金融税制研究会 論点整理
2010.07.31

金融庁は29日、金融税制研究会での議論を、論点整理として公表した。
http://www.fsa.go.jp/singi/zeiseikenkyu/rontenseiri.pdf

証券税制では、政策面から、軽減税率を維持すべきか、廃止すべきか、
が中心であったようだが、「預貯金への偏りが顕著な日本の金融資産構造を
変化させる観点から、軽減税率の維持は重要」といった意見がある中、
「仮に軽減税率の維持が困難であり、本則課税に戻るのであれば、同時に
損益通算の範囲拡大を併せて行うべき」であったり、「財政との関係上
大幅に減税できない中では、リスクマネーに資金が流れるようにする
ためには、軽減税率をやめて損益通算の範囲を拡大すべき」といった意見も
出ていることには注目したいところだ。

また、「配当の二重課税調整について」は、「株式調達と負債調達の間に
歪みを生じさせる税制は避けるべき」との意見もある中、
「配当二重課税を調整するために税制を複雑にすることによるデメリットも
考慮し、完全な調整にこだわらないほうがよい」という反論や、
配当二重課税について「完全に調整を行うためには、法人税を全部撤廃
しなければならないため、完全な調整は実施困難」という意見も併記された。

金融所得一体課税では、損益通算の範囲拡大について、範囲拡大の方向性を
見て取れる一方、「一般投資家は、損益通算よりも軽減税率に投資の
インセンティブを感じている」との意見や、「金融商品間で税率が異なる場合、
損益通算の範囲を拡大することは困難」ではないかとの問題提起もでている。
それゆえ、制度面からの意見にある「所得分類のあり方そのものについても
本来議論すべき」との意見が出てくるのではなかろうか。

そもそも分類所得税にしたがって、あらゆる所得をすべて一つの所得に
強引に当てはめなければならないところに無理を生じさせているように
思いますね。一連のストックオプション事件なんかはその典型ですね。

また、損失の繰越控除について、期間の伸長の方向性が見て取れる。
この点、制度面から「繰戻還付制度についても、・・・検討課題とすべき」
という意見や、実務面から「繰越期間の伸長を行うことは重要であるが、
その際には、証拠書類の保存期間をそれに応じて長くする必要がある」
との意見が出ていることには注意が必要です。土地不動産の譲渡原価に
ついて証拠書類の添付が要求されているところと一緒なんですね。


111歳男性、30年前に死亡、遺族年金詐欺の疑いも!?
2010.07.30

親の長寿を騙り遺族年金を搾取した疑いのある事件が発覚した。
29日14時3分配信の時事通信社のネットニュースはこう報じている。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-100729X666.html

東京都足立区千住の民家で28日、白骨化した男性遺体が見つかっていた
ことが29日、警視庁千住署への取材で分かった。同署は居住者の
加藤宗現さんとみて身元の確認を進める。同署などによると、加藤さんは
生存していれば111歳だった。
家族は「三十数年前に自室に閉じこもり、即身成仏したらしい」と
話しており、司法解剖して死因を調べる。
同署によると、遺体は1階寝室で布団の上に横たわっており、一部が白骨化していた。
区の職員が今月26日、誕生日の記念品を渡すために訪れた際、加藤さんの
孫の女性(53)が「祖父は会いたくないと言っている」と断っていた。
加藤さんの妻は公立学校の元教師で、2004年8月に死亡しており、
同年10月以降の遺族年金約950万円が加藤さん名義の口座に振り込まれていた。
今年7月中旬以降、6回にわたり、計約270万円が引き出されており、
同署は詐欺容疑も視野に調べている。


残念でならない記事ですが、そもそもこんな問題になるのは、遺族年金の
支給のために本人確認を怠ってきたからこそですね。30数年前に死んだ方に
6年前から遺族年金を支給することがそもそもの問題でしょう。

遺族に年金不正受給の意識がどこまであったのかは分かりませんが、
父親が死亡していることを知りながら、受給した年金を引き出したのだから
不正受給以外のなにものでもないですね。

不正受給である以上、受け取った全額を即刻返納すべきでしょうし、
故意を立件できれば、詐欺罪での刑事告発にまで行くことになるでしょう。

こうなってしまうと、ホンノ出来心、では済まされませんね。

しかし、事実確認ができないまま支給されている遺族年金がどれだけ
あるのでしょうかね。事実確認ができないのであれば、支給停止に
するべきですし、そのように法律改正されることを望みたいですね。


厚労省若手PT報告、政務三役におごりを感じる!?
2010.07.29

厚生労働省が昨日28日、若手プロジェクトチーム報告会を開催したが、
政治主導を掲げて公務員制度改革を実行する民主党政権に対する
職員の本音が垣間見えるものとなった。
28日23時24分にアップされたasahi.com記事はこう報じた。
http://www.asahi.com/politics/update/0728/TKY201007280599.html?ref=goo

厚生労働省政務三役の指示に納得している職員は1%――。厚労省の
本省職員を対象にしたアンケートで、大臣や副大臣などの政務三役に対する
不信感が浮き彫りになった。政務三役の「おごり」を感じる職員も半数近く。
長妻昭厚労相は省の目標で「おごりの一掃」を掲げるが、皮肉な結果が出た。
調査は、長妻氏が厚労省改革のため省内公募した若手職員による
プロジェクトチームが6月に実施した。本省勤務の約3200人が対象で、
省内LANを通じて749人が回答。28日に公表された。
上司の評価は、課長級、局長級以上、政務三役など役職別に調べた。
「現実的なスケジュール感の観点から、納得のいく指示が示されている」
という評価は、課長級38%、局長級以上29%に対し、政務三役は1%。
「厚生労働行政に対する思いやビジョンが伝わってくる」では、
課長級が29%、局長級以上が31%で、政務三役は15%だった。
一方、「おごりを感じる」のは、課長級、局長級以上ともに6%だったが、
政務三役は48%に上った。
結果を公表した若手職員は「職員とリーダーとの信頼関係が構築されて
いない」と指摘。省内改革のため政務三役と職員のコミュニケーション
向上や明確なビジョンの提示を求めた。これに対し、長妻氏は
「局長以上を集めた朝礼で、今後の進む方向を申し上げている。
所信表明も全職員にメールで配った」と戸惑い気味。そのうえで
「もっと強烈に伝わるように工夫をしていきたい」と語った。

政治家は選挙によって国民に対する責任を全うするが、公務員は責任を
取るために辞任を迫られることはないことを踏まえても、おごりを感じる
職員の割合が高すぎるように感じますね。
私は政権奪取後の民主党に、数の論理で押し通してきたかつての自民党と
同じ匂いを感じ始めていますが、「政治主導」の名の下に、官僚組織の
利点さえ無視しているように感じているのではないでしょうか。
その意味では「事業仕分け」も善し悪しかもしれません。
官僚の中には「晒しもの」にされたと感じてしまう方もいるでしょうね。
政治主導が政治による「押し付け」にならないことを期待したいものです。


石田三成末裔の宿で妙高高原へ
2010.07.28

連日の猛暑に、夏本番を実感されていることと思います。
我が事務所は、スタッフ全員が税理士試験の受験生であるため、暑いと
言っていられない現状ですが、この暑さでは、体調管理も大変です。

