販売手数料と交際費の区分けは難しい
2007.10.30

●販売手数料と交際費の区分けは難しい問題です。契約書等で「どのような目的」「どのような基準」で販売手数料を支払うのかを明確にしておくこと等、慎重な対応が求められます。


 会社が代理店等に支払う販売手数料と交際費の区分けは非常に難しく、実務においても迷うことが多くあります。また、税務調査においても、支出先や支出目的などを細かく調査される場合があります。

 販売手数料は一般に「商品の販売やサービスの提供に際して、代理店や外交員、仲介人等に支払う手数料」と解されていますが、その実態は非常に曖昧で幅広いのです。

 たとえば、法人が販売手数料という名目で「売上割戻し(リベート)」を得意先等に支出する場合があります。この場合、「売上高若しくは売掛金の回収高に比例して、又は売上高の一定額ごとに」または「得意先の営業地域の特殊事情、協力度合い等を勘案して」金銭で支出した場合には交際費となりません(法人税措置法通達61-4(1)-3)。
 ただし、これを物品の交付や旅行、観劇等の招待というかたちで行った場合、その費用については交際費になります(同61-4(1)-4)ので注意が必要です。

 また、「販売奨励金等(広告宣伝費)」も販売手数料として得意先等に支出される場合があります。この場合も、「販売促進の目的で特定の地域の得意先である事業者に対して販売奨励金等として金銭又は事業用資産を交付する場合」は原則として交際費にはなりません(同61-4(1)-4)。

 その他、特約店等の営業マンや従業員に支出した販売手数料、事業とは直接関係の無い者に対して支出した販売手数料(紹介料)などについても、個々に国税庁の取り扱い(通達)が公表されています。
 支出した販売手数料が「販売促進の目的」としての実態が無かったことを指摘されると、追徴課税等の対象になる可能性もあり、注意が必要です。

 こうした指摘をされないためには、契約書等で「どのような目的」「どのような基準」で販売手数料を支払うのかを明確にしておくことが重要です。もちろん、その額は「相当」なものでなければなりません。

 販売手数料をめぐる税務は複雑で判断が難しいため、慎重に行うことが大事です。税理士等の専門家へ一度相談してみるのも1つの手段として考えてみてください。

※この記事は「税金情報コラム」にも掲載しています。


オススメ店「ラ・シャンス」(千代田区平河町)
2007.10.26

 麹町駅から歩いて3分ほどのところにあるフレンチレストランです。地下1階という目立たないロケーション、小さな看板・・・と文字通り「隠れ家」のようなお店で、エントランスもレトロな雰囲気。タイムスリップして物語の世界に来たような気分になります。
 店内も落ち着いた感じ。お店の雰囲気にぴったりな絵がきれいに飾られていて、老舗店的な品のよさを感じます。

 大きな仕事の後だったので、前菜2種・スープ・お魚又はお肉(お魚をチョイスしました)・デザート・コーヒーで3,500円のランチ!をチョイス。
 それが当然、というかの如く、出てくるもの出てくるものすべてが美味!普通ならブログで(勝手に?!)紹介することを前提に、メニューの内容などをこと細かに覚えておくものなのですが、そんな余裕もありませんでした・・・(苦笑)。
 スタッフの皆さんの対応も丁寧で、最後のデザート、コーヒーにいたるまで食事はどれも大満足です。

 ランチは2,800円から、と、私にとっては「いいことがなければいただけない(^_^;)」お値段ですが、昼のひと時を美味しいものを食べてほっと過ごすためのお値段として考えるとかなりオススメです。


前払いしたプライバシーマークやISOの審査費用
2007.10.23

●ISOやプライバシーマークの審査費は支出した事業年度の費用(損金)にできますが、審査費用の前払いをした場合は注意が必要です。

 官公庁等がISO9000(品質マネジメント規格)やISO14000(環境マネジメント規格)の取得を入札の条件としていたり、企業が個人情報や機密情報保護の観点からISMS(情報セキュリティマネジメント)やプライバシーマークの取得を取引の条件にするケースが増えてきました。
 その結果、最近、中小企業においてもISO規格やプライバシーマークなどの取得を目指す企業が増えてきたように感じます。

 これらの規格の取得と維持には費用がかかります。具体的には、審査の時点で審査機関に支払う申込料、コンサルタント費用、予備審査料、本審査料、登録料などがかかり、取得後にも定期審査料、更新審査料、登録維持料などがかかります。
 金額的には、取得費用で100万円~数100万円、維持費用でも数10万円~数100万円かかると言われています。
 今回はその税務処理についてのお話です。

