緑色のお金(投資:不労所得)
2008.02.29

ようこそ、ノーマンズランドへ。

おはようございます、今の経済状況って本当にこれに近い気がします。
スタンピードも結構発生するしなぁ…。


働くことは尊いことか。
働いた結果獲得できる金銭が尊いのか。
金銭を得る手段に貴賎はあるのか。

正解は特に決まっていないと思います。
そもそもお金の色の話を始めたのも、こういった話の考え方を整理するのが目的です。


日本では「働かざるもの食うべからず」の言葉が象徴されるように、労働というものに
大きな意義を見出しています。
逆に、不動産や金融商品から発生する「不労所得」については、好ましい感情を
持っていない方が大勢を占めるように思われます。

所謂「格差」の本質は、収益獲得能力の差ではなく、資産保有能力の格差であると
考えられます。
資産を持っているものはそこから派生する所得で潤い、持っていないものは枯渇する。
「賃金の格差」という面で兎角強調されやすいのですが、保有の面からこそ考えなけ
ればならない問題です。


しかし、真の問題は資産を保有することに対する強烈な忌避感ではないかと。
「株をやるやつは金の亡者」「金持ちからはドンドン税金を取るべき」
「土地持ちはズルイ」「金があれば何をしても良いのか?」
これら呪詛のように繰り返される文言が、実は「庶民」と呼ばれる人々を
自縄自縛の状態にしているのではないでしょうか。

「金は天下の回り者」と言いますが、問題は回し方なのです。
金を別の形に変えることだって、立派に回していることに当たります。
「投資」は決して自分の手元に金を貯めておく事ではありません。


「投資」を拒否しながらも「格差」には声高に声を上げる。
私はこの姿勢には組しません。
資産の私的所有こそが資本主義の大原則、これを否定するならば、この国には
住むことができないと考えるからです。
「投資する金なぞない」というならば、その金を作る方法こそをまず議論すべきです。
投資により資産が形成されれば、その資産を基礎に活動が出来るはずです。


労働が尊いことは否定しません、が、労働のみが尊いとは全く思いません。
不労から生じる時間が人生をどれほど豊かに出来るのか、私はよく考えています。
不労所得に対する不当な「色分け」が少しでもなくなるよう、私も活動しています。
四色目、了。


黄色のお金(会計:期間)
2008.02.28

静電気が凄い。

おはようございます、その内電気で人を殺せるようになるのではないかと
心配しております。
…念能力?


前々回と前回は貸借対照表と損益計算書の色分けの話を書きました。
で、キャッシュフロー計算書の話…とも思ったのですが、それはまたの機会に。
今回は期間のお話を簡単に。

そもそも、現行の会計は「適正な期間損益計算」を目的としていると言われています。
ポイントは「期間」という言葉でして、区切りをつけてその間の儲けを計算しようね、
という発想法なわけです。
現在では、この期間は通常1年間が使われています。


期間損益計算の為には、その期間に属する収益や費用の金額が正しく計算
されなければなりません。
ところが、現行の会計においては、所属がはっきりしない勘定科目が結構多い為、
この解釈を巡って問題になることはよくあります。

大雑把にいって、期間への帰属が調整されるのは次の4分類です。
・既に発生している費用が先送りに(繰延資産など)
・後で発生するであろう費用を前倒しで(引当金)
・既に収受している収益を先送りに(前受金など)
・後で実現する収益を前倒し(売上の前倒しなど)

これらの数字が調整されると、利益の数字は大きく変動します。
どの項目が、利益に対してどのように働くのか、少し考えてみてください。
利益 = 収益 - 費用 という式を考えてみれば、すぐにわかると思います。

前々回と前回の「色分け」が「時点」の問題であるのに対し、今回の「色分け」は
「期間」の問題です。
但し、現在の会社制度は「継続企業(ゴーイングコンサーン)」を前提としている
わけですから、どこかで期間帰属につき無理をすると、そのまま前後にしわ寄せが
いくことになります。
これは、利益を増やすにしろ減らすにしろ、避けられぬ運命です。


ここ3回は会計の話をまとめてみました。
少し前にもお奨めしたこちらの「決算書の暗号を解け!」という本あたりに、
とてもコンパクトにまとまっています。
是非是非お手にとって読んでみて下さい。

次回は少し違う話。
三色目、了。


橙色のお金(会計:営業・経常・特別)
2008.02.27

あぁ、突っ込みたい…。

おはようございます、いや、こんなやついないって!!
うん、いないいな…いない…いや、案外いたかも…。
…そういや、変人多かったっけ、合唱人って…。


昨日は貸借対照表、今日は損益計算書P/Lの話を少し。
最近では少しずつ知られてきていますが、利益にも色々とあるんだよ、
という話です。
以前、自分のHPでも少しまとめてみたりはしましたが。

以下、極々大雑把にまとめます。
(売上から原価や販売管理費を引く)
本業から生じたのが営業利益。
(営業利益から、金融関係の営業外収益・費用を考慮)
資金の貸し借り等で生じた損益を加減算したのが経常利益。
(経常利益から、特別利益・損失を考慮)
滅多に無い収益費用を加減算したのが、税引前当期利益。
(税金を考慮)
税金を引いた後の最終数字が、当期損益。


この内、上場企業の投資判断などで重視されるのが、経常利益です。
経常利益は、企業の継続的な活動の結果を表示する為に最も優れた利益で
あると考えられているからです。

ここで、ちょっとしたズルをしようとすると、簡単にできることがあります。
自分に都合の良い情報は経常利益までに含め、都合の悪い情報は特別損益に
含めてしまえば、経常利益の見栄えをよくすることが出来ます。


また、そもそもその会社の本業がなんなのか、という点にも注意が必要です。
上では「金融取引は営業外収益費用で」とまとめていますが、もしその企業が
非常に多角化を進めており、金融業も営んでいるとしたら、金融に絡む損益も
営業損益に含めるべきです。
が、M&Aなんかを繰り返していると、そもそもこの会社何やってるんだっけ?
ってなことにもなりかねません。


利益一つとっても「色分け」がとても大切というお話。
「過去最高益」だとかいう言葉だけでは、中身はわからないものです。

二色目、了。


赤色の金(会計:利益と資本)
2008.02.26

冬の嵐、今日は夜に出かける用事があるんだけどな…。

おはようございます、どうも最近は出かける日に限って天気が悪い。


法人である以上、どんな規模であろうとも会計と無縁ではいられず、
申告期には貸借対照表と損益計算書、大規模になればキャッシュフロー
計算書の作成も義務付けられます。

今日注目したいのは、貸借対照表、略称はB/Sです。
特にこの表の中でも、日常からは最も遠い部分、純資産の部という
所に少しだけ着目します。

まず、言葉として知っておいて頂きたいこと。
「資本」とは言い換えると「自己資本」、「負債」とは言い換えると「他人資本」
と呼ばれます。
両者の違いは、返済の義務がないかあるか、という点です。
商売の元手を、自分で調達したか、他人から借りているかの違いです。


元は「資本の部」という名称だったこの純資産の部ですが、内容が他の
表示部(資産・負債)と比べて分かり辛いのが困ったところです。
ただ、実は行数を沢山割いている所よりも、本当に大事な部分がたったの
一行で済まされていたりするので、注意が必要です。
今日見たいのは二箇所、「資本剰余金」と「利益剰余金」の二つです。

この二つの項目は、どちらも「自己資本」ですので、他人から借りたものでは
ありませんから、返済の義務はありません。
しかし、発生の源泉は大きく異なります。

「資本剰余金」は、そもそも元手として振り込まれた資金のやりくりの
結果生じた余りです。
例えば、新たな株主から100万円が振り込まれたとして、その内の50万円を
資本金にいれれば、残りの50万円は資本剰余金に回ります。
ルール上、振り込まれたお金の全てが資本金に組み入れられなくても、問題は
ありません。(一定の制限等はあります)

