経済対策の基本方針について
2010.08.31

30日、日銀が資金供給の拡大による金融緩和の強化を打ち出したことを受け、
菅内閣は同日、「経済対策の基本方針について」を発表した。

しかし、昨今の急激な円高に対応するための追加経済対策と金融緩和を
経済界は期待していたのであって、構造改革を伴う中長期の経済対策が
緊急対策として機能するとは思えない。
今回の「経済対策の基本方針について」が効果のない政策とは思わないが、
このタイミングで求められている政策ではないためであろう、
今日31日、東証株価は9000円を割り、円も83円台を推移するという
経済界の失望が反映された結果を示している。

今回の「経済対策の基本方針について」は、民主党政権が提示してきた
「新成長戦略」に基づいて、次の5つの柱で構成されている。
・雇用の基盤づくり
・投資の基盤づくり
・消費の基盤づくり
・耐震化・ゲリラ豪雨対策等の「地域の防災対策」
・「規制・制度改革」の前倒し

どれも重要な施策であるが、即効性のある政策ではなく、時間をかけて
効果を発揮するものであろう。
財源がないこともあろうが、「コンクリートから人へ」とのマニフェストを
考えれば、公共事業投資による緊急経済対策は取れないのであろう。

しかし、このままでは、労働者の雇用先である企業がもたない。
それだけでは済まないだろう。
デフレはお金を使わずに持ち続けている方が有利な状態なのだから、
投資に回すよりもより保守的に資金を残す方向にしか行かない。
したがって、民間投資による景気浮揚はありえないし、できるだけ
新しい仕事をしない方が有利なら、新規雇用が生まれるはずがない。

今、必要なのは、抜本的な構造改革ではなく、デフレ打破だと思う。

上海万博が終わった後の中国経済の一時的な収縮の影響を最小限に
食い止めるためにも、今秋のうちに効果が出る即効性の経済対策を
期待したいところです。


伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本
2010.08.29

先日の記事にも書いたように、お多福のおかげで思わぬ長期休暇になって
しまいましたが、急な外出禁止のため、手元に資料がなく、結果として、
じっくり読む時間が取れなかった本が読めた、という副産物を得ました。

そこで、皆様に紹介したいのが

浜田宏一・若田部昌澄・勝間和代「伝説の教授に学べ!
本当の経済学がわかる本」(東洋経済新報社2010年7月刊)

経済評論家の勝間和代氏を生徒役に、国際金融論の大家、イェール大学
浜田教授と、経済学史の早稲田大学若田部教授が対談形式で、
デフレの原因とその効果的な対策を検討する本書は、バブル崩壊後の
経済政策の失政による大不況に対する批判として有力であるリフレ派
(インフレターゲットを掲げデフレ脱却を主張する立場)による
デフレ脱却に向けた政策提言であると言えよう。

本書の冒頭には、浜田教授による白川日銀総裁に向けた公開書簡が掲載され、
日銀のゼロ金利政策・量的緩和政策に対する痛烈な批判をしたのち、
浜田教授がなにゆえに白川総裁による日銀の経済運営・金融政策を
批判するのかを明快に解説する構成である。
また、経済学史を専門とする若田部教授が昭和恐慌に対する教訓を語り、
経済学者の現代的な役割としての政策提言につなげている。

専門知識が全くない方にはかなり読みにくい本ではあるけれども、
浜田教授、若田部教授らリフレ派経済学者らが、熱心にデフレ脱却に向けた
政策提言をしている理由とその熱い思いが伝わってくる本ですね。

また、本書は、浜田教授と共同研究をしてきたエコノミスト岡田靖氏の
早すぎる死を受け、彼に捧げられている。
岡田氏は、ネット上でかなり熱心に情報発信されていたエコノミストで、
彼の死はネット上でも大きな衝撃を持って迎えられたらしいですね。

日銀が採る伝統的な金融政策に対する違和感を感じる方々には、
非常に有益な示唆を得られると思います。
会計士受験時代に苦手科目だった経済学と久しぶりに真剣に向かい合い、
危機感がますます高まってきましたね。


円高の影響に関する緊急ヒアリング
2010.08.28

経済産業省は27日、「円高の影響に関する緊急ヒアリング」の
結果を公表したが、中小企業が昨今の急激な円高の影響を
まともに受け、苦しんでいる現状が見えてくる。
http://www.meti.go.jp/press/20100827001/20100827001.html

その概要は以下の通りだ。

(1)最近の円高は、既に、我が国企業の収益を圧迫。
・対ドルで製造企業の約6割強が、対ユーロでは約5割強が減益。
・円高が半年継続すれば、収益の悪化は更に深刻化。
・ウォン安により、新興国市場で日本企業は韓国企業との競争に苦戦。
(2)1ドル85円の円高が継続した場合、国内産業の空洞化が
更に加速する恐れ。
・製造企業のうち4割が「生産工場や開発拠点等を海外に移転」、
6割が「海外での生産比率を拡大」と回答。
(3)中小企業の収益も圧迫。下請企業への影響が顕著。
・1ドル85円水準の円高が継続した場合、中小企業の約7割
(下請中小企業の8割強)が「減益」と回答。
・下請企業を中心に、取引先のコストダウン要請、海外企業に奪われ
受注が取れなくなる恐れ、取引先の海外移転の影響を懸念する声。