さて、今日は、この暑い季節にピッタリの避暑地をご紹介。

新潟県は妙高高原に行ってみませんか?
妙高高原に黒姫高原、日本百滝の1つ苗名滝、里山歩きの信越トレイル。
夏の避暑に最適な風光明媚な環境です。

お泊まりは、石田三成の末裔が経営する「石田館妙高ホテル」へ
http://www009.upp.so-net.ne.jp/myoko-ho/

にいがた和牛(山古志産)と豊富な山菜、滋味豊かな日本海の珍味といった
お料理と、源泉かけ流しの温泉が売り物の風情ある和風旅館です。

冬のスキーシーズンもいいのですが、夏のこの時期もなかなかです。

と宣伝ばかりのようですが、実はこの宿、友人の実家なんですね。

大学時代の同級生と結婚して実家に戻り、若旦那・若女将として
頑張っているようです。

この前の大河ドラマ「天地人」では、かねて悪役として描かれることが
多かった石田三成を、直江兼続の盟友として小栗旬が演じたこともあって、
彼のところもそれなりの恩恵を受けたようです。
「小栗旬さまさまだよ」と言ってましたから。

女将さんの人柄がこの宿の魅力になっているので、友人夫婦がどのような
相乗効果を発揮していくのか、楽しみですね。

大学でも人気者だった若女将と、フットワークの軽い若旦那。

妙高高原で素敵な夏をお過ごし下さい。


日本経団連提言、民主導で経済成長を実現する
2010.07.26

日本経団連は、先週23日、
「民主導で経済成長を実現する―新しいWIN-WIN関係を目指して―」
という提言を発表した。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/070.html
その内容は大きく3つに分かれるが非常にシンプルだ。

1.世界経済のパラダイムチェンジへの対応
経済・金融危機を経て、世界は、アジアをはじめとする新興国の成長や
グローバル競争の激化、革新的な技術進歩を伴った産業構造の変革など、
その姿を大きく変貌させつつあり、変化のスピードも早まってきている。
こうした中、わが国では、およそ20年に亘る低成長が続き、国際社会に
おけるその存在感を低下させている。また、経済・社会も閉塞感から脱し
切れていない。
今こそ、規制・制度改革、社会構造の変革等を通じ、成長阻害要因を克服
するとともに、イノベーションの促進ならびに人材の育成により競争力を
強化することで、わが国経済を再生する。
2.社会の健全な発展を担う企業のミッション
企業は、その活動を通じ経済の活力と雇用を生みだし、国民生活の向上や
国の発展を支える、社会にとって不可欠の存在である。
社会の多様化や複雑化が進む中で、安全な商品・サービスの提供、地球環境
への貢献など、消費者をはじめとする様々なステークホルダーからの
企業への期待が高まっている。企業は、社会的責任を果たすべく諸課題に
積極的に取り組み、国民と力をあわせて真に豊かな国づくりを目指す
とともに、世界経済の持続的発展にも貢献する。
3.企業・経済界自らのアクション
豊かな国民生活と競争力強化の両立をはじめとする様々な「WIN-WIN関係」
の確立に努める。その一環として、企業家精神を発揮し、民主導による
「経団連競争力強化レポート(仮称)」を年内を目途に取りまとめ、
その実現に取り組む。
また、政府の強いリーダーシップにより、競争力強化に資する環境整備、
税・財政・社会保障の一体的改革、道州制推進等、超党派の議論を
踏まえた上で推し進めることを期待する。

これまで政治に向けた政策提言に終始してきた経団連が、自らの意思で
会員企業に向けた企業成長のためのプログラムの策定に乗り出す。
政治への圧力団体ではなく、独自路線を取り始めるのである。
この動きが日本離れを促進するものにならないことを期待したいですね。
11月に彼らがどう出るのか、用心して動向を見守りたいところです。


おススメセミナー 事例から見る租税回避の是否認
2010.07.25

税務調査の繁忙期を目前に、おススメのセミナーをご紹介しましょう。

「事例からみる租税回避の是否認(導入編)」
講師:酒井克彦 国士舘大学教授
日時:平成22年7月 30日(金)18時30分~20時30分
会場:スター貸会議室 四谷 第1 新宿区四谷1-8-6 ホリナカビル 302号室
資料代:アコード租税総合研究所会員1,000円、一般10,000円
主催:アコード租税総合研究所 http://www.at-i.info/seminar.html

JR中央線、東京メトロ四谷駅から徒歩1分という絶好のロケーションで
行われる租税回避事例の境界線の線引きにご活用頂けたらと思います。

内容は次の通りです。

租税回避事例というと、とかく国際租税法上の非常に複雑なスキームを前提と
するものが想定されやすいところですが、必ずしもそのようなことはありません。
本セミナーは租税回避議論の整理のための導入講座と位置付け、様々な事例を
整理します。租税回避を否認した課税処分が肯定された事例と課税処分が否定
された事例などの切り口から整理を行い、如何なる理由によってそう判断された
のかを明らかにしていきたいと思います。

アコードの事務局を補佐することになっていながら、今年になってから
1度も参加できていないので、申し訳ない限りです。
今回は出席できるかなあ?何とか、出たいとは思っています。

新進気鋭の研究者で、近年発表した研究量では他に追従を許していない
酒井教授の卓越した理論に基づく租税回避の是否認の判断基準を
是非、肌で感じ、これからの時代に求められる税理士像の変化を
認識して頂きたいものですね。


男女共同参画基本計画策定に関する基本的な考え方
2010.07.24

昨日23日、内閣府男女共同参画会議より、
「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」
という答申が発表された。

男系社会が形成されてきたわが国ですが、女性の社会進出の進展は
経済活力の維持向上に不可欠であり、社会インフラ整備だけではなく、
我々1人1人の意識の変化が求められるところでしょう。

と、私が言い出したら妻が激怒しそうですが...
それはともかく、男女共同参画計画の基本方針が示された。

目指すべき社会として次の4点を掲げる。
1固定的性別役割分担意識をなくした男女平等の社会
2男女の人権が尊重され、尊厳を持って個人が生きることができる社会
3男女が個性と能力を発揮することによる、多様性に富んだ活力ある社会
4男女共同参画に関して、国際的な評価を得られる社会

しかし、2度にわたる基本計画を実施してきたものの、次のような理由から
なかなか進展しなかったものと考えられている。
1 固定的な性別役割分担意識が未だ根強く、解消に対する取組みが不十分
2 男女共同参画は働く女性の支援という印象を与えたことなどにより、
男女共同参画があらゆる立場の人々にとって必要という認識が広まらず、
意識改革や制度改革につながらなかった
3 男女共同参画社会を実現しようとする強い意思と推進力が不足していた
ため、制度や枠組みの整備が進まなかった。
4 男女のセーフティネットや女性の様々な生き方への配慮が不十分であった
ため、制度や枠組みを整備しても成果につながらない場合があった。

だからこそ、15の分野に対してかなり突っ込んだ形で、施策の基本的方向と
具体的な取組について70ページを超える答申を示したのだろう。

私自身も妻や妻の両親に負担をかけ続け、男女共同参画の理念に沿れていない
のが現状ですが、意識して変えていかなければならない部分なんですよね。
女性の活力を活用できなければ、わが国経済の活力回復は望めませんし、
まずは身の回りから、ってできていないくせによく言えるよ!


