適格退職年金廃止まであと3年。準備はお早めに!
2009.04.28

【質問】
当社は保険会社の適格退職年金を続けてきましたが、この制度自体があと3年で廃止されるという話を聞きました。
正直、次に何をすればいいのかわかりません。


【回答】
平成24年3月末に完全廃止される前に他制度への移行あるいは契約解除の選択を行う必要があります。他制度への移行と同時に、御社の退職金規定そのものの見直しも行わなくてはなりません。


 適格退職金制度(適年)の廃止が平成24年3月末に迫っています。残された猶予は約3年となったわけですが、同20 年3月の時点でいまだ約3万件が移行していないのが現状です。

 「適格退職年金制度」は退職金を支払う為の外部積立方法の一つです。
 法人税法に定める一定の要件を満たすことにより税法上の優遇措置が与えられる等、中小企業にとっては魅力的な制度でした。

 しかし、この適年が平成24年3月をもって完全に廃止されます。
 以後は税制面の優遇が受けられなくなるため、適年を継続している事業主は、廃止までにほかの制度への移行か契約解除の選択を迫られています。


 移行後にも掛金の損金算入が認められる制度には、確定給付企業年金、確定拠出年金、厚生年金基金、中小企業退職金共済(中退共)があります。

 中小企業にとって、厚生年金基金や確定給付企業年金は、設立や導入の制限が厳しくハードルが高いという声が少なくありません。
 また、確定拠出年金は、使用者が60歳になるまで支給が開始されません。


 以上の理由から、移行候補としてまず筆頭に上がるのは中退共かもしれません。
 助成制度があり、安全性も高い(政府の特殊法人が運営しています)上に、一時金としてだけでなく、分割(年金)形態での受取も可能となっております。

 ただし、従業員の出入りが激しい企業などは、短期間(およそ2年未満)での退職者に対しては特退共よりも少ない支給額になることがあるので、中退共以外の制度への移行も考える必要があるなど、企業の状況によってベストな対応方法は変わってきます。


 適年廃止まであと3年あるため、いまだ悠長にかまえている中小企業もありますが、実はそれほど余裕がある話ではありません。

 というのも、3年後には移行を完了させておかなければならないうえに、移行手続きには、労使合意や許認可も必要になるため「一般的には移行まで1年以上の期間が必要となる」(厚生労働省)といわれています。


 また適年は、単なる退職金の積み立て手段の一つに過ぎません。
 退職金制度の見直しを同時に行うことが極めて重要です。

 適年を他制度に移行しただけで問題のある退職金制度を放置すると、退職金の積立不足に陥ったり、最悪の場合、退職金倒産という事態もありえるのです。

 適年の他制度への移行や退職金制度そのものの見直しについては、税理士や社会保険労務士にご相談ください。


売上が減った時の雇用に関する助成金
2009.04.22

【質問】
非常に厳しい経済状況の下でも、従業員をリストラして従業員やその家族を路頭に迷わすことは社長として絶対に避けたい、と思っています。とは言うものの、雇用を保つと会社が共倒れになる危険性もでてくるくらい、この不況は深刻です。
何とか従業員をリストラせずに、会社も続けたいと思っているのですが・・・。


【回答】
企業収益の悪化で事業活動縮小を余儀なくされた事業主が雇用維持に努めた場合に、休業手当や賃金の一部が助成される「中小企業緊急雇用安定助成金」制度を活用してみてはいかがでしょうか。

 中小企業では、従業員と経営者の関係が非常に密なところが多いように思います。
 不況だからといって簡単にリストラをするという経営判断を下しにくい、ご相談の社長のような方は本当に多くいらっしゃると思います。


 企業収益の悪化で事業活動縮小を余儀なくされた事業主が、解雇はせず雇用維持に努め、一時的に休業、教育訓練、出向をさせた場合に休業手当や賃金の一部が助成される制度

「中小企業緊急雇用安定助成金」

が昨年暮れに創設されました。


 従来の雇用調整助成金を見直して支給要件を緩和し、助成率も引き上げられました。


 この助成金は以下のような用件の元、支給されます。

(1)最近3ヶ月の生産量や受注高がその直前の3ヶ月又は前年同期比で減少していること

(2)前期決算等の経常利益が赤字であること(生産量や受注高が5%以上減少している場合は不要)


 また、受給できる金額は、

(1)休業の場合は、休業手当又は賃金に相当する額として厚生労働大臣が定める方法により計算した額の5分の4。但、一人1日当たり雇用保険基本手当日額の最高額が限度となります。

