに数件の
苦情の書き込みがあった。
同市議団幹部は「松原武久前市長時代にはこんなに苦情が寄せられたことは
ない」と話す。
市長選で推薦した「与党」の立場でありながら見送りを決めた民主にも、
抗議が寄せられている。
中堅市議は「脅しの電話は何度もあり、露骨に『月夜の晩ばかりでない
からな』と言われたこともある」という。
別の民主市議団幹部には、市民税減税条例案の委員会審議で別の幹部が
テレビインタビューに応じた後、「なぜ河村さんのやることに反対するのか。
2年後(の選挙)は危ないぞ」と電子メールが届いた。
「反対しているわけではないのに、政策についてちょっとでも意見をつけた
だけで、『反市長』ととられてしまい、すぐ電話がかかってくる」とこぼす。
5月末の市議会臨時会でも、市職員の給与を減額する議案について慎重意見を
述べた共産市議の自宅の留守番電話には、女性の声で「中小企業の人が
どんな思いで税金を払っているのか考えたことがあるのか。いい加減に
しなさい。あんたなんか落選だ」と、2度にわたって吹き込まれていた。
4月の市長選では、81年の市長選以来続いていた国政の与野党第1党の
相乗りが崩れ、32年ぶりの対決選挙となった。
市議からは「これまでは市長の方針を追認するだけの議会だった。是々非々
になって議論が活発になったのは良い」(自民市議)と評価の声も上がる。
一方で、「言論の自由を侵害するような動きがあるのは問題。連絡先が
分かれば説明する。一方的に切ってしまう人もいるのは残念」(民主市議)
と訴える。


河村氏に対する市民の圧倒的な期待感であろうが、市民税減税が先送りに
されたことには、キチンとした理由があるのにもかかわらず、このような
過剰反応が起きることはいかがなものか。
普段は政治に関心を示さず、投票行動も起こさない方が多いだけに、
非常に残念でならない。

政治家が国民を無視するような政治をできてきた理由はどこにあるのか。
国民が何も関心も示さず、投票率が上がらないから、組織票を維持すること、
つまり、利権団体の既得権益を守ることが当選への近道になっていたから
ではないのか。
利権を守りたい方は、利権を守ってくれる政治家に当選してもらわなければ
まずいですから、当然に投票しに行くわけですよね。
投票にも行かないで批判だけする卑怯者は、黙って高い税金を払い続けて
頂ければいいわけで、嫌なら自分の味方にならない政治家を落選させるべき
ではないんですか。

私は誰もいないなら白票を投じなさいと学生に10年来言い続けています。
白票・無効票が当選者よりも多くなれば、当選者が信認されたといえる
とは思えないんですけどね。
何よりも政治家の皆さんの意識が大きく変わるんじゃないんですかね。

言論の自由を言葉の暴力によって威嚇すること自体、許しがたいが、
もし実力行使を伴うものであれば、それは犯罪でしかない。
我が国の法治国家としての存在意義を失いかねない事態だ。
どんな理由があろうとも、許されることではない。


名古屋市市民税減税条例案は継続審議に
2009.07.08

市民税の10%減税を公約に当選した河村名古屋市長であるが、早速
公約の実現ができなかったようである。
ただ、継続審議されるとのことですから、来年度からではなく、再来年度
から実現される可能性がまだ残されている。
いずれにせよ、当選から僅かな日数での減税実現は難しかったようだ。
7月6日15時4分asahi.com記事はこう報じた。

名古屋市議会は6日、財政福祉委員会を開き、河村たかし市長肝いりの
市民税減税基本条例について、「財源が明示されておらず、十分な議論が
できない」などとして今議会での成立を見送り、継続審議にすることを決めた。
7日の本会議で議決される。
基本条例は「市民税10%分を来年度から減税する」などと目標のみを
盛り込んだ条例案。
財源を明示する最終条例案の策定が間に合わないことから、減税を選挙公約で
掲げた河村市長が「市民への約束」として成立を目指した。
最終条例案は11月の市議会定例会をめどに提案する見込みで、民主党市議団
の吉田伸五団長は「基本条例では、誰を対象にどういう形で減税するのか
はっきりしない。
11月議会で成立を目指すなら継続して、じっくり審議した方が良い」と
継続審議の理由を説明した。


