夏目漱石の「こころ」
2011年12月28日
夏目漱石の小説に「こころ」という小説があります。
その中に主人公の話から途中で先生の語りへと視点が移動する場面があります。
先生の話の中身はKという青年とお互いに好意を寄せ合っているお嬢さんを取り合うという三角関係がメインです。
先生はお嬢さんへアタックをし、最後はKに黙ってお嬢さんの母親に許可をもらうという抜け駆けをし、Kとのお嬢さんを巡る争いに勝利しますが最後にKは自殺してしまいます。
このKの自殺には様々解釈があり、今の流れだと恋愛に失敗したから自殺したというのが筋ですが、普段からKという青年は「精進、精進」という言葉が口癖である通り、どうにもそれだけではないのでは?という議論があります。
諸説の中にKが先生に裏切られたから自殺したのではないかというものがあります。
Kにとって先生は恋敵であったとともに唯一の友達であり、その先生に自分を裏切る行為をされたことで自殺した、という説です。
人間不信による自殺を扱った小説の先駆けとも言えるでしょう。
利己的な考えによりそれ以上に大事なものをなくしてしまった先生は、主人公に「恋とは罪悪だ」と語ります。
この一連の感情の機微は現代人に非常に似ているとも思えます。
つまり様々な社会環境により孤独を感じやすくなっている今の世の中ではKに共感する人も多いのではないでしょうか。
そういう時だからこそせめて周りの人間だけには気を使っていきたいものです。
年末
2011年12月27日
2011年もあと少しです。
私はこの時期、お酒を飲む機会が増えたり、年末調整の仕事で忙しくなってくると今年も一年終わるのだなと感じています。
この一年を振り返ってみると世界では大きな出来事が数多くありました。
1月...アラブの春(チュニジア・リビア・エジプトなどでの革命運動)
2月...ニュージーランド大地震
3月...東日本大震災
4月...英国ウィリアム王子挙式
5月...ウサマ・ビンランディン暗殺
6月...日本のスパコン「京」が世界一に
7月...新国家「南スーダン」独立
8月...管内閣総辞職→野田内閣発足
9月...台風12号による被害(紀伊半島)
10月...タイ洪水被害・スティーブ・ジョブズ死去
11月...ギリシャ危機
ニュースなどで取り上げられたものを簡単にあげましたが、皆さんこれらが今年起こった出来事であることを覚えておられるでしょうか?
年末恒例の今年の漢字は「絆」となりました。
大規模な災害の経験から家族や仲間など身近でかけがえのない人との「絆」をあらためて知ることができ、ワールドカップで優勝した、なでしこジャパンのチームの「絆」には日本中が感動し勇気づけられました。
今年の漢字にはこのような意味が込められているようです。
私にとって毎年、年末は学生時代の友人と久しぶりに飲んだり、実家の家族と過ごすことで友人や家族との絆を再確認でき、また来年頑張ろうという気持ちを養える大事な時間です。
みなさんにとって今年はどのような一年だったでしょうか?
クリスマスや年末などは休みもあって一息つくことができる時期だと思いますので、今年を振り返り、そして家族など、自分の周りの人との絆を深めてみるのはいかがでしょうか?
金価格の高騰による譲渡
2011年12月22日
最近の金価格の高騰により家に眠っていた金地金等を売却された方も多いのではないでしょうか。
売却金額が200万円を超えると売却者の本人確認をされますので所得税の申告漏れには特に注意が必要となります。
この金地金等の譲渡による申告漏れが多いため、23年度の税制改正により「金地金等の譲渡の対価の支払調書」の制度が創設されました。この支払調書は金地金の買い取りをする売買業者が売買した翌月末までに調書を税務署長へ提出するというものです。この規定は24年1月1日以後から適用されることとなりました(所法224の6)。ただし、譲渡対価が200万円以下である場合にはこの支払調書が不要です。
また、故意に申告書を提出しないことにより所得税を納めなかった場合には、「故意の申告書不提出によるほ脱税」の規定が創設され、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し又はこれらの併科とされます(所法238③④)。
金を高額で売却されたような場合には、故意に申告しなければ上記のような罰則規定が設けられています。譲渡所得の申告が必要となりますので注意してください。
税理士試験
2011年12月 9日
今週の金曜日、12月9日は何の日でしょうか?
