経済同友会成長戦略(4)、高齢化社会対応モデルの構築
2010.04.30

経済同友会の第3の戦略は、先進的な高齢化社会対応モデルの構築である。
少子高齢化は日本や欧米先進国だけではなく、経済発展を遂げつつある
アジア各国でも急速に進展しており、2010年にはタイ、シンガポール、
香港が、2015年には韓国、中国が、2020年にはマレーシア、ベトナムが
人口オーナス(高齢者人口比率が上昇し、経済成長・財政の重荷となる時期)
を迎えるという。
「このような中、わが国は、世界で最も早く高齢化社会が到来したことを
プラスにとらえ、長寿社会の強みを活かした先進モデルを構築すべきである。
生産年齢人口の減少とシニアの増加に対応した社会システムと産業構造の
早期実現は、雁行形態で進む高齢化時代のアジアにおける、わが国企業の
国際競争力強化に欠かせない。」
との問題意識の下、
1 国内需要の拡大 企業の柔軟性を高め、潜在需要を引き出す規制改革
(1)需要を喚起する企業の創意工夫
<1>労働市場の流動性強化
<2>法人実効税率の引き下げ
(2)官製市場の民間開放
<1>保育サービス
<2>介護サービス
<3>医療サービス
(3)予備的貯蓄の有効活用
<1>税・社会保障制度改革による将来不安の解消
<2>シニアの消費促進
<3>金融サービスの多様化
2 需要創造型構造改革の推進 国土利用の再設計
(1)特区制度の活用を通じたコンパクトシティの実現
(2)都市計画・住宅政策の見直し
(3)農業改革:株式会社の参入、農地改革
という民間活力の最大活用としての戦略を提示する。

ただ、私は、1(2)の官製市場の民間開放という戦略には若干の疑義を
感じざるを得ないですね。小泉改革の骨子でもある自己責任社会という
意味では、民間を政府が抑制することは極力軽減すべきですが、
保育、介護、医療の3分野を特に取り上げているだけに、疑問ですね。
社会保障制度については、官製市場を中心とした民間活力の活用という
現行路線に魅力を感じているからですけどね。


経済同友会成長戦略(3)、アジアの域内需要による自律的な成長
2010.04.27

アジアの域内需要による自律的な成長の実現という戦略は、
「経済危機前のアジアは、中国を中心に世界の工場としての役割を
果たしてきた。今後は急速な経済発展に伴い、世界の市場としても
期待が大きい。アジアで勃興するこれらの需要の獲得なくしては、
わが国経済の持続的な拡大は見込めない。」という問題意識のもとに、
「これらの地域で企業が円滑に事業活動を行うため、政府には、
関税等国境措置の自由化や知的財産権の保護強化等、アジアにおける
各種制度のハーモナイゼーションに向けた取り組みを求めたい。また、
生産年齢人口の減少とともに、国際分業の重要性は一層高まる。その
メリットを最大限享受すべく、速やかに規制改革を進め、わが国市場を
アジアのプレーヤーにも開放すべきである」と提言する。

その内容は以下の4点である。
1.アジアの資本市場育成への貢献
2.環境親和的な技術の提供
3.FTA・EPAの締結促進
4.政府の役割

アジアの資本市場の育成には、バブル崩壊後のわが国経済の教訓を生かせる
ところも多く、「近代的な経済社会に即した制度設計という点で」わが国が
アジア地域に貢献できることは多いであろう。
また、「アジアには、経済活動の中心地が河川沿いや海岸付近など気候変動
の影響を受けやすい地域に集中している国・地域も多い」だけに、
地球環境保全や自然災害への対応という観点からも、わが国が果しうる
役割は大きいであろう。
また、2010年は「先進国にとってのボゴール宣言の目標年であり、また
構造改革に関する作業計画(LAISR2010)の節目の年」であり、APECの
議長国を務めることもあり、「政府には、FTA・EPAの速やかな締結と
WTO交渉妥結とを通じ、わが国企業が得意とする高付加価値財の関税
引き下げ等を早期に実現することを求めたい」とする。

ただ、私にはこの提言には一種の危うさを感じるところがある。
アジア経済圏における自由経済社会の実現により、企業の成長を望める
部分は多分にあり、期待したいところではあるが、日本企業が日本人を
採用する理由がますます乏しくなる危険性である。アジアが一体の経済圏を
形成できたときには、わが国の存在意義がどこまで残るのだろうか。


経済同友会成長戦略(2)、高付加価値戦略の再評価
2010.04.26

高付加価値戦略の再評価という戦略は、わが国の高コスト構造のままでは、
需要の多いいわゆるボリュームゾーンでの戦いにおいても、勝ち続ける
ことが難しく、薄利多売では、「十分な投資余力を失わせ、技術開発競争の
トップを走り続けることを困難にする」から、「世界で拡大を続ける富裕層
の潜在ニーズを掘り起こし、高付加価値マーケットでの勝負に勝ってこそ、
国内雇用機会を守り、内外需のバランスのとれた中長期的な経済成長が
可能となる」との問題意識に基づいている。