公立小中学校耐震化率73%、倒壊危険7500棟
2010.07.22

今日21日、文部科学省から衝撃のデータが公表された。
公立の小中学校の耐震化率は73.3%にすぎず、耐震性のない建物がまだ
33134棟もあるというのである。しかも、震度6以上の地震で倒壊の
恐れが高い建物が、そのうち7498棟もあるというのです。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/07/1295735.htm
このデータは平成22年4月1日現在で、平成21年度補正予算等により
工事中のものや平成22年度予算による耐震化事業は対象外だという。
麻生内閣の時点で完成しているものしか反映されていないのですね。

教育現場にも関わるものとして、また、小さい子供の親として、
大事な子供を預かる学校が耐震化できていないのであれば、
どうして親は安心して子供を預けることができるのでしょうか。

それだけではない。地域の防災拠点としての機能を学校が担っている
ケースが多いだけに、地域社会の安全対策の根本を揺るがしかねない事態だ
とも言えるのではないでしょうか。
私自身、マンションの管理組合で監事をさせて頂いておりますので、
区分所有者の権利と物件の価値を守るためにも、防災対策を考える
ところなのですが、我が母校は大丈夫なのだろうかと心配になります。
我が母校、葛飾区立柴原小学校は、地盤が決して固くはない葛飾区にある
関係上、耐震化だけではなく、流動化対策も考えざるを得ないのですが、
近隣の町会にとっては、第一避難場所として区から指定されており、
大きな災害が発生した場合には、まず逃げ込む学校なんですよね。

柴原小学校に限らず、全国の多くの小中学校は、災害時の避難場所に
指定されているのですから、「安心・安全」を考えれば、最優先に
耐震改善がなされなければならない公共事業のはずです。
優先して行うべき公共事業を進めてこなかったかつての政権与党に対する
アンチテーゼであるはずの民主党政権は、国民の安心を標榜していたと
思いますが、どうでしたでしょうかね。
ワースト地域が菅首相の出身地である山口県、次いで国民新党亀井代表の
地盤の広島県。従来から自民党地盤と目されている地域とはいえ、
政権の中枢のお膝元がワーストというのも皮肉なものです。


社会保障・税に関する番号制度、パブリックコメント募集中です
2010.07.21

6月29日に国家戦略室が公表した
「社会保障・税に関する番号制度に関する検討会 中間取りまとめ」
について、8月16日までの期間、パブリックコメントを求めている。
http://www.npu.go.jp/policy/policy03/archive07.html

国家戦略室は、次の3つの視点から、選択肢を示している。

選択肢1 国民にとっての「メリット」と「リスク・コスト」からの選択
A案(ドイツ型)税務分野のみで利用
B案(アメリカ型)税務+社会保障分野で利用
B1案 税務分野、社会保障の現金給付に利用
B2案 税務分野、社会保障の現金給付、社会保障情報サービスに利用
C案(スウェーデン型)税務分野、社会保障分野、役所の各種手続きに利用

選択肢2 正確性・安全性からの選択
<番号に何を使うか>
基礎年金番号案
住民票コード案
新たな番号案
<情報管理をどうするのか>
一元管理方式案 各分野の番号を一本に統一し、情報を一元的に管理
分散管理方式案 情報を各分野で分散管理、番号を活用して連携

選択肢3 プライバシー保護からの選択
国民自らが情報活用をコントロールできる
「偽造」「なりすまし」等の不正行為を防ぐ
「目的外利用」を防ぐ

ただ、示された選択肢を見る限り、菅内閣は、スウェーデン型の新たな
番号制度を分散管理方式で行うけれども、プライバシー侵害をどのように
防ぐかが課題だ、という答えを持った上でのパブリックコメントの募集
であることが見えてしまいますね。
民主党マニフェストが導入を目指している「給付付き税額控除」を
導入するためのインフラ整備として、納税者番号制度の導入が不可避で、
かつ、社会保障費負担を税負担に切り替えていくためにも、納税者番号と
社会保障番号の統合は不可避でしょう。
しかし、納税者番号制度はプライバシー保護の観点から導入できずにきた
経緯がありますから、その点を踏まえて、良くも悪くも、国民的な議論が
進むことを期待したいですね。


概算要求基準一律1割カット報道を受けて
2010.07.20

昨日20日のYahoo!ニュースに掲載された毎日新聞の記事によると、
社会保障費の自然増(1.3兆円)を容認する一方、地方交付税を除く
その他の歳出について各閣僚に一律削減を要求。国債費を除く歳出を
10年度予算の水準(約71兆円)以下に、11年度の新規国債発行額を
10年度(約44.3兆円)以下に抑制することを目指す、という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100720-00000037-mai-pol

2010年度予算でいち早く財政の無駄遣いの是正を掲げ、予算カットを
行ってきた担当大臣の中には、予算の概算要求の一律カットに異論も
あり、予算膨張の原因となったバラマキ予算の是正につながるのか、
疑問もあるところですが、財政支出の削減努力を示すためには、
効果的な方針なのかもしれません。

ただ、2010年度の予算水準自体が非常に高かっただけに、財政規律の
実現に取り組む姿勢としては不十分ではないかという気もしますね。

参議院が過半数割れし、ネジレ状態にあるだけに、野党にも議論の
俎上に上がる意味を見せていかなければ、実質的な議論どころか、
あらゆる政策がストップしてしまうのだから、もっと思い切った
財政運営のかじ取りも必要だと思うのは、私だけではないでしょう。

11月に向けて、新たな経済政策が求められる可能性が高いだけに、
(何故11月なのかはそのうちに...)経済成長戦略に向けて、傾斜予算を
組まなければならないのに、何のための一律カットなんでしょうね。

それよりも、新成長戦略に基づいた緊急性の高い予算は残し、必要だ
けれども2011年度予算である必要性が低い予算を全面的にカットし、
実現を先送りすることの方が、より現実性と実効性が高いと思いますが、
いかがでしょうかね。


森安理恵「公認会計士が教える年収の4割を貯蓄する方法」
2010.07.19

2年くらい前ですかね、ある異業種交流会でご一緒させて頂いた
会計士さんが本を出しましたので、ご紹介します。

森安理恵「公認会計士が教える年収の4割を貯蓄する方法」
サンマーク出版2010年7月刊

森安さんって、壮絶な半生を持っていたんですね。普通のちょっと気が強い
女性なのかな、という印象だったんですが、人生やり直し成功者なんですね。
セカンドチャンスの少ないわが国で、モノにして成功した方が少ないので、
貴重な経験を公開して頂いて、ありがとうございます。

彼女は、公認会計士として仕事をしていく中で、重要なことに気付きました。
それが、監査をして気づいた「お金がたまる会社」と「たまらない会社」
の違い(28ページ以下)、です。

しっかりした会社では、私たちがその会社に到着した時点で、会議室に
必要な書類が入ったファイルがきれいに並べてあります。(略)
一方で、ちょっと頼りない会社に行くと、財務諸表といくつかの資料は
いちおう用意されてはいるものの、整理されていないので、いちいち
こんな書類をください、と頼まないと出てこないとか、頼んでもなかなか
出てこないという感じです。(略)
会社の場合は、お金の記録を必ずつけることが義務づけられています。
そのため、すべての会社がレベルの違いはあれ、必ずお金の記録をしている
わけですが、だからこそポイントを押さえた記録をしているのか、ただ
なんとなく記録しているのかで大きな遅配が出てくると私は考えています。
目的を持って記録をし、普段からきちんと整理をしていれば、どこにどんな
情報があるのかがすぐにわかります。そういえば、これってなんだったっけ?
と思ったときにもすぐに必要な情報を取り出すことができ、ムダな時間を
使いません。でも、なんとなく記録だけはしているものの、とくに情報の
整理をしていない会社は、必要な情報を取り出すのにも時間がかかり、
ムダが多くなるのです。(30-31ページ)

