参照点の移動

スペインで貰った酒壷。
おはようございます、今から約10年前、スペインとポルトガルに演奏旅行に
行った際にお土産で貰いました。
ちなみに、その旅行中にEUROの制度的流通が始まりました。
今考えると、歴史的瞬間に立ち会ったとも言えますね。
昨日の現状維持バイアスの説明において、参照点、つまり現状から受ける
損失は大きく感じるということを説明しました。
実はこの参照点、簡単に移動することもわかっています。
まず、先に説明を要する点を。
上記の「損失拡大傾向」ですが、現状から近い範囲ほど、拡大幅が大きいことも
わかっています。
例えば、皆さんが20,000円の損をしたとすると、
・10,000円の損失までは2.5倍のポイント
・10,001円以上20,000円以下は2.0倍のポイント
というふうに、拡大幅は逓減傾向にあります。
上記のことを前提に。
例示として、20,000円の損失が一度で起こった場合と、10,000円ずつ二度に
分かれて起こった場合を考えてみましょう。
一度に損失が発生した場合の「損失感情ポイント」は
10,000 × 2.5 + (20,000 - 10,000) × 2.0 = 45,000ポイント
という風に計算されます。
ポイント計上は、金額が大きくなるにつれ、逓減が起こります。
ところが、仮にこの損失が2度に分かれて起こると、不思議なことが起こります。
まず、最初の損失10,000円ですが
10,000 × 2.5 = 25,000ポイント
これは簡単です。
ところが、ここで参照点、つまり現状の移動が起こります。
つまり、今までの「プラスマイナス0」から「マイナス10,000円」に現状が移動します。
すると、次に起こる二度目の10,000円の損失のポイントを計算すると
10,000 × 2.5 = 25,000ポイント
ポイント計上の逓減効果が無くなり、最も高い計上幅が適用されます。
結果、ポイントの合計は
25,000ポイント + 25,000ポイント = 50,000ポイント
となってしまいます。
結論としては、20,000円を一度に損するより、二度に分けて損をした方が、
より大きな損失を感じるという結果が導かれます。
もちろん、常に確定された理論ではありませんが、人間が如何に
感覚だとか自分の中の常識に捕らわれているのか、という証左になるかと。


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