モラトリアム法案、強行採決で衆議院通過
2009.11.20

自民党政権下で繰り返されてきた国会審議を軽視しかねない夜半の
強行採決が民主党政権下でも行われてしまった。

20日2時3分時事通信社記事はこう報じた。
衆院は20日未明の本会議で、中小企業金融円滑化法案を、与党と共産党
などの賛成多数で可決し、参院に送付した。19日午後の衆院財務金融委員会
で採決が強行されたことなどに反発する自民党は、玄葉光一郎同委員長と
松本剛明衆院議院運営委員長の解任決議案を提出して抵抗したが、与党は
本会議でいずれも否決、法案の採決に踏み切った。与党は20日午前の
参院本会議で、参院での審議に入り、25日に成立させる構え。今月末の
会期末を控え、与野党の対立が激しくなるのは必至だ。
19日午後1時に予定された本会議は開会が同9時すぎにずれ込んだ。
両決議案の賛成討論で自民、公明両党は「国会軽視の暴挙」などと与党の
国会運営を厳しく批判。両案が否決されると、両党とみんなの党の議員は
退席し、法案の採決を棄権した。本会議に先立ち、民主、自民両党の
国対委員長が会談。自民党の川崎二郎氏は採決を白紙に戻し審議を続行
するよう要求したが、民主党の山岡賢次氏は採決は有効との立場を崩さず、
物別れに終わった。反発を強めた自民党は、玄葉委員長に続き松本委員長に
対する解任決議案も提出した。一方、与党側は衆院議運委で、円滑化法案の
緊急上程を賛成多数で決めた。
鳩山由紀夫首相は財金委での採決強行について「経済が厳しい状況にある」
と、やむを得なかったとの認識を記者団に示した。また、与党側は、
郵政株式売却凍結法案や給与法改正案などについて、衆院の各委員会で
20日に採決する日程をそれぞれの委員長の職権で決定した。
自民、公明両党は衆院での各委員会や参院本会議を欠席する構えだ。

モラトリアム法案の早期実施が落ち込む一方の中小企業に対する支援策として
急務であった事情はその通りであるが、小泉政権以降の強行採決に対して
国会軽視と批判してきた民主党が同じコトを繰り返すことには違和感がある。
国民側が期待する有効な政策なればこそ、認められもしようが、あれもこれも
では、国民もバカではない。メッキがはがれて魅力を失ってしまったら、
鳩山政権の支持率の急落は必死であり、政権の存亡にも関わりかねない。
早期実施に道筋がついたことに一定の評価はするものの、実に危険な選択で
あったことを憂うところだ。


自民税調再始動。与党時代より充実した税調を目指す!?
2009.11.19

記録的大敗の波を諸にかぶった形でなかなか再スタートを切れなかった
自民党税調がようやく再始動するようだ。
18日23時23分asahi.com記事はこう報じた。

自民党税制調査会は18日、党本部で総会を開き、来年度税制改正に向けた
議論を始めた。石破茂政調会長は「電話帳」と呼ばれる分厚い冊子に要望を
まとめ、項目ごとに○や×の印をつけた与党時代を振り返り、「野党になって
○×△はもうできない。税調はやらなくてもいいという話もあったが、
そうではない。与党時代より充実した税調であらねばならない」と語った。
野田毅税調会長は、民主党政権が党税調を廃止し政府税調に一元化した
ことについて「一握りだけで決めるやり方だ。はるかに我々の方がオープン
だった」と批判。「野党になったが、本来の税制のあり方について発信していく」
と語った。

谷垣自民党が国民の信頼を取り戻すきっかけを掴むことができるのか。
鳩山民主党政権が財源問題に足元をすくわれかねない状況だけに、自民税調が
存在感を示すことができれば、国民の信頼回復の第一歩を踏み出せるだろう。
しかし、石破氏が指摘するごとく、与党時代よりも充実した税調となる
必要に迫られながらも、予算的な制約があり、議員及び政策秘書が自ら
研究して頂く必要があろう。それによって積み上げられた実力が来るべき
時期の力になると思うが、そこまでできないのであれば、老兵は消え去るのみ。
国民からも引導を渡されることになろう。