答えは平成23年度(第61回)税理士試験の合格発表日です。受験者はこの日を境に、晴れて資格者となるかそうでないかが決まります。まさに天国と地獄です。
私自身、妻から合格の一報を聞いたときは自然と涙が溢れました。何度も間違いではないか聞き、うれしくて官報の写真を携帯に送ってもらったのを覚えています。
さて、長丁場になりがちな受験勉強をみなさんはどのように考えておられますか?
実務では、インターネットに解説がたくさん載っているし、計算はパソコンがやってくれるから、受験勉強はあくまで試験に受かるためだけのものだと考えておられる受験者もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そうでしょうか?
立法趣旨や条文構成を体系的に理解しておかないと、インターネットでの解説を信用して判断を誤るかもしれません。計算の体系を理解していないと、パソコンの入力ミスを招くかもしれません。
とはいっても、最後は自分を信じて努力し続けた者だけが合格する試験だと思います。みなさんのもとに、よい結果が届きますよう、お祈りしています。
配偶者の所得を確認していないと...
2011年12月 8日
もう12月に入り残すところ1ヶ月なとりました。12月といえば、クリスマスやジャンボ宝くじや忘年会と楽しいイベント事が多い月でもあります。そして、年末調整の還付金を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。
会社にお勤めの方は、会社から24年分の扶養控除申告書と保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書が配布されていると思われます。何気に書いて後々に修正することが多いのが配偶者の所得の記載欄です。
よくある事例が配偶者の給与収入が103万円を超えているにもかかわらずそのことを知らずに配偶者控除を受けた場合です。
通常は翌年の秋頃に是正を受けることが多く、せっかく受けた還付金を返還することになります。また、住民税の天引き額も増えることになり手取りも減ります。
なぜこのように修正する結果となったのでしょうか。
それは、配偶者が勤務する会社は市役所に給与支払報告書(源泉徴収票と同じもの。)を提出しているからです。まず市役所が間違いを見つけ、更にその情報が税務署に回わるので住民税と所得税の両方に影響が及ぶことになります。
同様に、子供等の扶養親族も同様に給与収入が103万円を超えていたにもかかわらず扶養控除を受けた場合も当てはまります。
既に使ってしまった還付金を後々返還することは損したと感じ、懐も痛くなります。そのようなことにならないよう年末調整をする前には配偶者や扶養親族の収入状況を聞いた上で記載することが望ましいでしょう。
年末調整でできる節税
2011年12月 2日
同居されているご両親は後期高齢者医療制度の保険料をどのように支払われていますか?
通常年金から保険料が天引きされるため、負担したのは年金の受給者であるご両親になり、ご両親の確定申告において社会保険料控除の適用を受けることになります。
しかし、市区町村等で手続を行うことにより、ご両親の保険料を口座振替により代わりに支払ってあげることもでき、この場合その保険料を支払った方に社会保険料控除が適用されます。
この社会保険料控除は会社に報告するのみで、年末調整により対応してくれます。
年金を受給されているご両親よりも所得が多い場合や、ご両親が確定申告をされない場合には、口座振替により負担してあげることで、家族全体の税負担の節約につながります。
会社法改正
2011年12月 1日
企業統治が十分に行われていないのが原因です。
今回、改正が見込まれているのは主に3つです。
1、社外取締役選任の義務化
社外の人間を取締役に選任することを義務化し、監査の強化等を目的とするものです。
2、監査・監督委員会制度の導入
3つの委員会を設置する委員会設置会社、監査役を設置する監査役設置会社に続く新しい形態です。監査・監督委員会では、委員は取締役3人以上で組織し、過半数は社外取締役とする案が挙げられています。
3、2段階代表訴訟制度の導入
例えば、子会社の役員が不正をして、親会社の企業価値が下がった場合に、親会社の株主が子会社の役員に代表訴訟できるようにするものです。親会社の株主保護を目的としています。