そのために、次のような提言を行っている。
1.所得向上につながる技術開発戦略
(1) R&D投資の選択と集中
(2) 環境関連需要をはじめとする成長セクターの発展を促す制度整備
(3) 官民の連携によるわが国主導の国際標準化
(4) 潜在需要に応え、課題を解決するサービスの創造
(5) エンジニアの育成
2.日本の長所・強みの再強化
(1) ヒトへの投資―想像力豊かな人材の育成
(2) 新陳代謝の活性化とセーフティネットの再構築
(3) 社会インフラの維持・向上
(4) 観光関連産業の活性化―ホスピタリティを活かした付加価値向上
(5) "日本ブランド"の維持・向上
3.多様性の追求―"開かれた日本"の実現
(1) 多様な人材への活躍の場の提供―ダイバーシティの確保
(2) 対内直接投資の促進

厳しい現実も同時に提言されており、「人口減少・少子高齢化が進む中で
公的債務残高が指数関数的に増加し続けているわが国の財政状況を
鑑みれば、グローバル化の進む経済環境下で生き残るに十分な支援を、
全ての企業に対して中・長期的に続けることは不可能である。一方、
広く薄い支援では過当競争から脱却しきれず、わが国企業の国際競争力は
向上しない。中小・零細企業には、中・長期的に、事業規模の拡大によって
大きく成長することを目指すか、あるいは自社のコア・コンピタンスに
集中・特化することによって小さくとも競争力の高い企業になることが
期待されている」(9ページ)との指摘もある。
海外人材や女性・シニアの活躍の場を拡大させるとともに、科学技術立国を
目指し、資源の集中投入を提言していると考えられるところですね。


経済同友会成長戦略(1)、目指すべき日本経済の姿
2010.04.25

先週まで日本経団連が提言した成長戦略をご紹介しましたが、経済同友会も
同じ日に成長戦略を提言しています。日本経団連の提言が大局的な提言
であったのに対し、経済同友会の提言はシンプルでわかりやすいですね。

経済同友会の提言「豊かな社会に向けた3つの成長戦略~成長の果実を
将来世代と分かち合うために~」は、「2030年の日本経済のすがたを
視野に入れ、将来世代を含む国民が豊かさを享受できるようになるための
経済構造と、そのような構造への変革を実現するために必要な取り組み」
を提言するもので、「中でも、企業は経済主体として非常に重要である
ことから、企業自らが取り組むべきことに優先順位をつけて提示する
とともに、そのような企業の行動を促す政策を提言」している。

目指すべき日本経済の姿として、次のような問題提起をする。
「人口減少の進むわが国が、個人消費のみをエンジンとして安定的な成長過程
に復帰することは容易でなく、また効率的でもない。むしろアジアという
世界経済の成長センターへの近接性という地の利を活かし、更なる国際分業を
進めることで、豊かな国民生活を実現するべきではないか。」と。

そして、取り組むべき構造問題と解決の糸口として、
1.需要の縮小と価格下落・コスト削減の悪循環に陥りかねないこと
2.グローバル化した経済や成熟した経済社会にはそぐわない、高度成長期に
かたち作られた枠組みを変革できずにいること
という2つの構造問題を指摘し、
1.わが国を多くの新商品・イノベーションが発信される世界のR&D拠点
へと変え、グローバルな高付加価値マーケットでの競争に勝ち続けること
2.一足先に経済の成熟化・少子高齢化社会を迎えたわが国は、市場経済に
即した制度設計や環境親和的な技術の提供等を通じ、アジアの域内需要による
自律的で安定的な成長に貢献すべき
という2つの解決策を示す。

このような問題意識に基づく経済同友会の成長戦略は以下の3つの柱からなる。
1.高付加価値戦略の再評価(イノベーション立国)
2.アジアの域内需要による自律的な成長の実現(アジア立国)
3.先進的な高齢化社会対応モデルの構築(長寿立国)


ひとしくんのビジネス日記1-6
2010.04.24

<住宅ローンにはリフォーム資金も考えよう>


結局、2階建の店舗兼用住宅を買うことにしたよ。
だから不動産屋さんから紹介してもらって、銀行で住宅ローンを借りる
ことにしたんだ。

銀行の審査を通らないと、住宅ローンを貸してもらえないんだって。
でも僕は、今までカードローンの支払でも遅れたことがないし、今まで
働いてきた間に貯金もそれなりにあるから、大丈夫だと思うんだ。

でも、家の購入資金だけじゃなくて、リフォームの資金も必要なんだよね。
そうしたら、様々な助成制度がありますよと、紹介してくれました。
でも難しそうだなあ。
専門の社会保険労務士を紹介しますよと言われたけど・・・。