通常国会に出される税制改正案に対する実りある政策論議を期待したいところだ。


文科省がHPで意見募集。事業仕訳骨抜きを狙うのか!?
2009.11.18

やはりというか、官僚は、行政刷新会議の事業仕訳の結果について、
国民の意見を集めるという形で反撃に出てきた。文科省HPを見て頂きたい。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm
この点につき、17日19時27分asahi.com記事はこう報じたのである。

国民のみなさん、この結果をどう思いますか。文部科学省が16日から、
行政刷新会議による事業仕分けの結果を同省ホームページに掲載し、意見募集
を始めた。文科省の事業に対して「廃止」や「予算縮減」など厳しい仕分け
結果が出ているが、「仕分け結果に疑問を持つ国民の声が集まれば」と
期待する同省幹部もおり、今後の予算折衝の反撃材料にしたい思惑も透ける。
意見は予算編成大詰めの12月15日までメールで募る。川端達夫文部科学相
は17日朝の閣議後記者会見で「(仕分けに対して)いろんな意見を受ける
場を提供したいと思った」「国民がどう思うかも大事な要素」と述べた。
(略)文科省は、ホームページに「事業仕分けを契機として、多くの国民の
皆様の声を予算編成に生かす」として、まず11、13日の結果を掲載。主に
教育分野の事業は鈴木寛副大臣と高井美穂政務官、科学技術・文化分野の事業
は中川正春副大臣と後藤斎政務官に、それぞれ届くメールアドレスも公開した。

案の定というか、下手に抵抗すると国民を敵に回しかねないと警戒した官僚が
事業仕訳の説明に、職責上の上司者ではあるが、祭り上げられている方を
事業仕訳の会場に派遣し、しどろもどろの言い訳をさせた挙句、復活折衝で
回復を図ろうとする意図が見え見えである。
もしこれを民主党政権が認めてしまうのであれば、政治主導など画餅に帰す。
文科省のこの動きに対しては、私は断固抗議したい。国民の声を直接大臣や
政務官等に伝えたことは評価できるが、なぜ事業仕訳前にやらないのか。
8月末に民主党政権が誕生して以来約3ヶ月。行動を起こすには少なからぬ
時間があったと言わざるを得ないと私は考えるところだ。
行政刷新会議が公開の事業仕訳にした意味を考えれば、今回の文科省の
動きは、官僚の抵抗と見られても致し方あるまい。川端文科相以下、
中川・鈴木両副大臣らが同調しないことを希望したいところだ。
専門分野ではなかったシャドーキャビネットから専門分野に戻ってきた
中川氏や、区長選等の演説、応援演説等から少なからぬ期待を寄せていた
鈴木氏だけに、期待を裏切らないで頂きたいものである。


全国会計人会サミットに参加してきました
2009.11.17

また更新が止まってしまいましたね。継続は力なりといいますからね。
更新が滞らないよう、頑張ります。

さて、14日の土曜日は第13回全国会計人会サミットに参加するため、
関西学院大学に行ってきました。
我が法政会計人会は、太宰会長をはじめ、東京税理士会会長の山川副会長、
倉又副会長、武田事務局長、東京地方税理士会副会長の滝浪幹事ほか8名が
参加。公認会計士法友会から和食会長ほか3名と、多数の参加を得ました。
サミットの基調講演は日本会計研究学会会長の平松一夫関西学院大学教授
による「わが国における国際会計基準・その動向と影響」。
裏話を交え、分かりやすく難解な議論を整理して頂きました。
来年は我々法政が開催校に決まりましたので、来年10月ないし11月開催に
向けて、準備していかなければいけません。
私も実働部隊として動くことになるようです。