菅首相の経済金融政策に迅速な対応ができていない感じが否めない
ところではあるが、政府も手を打っていないわけではない。
このヒアリングもその1つでしょうが、緊急事態にも関わらず、
まだヒアリングに留まっているのか、と思うと残念ですね。
いずれにせよ、ヒアリング結果を活かして、早急な円高是正策を
願いたいところですね。

このまま手をこまねいていれば、グローバル化したわが国出身の
大企業は日本市場を捨て、海外シフトを拡大していくことになり、
そうなれば、わが国労働市場の空洞化はさらに進展し、デフレ脱却の
可能性がますます遠のいてしまう。
それどころか、若年層の雇用創出は困難を極めることになり、
学生の就活において、そのライバルは、日本人同士ではなく、
日本文化を理解した留学生となろう。

産業構造が内需型にシフトできていないわが国において、
円高はわが国経済の首を絞めかねない劇薬ではないでしょうかね。


大人のお多福・・・
2010.08.27

約10日ぶりの更新になりました。
実は、お多福風邪を患いまして、外出禁止で自宅軟禁になっていました。
昨日の午後、医師から、治癒による外出許可が出て、やっと現場復帰です。

24日に予定されていた荒川支部での研修は延期させて頂きました。
あらためて、日程調整させて下さい。ご迷惑をおかけします。

8月の申告期限を目の前に、溜まった仕事に、ゾッとしているところです。
しかし、一人でやっていた時代じゃなくて良かったですよ。
3年前の正月明けに倒れた時は、パートのおばさんと実務経験ゼロの後輩
だけという、事実上私一人でやっている状況で、仕事が回らなくなり、
結果としてクライアントの約半数を失いましたから、まだ無資格とはいえ、
パートナーといえるスタッフがいることは本当に心強かったですね。
そうでなければ、外出許可が出なくても、仕事をせざるを得ない状況でした。
スタッフのおかげで養生に専念でき、約10日で完治です。

昼食後に身体のダルさがきつくなり、発熱も感じたため、大事を取って
自宅に早く帰って仮眠をとったのですが、夕食後も微熱が続き、
夜遅くから本格的に発熱。
39度を超えたため、墨東の救急外来に連れて行ってもらいました。

当初は熱中症を疑っていたのですが、医師の診断は耳下腺炎。
いわゆるお多福風邪です。

約1か月前、娘がやはり耳下腺炎に罹り、保育園でも流行っていましたね。
娘からうつったようです。

大人のお多福はかなりヤバイようですね。
私の場合、発熱で39度を一度越え、3日間ほど38度前後を彷徨いました。
幸いにして、ウイルスによる合併症が出なかったですが、睾丸が腫れると
機能不全に陥ることもあるそうです。恐ろしい...

思わぬ夏休み中は、何もできなかったので、仕事も原稿も溜まりまくり。
休んだ分、頑張らんとね。


8月24日は荒川支部研修
2010.08.16

今年は8,9,10月と、発表の機会を頂きました。

8月は来週24日木曜日15時から、転入した荒川支部で支部研修。
テーマは「一人親方に対する外注費の所得区分」。

9月は10日金曜日18時から日本税法学会関東部会(於専大)での発表。
税法学に投稿希望を提出しているテーマで、
「補完的納税義務規定に不利益遡及立法は許されるのか
―最高裁平成22年2月16日判決を題材にして―」

10月は20日水曜日1時半から、TKC千葉会での研修。
テーマは「最近の税務訴訟を概観して」

9月の発表は、私が補佐人として関与している裁判に対する批判論文で、
最高裁では事実認定が十分ではないものとして高裁に差し戻されています。
課税庁側の主張は、昨年、税で日下大阪府立大学教授が書かれた評釈が
裏にあるようですが、平成13-14年に行われた取引に対して平成16年
税制改正において創設された補完的納税義務(地方税法700条の4の2)
を適用することが立法政策を含めた上で、許されるべきなのかを検討します。
エントリーの時点では別の論文を念頭にしていたのですが、納税者本人及び
弁護人の許可が出ましたので、このテーマでエントリーさせて頂きました。

8月の支部研修は、荒川支部に所属される法政大学の先輩から、移転記念に
声をかけて頂きました。
昨年12月に東京会の学会(訴訟部門)で発表したときに、盛り込み過ぎて
消化不良になった分、今回は建設業界に多いいわゆる一人親方の外注費が
本来的な外注費として認められる線引きを考えてみたいと思います。