(2)教育訓練を実施した時は教育訓練費として一人1日当たり、6,000円を(1)に加算。

(3)出向の場合は出向元事業主の負担額(概ね2分の1を上限)の5分の4(支給上限(1)と同じ)。

(4)支給限度日数は一つの対象期間につき対象被保険者×100日が限度。

 助成金を申請するには休業初日の概ね2週間前までに「休業等実施計画(変更)届」に添付書類を添えてハローワークに届出ておく必要があります。


 社員を自宅待機させ、休業させると会社は平均賃金の6割以上の休業補償をすることが労基法で義務付けられています。

 厳しくとも雇用維持に努めたいと考える企業にとってこの制度の利用を検討してみるのもよいでしょう。


オススメお散歩スポット「紀尾井坂とガス燈」(千代田区紀尾井町)
2009.04.17

 いずみ会計から紀尾井町方面にお散歩してみました。

 高級ホテルや有名ブランドの路面店が軒を連ねる紀尾井町は、ビジネスマンが多い日中でも落ち着いた雰囲気。
 ゴージャスな雰囲気の中歩いていると、谷底から這い上がるような坂道!それが紀尾井坂です。

 大久保利通が暗殺された「紀尾井坂の変」で有名な紀尾井坂は、歩いてみるとゆるゆると続く坂道。
 東京って、意外と谷が多くて坂道が多いのですが、ここはまさに、谷から登ってく坂道という雰囲気。下から見上げるととても長い坂道に見えるので気合を入れてウォーキング開始。

 これまでのゴージャスな雰囲気から一変、オフィスビルが並ぶこの坂道を登りきると、ホテルニューオータニの正面玄関にたどり着きます。

 その正面玄関近くに佇むのが、レトロな雰囲気が素敵なガス燈。
 モダンなガス燈は時代を感じますが、実は、ホテル開業25周年を記念して平成元年に東京ガスから贈られたものだそうです。

 長い坂を頑張って上がってきたごほうび、のような素敵なガス燈。
 紀尾井坂を上った方、ぜひ探してみてください!


改正雇用保険法が成立、4月分から保険料が変わります!
2009.04.14

【質問】
今年4月から、雇用保険が改正され、保険料が安くなると聞きました。具体的に何がどう変わったのですか?


【回答】
今年3月31日に施行された改正雇用保険法によると、4月分以降の雇用保険料率の時限的引き下げが定められたほか、雇用保険適用基準が緩和され、6ヶ月以上雇用見込みの者には雇用保険が適用されるようになりました。


 3月27日、改正雇用保険法が参議院本会議において全会一致で可決、成立しました。4月分以降の雇用保険料引き下げなどの措置がとられていますので注意が必要です。

 今回の改正は、非正規社員への雇用保険適用を狙いとしたものです。失業者が年度末に集中することが懸念されているため、施行日は3月31日となりました。


主な改正内容は以下の通りです。

◆雇用保険の適用基準の緩和
1年以上の雇用見込み→【改正】6ヶ月以上の雇用見込み

◆雇用保険の受給要件の緩和(雇止めによる離職)
過去1年間の雇用保険料納付→【改正】過去6ヶ月間の雇用保険料納付

◆雇用保険料率の時限的引き下げ
月給の1.2%(労使折半)→【改正】2009年度に限り0.8%(労使折半)
※4月分以降の雇用保険料より適用

◆再就職困難者への失業給付期間の延長
【改正】最大60日間延長

 その他、育児休業者への給付の拡大、再就職活動の支援拡大等の措置も講じられています。


出向社員の人件費の取り扱い
2009.04.07

【質問】
当社は親会社から、6月1日付けで出向社員を受け入れることになっています。その中で、親会社では従業員であったA氏を当社では役員として受け入れることになります。
役員報酬を損金にするためには、いろいろな規定があったかと思いますが、出向者に対してもいろいろな規定があるのでしょうか?

【回答】
出向元会社では一般社員だった方を出向先会社で役員として処遇する場合、一定の要件に該当していなければ、役員給与を損金処理できません。十分な準備が必要になります。


 不況が本格化し、派遣切りや新卒の内定取消し、リストラなど、労働市場の冬の時代が到来した、という今日この頃。
 御社は出向社員を受け入れられたということですが、昔から、人減らしのためのソフトなリストラ手段として活用されているのが、子会社や関連会社への出向です。

 出向では、出向先で税務上のミスが生じやすいので注意が必要です。


 ご承知の通り、出向元となる会社が一般社員を出向者として子会社や関連会社に出向させた場合、給与は出向元となる会社から支給するのが一般的です。

 出向先会社は、出向元会社に対して負担すべき給与相当額を支払うことになります。この給与負担金は、出向先法人の出向者に対する給与として取り扱えるため、損金として処理できます。


 しかし、御社のケースのように出向元会社では一般社員だった方を、出向先会社で役員として処遇するケースもあります。

 こうしたケースでは、一定の要件に該当していなければ、役員給与を損金処理できません。

 その要件とは、役員にかかる給与負担金の金額について、その役員に対する給与として出向先会社の株主総会や社員総会、またはこれに準じたものの決議がされていることとされています。


 また、出向契約などで出向者にかかる出向期間や給与負担金の金額があらかじめ決められていなければなりません。
 さらに、出向先会社は、所轄の税務署に、事前確定届出給与の届出を行うことになります。