さすがの河村氏も就任から僅かな期間では、減税実現のために削減すべき
具体案を示せなかったようだ。
しかし、河村氏の減税構想と鳩山民主党の財政政策とは、財源の不透明性と
いう点では共通点が多い。
役人は責任を負わされることを極端に嫌がるのだから、政治主導で具体的に
減税効果の対案として財源が足りなくなったときに、どう対処するのか、
明確に示して、政治が責任を負える体制をとることも必要ではないだろうか。
そうしなければ、役人が改革の協力者ではなく、抵抗勢力になってしまい、
それこそ国益を損ねかねない。

財源問題が明確にならなかった以上、河村氏が継続審議としたことは
英断といえよう。
失政とも言われかねない中、強引に減税を推し進め、名古屋市財政を破綻
させてしまえば、そのツケを支払わされるのは市民である。
早急に根拠の見える財源を確保し、減税が具体的に可能であることを
明確に示して頂きたいものである。


過去の脱税を不問!? インドネシア経済成長の原動力に
2009.07.07

過去の脱税を不問とすることで財政を立て直し、税務の透明性を高めた
国があるという記事がニューズウィーク誌に掲載された。
(gooニュース6日16時30分記事)
インドネシアのムルヤニ財務相の功績だというが、税収が年間50%も
増える公算だと言う。

インドネシアでは、スハルト独裁政権が32年間もの長きに渡り継続した
悪影響からか、縁故資本主義がはびこっていたが、ムルヤニ氏は
ユドヨノ政権に参画した4年前から、こうした金融構造の解体を推し進め、
金融秩序を取り戻しただけではなく、財政赤字の元凶であった補助金の削減を
断行し、税関と税務当局の改革を行うなどにより、経済成長を実現したという。

ムルヤニ氏の財務相就任当時の幹部官僚に対する薫陶での発言は注目に値する。
「安い給料なのに息子や娘を留学させられるのはなぜ。そのお金はどこから
出たの。皆が罪を犯してきたことを認めよう。」

なるほどその通りだ。
腐敗がはびこってしまった社会では、過去に悪いと思わずに、周りが
やっているからついやってしまった、という類の罪は嫌というほどある。
それを全て洗い出して責任を追及していれば、将来に向けた建設的な議論は
生まれないだろう。
責任を取らされることを恐れて皆が貝になり、何もしない事なかれ主義が
蔓延してしまうからだ。
だからこそ、犯罪であるはずの過去の脱税に対しては目をつぶるけれども、
これからのことについては適正にできるようにすることを選んだんでしょうね。

この記事を読んで、鳩山民主党の財源問題に非常に近いものを感じている。

鳩山民主党も、徹底した行政改革により無駄な歳出を削減することが、
増税なしの積極財政策の財源になると主張するからだ。

今の官僚機構のビジネスモデルは、高度成長期の我が国の経済成長を支えた
要因の大きなものとして考えられるものであるが、民間企業が年功序列から
実力主義への移行を進めているのと同様、低成長社会のビジネスモデル
としては、不適切なものである。
実力を発揮し、責任あるポストを与えようにも、官僚組織を拡大できる財源が
存在しない低成長経済では、ポストにあぶれた先輩たちに頭を抑えられて
しまうため、活躍の場を与えようがないのだ。

インドネシアの成功が我が国の改革のヒントになるかもしれないですね。


法政大学での日税連寄附講座
2009.07.06

今週末7月10日に、母校法政大学で日税連寄附講座の講師として教壇に
立たせて頂くことになりました。
テーマは「税務調査と不服申立て」。

確かに税務調査を私の特長と位置付けて営業しておりますので、得意分野と
言えるのでしょうが、国税OBも講師陣にいる中で私が担当するので、
本当にいいのだろうか?
ただ、税務訴訟については、経験者が皆無であることを考えれば、実際に
補佐人として逆転判決を得ましたので(東京高裁平成20年7月10日判決)、
私でもいいのかなとは思いますが。

先週の講義は発知先生による相続税の講義でしたが、教壇に立つ前の参考に
講義に出席してきました。
学生の感想として「難しすぎる」という意見が多いとお聞きしていたので、
学生の反応を見ながら講義に参加して大分参考になりました。

