第4回税調(4、間接税関係)
2009.10.30

昨日、29日には第5回の税調が開催されましたが、その内容は、ここまで
細かく検討している第4回からの継続ですね。明日以降検討予定の
第4回での経団連、日商、連合、日税連へのヒアリングに続き、第5回は、
全国知事会、全国市長会、全国町村会へのヒアリング及び有識者として
神野関学大教授(財政学)、中里東大教授(税法)、翁日本総研理事に
ヒアリングを実施しています。第6回、第7回は各省の予定。

さて、今日検討したいのは、間接税関係です。
自動車関連諸税については、暫定税率部分が国1.7兆円、地方0.8兆円
(全体では国3.3兆円、地方3.6兆円)にも上っていること、日本の
ガソリン税負担額は諸外国に比べて比較的低いが、高速料金まで考えると、
負担額は決して低くないとするデータが示されている。
また、わが国の温室効果ガス排出量や欧州諸国における環境関連税制が
紹介され、マニフェストの目玉である暫定税率の廃止の対案財源としての
地球温暖化対策税の導入に向け、本格的に議論する方向性が見て取れる。

酒税・たばこ税については、概要や課税構造の資料が配られた。
27日20時3分時事通信社記事によれば、藤井財務相は、「健康を考えると、
ニコチンの含有量によって(税率を)重くしたり軽くしたりするような
改革はあり得る」と述べたという。民主党政策集INDEX2009によれば、
酒税はアルコール度数による税率を検討するとのことですから、酒・タバコ
とも含有量比例課税になる可能性が高いようですね。

消費税については概要資料にとどまっている。29日にHPにアップされた
記者会見録によると、消費税を4年間上げないけれども、中身については
きちんと議論を深める姿勢が明確ですね。益税やインボイス、複数税率等の
問題が峰崎副大臣の答弁にも明確に出ていました。

あと、地方税関係で社会保障関連費の地方負担の将来設計が示されました。
平成19年度には国庫負担21.9兆円地方負担15.3兆円だった規模が拡大し、
平成27年度には国庫負担30兆円、地方負担21兆円にも上るという。
負担額が37%14兆円も増加する試算だけに、今後の財源の確保のためにも、
これ以上の国債の増額はご勘弁願いたいというのが本音のところですね。


第4回税調(3・資産税関係)
2009.10.29

昨日は、谷垣自民党総裁の代表質問でしたが、まだジャブの応酬ですね。
今後、本質的な質問にどう対応していくのか楽しみですが、マニフェストを
4年間で達成できなければ、政治責任を取るとの言質を取れたところは、
谷垣さんのポイントなんでしょうね。

さて、先日から続けている第4回税調の話ですが、今日は資産税です。
近年の相続税は、バブル期以前の昭和58年度には、課税割合5.3%、
負担割合14.3%であったものが、バブル期に負担軽減策を打ったことや
バブル崩壊後の景気低迷の影響もあり、平成19年度には課税割合4.2%、
負担割合11.9%と、バブル期以前よりも下回っているデータが示された。
(ピークは課税割合7.9%(昭和62年度)、負担割合22.2%(平成3年度))
地価公示価格もバブル期以前の水準まで下落したとするデータも示された。
また、相続税の計算方法として、現行方式とともに米・英の遺産課税方式と
独・仏の遺産取得課税方式が紹介されている。
民主党はマニフェストの元になった政策集INDEX2009で、遺産課税方式
への転換を主張していますので、自民党政権下で検討されてきた遺産取得税
方式への転換は方向性が180%変わったと言えるでしょうね。

同様に、地方税の不動産取得税や固定資産税についても資料が提示された。
地方財源の充実が必要な状況にあるだけに、どのように直していくのか、
示された資料だけでは判然としないが、議事録が開示された時点で、
確認したいところですね。


第4回税調(2・所得税関係)
2009.10.28

第4回税調の資料からは、所得課税については所得控除・税額控除の改正が
検討されていることが見て取れます。

わが国の納税者は、約8割が限界税率10%以下となっており、米英仏に
比べると非常に低くなっているデータが示された上で、夫婦と子2名の
給与所得者の課税最低限が325万円であるとするデータが示され、
人的控除の概要(補足資料にも)と、諸外国の給付付き税額控除の政策目的が
・子育て支援(アメリカ・イギリス・ドイツ・カナダ)
・就労支援(アメリカ・イギリス・フランス・カナダ)
・消費税の逆進性対策(カナダ)
であることを紹介する。

所得税は、人的控除の廃止(配偶者控除、扶養控除を廃止)による財源を
子ども手当に充て、給付付き税額控除を平成23年度改正で導入、という
腹積もりなのであろう。
地方所得課税についても同様の資料になっているだけに、人的控除を
全面的に見直す公算が高いですね。

目玉となる給付付き税額控除制度は、納税者番号制度ができていない
わが国では、早急な導入には無理があるだけに、拙速にならないよう、
慌てずに議論を深めて頂きたいものですね。


第4回税調(1、法人税関係)
2009.10.27

臨時国会が始まり、鳩山首相による所信表明演説が行われたことを受けて、
今日27日13時より第4回の税制調査会が開催されている。
今日の議題は非常に盛り沢山で、前半1時間で資料に基づいた議論が、
後半は経団連、日商、連合、日税連のそれぞれが提出した平成22年度
税制改正に関する要望について、ヒアリングした上で、検討が加えられる。