 たとえば、特許権や商標権などの工業所有権、営業権などの無形固定資産を取得した場合、その取得費用は原則として減価償却を通じて数年間で費用化していきます。

 しかし、ISO規格やISMS、プライバシーマークなどは無形固定資産とはみなされていません。したがって、その取得費用や維持費用は支出した事業年度の費用(損金)とすることができます。

 ただし、審査料などを前払いした場合は判断が難しくなります。審査機関によっては、審査の申し込み時に審査料などの一部または全部の前払いを要求される場合があります。
 この場合、ISO規格などの審査期間が長期間(数ヶ月~数年)かかることから、費用の支出日と規格の取得日が属する事業年度が異なる場合がでてきます。

 このような場合、税務上は「前払い費用」として扱うことになります。前払い費用の場合、役務の提供が1年以内に受けられるのであれば、「短期の前払い費用」として支出日の属する事業年度の費用にすることもできますが、そうではない場合は役務の提供を受けた日の属する事業年度の費用になります。
 いずれにしても判断が難しくなりますので、顧問税理士等に相談することをお勧めいたします。

※この記事は「税金情報コラム」にも掲載しています。


シンプルであたたかい建築を生み出す設計事務所「あとりえ とりやまあきこ」
2007.10.19

 今日ご紹介する企業は「あとりえ とりやまあきこ」さんです。
 シンプルで機能的だけど、人が集まってくるような、あたたかい雰囲気の建築設計やイラストを手がけるデザインの達人です。お話は鳥山暁子(とりやまあきこ)さんに伺いました。

■建築設計、イラスト。デザイン全般が仕事
-主なお仕事内容は?
鳥山さん「主に建築設計の仕事をしています。また設計にとどまらず、絵を描く仕事もしています。ホームページのイラストや結婚式のウェルカムボードの絵、企業のエントランスに季節ごとに絵を描く仕事もしています。
 デザインに関することならば、何でもやりますね。」

-建築のスタイルは?
鳥山さん「シンプルで空っぽな箱を作る。あとはその敷地にあわせて一番キレイに見える部分を切り取って住んでいる方にいい景色を見せたい、という思いがあります。
 もちろん、居心地がいいこと、機能的であることは基本です。

 とは言うものの、まだあまりスタイルは決めていませんね。」


■お客様の夢を形にする建築設計の仕事
-建築士さんに家作りを頼むってどんな感じですか?
鳥山さん「ゼロからお客様と一緒に家作りを考えます。お客様のライフスタイルやどういう家に住みたいかというご希望、ご予算などを聞いて、場合によっては一緒に土地探しもします。

 家のイメージが固まったらば施工会社選びのサポート。施工会社の見積もりもお客様と一緒に検討します。
 工事開始後、現場の監理、図面どおりに家を作っているかどうかの確認も、私の役割です。

 ゼロの状態から、完成・引渡しまで、お客様のあんな家に住みたい、こんな生活を楽しみたいという夢を形にするのが仕事ですね。」

-ずいぶん贅沢ですね?!
鳥山さん「建築士の建てる家は高い、と思っている方が多いようですが、結果としてお客様は『この金額でできるのですね』とおっしゃる方が多いですよ。工夫次第で、お金がなくてもいいものができると考えています。」

■人が集まる「築地場」、独自のワークスタイル
-オフィスは築地の路地裏にぴったりな、懐かしい雰囲気がありますね。
鳥山さん「『築地場(つきじば)』と言っています。もともとお惣菜を作る小さな工場だったようですが、この建物を、仲間と手を入れてシェアスペースに改装しました。

 広い2階のスペースを活かして、最近はイベントをすることも多くなりました。人が集まってくる『場』になりつつあります。」


-そういえば、先日、事務所のスタッフが鳥山さんのご実家のカフェ(「MEMORIES」・つくば市)に行きました。
 田園風景の中に忽然と現れたモダンな建物の中は満席で、とても美味しいランチをいただいた、と大満足で帰ってきました。

鳥山さん「『MEMORIES』は私が設計したカフェなんです(笑)。おかげさまで地元の方にたくさん来ていただいています。
 そのカフェを通じて私の建築を気に入ってくださった方のご縁もあり、つくば市でのお仕事が多いんです。
 昼間はつくばに通って、夜は東京に住むという普通の方とは逆のワークスタイルを楽しんでいます。」


■いずみ会計に一言!
鳥山さん「初歩的な質問にも丁寧に答えてくださってありがとうございます。
メール顧問サービスを利用していますが、メールでのやりとりは不規則な仕事の私にぴったりです。」


■あとりえ とりやまあきこ
【URL】あとりえ とりやまあきこHPとりやまあきこHP
【住所】東京都中央区築地7-14-8「築地場」内
【TEL】03-3543-8818
【FAX】03-3543-8818