細かい話になると途端に学生の反応が鈍くなっていたので、実務感覚の無い
学生には、具体的な計算にはあまり興味が無いのだなと感じました。

私のテーマでは、具体的な計算は存在しませんので、その辺は安心ですが、
初学者でも興味が持てるように話すのは難しいなあと改めて感じています。

私は、自分の経験として実際に調査の場で起こった話を守秘義務に抵触
しない程度に一般化して実例を話すつもりです。
ただ、エキサイトしないように意識しないとまずいですね。

テーマがテーマだけに、国税批判が止まらなくなる危険性もあるので・・・

不服申立や税務訴訟は手続ですから、何をどの順番でやらなければならないかを
判って頂けたら十分かなと思います。
結構税理士でも手続法をやっていない方が多いので、みすみす勝てる事件を
落としている場合も多いのではないかと思うからです。

いずれにしても、これからの税理士業の一面を支える分野だと思います。

これを機に、法政の後輩たちにも何らかの貢献ができたらいいと思いますし、
何よりも、健全な納税者として社会に巣立ってもらいたいものですね。


長期優良住宅等の税額控除(税務弘報8月号)
2009.07.05

税務弘報8月号が届きました。
特集2「住宅・土地税制の活用Q&A」で、「長期優良住宅等の税額控除」
を執筆させて頂きました。

届いてみてメンバーにビックリ。
柴原先生と飯塚先生に挟まれて私。
私で良かったんでしょうかね。

今回の原稿については、ひたすら国土交通省HPを検索し、通達、告示等を
確認する作業が必要でした。
国税庁の通達等については毎日のように見ていますが、他官庁のものを
よくよく読むという作業はなかなかしないですよね。
しかし、「長期優良住宅等の税額控除」を適用するためには、長期優良住宅等
の認定を受けなければなりませんので、建築申請の段階から長期優良住宅等に
該当するかどうかを確認する必要があるんですね。
その部分を所管するのが国土交通省であり、各都道府県であるわけだから、
我々がよく見る税務通達とは異質のものを見る必要があったわけです。

我々が「長期優良住宅等の税額控除」の適用を推進するためには、
クライアントである工務店等のご協力が得られないと非常に難しい
でしょうね。
工務店や建築士が、長期優良住宅等に該当する建物の建築計画を立て、
建築許可を得るときに、長期優良住宅等の認定を受けて頂かなければ、
税額控除の適用を受けることはできないのですから。

そういう意味では、本来的には我々の仕事の範疇から外れたところに
あったはずのものが、税額控除という優遇措置があるために、我々の
ところにきてしまったもの、と言えるのかもしれません。

しかし、クライアントの利益を守ることは我々の役割であるわけですから、
知らないでは済まされません。
即答できないまでも調べて答えられる程度に、改正や新制度をチェックして
クライアントからの質問に対応できるようにしなければなりませんね。
それがプロフェッショナルというものでしょう。

納税者の権利を擁護するためにも、理論武装を欠かすわけにはいきませんよ。


有姿除却による不正経理で重加算税
2009.07.04

実際には廃棄していない在庫を廃棄したものとして除却損を計上し、
所得を圧縮したとして、東芝が追徴課税を受けたという。
2日15時1分asahi.com記事はこう報じた。

電機大手の東芝と子会社が東京・関東信越の両国税局の税務調査を受け、
約11億円の所得隠しを指摘されたことが分かった。
重加算税を含む追徴税額は約4億5千万円。
医療機器などの在庫を隠して損失を過大に計上、所得を圧縮したなどと
指摘された模様だ。
東芝は「当局の指摘に従い適切に対処します」などとコメントしている。
東芝の説明などによると、所得隠しの対象となったのは、医療機器製造・
東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)が製造したCT装置や
X線装置などの医療機器や関連部品の在庫処理。
同社は、余剰部品などの在庫はその都度、廃棄していた。
しかし、一部は通常使っていない東芝関連会社の倉庫に保管したまま、
帳簿上は廃棄したと偽り、決算期末に「棚卸し資産」として計上して
いなかったという。
在庫を廃棄すれば損失が計上されることになるため、同社は08年3月期
だけで約11億円分の所得を圧縮したことになり、重加算税の対象と
指摘されたという。
東芝は「担当部門は将来的に部品が足りなくなることを恐れ、廃棄の
タイミングを逸して保管したままだった」などと説明している。
一方、同社社員は「医療機器は高価なのにもかかわらず、緊急性を要する
という理由から、在庫を多めに用意する必要がある。
販売されるまでずっと保管せざるを得ないこともあり、負担が大きい」
などと背景事情を語る。