今日は膨大な資料のうち、資料1(法人税関係)だけを解説し、明日以降
順次、その内容を検討していきたい。

まず、資料1は、法人の実効税率等の国際比較、企業の開・廃業率の推移、
一人オーナー課税制度適用状況調べの3点に付き、言及する。

法人税の実効税率は、日本(東京都)は国税27.89%、地方税12.80%、
全体では40.69%に上る。
アメリカは40.75%と、日本と大差がないが、フランスは地方法人税がない
ものの33.33%、ドイツは国と地方の配分がほぼ同じで29.83%、イギリスは
28.00%、中国は25.00%と、日本法人の国際競争力の維持には、高率の
法人税負担が重く圧し掛かっている現状がよくわかる。
ただ社会保険料負担を含めると、ドイツやフランスの負担率がグッと高まり、
実質負担率は日本よりも重くなっているとも読めるデータである。

会社の開廃業率は、04-06年度に開業率が回復していることが分かるが、
個人企業では未だ、廃業率がかなり上回っているのが現状だ。

一人オーナー会社の給与所得控除の不適用については、東京税理士会による
アンケート結果より、約30%、約62万7300社の法人が増税になったと
推定するデータが明らかになった。

このようなデータが、一人オーナー課税制度の見直しを行い、中小企業の
法人税負担額を引き下げる施策の正当性の根拠とするのでしょうね。


独立行政法人の埋蔵金を発掘へ
2009.10.26

鳩山内閣は、新たな埋蔵金の発掘のために、独立行政法人の過剰な積立金に
手をつける方針であることが23日明らかになった。
23日14時3分時事通信記事はこう報じた。

藤井裕久財務相は23日の閣議後記者会見で、2010年度予算の財源に
関連し、「過剰な積立金などが独立行政法人にある。それを徹底的に
引っ張り出すことが大事だ」と述べ、独法や公益法人が保有する余剰資金を
税収不足を補う「税外収入」として活用する方針を明らかにした。
前政権は「霞が関埋蔵金」として、財務省が所管する財政投融資特別会計の
資金を主に活用してきた。これに対し、鳩山政権は財務省所管分に加え、
他省庁が管理する独法の余剰資金なども新たな埋蔵金として財源に充てる考えだ。

行政刷新会議で3兆円の歳出を削減したとしても92兆円にも登る予算の
財源を考えると、マニフェストで赤字国債の増加を否定した民主党にとって
新たな埋蔵金の発掘は至上命題で、藤井財務相が発言すべきというよりも、
菅国家戦略相が言明すべき話ですが、いずれにせよ、やはり来たか、と思う。

官僚の天下り組織を撲滅するためには、全ての独立行政法人の資産状況を
洗い出し、余剰金を吐き出させることが肝要であろう。
金のないところにオイシイ話は転がっていないから、独法を使っての渡りに
うまみがなくなれば、民間でも活躍できる斎藤氏のようなOBでもなければ、
官僚天国は縮小し、天下りも削減できるのではないだろうか。
いったいいくらの埋蔵金が発掘されるのか、期待していたいところですね。


民主党政権で税制はこう変わる!(税理11月号)
2009.10.25

民主党政権が誕生して2ヶ月。税制改正の方向性が徐々に明確になって
きましたが、実際のところはどうなのか。
この点につき、税務関係者には絶対に読んでおいて頂きたい本がでました。

「民主党政権で税制はこう変わる!どうなる?国民のくらいと企業の経営」
月刊税理編集局編、ぎょうせい2009年10月20日発行、857円+税

税理11月号に掲載された藤井財務相、仙石行政刷新相、古川国家戦略室長、
峰崎財務副大臣の4名と財務省OBの志賀弁護士、三木立命館大学教授による
座談会「民主党の税制抜本改革で日本社会はこう変わる」を中心に、
森信中央大学教授をはじめ、右山昌一郎、山本守之、小池正明、岩下忠吾、
朝倉洋子といった税理士会きっての論客による解説と、資料として
民主党税制改正大綱(平成19年12月26日)、民主党税制抜本改革アクション
プログラム(平成20年12月24日)、民主党政策集INDEX2009抜粋(平成
21年7月23日)が付いています。

この1冊で民主党の考える税制の方向性はある程度理解できると思います。
中身を見ていくと、民主党の税制改革の表の顔が藤井財務相であることは
周知の事実でしたが、実行部隊が古川国家戦略室長だったことが明らかです。

税経通信11月号の藤井財務相と石政府税調元会長の座談会や、税務弘報
11月号の鳥毛氏の解説も合わせて参考にするとより理解しやすいと思いますよ。


予算編成等の在り方の改革について
2009.10.24

予算編成等の在り方の改革について、23日鳩山内閣は閣議決定しました。
その内容は大きく4つのポイントに分かれる。

1.複数年度を視野に入れた、トップダウン型の予算編成
2.予算編成・執行プロセスの抜本的な透明化・可視化
3.年度末の使い切り等、無駄な予算執行の排除
4.政策達成目標明示制度の導入

現行予算の最大の問題は3.であろう。予算を使い切らないと次年度予算を
確保できない等の問題から、ムリにでも年度内に予算を使おうとするから、
ムダな予算執行がうまれがちになる。(年度末に道路工事が増えるのは好例)
行政のムダの削減が行政刷新会議の主要命題となろうが、予算執行の情報が
開示されることになるので、非常に期待したいところだ。

行政刷新会議における事業仕分けを全面公開で行うことも閣議決定された。
公開されて困る予算要求をしていれば、予算削減を図ることになろう。

最大の注目は、1.複数年度予算ですね。
単年度予算で執行されてきたこれまでの予算の枠組みを抜本的に見直すことで、
使い切り予算を無意味にするこの政策は、ぜひ実現して頂きたい。
この基本方針を国家戦略室が原案を作成し、予算編成に関する閣僚委員会で
検討の上、閣議決定するとのことですので、原案を担当する古川国家戦略室長
(内閣府副大臣)の手腕に大いに期待したいですね。