「利益剰余金」は、元手になった資金を運用した結果生じた利益から、税金を
払ったり、株主への配当金や役員賞与を払った残額をいいます。
毎期運営される企業活動の本来の成果が、この利益剰余金に蓄積されます。


両者は全く性質のことなる剰余金です。
どちらも自己資本ではありますが、片方は元手のやりくり、片方は元手を運用
した結果としての成果です。
「資本剰余金」は、その企業の商売から生じた剰余金ではないのです。
両者は明確に「色分け」されなければなりません。

ここが問題になったのが、今から2年ほど前に世間を騒がせた某企業です。
あの企業は、本来であれば「資本剰余金」に計上されるべき資金獲得を
「利益剰余金」に計上していました。
これでは、その会社の商売が上手くいっているのか、わからなくなってしまいます。


資本と利益、どちらもB/Sで表示されるのは同じ部分です。
この両者の違いをよく理解していないと、何故この会社の元手がこんなに
大きくなったのか、という情報を読み誤ってしまいます。

一色目、了。


虹色のお金(無色透明)
2008.02.25

お金に色はありません。
お金に色はあります。

あなたはどちらの意見に同意しますか?


人が生きていく上で欠かすことが出来ない最大のものの一つがお金です。
衣食住という言葉がありますが、これらも全てお金で買えます。
お金が貴重なものであることは、資本主義の下においては誰しもが否応なしに
実感することです。


よく「汚れた金」なんて言葉があります。
言うまでもありませんが、合法的でない方法で金を稼いだ「手段」を非難している
のであって、別に「金そのもの」が汚れているわけではありません。

では「合法的な方法」で稼いだ金は全て無色透明なのか?
合理的に考えれば「金に貴賎なし」だと思うのですが、そうとも割り切れないのも
また世の中の実情。


山田真哉さんという人が長く連載されていた「女子大生会計士の事件簿」という
会計ミステリがあります。
これ、元は私が通っていた専門学校TACの広報誌内で連載されていました。
その後漫画化されたりもしました。
エンタメ小説と馬鹿にするなかれ、私はこの小説で例えばSPC(特別目的会社)
なんてのを知りました。
今から数年前のことですから、当時からすれば結構先端な知識だったのでは
ないかと思います。
娯楽の少ない受験生にとっては、中々良い息抜きになったものです。

その小説の中に「人はお金に色をつけて生きている」というセリフがあります。
どのようにして手に入れたのか、その原因には意味があるということです。


当り前のことだろ、と流してしまうのは簡単です。
が、せっかくですのですこし意味づけをしてみます。
使う知識としては会計学・投資知識・行動経済学・税法その他雑多という所。
具体論は明日からでも。


リテラシー
2008.02.24

週末ごとに練習。

おはようございます、合唱の練習が毎週入っているように予定表には
書いてあるのですが、この状況でどう行けと?


先日、ちょっとしたシンポジウムに行ってきました。
私は税理士やFPというのは接客業だと思っているので、お客様に少しでも
興味を持ってもらえるような話題は常に抱えていたいと考えています。
少しでもネタが拾えればよいかな、と思いまして少し足を伸ばしました。


著名なファンドの社長だとか、海外ファンドのトップなんかが色々と話して
いました。
で、そのトップの話の超要約版。

・株や債券はもうだめ。
・ドルもこれからボロボロ。
・商品市況が良いよ~。


うん、まぁそれほど言っていることは間違っていない気が「私は」します。
「商品が絶対儲かるよ」とは私は口が裂けても言えませんが、有望な市場の
一つだとは思っています。
現に私のアセットアロケーションにもしっかりと商品市況に投資するファンドが
組み込まれております。

で、帰宅後にそのトップがかんでいる日本国内で買えるファンドをみてみました。
当然のことながら、彼らが国内で色々としゃべるのは、自分の所のファンドを
買ってもらいたいからなわけです。


で、大まかな特徴を見ていくと…
・投資対象は商品市況
・ドル建て、為替ヘッジなし
…って、オイ!!!!


さて、私が何に突っ込んでいるのかわかるでしょうか?
わからない人は、少なくともこのファンドは絶対に買わないほうが良いと思います。
わかっていて敢えて手を出すのは、もちろんOKです。
要は、リスクが何かがわかっていないとダメということで。


今回の話は、別にこのファンドに対するダメだしではありません。
結局の所、ファンドや証券会社、アナリストの意見を利用する為には、自分の
技量を磨かないと無理ですよ、ということです。
上記の話なんてのは、本当に初歩の初歩ですけど、果たしてあの会場にいた
人(多分1,000人規模)の内、このことに気が付いた人はどれ位いたのでしょうか?


もちろん、私もまだまだ技量不足です。
一人のFP、そして個人投資家として、もっと技量を磨かねばなりません。

次回以降、少しFP的な視点の話を続けてみます。


頭抜けた数字(その2)
2008.02.23

2月が終わる。

おはようございます、この間まで新年だと思っていたのですが。


昨日の続き、引き続き題材は「決算書の暗号を解け!」という本です。
少しみてみると、この勝間さんの本は、よく売れているんですねぇ…。


昨日は、少しだけ本の内容についての感想を書きました。
今日は、その中で触れられているデータについての雑感です。
本の中で、営業利益率についてのデータが出されています。
日本のような成熟社会では、精々1ケタがいいところだ、ということが
データからわかります。
(売上100億円に対して、営業利益が10億円ということです。)

で、本の中では「営業利益が頭抜けて高い場合、何か会計操作があるかも」という
趣旨の指摘がなされています。
確かに、同業他社と比べて明らかに高すぎる営業利益率は、不自然ととれます。


が、問題は、そもそも日本全体での営業利益率が低すぎるのでは、という
点なんですよね…。
今までにもなんどか触れていますが、日本企業は資金効率が悪いのでは、という
指摘が海外から多く為されています。
そもそもの数字が低すぎるから、少し率が高いだけでも目立ってしまいます。


もし、ある企業が物凄く経営努力をして、平均よりも高い営業利益を上げたとします。
そして、特に大きな会計操作もなく、それを決算短信なりで発表したとして、
それに対する評価が「会計操作じゃない?」だったら、どうしましょう?
「オレ、本当に頑張ってるのに…」ってことになっちゃうのかな~と。

もちろん、プレゼン能力が必須なのは間違いないわけで。
真の努力の結実ということがわかるような魅せ方を、企業側も努力する
必要があるのでしょう。


私がこんなことを考えてしまうのも、日本企業全体の活力がイマイチだから
こそ、ともいえるのですが。
もう少し素直に「頑張ってるな~」と思えるような方向に進んでくれると、
評価の仕方も少し変わってくるのかもしれません。

この事は、この本に書いてある内容を否定する意味では全くないということは
改めて書いておきます。


ちなみに、税理士の顧問先の大半を占める小規模・零細法人においては、
平均だとか率ってのは意味を持たないケースもままあります。
データというのは、ある程度の規模にならないと、意味を持ちません。
(だからこそ上場企業の分析にはデータが有効なのですが)
その意味で、税理士の顧問先には色々な意味で頭抜けた会社が沢山
あります。
昨日と同様、会計にも色々あるということで。


頭抜けた数字(その1)
2008.02.22

少し緩めな日々。

おはようございます、今週後半は少し余裕がありました。
毎度エンジン全開というわけにはいきません。


先日、勝間和代さんという有名な会計士の方が書かれた本を読みました。
読んだのはこちら、「決算書の暗号を解け!」です。
所謂会計操作についての入門書的な一冊なのですが、非常にわかりやすいです。
特に、私のように税理士をやっている人間が陥りやすいポイントを改めて
指摘されているので、勉強になりました。