今日4時から本所支部の秋山高善税理士による我が葛飾支部研修会。
秋山氏は私が先週13日に発表させて頂いたアコード租税総合研究所の
事務局長を務める友人で、昨年の日税研論文賞を受賞しています。
テーマは「IFRS(国際会計基準)導入による法人税への影響」。
偶然なのですが、今度は実務家の視点から国際会計基準を考えます。
短期間に同じテーマを違う視点から勉強することは、理解を深めるためには
ありがたいチャンスですね。

明日は、東京税理士会館にて日本税務会計学会第45回年次大会。
支部推薦で訴訟部門の運営委員をやらせて頂いている関係もあり、
先週末から、勉強三昧の日々です。前半が「消費税の現状と課題」、
後半は「民法上の非上場株式の評価についての実務対応」。

そして来月2日の訴訟部門の月次研究会は私が発表する番なんですね。


天皇陛下、即位20年記念式典
2009.11.13

昨日は天皇陛下即位20年記念式典がありました。天皇陛下と皇后陛下の
優しい微笑みに包まれ、幸せな気分に浸らせて頂きました。それにしても、
余裕のない顔で踊るというのは久しぶりに見ましたね。EXILEでも、
とんでもない緊張感だったんでしょうね。いいものを見させて頂きました。

さて、陛下のお言葉で気になったところを紹介させて頂きます。

私どもを、支え続けてくれた国民に心から敬意を表します。
国と国民の姿を知り、国民と気持ちを分かち合うことを、大切なことであると
考えてきました。それぞれの地域で、高齢化を始めとして様々な課題に対応を
迫られていることが察せられましたが、訪れた地域はいずれもそれぞれ美しく、
容易でない状況の中でも、人々が助け合い、自分たちが住む地域を少しでも
向上させようと努力している姿を頼もしく見てきました。
今日、わが国は様々な課題に直面しています。このような中で、人々が互いに
絆を大切にし、叡智を結集し、相携えて努力することにより、忍耐強く困難を
克服していけるよう切に願っています。
平成2年の即位礼の日は、穏やかな天候に恵まれ、式後、赤坂御所に戻るころ、
午後の日差しが、国会議事堂を美しく茜色に染めていた光景を思い出します。
あの日沿道で受けた国民の祝福は、この長い年月、常に私どもの支えでした。
即位20年に当たり、これまで多くの人々から寄せられた様々な善意を顧み、
改めて自分のあり方と務めに思いを致します。

いかにも陛下らしいお言葉だったと思います。
いつも謙虚で、痛みを感じている方の傍で共感を積み重ねられてきた陛下
だからこそ、皆が助け合い、ともによりよい明日へ努力できることを信じ、
国民とともに困難な道を歩もうとされているのだと思います。

私も一国民として、私のできる社会貢献を果し続けて生きたいと思います。

ただ、陛下のお言葉を真摯に聞いて欲しい方は、式典にも随分参列されていた
ように思いますよ。ねえ、政治家の皆さん。


明日はアコード租税総合研究所で発表です
2009.11.12

明日13日6時からアコード租税総合研究所の国税通則法検討委員会で
「帳簿保存義務と青色申告制度特典の整合性―わが国商法導入期における
帳簿規定と法人税法、消費税法との異同―」と題する発表をします。
内容的には、帳簿保存義務が商法草案の段階で検討されていた内容が
ようやく会社法432条において実現し、そもそも帳簿を保存しない者は
商法違反であって、帳簿保有による特典性は解除されるべきであるとの
私の従来からの主張を元に、加算税の賦課要件への検討も視野に入れます。

加算税制度を検討してきたここまでの検討委員会の流れからは若干横道に
逸れた議論になるかと思いますが、残念ながら帳簿概念については、
税法側も商法側も殆ど議論されていないので、議論のエッセンスに、
というところでしょうか。