だから、いつ どこで 何に お金を使ったかを記録する「過去ノート」、
実現したい目標や夢、やりたいことをリストアップして、達成するための
道筋を具体的な数字であらわした計画を立てる「今ノート」、計画の進行状況を
チェックし、シュミレートする「未来ノート」の3冊でお金がたまるのですね。


現代税法研究会に出てきました
2010.07.18

昨日17日、現代税法研究会に妻とともに久しぶりに出てきました。
昨日は北野先生追悼特別例会となっており、先日11日に行われた
北野先生をおくる会を受けた形で、納税者の権利を擁護するための
決起集会としての意味も持っていました。

北野先生をおくる会の実行委員長でもありました日本大学の黒川功教授が
「北野税法学の構造と功績」と題して、おくる会の実行委員長としての
挨拶を基にして北野税法学の真髄をかいつまんでご紹介されました。
また、現代税法研究会発足当時からメンバーである税理士の関本秀治先生が
「現代税法研究会こと始め」と題して、研究会の歴史をひも解き、
北野先生最晩年のカバン持ちをされてきた税理士で関東学院大学教授の
阿部徳幸先生が、「納税者権利憲章を考える」と題して、政府税調の
納税環境小委員会が検討を続ける納税者権利憲章について、その意義と
必要性を、国際比較を交えつつ、講演されました。

昨日の会で私が最も印象に残ったのが、北野先生の教えだと思っていたと
黒川先生がご紹介された次の言葉です。

「大衆に奉仕しない学問は有害である。」

滝川事件の当事者として京都大学を追われた末川浩先生のモットーだったとの
ことですが、弱い立場に置かれていた納税者のために、その生涯を全うされた
北野先生らしい苦言だと思います。私自身も、大学教育・税理士啓蒙の現場に
ある者として、改めて、身を引き締めなければならない思いが致します。

税法教育において、大衆、つまり納税者に寄与しない学問は、有害であろう。
課税するための論理ではなく、国家と対等な立場で一個人の素人が議論
出来得るはずはなく、我々税理士が専門家としてあるべき税制を念頭に、
納税者の権利を守れなければ、国民が課税の公平感を得ることは難しかろう。

私が「理論武装は納税者のために!」をモットーに税理士業務を遂行するのも
私が勉強するのは、自己満足ではなく、お客様の役にたつためなのだ、との
思いがあるからなのですが、税法教育の重要性がますます高まることが
予想され、また、専門家責任の在り方も厳格化されていくことになろう。

我々専門家の在り方が見直される時期が来ているのかもしれませんね。


年金二重課税事件、最高裁で逆転勝訴!(4、国税庁HP対応表明)
2010.07.17

7月6日の年金二重課税事件最高裁判決を受けて、国税庁はHPで
「遺族が年金形式で受け取る生命保険金に対する所得税の課税の
取消しについて」をアップした。
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h22/9291/index.htm

国税庁においては、上記の方針を踏まえ、これまでの法令解釈を変更し、
これにより所得税額が納めすぎとなっている方の過去5年分の所得税
については、更正の請求を経て、減額更正を行い、お返しすることと
なります。現在、判決に基づき、課税の対象とならない部分の算定方法
などの検討を進めていますので、具体的な対応方法については、対応
方法が確定しだい、国税庁ホームページや税務署の窓口などにおいて、
適切に広報・周知を図っていくこととしています。
また、過去5年分を超える納税分については、上記の方針に基づいた
対応策が決まりしだい、適切に対処します。

とあるので、野田財務相の7日の発言を受けて、更正の請求を求める
ものの、還付の方針だという。ただ、課税の対象とならない年金の
現在価値の算定方法が明確にされていませんので、7月6日判決を受けての
更正の請求となると、後発的理由に当たるのでしょうから、判決を知った
日の翌日から起算して2カ月内ですから、9月6日までに更正の請求が
できるよう、大至急、算定方法を明示する必要があろう。

昨日の生保協会の新会長の記者会見でも、国税庁の対応を確認した上で、
対応を考える旨が明らかにされました。
生保業界では、二重課税の対象となる年金保険受給者が誰なのか、
相続税を支払った方のみが対象であるだけに、調べようがないですからね。
税務署からこの方の年金保険が対象の可能性が高いですよ、と指示を
受けなければ、対応のしようがないですからね。

もし国が保険会社に迅速な対応を指示したならば、源泉徴収票の再発行を
機械的に行うほかはないのですが、そうすると、再発行された源泉徴収票を
受け取った方々は、自分が二重課税の対象であると誤認した結果、
税理士に還付申告で申告書の作成依頼をすることになるでしょう。
しかし、相続税を支払っていない場合(現状では、死亡した方の4%程度)、
二重課税の対象ではないですから、当然還付されず、ムダな費用をかける
ことになってしまいますね。だから国税庁の迅速な対応が必要なんです。


偉大な故人を偲ぶ
2010.07.16

昨日は、東京税理士会葛飾支部の元支部長でした故三村成計先生を
偲ぶ会に参加させて頂きました。
三村先生ゆかりの筑波カントリークラブにて追悼コンペを行った上で、
金町の割烹、和可奈にて偲ぶ会という運びでした。
私は所要のため、追悼コンペには参加することができませんでしたが、
偲ぶ会だけでもと参加してきました。

私は故三村先生との接点が多くはなく、支部行事でご挨拶させて頂く程度の
関係ではありましたが、私のような若輩にも声をかけて頂ける存在でした。
ご子息の三村摂先生が葛飾支部の研修担当副支部長を務められており、
私は摂先生に受けた御恩の方が多いかもしれませんね。

税理士としてその本分を全うすることが先生に受けた御恩に報いることだ
と思いますから、頑張って皆様方のお役に立ちたいと思います。

今年は私にとって大恩ある方々を亡くした年になってしまいました。
昨日偲ぶ会に参加させて頂いた三村先生をはじめ、
法政会計人会でお世話になりました上野支部の倉又光雄先生、
そして何よりも偉大な存在でありました税法学の北野弘久教授。

倉又先生には、平成16年に法政会計人会に入会して以来、色々と相談に
乗って頂いたり、色々なことを教えて頂きました。この5月まで
法政会計人会の東京支部長としてもご尽力頂いていただけに、残念です。
11月に法政会計人会がホスト役となる全国会計人会サミットを成功
させることで、先生のご供養にしたいと思います。

北野先生は、数多くのお弟子さんを育てられ、また、先生の気迫溢れる
研究から多くの示唆と薫陶を受けた実務家も多いことと思います。
私自身も北野先生から多大なる影響を受けており、妻は大学、大学院と
北野研究室に所属し、結婚式で先生の祝辞を頂き、感激しました。
先生の研究成果を浸透させ、税法学のあるべき姿を実現できるよう、
活動していくことが先生の薫陶を受けた者の務めだと思います。

先生方、安らかにお眠り下さい。合掌。


税務調査と税理士の権利
2010.07.15

税理士必見の本を紹介しましょう。
右山昌一郎「税務調査と税理士の権利」大蔵財務協会(2010年4月刊)
すでに読まれている方も多いことと思いますが、税務調査のハイシーズンを
前に紹介しておきたいのですね。