さて、何が陥りやすいポイントなのか。
本の中で触れられているので、簡単にしか説明しませんが、会計操作には
二通りの考え方があります。
一つは「守備的」な操作、これは利益を小さくして、課税を少なくするのが主な目的です。
会計操作は、何も不法なものではなく、合法的なものも多数あります。
税理士は、こちらの方法については皆それなりに長けているものです。
当り前ですが、顧客に過度の税金がかからないよう、常に気を付けているからです。


もう一つは「攻撃的」な操作、これは利益を大きくして、投資家にアピールするのが
主な目的です。
投資家が気にするのは、なんといっても利益の数字です。
税金が多く課されようとも、利益が大きいことは上場企業にとって至上の、そして
市場の命題なわけです。
税理士は、こちらの方法には疎いです。
なぜなら、税金を沢山払いたいなんていうお客さんは、まずいないからです。


たまに、税理士が株式投資をやれば、決算書も読めるから大層儲かるでしょう、
なんて言われる方がいらっしゃいます。
え~こんなことをいうのもなんですが、株をやっている税理士で、儲かっている人を
みたことが余り無いんですよねぇ…。

単純に、顧問先と上場企業では余りにも規模が違うというのが一点。
税理士は所謂「経営や投資のプロ」ということではないので、それほど投資に関する
知識が豊富というわけでもないのが一点。
それに加えて攻撃的会計操作に関する知識がそれほどないのが一点。
細かく挙げればまだまだきりがありませんが、ようは一般の投資家の方に比べて
物凄く有利、とかいうこともないということが言いたいだけです。


税務の為の会計と、上場企業を見る為の会計には大きな乖離があります。
投資としての会計は、複式簿記や伝票の切り方をしらなくてもわかります。
結局は、勉強した人の方が間違いない成果を出せる、ということでしょう。


で、この本の中でもう一点だけ触れたいことがあります。
それは明日にでも。
繰り返しになりますが、中々面白いので、是非本を読んでみて下さい。


節税の限界(その2)
2008.02.21

本が減らない。

おはようございます、買いすぎです。


昨日の続き。
設備投資をして、償却費を多額に出して節税を図る、というスキームを
簡単にお話しました。
で、なぜこのスキームが使えなくなるのか?

当り前の話ですが、設備投資をした機械は会社運営の中で利用されます。
新型機械の導入は、真っ当に効果を発揮すれば、導入する為に掛かった
コストを上回る利益を会社にもたらします。

前日の例から数字をもってくれば、1,000万円の投資によって、翌期の
売上が300万円伸びたとしましょう。
この300万円は、これから毎期計上され続けるわけです。
3年とちょっとすれば、1,000万円の投資は元が取れることになります。
それに比し、償却費として計上できる金額は年々減り続けることになります。
しかも、最初の年にドカンと特別償却で計上している分、その後の年において
計上できる費用は少なくなっています。
(特別償却は、結果として費用の前倒しだと思ってください)


このサイクルを数回繰り返すと、会社の売上は当初の倍を超え、利益も
3,000~5,000万円、あるいはもっと出てくるかもしれません。
さて、こんな規模の売上に対して、機械一つを買った程度でどの程度の
効果があるでしょうか?

昨日の例では、1,000万円の利益に1,000万円の機械をぶつけ、
税金を3分の2程度に減らしました。
しかし、5,000万円の利益に対して5,000万円の機械を簡単に
ぶつけることは、まず不可能です。
銀行借入の利用も難しいですし、物理的なスペースにだって限りがあります。
「設備投資スキーム」を利用した節税は、いずれ限界がくるのです。


が、これは考えようによっては、とっても良い傾向ではないでしょうか。
昨日の例は、言い方をかえれば「機械一つで吹き飛ぶような利益」だったのです。
それが「機械を買う程度なら問題のない利益」を計上できるようになったわけです。
これが、節税の限界、言い換えれば「健全な企業の成長」の正体です。

「利益が1,000万円だと節税を図る、5,000万円もいけばもうしない」なんて
言葉をどこかで聞いたことがあります。
もちろん無駄な税金を払わないように注意を払うのは大前提です。
が、ある程度は必要な出費として、割り切る部分も出てこざるを得ません。
逆に、このステージに立てれば、経営者としては一つの成功者といっても
大きく間違ってはいないでしょう。


節税の限界(その1)
2008.02.20

久しぶりに事務所に一日いる。

おはようございます、最近では稀な機会です。
一日ゆっくりと仕事します。
…本当は、外回りのほうが好きなんですけどね…。


で、タイトルなのですが。
これは別に税理士としてお客さんに節税策をお教えすることを否定する
類の話ではありません。
只、事業を展開していくとその内ぶち当たる可能性が高い一つの壁に
ついての、ちょっとした世間話だと思ってください。


簡単な例示として、設備投資を挙げてみます。

決算も迫ったころ、月次で試算表をきちんと作成していれば、その年の
概ねの利益というのはボンヤリとみえてくるかと思います。
で、予想以上に成績が良くって、このままだとそれなりの税額が出そう
だなぁ…なんて経験は、多くの中小零細企業経営者の方が経験を
したことがあるのではないでしょうか。


具体的な数字をつけると、当期の法人税等を支払う前の利益が約1,000万円
だとします。
大雑把にいうと、これに対する税金は、約350万程度になるかと思われます。
(消費税は考慮にいれていません、計算が複雑になるためです。)
で、ここでよく使われるのが機械装置購入を前倒しすることにより、減価償却の
中でも特例として用意されている特別償却を利用することにより、一時的に
経費の額を増やして節税を図る、という手段です。

今回の例では、仮に当期中に1,000万円の機械を買うと、何と300万円もの
臨時的な償却費を計上することができます。
(どんな機械でもできる訳ではありませんので、よく確認が必要です)
そうなると、税引前の利益は700万円に圧縮されるわけですから、結果として
これに対する税金も約250万円弱程度に納まるのではないでしょうか。
機械の代金は銀行からの借入金を利用すれば、手元資金が枯渇することも
ありませんので、結果としてそれほど資金を減らすことなく節税を図ることが
できます。
借入金の返済期間を比較的長めにとっておけば、ゆったりとした資金繰りを
形成することも充分可能でしょう。


というのが、よく使われる節税策の具体的な例です。
で、これの限界がどうしてくるのか、という話は明日にでも。
「決して悪い傾向ではない」ということだけ先に書いておきます。


今日のトリビア
2008.02.19

カー

「東京都世田谷区にある
 玉川税務署から送られてくる確定申告書の封筒には
 サザエさんの四コマ漫画が印刷されている」

…はい、3ヘェ頂きました。
それでは、こちらの画像をご覧ください。
…と思ったのですが、著作権的にどうなのかと思うので、テキストでお送りします。


カツオ「さんすうおしえて~」
波平「ダメダメじんぶけいさんして!」

ワカメ「書いて~(習字)」
波平「ダメダメじぶんでかくの!」

サザエ「お父さんも早くじぶんで申告書を作りなさい!」
(波平、ノートPCの前へ)

波平「せかさずとも今はインターネットで簡単にできるんだよ!」
(波平、ノートPCを使って申告書作成)


というわけで、磯野家にはブロードバンド回線が通っているみたいですね。
波平さんも、インターネットを使いこなしているようです。

国税庁のHPには、波平さんも愛用している確定申告書作成コーナーが
用意されています。
中々使い勝手が良い、と税理士の高橋昌也さんもおっしゃっておりました。
絶賛、稼働中です。


