22年改正(13)、租税罰則の強化
民主党政権になってやはりやってきたか、というのが脱税犯等に対する
租税罰則の強化である。
まず、不正手段により税を免れる行為である脱税犯については、
従来「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金又は併科」である規定を
「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金又は併科」と、
法定刑を引き上げることとなった。(直接税・消費税の場合)
巨額脱税事件が多いので、罰金額が少ないように感じるかもしれませんが、
犯罪によって得た利得は没収されますから、刑法犯として確定すれば
脱税額を没収した上での懲役刑、罰金刑であることを考えれば、
行政罰としては妥当な線なのかもしれません。
次に、申告書の不提出や税務調査を正当な理由なく拒否したり妨害したりする
行為等の秩序犯については、
直接税の場合、「1年以下の懲役又は20万円以下の罰金」等であったところ、
「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と罰金刑を増額した上で
規定を統一化した。
消費税の場合は、従来罰金のみでしたが、他の直接税と統一することとなった。
もう1点。私は非常に評価したいところですが、罰則を強化するだけ
ではなく、税務職員に対する守秘義務違反罰則の強化も抱き合わせてきた。
従来、「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」とされていた
税務職員による守秘義務違反について、
「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と罰金額を増額する他に、
直接税・消費税の税務調査等で知りえた職務上の秘密に加え、新たに
間接税等、国税犯則事件の調査事務や国税の徴収事務等で知りえた秘密も
守秘義務により保護されるべき秘密とされた。
納税者からすれば、税務職員に高度な守秘義務が課されているからこそ、
任意調査にすぎない税務調査に協力できるのであって、先の年金未納
問題の漏洩のようなことが起きてしまえば、円滑な税務行政に齟齬を
きたしてしまう危険性が生じてしまう。
罰則が強化されたとしても、適用事例が発生しないことを期待したい。


ビスカストップ