できるだけ自分でやってみようっと。


住宅ローンの審査が通って不動産屋さんにお金を払えば、売買契約が成立。

僕の夢のお店を始めるんだ、って、まだまだ先の話と思っていたけど、
家が決まったとなると、ちゃんと準備しなきゃいけないんだよね。

でも、どうすればいいんだろう。

今日のポイント:住宅ローンを借りる前に、返済計画を立てましょう。
ここ1年くらい急増しているローン破産は返済計画の甘さが原因のケースも
多いようです。


財務省が変わるための50の提言
2010.04.23

「財務省が変わるための50の提言」が19日に財務省から発表された。
http://www.mof.go.jp/singikai/mofpt/mofpt.htm
菅氏が財務大臣に就任した直後に省内公募により選出された20名の
プロジェクトチームにより、財務省が自らがまとめたものだ。
有識者5名、財務省退職者2名、財務省から民間への出向者3名、
民間から財務省への出向者3名、民間企業人事部長5名、マスコミ5社、
在京大使館等からヒアリングを行い、433件にも上る意見募集等を
検討した結果、50の改革提言が出されたのである。

財務省設置法3条の「納税者としての国民の視点に立ち、効率的かつ
透明性の高い行政を行い、国の財務を総合的に管理運営することにより、
健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現するとともに、
世界経済の安定的発展に貢献する」という使命を再確認し、
「職員一人一人が、民間企業同様のコスト意識を持ち、不断の業務効率化に
努めることを通じ、得られたリソース(マンパワー・時間)を、人材育成や
政策提言能力の向上のために組織として再投資し、より質の高い政策という
形で国民に還元していくこと」を通じて、「専門的でかつ多角的に検討された
質の高い政策を提言していく「積極提言型」となる」ことを提言する。
そのためには、「「志が高くオープン」で、「多角的検討を経た質の高い
政策を柔軟に発信する」、「国民から信頼される」組織とならなくては
ならない」という。

この問題意識を踏まえた提言において特徴的なのは、ワーク・ライフ・
バランスを推進し、ライフタイム・キャリアサポートを導入することを
目指している点ではないだろうか。出産や育児による女性のキャリア
ブレイクに対する配慮も盛り込まれ、少子化時代において不可欠であろう
女性の積極登用の道を開くものだと期待したいところだ。

また、政策や法案については、政府に対するお願いとして辛辣な提言が
なされている。「資料要求や説明要求等に応える必要があることは当然
であるが、一方で、要求内容や期限等について何らルールが存在していない
現状を踏まえれば、行政府内、あるいは行政府と立法府が一定の共通した
ルール等を設定することを検討していただきたい。」とした上で、
ネット上で入手可能なものと、ゼロから作業が要するものとを
「その内容に応じて柔軟な対応を行っていただきたい。」(提言44)という。
これに応えるためには、政治家の皆様にも情報量や勉強量が必要でしょうね。


経団連成長戦略2010(7)、税、財政、社会保障の改革提言
2010.04.22

日本経団連は、成長戦略にかかわる税・財政・社会保障の一体改革の
具体的措置として、以下のような改革を提言する。

2.財政
(1)成長戦略の実行を通じた名目成長率の引き上げ
(2)歳出重点化・合理化努力の継続
(3)歳入構造改革の推進

3.社会保障
(1)社会保障制度の横断的将来像を見据えた改革の推進
・医療・介護:公費投入割合の拡充を目指した高齢者医療改革、医療・介護
サービスの効率化・重点化、介護保険給付対象者や給付水準の見直し、など
・年金:基礎年金国庫負担2分の1を賄う安定財源確保、全額税方式化に
向けた基礎年金の国庫負担の拡大、公的年金の支給開始年齢の見直し、など
・少子化対策:待機児童の解消やサービスの拡充を目指した保育制度の
抜本改革、子ども関連の給付の充実、少子化関連予算の規模や使途を
点検評価し、次年度の少子化対策の方針を決定する「子育て会議(仮称)」の
新設、子育てに関する基金設置構想に反対、など
(2)雇用の多様化・流動化に対応したセーフティネットの再構築

4.税制
(1)消費税の拡充
・税率の早期引き上げ
・逆進性対策
消費税率が10%以上となった場合、社会保障・税共通番号制度の導入を
前提に、低中所得者層に対し、生活必需品にかかる消費税率引き上げ相当額を
低額で還付する制度を導入
(2)所得税の再分配機能の回復
(3)法人実効税率の早期引き下げ等
(4)社会保障・税共通番号制度の早期導入


経団連の提言は、財政の安定化、社会保障の安定財源確保等にも消費税の
拡充をうたっており、「消費税増税」を前面に出してきた感じがしますね。
それと同時に、世界的に非常に高くなってしまった法人税率の引き下げを
通じて、企業の国際競争力の強化、経済成長の確保を狙っているようですね。