平成22年度税制改正大綱は12月上中旬がメドに
2009.10.23

昨日夕方、第3回の税制調査会が開催され、第1回にも配布された
「税制改正要望の見直しについて(留意点)」という文書が再度配布されると
ともに、租税特別措置について、「合理性」「有効性」「相当性」について
補足されました。租税特別措置に関しては抜本的な見直しを本気で取り組む
姿勢の表れではないかと評価したいところだ。

中小企業支援税制では、平成21年度に18%に引き下げられた軽減税率を
マニフェストでは11%まで引き下げるとしていたことについて、
22日22時3分時事通信記事では、「古本伸一郎財務政務官は「18%
(の税率)を11%に引き下げれば新規の減税原資が発生する。当然財源の
処置が必要」と述べ、2000億円近い減収に見合う財源手当てが必要との
認識を示した」という。
また、一人オーナー会社の役員給与の損金算入制限措置やNPO法人税制、
地方法人税の在り方や国際的租税回避について議論がなされたようですね。

また、当面の日程案が示され、「平成22年度税制改正の取りまとめ」が
12月上中旬をめどにしていることも明らかになった。
例年12月15日前後に公表されてきた政府税調税制改正大綱ですが、
これまでの民主党税制改正大綱のように、押し迫った年末に公表されることが
ないようにして頂きたいものですね。
野党である自民党の税制改正大綱が精緻なものとして政府税調より早く
出されてしまうことがないようにお願いしたいところです。


子ども手当の財源に、扶養控除、住民税を含め廃止へ
2009.10.22

鳩山政権は平成22年度改正で扶養控除の廃止に踏み切る決断をした。
21日20時5分KYODO NEWSはこう報じた。

政府は21日、子ども手当創設に伴い10年度中にも廃止することを
検討している所得税の扶養控除に加え、住民税の扶養控除も廃止を
検討する方針を固めた。今後、政府税制調査会で議論する。
廃止されれば、約6千億円の地方税収増が見込まれる。
民主党はこれまで住民税控除は維持する方針だったが、税制全体の
整合性を維持するため、住民税も見直す必要があると判断した。

子ども手当の対案財源として扶養控除の廃止をマニフェストにも掲げた
だけに、中学生以下の子どもがいる家庭の実質負担が減少する反面、
一番お金がかかる高校生、大学生の子どもがいる家庭の負担は急増する。
(マニフェストでは特定扶養(16~23歳の扶養)は残すとしていますが、
民主党の税制改革の基本方針である簡素化・透明化に逆行するので・・・)
そのために高校の学費を国庫で負担する案が出ているが、この財政難では、
今年度中に実現する可能性は高いとは言いがたい。
また、大学については、私学助成金の削減さえ検討される状況では、
少子化のために経営を圧迫されつつある中堅以下の私立大学では学費値上げ
を検討せざるを得ず、都会の大学に進学する地方出身の大学生を抱える
親の負担は増えるばかりだ。

そこで、私は提案したい。
政府税調で扶養控除のあり方を徹底的に審議して、その存在意義と
妥当性を検証した上で、平成23年度改正に反映させることを。
1人当たり年38万円で人間1人が生活できるはずがなく、それも税額控除
ではなく所得控除による対応では金額的妥当性がないことも確かですが、
基礎控除も38万円ということは基礎控除の妥当性もない。
だからこそ、検証すべきだと思うんですね。皆さんはどう思いますか?


平成22年度予算・税制改正論議、本格スタート!
2009.10.21

昨日20日、2回目の税制調査会が開催された。
非常に厳しい状況にあるわが国財政の実情が報告され、藤井財務相の
コメントからは赤字国債の発行もやむなしという方向が見え隠れする。
また、租税特別措置の見直しのためのプロジェクトチームが峯崎副大臣を
中心に発足し、いわゆる租税特別措置透明化法の制定に向けて動き出した。

また、長浜厚生労働副大臣から「通常審議に先立ち御審議いただきたい事項」
という文書が提出され、「新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済
等に関する特別措置法案」に伴う非課税措置と、生活保護制度において
復活する母子加算の非課税措置の2点について、先行審理の要求が出ている。

一方、19日に、国家戦略室に設置した「予算編成のあり方に関する検討会」
が開催され、11~13年度予算を一体として検討することがまとまった。
行政刷新会議は、民主党を代表する論客の1人である枝野元政調会長や
公認会計士出身の尾立参議院議員ら16名が参加することが決まり、枝野氏を
リーダーに5人ずつの3つのグループに分かれて事業仕分けを担当するようだ。
95兆円にまで膨れ上がった概算要求をどこまで削減できるのか、担当する
行政刷新会議は明日22日に初会合がもたれ、公開されるはずの審議内容が
注目されるところだ。

いずれにしても、鳩山政権の命運を握ることになろう平成22年度予算・
税制改正論議は紛糾されることが予想され、どのような方向性が示されるのか、
注目して見ていきたいところだ。