14日は全国会計人会サミットに参加するために関西学院大学に行きます。
どうやら来年は我々法政が担当することになるようで、しっかり引き継いで
きたいと思います。
今回のサミットでは、日本会計研究学会会長の平松一夫関西学院大学教授が
基調講演をされるとのことで、我々が関与する中小企業に対するIFRSの
影響がどのようなものになると想定されているのか、お話が楽しみですね。

来月2日には、東京税理士会の学会(訴訟部門)で「労働契約に基づく
給与所得の所得区分を検証する」という発表。
国士舘法学42号に寄稿した論文をベースに、様々な形での労働契約に
基づいて支給される報酬の所得区分について検討します。
国士舘法学に寄稿したのは、「内定を取り消された学生に支給された解決金の
所得区分とその損金性」。昨日、宅急便で初校が届きましたので、校正を
始めなきゃいけないですね。英文タイトル、どうしよう・・・。
所得区分については、5年前に税法学551号に寄稿し、日本税法学会大会で
発表させて頂いた「親会社が子会社の役員に付与するストックオプションの
性質」があるんですが、久しぶりにじっくりと考えさせてもらいました。

今年は発表や原稿が多い1年でしたねえ。


税制改正要望(5、子ども手当創設、扶養控除廃止)
2009.11.11

今日は、厚生労働省から要望が出ている子ども手当や児童扶養手当に係る
非課税措置の話です。税調HPで今日アップされた第7回税調の記者会見録
では、峰崎財務副大臣が「社会保障給付に対して、所得として税をかける
やり方と、いわゆる非課税にするやり方とありますが、伝統的に日本の
場合は非課税にしてきた」との発言がありますから、実現性は高いでしょう。

一方、扶養控除の廃止については、「所得控除から税額控除、税額控除から
手当へと変わるというのは、そういう意味で課税ベースが広がっていく
という点で、税率を上げなくても課税ベースが広がることによって、実は、
所得再分配機能は高まっていくのではないかという見方をされている方は
多い」との発言があり、「今回は子ども手当ができているわけですから、
子ども手当に該当する扶養控除については、一応廃止する。ただし、
御存知のように特定扶養控除だとか、あるいは23~69歳までの扶養控除は
どうするのかという細かい問題が残っておりますので、これについての
議論その他は引き続きやるということは間違いありません。」と発言する。

峰崎副大臣の発言から見ても、子ども手当が支給されても、それは非課税の
支給になるが、子ども手当に該当する扶養控除は廃止されるが、それ以外の
扶養控除をどうするのかは、未知数になってきたようだ。配偶者控除の
廃止の可能性も踏まえて、人的控除の構造転換をどうすべきなのか、
扶養控除のあり方も含めて、検討する必要があろう。

ちなみに、国士舘大学法学部の今年度の法律討論会が来月5日に開催される
のですが、そのテーマが「配偶者控除を考える」なんですよね。
私は担当教員として学生の議論の補助をしておりますが、このタイミング
だけに考えさせられますね。
子ども手当を機に、これまでも賛否両論ぶつけられてきた人的控除について
今一度、その存在意義を含めて、考え直してみるのもいいかもしれませんね。


税制改正要望(4、地球温暖化対策税)
2009.11.10

今日は、自動車関連諸税のグリーン化について書きましょう。
環境省は、地球温暖化対策税を含む税制のグリーン化を新設し、自動車の
保有に係る税率の特例措置(グリーン化)の拡充及び延長を掲げ、
経済産業省は、自動車税のグリーン税制の拡充及び延長を掲げる。