経団連成長戦略2010(6)、税、財政、社会保障の改革の視点
2010.04.20

日本経団連は、昨日紹介したような基本的な考え方に立ち、
それぞれについて改革の視点を提示する。

1. 財政
歳出規模の拡大に対して、必要な税収が確保されず、大量の公債発行で賄う
状況を今後も続けるならば、財政規律が損なわれ、債務残高が経済規模に
比べて著しく増加。金利や物価の高騰等により国民生活や企業活動に
大きな混乱をもたらす、国の活力は失われる。
このような危機的事態に至らないよう、財政規律を維持し、市場からの
信認を確保することが極めて重要。歳入構造改革を含めて、経済成長と
両立した財政健全化の取り組みが欠かせない。

2. 社会保障
わが国の人口構成が大きく変わる中、現役世代に過度の保険料負担を
求めない社会保障制度の再構築が必要。同時に縦割り行政の弊害を排除し、
医療・介護・年金、少子化等各般にわたる制度の横断的な改革の将来像を
描くことも急務。
高齢化に伴う社会保障給付費の自然増に耐え、かつ制度全般の綻びや
機能強化等を図るためには、自助・共助・公助のバランスをとることが
重要。そのためにも、全国民で支える消費税を中心に安定財源を
確保すべき。この結果、国民負担率が現行の40%弱から、英、独並みの
50%台へと上昇することもやむを得ない。

3. 税制
世界一高く、景気変動の影響を受けやすい法人所得課税への過度な依存や、
十分な歳入が期待できない基幹税(課税ベースの浸食が著しい所得税、
低率な消費税)、といった税体系は、財政を安定的に支える機能を
果たしていない。
社会保障給付をはじめとする中長期的な歳出の増大に耐えうるよう、
一刻も早い消費税の引き上げ、所得税の基幹税としての機能回復、
法人税への過度な依存の見直しなどを通じた税体系の抜本見直しを
一体的に行うことが必要。



経団連成長戦略2010(5)、成長戦略にかかわる基本的考え方
2010.04.19

経団連は、成長戦略にかかわる税・財政・社会保障の一体改革、で、
以下のように改革の必要性を訴える。

1. 基本的考え方
・豊かで活力ある経済社会の構築に向けて、成長戦略を実現する特別予算枠
(成長戦略特別枠)を確保し、
(1) 成長の果実を社会保障制度の再構築に活用していくこと、
(2) 将来不安の解消により成長を促していくこと、
この2つを同時達成する体系的かつ整合性のとれた施策を早期に策定・
実行することが求められる。

               ↓

・他方、わが国財政は、国・地方の長期債務残高が860兆円に達する
先進国中類を見ない危機的な状況
・また、今後も財政収支の発散に歯止めがかからないおそれ。2011年度
予算編成も極めて困難な状況にある他、国債への信認確保も喫緊の課題。
・したがって、政府が掲げる「財政の中身の転換」のみならず、
「成長戦略下での持続的成長」と「社会保障のための安定財源確保を
中心とする歳入構造改革」を着実に実施していく強い意志表明が必要。

               ↓

・消費税を含む税制抜本改革の機運が生じつつある中、消費、所得、資産の
バランスのとれた税体系の再構築に向けた第一歩を早期に踏み出すべき。
その際、超党派において議論・検討を尽くし、早期に合意を得ることが重要。


以上のような基本的な考え方を前提に、日本経団連は、
改革の視点と具体的な改革提言を行っている。


経団連成長戦略2010(4)、成長実現に向けた6つの戦略
2010.04.18

経団連は、成長の実現に向けた6つの戦略と規制改革、として
以下の点を掲げました。

1. 環境・エネルギー大国戦略
(1) 最先端の技術の普及促進に向けた政策
(2) 中長期的な観点からの革新的技術の開発・普及

2. 健康大国戦略
(1) 医療・介護関連産業の成長産業化
(2) 高齢者向けビジネスの展開

3. アジア経済戦略
(1) アジアとともに成長する日本
(2) 経済社会の活性化に資する外国人材の積極的受け入れ
(3) 物流の円滑化
(4) 国際標準化の推進
(5) コンテンツ産業のさらなる新興

4. 観光立国・地域活性化戦略
(1) 観光立国の推進
(2) 道州制と「地域主権」改革の推進に向けて
(3) 成長の牽引役としての都市の再生
(4) 農業の成長産業化
(5) ストック重視の住宅政策への転換

5. 科学・技術立国戦略
(1) イノベーション創出基盤の整備
(2) ICTの利活用
(3) 宇宙開発利用の推進
(4) 海洋分野の新たな成長基盤の構築

6. 雇用・人材戦略
(1) 労働力人口の減少への対応も見据えた労働市場の形成
(2) 安心して子供を生み育てられる環境の実現、待機児童の解消
(3) 質の高い教育による厚い人材層の形成

7. 成長を阻害する規制の改革

うがった見方なのかもしれないが、政府に対してこれだけのことを
やってくれないと我々は動けないと言っているようにも聞こえる・・・
どこか、あれもこれもという感じがしますね。
経団連とすれば、あらゆる業界にも対応できる提言をする必要がある
だろうから、こういう感じがするのも仕方がないのかもしれませんね。