リスクマネジメント協会秋季大会に参加してきました
2009.10.20

先週土曜日にリスクマネジメント協会の秋季大会に参加してきました。

日本教育会館で開催された大会は、ACEコンサルティング白井氏による
基調講演「消費者庁の業務と企業の新たなリスク」を皮切りに、
企業リスクとメディカルリスクの2つの分科会に分かれました。
私が参加したのは企業リスクで、帝国データバンク昌木氏による
「会社はこうして潰れていく」とUBICの西山取締役による
「情報漏洩に学ぶ、事故前提社会の危機管理体制構築」。
昌木氏の講演はコンプライアンス違反(特に粉飾)に基づく倒産事例を交え、
帝国データバンクの膨大な調査事例から見えてくる危機管理の重要性を
気付かせてくれました。
西山氏の講演は、コンピュータフォレンジック技術でできる情報漏洩調査が
できることを示してくれました。警視庁にも製品を納めているところだけに、
ここまでできるのかあ、と感心しつつ、後追いでも追跡が可能であることが、
結果として情報漏洩の抑止効果を期待できるのでは、と感じさせました。

交流会の挨拶では、前川会長が、国家資格化して資格を取得しておしまい、
ということではなく、あくなき自己研鑽の重要性をお話しになりましたが、
私も同感です。プロフェッショナルを維持し続けるためには、高いレベルの
自己研鑽の継続が不可欠ですからね。

リスクマネジメントにご興味があれば、協会のHPにアクセスしてみて下さい。
http://www.arm.gr.jp/
私は現在、協会認定教材で学習中です。毎年新たな領域を勉強することで、
クライアントにより良質のサービスを提供していきたいですからね。


新税調へ鳩山首相からの諮問(6・完)
2009.10.17

新税調への諮問の最後として法人税等について検討したい。

(6)法人課税や国際課税等の分野において、グローバル化にともなって
生じている世界規模の課題に対応できる税制のあり方を検討すること。
(7)税制抜本改革実現に向けての具体的ビジョンについて検討すること。

法人税については、民主党政策集INDEX2009でも気になったのですが、
所得税に比べると余りに貧弱な改正案なんですよね。
租税特別措置の抜本的見直し以外には、欠損金の繰戻還付の凍結解除、
中小企業に対する軽減税率の引下げ(11%)、特殊支配同族会社の役員給与
に対する損金不算入措置の廃止を謳っていましたが、諮問では、国債課税と
一緒にされて、世界経済のグローバル化に対応した税制の検討、に止まった。

いくら生活者重視の民主党だからといっても、雇用主に対する施策を抜きに
政治を行うことは不可能であろう。
この点では、民主党が本気で政権を考えていたのかを疑いたくなるところだ。
また、税制の抜本改革の具体的ビジョンは新税調が示すべきものなのだろうか。
これでは、何のために国家戦略局を設置するのか、分からない。
それであれば、古川国家戦略室長は財務副大臣の方が適任だったのでは?
藤井財務相の年齢を考えれば、万が一の場合の執務執行を担う財務副大臣の
役割は重大である。野田、峰崎副大臣が不適格と言うつもりはないが、
古川氏の卓越した税理論は税制改正に特化させた方がより生きる気がする。

鳩山首相からの新税調への諮問は、まずは最優先課題から取り組めという
メッセージだと考えれば分からなくもないが、一部の施策に偏っている
印象は否めないですね。
もともとマニフェスト自体が全般的というよりも一部の施策に偏っている
のだから、まずは租税特別措置の適正化ということなんでしょうね。


概算要求過去最大95兆円を超える!
2009.10.16

鳩山内閣が早くも正念場に立たされることになった。
平成22年度予算概算要求が過去最大、95兆円を超える規模となったのだ。
この点につき、16日18時41分asahi.com記事はこう報じている。

鳩山政権で初めてとなる10年度予算の概算要求は、一般会計の総額が
95兆380億円となった。財務省が集計し、16日発表した。
マニフェスト(政権公約)に盛り込んだ「子ども手当」など新規政策の
経費が膨らみ、09年度当初予算を6兆4900億円上回って概算要求としては
過去最大。公共事業の削減に取り組んだものの、歳出の拡大圧力は強かった。
年内の予算編成に向け、行政刷新会議などでどこまで「無駄」の削減を
進められるかが焦点となる。

概算要求ですから、従来であれば、財務省が各省の要求から認めるものと
認めないものとを峻別した後、復活折衝をする形式でしたが、政治主導の
鳩山内閣は誰が概算要求を峻別するんですかね。
方針を国家戦略が決め、削減内容を行政刷新会議が決めるのがスジかも
しれないが、とてもではないが、あの人数でできる作業ではなかろう。

さらに、選挙のときに民主党の面々は口々に「財源は大丈夫」とTVで
発言されていましたよね?
今更、財源が足りないので赤字国債を、というのであれば、それこそブレブレ。
谷垣自民党は麻生前首相の怨念を丸出しに攻め立てるでしょうね。
沈没寸前の自民丸にとってみれば、起死回生の一撃になりますね。

もともとマニフェストに今年中にやると公約していないのだから、ムダの
洗い出しをある程度終えて、抵抗勢力となろう勢力を見定めた上で、
マニフェストの実現を図るべきではないでしょうか。
ただ、それでは国民が納得しない。
だから、鳩山民主党の正念場なんですよね。
この難局をどう打開するのか。注目して見ていきたいところです。


新税調へ鳩山首相からの諮問(5)
2009.10.15

八ツ場ダム問題をはじめ、公共事業の凍結が地方経済を冷え込ませる
危険を孕むものであるが、地方税に関する諮問はどうなっているのだろうか。

(5)国と地方が対等なパートナーとして地域主権を確立し、地方の再生を
図る観点から、地方税制のあり方について検討すること。その際、国・地方の
役割分担の見直しと合わせた税財源配分のあり方の見直し、地方の声を十分に
反映する仕組み及び地方税制に関する国の関与のあり方についても検討すること。

