非上場会社の会計基準に関する懇談会報告書(上)

2010.09.01

企業会計基準審議会は8月30日、非上場会社の会計基準に関する懇談会に
おいて検討してきた内容について、「報告書」を公表した。
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/establishment/20100830/press_release
/20100830.pdf;jsessionid=6D17623EB8EFDBE08715760E37AEC072

わが国の会計基準にIFRSを導入することについて、コンバージェンス
(収斂)を急いでいるところであるが、2015年にも予定されている
アドプション(日本基準のIFRS化)について、特に中小企業に対する
影響が懸念されているところである。
そこで、「非上場会社においては、資金調達などの事業活動の態様や
財務諸表に対する関係者のニーズが上場会社とは異なっていること」等を
踏まえ、懇談会を設置し、検討してきたのである。

「報告書」で検討されているように、イギリス、韓国は、中小企業が
IFRSを選択することを妨げておらず、選択しない場合には、自国の
中小企業向け基準がそのまま適用できるようになっている。
ドイツは、商法に厳格な会計基準が設定されているところ、中小企業に
ついては、「簡略化した貸借対照表や損益計算書の開示を認める取扱いが
定められ」、「非上場会社の財務諸表にIFRSを適用することは
認められていない」。
フランスもドイツと同様であるが、なお一層踏み込んでいる。
つまり、2009年2月に公表された中小企業版IFRSに対して、
「中小企業にとって複雑であるため、適用することに賛成しない」と
コメントした上で、「その理由として、個別財務諸表には、会計、税、
法規則における一貫性を維持した、簡素で安定的な基準が必要である」
を挙げている。

フランスの見解はわが国の中小企業に対するIFRS対応に参考になろう。

強行法である法人税法が理論的に整合性が取れない会計基準に与える影響が
気がかりであり、IFRSアドプションが、会計と税法の分離につながる
のではないかと危惧している。

中小企業の実態を即した検討については、次に続きます。


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