経団連成長戦略2010(3)、基本的な経済政策の3つの柱
2010.04.17

昨日は、地元葛飾支部で平成22年度税制改正について、研修講師を
努めてきました。天候の悪い中、多くの先生方がご来場下さいました。
この機会を作って下さいました研修部の皆様、ありがとうございました。

さて、経団連成長戦略2010から、成長戦略のための基本的な経済政策の
3つの柱として掲げられたのが、以下の点でした。

(1) 企業の国際競争力の維持とさらなる強化
1 国際競争力の維持・強化に資する国際的に整合性のとれた
ビジネス環境の整備
・法人実効税率の引き下げや、規制改革の推進等による、企業の
国際競争力の維持・強化
2 ものづくりとサービスとの融合による、新たなビジネスの創出
・新たなビジネスの源泉となるイノベーションを促進するための
研究開発税制の強化、対GDP比1%以上の政府研究開発投資の安定的な供給
3 アジアの需要獲得
・日米・日EUのEPA、アジアにおける経済連携ネットワークの
面的拡大と質的向上、国際標準化に向けたアジア諸国との共同作業
4 為替の安定

(2) 新しい内需の創出と成長力の強化
1 規制・制度改革の推進
・企業による創意工夫の発揮や、自由で円滑な事業活動を阻害する
様々な規制の見直し
2 道州制と「地域主権」改革の推進
・国の統治のあり方を根本から改革し、地域の自立と活性化を実現する
手段としての道州制の導入
3 企業活動の円滑化に向けた戦略的な環境整備
・サービス産業の競争力向上に向けたICTの利活用、重要インフラの
整備とともに、抜本的な少子化対策や安心できる社会保障制度の構築など、
将来の成長を実現するための土壌作り
4 成長を支える金融市場の整備
・金融市場の活性化を通じた成長戦略の実行支援(国際的な金融規制強化
への適切な対応、官民連携による企業・個人の環境・省エネ対応への
金融面での後押し、私的年金制度の改善・普及、リバースモーゲージの
本格導入)

(3) 柔軟性とセーフティーネットを兼ね備えた労働市場の構築
1 失業率の改善
・失業率を3%台に低下させるため、成長戦略の実行による需要の拡大
2 将来の労働力不足への対応
・ライフスタイルに応じた働き方を選択できる多様な就労形態、
子育て支援の充実・強化
3 労働市場の基盤強化
・労働市場におけるセーフティネット機能の早期充実

まさに喫緊に政府に働きかけて、是非にでも早期実現を願いたいものです。


経団連成長戦略2010(2)、成長戦略に必要な4つの視点
2010.04.16

経団連や同友会の成長戦略提言と前後して、民主党も次期参院選
マニフェストに成長戦略を盛り込んできたらしいですね。
ここでは、前回に引き続き、経団連の成長戦略を検討します。

成長戦略を策定・実行するために必要な4つの視点、
として掲げられたのが以下の点でした。

(1) 企業の国際競争力の強化を通じた雇用創出
・わが国の喫緊の課題は、イノベーションを軸として、国内で安定的な雇用を創出し、
国民生活の基盤を強化すること
・企業活動がなければ、雇用創出も豊かな国民生活も実現不可能
・諸外国は、法人税率引き下げなどにより自国企業の競争力強化、および海外からの
投資の誘致に努力
・わが国は、海外からの投資を呼び込むどころか、自国企業の競争力の弱体化が
懸念される状況
・加えて、アジアを中心とする需要構造の変化により、産業空洞化、
雇用機会喪失への懸念の高まり
・経済のグローバル化の進展に合わせ、国際的に整合性のとれたビジネス環境の
整備が重要

(2) 需要面と供給面、大企業と中小企業を一体的に捉えることの重要性
・国内で新たな需要を生み出すためには、雇用に裏打ちされた所得と、
それを支える供給面での十分な競争力が不可欠
・大企業と中小企業はネットワーク状の組織として一体性を持っており、
わが国の競争力強化のため、今後ともそれを維持・強化していくことが重要
・持続的な経済成長を実現するためには、重要と供給、大企業と中小企業を
一体的に捉えた対策の実施が必要

(3) 税・財政・社会保障の一体改革の必要性
・財政の持続可能性確保、社会保障に対する信頼回復を実現しない限り、
内需拡大、活力ある経済社会の確立は極めて困難
・成長力の強化と合わせて、安定財源の確保・財政健全化目標を含む
歳出・歳入改革の具体像の提示が不可欠
・国民が求める政策の実現のため、消費税率引き上げを含む早期実現に向けた
議論が必要

(4) パブリック・イノベーションの推進
・大きな環境変化に直面するわが国では、科学技術の革新に加え、
斬新な政策手法や社会の意識改革まで含む広義のイノベーションが必要
・政府は、パブリック・イノベーションを通じ、電子行政の実現、
道州制の導入を図ることが重要