ちなみに私は、マスオさんとサザエさんの年齢をとっくに追い越していたことに
気が付いてショックを受けております。


ジャージャージャー
「東京都世田谷区にある
 玉川税務署から送られてくる確定申告書の封筒には
 サザエさんの四コマ漫画が印刷されている」


…ネタが絶妙に古臭いなぁ…。
え~国税庁のHPの使い勝手が中々良いのは本当です。
私は、お客さんへ大雑把な説明をするときの検算に使ったりもしています。
電子申告はしないまでも、PCを使って申告をしたい場合にお奨めです。
電子申告をするとなると、電子証明のカードやカードリーダが必要になるので、
少し手間がありますが、こちらのHP利用はすぐにでも出来ます。
ご自分で申告をされようとお考えの方は、是非ともご利用を。

…画像、せっかくスキャンしたんですけどね…。
こういった利用方法が良いのか悪いのか、未だによくわかりません。
このBlogは、商用に該当しちゃうのでしょうか。


張られるパラレルな論点、闘争からの逃走
2008.02.18

また肩が上がらない。

おはようございます、一週間位しかもたないなぁ…。
もっとも、そもそもが完治までに相当時間がかかると言われていますので、
もう少し時間をかけないと治らないみたいですし。


え~これから独り言を書きます。

二週間ほど前、T社っていう会社で技術系の仕事に就いている後輩と話をしたんです。
「某規格はどうなのよ?」「あぁ、全然あせっていませんよ。」
「なんで?」「アレ、要は時間稼ぎですから。」

物体としての媒体で規格争いが起こるのは、多分コレが最後だろうと。
問題は、当の昔にその先、データとしての流通という所こそが本丸であって。
要するに、規格を対立させたりなんなりと盛り上げて、そっちでの戦いが本格化
してくるのに備えているということらしくて。
作っている側が、どの程度本気で売る気があるのか、微妙な商品なのかも。


でね、何か降参宣言みたいな報道が出てましたよね?
コレ、要するにもう時間稼ぎの必要がないってことなのでしょうか?
数百億円の損失なぞ、その後に控える戦いでの金額に比べれば、
実は大したことがない可能性は?


この戦い、どっちの勝ち負けじゃないと思うのです。
もしこれが、企業同士で協力し合って行っている壮大な釣りだとしたら?
積極的に協力しないまでも、消極的な共闘だとしたら?
正解は「買わない」以外存在しない気が。


ゲイツさんって有名人が「くだらない戦いだね」って言っていたのは結構
有名な話ですけど、実は戦っていると思われていた当事者達すら、
戦ったふりをしていたに過ぎないのでは?というお話。


効率的でないということは
2008.02.17

少しノドが荒れています。

おはようございます、乾燥と人ごみとタバコというのが続きまして、
流石にきました。
早く治さないと…歌の本番近いしええ気にしているのはそっちですが何か?


行動経済学という分野の本を読んでいるというのは前に書きました
で、その中での主張で私が最も納得ができるのはコレです。

所謂伝統的な経済学では、各人はその場において最も適切である選択肢を
判断し、行動すると仮定されています。
その仮定を信用するとなると、全ての人は等しく利発であり、例えば経済学の
専門家が必死に考え抜いて出した最良の結論を、その場で思いつきのように
選び取り行動するということになります。

この仮定がどれだけいい加減なものなのかは、何となくお解かり頂けるかと。
以前も紹介したこの本の中でも、この点は繰り返し説かれています。
また、逆に「MBA取得を目指している学生」のような専門的な知識を持つ人間でも、
案外と最良の選択肢はとることができない、という実験結果も書かれています。
要は、人間はそれほど効率的ではないということなのでしょう。


で、話は先日のこの記事に帰ると。
効率性が悪いといわれる日本企業。
それ自体は、残念ながら褒められることではありません。
しかし、考えようによっては、日本企業は非常に人間臭い、なんて擁護論は
成り立たないものでしょうか?
最良の選択肢を常に選ぶことができない、その愚鈍さの中には、効率のみを
追求することが出来ないという人間性が隠れている気がします。


まぁ「利益が高いのが良い会社」と簡単に割り切れるものではないでしょう、
ということが言いたいだけです。
数字が結果の全てではないってのは、きっと大甘な考えなのでしょうけど。


キャッチコピー
2008.02.16

頑張って仕事してきました。

おはようございます朝イチで出かけ夕方に戻り来客があってすぐ出発して夜に
帰ってきてそれから書類の整理して気が付いたら日が変わっていた眠いもう寝る。


六法という言葉がありますよね。
アレは「憲法・民法・商法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法」の6つを指します。
で、じゃあなんでこの6つなのか?

実は、これは箕作 麟祥(みつくりりんしょう)という人が考え出したキャッチコピー
だったらしいんですね。
この人は、ナポレオン法典なんかを日本語訳するのに尽力を尽くされた方です。
で、実は訳した法典は5つだったんだそうです。

「ごほう」という言葉のすわりがイマイチだったので、憲法を足して「ろっぽう」に
したのでは、というお話なんだそうです。
ということで、六法というのは「凄く大事な6つの法律」というよりも、「とりあえず
大事そうなの幾つか見繕っといて、まぁ座りがいいから6つにしといたよ、法律」
という程度の意味だったらしいです。
が、このキャッチコピーとしての六法が広く受け入れられ、6つの基本的な法律
という意味合いが強くなったとのことでした。


法律の数からしたら、行政法関係の方が圧倒的に多いらしいのですが、
結局六法に入っていないが故にマイナー扱いされるらしい、という話を
先日聞いてきました。
税法なんてのも、課税権というものが国家に認められた強大な権力だ、
なんて言われつつもイマイチ議論が盛り上がらないのも、やっぱりこの
「六法パワー」の影響なんでしょうか。


「四天王」だの「六大団長」だの「七武海」だの、数字を絡めるとなんかカッコエエ
なんて思うのは、昔も今も、子供も大人も余り変わらない、というお話でした。


LLCイメチェン計画
2008.02.15

相談会の担当とかやっている場合でもなかったかも。

おはようございます、二日間も事務所にいないと、机の上がすごいことに。


以前合同会社について少し触れたときのことです。
最後の方で「名前が悪い!!」と書きました。

で、ですね…尋ねてみました、法務省に。
名づけて「LLCって会社につけたらカッコ良いんじゃね?」計画、発動!!


結論!!ダメでした!!!


儚い夢でした…。
まず、会社法の第6条を参照すると
1)会社は、その名称を商号とする。
2)会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれの
商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければ
ならない。
3)会社は、その商号中に、他の書類の会社であると誤認されるおそれのある文字を
用いてはならない。

私が考えたのは、法務局の登録には「合同会社」といれて、名刺には「LLC」ってのを
いれるというのはどうだろうか?という案でした。
まず、2項から法務局の登録には「合同会社」という名前を使わなくてはなりません。

で、問題は3項です。
「勘違いを誘発するような呼称はだめだよ」という趣旨みたいです。
で、仮に名刺に「LLCたかはし会計センター」と入れてみるとすると、
LLCと「LLP」を勘違いされる恐れがあるのかな…というのが解釈論としての問題です。
法務局の担当された方も、解釈論については質問には答えられないみたいなので
断言はされていませんでしたが…止めておいたほうが良いかもしれませんね、という
ニュアンスのお返事でした。

まぁ解釈論ですので、名刺に「LLC」とつけるのが絶対にだめ、というわけではない
みたいなんですけどね…仮に突っ込まれると弱いのかなぁ…。
中々良い案だと思ったんですけどねぇ…。


と、日本中でこんなくだらないことを確定申告の期間に気にしている税理士は
多分私くらいかもしれません。
今日も頑張って仕事します…。


司法の役割
2008.02.14

聖人の命日、仏前に線香を。

おはようございます、日本人の宗教的寛容さは世界に誇れると思います。
お釈迦様もぶっとぶこの自由な発想。
命日にチョコが飛び交う今日この頃。
実は日本は、世界でも有数の宗教大国なのでは?