税務調査を考えるとき、注意すべきはその性質についてでしょう。
「福祉行政を行うためには、国家の秩序の維持とその費用負担が必要と
なります。そこで、これらの点に基づき社会生活とは異なった行政の特質が
定められます。すべての国民の生活は、秩序の下に成立しています。
そして、秩序を形づくる法律を立法で制定し、秩序に係る争いを司法で
法律により裁断しています。その間の秩序違反の取締り(広い意味の監視、
管理を含みます)に権力行政としての警察行政が必要になってきます。
さらに、福祉行政を行う国家は営業を営まない形態として成立しています
ので、その行政費用は納税の義務(憲法30)に基づき国民から租税として
徴収しなければなりません。しかし、租税負担を好きだという国民は
いないといっていいでしょう。そこで、租税負担公平のためにも権力行政
としての租税行政が必要になってきます。ここで重要なことは、この二つの
権力行政は、福祉行政のための下支え又は裏打ちに係る公務員の全体の
奉仕活動の一端であって「官尊民卑」の心で誠実な国民を苛める権力行政
ではないことを述べておきます。」(17ページ)

つまり、福祉行政を行うための行政費用の確保のための租税行政であると
おっしゃられるわけですね。そして、税務調査の意味を次のように捉える。

「まず税法があって、その課税要件のとおりに申告が行われているかを
確定する事実認定が税務調査だと考えることができます。そこで、何を対象に
事実認定を行うかというと、経済取引が帳簿書類等に正しく反映され、かつ、
公正・妥当な計算等に基づいて適正な申告が行われているかを確定する
ために、税務調査が存在するということができます。」(57ページ)

つまり、正しい申告がなされているのかを確認して、申告内容を確定する
ために行われるのが税務調査だ、ということになるのです。当たり前の
ことを当たり前にできていれば、税務調査を怖がる必要はないですよね。

そして、「税理士も「租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を
図る」ことを目的としていることから、租税に関する法令が「法的安定性」
及び「予測可能性」に相応しい法令であるか否かの判断が、税理士の有する
自力解釈権の第一歩でなければならないと考えられます。」(108ページ)と
考えるわけです。税務調査での争いについても、法令解釈の相違を争う、
よりよい税務行政の実現に資するものでありたいと思う今日この頃です。


船井幸雄「退散せよ!似非コンサルタント」
2010.07.14

激動の時代を生き抜くために、我々は今、何を考え、何をするべきなのか。
この厳しい時代に直面している経営者の皆様は、必死に生き残るための
戦略を日夜考え続けていることと思います。
そこで、ぜひ読んで頂きたい本があります。

船井幸雄「退散せよ!似非コンサルタント」(李白社2010年7月刊)

著者である船井氏自身「おそらく私の最高傑作ではないか」とする本書は、
「2020年ごろまでに世の中は大転換する」(徳間書店2010年5月刊)と
併せ読むことを船井氏自身が勧めております。
今の激動の時代に対する船井氏の慧眼には常に驚かされるところです。

本書では、第1章で、船井氏自身が闘病体験に基づいた医師への違和感が
経営コンサルタントの資質との共通性があることを見出し、
「私自身は50年間のコンサルタント経験を通じ、数万件を優に超える
コンサルティングを手掛けています。しかも、どんなことも引き受けた以上、
命をかけて相談相手の立場になって、全責任を持って24時間対応で
やってきました。」(22ページ)「重要なのは、第一に経験、加えて仕事に
取り組む姿勢、この二つに尽きるようです。つまり、優れた経営
コンサルタントを目指す人は、なるべく多くの仕事をこなそうとする
意欲を持ち続けること。そして、すべてのクライアントに対して、常に真剣、
親身に接し、相手の立場になって命がけで仕事に取り組むこと」
(23-24ページ)を指摘した上で、
「命がけで患者を診る医師が少なすぎる」(27ページ以下)
「検査データ崇拝は間違っている」(30ページ以下)
「「人」を忘れた経営理論を嗤う」(94ページ以下)
「クライアントのために死ねるか」(112ページ以下)
「コンサルティングは「人間対人間」の仕事」(145ページ)
等、船井氏の経験に裏打ちされたコンサルティングの真髄を明らかにする。

税務コンサルを標榜する私にとっては、実に耳が痛い話ばかりで、
だからお前は・・・と叱られている気分になってきますが、船井氏が指摘した
医師への違和感との共通項を、我々税理士がクライアントに感じさせている
現実を考えると、他人事とは思えないリアリティを感じます。
「人の振り見て我が振り直せ」ではないですが、必死に客を守ろうとする
意思を示し続けていくしかないんでしょうね。


年金二重課税事件、最高裁で逆転勝訴!(3、野田財務相発言)
2010.07.12

年金二重課税事件最高裁判決(最判H22.7.6、TAINSコードZ888-1536)
を受けた7日の野田財務相の発言は、国民目線の潔さを感じましたね。

時効成立前の5年分の還付だけではなく、それ以前についても制度措置を
検討する、とのことですね。

この措置が生保業界を震撼させるとの新聞報道が多いのですが、この点に
ついては、疑問を投げかけざるを得ないところです。

なぜか?

最高裁は、年金に対する源泉徴収制度を否定するものではなく、相続税と
所得税の二重課税を否定するものですから、生保業界がこの判決を受けて
調査しなければならない主体的な理由がないんですね。
還付することを要求されるのは、相続税額を徴収した税務署であって、
税務署が、この人の年金は相続税で課税済みだからこの年金の源泉税を
いくら徴収していたのか、生保に問い合わせがあってからでなければ、
生保業界が徴収しすぎになっていた源泉税額がいくらあったのかを
調査することができないからです。
税務署から生保に対して、この人に対するこの年金で徴収した税金が
いくらあったのかの調査を依頼することになるので、
膨大な数を手当たり次第調査することをこの判決は一切要求していない
ことを理解して頂く必要があります。

最高裁は、生保が源泉税を徴収することに違法性はない、としたわけで、
あくまでも相続税で年金受給権を申告して相続税を支払った方に対する
所得税だけを二重課税であるとして否定しただけなんですよね。

昨日の夕方、野田大臣の発言の後で、あるテレビ関係者から、
この事件についてお問い合わせを頂きましたが、
税理士と課税当局にとっては甚大なる影響があるものの、
この事件によって救済される方が多くはないですよ、とお答えしました。

相続税を支払っている方は、亡くなった方の4%程度ですし、その中で
年金型保険を受け取っていた方だけが対象になるだけなんですから、
正直、対象者は少ないと言わざるを得ないですね。


年金二重課税事件、最高裁で逆転勝訴!(2、判例解説)
2010.07.11

昨日は、年金二重課税事件の判決文を紹介しました。
この判決は、次のように考えられるんですね。

相続税法の課税対象となっている経済的利益である年金受給権は
相続税で課税されている場合には所得税の課税対象にはならないから、
保険会社が天引きした年金の源泉税の還付請求権を行使できるよ、
と判示したのです。

この判決の影響は甚大であろう。
年金の確定申告において、相続税申告の依頼を受けていなかった税理士が、
申告する年金が、すでに相続税の対象になっていた年金か否かを判断
することは不可能に近く、税務署でも困難であることは容易に想定できる。
相続による還付請求の際には、相続税申告書のコピーを添付する等の
制度措置が必要であるところですね。

さらには、この判決を受けて、本件と同様に二重課税を受けていた納税者に
対する救済をどうするのか、非常に苦慮するところです。
この点は、政治判断が求められるところですが、福岡高裁で逆転敗訴
したことから、更正の請求をためらった税理士も多かったのではないか、
と推察されます。
いずれにしても更正の請求が必要になるところですが、後発的理由として
認められるとしても、知った日の翌日から起算して2カ月内ですから、
9月6日までに更正の請求をしなければ、還付を受けることができないことに
なりますよね。
税理士による情報発信に対する専門家責任の在り方が強く問われることに
なりはいないか、非常に心配ですね。