 6月の受け入れタイミングにあわせて、十分な準備をしてください。不明点等は税理士等にお問い合わせください。


※この記事は「税金情報コラム」にも掲載しています。


大学発の研究成果が宇宙開発と地上のビジネスを変える-株式会社TMIT
2009.04.03

 今日ご紹介するのは「株式会社TMIT」です。公立大学法人首都大学東京のベンチャー企業第一号で2007年に設立。新しい研究成果活用型の大学発ベンチャーで、専門は最先端技術を誇る宇宙航空工学です。

 お話は、代表取締役で航空宇宙工学研究の第一線で活躍されている藤井裕矩先生にお伺いしました。


■基礎研究のビジネス実用から教養講座の開発まで行うベンチャー企業
-御社の業務内容を教えてください。
藤井先生
「研究成果活用型ベンチャーとして、基礎研究のビジネス実用をめざしています。TMITが持つ特許技術の活用も併せて行っています。
 2007年度には、三菱重工の月周回する太陽発電衛星に、衛星の姿勢制御に関する研究成果を提供しました。

 このほかに、講演活動やインターネットを利用した教養講座の企画開発なども行っています。

 2008年3月にNASAの宇宙推進技術プロジェクトマネージャーのチャールズ・レス・ジョンソン博士と一緒に、宇宙開発と宇宙テザーロケットに関する講演を早稲田塾で行いました。

 教養講座は、難しい数学や物理学の知識がない方でも宇宙工学を学べるよう、工夫しています。

 単に知識を教えるだけでなく、最終的には宇宙船の設計にもチャレンジしてもらうようなコンテンツを開発中です。」

■世界初の宇宙テザーロケットにTMITの特許が活躍
-藤井先生は世界初の宇宙テザーロケット実験(2009年夏を予定)のために組まれた国際プロジェクトチームの中心メンバーですね。
藤井先生
「宇宙テザーとは、宇宙で使用される紐(テザー)のことです。

 宇宙テザーロケット実験は、テザーに電流を流すと地球の磁場との相互作用で力が生まれ、宇宙船を動かす推力にできる、という理論を検証する世界初の実験です。

 今までの宇宙船は、燃料となる推進剤を積み込んで宇宙に飛び立ちますが、これには膨大な費用がかかります。

 もし宇宙テザーが実用化されれば、推進剤を燃料に用いるよりも大幅に安いコストで様々な宇宙活動ができるようになるため、宇宙開発にとって非常に重要な実験です。

 この実験では、2分間という短い時間内で300メートルの宇宙テザーを伸ばさなくてはいけません。

 ロケットは超高速で動いていますので、テザーを釣具のリールのようなものに巻いて伸ばすと、切れたりたるんだりします。

 そこで活用したのはTMITの特許技術『テザー折り込み装置』です。

 テザーを折りたたんで出すことによって、どのようなスピードで動くものからも、瞬時にテザーを伸ばせる技術を使う予定です。」


■宇宙の技術が地上のビジネスの効率を変える
-宇宙の技術は地上で使えないのでしょうか?
藤井先生
「地上では、紐にどれだけの力(張力)がかかっているかは、滑車を使って測ります。しかし、重力がほとんどない宇宙では、滑車を使ってテザーの張力は測れません。

 そこで、レーザーを利用して非接触で張力を測る技術で特許をとりました。
 振動している様子で張力を測るので、接触式では計測が困難な0.1グラム未満の張力も測定できます。

 この技術は、例えば非常に細い貴金属線の張力測定などに活用できます。

 これまでの貴金属線は、生産ラインで動いている線の長さを正確に切ることができず、受注量より多めに納品していたそうです。

 この技術を使うと、生産ラインで動いている張力の小さい貴金属線でも正確に長さを測ることができるため、無駄がなくなるメリットがあります。

 地上で実用可能な宇宙の技術はたくさんありますので、お困りのことはぜひご相談いただきたいですね。」


■いずみ会計に一言!
藤井先生
「美人でかっこいい先生ですね(笑)。非常に親切で、対応が適切。安心してお任せしています。」

(取材こぼれ話)
 藤井先生は今年4月からは、神奈川工科大学工学部機械工学科で航空機やスペースシャトルのパイロット養成にも取り組んでいらっしゃいます。パイロット養成は航空会社とNASAだけじゃないんですよ!

(取材こぼれ話2)
 今回の取材では技術的なお話もたくさん伺いました。驚いたのは宇宙テザーを活用した宇宙軌道エレベーター理論!
 これってアニメのガン●ムの世界の話かと思っていたのですが
(^-^;)。
 宇宙開発の研究って思った以上に進んでいますね!


株式会社TMIT
【住所】東京都台東区浅草2-27-13
【TEL】03-6914-2866
【FAX】03-6914-2866
【E-mail】tmit●pa2.so-net.ne.jp ●を小文字の@に代えてください。