合同会社の悲哀

2008.02.01

というわけで、昨日は次男君の誕生日でして。

おはようございます、3歳ね、ようやく人間っぽくなってきました。


会社法が制定されて少し時間が経ちましたが、徐々に中小零細企業の間にも
その影響が浸透してきたような感じを受けます。
新設法人の設立時や既存法人において役員の改選時期が来たこともあり、
役員の任期を最長の10年にしている株式会社が非常に多いのではないでしょうか。
役員の任期は、会社法制定に伴い制度が変更になったものの内でも、
中小零細企業にとって導入しやすいメリット、改正点の最たる例です。

さて、そんな中、それなりの注目をもって産まれた割にはイマイチ使われていない
制度も数多くありますが、今回はその一つ「合同会社(LLC)」についてでも。


合同会社とは、人的会社でありながら有限責任で良いという、既存法人の長所を
集めた優れた組織体であり、海外においては共同事業のようなものを営む際には
積極的に活用されている制度で、国内においても導入が一部において切望されて
いました。

会社には物的会社と人的会社の二つがあります。
物的会社は株式会社(有限会社も、既にこの株式会社の中に内包されています)。
人的会社とは合名会社と合資会社をいいます。
両者の差は、法人を独立した存在と扱うか、在籍する人を重視するか、という点です。

多くの中小零細企業においては、社長の信用力がそのまま企業の力に直結する
というのが現実ですので、実は多くの場合人的会社の方が実体に即しています。
但し、人的会社とは人の存在重視ですから、法人が背負った債務についても
無限の責任を負う、というリスクが存在します。
その点、物的会社の場合、株主は出資額を限度にしか負担を問われません。
例えば自分で株式会社を100万円で作り、会社が1,000万円の借金を背負ったまま
倒産しても、社長としての個人は出資金100万円をあきらめるだけでOKです。
(実際には、連帯保証等で無限責任になる可能性の方が高いのですが)


で、合同会社は人を基本にした会社でありながら、有限責任で大丈夫ですので、
非常に機動性に優れた組織体であることがわかります。
組織も株式会社に比べて簡便で良いので、法人を維持する為の費用も少なくて
済みます。

更に、配当制度についても非常に柔軟な体制を作ることができます。
株式会社では、出資額が配当請求の金額に比例します。
つまり、金を持っていて、ソレを出した人間が強いのです。
ところが、合同会社の場合、出資額と配当額が比例していなくても構いません。
(多少の規制はありますが)
例えば、金はないけど能力がある人などは、自分の能力を出資することで、
配当を出資額に比し多く受け取ることも出来ます。


結論として、合同会社は多くの中小零細企業にとって、非常に利便性の高い、
優良な組織体であると考えます。
が、流行っていません、何故なのか?

ポイントは二つ、知名度とネーミングの悪さです。
まだこの組織の有用性が知られていないことと、制度自体が知られていないこと。
以前、顧問先の合同会社に頼まれて、近くの役所に書類を貰いにいったことがあります。
が、そこで「合同会社もこれで大丈夫ですか?」と聞いても、その役所の担当者は
合同会社という制度を知りませんでした。

そして、なんといっても名前が悪い。
合同会社って、どう考えても合資会社や合名会社と混同されています。
現在では主流とは言いがたい両法人、私が合同会社の利点を説明しても、これらと
混同されることを嫌がり、結局株式会社にする顧問先が結構あります。
対外的な信用力を考えると、株式会社の方が良いだろう、という判断です。


もう少しメリットがアナウンスされても良い制度だと思います。


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