地球温暖化対策税については、
(1)政策目的
すべての主要国による公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築及び
意欲的な目標の合意を前提とし、2020年までに1990年比で温室効果
ガスを25%削減するという鳩山政権の新しい目標の達成を図る。
(2)施策の必要性
国連気候変動首脳会合(平成21年9月22日)において、鳩山総理大臣
より、温室効果ガス排出量の削減目標として2020年までに1990年比で
25%削減をめざす旨表明したところであり、この新しい目標を実現させる
ため、本要望に係る措置を講ずる必要がある。
(3)要望の措置の妥当性
地球温暖化対策税は、二酸化炭素を排出するすべての主体に対して公平に
排出削減への経済的インセンティブを与えることができ、規制等他の施策と
比較して、公平性、透明性、効率性、確実性の視点から優れている。
また、欧州主要国においては、既に同様の税制が導入され、温室効果ガス
排出量の削減効果が現れており、本要望に係る措置を講ずることが適当である。
との理由が付されている。

たとえ鳩山首相が根回しせずに公表したものであったとしても、日本政府の
国際公約となった温室効果ガス排出量25%削減の早期実現が、何よりも
優先すべきで、それがわが国の国益を守ることだと考えるところだ。
ガソリン税の暫定税率の廃止と相反する自動車関連諸税のグリーン化について、
小沢環境相は、地球温暖化対策税の導入は、暫定税率の廃止後に行う旨を
発言するが、マニフェストで約束したガソリン税の暫定税率の廃止、高速道路
の無料化により、一時的に交通量が増加し、ガソリン燃料使用量の増加に
つながることは、何よりも国際公約に反し、日本の国際的信用力を低下
させることになると考えている。暫定税率の廃止後などといわず、すぐにでも
導入を検討すべきだと考えるところですね。


税制改正要望(3、たばこ税)
2009.11.07

タバコ税の大増税が叫ばれているようですね。欧米並みの600~800円に
なるかもしれないとのコトですね。そうすると、禁煙に踏み切る方が
増えそうな気がしますので、かえって減収になるかも、と思いますが。

この議論は、厚生労働省の要望事項である「喫煙率の減少のために、
たばこ税及び地方たばこ税の税率を引き上げる」ところから出ている。

男性喫煙者の肺がん死亡率は男性非喫煙者の約4.5倍であることや、
慢性閉塞性疾患の80~90%が喫煙が要因であること、40歳時点での
喫煙男性の平均寿命が非喫煙男性よりも3.5年短いこと等が理由として
挙げられ、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約を平成16年に
批准したこと、がん対策基本計画法を平成18年に制定したことなどを
根拠に、たばこ税の大増税が策略されているようなんですね。

しかし、6日22時10分asahi.com記事によると、第7回税調では、
長浜厚労副大臣が私見として1箱600円、翌年度700円、翌々年度
800円と段階的に引き上げていくことを提案しているところ、小川
総務政務官は、民主党は1本いくらではなく、タール含有量などに応じた
課税を検討すると主張してきたのだから、財源としてではなく、健康面
からの増税とすべきであり、それがマニフェストとの整合性をとることだと
主張する。

私もその通りだと思う。
確かに欧米各国の半額程度であるわが国のタバコ価格は引き上げる必要が
あろうが、それは国民の健康面へのマイナスを削減するための方策である。
財源確保のためにたばこ税というスケベ心は自民党のそれと変わらない。
健康面への悪影響ということからタール含有量に応じた課税がいいであろう。
アルコール度に応じた酒税への転換も同じ意味を持つ。
(酒税改正は見送られるようですが)

ただし、スモーカーにとっては死活問題。
ただ、マナーを守ろうとしない一部のスモーカーによるノンスモーカーの
主張が世界的な潮流として禁煙権運動の高まりに繋がったのは事実です。
マナーを守れるスモーカーたちが喫煙権を主張してもおかしくはない。
私はノンスモーカーですが、スモーカーがかわいそうになってきましたね。


