現状維持バイアス(偏向)

カメ。
おはようございます、先日桜の木の写真を撮った農業用水路にいました。
野生…ではなく、野生化したカメでしょうね。
以前、人間は利得よりも損失に対する感応度が高い、という記事を書きました。
この理論を応用すると、人間のある行動パターンが理解できます。
それは、現状を変更することを嫌う、という傾向です。
損失回避の姿勢は、参照点、つまりスタート地点を現状に置きます。
仮に、この現状から変更すると、通常は皆さんに利得又は損失が生じます。
その利得又は損失は、金銭だけとは限りません。
時間かもしれませんし、もっと曖昧としたものである可能性もあります。
また、利得と損失が同時に発生する可能性も充分考えられます。
(というよりも、通常は両方発生します)
その場合、仮に利得と損失が150と100同時に発生したとします。
しかし、前述の記事を参照すれば、利得150はそのまま評価されるのに
対して、損失の100は約2~2.5倍の値で評価されます。
控えめにみても、150:200で評価される為、損失が勝ります。
結果、人間は変更により生じる損失を嫌い、現状を維持します。
決して「150-100=50だから、利得が勝るから変更が有利」という
安直な加除算では計算できないのです。
多くの事例が考えられます。
例えば、現状頼んでいる税理士がどうしようもないと思って、紹介会社に
新しい税理士を頼んでみて、会ってみたらそれなりに良さそうだった。
で、変えようかどうか迷った…けど、結局変わった場合の面倒臭さ、
つまり書類のやりとりの流れの構築や、変更に伴うストレスが非常に大きく
評価され、やっぱり今の税理士のままで良いや…とか。
…いえ、あくまで「考えうる事例」の一例ですよ?ええ。
もっとメジャーなのでは、保険契約なんかもあります。
明らかに非合理的な保険契約を結んでいるのに、変更や解約を嫌うのは
上記のような理由です。
新しい契約に伴う事務や、現行の契約が無くなる事のストレスが非常に
大きく評価されます。
冷静に変更により生じる利得と損失を比べられると、より合理的な行動が
取れることは多いのですが…難しいですね。
甲羅干ししているカメの達観した姿勢を眺めつつ。


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