10月のTKCの研修は、友人から研修講師を頼まれたものです。
私の専門が税務訴訟にシフトしてきていることも承知していますので、
判例の動向を実務に活かすための研修にできればと思いますね。

9月〆切で論文を2本抱えているので、結構ハードですが、
法の不備が多すぎる税法に対する素朴な怒りをぶつけたいところですね。

誰かが言い出さないと何も変えようがないですからね。


鴨川で"おらが丼"
2010.08.14

事務所としては先週土曜日から9連休になっておりますが、私個人では
11、12と休みを取って安房鴨川に行ってきました。
台風の影響で波が高かったものの、11日はまだ浮かんでいられましたね。
奄美2世の私は残念ながら泳げませんので、浸かっているだけですけどね。
さすがに12日は波浪注意報の中、海に出ず、鴨川シーワールドへ。
娘もご機嫌で、楽しい家族旅行でしたね。

私にとって今回の旅行の最大の目的は、鴨川名物"おらが丼"。
http://www.kamonavi.jp/ja/food/oragadon.html
今回は3件食べましたが、その中で気にいったのが、安房小湊駅ほど近くの
"食事処 なかむら"のおらが丼、ビックリ海鮮丼1250円。
地元産のエビ、アジ、イカやホタテ、ウニ、イクラなど10種類の魚介類が
てんこ盛りの上に、出汁のきいた味噌汁と小鉢、お新香までついてこの値段。
感動モノです。

3件とも海鮮丼ばかりを食べてきましたが、どこの丼もネタは新鮮そのもの。
丼の町鴨川を売り出していくための町おこしイベントとしてなかなか面白い
取り組みだと思いますね。

泊りは横渚海岸前原海水浴場前のドイツビアレストランでもあるペンション。
http://www.p-greenclub.jp/
おらが丼との対比で、嫁さんがあまり食べたことがないというドイツ料理を
堪能してきました。
私は唯一の海外経験が北ドイツでの1週間ですが、その時にビール工場で
飲んだ黒ビール以来、芳醇な香りのビールにハマりました。
今回は、スモークの薫り高いビールを楽しんできました。やっぱり旨い!

娘と嫁さんは、ここの自家製のパンが気に入ったようです。
もっちりしていて、歯応えのあるドイツパンは旨いですね。
もちろん料理も最高でした。

ところで、今日は東京湾の花火ですな。
鑑賞券、くじで当たったんで、今年はいいところで見れそうです。


奥村佳史「法人税がわかれば、会社にお金が残る」
2010.08.13

中小企業の経営者に是非読んで頂きたい本がある。

奥村佳史「法人税がわかれば、会社にお金が残る」
アスコムBOOKS(2010年7月刊)

「法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる」(光文社新書2009年
11月刊)の続編にあたる本書は、税理士の節税指南に中小企業の社長が
感じてきた違和感や資金繰り圧迫のカラクリを明らかにしてくれるだろう。

「本書の趣旨は節税ではありません。会社にお金を残すことです。日本の
企業の99%は中小企業です。中小企業が日本の経済を支えているのです。
そんな中小企業が倒産することなく、元気に活躍してこそ、日本は元気に
なります。つまり、重要なのは税金ではないのです。本当に重要なのは
事業です。事業は、社会に貢献するものだからです。社会に貢献するもの
だからです。そのためには、会社にお金を残すことが大切です。
会社にお金がないと、新しい事業もできませんし、労働者を雇い入れることも
できません。社会に貢献している経営者のみなさんが資金繰りの苦悩から
解放されるためにも、本書を読んでいただきたいと思います。」(9-10ページ)

奥村税理士の指摘は当然のことなのですが、なぜ普通の税理士が気付かない
のでしょうか。それは奥村税理士のこの指摘に端的に現れています。
「「奥村さんは税理士なんだから、普通では思いつかないようなすごい
節税対策を教えてよ!」と言われてしまいそうです。しかし、実際には
効果的な節税プランはさほど多くありません。税理士が手品師のように
税金の負担を軽くしてくれることなどないのです。それよりも、会社が
日常行っているさまざまな取引の中に、本来払わなくていいはずの
法人税の種が潜んでいます。ですので、この種が芽を出す前に積んでおく
ことが大切です。そういった基本的な法人税対応ができた後で、
節税について考えればいいのです。」(6ページ)

日常業務の中で一つ一つ節税対策を行っていかなければ、効果的な節税など
できるはずはないですよね。税金への嫌悪感からお金を使わなければできない
一時的な節税策をしていては、資金繰りが圧迫されて当然です。会社経営は
節税が目的ではなく利益を出すことですよね。わが国の国民はあまりにも
税金のことを知らなすぎると感じているのは私だけではないでしょう。
そういう意味でも、本書を是非とも読んで頂きたいものですね。


土居丈朗編「日本の税をどう見直すか」
2010.08.12

税制改正の方向性を考える上で、示唆に富んだ本を紹介しましょう。

土居丈朗編「日本の税をどう見直すか」日本経済新聞社(2010年6月刊)