地方主権の確立を謳っているが、地方の反乱に対して鳩山首相が毅然と
対抗できないと、画餅に帰す危険も孕んでいるように思う。
その意味では、行政刷新会議に片山前鳥取県知事を取られたのは痛い。
自治省出身で地方税の専門家だけに、政府税調専門委員をやって頂きたかった。
公共事業頼みの地方経済の構造転換を図る必要もあり、公共事業の見直しを
進めたい鳩山首相と、公共事業をテコに経済活性化を図りたい知事の攻防に
注目すべきであり、原口総務相の手腕が問われることにもなろう。

地方財政は疲弊しきっているといえようが、従来が国からの補助金を当てにした
財政運営であり、その反面として国の行政事務の一部を地方が負担するように
なっていたことを考えれば、地方独自の取組みがなされることも期待されよう。
地方税職員の税務調査能力の問題もあろうが、地方が自立するためにも、
人材の再教育を含め、再生を図る必要もあるかもしれない。
(きちんとした調査がなされていれば、私が関与した東京高裁平成20年
7月10日判決のような全部取消判決にはならないはずでしょうね。)
そうなると税調の役割ではなくなりますが、税の面から改革を求めることも
必要なのかもしれませんね。


新税調へ鳩山首相からの諮問(4)
2009.10.14

間接税についての諮問はどうなっているのでしょうか。
諮問は環境税や酒税タバコ税に言及するものの、消費税には触れなかった。

(4)間接諸税について、環境や健康等への影響を考慮した課税の考え方を
踏まえ、エネルギー課税等については温暖化ガスの削減目標達成に資する
観点から、環境負荷に応じた課税へ、酒税・たばこ税は健康に対する負荷を
踏まえた課税へ、そのために必要な事項について検討すること。

温暖化ガス削減目標達成という観点からすれば、自動車関連諸税の暫定税率の
廃止は逆行する施策であり、むしろ課税強化を図るべき課題である。
道路特定財源としての自動車関連諸税ではなく、民主党政策集INDEX2009
でも示唆したように、地球環境対策税として環境問題特定財源として恒久化
されるべき財源ではなかろうか。
ヨーロッパの環境税が二酸化炭素の発生に見合う炭素税として課されている
ことから考えても、燃料を燃焼させることによる温室効果ガスの発生量に
応じた環境税とするべきだと思うがいかがでしょうかね。

また、酒税については、INDEXでは酩酊度合いに応じた課税とされていたが、
健康に対する負荷という表現に変わったことには何か意図があるのだろうか。
健康に対する負荷ということならば、"百薬の長"は課税根拠を失いかねない。
たばこも、肺がんになる危険性と、ストレスで胃がんになる危険性とを
勘案すると、いかがなものか。
我が業界はスモーカーが多いが、それだけストレスと戦っているのだろうか?


新税調へ鳩山首相からの諮問(3)
2009.10.13

今日は、所得税に関する諮問である(3)を検討する。

(3)所得税の控除のあり方を根本から見直すなど、個人所得課税の
あり方について検討すること。特に格差是正や消費税の逆進性対策の
観点から給付付き税額控除制度のあり方について検討すること。

民主党政策集INDEX2009によると、配偶者控除と扶養控除(一般)を
廃止して、子ども手当ての財源に当てることが表明されていたが、
ここでも控除のあり方の見直しが指示されている。
民主党は、年末調整を原則的に廃止し、欧米型の確定申告による税額調整を
念頭に置いているようです。私見ですが、サラリーマンの納税意識の低さの
原因は年末調整にあると考えていますので、税の痛みを肌で感じられるように
することで、国民の政治離れを防ぐ要因になるのではないかと考えます。

ただ、国民全員が確定申告するならば、現行のやり方では税務署がパンクする。
そこで、所得税の課税期間を暦年ではなく、法人同様、決算期を取り入れる
ことを提案したい。誕生月を決算期として申告を1年中に振り分けるのだ。
そうすれば、現状の税務署の人員でも十分対応可能だと思うのですが・・・

また、給付付き税額控除の導入は平成23年度改正になるのでしょうが、
諮問に具体案として出たことで、導入することはほぼ決まったんでしょうね。
マイナスの税額を補助金化する給付付き税額控除については、すでに導入する
諸外国においては、不正請求が後を絶たないですから、不正請求への対処が
図れない限り、導入には踏み切れないのではないかと思います。
そのためにも、納税者番号制度の早期確立がインフラ整備として必要ですね。


新税調へ鳩山首相からの諮問(2)
2009.10.12

新税調への鳩山首相の諮問内容について、今日は(2)を検討しよう。

(2)既得権益を一掃し、納税者の視点に立って公平で分かりやすい仕組みを
目指す観点から、租税特別措置をゼロベースから見直すための具体的方策を
策定すること。また、税と社会保障制度の適正な運営のための番号制度や
その執行体制など、納税者の立場に立つとともに適正な課税を推進するための
納税環境整備を検討すること。

租税特別措置を抜本的に見直すことには手放しで賛成したいところだ。
そもそも特別措置が特別措置のまま数十年放置されている現状は、法治国家
として異常であり、長期化するのであれば、本法化すべきである。
また、各種の特別措置が税制の複雑化の要因となり、また、既得権益に
繋がっている実情があるだけに、公平で透明な税制の構築のためには、
特別措置をできるだけ簡素化することが不可欠である。
この点、9日22時3分時事通信社記事によると、古本財務政務官が、
「本当に必要なら恒久減税の話も逆にある」と述べ、高い政策効果が
見込めると判断した場合には、恒久化を検討する考えを示した、という。