さらには、時効の問題もあります。
5年で絶対的消滅時効によって法律上の権利が完全に失われておりますので、
今日の時点で17年7月分以降の年金に対する源泉税までしか還付請求
できないんですよね。この点も政治判断が求められるところです。
消えた年金に対する時効分の給付と同様、時効成立以前の二重課税に
対しても還付を認めるのか、菅首相の早急な明言が必要です。
その意味では、7日の野田財務相の還付発言は大いに評価できますね。


年金二重課税事件、最高裁で逆転勝訴!(1、判決紹介)
2010.07.10

今月6日、最高裁第三小法廷で注目の判決が、納税者勝訴判決を得た。
亡くなった旦那さんの年金保険を受け取っていた老婦に対する課税事件で、
相続税で課税された保険金受給権にもかかわらず、受け取った年金にも
所得税が課せられていた、という事件である。
最高裁は、次のように判示し、課税の取り消しを認めたのである。

所得税法9条1項は、その柱書きにおいて「次に掲げる所得については、
所得税を課さない。」と規定し、その15号において「相続、遺贈又は
個人からの贈与により取得するもの(略)」を掲げている。同項柱書きの
規定によれば、同号にいう「相続、遺贈又は個人からの贈与により取得
するもの」とは、相続等により取得又は取得したものとみなされる財産
そのものを指すのではなく、当該財産の取得によりその者に帰属する所得を
指すものと解される。そして、当該財産の取得によりその者に帰属する
所得とは、当該財産の取得の時における価額に相当する経済的価値に
ほかならず、これは相続税又は贈与税の課税対象となるものであるから、
同号の趣旨は、相続税又は贈与税の課税対象となる経済的価値に対して
所得税を課さないこととして、同一の経済的価値に対する相続税又は
贈与税と所得税との二重課税を排除したものであると解される。

これらの年金の各支給額のうち上記現在価値に相当する部分は、相続税の
課税対象となる経済的価値と同一のものということができ、所得税法9条
1項15号により所得税の課税対象とならないものというべきである。

所得税法207条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払をする者は、
当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かに
かかわらず、その支払いの際、その年金について同法208条所定の金額を
徴収し、これを所得税として国に王府する義務を負うものと解するのが
相当である。
したがって、B生命が本件年金についてした同条所定の金額の徴収は適法
であるから、上告人が所得税の申告等の手続において上記徴収金額を
算出所得税額から控除し又はその全部若しくは一部の還付を受けることは
許されるものである。


日本創新党(子供にツケをまわさず現世代で負担増)
2010.07.09

山田前杉並区長を党首に、中田前横浜市長を代表幹事とする首長連合、
日本創新党は、私達の理念と政策の中で7本の柱を打ち出している。

1 自由で力強い「成長と改革」で財政再建!
2 教育を豊かにする! 新たな「人財立国」日本!
3 現実主義に基づく外交・安全保障政策で国益を守る!
4 安全・安心を高める! 将来不安をなくす!
5 地方を元気にする! 地域の魅力と人財力を高める!
6 「いのちの大国」としての貢献を!
 かけがえのない「家」と「環境」を次世代に!
7 「誇るべき国、日本」の未来を確かなものに!

各章ごとに要約とポイントがまとめられ、非常に読みやすいのが特徴です。
冒頭に来たのが、党の特徴であろう地方問題ではなく、財政再建でした。

これ以上、国の債務を増大させ、子供たちへツケをまわすことは
許されません。現在の財政状況はきわめて深刻です。われわれはこの現状を
真剣に受け止め、むしろ、あえて現世代での負担増も辞さずに改革に
取り組み、「より少ない税金でよりよい政治を実現する『減税国家』を
未来世代に残す」ことをめざします。
そのためには、われわれは二つの政策を力強く進めます。
一つは、抜本的な行政改革の断行です。まず国会議員の半減と、公務員数の
3分の1削減に取り組み、さらに「地方の自立」の徹底により、ムダを
根本的に解消します。いま中央集権のお仕着せによる国と地方の「重複行政」
の弊害により、多くのムダが生み出されています。「廃県置州」を行って
思い切った地方分権の仕組みを作り上げ、地域の自主自立の徹底によって、
より行政コストの小さな「効率的で賢い政府」を実現します。
もう一つは経済成長による財政再建です。日本の成長を妨げている規制・税制
を徹底して見直し、国際的にも魅力あるビジネス環境(「新・楽市楽国」)を
実現します。また、社会インフラ整備、住宅政策、国際競争への対応など、
政府が積極的に関与すべき分野については協力推進します。「民」の活力を
最大限に活かし、経済を再び成長軌道に乗せ、それに伴う税収増で、
破綻寸前の国家財政を立て直します。

市町村で経験してきたノウハウを国政に活かそうというのでしょう。
経験値が意味を持つ世界だけに期待したいところです。
ただ、減税国家を標榜しながら、法人減税とともに消費増税を掲げている
ことには違和感を感じますね。


新党改革の約束(海外流出防止のための法人減税)
2010.07.08

新党改革は、日本新生計画として4つの改革と11の計画を打ち出した。

改革1 カネのかかる政治と決別
 計画1 新政治モデル
 計画2 清潔な政治
 計画3 政治主導・リーダーシップ
改革2 日本経済の復活
 計画4 経済成長
 計画5 内向きから外向き
 計画6 地方分権
改革3 安定した外交・安全保障政策
 計画7 安定した外交・安全保障
 計画8 危機管理の強化
改革4 安心して暮らせる社会
 計画9 70歳現役社会
 計画10 社会が雇用に責任
 計画11 世界最高の暮らし

税財政に関連する政策は少ないが、特に注目したいのは、計画4。
法人税の大減税 では、次のように主張する。
世界の中で日本だけが取り残される状態になっており、企業の海外流出が
始まっています。それを防ぎ、逆に海外から呼込むため、高負担の象徴
である法人税を、韓国レベルである25%まで大減税します。

また、規制緩和 でも、次のように主張する。
日本が直面している大きな課題は、企業の海外流出です。日系の主要企業の
半数以上がなんらかの形での海外移転を模索していると言われ、既に、
他のアジア諸国に重要拠点を移す動きは始まっています。
法人税だけではなく、市場の大きさ、制度、金融、物流、人材、治安、
生活習慣などの様々な要素から企業立地や経済成長は決まります。
この全てにおいて、規制緩和を徹底し、国際社会の中で、日本が最も
事業環境が整い、住みやすい国に変えます。

他党においても、日本の国際化を主張しているが、国際化を急がなければ
ならない理由を明確に指摘したのが舛添氏の新党改革。私も講義中に学生に
話していますが、わが国の経済状況はここまで危機的になっているんですね。


たちあがれ日本政策宣言2010(2、税制改革と財源確保の必要性)
2010.07.07

たちあがれ日本の財政再建策は、麻生政権時代の与謝野財務金融相(当時)
の政策が色濃くでている。強い財政の中で、明確に打ち立てたと言えよう。

まず、4の逃げない政治 において、「財政健全化の道筋」を示す。
1消費税率:2012年度に3%、2015年度以降段階的に7%引き上げ
2一般歳出:88.5兆円で3年間凍結、その後は実質横ばい
3財政赤字(基礎的財政収支)GDP比を3年(2010年度→2012年度)で
半減。→ 3年間で赤字半減