本書の目的は、はしがきに端的に現れている。
「いまこそ、税制の抜本改革に着手すべきときである。わが国では、
「税制改革に着手する」と宣しながら、その見直しはこれまでずっと
店ざらしにされてきた。専門家の知見はさまざまな会合等で蓄積されては
きたが、最終的な政治決断は下されず、先送りしてきたのである。
なぜ税制抜本改革が必要なのか。詳細は本書で述べるが、簡潔に言えば、
少子高齢化、グローバル化、格差拡大、政府債務の累増といったわが国の
経済社会が直面する深刻な問題に、現行税制がうまく適応できていない
からである。」
「しかし、このまま、税制抜本改革を先送りしてよいはずはない。
景気がよくなるまでは増税を含む税制改革はできないとか、安定政権が
できるまでは税制改革は実行できないなどと御託を並べている暇はない。
そうしているあいだに、現行税制の矛盾が、経済活動や市民生活に
しわ寄せとして現れてくる。
本書では、わが国の税制に関して、さまざまな機会で専門的な議論を
積み重ね、長年にわたり信頼関係を築いてきた執筆者陣が、現状認識や
見解を共有して、いま必要とされる税制抜本改革についての政策提言を行う。
それは、単にそれぞれの専門についての見解を束ねたものではない。
税制抜本改革が求められる今日、われわれがこれまで積み重ねてきた議論が
政策に反映されることを願い、この場を借りて国民各層に問いかけるものである。」

大がかりな政策提言を標榜しているように見えるが、執筆陣や研究グループ
の構成を見ればそうではないことは一目瞭然だ。自民党政権時代の
旧税制調査会で委員や専門委員としてまたは財務省や日銀から派遣されて
税制改革を議論してきた方々による政策提言なのだ。政治主導の名の下に
政策提言の場を奪われた旧税調の政策提言と考えるのが妥当な線であろう。
つまり、もし自民党政権下であれば提言されたであろう税制改革提言なのだ。

本書を読んだ上で、これから出されてくるであろう民主党の税制改革と
比較してみると、民主党政権が日本をどこに連れて行こうとしているのか、
よくわかるのではないかと思いますよ。


木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」
2010.08.11

税理士が日常業務でクライアントにちゃんとした指導をしていないから
税務訴訟なんかが起きるんだ、との考えを持たれている税理士も多いことと
思いますが、そう考える税理士さんに是非読んで頂きたい本があります。

木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」弘文堂(2010年7月刊)

税務訴訟に強い数少ないローファームである鳥飼総合法律事務所に所属する
新進気鋭の弁護士が書いた本書は、税務訴訟に関する手続きを内容とする
ものなので、税務訴訟に関わりを持たない税理士にとっては直接必要がない
かもしれませんが、本書363ページ「税務訴訟の社会的役割」において
書かれた以下の言葉をぜひ問題意識として持って頂きたいのですね。

「こうした税務訴訟に対する司法のチェックの担い手が、直接的には司法権を
行使する裁判所(地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所)であったとしても、
肝心なことを忘れてはならない。
それは、「訴えなければ裁判なし」という民事訴訟の大原則である。つまり、
いかに裁判所が課税処分の適否をチェックしようと意気込んでいたとしても、
肝心の訴え提起がなければ、裁判所は自らその課税処分の適否を審査する
ことはできないのである。税務訴訟の発動を握っているのは、税務訴訟を
提起する際に訴訟代理人となる弁護士であり、補佐人となる税理士である。
弁護士・税理士が、税務行政に対する司法のチェックを求めるべき事件
であるか否かを判断し(もちろん、最終的には当該事件の当事者である
納税者原告の意思にかかっているはいるが、専門的見地からアドバイスをし、
税務訴訟を提起できるのは税務訴訟専門の弁護士であり、税理士である)、
YESとなったときに、初めて、裁判所に課税処分取消訴訟の「訴状」が
提出されるのである。これは当事者意思を尊重する処分権主義の現れである。
税務訴訟を提起した後においても、判断するのが裁判所であるといっても、
判断の材料となる証拠を収集・提出し、主張を提示するのは、やはり弁護士
であり税理士である。これも当事者意思を尊重する弁論主義の現れであり、
代理し、補佐する専門家の手腕にかかっている分野といえる。
税務訴訟が、税務行政に対する司法のチェックの場面であり、その担い手が
司法権を行使する裁判所であるといっても、実際にその税務訴訟を裁判所に
持ち込み、事件を発動させ、かつ、真実を明らかにするために多くの証拠を
提出し、当事者の主張を整理し提示するのは、税務訴訟の専門家である
弁護士であり、税理士である。」(363ページ)
「しかしながら、弁護士は税法に精通していない者が多いし、税理士は
訴訟法に精通していない者が多い。税務訴訟の専門家の数は、ごく少数の
弁護士・税理士にとどまっているというのが、残念ながら、現在の日本の
税務訴訟の実情である。」(364ページ)