問題意識としての今後の日本経済の成長性に対する危機感がなさせる
提言に非常に共感を覚えるとともに、現政権批判にも直結しかねない
危うさも同時に感じるところです。


経団連成長戦略2010(1)
2010.04.14

昨日13日、日本経団連は、「豊かで活力ある国民生活を目指して」と
題する成長政略を提言し、経済同友会は、「豊かな社会に向けた3つの
成長戦略」と題する成長戦略を提言した。

まず、日本経団連の政策提言について検討してみたい。

経団連は128ページにも上る詳細な提言を行っているが、
問題意識の前提として、
・デフレ状況からの早期脱却は喫緊の課題。政府と日銀は緊密に連携し、
デフレからの脱却に積極的に取り組むべき。
・政府が成長戦略において「名目3%、実質2%の上回る経済成長」を
目指すことは評価。ただし、名目3%の成長を達成することは容易ではない
という厳しい認識を持つ必要。官民の総力を挙げた挑戦と包括的な
成長戦略の実施が不可欠。
・成長戦略の早期実現と実行により、国民が将来への明確な展望と希望を
持つことで、日本経済再建がスタート。
という問題意識を掲げている。

そして、その内容は大きく分けて、
1、成長戦略を策定・実行していくために必要な4つの視点と
基本的な経済政策の3つの柱
2、成長の実現に向けた6つの戦略と規制改革
3、成長戦略にかかわる税・財政・社会保障の一体改革
の3つの要素に分かれている。

その具体的な内容の検討は次回以降に致しますが、日本経団連や、
経済同友会のような財界からの政策提言に対して、政府がどのような
対応を図るのか、注目していきたいところですね。


22年改正(13)、租税罰則の強化
2010.04.08

民主党政権になってやはりやってきたか、というのが脱税犯等に対する
租税罰則の強化である。

まず、不正手段により税を免れる行為である脱税犯については、
従来「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金又は併科」である規定を
「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金又は併科」と、
法定刑を引き上げることとなった。(直接税・消費税の場合)

巨額脱税事件が多いので、罰金額が少ないように感じるかもしれませんが、
犯罪によって得た利得は没収されますから、刑法犯として確定すれば
脱税額を没収した上での懲役刑、罰金刑であることを考えれば、
行政罰としては妥当な線なのかもしれません。

次に、申告書の不提出や税務調査を正当な理由なく拒否したり妨害したりする
行為等の秩序犯については、
直接税の場合、「1年以下の懲役又は20万円以下の罰金」等であったところ、
「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と罰金刑を増額した上で
規定を統一化した。
消費税の場合は、従来罰金のみでしたが、他の直接税と統一することとなった。

もう1点。私は非常に評価したいところですが、罰則を強化するだけ
ではなく、税務職員に対する守秘義務違反罰則の強化も抱き合わせてきた。
従来、「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」とされていた
税務職員による守秘義務違反について、
「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と罰金額を増額する他に、
直接税・消費税の税務調査等で知りえた職務上の秘密に加え、新たに
間接税等、国税犯則事件の調査事務や国税の徴収事務等で知りえた秘密も
守秘義務により保護されるべき秘密とされた。

納税者からすれば、税務職員に高度な守秘義務が課されているからこそ、
任意調査にすぎない税務調査に協力できるのであって、先の年金未納
問題の漏洩のようなことが起きてしまえば、円滑な税務行政に齟齬を
きたしてしまう危険性が生じてしまう。
罰則が強化されたとしても、適用事例が発生しないことを期待したい。


22年改正(12)、認定NPO法人認定手続簡素化
2010.04.07

市民公益に関する税制改正では、2点が改正された。
・所得税の寄付金控除の適用下限が5千円から2千円に引き下げ
・認定NPO法人の認定手続きの簡素化

まず、寄付金控除。従来は、
支出した特定寄付金の合計額(総所得の40%を上限)-5千円が
寄付金控除額とされていましたが、減額する金額が2千円に引き下げられた。

この改正が、公益法人への寄付の活性化につながるとは思えないが、
適用金額の引き下げは、わずかな寄付でも対象となり、関係各位には朗報であろう。

認定のハードルが高く、税制上の特典を活かせないNPOが多いだけに、
認定NPO法人の認定手続きが簡素化されることは、効果的であろう。

その内容は、4点。
・特定NPOの認定を申請から6カ月の標準処理期間内に行うこと。
・従来、各国税局でしか行わなかった申請事前相談について、
各都道府県庁所在地を所轄する税務署に面接相談窓口を設置すること。
・認定要件の該当性や申請書類の記載内容を確認するための書類の明確化。
・NPO法人の認定審査について、2回目以降の認定については、
原則として書面審理とすることで、審査の迅速化を図ること。
認定NPO法人の適正性は、事後的な実地確認調査により確保すること。

