力が欲しいか?

2007.11.29

防衛省を巡る話が連日世間を賑やかしています。
兵器というのは、単価が高いのと案外関わっている人が多いというのが
大きな特徴ではないかと思われます。
町の金型屋さんが作っている鉄枠が、軍事用通信機に使われていたり
するようです。
ただ、作っている人たちはそれが何に使われるものなのかは知らないまま
作っているのがほとんどなんだそうですけど。
(上記の話は、確証があるわけではありませんので、ご了承下さい。)


今日も今日とて天邪鬼な意見です。
軍事に対して非常に強いアレルギーを持つ日本らしいこんな話を。
無防備地域宣言ね…何というか、理想論としてすら成り立たない気がします。
以前にも書きましたが、現代法の基本は暴力が存在する事を
根底においた上で、どうやってそれを乱用させないか、という考え方です。

おそらくこの無防備宣言派の方々は、武器が無ければ人間は戦争をしない、と
お考えなのでしょうが、現代法の立場は違います。
人間は武器があろうとなかろうと、戦争を起こすのです。
逆に言えば、武器があっても平和は保てます。


話を少し変えて、スイスの話でもしましょう。
スイスというと「永世中立国」などといわれ、平和の象徴のようなイメージがあるかも
しれません…が、それは大きな誤解というものでして。
あの国は、国民皆兵制度の下、有事の際には全力で外敵を排除できるよう、
一般家庭等にまで広く銃器が普及しています。

中立国ということは「どの国にもこちらからケンカは売らないよ」とも言えますが、
「どの国とも手は組まないよ」とも宣言していることになります。
つまり、軍事的な同盟関係をどの国とも結んではならないのです。
さて、そんな独立独歩の国に、もし外敵が攻めてきたらどうするのでしょうか?
答えは簡単、「自分の身は自分で守るしかない」のです。

その為に、スイスでは全員が兵隊として活動し、食料等も備蓄し、要塞のような
建物を要所要所に作り、外敵が「攻めてきにくい」状況を作ることにより、中立国
としての立場と平和・安定を守っているのです。
そんなスイスには「外敵は内部に入り込み、武装力を持つことへの忌避感情を
蔓延させることで、結果的に侵略する」というような意味合いの教訓があります。
今回の無防備地域宣言がそれと直結しているとは思いませんが、少なくとも
現実に目を背けている動きだとは思います。


「ウチに手を出すと、痛い目みるからね」と思わせるのが国防の基本です。
もし私が侵略者で、無防備地域があれば、まずそこを占拠し、そこを足がかりに
周辺に武力侵攻します。
そして無防備地域で略奪の限りを尽くし、物資を調達するでしょう。
戦争犯罪などという事項は、事後的にどうとでも処理すれば良い話です。
そんなことは、今までの歴史が嫌というほど証明していると思うのですが。


現代法で考えうる理想論としては、互いに破滅的でない武器を持ちつつ、
それをどことなく周囲にちらつかせながら、何となく使うのを皆がためらっている。
この程度の状況が現実的なのではないでしょうか。
以前にも引用した孫子の言葉ではないですが、「戦わずして勝つ」とは、
「戦える力を持ちつつ、敢えて使わずに解決する」という程度の意味かと。


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