また、民主党政策集INDEX2009でも、納税者番号制度の導入が主張され、
鳩山首相の諮問においても、社会保険番号との統一を視野に入れたインフラ
整備を検討することが示されている。
プライバシー問題から従来、社会党を中心に反対されてきた問題であるが、
(3)に掲げられた給付付き税額控除の導入には不可欠のインフラであり、
早急な整備が求められるところですね。


新税調へ鳩山首相からの諮問(1)
2009.10.11

新しい政府税調が8日、鳩山首相の諮問を受け、発足した。
鳩山氏の諮問は、「現行税制はシャウプ勧告以来の累次の改正の中で、複雑
かつ不透明となり、国民の税制に対する不信感・不公平感が高まっている。」
という問題提起の上で、「これを払拭し、時代の変化に適応し、かつ国民が
信頼できる税制を構築するためには、「納税者視点」を明確にし、納税者の
立場に立って「公平・透明・納得」の原則の下、税制全般を見直さなければ
ならない」と指摘する。
このような問題意識を税調に持たせた上で、7項目の重点施策を要求する。

今日は、(1)について考える。
(1) マニフェスト(「三頭連立政権合意書」を含む)において実施することと
している税制改正項目について、その詳細を検討すること。

民主党マニフェストについては、9月2日から記事を書いてきたので、
参照して頂きたいが、マニフェスト及び民主党政策集INDEX2009に掲げた
項目は、いずれも概要であって、具体的な改正案は示されていない。
そこで、税調への諮問は、その具体化を指示したものとなったと考えられる。

概ねの方向は、マニフェストに「やります」と明言した項目を優先的に
「検討項目」は後回しになるであろうが、自民党の4年前の公約集を
持ち出してまでマニフェスト選挙を行った民主党が、どこまでブレずに
マニフェストに忠実に実行できるのか、今後の動向に注目していきたい。


モラトリアム法案、臨時国会に提出へ
2009.10.10

亀井金融相の思いつきだったと思いきや、彼入れ金返済の猶予を求める
いわゆるモラトリアム構想が、来る臨時国会で成立する公算が高まった。
9日22時3分時事通信社記事はこう報じた。

政府は9日、中小企業の借入金や住宅ローンの返済を猶予する制度の原案を
まとめた。金利の支払いを含め、最長3年猶予するのが柱。信用保証制度の
拡充や、中小企業の再建を支援する目的で16日に業務を開始する
「企業再生支援機構」の活用など金融機関の経営にも配慮した内容とする。
原案は大塚耕平内閣府副大臣(金融担当)が中心になってまとめ、亀井静香
金融・郵政改革担当相が同日夕、了承した。政府は、返済猶予制度を
盛り込んだ「貸し渋り・貸しはがし対策法案(仮称)」を26日召集の
臨時国会に提出する。1年間の時限立法で、成立すれば速やかに施行し、
年末の中小企業の資金繰り改善につなげたい考えだ。

景気の急速な下落に伴い、借り入れによる資金繰りが苦しくなっている
中小企業経営者には朗報と言えるモラトリアム法案であるが、金融機関の
貸し渋りを助長する恐れもあり、新たな資金調達にも配慮した形で法案を
まとめて頂きたいところだ。その点は、日銀出身の大塚副大臣が担当
ですから、現実を見据えた法案の作成を期待したいですね。

ただ、返済猶予により中小の金融機関の経営基盤を揺るがさないのか、
不安視される部分もあろう。税金を投入して金融機関を支える必要もあろう。
いずれにせよ、わが国経済の建て直しに有効な経済政策であることは
間違いなく、後世の評論家に批判されることなきよう、しっかりした
議論を与野党双方にお願いしたいところですね。


オバマ米大統領、ノーベル平和賞受賞!
2009.10.09

オバマ米大統領がノーベル平和賞を受賞した。
実績ではなく、その掲げた理念により受賞するという異例の受賞だ。
9日19時22分asahi.com記事はノーベル賞の受賞理由の全文を掲載した。

ノルウェー・ノーベル賞委員会は、09年の平和賞をバラク・オバマ
米大統領に授与することを決定した。彼は多国間外交と諸国の人々の
協力を強化することに並はずれた努力をした。委員会はとりわけ、
オバマ氏の核なき世界についての理念や取り組みを重視する。
オバマ氏は、大統領として国際政治の中で新たな機運を作り出した。
国連やその他の国際機関が果たすことのできる役割を主張したことで、
多国間外交は、中心的な位置を取り戻した。最も困難な国際紛争を解決する
手段として、対話と交渉が優先されるようになった。核なき世界の理念は、
軍縮や軍備管理交渉に力強い刺激を与えた。オバマ氏の主導のおかげで、
世界が直面する気候変動の挑戦に立ち向かう上で、米国はこれまでより
建設的な役割を果たしている。民主主義と人権も強化されるだろう。
オバマ氏ほど、よりよい未来への希望を人々に与え、世界の注目を
引きつけた個人はまれだ。オバマ氏の外交は、世界を指導すべき者たちは、
世界中の人々の大半が共有する価値や態度を基盤にして導かなければ
ならないという考えに基づいている。108年にわたって、委員会はまさに
そのような国際的な政策や態度を促進することを目指してきたが、まさに今、
オバマ氏がその政策の、世界を率いるスポークスマンになっている。
委員会は、オバマ氏が「今こそ、私たち全員が、グローバルな課題に対して
グローバルな対応をとる責任を分かち合うべき時だ」と強調していることを
支持する。

核なき世界を全世界に向けて明確なメッセージとして発信したことが評価
されての受賞である。ただこの理由であれば、秋葉忠利広島市長の長年の
平和活動をノーベル財団はどのように評価するつもりであろうか。

