22年改正(11)、消費税事業者免税点制度適用見直し

2010.04.06

居住用賃貸住宅を建設する際、対象不動産の完成・引き渡しを受けた後、
不動産事業の開始を翌年とした上で、自動販売機等を設置したり、
コインパーキングを設置する等、課税売上100%とすることによって、
対象不動産に係る課税仕入れを全額控除するという租税回避スキームが
横行しているという。

山本守之「税制改正の動き・焦点 平成22年度対応版」(税務経理協会)
110頁以下によると、「会計検査院は還付額300万円以上の高額還付申告者を
サンプル調査しているが、総額の還付額が8億円超であったとしている。」
とか、「還付後に自動販売機を撤去したという露骨なケースで税務署から
還付を否認された例があるとしているが、一般的には「形式さえ整えば還付を
受け付けられるのは事実。税制改正でしか是正できない。」(財務省関係者)
と述べている。」といった新聞報道がなされていたことが紹介されている。

不合理ではあるが法の欠缺である以上、迅速な法改正に対応できない議員
ばかりを選んでしまっている我々にも責任があるとしか言いようがない。

今回の改正では、一定の歯止めにしかならないが、課税仕入の還付を狙った
租税回避スキームには、3年間事業者免税点制度を適用しないこと、
その場合に簡易課税制度も適用しないことが盛り込まれた。
つまり、課税売上が1000万円未満の場合であっても、自ら課税事業者と
なることを選択した事業者に対して、3年間、消費税法上の原則通りに、
帳簿及び請求書等の保存を義務とした課税売上と課税仕入れの本則計算を
義務付けたのである。

課税事業者として3年間いなければならないことだけでは、
障壁になりえなかっただろうが、簡易課税が不適用になることは
実務的に大きな影響を受けることになろう。
税務調査のターゲットとして、消費税法30条8項9項に対応した請求書等を
保存していなければ、仕入税額控除を否認できることになるからだ。

不合理な租税回避スキームを使った事例が横行することは問題だが、
一般の税務調査において、商法導入当時に否定された「完全なる商業帳簿」を
要求するに等しい消費税法30条8項9項の厳格適用が進展してくることが
予想され、その影響は甚大となる危険性を感じざるを得ないですね。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.all-senmonka.jp/cgi-bin/mt5/mt-tb.cgi/10118

コメントを投稿









ブログトップページ

最近の記事 カレンダー カテゴリ 税理士紹介ビスカス コメント アーカイブ
RSS2.0ATM0.3