新会社法で何が変わった?  | 紹介実績NO.1のビスカス 税理士紹介センター

税理士 紹介ビスカス > 先生教えて > バックナンバー > 新会社法で何が変わった?

先生教えて 新会社法で何が変わった?



先生教えて
Vol.1
2006.11.10
答えていただく専門家:公認会計士 立野晴朗

プロフィール

―― 今年の5月に新しい会社法が施行されました。
この法律は、今の経営環境に対応した法律と聞きますが、要点はどういうものなのでしょうか?


今回の新法施行は、M&Aの対価が、それまで買収しようとする会社の株式しか認められていなかったのが、外国株式を含む様々な「資産」と引き換えに、日本の優良な会社を手中に収めることが可能となったことが最大の焦点といえます。
ただ、それを前面に出してしまうと、日本の金融鎖国の最後の砦が陥落することがあらわになってしまうので、中小企業に対して柔軟な対応、ということも同時に広く喧伝されている、というのが本質的な理解と考えています。


―― 「中小企業に対する柔軟な対応」と言いますと、私たち中小企業経営者はもちろん、これから会社を起こそうとしていらっしゃる方にも直接関係がありそうですね。


そうですね。
その観点から身近なところで着目したい点は、取締役一人だけで、監査役すらおかないで株式会社にすることができる、というところでしょう。
しかも任期をそれまでの2年から最長10年まで設定できるので、個人企業の場合には、経営体を大幅に簡略化させ、手間やコストも減らすことができます。最低資本金の制限もなくなりましたしね。
ただ、税制改正にも眼を光らせる必要もある点には十分に注意したいところです。


―― なるほど。
自由な役員体制で、資本金も自由となると、本当に簡単に会社を作ることができるようになりますね。


立野晴朗1

これからは、「法人」であるということが信用に結びつきにくくなるでしょうね。
そのため、社長本人や、会社自体の力を示す必要がありますね。
たとえば「定款」。どういう経営理念で事業を行っているのかをしっかり記載しておいたほうがいいでしょう。
既に会社を経営していらっしゃる方も、定款をアップデートされてみてはいかがでしょうか。 日常的には不便を感じないかもしれませんが、やはり会社法にきっちりと対応している、という経営者らしい姿勢を示す良い機会であると考えて、身近の会計事務所に是非サポートしてもらうのが良いと思います。


―― 会社の計算書類についても、変わったのですか?


貸借対照表や損益計算書といった計算書類も形式的な側面が強いとはいえ、その表示方法や書類構成が変更されています。
借り入れを起こすときなど、前の商法時代のままでは、金融機関など対外的な信用のレベルが低下する恐れもあるので、これもまた身近の会計事務所に最新知識をもらいながら自社の財務状況を正確に把握する良い機会にしたいところです。


―― そういうところは専門的な知識がないと、経営者自身では対応できませんからね。


新法施行以前の有限会社の時代では、社長さんなどが会社に貸付をしていたお金を、後に増資に充当することで対処しているケースが多かったわけですが、今後は、私募債に切り替えることができるようになったので、税制上有利になりますよ。
これまたどんどん会計事務所にサポートしてもらうべきポイントだと思います。


―― 最後に、新法施行に伴う「節税」のポイントについて教えてください。


節税のポイントは「分散化」と「長期化」の2つに集約されます。
「分散化」については、設立費用が6万円程度と安い合同会社を上手に使って、「企業構造の見直し」というキーワードで新しい会社法を十分に活用していく、という積極的な姿勢が会社を安定的に成長させるために不可欠な考え方だと思います。
一方「長期化」ですが、たとえば役員任期を10年とした役員退職金の準備として、10年程度の長期間を目安に生命保険に加入すれば、一定の利益の平準化、繰延べ効果を期待できるだけでなく、税制改正による役員給与にも対処することができるなどの対策が考えられます。
このように、会社法は経営者だけでなく起業準備中の方にとっても大事な法律です。
知識の豊富な専門家に相談して、自社に最適な提案をしてもらうことが最初の一歩になりますね。


|
メディア掲載情報
全国の書店にて好評発売中!