だからこそ、税務の現場にいる税理士が税務訴訟を学ぶことが必要なんです。


森永卓郎「民主党不況を生き抜く経済学」
2010.08.10

ちょっとリアルタイムからズレたご紹介になってしまいますが、
このお盆休みに是非読んで、考えて頂きたい本を紹介します。

森永卓郎「民主党不況を生き抜く経済学」PHP研究所(2010年7月刊)

テレビでマニアックなキャラクターで親しまれている森永教授の本ですが、
テレビで見せるとぼけたキャラとは異なる卓越した経済学者の顔には
かなりギャップを感じてしまいますね。

それはともかく、本書を紹介しましょう。
本書の冒頭で経済ではなく政治問題に触れていますが、森永氏の失望と
強烈な危機感を感じさせるところです。
森永氏が民主党政権に期待を抱いていたことが推察されますが、
「アメリカと大企業寄りに政策の舵をきった」民主党政権に「本当に
マニフェストをやる気があるのか?」と疑問を呈しています。
そして、小泉政権下で「年収300万円時代が来る」ことを危惧した氏が
かつて新書を出版したのと同様、このままでは、給料が激減し、ボーナスも
ゼロになることを危惧し、対応策を出版したのが本書である。

ただ、私も参院選前に読んでおくべきでしたね。
氏の卓越した見識に、初めて気付かされた論点も結構ありました。

日銀を事業仕分けする必要性を強調し、オランダ型のワークシェアリングに
これからの労働環境の在り方のヒントを見出すところは、特徴でしょうね。

最後に提言する「親の休暇に合わせて子供が休める環境を」
(183ページ以下)も、なかなか他では見られない提言ですね。
休暇をフレックスに取れるようにするのであれば、学校も親に合わせて
休んでもフォローできる体制を取らなければ、学校の日程に合わせた
休暇の取り方以外に親が休暇を取る可能性はありえないのですから。

国民が一斉に休むのではなく、休みが分散した方が経済の停滞危険性が
低くなりますし、環境産業の成長には必要な施策だと思いますね。


偽装離婚した妻の遺族年金の受給権、仙台地裁判決
2010.08.09

債務取立から逃れるために偽装離婚した元夫婦の遺族厚生年金について、
元妻が配偶者要件・生計同一要件を満たすことができるかを争った
仙台地裁平成22年6月7日判決(TAINSコードZ999-5189)を紹介します。

元夫が経営していたD社が倒産し、厳しい債務取立から逃れるために、
弁護士の勧めに従って偽装離婚したのち、元夫が自己破産していますが、
取立を行っていたF社との訴訟が元夫が死亡するまで継続していたために
法律上の復縁ができなかったケースで、仙台地裁は次のように判示し、
遺族年金の受給権を認めました。

原告とAとは、債権者の厳しい取立てから身を守るため、実質的には
婚姻関係を継続する意思で離婚届を提出し、別居したにすぎず、その後も、
互いに行き来し、経済的援助をし合い、原告においてAの日常生活上の
援助をするなどの物心両面の交流が継続していたのであるから、
原告とAとの間には、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる
事実関係を成立させようとする合意があり、そのような事実関係が存在
していたというに十分であり、すると、原告は、Aの死亡当時、
配偶者要件を満たしていたということができる。(略)
原告とAは、止むを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、
生活費等の経済的な援助が行われ、かつ、定期的に音信、訪問が
行われており、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の
家計を一つにすると認めるに十分であるから、原告は、Aの死亡当時、
生計同一要件を満たしていたということができる。

この判決は、バブル崩壊後に破産を経験し、一家離散せざるを得なかった
家族に朗報をもたらすかもしれないですね。
ただ、事例判決でしかないことにも注意せざるを得ないでしょう。
判決は、偽装離婚後も「物心両面の交流が継続したこと」を重視しており、
緊急避難的な離婚をせざるを得ない状況が解除された時には、復縁する
ことが明らかな状況であることを要求しているのであって、元夫が
「敢えて別居をして経済的援助関係を秘匿することにより、本来不可能な
生活保護を受給することは法律上許されることではな」いものの、
元妻が遺族年金を受給する権利を否定できないと判断したんですね。
過去の違法性に目をつぶってでも現在の救済の可能性を判断した点で、
評価したい判決ですね。


年金二重課税事件、最高裁で逆転勝訴!(5、源泉見直し?)
2010.08.07

年金二重課税事件最高裁判決(H.22.7.6)における逆転勝訴を受けて、
生命保険協会は6日、財務省大臣官房審議官及び国税庁課税部長に対し、
「遺族が年金形式で受け取る生命保険金に対する所得税の課税の取り消し
について」と題した要望書を提出した。
その内容は、以下のとおりである。
「平成22年7月6日付最高裁判決において、年金の各支給額のうち
相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象とならない
ものというべきであると判示され、遺族が年金形式で受け取る生命保険金に
対する所得税の課税が取り消されました。(略)現在、年金に対し行っている
生命保険会社の源泉徴収は最高裁判決上、適法とされておりますが、
課税取扱の変更等に伴って源泉徴収の仕組も見直されることが考えられます。」