異例の受賞であるが、この受賞がきっかけになり世界平和が実現される
ことを祈りたいものですね。


新政府税調発足
2009.10.08

今日8日、新しい税制調査会が発足し、即日、HPもアップされました。
税調の委員名簿を見ると、本当に議員だけで発足したようですね。
会長に藤井財務相、会長代行に地方税を所管する原口総務相と、基本方針を
担当する菅国家戦略相、企画委員会主査には民主党マニフェストの税制を
主導したと見られる峰崎財務副大臣(前民主党税調会長)、が就任した。
また、企画委員会の委員には財務相、財務副大臣、財務政務官、
総務相、総務副大臣、国家戦略相、国家戦略担当副大臣が全員含まれ、
社民党・国民新党からは政調会長が参加することとなった。
あとは、専門家委員会の委員が公表されると、具体的な陣容と方向性が
明確になろう。

鳩山首相からの諮問内容については、明日から詳しく検討していくが、
「税制改正要望の見直しについて(留意点)」も同時に公表された。
これによると、税制改正要望は10月一杯で取りまとめることになった。
また、減税を要望する場合には、「財源なくして減税なし」の原則に基づいて
見合い財源案と併せて提出することを要求している。
要求だけであれば誰でもできることであるが、バラマキ批判に対応し、
対案としての財源を考慮することを要求したことは評価すべきだ。
また、租税特別措置のゼロベースからの見直しが図られるようだ。
これも、すでに合理性が失われたものもあるだけに、ムダを排除して
財源を確保するためにも、確実に行われるべきであろう。
必要な特別措置が長期に渡っているのであれば、本法に組み入れるべきであり、
特別措置のまま据え置かれること自体が不適切だからだ。


練馬法人会で源泉徴収制度の講演
2009.10.07

明日8日は、練馬法人会で源泉徴収制度の講演をさせて頂きます。
源泉徴収制度が一般に理解されている問題と法構造とにズレがある点と、
この時期ですので年末調整の話と、また今後の動向として、民主党は
国民皆確定申告制を原則とするとしていますので、そうなった場合の対応や
源泉徴収制度の国際的な動向についても簡単に話そうと思います。
ただ、3~40分と言われていますので、簡単にしか話せませんね。

給与所得者の源泉徴収制度のあり方については、アコード租税総合研究所の
所得課税検討委員会の今年度のテーマでもありますので、年末調整の廃止に
伴う私案としてを話させてもらいたいなと思っています。

また、アコードについては、11月13日の国税通則法検討委員会で、
「帳簿保存義務と青色申告制度特典の整合性-わが国商法導入期における
帳簿規定と法人税法、消費税法との異同-」という論題で、帳簿保存義務の
問題を発表させて頂く予定です。
このテーマは、法政での修論テーマから派生してきたもので、3年前には
国士舘法学38号に論文「青色申告制度の帳簿要件」を発表しています。

ちなみにアコードでは、10月19日(月)18時半~20時半に
「重要租税判例解析講座(導入編)」を東京税理士会館で、
10月25日(日)10時半~13時、11月8日(日)10時半~13時に
「加算税制度を理解する(1)、(2)」を飯田橋のスター会議室で開催します。
詳しくはアコードのHPでご確認して下さい。
http://www.at-i.info/


環境税導入へ具体化始まる
2009.10.06

2020年までに温室効果ガス排出量25%削減を国際公約とした鳩山提案を
実現するために、環境税の導入が具体化することになりそうだ。

5日20時3分時事通信社記事によれば、原口総務相は、自動車関連諸税の
暫定税率が廃止された場合の代替財源として「地方環境税(仮称)」を
創設するという全国知事会の提案について、「政府税制調査会で議論していく
ことだと思っている。どのように取り扱うかも含めて議論していきたい」
と述べ、2010年度税制改正に向けて検討する考えを示した、という。

また、5日20時48分YOMIURI ONLINE記事によると、「地球温暖化
対策税(環境税)」について、環境省の専門委員会の会合が5日開かれ、
税率や課税対象など、7項目を論点とすることを決め、この委員会の議論を
もとに、環境省から来月にも政府税調に具体案を提出するという。

環境税の具体的な問題については、OECDが2001年に発表した
Environmentally Related Taxes in OECD Countries
「環境関連税制」環境省総合環境政策局環境税研究会訳(有斐閣2002)
がきっかけになって、様々な議論がされながら、具体化にまでなかなか
たどり着けませんでしたが、鳩山提案を機に一気に実現化しそうだ。

化石燃料の燃焼に対して課される環境税による財源を地球環境問題対策に
拠出することで、環境問題に対するわが国のリーダーシップを発揮する
きっかけになってくれるといいですね。


ロイス・クルーガー「8つの鍵」
2009.10.05

今日は、豊かさへの入り口を手に入れるための本を紹介しましょう。

ロイス・クルーガー「8つの鍵」中経出版2009年9月

全世界で1500万部を超える大ベストセラーになった「7つの習慣」を書いた
スティーブン・コヴィー氏の共同経営者であるクルーガー氏の書下ろしだ。

本書のいう8つの鍵は
1 法則を見出す
2 信念を決める
3 目標を書く
4 人間関係のスキルを身につける
5 計画を実行する
6 結果を計測する
7 富を分かち合う
8 改善し続ける
と、言い尽くされた非常にシンプルな内容です。
クルーガー氏も、「本書で示した常識的なコンセプトを、あなたが実践して
くれることが、私自身にとっての"チャレンジ"である。」(408ページ)と
書いていますが、なるほど納得できるところですね。

