年金二重課税事件、最高裁で逆転勝訴!(1、判決紹介)
今月6日、最高裁第三小法廷で注目の判決が、納税者勝訴判決を得た。
亡くなった旦那さんの年金保険を受け取っていた老婦に対する課税事件で、
相続税で課税された保険金受給権にもかかわらず、受け取った年金にも
所得税が課せられていた、という事件である。
最高裁は、次のように判示し、課税の取り消しを認めたのである。
所得税法9条1項は、その柱書きにおいて「次に掲げる所得については、
所得税を課さない。」と規定し、その15号において「相続、遺贈又は
個人からの贈与により取得するもの(略)」を掲げている。同項柱書きの
規定によれば、同号にいう「相続、遺贈又は個人からの贈与により取得
するもの」とは、相続等により取得又は取得したものとみなされる財産
そのものを指すのではなく、当該財産の取得によりその者に帰属する所得を
指すものと解される。そして、当該財産の取得によりその者に帰属する
所得とは、当該財産の取得の時における価額に相当する経済的価値に
ほかならず、これは相続税又は贈与税の課税対象となるものであるから、
同号の趣旨は、相続税又は贈与税の課税対象となる経済的価値に対して
所得税を課さないこととして、同一の経済的価値に対する相続税又は
贈与税と所得税との二重課税を排除したものであると解される。
これらの年金の各支給額のうち上記現在価値に相当する部分は、相続税の
課税対象となる経済的価値と同一のものということができ、所得税法9条
1項15号により所得税の課税対象とならないものというべきである。
所得税法207条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払をする者は、
当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かに
かかわらず、その支払いの際、その年金について同法208条所定の金額を
徴収し、これを所得税として国に王府する義務を負うものと解するのが
相当である。
したがって、B生命が本件年金についてした同条所定の金額の徴収は適法
であるから、上告人が所得税の申告等の手続において上記徴収金額を
算出所得税額から控除し又はその全部若しくは一部の還付を受けることは
許されるものである。


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