子会社による不正経理が連結納税を選択しているためにグループ全体の
申告に影響を与えた事件である。
余剰在庫をその都度廃棄扱いとして会計処理をしていたという不正経理
であるが、残念なのは、税務調査によって発覚したということである。
東芝のような上場企業は公認会計士監査を受けているわけで、公認会計士が
適正意見を表明した決算書に不正が見つかったということは、公認会計士
監査の信頼性を揺らがしかねない。
子会社の監査が甘かったということであろうが、連結主体の財務報告の時代に
子会社だからというのは甘えでしかないだろう。

子会社の社員のコメントから考えても、子会社倉庫への立会実査を行えば、
高価な在庫が大量に残っていることを確認できていたと容易に予想できる。

廃棄ではないけれども、経費にしたいというのであれば、陳腐化や
品質劣化のケースであれば、不可能ではない。
しかし、それは商品価値がなくなっていることを意味するわけで、
利益を隠すための不正経理であるとされるのは当然のコトであろう。

それとも、在庫を大量に抱えて、期末棚卸高が大きくなることを恐れた
のであろうか。
なんのために?

親会社から意図的に指示されたとは思えず、子会社が親にいい顔をしたくて
親に隠していたのであれば、公認会計士監査で指摘できなかったことは
プロフェッショナルの仕事をしていたと言えるのだろうか?

結果として、重加算税という高い授業料を支払わされたことになろう。
実に残念な事件である。


固定資産税30年間過大徴収に国家賠償
2009.07.03

固定資産税を30年間に渡って過大徴収していた問題について、時効が
成立している期間を除き、国家賠償請求が認められるという判断が、
名古屋高裁平成21年4月23日判決(TAINSコードZ999-8225)において
下された。

本件は、マイナス30度の冷凍倉庫を一般倉庫として課税されていたことに
対して、地方税法が求める固定資産税評価審査委員会への審査請求等を
経ずに提起された国家賠償請求訴訟であり、手続き的に問題があるところ、
原告納税者の主張が受け入れられ、時効が成立していない部分について
請求が容認された画期的な判決であり、その動向が注目されるところである。

判決の趣旨は以下の通り。
被控訴人は、登録価格については、固定資産評価審査委員会に対する
審査の申出及び審査申出に対する決定の取消しの訴えのみによって
争うことができると規定されている旨主張する。
しかしながら、評価基準による固定資産の価格の決定、当該価格の
固定資産課税台帳への登録、これに基づく固定資産税等の賦課徴収は、
いずれも被控訴人担当者により行われる固定資産税等の課税処分のための
一連の手続であるが、価格登録後はそれまでの過誤が一切免責される
というのは相当でなく、地方税法の諸規定は、目的、要件及び効果を
異にする国家賠償訴訟を排除する取扱いとなるものではない。
また、被控訴人は、控訴人らが地方税法上の救済手続を利用しなかった以上、
国家賠償訴訟を提起することは許されない旨主張し、最高裁昭和57年2月
23日判決を援用する。
しかしながら、被控訴人指摘の上記判決は、不動産の強制競売事件における
執行裁判所の処分が利害関係人間の実体的権利関係に適合しない場合に
手続内の救済を求めることを怠った事案に関するものであって、本件とは
事案を異にする。
更に、被控訴人は、課税処分の違法を理由とする国家賠償を認めることは、
当該課税処分を取り消すことなく過納金の返還請求を認めたのと同一の
効果が生じることになり、不服申立期間の制限等により課税処分を早期に
確定させて徴税行政の安定とその円滑な運営を確保しようとした法の趣旨が
没却される結果を招来するなどと主張する。
しかしながら、過誤納金の還付等の制度は、民法上の不当利得返還制度の
特則としての意義を有すると解されるところ、国家賠償法制度とは、趣旨や
目的、要件及び効果を異にする別個の制度であるというべきであり、また、
一般の行政処分の場合にはその違法を理由とする国家賠償訴訟は取消訴訟を
経ることなく提起することが原則として許されているのであり、課税処分の
効果と損害の内容が実質的に同一であるからといって、課税しょぶんにだけ
国家賠償がおよそ排除されるとするのは適当ではなく、課税処分が違法
である場合には、その取消判決がないことの一事をもって、当該納税者に
損害を甘受させる合理的な理由は見出し難い。