私自身も頭では分かっていても中々実行できずにいます。
心してかからねば。


非嫡出子相続差別は合憲も反対意見、補足意見が・・・
2009.10.04

婚姻届を提出していない男女の間に生まれた子(非嫡出子)の遺産相続分を
婚姻届を提出している夫婦の間に生まれた子(嫡出子)の2分の1とする
規定を、最高裁第二小法廷は9月30日、これを合憲と判断した平成6年
最高裁判決を踏襲した決定をしたことが分かった。

しかし、3日12時33分asahi.com記事によると、裁判官出身の今井裁判官が
「婚姻関係から出生するかそうでないかは、子どもの意思や努力では
いかんともすることができない。このような理由で相続を差別することは、
個人の尊厳と相いれない」と反対意見を述べ、行政官出身の竹内裁判官は、
海外で相続差別が撤廃され、日本もなくすよう国連から勧告を受けていること
などを補足意見で指摘しているという。

この点につき、3日11時3分時事通信社記事は、日本人の父とフィリピン人の
母の非嫡出子が日本国籍を求めた訴訟では、最高裁が6月に両親の婚姻を
国籍取得の要件としている規定について、「家族生活や親子関係への国民意識は
変化しており、今日では不合理な差別で違憲」と判断していたことを指摘する。

福島少子化相のように男女別姓を貫くために事実婚(婚姻届を提出しない婚姻)
をとっているケースもあり、家族制度自体が変化している時代を考えれば、
非嫡出子の差別は時代遅れの不合理な規定となっている可能性も高い。
千葉法相も指摘したように、早急な立法による解決が望まれるところである。


金融庁が税制改正の意見募集
2009.10.03

金融庁は2日、「平成22年度税正解要望に係るご意見の募集について」を
9日正午必着で募集を始めた。
詳細は金融庁のHPからアクセスしていただきたいところですが、
http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20091002-2.html
電子メール及び郵送のみの受付なので、ご注意下さい。

3日7時29分asahi.com記事によると、一部の意見については、
大塚金融担当副大臣が13日以降、詳しい内容を直接きくという。

これまでも、業界団体を通じての意見聴取は行われておりますし、今年度も
日本税理士会連合会を通じて、税理士からの税制改正要望が上がる予定ですが、
自民党政権の密室政治からの脱却という意味では、広く意見を公募するのは、
民主党政権による変化の表れと見てよいであろう。

私も支部を通じて改正要望をあげたい問題がありましたので、このたびの
意見聴取には応募するつもりです。
マニフェストにもある更正請求期間の延長、特定同族会社の役員報酬に係る
給与所得控除分の損金不算入の廃止等は、わざわざ言う必要もないだろうが、
アコード租税総合研究所の所得課税検討委員会で、私案として意見を述べた
年末調整の廃止、国民皆申告制への移行に伴う現実的な措置としての、
個人所得の課税期間の変更について、意見を書かせて頂くつもりです。

課税の公平を図るために、徴税コストが増大するなら、結果として増税を
招くことになり、ひいては国民の不利益につながるから、行政コストの削減を
念頭において、税制改革への具体案を提示していきたいですね。


頑張れ!火の国酒造
2009.10.02

三笠フーヅの事故米問題やその後の裏金問題等の影響で経営破たんした
熊本の名酒、美少年の製造元、美少年酒造が、ラーメンチェーンを
展開する新社長の下、再出発する。
1日20時1分asahi.com記事によると、火の国酒造に社名変更し、
重光新社長は、「今月9月期の売上高は前年比約76%減の3億9500万円
に落ち込んだ。新商品開発や海外販売に力を注ぎ、過去最高だった
87年の売上高約24億円に5年以内に並びたい」と目標を示した。

「美少年」は、大学時代、顧問の安藤教授から展覧会の時に差し入れで
頂いていたので、非常に馴染みのある、また味わい深い酒ですね。

事故米問題で三笠フーヅから事故米を仕入れてしまっていたことが発覚した
時は、酒造メーカーも被害者だなと思いましたが、その裏に裏金のキックバック
が行われていたことが発覚したときには、失望し、もうあの酒は飲めないのか、
と寂しささえ感じていました。

しかし、民事再生法適用を乗り越え、ラーメンチェーンを展開する重光新社長を
迎え、新体制で再び名酒復活を期すというニュースは、嬉しいですね。
早速、火の国酒造としての酒を手に入れて、名酒復活を喜びたいですね。


生命保険料滞納による失効はダメ、東京高裁判決
2009.10.01

生命保険契約の滞納による失効を巡り、画期的な判決が昨日9月30日、
東京高裁で下された。

1日3時3分asahi.com記事によると、保険料の払い込みを2ヶ月間
怠ったために約款に基づき契約が失効したことについて、東京高裁は、
「約款は消費者の利益を一方的に害しており、消費者契約法に反する」と述べ、
約款を無効と判断し、「意に反して契約が終了した場合の契約者の不利益の
度合いは極めて大きい」と指摘、「信義誠実の原則に反して消費者の利益を
一方的に害する」として、横浜地裁判決を取り消し、逆転勝訴になったという。

従来、保険料滞納による保険の失効については、約款の契約条項に基づくことと
なっており、2ヶ月で失効になるとすると、特約部分の失効が想定される。
ただ、契約が失効しても3年以内であれば所定の手続を経て失効した
保険契約を復活できる制度があるので、本契約は保護されるんですね。
なので、この記事から考えると、復活しなかった特約部分に対する判決の
可能性を感じますね。

手元に判決文を持っていないので確認できませんが、何とか手に入れて
詳しい内容をじっくり読んでおきたい判決です。