消費税を最終的には15%に引き上げることによって財源を確保し、
率先垂範のため、まず3年間に限って国会議員歳費を3割カットして、
まず政治家も自らの身を切る覚悟を迫っている。

2の財源に支えられた日本型「安心福祉」社会 において、上記のように
確保した財源により、次の5原則に従い安心福祉社会の実現する、という。
1「財源こそ政治の命」
2「生涯現役・女性活躍」で超高齢化を克服
3「タダ乗り」助長型の福祉制度は間違い
4「雇用の安心」なくして「生活の安心」なし
5「割り勘」を増やしてリスクに対応

文藝春秋5月号に与謝野共同代表と園田幹事長が発表した原稿では、
「選挙対策で目先の国民負担を減らし、将来にツケを回すような制度だけは
絶対に作ってはならないのだ。だからこそ、国民が老後まで安心して生活
できるために、安定的に維持できる財源を確保しなければならないのだ。」
としているが、だからこそ、増税論戦を張り続けたのでしょうね。

だから、1戦後最大の「税制改正」が日本を強くする、と主張するんですね。
消費税は社会保障目的税化され、2012年に3%アップ。そのうち、2%を
福祉に、1%を法人減税に充てるという。経済回復後から段階的に15%にまで
アップするが、食料品などの生活必需品には軽減税率を適用する、という。
所得税では消費増税に伴い実質減税を図り、高所得高齢者の年金控除の廃止、
給付付き税額控除制度、海外研修経験の20代に対する減免等を導入する。
法人税率も消費増税に伴い10%減税(欧州並みへ引下げ)。相続税は教育税へ
転換するというのは非常に特徴的です。たちあがれ日本の特徴とも言える
だけに、税制改革の内容をもっと細かく発表してほしかったところですね。


たちあがれ日本政策宣言2010(1、雇用の産業間移動の実現)
2010.07.06

たちあがれ日本は政策宣言2010において、5本の柱を立てている。

1. 強い経済
(1)強い国際競争力で「本物の成長」を持続する
(2)医療・介護・保育で300万人の新規雇用を
(3)「生涯現役・女性活躍」社会への転換
2.強い財政
(1)戦後最大の「税制改革」が日本を強くする
(2)財源に支えられた日本型「安心福祉」社会
(3)次世代に迷惑をかけずに医療や年金の安心を強める
(4)逃げない政治 財政健全化、議員歳費削減
3.強い政治
(1)自分の国の安全と安心は自らの手で守る
(2)現実的な外交・安保で、頼りになる日本を
(3)官僚の天下り根絶、「機能する政府」へ
4.強い教育
(1)世界に負けない若者へ、教育大転換
(2)教員免許更新制と全国学力テストの再開
5.強いふるさと
(1)山と海を守り、里を守り、治安を守る
(2)自給率向上で安全・安心な食卓を作る

強い強いと連呼されると、さすがタカ派と唸りたくなるところですが、
その内容は、今の閉塞感を打破するヒントに富んでいます。

まず、強い経済では、アジア共同市場を視野に入れて貿易を増やし、
優秀な外国人人材の登用を図り、早期にデフレを脱却するために、
民間貸出を増大させる、という。また、雇用の産業間移動を促進させ、
年齢や性別による就労差別を撤廃させる、という。
医療・介護・保育の現場では、スタッフ不足、施設不足、過剰規制の
問題がありますが、新規財源を確保して賃上げ、人材訓練を実現する
ためにも、雇用の産業間移動と確保と、元気な高齢者と働きたい女性の
活躍の場を確保することが必要なんですよね。人材の流動化が広がる
ことで、中途採用の可能性が広がるでしょう。ただ、自分探しに漂流
しやすくなること、外国人との競争に耐えられない若者をどうするのか。
若年層の再教育を含めて、考えていかなければならないのでしょうね。


みんなの党アジェンダ2010(3、産業構造リニューアルによる経済成長)
2010.07.05

みんなの党の政策の根幹は、痛みを伴う官の削減、無駄の排除にある。
しかし、削減だけでは将来のビジョンは見えてこない。みんなの党は、
「2 世界標準の経済政策を遂行し、生活を豊かにする!」として、
名目4%以上の経済成長を主張する。しかし、その内容は、強烈だ。

2 日本の国際化を進める。世界標準の合理的な経済政策を進め、閉鎖的な
規制や制度は改革する。
3 産業構造を従来型から高付加価値型へ転換。ヒト、モノといった
生産要素を、予算、税制などでバイオ、エレクトロニクス、新素材、環境、
エネルギー等の将来成長分野へシフト。
8 旧来型の護送船団方式の産業政策からは脱却。

つまり、日本経済を世界的に開放し、負け組を生き長らせる政策ではなく、
元気な産業へ、希少資源を集中投資することによる成長を考えるというのだ。
ただ、弱者対策も忘れない。

4 一方で、地域密着型(地場)産業(医療・介護、福祉、子育て、
家事支援、教育、農業等)を規制緩和、税制などで創出。また、地域を
支える中小企業の活性化、競争力向上を支援するため、「中小企業憲章」
及びそれに基づく「中小企業条例」を制定。
11 1500兆円の個人金融資産を活用。(贈与税の軽減、寄付金税制の拡充など)
14 「全額税額控除」の導入等寄付金税制の拡充などによりNPO活動等の
公益活動を活性化。

産業競争力は弱くとも安心できる暮らしには欠かせない産業についても、
国による保護ではなく、活性化を旨とし、民間資金の流入可能性を
拡大させている点が特徴的だ。
さらには、
13 租税特別措置(5兆円)を抜本的に見直すとともに、法人税
(実行税率ベース)を現行40%から20%台に減税
するという。

企業活動における国際競争力を阻害しかねない高税率となった法人税を
中国・韓国並みに引き下げ、日本企業の競争力を高めるというのですね。
そして、30億人のアジア市場をわが国と一体のものとして、アジア圏の
ヒト、モノ、カネが一体として成長することを狙っているようですね。


みんなの党アジェンダ2010(2、埋蔵金は30兆円)
2010.07.04

みんなの党は、埋蔵金を30兆円と試算し、まずは埋蔵金を掘り出し利用した上で、その後の恒久財源については検討が必要であるとする。

5 財源はしっかり手当てする! の冒頭で次のように指摘した。

特別会計などに眠る「利益剰余金」「積立金」などの資金、すなわち「埋蔵金」については、かつては存在さえも否定する見解があったが、我々を含む各方面からの指摘にたえきれず、結局、ここ数年間で30兆円もの「埋蔵金」を、政策経費や借金返済に使用することを認められるようになった。ただ、その使い方は、財務省をはじめとした霞が関が認めたものだけを、渋々出してきた「小出し・後出し」にすぎない。そこで今、我々「みんなの党」は、以下に、「埋蔵金」を含む「財源論」を具体的に提示した。もちろん、政権内にいない我々にはデータへのアクセスなどで様々な制約がある。しかし、「増税の前にやるべきことがある」。「埋蔵金」すなわち「官僚のへそくり」を、一円残らず掘り出さないと国民の納得は絶対に得られない、と「みんなの党」は考えている。増税の前に、また、借金を増やす前に、「へそくり」を使うことは当たり前なのだ。政府・与党は、借金1000兆円で先進国最大というが、バランスシートのもう片方の資産を見ると700兆円もあり、これも先進国で最大である。借金が大変であれば、売れる資産を売るのも当たり前だ。資産の中には、道路などの固定資産、独立行政法人などへの貸付金など、有価証券などがあり、すぐに売却できない固定資産200兆円以外を精査して、どれだけ資産を圧縮し、債務を返済できるかどうかを検討しなければならない。それらの資産の多くは、官僚の天下り先への資金提供になっているので、脱官僚を結党宣言とするみんなの党こそ、これらの既得権に切り込める。