として、国家賠償請求を認めた上で、

被控訴人担当者は、税務担当者として通常要求される程度の注意義務を
怠って、本件各冷凍倉庫につき、本件基準表7(2)(冷凍倉庫用)の
経年減点補正率を適用することなく、同表7(1)(一般倉庫用)のそれを
適用して過大に価格を評価し、これに基づき過大な課税徴収がされた
というのであるから、本件各課税処分には国家賠償法上の違法性があり、
また、被控訴人担当者には過失があるというべきである。
そして、本件各課税処分については、地方税法上の不服申立手続及び
行政処分取消訴訟が提起されているわけではないが、証拠によると、
控訴人らは、平成18年春ころ、本件各倉庫につき、法人税における
企業会計基準に基づく固定資産評価と固定資産課税明細書における評価額の
食い違いに疑問が持ったことから、被控訴人担当者に償却年数を尋ね、
これをきっかけに、控訴人らが所有する倉庫の中でも同様の構造や利用形態
であるにもかかわらず本件基準表7(2)の経年減点補正率が適用されている
ものと適用されていないものがあることが判明したため、本件訴訟を提起する
に至ったことが認められるところ、このような経緯等に照らしても上記手続を
経ずに控訴人らが国家賠償を請求することが権利濫用に当たるとはいえず、
本件において、他に権利濫用として許されないというような特別な事情や
過失相殺をすべきような事情は窺われない。

として、時効成立以前の昭和61年度分以降の課税処分に対する違法性を
認め、国家賠償請求を容認したのである。


地方税職員に対しては若干酷な判決であるが、地方税職員の徴税努力や
そのための調査努力が果たされていない現実があり、納得できる判決である。

私が現在最高裁で闘っている軽油引取税事件についても、税務調査は
余りに杜撰であり、関係者に対する調査顛末書の一部のみが証拠として
提出されているものの、事件の核心に迫る部分の調査顛末書を原告から
証拠提出を求められても、提出できない。
誰が納税義務者であったのかを確認するための重要な証拠でありながら、
高裁であっても証拠提出できない杜撰な調査の実態が明らかなのである。

本件のような固定資産税の過大請求はかなりの数に上るのではないか。
特に冷凍倉庫と一般倉庫を保有する本件のようなケースでは、外見からは
いずれの倉庫であるかは一見して判別することは出来ず、一つ一つを
確認する必要があるはずである。
それも、地方税法は、税務職員に対する調査確認義務を課しているわけで、
固定資産台帳の縦覧制度を利用して、納税者に是正を求めさせることが
大前提とは言い切れないと私は考えるのだが、いかがなものだろうか。

財政再建を国からの地方交付税に頼り、独自の努力がなかなか見られない
地方にそこまでを期待することは不可能なのであろうが、人事交流等を
使って国税庁へ出向させ、国税庁の徴税努力を学ばせることも必要なのでは
ないだろうか。

小泉改革が求めた地方の活力を、地方が放棄したとは思いたくないですからね。


平成22年度経済の想定が・・・
2009.07.02

昨日7月1日、経済財政諮問会議が開催され、前回6月26日に引き続き、
平成22年度予算に向けての検討が行われた。

ここで明らかになったのが、有識者議員提出資料である平成22年度
マクロ経済の想定である。

平成20年度に大きく落ち込んだ日本経済は、平成21年度試算でほぼ横ばい、
平成22年度想定では回復基調にあるものの、名目GDPマイナス0.3%、
物価関係指数は3つともマイナスと、本格的な経済回復は平成23年度以降に
ずれ込む公算が高いことを示すデータが示されたのである。