企業等が社会保険料を延滞したとき
2007.10.17

●社会保険(医療保険・年金保険・雇用保険・労災保険)にも税金と同様に延滞金の制度があります。

 税金を法定納期限までに納めなかった場合、延滞税という遅延利息的な税金を支払うことはご存知の方も多いかと思います。
 延滞税は納期限の翌日から2ヶ月経過までは税額の「年7.3%」または「前年の11月30日の日本銀行が定める基準割引率プラス4%」のいずれか低い割合の方を乗じて計算した金額で、それ以降は納付すべき税額に「年14.6%」を乗じて計算した金額となります(1円未満の切捨て)。

【主な税金の法定納期限(原則)】
法人税:事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内
消費税(法人):課税期間終了の日の翌日から2ヶ月以内
消費税(個人):3月31日
申告所得税:3月15日
源泉所得税:実際に支払った月の翌月10日
相続税:相続の開始があった事を知った日の翌日から10ヶ月以内
贈与税:贈与のあった年の翌年の3月15日
※納期限が土日祝祭日にあたる場合は休日明けの日

 また、国税や地方税に係る利子税、延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、過怠税などは、必要経費(損金)に算入できない経費として定められています。(法人税法38条、所得税法45条)

 前置きが長くなりましたが(^-^;)、社会保険(医療保険・年金保険・雇用保険・労災保険)にも税金と同様に延滞金の制度があります。具体的には、「督促状」に記載された納付期限までに納めないと、年14.6%の割合で延滞金が徴収されることになります。

 この延滞金は、法人税法や所得税法に定める「必要経費(損金)に算入できない経費」には該当しませんが、保険料を支払わない場合は、財産差押えなどの滞納処分を受ける可能性があります。このようなリスクを避けるため、納付期限は必ず守るようにしましょう。

※この記事は「税金情報コラム」にも掲載しています。


法人税法上の「みなし役員」とは?
2007.10.09

●法人税においては、登記されている役員とは別に「みなし役員」という制度があり、法人税法においてのみ役員と同じ扱いをされる人がいます。「みなし役員」の判定には慎重な判断が求められます。

 一般の中小企業では、登記されている役員=役員、といったイメージをお持ちの方がいらっしゃると思います。基本的に、会社運営上はそれで問題はありません。
 会社法において役員とは、取締役、会計参与、監査役を指します(第329条)。また会社法施行規則においては、これに加えて執行役、理事、監事その他これらに準ずる者も役員と規定されています(第2条3-3)。

 しかし、法人税においては、登記されている役員とは別に「みなし役員」という制度があります。みなし役員とは、法人税法においてのみ役員と同じ扱いをされる者のことです。

 みなし役員と認定されるのは以下のような場合(者)です。

■法人の使用人以外の場合
 たとえ、役員として登記されていなくても、会長や副会長、顧問、相談役など「その地位・職務等からみて他の役員と同様に実質的に法人の経営に従事していると認められる者」

■同族会社の使用人の場合
 以下のすべての条件を満たす法人の使用人で、「実質的に法人の経営に従事していると認められる者」

・株主グループの所有割合が大きいものから順位を付けて、第一順位から第三順位の株主グループの所有割合の合計が50%超の場合に、その使用人がその株主グループのいずれかに含まれている事。
・その使用人の属する株主グループの所有割合が10%超であること。
・その使用人と配偶者の所有割合が5%超であること。
※所有割合とは出資額(発行済み株式数)、または議決権の保有割合のこと

 どちらの場合でも難しいのは「実質的に法人の経営に従事」しているかどうかの判定です。

 これについては、その者が、法人の経営方針や販売計画、仕入計画、生産計画、設備投資計画、従業員の採用、従業員の給与の額、融資条件、保険条件など、重要な経営上の決定事項にどれほど関与しているかを総合的に判定されることが通例です。

 みなし役員と認定された場合は、一定の役員賞与を除く役員賞与の損金不算入、過大役員給与の損金不算入、過大役員退職金の損金不算入、役員に対する資産の低額譲渡など、役員給与に係る法人税上の諸制度の縛りを受けることになります。
 また、同族会社の使用人がみなし役員とされた場合、その者は使用人兼務役員にもなれません。

 みなし役員にあたるかどうかの判定について、課税当局と意見の相違が生じるケースも少なくありませんから、対応には十分な注意が必要です。

※この記事は、「税金情報コラム」にも掲載しています。


手間隙惜しまず行動し、お客様の信頼を獲得する「株式会社シンクキューブ」
2007.10.05

 今回ご紹介する企業は、株式会社シンクキューブさんです。業務システムの導入サポートやコンサルティング、ソフトウェアの開発を手がける企業です。
 お話は代表取締役の中川社長にうかがいました。