従来は、認定NPOの認定審査に時間がかかるうえ、認定可能性の判断基準が
不明確であったこともあって、規模の小さいNPOの場合、認定申請を
断念しているケースが少なくなかったと思います。
今回の改正により、審査基準が明確となり、かつ迅速な認定が期待される。

社会起業家が注目される時代でもあり、彼らの活動を税制が支援できる
環境整備がようやく整ってきた感がありますね。


22年改正(11)、消費税事業者免税点制度適用見直し
2010.04.06

居住用賃貸住宅を建設する際、対象不動産の完成・引き渡しを受けた後、
不動産事業の開始を翌年とした上で、自動販売機等を設置したり、
コインパーキングを設置する等、課税売上100%とすることによって、
対象不動産に係る課税仕入れを全額控除するという租税回避スキームが
横行しているという。

山本守之「税制改正の動き・焦点 平成22年度対応版」(税務経理協会)
110頁以下によると、「会計検査院は還付額300万円以上の高額還付申告者を
サンプル調査しているが、総額の還付額が8億円超であったとしている。」
とか、「還付後に自動販売機を撤去したという露骨なケースで税務署から
還付を否認された例があるとしているが、一般的には「形式さえ整えば還付を
受け付けられるのは事実。税制改正でしか是正できない。」(財務省関係者)
と述べている。」といった新聞報道がなされていたことが紹介されている。

不合理ではあるが法の欠缺である以上、迅速な法改正に対応できない議員
ばかりを選んでしまっている我々にも責任があるとしか言いようがない。

今回の改正では、一定の歯止めにしかならないが、課税仕入の還付を狙った
租税回避スキームには、3年間事業者免税点制度を適用しないこと、
その場合に簡易課税制度も適用しないことが盛り込まれた。
つまり、課税売上が1000万円未満の場合であっても、自ら課税事業者と
なることを選択した事業者に対して、3年間、消費税法上の原則通りに、
帳簿及び請求書等の保存を義務とした課税売上と課税仕入れの本則計算を
義務付けたのである。

課税事業者として3年間いなければならないことだけでは、
障壁になりえなかっただろうが、簡易課税が不適用になることは
実務的に大きな影響を受けることになろう。
税務調査のターゲットとして、消費税法30条8項9項に対応した請求書等を
保存していなければ、仕入税額控除を否認できることになるからだ。

不合理な租税回避スキームを使った事例が横行することは問題だが、
一般の税務調査において、商法導入当時に否定された「完全なる商業帳簿」を
要求するに等しい消費税法30条8項9項の厳格適用が進展してくることが
予想され、その影響は甚大となる危険性を感じざるを得ないですね。


22年改正(10)、ガソリン税暫定税率、実質的に先送り
2010.04.04

ガソリン税の暫定税率が廃止されることになったものの、実質的には
暫定税率が温存されることになった。
租税特別措置法88条の8は、揮発油税(いわゆるガソリン税)について、
揮発油税法9条に定める1リットル当たり28.7円の税率に代わり、
10年間の暫定措置として1リットル当たり53.8円の税率を課していたが、
改正法は10年間の暫定措置が「当分の間の措置」となっただけだからだ。
ただし、同法89条は、揮発油の平均小売価格が連続する3月における
各月において1リットルにつき160円を超えることとなった場合における
揮発油税の税率の特例の適用停止措置を講じている。

暫定税率に対するこのような措置は、地球温暖化対策のための税の
平成23年度実施に向けた検討の際に、併せて検討されることとされています。


また、自動車重量税については、
電気自動車やハイブリッド車等の次世代型自動車を原則的な課税とし、
(平成24年4月まではエコカー減税による免税対象)
それ以外のガソリン自家用乗用車については、重量当たりのCO2排出量が
次世代型自動車の倍程度であることを踏まえ、2倍の税率とする。
(現行の暫定税率よりも引き下げられます。)
18年以上使用されている経年車については、環境への負荷を配慮して、
現行の暫定税率の水準を維持します。

自動車重量税の環境負荷に対するフラット課税は今回で導入されたと言え、
地球環境問題、地球温暖化対策に向けた税制の取り組みの一環として、
評価されよう。
ただ、非常に複雑な税制になっており、わかりやすい税制という
スローガンからはかけ離れてしまったな、と感じざるを得ない。

難しいものなんですね。


22年改正(9)、たばこ税1本当たり5円増税
2010.04.03

平成21年7月23日付民主党政策集INDEX2009では、
「酒税・たばこ税は国民の健康確保を目的とする税に改めるべきであり、
その際には国民に分かりやすい仕組みにすることが必要です。
その観点から、酒税については、特に清酒・焼酎などの現行の税負担に
配慮しつつ、基本的に致酔性に着目してアルコール度数に比例した
税制とすることを検討します。
たばこ税については財源確保の目的で規定されている現行の「たばこ
事業法」を廃止して、健康増進目的の法律を新たに創設します。「たばこ
規制枠組み条約」の締結国として、かねてから国際約束として求められて
いる喫煙率を下げるための価格政策の一環として税を位置付けます。
具体的には現行の「1本あたりいくら」といった課税方法ではなく、
より健康への影響を考えた基準で、国民が納得できるような課税方法を
検討します。その際には日本たばこ産業株式会社(JT)に対する
さまざまな事業規制や政府保有株式のあり方、葉タバコ農家への対応を
同時に行います。」としていただけに、たばこ税だけの、
それも1本当たり5円の増税という今回の改正内容は拍子抜けですね。