昨日、民事裁判の大雑把な流れを書きました。
各機能についても触れてみましたが、そもそもなぜああいった機能が必要なのか?

理由は簡単でして、「裁判を受けたからには、結論を出さないといけないから」らしいです。
例えば裁判を受けて「裁判やってみたけど、よくわかんないからやっぱ自分達で
解決してよ」と裁判官に言われたら、当事者はどう思うでしょうか?
そもそも当事者間でこじれてしまい、どうにも結論が出ないから司法の力を借りている
わけですから、その司法から「自分でやれ」といわれたら、本末転倒。
裁判所は、訴訟を受け付けたからには何としても結論を出さねばならないわけです。


ということは、事実の存否が不明の場合でも結論を出すとなると、本当はあったかも
しれないことをないものとして判決を出さないといけない可能性が充分に考えられます。
その為に、昨日の証明責任なんて言葉が効力を発するようです。
「この事実を基に、この法律の適用を受けたいなら、君がちゃんと証明しなさいね。
 もし証明できないなら、ないものとして君に不利益に判決を下すよ」という
論旨を取らざるを得ないわけです。
だって、そうしないと判決が下せないから。


裁判というと、すごい精緻なシステムを想像していたのですが、見えてくるのは
想像以上に人間臭い話です。
わからなくても先に進まなくてはならない、というのは、我々各人の人生そのものと
同じような構造を持っているようです。
司法も人が生み出したもの、余り特別視しすぎるのも良くないのかもしれません。


論理の組み立てと結論の相違
2008.02.13

今日は相談会。

おはようございます、今日と明日は地元組織での相談会担当です。
開業当初、この時期の忙しさをよく理解しないままありとあらゆるイベントに
手を上げたツケがきています。
私の馬鹿!!もう知らないんだから!!


先日、民事訴訟法の勉強をした際に知った話をネタにします。
よく、裁判が上手いとか下手とかいう評価が弁護士さんにされています。
事実としてあるものは変わらないのに、人によって結論が変わる、ということが
司法という場面でそうそう起きるものなのかなぁ…と何となく感じておりました。

が、民事訴訟における原則の話を聞いて納得しました。
民事裁判では、概ね次のようなプロセスを踏むらしいです。
・原告、訴訟物(訴訟の対象となるもの)を確定…「処分権主義」
・当事者が自分の論旨を自分で展開、証拠等用意…「弁論主義」
・裁判官、事実を自分の自由な心証で認定…「自由心証主義」
・事実の存否がよくわからないもの、当事者の片方が証明…「証明責任」

一番下の証明責任という言葉はよく聞くかと思います。
「利益を受ける側に証明責任がある」なんて言葉は、我々司法の素人でも
なんとなく知っていることではないでしょうか。
ただ、実際には証明責任という事項は、裁判においては最後の手段であって、
その前に既にいくつかのプロセスを踏んでいるみたいです。


そもそも何を訴えたいのかを自分で決め、それをどのように訴えるのかも
自己責任であるということは、つまりプレゼン能力が必須ということになります。
おまけに、基本的には裁判官の自由心証で決まるのですから、嫌われてしまうと
中々自分の思うような結論にはいきそうもないですね。
確かにこれなら、上手い下手の区別がされてしまいそうです。

弁論主義に基づき、より効果的に証拠の提出を図るなどの策が巡らされるようです。
ただし、このような方法が行き過ぎることがあって、裁判の長期化が避けられない
という事情もあったことから、証拠については一定の手順を守って提出するような
仕組みになってきたそうですけど。


という仕組みが用意されているらしいです。
で、何でこんな仕組みが必要なのか?というネタを明日にでも。


最も堕落した馬鹿で浮気で無責任なのは
2008.02.12

誰のことなのやら。

おはようございます、今日もまた雪の可能性がありですか。
一昨年の方が寒さはきつかった気がしますが、今年ほど雪は
振らなかった気がします。


表題、で、誰のことなのやら。(参照記事
本当は法律ネタでもやろうかと思ったのですが、旬を逃してはならないと思い。
デイトレーダを無責任に批判しているわけですが、短期売買をしている人の存在が
市場にとってどれくらい大切なのか、よくわかっていないみたいです。


先日上場企業に勤めている友人が「長く持つ気が無い人は株は買わないでほしい」と
言っていました。
企業にとって短期投資家は企業努力に興味がない人間。
これらに株価が振り回されるのは気持ちが良いものではない。
おそらく、この事務次官もこんな気持ちを代弁して「上手く言った」つもりになっている
のでしょう。


が、仮に世の投資家が皆長期投資家になったとすると、間違いなく資本市場は停滞、
低落、金融危機発生というスパイラルに落ち込みます。
理由は簡単、流動性が確保されない市場に、資金は投じられないからです。

何故長期投資家という選択肢が存在できるのかといえば、どんな状況でも売買に
応じてくれる短期投資家が確実に存在するから、という裏づけがあるからです。
流動性が確保されていない金融商品を長期間保有するなんて勇気は、私には
ありません。

下落相場でも買い向かう。
相場が動かないときに動く。
これらの手法は、所謂「投資の基本」と呼ばれるものからは遠い存在です。
が、市場の健全性を考えれば、絶対に必要な勢力であり、この力の存在なくして
資本市場は成立し得ないです。
この不況下でも、このような立場にたって相場を下支えしている投資家や経営者が
多く存在することを、このお役人さんは否定しようというのでしょうか。
(企業経営も同じ。不況だからって商売を始めないのでは、資本が停滞します。)

長期投資家と短期投資家の分かれ目は、要は投資家本人の気質次第です。
それ以上でもそれ以下でもありません。


更にいえば、議決権がない株式なんてのは当の昔に発行できるようになっています。
会社法って法律を作ったのは確かお役人さんだと思ったのですが、もう内容を
忘れてしまったのでしょうか?


資本市場をマクロの視点から眺めれば、長期だとか短期だとか、友好的だとか
敵対的だとか、そんなことは正直言ってどうでも良いのではないかしら、というのが
個人的な意見です。
そんなことよりも、資本市場が活性化し、企業の活動資金が潤沢になるとともに
経済が活性化する、というサイクルに乗せられるかどうかのほうが余程重要です。
買収されたって、会社が元気になるなら良いってのは、プライドが許さないですかね。


現在の相場低迷は、やはり官製のものなのかもしれません。
そりゃ国の役人トップである官僚がこんなこと言ってれば、外国資本も逃げるでしょう。
建築基準法不況・金融商品取引法不況に並んで、大失態ともいえる発言ではないかと。
正直、それほど役人に対する嫌悪感をあらわにするのは好きではないのですが、
今回のこの発言だけは見過ごすことは出来ませんでした。


公法という高峰との工法に対する後方支援の広報
2008.02.11

こんな記事をみて。
あぁ、もし一昨日の事故のとき、ここにICでもあったらな~と思っていたあの日。

おはようございます、確かに町田と厚木の間は結構距離があります。
その先の川崎~青葉~町田間の距離感を考えると、とても長く感じます。
綾瀬といえば渋滞のメッカ、一つ解消の方向に向かう施策をとって頂きたいものです。


先日の金・土と、毎月恒例の法務講座に出席してきました。
民事訴訟法と行政法の二つを勉強してきたのですが、追々ネタにしてみたいと思います。
今回は、最も大枠の話。

法律には公法と私法という分け型が存在します。
例えば憲法ってのは「国のあり方」を示しているので公法です。
民法は「民間同士のあり方の基本ルール」を示しているので、私法になります。

とかく司法の利用は、私法を問題として使われることが多いです。
「貸した金返せ」「家を明け渡せ」「損害を賠償しろ」等々、基本的には民間同士の争い
ですから、民法なり商法なりを用いて戦うことになるわけです。