しかし、最高裁は「これらの年金の各支給額のうち上記現在価値に相当する
部分は、相続税の課税対象となる経済的価値と同一のものということができ、
所得税法9条1項15号により所得税の課税対象とならないものというべき
である。」と判示したのであり、遺族が年金形式で受け取る生命保険金のうち
「相続税の課税対象である経済的価値と同一のもの」を二重課税と認めた
だけである。

この点につき、今朝の朝日新聞30面は、理解しやすく図解してくれている。
つまり、1年目の年金受給額は年金支給額の全額が二重課税の対象となるが、
2年目以降は、元本部分と運用益部分にあたる部分があるから、二重課税の
対象となる金額がいくらか、最高裁はまったく判断していないんですね。
だからこそ国税庁がその計算方法を提示してくれないと、保険会社としても
源泉徴収票の再発行の対象者が絞れないんです。
そもそも年金受益権の評価額が6割評価になっていることの理論的根拠など
ありませんし、それが政策立法であるならば、なおのこと民主党政権になって
旧来の自民党政権が改めることができないで来た不合理な政策立法は即刻
改善すべきでしょうし、それをすることを鳩山民主党に期待したから、昨夏の
衆議院選挙で圧勝したのではないのですかね?

私は、やはり二重課税になること自体がおかしいのですから、最高裁が
所得税で課税することを否定しなかったとしても、全額を非課税にするべき
ではないかと思いますね。

判決に即座に対応した野田大臣の早急な是正対応に期待したいところですね。


広島、平和記念式典
2010.08.06

広島に原爆が投下されてから65年目の今日、平和祈念式典に初めて
国連事務総長やアメリカの駐日大使が出席した。

国連の「潘事務総長は被爆者や遺族ら出席者が見守る中、原爆死没者
慰霊碑に献花。核廃絶の実現を呼び掛け、国連トップとして軍縮・
不拡散を主導する決意を国際社会にアピールした。」(時事通信社
8月6日9時3分ネット記事)という。

昨年4月のアメリカ、オバマ大統領のプラハ演説以来、核軍縮に向けた
国際的協調の動きが活発化しており、今回の国連事務総長の出席、献花
ということにつながったものと思われます。

ただ、そうであれば、オバマ大統領の来日が欲しかったですね。
プラハ演説どころか、ヒロシマ演説となれば、「ノーモアヒロシマ」の
アピールとしては最適だったんですがね。

残念ですが、軍需産業の衰退がアメリカ経済に与える影響の大きさを
考えてしまったのではないだろうか。
アメリカも深刻な景気後退を抱え、99か月受給可能な雇用保険の
受給期間を超える失業者がかなりの数いるとの報道もありますしね。

ただ、そうはいってもオバマ大統領の信任厚いルース駐日大使が出席した
ことは、大いに評価すべきだと思います。
駐日大使の出席とはいっても、原爆を投下したアメリカの代表が
平成記念式典に出席したことさえ初めてのことなんですから。

私はこの7月頭に税理士会葛飾支部(6月一杯所属していました、
今は荒川支部に移籍しました)の支部旅行で広島に行ってきました。
広島に行くのは初めてで、平和記念資料館にも当然行ってきました。
小学生の時に長崎の資料館には行ったので、悲惨さは知っているつもり
でしたが、やはり現地で見てくると、思い入れは変わりますね。
戦争を知らない世代が大半になった現在だからこそ、よけいにヒロシマを
感じておくことの重要性を再認識しましたね。

二度とあの悲劇を繰り返さないためにも、世界中にヒロシマ・ナガサキを
体感して頂きたいと思う今日この頃です。


ものづくりは日本経済の強みではなくなったのか?
2010.08.05

経済同友会は4日、「企業経営に関するアンケート調査」の結果を公表した。
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/pdf/100804a.pdf

日本企業を取り巻く環境は、金融危機の後、先進国経済の成長が伸び悩む中、
中国、インド等の新興国の台頭により、世界の経済地図はこれまでになく
大きく変わろうとしております。このような環境変化の中で、日本企業が
グローバル競争を勝ち抜き、発展していくためには、どのように対応していく
べきなのか、アンケート調査を行ったのですが、その結果は非常に興味深い
ものになっています。

「10 年後にも競争力をもつために日本企業が取り組む必要がある課題」
として昨年比で大きくポイントを伸ばしたのが、
「独自性の高い製品・サービスの創出」(20.5ポイント増)、
「人材の能力向上」(23.3ポイント増)、
「グローバル化への対応」(26.8ポイント増)の3点である。
一方で、「今後の日本経済は何を強みとしていくべきか」では、
「ものづくり」が17.9ポイント減らしている。