たばこ税は、
・製造たばこに係る税率を3552円/千本から5302円/千本に引き上げる。
・特定販売業者以外の者より保税地域から引き取られる製造たばこに係る
税率を7924円/千本から11424円/千本に引き上げる。
・3級品とされていた紙巻たばこに係る税率を1686円/千本から
2517円/千本に引き上げる。
という改正内容で、平成22年10月1日より施行される。

財務省HPに掲載されている改正法案のポイントによると、
現行(1箱20本300円)では、税抜価格が110.84円のところ、
たばこ税が174.88円、消費税が14.28円となっているところ、
改正案では1箱20本400円(1本当たり5円の増税)では、
税抜価格136.08円に対し、たばこ税244.88円、消費税19.04円となる。

平成23年改正では、アルコール度数に応じた酒税のフラット化、
タール量に応じたたばこ税のフラット化は実現するのだろうか、
注目したいところだ。


22年改正(8)、事業非継続小規模宅地特例除外等
2010.04.02

相続税関係では、前項の住宅取得資金の贈与税非課税枠に他にも、
細かい点ですが、注意しなければならない項目がいくつかありました。

・小規模宅地特例について
相続または遺贈により取得した事業用または居住用の宅地について、
特定事業用宅地等は400㎡まで、特定居住用宅地等は240㎡まで、
その他は200㎡まで対象とする、相続税課税価格を50%または80%
減額する特例ですが、今回の改正では、共同相続の場合、取得者ごとに
適用要件を判定することや、相続人等が相続税の申告期限まで事業または
居住を継続しない宅地等を適用対象から除外する等の改正がなされました。

・定期金に関する権利
定期金に関する権利というのは、郵便年金や遺族年金等のことです。
相続開始時に定期金給付事由が発生していない場合には、従来は
定期金給付契約に関する権利の価額
×(相続人の負担掛金/相続開始時までの払い込み掛金総額)
に経過期間を加味した評価を行っていましたが、
今回の改正により、原則として解約返戻金相当額とすることになりました。
また、保証期間付定期金に関する権利のように、定期金の受取人が
その保証期間内になくなってしまったときにも相続人らが定期金を
受け取れる特約がある定期金契約の場合には、相続開始時に
定期金給付事由が発生していることになりますが、この場合には、
 解約返戻金相当額
 定期金に代えて一時金を受ける場合の一時金相当額
 予定利率等を基に算出した金額
のいずれか多い金額を評価額とすることになりました。

他にも細かい改正がたくさんありますが、実務的に影響がありそうなのは
この辺でしょうかね。

また、平成20年改正で導入された非上場株式等に係る相続税及び贈与税の
納税猶予制度について、適用要件の明確化等の見直しが行われています。


22年改正(7)、住宅取得資金の贈与税非課税枠の拡充
2010.04.01

現役世代の住宅取得を支援する親からの住宅取得資金の援助において、
今年の改正は朗報であろう。
時限立法はあるが、住宅取得資金の贈与における非課税枠が
大幅に拡充されたのである。

今回の改正では、従来、500万円であった住宅非課税が、
平成22年中に住宅取得資金の贈与を受ける場合には1500万円
平成23年中に住宅取得資金の贈与を受ける場合には1000万円
と拡充された。
ただし、条件があって、贈与を受けた方のその贈与を受けた年の所得が
2000万円以下であることが条件になっているので、注意が必要です。

つまり、原則的な暦年課税であれば、610万円までであった贈与税の非課税が
今年は1610万円まで、来年は1110万円まで贈与税が非課税とされたのです。

この改正に対応して、従来1000万円が認められていた相続時精算課税の
住宅取得資金特別控除が廃止され、一般控除の2500万円に対する上乗せ額
1500万円のすべてが住宅非課税とされる一方、来年の上乗せ額が1000万円
に減額されることとなった。

実は、確定申告期間中にクライアントに対して、500万の枠しかないから、
相続時精算課税を選択しましょう、と提案し、親族会議にも呼ばれて
説明してきたのですが、この改正法(確定申告期は案でしたが)に
気付いていませんでしたね。
この金額であれば、暦年課税のままでいられることになるので、来年以降の
贈与の可能性が残せることになり、非常にありがたいですね。
ただ、再提案をしなければならないので、失礼千万なんですね...。
申し訳ないことをしてしまいました...。

情報の遅れって怖いですね。