では公法を用いて戦うことってのはどの程度あるのか。
時々ニュースなんかで「憲法違反だ!」なんて声が聴かれますが、それほどメジャーでは
ない戦いです。
極簡単にいうと、日本では役所がかなり強い立場にある、ということみたいです。
判例、つまり裁判の件数の割合からして、私法の方が公法よりも大分多い、つまり
民間同士の戦いは多くても、官民での戦いは余りメジャーではない、ということです。

公法という中には行政法、つまりお役所のルールが多く含まれていて、一つ一つの
細かいチェックがされているかといえば、非常に微妙なのが実情。
しかし、司法を用いてのチェックはあまり有効に働いていないようです。

で、そこに司法試験改革なんてのが絡んできました。
これから大量に増えると言われている弁護士さんが、この公法の分野に進出する
のではないか、という意見があるみたいです。
そうなると、役所は今まで「俺様ルール」で条例を作れたのが、「住民様ルール」に
即して行動しなくてはならなくなるのでは、ということみたいです。

民間にとっては悪い動きではないのではないでしょうか。
司法立法行政、残念ながらこの三権分立が有効に利用されているとは言い難いのが
現在の日本です。
特に立法と行政の癒着はかなりひどいと思われます。
司法の利用が楽になれば、民間としては広い意味での「政治」に対抗しやすくなるのでは。


と、こんなネタで今日のところはお終いに。
また何日か、法律系のネタでも続けてみます。


道を照らす術
2008.02.10

昨日の大雪、掛かった時間二時間。

おはようございます、東名高速で約二時間以上に渡り全く進まないという
悲劇に巻き込まれた主人公です。
眠気覚ましのガムとラジオを糧に、必死にこらえておりました。
厚木方面から町田インター手前で事故があったみたいです。


ここ最近なのですが、何故か法律に関する相談をお客様から立て続けに
されるという機会がありました。
それほど大事というわけでもないのですが、どう対処してよいのやら、という
ようなことはそれなりに起こるものです。
資金の回収や支払なんてのが最もメジャーな例でしょうか。
お金を払ってくれない、或いはお金の取立てが厳しい等。

様々な事情から、望まぬ借金を抱えて事業を続けているケースや親戚間の
トラブルで思うような運営が出来ないようなことは商売上よくあることです。
ただ、こういったトラブルに関して、何も手を打たずにいると良くないことは
わかっていても、本職の司法家、つまり弁護士さんに仕事を依頼すると、幾ら
かかるのだかよくわからん、ということで尻込みしてしまうことも多くあります。


で、私がお客様に紹介したのは「法テラス」という組織です。
法テラスとは、そういった司法の助けを必要としながらも、資金的な面が気になり
行動を起こせないような人の為の組織です。
今から2~3年前くらいに出来たばかりのもので、案外と知られていないようです。

極々簡単な相談だとか手続きについてなら、無料で相談にのってもらえるようです。
最終的に、解決の相談をするにしても面倒はみてもらえるみたいですね。
(もちろん、全て無料ということではありません。)


また、これも最近では知られてきている情報ですが、所謂多重債務者の債務整理に
ついては、司法書士さんも対応できるようになりました。
司法書士さんといえば、登記関係の専門家だったわけですが、最近ではこの分野を
専門に活動されているような方も多いそうです。


少しずつですが、司法の垣根は下がってきています。
自分で全てをやろうとすると、時間もお金も結局はかかってしまうもの。
餅は餅屋、まずは餅の案内所くらいには顔を出してみても良いのではないでしょうか。


愚痴
2008.02.09

メモが赤字でビッシリ。

おはようございます、机の目に付くところにいわゆるtodoメモがあります。
やることが赤字で書いてあるのですが、減るそばから書き加えるので
定期的に全て書き換えないと、書く場所がなくなってしまいます。
以前は、これが真っ白になることも多かったのですが…。


昨日の予告通り、社会保険庁であったことの愚痴です。
ま、それほど大事ではないのですが。

顧問先に合同会社があります。
先日取り上げた会社形態ですが、会社法が施工されて割とすぐに設立。
設立の手続きから全てご自分でやられるという積極的な方ですので、
人的な要素が全面に出ている分、合同会社という組織は非常に
利に適っているように思われます。

そんな顧問先様ですから、社会保険加入の手続きも自分でやる、という
ことになり、私は書類だけ貰いに社会保険事務所に行きました。
一応説明をすると、社会保険労務士でない人が代行等をやってはいけない
ことになっており、私はあくまで書類を貰いにいっただけです。

で、窓口で「法人の加入用の書類を一式貰いたいのですが」と申し出て、
手続き用の書類を貰いました。
その時、ちょっと気になったので「合同会社ってのも、この書類で大丈夫
なんですよね?」と尋ねてみました。
すると、対応した人の反応が「?」。
「えっと、合同会社なんですけど…」
「…合同会社って何?そんなものないけど。合資か合名の間違いじゃないの。」

…え~~~~~!!!!!!
ちょっと待て、オマエ!!法人の担当なんだよな!?
何でそんな人間が合同会社知らないんだよ!!あり得ないだろ!!!

で、そこから仕方なしに少し説明。
「会社法が施工されて、新しく出来た形態うんぬんかんぬん等々」


その時につくづく思いました、社会保険庁の何がダメなのか。
要するに、周辺の事情や実体に対する興味が皆無なのですね。
例えば税制も全く知らない、企業法務にも特に興味がない等。
だから、課税間違いも起こせば、合同会社を知らない所員もいるということで。
これが、例えば税務署の職員だと、案外社会保険の基本的な所までは
知っていたりするのです。
何故なら、課税をする上で必要な知識だからです。


確定申告における実情だとか、その辺りを社会保険庁の職員が少しでも
理解する気持ちがあるなら、もう少しまともな行政が出来るような気が
しているのですが…。


最後に私見、以前にも書いているかもしれませんが…。
私は、日本の税制は低負担であると思っています。
少なくとも「庶民」と呼ばれるような人に対しては、かなり寛大であると思っています。
(まぁこの庶民というのが何なのか、非常に議論がわかれると思うのですが)
ただし、社会保険は本当にどうしようもない制度だと思っています。
制度から運用形態まで、全て取り壊して立て直す位のことをやってもらいたいです。
広い意味での租税公課、いっそまとめてしまっても良いのかもしれませんけど。


年金と税金追記
2008.02.08

現在、業務用ソフトの切り替え作業中。

おはようございます、新しいソフトの使い勝手が中々分からず、ちと苦戦。
ただ、ソフトというのも癖が理解できると不思議と使いこなせるもの。
何となく新しいソフトの設計思想がわかってきたので、どうにかなりそうです。


昨日、年金に対する課税についていの記事を書きました。
さて、税務のほうも影響があるよな~なんて思っていたら、夕方には税理士会から
FAXが届きました。
「申告相談会や年金説明会でこのこと聞かれたら、社会保険庁に問い合わせるよう
 ちゃんと指導し~や。各年分の金額分からんと、申告出来ないからね。」
大雑把にいって、こんな趣旨です。

至極当り前なのですが、税理士の仕事とは元になる資料があっているという前提で
進めるものです。
依頼主や相談者が意図的に仮装隠ぺいを試みた場合を除き、役所から出た書類が
間違っているということまでは想定して仕事をしません。
というよりも、それは不可能です。


今回の件は、裁定等で過年度分が訂正になった場合、ということなのでケースと
してはそれほど多くはないのかもしれませんが、正確な課税を行おうとした場合の
手数(コスト)を考えると、結構大事かもしれません。

例えば19年に超過課税されているとしましょう。
社会保険庁から正しい19年分の資料が届き、正常な課税状態に戻るとします。
しかし、過年度分はどうするのでしょうか?
少し考えればわかりますが、19年が超過課税だったということは、過年度について
過少な課税が行われていたことを意味します。
18年以前の年金について、今回訂正される分を加えた上で、再度申告なり課税なりを
しなければならないわけです。
コレ、果たして納税者側が素直に応じるでしょうか?


