お金持ちは本当に守銭奴か

2007.10.30

世間でよく言われる言葉です。
「お金は寂しがり屋だからあるところに集まるものだ」
「金持ちってのはなんであぁケチなのか」


私は、これらの言葉はある意味においては真実をついていると思います。
資本主義なのですから、大きな資本を持っている方がお金を集めやすいのは当然です。
そして資本家たるもの、内部留保を考慮しなければならないのです(でなければ失格です)から、
ある意味においてケチにならなければなりません。

が、やはりこれらの言葉は全てを表現しているとは思えません。
私の知っている「儲けている会社」や「お金持ち」は、お金を使うべき所には使っています。
要は使い所が正しいか、間違っているかの差なのだと思います。


少し方面を変えて、消費税のことでもお話しましょう
「消費税は逆進性が強いため、高所得者に優しく低所得者に厳しい」との指摘がよくなされます。
逆進性が強いとは、低所得者ほど負担度が強い、という程度の理解で結構です。
(逆の言葉で「累進性が強い」というものがあります。こちらは高所得者が高負担という意味です。)
確かに、高所得者は内部留保を考えるためお金を溜め込むという前提に立てば、
低所得者の方が日々の生活にお金を使わざるを得ない分負担度が高いような気がします。
事実、ある種の統計においてはその通りの結果が出ているようです。

そこで、すこし長文になりますがこちらのレポートを紹介(PDFです)しておきます。
消費税に関する記述のみを簡単にまとめますと
「1年分の所得で比較すれば、確かに消費税は逆進性が高い。
 でも、生涯所得で比較すれば、別に逆進性は強くないのではないか?」という内容です。
このレポートには、消費税以外についても、皆さんが今まで聞いたことがないかもしれない
ような指摘が多数されていますので、是非とも全文に目を通して頂きたいです。

実は私の消費税に対する理解も似たような感じです。
これは私の経験則から得た結論です。
儲かっている会社の課税仕入(消費税が掛かる費用)の金額を数年分見ていると、概ね数年に
一回位、跳ね上がっている年があります。
何故かというと、設備等を中心とした投資活動を行っているからです。
例えば大規模な機械を導入すると、千万、億単位での出費が出ます。
資産の費用化は減価償却の手続きを踏むため少しずつ行われていきますが、消費税は
買ったその時に全額負担するため、数年に一度のペースで跳ね上がるのです。

これら投資活動では日常の売買とは桁の違う金額が動きます。
この桁違いの出費は、儲かっている会社のみに発生するものです。
鶏と卵の問題ではないですが、投資→儲け→投資→儲け→…の循環がその会社を繁栄させます。
儲かっていない会社にはこのサイクルがありませんので、消費税の負担も毎年
同じような金額が続くことになります。

これは別に企業だけでなく、各家庭においても同じではないかと思います。
高所得者が高級外車を一台買えば、それは低所得者の1年分の消費税負担を一時に
したのと同じことになるのです。
言葉は酷ですが、高級外車に縁がない家庭には負担し得ない税金なのです。
そして人は簡単に生活スタイルを変えられません。
一度高級外車に乗ったら、普通は次も同じクラス、いや上のクラスを目指すのです。


長い目で見れば、消費税は決して逆進性が高いとは言えないと考えます。
少なくとも、逆進性を理由にして消費税の増税を忌避するのは間違いではないでしょうか。
ただし、では消費税は増税すべきなのかと問われれば、それはまた別の話なのですが。


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