まずは身を切り、身軽になって借金を返すことは、借金返済に苦しむ方に対するアドバイスとして適切であろう。だから我々、という結論にはかなり短絡的なところを感じるが、安倍・福田両政権で取り組んできた改革が骨抜きになってきていることを憂う渡辺氏にしてみれば、やはり自分が、という思いが強いのだろう。民間でできることは国の手から離す。これは小泉制度改革路線の基本路線でした。チャンスに敗れた者へのケアを忘れないことが肝要ですが・・・。


みんなの党アジェンダ2010(1、増税の前にやるべきこと)
2010.07.03

みんなの党のマニフェストはアジェンダと成長戦略の2つに分かれる。
アジェンダは次の5つの柱で成り立っている。

1 増税の前にやるべきことがある!
 ますは国会議員や官僚が身を切るべき
2 世界標準の経済成長を遂行し、生活を豊かにする!
 名目4%以上の成長で10年間で所得を5割アップ
3 「地域主権型道州制」で格差を是正する!
 「3ゲン」を移譲し、消費税は地方の財源に
4 激動する国際環境を踏まえた戦略的な外交を!
 日米同盟を基軸に国民や国土はとことん守る
5 財源はしっかり手当てする!
 埋蔵金は3年間で少なくとも30兆円

そのそれぞれについての具体的な内容は、アジェンダよりも
渡辺喜美「「みんな」の力―小さな政府で日本は飛躍する―」宝島社新書
(2010年6月刊)を読んで頂いた方が分かりやすいかもしれません。

安倍・福田両政権で行政改革担当大臣を務め、公務員制度改革に情熱を
燃やした結果、麻生政権下で与党自民党を離党するに至った渡辺氏だけに、
増税前にまず国会議員や官僚が身を切ることを主張する点が特徴的だ。
・国家公務員の10万人削減(道州制導入と地方出先機関の廃止など)
・年功序列賃金を廃止し、身分保証を外しリストラを可能にする
・公務員給与の2割カット、ボーナス3割カット
・独立行政法人の廃止・民営化等
・内閣予算局を新設し、埋蔵金(30兆円)を発掘
・国会議員の削減(衆院300、参院100)
・国会議員給与の3割カット、ボーナス5割カット
・議員特典としての無料パス(JR、私鉄、バス)、無料航空券を廃止
・衆参議員宿舎を売却
・議員年金を完全廃止  など

国民に痛みを伴う負担をお願いする前に、議員や官僚がまずは身を切ることが
先決だと言うんですね。やれるだけのことはやった上で、国民に負担を
お願いするのが筋だと思いますね。ただ、官僚の激しい抵抗にあうことは
当然でしょう。だからこそ離党せざるを得なかったのでしょうからね。


共産党選挙公約(2、軍事費削減、法人税増税による財政再建
2010.07.02

共産党は、消費増税のからくりは法人減税と考えているようですが、
財政再建については「社会保障と暮らしを支え、財政再建に道をひらく
財源はこうしてつくります」として、次のように主張しています。

社会保障を支える財源をつくるためには、まず無駄遣いの徹底した一層が
必要です。年間5兆円にのぼる軍事費に抜本的な縮減のメスを入れます。
とりわけ、年間3370億円という史上最高となっている米軍への
「思いやり予算」や米軍再編経費は撤廃します。「1メートル1億円」
もかかる東京外環道計画を中止し、高速増殖炉「もんじゅ」への財政支出を
やめ、政党助成金を撤廃します。
あわせて、行き過ぎた大企業・大金持ち減税を抜本的に見直します。
現在10%も証券優遇税制をただちにあらため、まず20%に戻し、さらに
諸外国並みに富裕層は30%以上に引き上げます。下げすぎた所得税・
相続税の最高税率を元に戻します。大企業への研究開発減税など優遇税制を
あらためるとともに、下げすぎた大企業にたいする法人税率を段階的に
元に戻します。アメリカのオバマ政権も、高額所得者と多国籍企業に
むこう10年間で約100兆円の増税を求め、それを国民生活にまわす
税制改正をすすめようとしています。
さらに、大企業が溜め込んでいる内部留保は229兆円にもおよびます。
過剰な内部留保と利益を、雇用と中小企業など社会に還元し、家計・
内需主導の健全な経済成長の軌道にのせることで、税収を確保します。
当面の歳入と歳出の改革によって、7兆円~12兆円程度の財源がつくれます。
さらに日本経済が家計・内需主導の健全な成長の軌道にのれば、安定的な
税収増が見込めます。
消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくれます。

軍事予算の実態を考えると、軍事予算の大幅な縮小は現実的ではないし、
「思いやり予算」を廃止するならば、在日米軍の在り方について国民的な
議論が必要でしょう。
共産党は長年、所得税率の最高税率の引き上げとともに最低税率の引き下げ、
法人税率の引き上げ、相続税率の引き上げを主張していますが、
国際化できた日本人・日本出身企業の日本離れを進めることになり、
結果として雇用環境の悪化を招きかねないのではなかろうか。
また、事業仕分けの対象の公企業ならいざ知らず、民間企業が溜め込んだ
資金を吐き出させる強制力はどこにあるのでしょうか。
法治国家日本で可能なんでしょうかね。正直、実現性には???ですね。


共産党選挙公約(1、消費増税は法人減税の穴埋め?)
2010.07.01

共産党の選挙公約は、パッと見の分かり易さに乏しいけれども、
好き嫌いはともかく、実に共産党らしい読みごたえのあるものですね。

"アメリカ・財界いいなり"から「国民が主人公」の政治への転換を
そうしてこそ「政治を変えたい」という願いが生かせます。
という共産党の選挙公約は、これまでの日本の政治への働き方自体の変革を
求めるものであり、政権交代という枠組みで考えると誤解しそうです。

「大企業減税の穴埋めの消費税増税には絶対反対です」では、
次のように指摘しています。

民主党は、参院選公約で、「強い経済」の目玉として、「法人税引き下げ」を
明記しています。さらに、「強い財政」の目玉として、「消費税を含む
税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始」するとしています。
菅首相は、「当面の消費税率は自民党が提案する10%を一つの参考にする」
と大増税をすすめることを言明しました。大企業減税の穴埋めに消費税の
増税を図ろうというのです。(中略)
日本経団連や経済産業省は、法人税率を25~30%に引き下げることを
要求しています。25%まで引き下げたら、消費税率にすると4%分に
相当します。消費税を10%に増税しても、そのほとんどは、法人税減税で
消えてしまうのです。
実際、消費税が導入されて22年間で、消費税の税収は総額で224兆円に
なりますが、同時期の法人3税の減収は208兆円にのぼります。
消費税は、「社会保障のため」といって導入・増税されましたが、実態は
法人税の減収分の「穴埋め」になってしまったのです。

さすが共産党。痛いところを突いてきますね。
ただ、法人税減収は、消費税導入当時は想定されていなかったことには
注意が必要です。バブル崩壊の結果として法人税の大幅な減収を招き、
たまたま消費税による増収額と法人税の減収額が近似しているのですが、
今思えば、海部内閣が消費税の導入に成功できなかったら、
バブル崩壊後の日本の財政や社会保障がどうなっていたのか、ゾッとします。