この結果をどう見るべきだろうか。
企業経営者がものづくり立国では未来を見れないでいる現状が分かるだろう。

中国をはじめとする発展著しいアジア諸国で製造された安価な製品に押され、
メイド・イン・ジャパンが一般工業品では太刀打ちできなくなっているのだ。

麻生内閣がコンテンツ文化の発展に固執したのは理由があったのだ。

わが国の製造業は高度成長期を支えてきた旧来型のビジネスモデルに限界が
見えてきていると言わざるを得ないんですね。大量生産型のビジネスモデル
から多品種少量生産で採算がとれるよう、他社とは違う何かを武器とする
パーソナルブランディングが必要とされる時代になってきているんですね。

「ものづくり」に未来を見出せないにもかかわらず「独自性の高い製品・
サービス」に期待するのは、本末転倒のような気がしますが、オンリーワン
企業をめざすためには、他人と同じことをせず創意工夫が必要なんですよね。


絶対に受けたい授業「国家財政破綻」(青志社2010年)
2010.08.04

国会における論戦が切られる中、財政再建論議を理解する上で、
是非紹介したい本がある。

鳥巣清典「絶対に受けたい授業「国家財政破綻」」青志社2010年7月刊

ジャーナリスト鳥巣氏が財政破綻について突っ込んだ取材をいた成果を
まとめた本で、財務省主税局への電話インタビュー、みんなの党代表
渡辺喜美衆議院議員、元ライブドア社長堀江貴文氏、財務省時代に国の
バランスシートを作成した高橋洋一嘉悦大教授、経済通で知られる民主党
円より子前参議院議員、小泉内閣に「ナバダレポート」をぶつけた民主党
五十嵐文彦衆議院議員、国際エコノミストの長谷川慶太郎氏といった
錚々たる面々に対するインタビューが掲載されている。

渡辺氏は、「日本では、少なくとも上海万博までは大丈夫だ、日本はなんとか
もつだろう、という楽観論が多数派なんですね。高成長を続けている中国頼み
の経済運営ですから。中国経済が好調な限り、大胆な政策は出てくるはずが
ありません。でも、ドルペックが限界に達し、人民元が切り上げられたら、
中国のバブルは崩壊するでしょう。その時、日本は間違いなく二番底。
一体、どうするんでしょうね。」(84ページ)と危惧する。
私も全く同感で、私が11月危機を恐れているのもまさにここ。
上海万博後の中国経済の動向を恐れるからなんですね。

また、高橋氏は、財政破綻のシナリオを見たくないがゆえに啓蒙して
歩いているのだなと感じさせるインタビューだ。「破綻の話がわかったらね、
絶対私は黙るようになりますから。儲けますから。当たり前ですよ。
千載一遇のチャンスですよ。絶対に言わないで儲ける。そりゃあそうですよ。
大儲けできるもん」(198ページ)という本音を洩らしつつも、「日本が
破綻したときに、もう日本にいないでしょう。それは、それこそ、そんなね、
日本国民がね、なんかそんな世界に散らばってね。そんなんいいと思わない
ですよ。そんなの、なーんでそんなのいいと思うんですか。日本人だったら
そんなの望む人は誰もいないと思いますよ。」(199ページ)という。

高橋氏が何故にこういうのかは、本書を読んでご判断頂きたいところだが、
私も日本脱出の可能性を捨てていませんが、まだ日本を見捨てる気になれない。
その意味では、今回の参院選で落選してしまったものの、円氏のインタビューは
日本の政治家にも骨のある未来を託せる方がまだまだいるのだなと期待させる。

財政再建が叫ばれて久しい昨今。
このお盆休みにじっくりと国の行く末を考えてみてはいかがですか?


非上場会社の会計基準に関する懇談会
2010.08.03

企業会計基準委員会(ASBJ)は7月30日、安藤英義専修大学教授を
座長として議論してきた「非上場会社の会計基準に関する懇談会」における
検討結果の概要を公表した。
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/establishment/20100730/press_release/
20100730.pdf;jsessionid=A580C4DA765D6467E89A42183D9D6E0B

「日本の会計基準の国際化を進めるにあたって、非上場会社への影響を
回避すべき又は最小限にとどめるべきなどの意見を踏まえ、非上場会社の
実態、特性を踏まえた会計基準の在り方について」、「我が国の非上場会社の
多様性にも配慮し、我が国経済の成長や企業活力の強化に資するという
観点も考慮」して検討してきた、という。

非上場会社の会計基準に関する基本的な考え方として、
「とりわけ中小企業に適用される会計基準、指針については、中小企業の
特性を踏まえ、中小企業の活性化に資する観点からとりまとめることが
肝要であり、経営者にとって理解し易く、作成事務が最小限で対応可能
であり、簡素で安定的なものであること」が求められており、
「とりわけ中小企業に適用される会計基準又は指針は国際基準の影響を
受けず、安定的なものにすべきで」あり、
「現行の確定決算主義を前提としたうえで、中小企業の実態を踏まえて
法人税法の取扱いに配慮しつつ、適切な利益計算の観点から会計基準の
あり方の検討を行うことが適当である」としている。