いずれの改正も、大企業の不祥事が大きく問題となったことで、日本の企業統治が海外の投資家等からの信頼を失ったことが大きく関係しています。
今後、検討を重ねて改正に至るかはまだわかりませんが、大企業は対策が必要かもしれません。
日本の経済のために必要な制度かどうか、しっかり検討する必要がありそうです。
忘年会での飲食代について
2011年11月29日
今年も残すところあとわずかになってきました。
年末年始は仕事が忙しくなるシーズンではありますが、忘年会・新年会への参加も忙しくなるシーズンですね。
そこで忘年会について、少し留意点があります。
忘年会は日本独特の行事で、一年の労をねぎらうために広く一般的に行われています。
したがって、企業が忘年会を開いた場合の飲食代は福利厚生費として、損金になります。
しかし、社内の行事ですから、役員・使用人の全員を対象にしないといけません。
よって役員のみ、一部の使用人のみといった、特定の者だけの忘年会費用は、一人当たり5,000円以下の飲食代であっても、交際費等として扱われ、その全額又は一部の金額が損金として扱われません。
もちろん、参加者が個人的に行った忘年会費用を会社が負担した場合は、福利厚生費に該当しませんし、その参加者が役員である場合は役員賞与として取り扱われて損金にはなりません。
飲みすぎには注意しましょう。
マイカー等使用者の通勤手当の非課税について
2011年11月28日
平成23年度税制改正において交通用具(マイカー等)使用者
の通勤手当の非課税について改正が行われました。
改正前までは、交通用具使用者が受ける通勤手当のうち
通勤距離が片道15km以上の場合に限って、距離に応じた
非課税限度額<所法9①五、所令20の2>よりも
電車・バスなどを利用した場合の運賃相当額(通勤定期券金額)
が大きいときは、その運賃相当額まで非課税限度額を
上乗せするという特例が設けられていました。
今回の改正では、この上乗せ特例が廃止されることになりまし
た。
具体的には
例)マイカー通勤をしているAさんの場合
・自宅から会社までの距離 16km
・会社から支給される通勤手当 13,000円/月
・非課税限度額 11,300円
<所法9①五、所令20の2>
・電車等を利用した場合の定期券代 15,000円/月
上記の例の場合、
改正前では、会社から支給される通勤手当が非課税限度額を
超えていますが、金額が定期券代の範囲内であるので非課税
とされていました。
これが、改正後においては 厳密に非課税限度額に沿って計算
することとなり
会社支給額13,000円-11,300円=1,700円
この差額1,700円が給与課税されます。
結果として、毎月の給与から源泉徴収される税額が増加する
ことになりますので、経理担当者は該当する者の源泉徴収税
額の見直しを行う必要があります。
この改正は、平成24年1月1日以後に支給する通勤手当
から適用されますのでご留意ください。
株式分割
2011年11月25日
株式分割を行う上場企業が増えています。
2011年度はすでに100件近くに達しており、昨年の倍に近い数になっているとのことです。
会社分割が行われるのは、個人投資家にもっと株式を買ってもらいやすくするとともに、株式市場での流動性を高め、円滑な株価形成に役立てるために行われます。
また、個人株主を増加させ、東京1部に上場し、知名度アップを狙うためにも行われるようです。
それに加えて、東証などの証券取引所の制度改正により1単元100株に統一するよう要請があったことも増加の一要因になっているようです。
なぜ、証券取引所が1単元を100株に統一しようとしているのでしょうか。
それは、誤発注による市場混乱を防ぐためです。
証券取引所では、1株で取引されることもあれば、100株で1単位として取引されることもあります。この単位を売買単位と言いますが、日本の証券市場ではその種類は8種類もあり、国際的に見てもかなり多くの種類を取り扱っていることになります。新聞の株価欄をみると、非常に多くの種類の単位があり、どの銘柄がいったいいくらで取引されるのか、非常にわかりにくくなっています。
これだけ種類が多いと、誤発注が起きるのも無理はないでしょう。これを100株に統一しつつ、手頃な株価になるよう株式分割が行われているのです。