文書による資料においても、

【21年度経済動向】
景気は、厳しい状況にあるものの、輸出や生産など、一部に持ち直しの
動きが見られる。
景気の先行きは緩やかに持ち直していくことが期待される。
ただし、雇用情勢の一層の悪化、世界景気の下振れ懸念など、景気を
下押しするリスクが存在している。
【22年度の経済展望】
22年度は、世界経済の改善に応じて外需が回復するとともに、累次の
景気対策の効果により、民需の持ち直しが徐々に進展していくと見込まれ、
景気の回復が確かなものとなることが期待される。
しかしながら、雇用の大幅な調整、物価の下押し圧力によるデフレ懸念、
世界の景気後退長期化のおそれ等、わが国経済を下振れさせるリスクが
存在することに留意する必要があり、内外の経済の今後の推移について
慎重に見極めていく必要がある。

と指摘されており、景気は世界経済の改善に伴い回復基調に向うが、
まだまだ予断を許さない状況にあることを端的に示している。

その上で、平成22年度予算の概算要求基準として、歳出改革を継続しつつ、
・社会保障費の自然増(1兆900億円)を認めること
・経済危機対応等特別措置(3500億円)を新設すること
の2点を新たに加えている。

しかし、平成22年度予算の概算要求の期限を8月末としていることを
考えると、来るべき総選挙の日程をしっかり見据えて考える必要があろう。

今回の概算要求基準は現在の自民党中心の政権枠組みにおけるものであり、
総選挙の結果、民主党中心の政権枠組みとなった場合には、予算の重点配分が
根本から改訂される可能性が高いからである。
というよりも、根底から改訂しなければ民主党のマニュフェストの実現性が
揺らいでしまう。
そのため、全ての高級官僚を敵に回してでも、概算要求の再提出を求める
必要があると言えよう。

以前からここで鳩山政権が官僚の抵抗を物ともせずに政策を断行できるのか、
若干の疑問を呈してきたが、これは絶対にやり遂げて頂かなければならない。
マニュフェストの実現性がなくなってしまえば、マニュフェスト選挙の意味が
なくなり、ひいては民主党の存在意義さえ危うくなってしまうからだ。

麻生政権は「死なばもろとも」と鳩山政権の早期瓦壊を狙っているのか?
そんな後ろ向きの政治を国民が望んでいるとでも言うのだろうか。

与野党がきちんとした政策論議を尽くして日本経済の復活に全力を挙げるべき
時期だけに、党利を超えた協力をして頂きたいものである。


病気腎移植再開を決定、徳州会病院グループ
2009.07.01

重度の腎臓病患者には朗報です。
2006年から自粛されてきた宇和島徳州会病院における病気腎移植について、
厚生労働省が、今年に入って、臨床研究であれば制限をしない旨の見解を
公表したことを受けて、徳州会グループは、病気腎移植の再開を決めた。
30日16時31分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)が、がん患者らから摘出した腎臓を
別の腎臓病患者に移植していた問題で、徳洲会グループは2006年から
自粛してきた病気腎移植の再開を決めた。
東京西徳洲会病院(東京都昭島市)と宇和島徳洲会病院で行う方針という。
徳洲会グループによると、専門医らでつくる共同倫理委員会が今月17日、
東京西徳洲会病院が提出した親族間の病気腎移植の臨床研究計画書を承認。
今後、第三者間の移植も同委員会で審査する。
病気腎移植は、厚生労働省が07年7月に原則禁止。
ただし今年1月には、臨床研究であれば、がんを含めて対象疾患を
制限しないとの見解を公表していた。
宇和島徳洲会病院などで病気腎移植を執刀した万波誠医師(68)は
「再開方針は聞いていないが、自分もチャンスがあればやりたい」と話した。


全面的に解禁されたわけではないが、病気腎であっても、毎日のように
人工透析を受けなければならない重度の腎臓病患者にとっては、苦しみから
解放される可能性が広がるだけに、朗報といえよう。
しかし、問題が解決されたわけではない。
特に、がん患者から摘出された病気腎を移植することは、移植を受けた
腎臓病患者にがんが転移する可能性がゼロではなく、患者に新たな
苦しみを与えることにもなりかねないのである。

臨床実験のためであれば認めましょうというのが、厚労省の立場である。
たしかに、実験のためであれば、転移の可能性があることも承知の上で
移植に臨むことになるから、患者の自己責任の上での問題になるのだろう。
ただ、釈然としないものを感じるところだ。

周辺各位にも署名運動にご協力頂いた、病気腎移植問題ですが、
問題が多く残されたままではあるが、重度の腎臓病患者を救う道が
開けたという点だけは、評価したいですね。