■Windows95の衝撃。企業内起業で事業をスタート
-御社の事業について。
中川氏「事業の柱は大きく3つです。
 1つ目は勘定奉行シリーズ(OBC)、PCA会計シリーズ(PCA)、弥生会計シリーズ(弥生)などの業務パッケージソフトの販売・導入・運用支援業務。
 2つ目はOBC社とのパートナー契約に基づき、勘定奉行シリーズのカスタマイズ。
 3つ目がオーダーメイド・コンピューターシステムの設計・製作・販売です。」

-起業のきっかけは?
中川氏「13年ほど前にWindows95をはじめて見たときに、画面のわかりやすさと値段の安さに衝撃を受けました。これからは中小企業でもコンピューターを使って経理処理する時代になると直感して、当時勤めていた会計事務所系コンサルティング会社に事業部を立ち上げました。」

-企業内起業という形ですね。
中川氏「そうですね。おかげさまで順調に売上が伸びて、3年後には社の本業であるコンサル業務の売上高を上回るほどに成長しました。
 会社の社長から独立したらどうか、というお話をきっかけに、ゼロから再スタートすることを決めました。」


■情報を集め、考え、やるしかなければやってみる
-順調に大きくなっていった事業ですね。
中川氏「ところが、はじめのころは事業、と言っても業界のことが何もわからなかったんですね。
 NEC本社の受付に行って『御社のパソコンを仕入れたいんですが』と相談したり、半年間で13,000件くらい飛び込み営業して売上高が30万円くらいだったり(笑)。

 でも、飛び込んでいったおかげで、NECの方からこの業界の仕組みや仕入先を教えていただいたり、ユーザーのニーズをつかむことができたり、と学ぶことが多かったですね。この体験が、後の業績拡大につながっていったと思います。

 行動を起こすときは現状で自分が入手でき得る限りの情報を入手し、精査し、即決しますが、入手できない情報があるときや誰もやったことがないことなどは、まずやってみる。
 それによって痛い目にあうこともありますが、自分から動いてあった痛い目は忘れないですね。」


■手間隙惜しまず行動し、汗をかいた「仕事」が最大の営業
-社長が心がけていることは?
中川氏「手間隙惜しまず行動し、汗をかくこと。当社の社員も手間隙惜しまず実現する力があると自負しています。
 そうして手がけた仕事はお客様からもご評価いただけていると思います。仕事が最大の営業ですね。」

-これからやりたいことは?
中川氏「私にとって、ソフトウエアは表現の1つの形です。現在、オーダーメイドで作っているパッケージソフトのノウハウを集約してシンクキューブの名前でパッケージソフトを出すことが夢です。好きで始めた仕事ですが、この仕事にめぐり合えてよかったと思っています。」


■いずみ会計に一言!
中川氏「明るい雰囲気とさばさばしたお話を聞いて、初対面から話が合いそうな先生だな、と思いました。創業5年目を迎えましたが、これからもご指導のほどよろしくお願いします。」

株式会社 シンクキューブ
【住所】東京都江戸川区篠崎町7-19-8
【TEL】03-5243-4300
【FAX】03-5243-4303


【助成金】ご存知ですか? 中小企業子育て支援助成金
2007.10.03

●育児休業制度や短時間勤務制度を導入し、その適用者が出た中小企業が受けられる、返済不要の助成金制度があります。
●この助成金を受けるためには、一定の要件があります。

 現在の少子化のなかで企業、特に中小企業はこれから求人難の時代を迎えるといわれています。中小企業といえども、人材確保の面から、育児休業制度などの制度の充実が重要になってきます。とは言うものの・・・という中小企業の皆様に、子育て支援の助成金についてご紹介いたします。
 
 厚生労働省の「中小企業子育て支援助成金」はなかなか魅力的な助成金です。この助成金は、従業員100人以下の中小企業が、育児休業制度や短時間勤務制度を導入して、はじめて両制度の利用者が出た際に、それぞれの制度について最大で1人目100万円、2人目60万円の助成金が支給されるというものです。支給対象となる期間は、平成18年度から平成22年度までの5年間です。

 この助成金を受けるためには、あらかじめ「一般事業主行動計画」を都道府県労働局に届けておく必要があり、就業規則や労働協定にも育児休業制度や短時間勤務制度を規定しておかなければなりません。

 就業規則の改定はそれほど難しいことではありません。また、「一般事業主行動計画」の策定についても、厚生労働省から作成のマニュアルが公表されており、自社内で作ることも可能です。もちろん、税理士や社労士などの専門家にご相談いただくことも可能です。

 助成金は返済の必要の無いお金です。興味がある方は是非、利用を考えてみてください。