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先生教えて 法人決算の注意点



先生教えて
Vol.4
2007.04.05
答えていただく専門家:税理士 三枝寛和

プロフィール


―― 3月も終わり、決算を迎えて5月に申告という時期が迫ってきました。法人の決算はこの時期が最も多いですが、簡単に注意点を教えてください。


まず、売上と費用の計上についてお話します。企業会計の原則は期間損益計算が原則になっています。これは一定期間(通常1年)の収益に費用を対応させるものです。簡単なようですが決算時点の修正は殆どこの項目に収斂されるといって過言ではありません。なかでも売上、費用の計上に間違いが多く見られます。


―― どのような間違いが多いのですか?


売上、費用の計上の基本は、当期に発生した収益、費用を当期に計上するという発生基準です。そこで発生基準を正確に行い期間損益計算を正しくするために、収益の繰延べ見越し計上や費用の繰延べ見越し計上といったようなことを行います。


―― 期をまたぐ売上や費用のことですね?


三枝寛和1

そうです。例えば、売上は、収益が実現しているものは入金がなくても当期の収益に計上する必要があります。仕入れも支払いがなくても債務が確定していれば当期の費用に計上します。また、会社の事務所の家賃や、いろいろな保険料、銀行に支払う支払利息、預金の受取利息などは普通、ある一定期間分の金額をまとめて支払ったり、受取ったりします。こういうものについても、当会計期間に属する部分が当期の費用または収益として計上されるように決算整理の時に修正します。


―― なるほど、会計期間に対応する収益・費用は確実に期間対応させなければいけませんね。


項目も多種多様に分かれますので経理業務には十分な注意が必要です。


―― 次に棚卸の計上について教えてください。


商品の棚卸資産がある場合はその計上が期間損益計算に重要な影響を与えますので注意する必要があります。


―― 棚卸しの対象資産である商品などは金額的にも大きく、重要な項目ですもんね。


評価の基準が画一的でないということもあり、粉飾決算に利用されがちな項目です。粉飾の意図がない場合でも、実地棚卸しを誤計上したときは利益に直接的な影響が出るため、利益をもとに計算する税金にまで影響を与えることになります。そこで注意して棚卸の計上を行う必要があります。棚卸しを行うためには、棚卸し方法を具体的に定め正確に行う必要があります。


―― 棚卸しについて、どのようなことに注意すればいいですか?


まず、棚卸し原票を必ず作成しそれに基づき棚卸を計上する。次に、数量カウントはできれば2度行うようにしたいですね。そして、不良品や長期滞留品については確実に把握し償却等の措置をする。さらに倉庫業者等への預け品に関しても、きちんと把握して計上してください。


―― 最後に役員給与の損金不算入についてご説明ください。


平成18年度税制改正で、特殊支配同族会社(実質一人会社)に該当する会社については、業務主宰役員給与額のうち、給与所得控除額相当額が損金不算入となりました。今期はこの適用を最初に受ける決算です。詳しい条件は国税局のホームページなどを参照していただきたいのですが、この適用を受ける法人は赤字であっても法人税が課税される可能性があります。初めての事ですから適用要件を詳しく吟味しておく必要があります。以上、法人決算について特に注意すべき事項を簡単にお話しましたが、詳しいことは専門家にご相談されることをお勧めします。


―― はい、ありがとうございました。



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