「生計を一にする」って何?
2010.11.30

【質問】
年末調整の時期になって「生計を一にする親族」という言葉をよく聞きます。
生計を一ってどういう意味ですか?
下宿している大学生の息子(仕送りをしている)は、一緒に生活をしていないから生計を一ではないですか?
また、面倒を見ている伯母(金銭面は私たちが負担)は、税務上、親族にあたるのかも不安です。


【回答】
「生計を一」とは、同居しているかどうかが問題ではなく、生活の資を共にしているかどうかがポイントです。また親族とは民法の規定に準拠し、6親等内の血族・配偶者3親等内の姻族を言います。


 ご相談の方の通り、年末調整や確定申告の時期になると「生計を一にする」という言葉と出会うことが多くなりますね。(ちなみに読み方は「せいけいをいつにする」です)

 所得税法では、至るところで「生計を一にする」が使われています。
 例えば、控除の対象となる配偶者、扶養親族、寡婦・寡夫の定義に関する規定などです。
 雑損控除、医療費控除、配偶者控除、地震保険料控除などの規定にも登場しますね。

 ご相談の方のように、「同じ屋根の下で生活を共にする人」だけをイメージしがちですが、「生計を一」は、意外と幅広いものです。


 所得税法の「生計を一」には、勤務、修学、療養など都合上ほかの親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、

(1)ほかの親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学などの余暇にはその親族のもとで起居を共にすることが常例となっている
(2)これらの親族間で、常に生活費、学資金、療養などの送金が行われている

といったケースは「生計を一」と認められます。

 逆に、親族が同一の家屋に起居していても、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合は「生計を一」とはいえません。

 「生計を一」とは、生活の「資」を共にしているかどうか、がポイントになります。

 では「配偶者」や「親族」はどのようなものでしょうか。

 これら2つの言葉は民法に規定に準拠しています。

 配偶者は、「戸籍法の定めるところにより市区町村長等に婚姻の届出をした配偶者」です。
 外国人の場合で民法の規定によれない人は、その人の本国法に定める要件を満たすことで婚姻が成立した配偶者を指します。

 「親族」は、
(1)6親等内の血族
(2)配偶者3親等内の姻族
を言います。

 以上から、ご相談の方の下宿をしている息子さんや伯母様も、生計を一にする親族となります。


新卒者に対する就職支援助成金
2010.11.23

【ポイント】
厚生労働省は、既卒者の就職を促進するための「新卒者就職実現プロジェクト」として、大学・高校等を卒業後3年以内の既卒者を正規雇用へ向けて育成するため、有期で雇用し、その後正規雇用へ移行させる事業主に対する助成金を創設しました。
既卒者の正規雇用に関する助成金が充実しつつあります。


 厚生労働省は、将来ある新卒者の就職の実現に全力で取り組む事として、全都道府県労働局に新卒者等が利用し易い専門のハローワーク、「新卒応援ハローワーク」を設置しました。

 また、既卒者の就職を促進するための「新卒者就職実現プロジェクト」として、大学・高校等を卒業後3年以内の既卒者を正規雇用へ向けて育成するため、有期で雇用し、その後正規雇用へ移行させる事業主に対する助成金を創設しました。

 今日は、既卒者雇用に対する奨励金をご紹介いたします。
 企業の側から見ると、優秀な新卒者を採用しやすい状況、と言えるかもしれません。
 この制度を積極的に利用してみてはいかがですか?

■3年以内既卒者トライアル雇用奨励金
【支給対象事業主】
 既卒者トライアル求人をハローワークまたは新卒応援ハローワークに提出し、それらの紹介により、原則3ヵ月の有期雇用をし、その後に正規雇用で雇い入れた事業主。

【支給対象労働者(未内定新卒者)】
 大学等を卒業後3年以内の既卒者で1年以上、同一事業主に正規雇用された経験のない人。
 ハローワークに求職登録している人でH20年3月以降の新規学卒者、中学・高校・高専・大学・大学院・専修学校等卒業者(40歳未満)が対象です。
 なお、平成22年度の新規学卒者は、卒業日以降に本制度を利用可能です。

【奨励金支給額】
(1)有期雇用期間(原則3ヵ月)=10万円/月/1人(MAX30万円)
(2)有期雇用終了後の正規雇用での雇入れ=50万円/1人/(雇入れから3ヵ月後に支給)

■3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金
【支給対象事業主】
 大学等の既卒者を正規雇用する事業主、又は卒業後3年以内の大学等の既卒者も応募可能な新卒求人を、ハローワーク又は新卒応援はハローワークに提出し、そこからの紹介で正規雇用した事業主。

【奨励金支給額】
 正規雇用での雇入れから6ヵ月経過後に、100万円を支給(同一事業所の支給は1回限り)

【支給対象労働者】
 3年以内既卒者トライアル雇用の場合と同じ要件ですが、この助成金の大学等とは短大・大学・大学院・高専及び専修学校卒業者となっています。


社葬にまつわる税務上の注意点
2010.11.16

【質問】
当社の会長が永眠いたしました。
社葬を行う予定ですが、後で税金面で不利にならないよう、注意点を教えてください。


【回答】
社葬で受ける香典は、遺族の収入とすることが認められています。
また社葬の費用は、その社葬を行うことが社会上通念上相当で、負担した金額が社葬のために通常要する額と認められれば、その支出をした日の属する事業年度の損金に算入することができます。


 会長さまのご冥福をお祈り申し上げます。
 ご準備で大変な中かとは思いますが、今日は社葬に関する税務上の注意点をいくつかご紹介いたします。


 まず、会社が費用を負担して行った社葬で受け取る香典について。
 受け取った香典は、「故人の冥福を祈るため持参されたから、弔慰金として遺族の収入とすべき」なのか、「費用を会社が出しているのだから当然、会社の収入だ」なのか、という問題があります。

 社葬に寄せられた香典は会社の収入とせず、遺族の収入とすることが認められています。
 社会通念上からいえば遺族の収入とするのが常識的である、と考えられるからです。


 次に社葬の費用は、
1.その社葬を行うことが社会上通念上相当であること、
2.負担した金額が社葬のために通常要する額であること、

が認められれば、その支出をした日の属する事業年度の損金に算入することができます。

 「社葬を行うことが社会通念上相当か」どうかは、死亡した役員などの「死亡の事情」や「生前における会社に対する貢献度合い」などが判定のポイントになります。

 創業者でもなく、会社の経営にほとんどタッチしなかった役員の場合、注意が必要です。

 「通常要する額か」どうかは、院号を受けるための費用や、密葬・墓石・仏壇・位牌などの費用が該当します。(その中でも程度はあります)

 また、税務調査の際、社葬を行うことを決めた取締役会の議事録が重要書類となるので、必ず用意しておきましょう。