そして、何より私が気になるのは、コレに対する対応をするがために税務署等がさらに
混雑するような事態になれば、結局はそのコストが税金に跳ね返るというジレンマです。
何かクールな対処方法を決めて、混乱がないよう対処してもらいたいものです。


って、本当はもう一つの社会保険庁での愚痴を書くつもりだったのですが。
タイムリーにFAXがきたので、それはまた明日にでも。


年金と税金
2008.02.07

この冬はあと何度雪を見るのか。

おはようございます、今度の日・月と奇跡的に予定が入っていないのが
逆におっかない。
何か忘れているのではないでしょうか?


こんなニュースをみて。
年金に対する課税ですか…源泉所得税が間違っているだけならまだしも、
収入の計上時期をまとめられては超過課税になってしまいますね…。

コレ、平たく説明しますと、数年分の収入が一年分として課税されている、という
ことになります。
そもそもの収入金額が多くなりすぎているので、何をしたって超過して課税されて
しまいます。(確定申告で過不足が清算、というレベルの話ではありません。)


…ってアレ?この案件って確か…
と思ったら、実は先日確定申告説明会というのに参加しまして。
資格持っているのにそんなの出るの?なんて言われてしまいそうですが、
昨今の税制は一年として同じであることがないので、こういった説明会は
改正点等をコンパクトに教えてもらえるまたとない機会です。
何せ、主催は税理士会や税務署で、参加者は全員が税理士か税理士事務所の
職員という構成です。
有名な税理士や、管内の税務署職員の方がポイントを説明してくれます。

で、その説明会の時に、税務署の人が「年金の貰い忘れについては、まとめて
やるんじゃなくて、本来の収入年分に分けて申告して下さい。案外忘れやすいん
ですよね…」って説明していたまんまのケースですね…。
その時の感じでは、「年金に詳しくないと間違うよ」というニュアンスだったのですが、
なんだ、年金のプロ中のプロが間違うんだから、しょうがないってことですね~

…ってアホか!!!と。
社会保険庁、よくもまぁこれだけ不祥事や間違いが続くなぁ…と。
源泉所得税を預かる立場の人間が、基本的な課税体系位しっておかなくて
どうするのか、という話です。


ちなみに、租税公課という言葉には社会保険も含まれると解釈されます。
よく言われる言葉ですが、国民健康保険税なんて用語がある位ですから、
社会保険というものも立派な税金の一種と捕えることができます。

呼び名が違うだけの親戚なんですけどね…少なくとも、徴収や制度については、
税制と社会保険ではレベルに大分差があるような気がします。
以前、チラッと嫌味なネタを記事にしたこともありましたけど。

こんなこと書いていて思い出したので、明日もちょっと社会保険庁への愚痴でも。


資金と効率
2008.02.06

寒さに震えて。

おはようございます、現在窓の外はまたもや雪状のものが降っているようです。


少し前に会社法関係の話を取り上げました。
合同会社やLLP、属人株式など、組織生成についての話題です。

そもそも、なぜ組織について色々と工夫を凝らしたのかというと、大まかに
いって理由は二つあります。
一つ目は組織の組成を柔軟化し、買収防衛策や配当政策について各企業の
裁量に任せようとした。
現在、コレが行き過ぎているのでは、という問題提起がされています。
が、今回主題にしたいのはこちらではなく…。


もう一点、資金集めを楽にしよう、という点があります。
現会社法は起業という要素を非常に重視していますので、こちらの点のほうが
より強いかもしれません。
例えば、株式の種類が多様化したことにより「配当はもらえるけど議決権が
ない株式」など、色々な種類の株式が発行できるようになりました。
起業としては、資金集めの手法が多様化したことにより、やりたいことが
やりやすくなった、というメリットが産まれたわけです。


が、同時に一つの大きな問題が発生しました。
資金集めは出来るようになった、が、その資金の運用が余り良くない、ということです。
日本企業は、海外企業と比べて利益率が概ね低いといわれています。
要は、集めた資金=資本の使い方が下手ってことです。

「この事業をすれば5億規模の商売になる」といって2億円ほど調達しました。
が、実際に始めてみたら、せいぜい3億円程度しか動かない、となったら出資した人間は
やはり怒ってしまうのではないでしょうか。
今の国内企業(特に上場企業)について起きているのは、こんな現象です。
特に、海外投資家からこのような目線でよく視られているようです。


ただ、この考え方は別に大企業のみに適用できるものでもありません。
中小零細にとっても、どこからどの程度利を稼ぐつもりかを考えた上で、投資案件を
精査するわけです。
不必要に大きな資金を集めても仕方ありませんし、途中で足りなくなるのは愚の骨頂。
動く前に、ある程度の皮算用をした上で資金獲得は進めましょう。


還付金詐欺
2008.02.05

今朝は早くから税務署でした。

おはようございます、少しずつ税務署が混んできました。
この時期特有の慌しさが漂い始めているようです。


タイトルの還付金詐欺ですが、最近だとATMを使ってお年寄りを誘導、という
案件のことをさすようですね。
が、今回ネタにしてみたいと思ったのは、コチラのニュースです。
消費税巨額還付詐欺事件、とでも名づければ良いのでしょうか。


消費税の納税の仕組みは案外と単純です。
事業者は、預かった消費税から支払った消費税の差額を納付します。
例えば売上が1,050万円、仕入れが720万円だとします。
なぜ720万円なのかといえば、通常経費の中には消費税の掛からない経費が
あるためです。
代表として、人件費や租税公課、保険料等があります。
今回のケースでは、そういった消費税が掛からない経費が300万円あるとします。
そうなると、1,050万円の5%で50万円と、420万円の5%で20万円の差額である
30万円が納付税額となります。

もし、仮に預かっていた税額よりも支払っていた税額が多ければ、還付されます。
預かったのが25万円、支払ったのが40万円なら、15万円の還付です。
今回の事件は、ここを悪用したと報道では言われているようです。

特に大きな固定資産の投資をした際には、非常に沢山の消費税を払うことになります。
ポイントは、固定資産についての消費税の支払は、購入時に一括で考える、という
事でして、所謂減価償却費といった企業会計の経費の考え方とは一致しないのです。
よって、大きな投資をした際には、よくこのような還付事案が出ます。


今回の事件については、確かに悪質な詐欺のようですが、コレが余りにもデフォルトと
して扱われてしまうと、真っ当に還付を受けようとする企業が迷惑を被ります。
例えば、研究開発業をやっているような企業では、特許使用一件辺り数億円なんていう
支払もザラに出てくるわけです。
その際、「この特許にはそんな価値は無い」と課税庁側に一方的に決められてしまうと
なると、非常に困ったことになります。
特に研究職の場合、売上が立つのが稀であることから、法人税の赤字の繰越や消費税の
還付請求が多発しやすいので、この辺りの規定が曖昧な運用がされてしまうと、研究開発
の支援が税制側から妨害されてしまいかねません。

悪質な案件はびっちりと取り締まってもらうとともに、是非ともガイドラインのようなものの
制定が進むことを期待します。


信頼カード
2008.02.04

雪の影響で、夜が早くなりました。

こんばんは、昨日は久しぶりに会った人とノンビリ飲めるかと思っていたのですが、
電車がなくなりそうでしたので断念。


クレジット、という言葉ですが、大本はCredoというラテン語でして、
「信じる」という意味を持ちます。
信頼を表象したカードという意味になるわけですね。


クレジットカードの利用についての記事が、1月の中旬頃に出ていました。
男性と女性では使い方に大分差があり、男性はまとめて1枚に集約、
女性は店舗ごとに使い分けをする傾向が強いそうです。