より具体的には、金商法対象会社、会社法上の大会社については、
上場会社に用いられる会計基準、つまりIFRSに対応する会計基準を
適用することとし、会社法上の大会社以外の会社(いわゆる中小企業)
については、現行の中小会社会計指針とは「別に新たな会計指針を作成」
し、「国際基準の影響を受けないものとする」ことが求められている。

ただ、この懇談会には全銀協が参加していないため、間接金融のキーマンを
担ってきた銀行側の対応が気がかりなところだ。
中小企業の資金繰りは銀行の対応如何にかかっているとも言えるだけに、
全銀協が納得できる新たな基準でなければ、画餅に帰すことは確実だ。
また、IFRSアドプションが実現する前に対応しなければ、
税法と会計の理論対立が表面化するため、確定決算主義を維持できまい。
残された時間がわずかなだけに、この議論の実現化が急がれるところだ。


いよいよ税理士試験本番です
2010.08.02

いよいよ人生を賭けた受験シーズン到来です。
うちの事務所では5名中4名が受験で、今日明日は事務所が機能しません
ので、試験休みということにさせて頂いております。
3名が明日3日(うち1名は2科目)、1名が5日が試験日です。
今年で全員が5科目目の合格を果たしてくれることを期待しています。

といいつつ、私も4日に生命保険の専門課程試験を受験するため、
全員が受験モードです。

ところで、私の大学の授業も、今日の中間試験で最後です。

長かった・・・

私の感覚では、梅雨明けの猛暑に入る前に大学は終わっているはずだった
のですが、文部科学省の方針で、前後期とも授業回数15回を確保する
ことが求められたらしく、今年は授業内試験の青学と専修が先週火曜日、
国士舘は今日で終わりなんです。

青学では、会計プロフェッション研究科の私の講義の院生は、税理士
免除だけではなく、受験を兼ねているものも多いですし、学部の講義にも
受験する学生がいましたので、人生を賭けた試験の直前に、純粋な
受験勉強に集中できない環境は可哀想でしたね。

税理士試験は一科目ごとに積み上げていく形なので、ハードルが低そう
ですが、問題が重箱の隅をつつくようなものが多いだけでなく、
時間と問題量が比例していないので、厳しいですね。
もう私にはムリです。
教えて合格させる事は不可能ではないですし、試験委員対策についても
独特のノウハウを持っていますが、2時間問題を2問出して2時間で解けと
言われてもねえ。

いずれにせよ、今年は梅雨明け後の猛暑が異常ですから、体調にも
注意しながらムリしなければいけないだけに大変です。

私が受験していた当時はクーラーもない会場で、救急車が待機してたっけ。


津田浩克弁護士、奄美に支所を開設
2010.08.01

中小企業再生に取り組む奄美出身の弁護士、津田浩克先生から
事務所通信が届きました。
うちのクライアントの顧問弁護士として知り合った大阪の弁護士さんで、
6月21日に奄美に支店を開設したんですね。
http://www.asunaro-l.gr.jp/

少し長くなりますが、事務所通信の文面をご紹介しましょう。

奄美あすなろ法律事務所のキャッチコピーは「ふるさとに育てられ、
ふるさとを育む」です。私たちは、法律事務所だけではなく、奄美の
産業振興と自然保護という、一見両立困難な課題にも取り組んで参ります。
そこで、関西をはじめ本州にお住まいの方には、一度、奄美をご訪問される
ことをお勧めします。奄美群島とは、九州と沖縄の中間地点から沖縄本島の
20キロ北までの範囲に連なる、奄美大島のほか、加計呂麻島、請島、
与路島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の有人八島から島々の総称
です。気候は、亜熱帯に属し、いわゆる南の島です。
国内の南の島と言えば、沖縄を連想される方がほとんどだと思いますが、
奄美大島にも沖縄同様、さんご礁の海があります。熱帯魚もいます。
本土とは異なる文化、習俗があるという点も沖縄と同様です。
しかし、沖縄に比べると少し不便です。大阪から夏は飛行機の直行便が
一日2便ありますが、それ以外の季節は一日1便です。
巨大リゾートホテルもありません。
しかし、沖縄に比べ、圧倒的に勝っているものがあります。それは、
緑深い森林(広大な亜熱帯照葉樹林)があること、自然が美しいこと、
人が少ないことです。沖縄は、北部を除いては人の手が入っており、
人口密度も高いです。リゾート気分で楽しく遊ぶには沖縄のほうが向いている
かもしれませんが、じっくりと自然と向き合い、自分を見つめなおすには
奄美がぴったりです。

ふるさと奄美をこよなく愛する津田先生らしい奄美の紹介に、「確かに」と
相づちを打つところですね。
私の両親も奄美出身で、津田先生は父の高校の後輩に当たるそうです。
津田先生の事務所通信を見ていたら、シマに帰りたくなりましたね。