税制改正要望(2、中小企業対策)
2009.11.06

今日は、中小企業対策としての要望を考えよう。

まず、平成21年度税制改正で18%に引き下げた中小企業の法人の
軽減税率を11%まで引き下げる点については、「中小企業は我が国経済の
基盤であり、地域経済の柱であって、多くの雇用を担う存在であること
から、その活性化や競争総力の向上を図るために」早急に実現されることが
期待されている。

また、特殊支配同族会社の業務主催役員給与の損金不算入の廃止については、
「中小企業に過大な負担を生じさせること、実質的な一人会社とは言えない
中小企業にまで広範に適用が及び中小企業の活性化を阻害する要因になって
いること、我が国の租税体系における整合性という点において問題があること、
法人課税上の新たな不公平を生じさせるおそれのある制度になっていること等」
の理由から、廃止が要望されている。

今年度で適用期限か切れる中小企業投資促進税制や中小企業者等の少額
減価償却資産の取得価額の損金算入特例、交際費等の課税特例などの延長、
情報基盤強化税制については、バックアップソフトウェア、RAID、
仮想化ソフトウェアが追加の上で、期間の延長が要望されている。

産活法に基づく登録免許税軽減や中小企業の事業再生に伴う登録免許税軽減も
延長される。特に、中小企業の事業再生に関しては、収益力がありながら、
過剰な設備投資等により債務超過に陥り、事業継続が困難となっている
中小企業の再生支援を行い、地域経済の活性化や雇用の確保を図るものであり、
中小企業再生支援協議会等と連携が図られている。

目新しい政策が今回の要望で出てきたわけではないが、中小企業対策は
地域経済の雇用を守るために必須の施策だけに、早急な実現が望まれますね。


税制改正要望(1、グループ法人税制の整備)
2009.11.05

1週間ぶりの更新です。情報発信していない間に、平成22年度予算の
各省からの要望提案が発表され、税調HPでアップされていました。
今日、明日の税調では、その内容のヒアリングが行われる予定です。
そこで、第4回、第5回の税調で行われた各団体に対するヒアリングを
検討する予定を変更して、気になった税制改正要望について検討します。

まず、グループ法人税制の整備に関して検討しよう。

岡村京大教授、増井東大教授、渡辺九大教授、吉村横国大准教授の他、
経団連、日商、日税連、関経連、財務省主税局、経産省経済産業政策局、
中小企業庁、金融庁が参加した「資本に関係する取引等に係る税制に
ついての勉強会」が7月に取りまとめた論点整理を元に、経産省や
金融庁の改正要望に盛り込まれたものである。

税制改正要望として新設された理由として、次の3点が挙げられる。
(1)政策目的
企業グループの一体的運営の進展に対応したグループ法人税制を整備する
ことにより、グループ経営等を通じた企業競争力強化に向けた取組みを
円滑に行うことを可能にし、もって、我が国企業の国際競争力の強化を図る。
(2)施策の必要性
企業経営をめぐる環境が激しさを増す中、意思決定の迅速化のための分社化や
完全子会社化等による、企業グループの一体的運営が進展している。
こうしたグループ経営を進めようとする我が国企業に対し、税制が障害と
ならず、歪曲効果を与えないことが、競争力強化、経済活力向上に不可欠。
(3)要望の措置の妥当性
最近のグループ経営等の実態にあった税制を整備する観点から、我が国企業を
取り巻く経済環境に対し、分社化や完全子会社化等によるグループ経営の
活用に対し歪みのない税制とするものであるため、妥当である。

先行して導入してきた企業再編税制や連結納税制度が実に使い勝手の悪い
制度であるだけに、世界市場における我が国企業の競争力強化のために
是が非でも実現して頂きたい政策である。
ただ、この制度自体は大企業ほど効果が大きく、我々税理士が日常業務で
お会いする中小企業経営者にとってはメリットが薄いのが現実ですね。
しかし、大手企業を中心に経済立て直しができれば、その結果として
中小企業の下請にも仕事が出てくることによって経済活性化が図れよう。
その結果、雇用も給与も増えるというわけですね。