値引きやポイントなど、適格にその店舗にあったカードを選択して使い分ける。
うん、私には出来ない芸当です。


しかし、やっぱり気になるのは、こうして累積されるポイント群が現在どの程度
蓄積されているのか、という点でしょうか。
以前にもちょっと取り上げたりしましたが。
企業全体で考えると、とてつもない金額になっていると思うのですが…。
これらは家計の隠れ収入として埋蔵されているわけです。

真剣に掘り起こすと、家計にとっては資産、企業にとっては大きな負債。
やっぱり、今後も目が話せない要素だと思います。


属人たる俗人
2008.02.03

一番の死亡フラグは、眼鏡をかけた「バーロー」とかいう小学生が近くにいる時。

おはようございます、見た目は大人、頭脳はほぼ高校生のままです。
ってか、高校生で頭脳は大人って、どんだけ早熟なんでしょうか。


前2回において、合同会社とLLPという二つの形態について記事にしました。
どちらも幅広い自治制度が認められているわけですが、なぜかというとどちらも
人的な組織であるから、という点はご説明した通りです。
人が主流の組織だからこそ、融通を効かせることができる、というわけです。


では、株式会社ではそういった人的要素を配慮することは無理なのか、というと
そんなこともありません。
実は、現在では発行できる株式にも色々な種類があるため、株主に対して
属人的な要素を考慮することが出来ます。

一番有名な例としては、黄金株なんてのがあります。
この株一つをもっているだけで、他の株主の同意をひっくり返すことが出来ます。
出資額と議決権が比例するという原則を、根底から覆すことができるわけです。
他にも、配当や残余財産の分配など、結構融通が効きます。


物的会社に対する人的要素の付与、という点において、とても面白い規定です。
現行の会社法においては、やはり重視されているのは人なのでしょう。

ただ、この種類株式なんてのも、本来は中小零細にこそ有用な規定なのですが、
それほど活用されているという例が多くないのも事実です。
制度の成熟が甘い点もありますが、やはり人の盛り上がりが足りないのが
最大の原因ではないでしょうか。

「こんな商売やってみたいけど、元手がなぁ・・・」なんて時に、自分に黄金株を
発行しつつ、出資者を探したり、といった感じの場面が、もう少し頻発してくると
話は大分違ってくると思うのですが。


LLPの淀み
2008.02.02

オレ、この確定申告期が終わったら結婚するんだ・・・

おはようございます、既婚者です。
死亡フラグナンバーワンといえば、やはりコレでしょうか。


さて、昨日記事にした合同会社ですが、実はある点について、経済界からの
要望があったのですが、お役所から拒否された点がありました。
それはパススルーという制度です。

例えば3人集まって事業を始めたとします。
で、90利益が出ました。
さて、どの時点で課税をするのか、というのがポイントになります。

海外におけるLLC(合同会社)は、法人に対して課税をするのではなく、
構成員に対して課税する、という仕組みになっています。
上記の例ならば、各々に30ずつ利益が配分され、その30に対して課税されます。
これがパススルーという仕組みです。
つまり、課税されるのは、法人税ではなく個人所得税になるわけです。


柔軟な事業経営をする為には、このパススルー制度が非常に有用とされており、
国内においても導入が期待されたのですが、財務省の返答はノー。
その代わりというわけで、LLP(有限責任事業組合)が成立しました。

特徴として、各構成員は有限責任であり、非常に幅広い自治が認められています。
そして、パススルーが使える、ということで、経済界待望の品となっています。
…が、余り活用はされていないような気もしますね…。


合同会社にせよ、LLPにせよ、人的な価値に重きを置いているといえましょう。
金はないけど才能ならある!!という猛者は、この制度で自分をアピールできるかも。
…ただ、コレ、事業を始める仲間がいて、初めて成り立つ話なんですよね…。
人的重視ゆえ、結局は人がいなけりゃどうにもならない、とでも言いましょうか。
で、現在、起業精神溢れる人というのが、中々簡単には見つけられないのも事実。

今後この制度が活用されるのかは、起業精神の盛り上がり如何という所でしょうか。


合同会社の悲哀
2008.02.01

というわけで、昨日は次男君の誕生日でして。

おはようございます、3歳ね、ようやく人間っぽくなってきました。


会社法が制定されて少し時間が経ちましたが、徐々に中小零細企業の間にも
その影響が浸透してきたような感じを受けます。
新設法人の設立時や既存法人において役員の改選時期が来たこともあり、
役員の任期を最長の10年にしている株式会社が非常に多いのではないでしょうか。
役員の任期は、会社法制定に伴い制度が変更になったものの内でも、
中小零細企業にとって導入しやすいメリット、改正点の最たる例です。

さて、そんな中、それなりの注目をもって産まれた割にはイマイチ使われていない
制度も数多くありますが、今回はその一つ「合同会社(LLC)」についてでも。


合同会社とは、人的会社でありながら有限責任で良いという、既存法人の長所を
集めた優れた組織体であり、海外においては共同事業のようなものを営む際には
積極的に活用されている制度で、国内においても導入が一部において切望されて
いました。

会社には物的会社と人的会社の二つがあります。
物的会社は株式会社(有限会社も、既にこの株式会社の中に内包されています)。
人的会社とは合名会社と合資会社をいいます。
両者の差は、法人を独立した存在と扱うか、在籍する人を重視するか、という点です。

多くの中小零細企業においては、社長の信用力がそのまま企業の力に直結する
というのが現実ですので、実は多くの場合人的会社の方が実体に即しています。
但し、人的会社とは人の存在重視ですから、法人が背負った債務についても
無限の責任を負う、というリスクが存在します。
その点、物的会社の場合、株主は出資額を限度にしか負担を問われません。
例えば自分で株式会社を100万円で作り、会社が1,000万円の借金を背負ったまま
倒産しても、社長としての個人は出資金100万円をあきらめるだけでOKです。
(実際には、連帯保証等で無限責任になる可能性の方が高いのですが)


で、合同会社は人を基本にした会社でありながら、有限責任で大丈夫ですので、
非常に機動性に優れた組織体であることがわかります。
組織も株式会社に比べて簡便で良いので、法人を維持する為の費用も少なくて
済みます。

更に、配当制度についても非常に柔軟な体制を作ることができます。
株式会社では、出資額が配当請求の金額に比例します。
つまり、金を持っていて、ソレを出した人間が強いのです。
ところが、合同会社の場合、出資額と配当額が比例していなくても構いません。
(多少の規制はありますが)
例えば、金はないけど能力がある人などは、自分の能力を出資することで、
配当を出資額に比し多く受け取ることも出来ます。


結論として、合同会社は多くの中小零細企業にとって、非常に利便性の高い、
優良な組織体であると考えます。
が、流行っていません、何故なのか?

ポイントは二つ、知名度とネーミングの悪さです。
まだこの組織の有用性が知られていないことと、制度自体が知られていないこと。
以前、顧問先の合同会社に頼まれて、近くの役所に書類を貰いにいったことがあります。
が、そこで「合同会社もこれで大丈夫ですか?」と聞いても、その役所の担当者は
合同会社という制度を知りませんでした。

そして、なんといっても名前が悪い。
合同会社って、どう考えても合資会社や合名会社と混同されています。
現在では主流とは言いがたい両法人、私が合同会社の利点を説明しても、これらと
混同されることを嫌がり、結局株式会社にする顧問先が結構あります。
対外的な信用力を考えると、株式会社の方が良いだろう、という判断です。


もう少しメリットがアナウンスされても良い制度だと思います。