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税金Q&A

租税特別措置法第67条の15《投資法人に係る課税の特例》の規定の適用を受ける投資法人におけるみなし配当の計算について
【Q】

照会者(投資法人)の事業は、建物等の減価償却資産を含む不動産への投資事業であり、投資家からの出資及び借入金を原資として購入した減価償却資 産の減価償却費は、キャッシュフローを伴わない所得計算上の損金であることから余剰資金が生ずることが見込まれており、この余剰資金により利益を超えた金 銭の分配を行うことを予定しています。


(注)投資法人とは、投資信託及び投資法人に関する法律(以下「投資法人法」といいます。)第2条第12項に規定する投資法人をいいます。

照会者が利益を超えた金銭の分配を行った場合、これに伴い行うこととなるみなし配当の計算方法等については、次に掲げるとおり解して差し支えありませんか。


① 投資法人が利益を超えて金銭の分配を行った場合には、下記の算式によりみなし配当の金額を算出することとなるが(法法24①三、法令23①三)、この算式中の「減少剰余金等割合」を求める際の「当該払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時」とは、「当該払戻しの金額につき投資法人に係る課税の特例制度を適用した事業年度の前事業年度終了の時」(金銭の分配の支払を行った日の属する事業年度の前々事業年度終了の時)と解する。


(注)

投資法人に係る課税の特例制度を適用した事業年度が設立1期目の場合には、前事業年度が存在しないことから、「当該払戻しの金額につき投資法人の課税の特例制度を適用した事業年度開始の時」と解する。


(注)

1 減少剰余金等割合とは、次のiの金額をiiの金額で除して計算した割合をいい、当該割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り上げた割合をいいます。

i 資本の払戻しにより減少する資本剰余金の額

ii 払戻し法人の「当該払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時」(※)の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額

なお、上記iiの金額については、払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時から当該払戻しの直前の時までの間に資本金等の額に増加又は減少があった場合には、それらの金額を加算又は減算した金額となります。


2 払戻しに係る投資口割合とは、次のiの口数をiiの口数で除して計算した割合をいいます。

i 各投資家が資本の払戻しの直前に有していた資本の払戻しに係る投資口の数

ii 投資法人の資本の払戻しに係る投資口の総数


② 投資法人が利益を超えて金銭の分配を行った場合には、金銭の分配に係る計算書において利益の分配と利益を超えた分配に区分して表示されることから(投資法人の計算に関する規則76①二、78①)、利益の分配に区分された金額を本来配当とし、利益を超えた分配に区分された金額を資本の払戻しとして、当該利益を超えた分配に区分された金額に対して上記の算式によりみなし配当の金額を算出する。
なお、照会者は利益を超えた金銭の分配を行うに当たって、同一の役員会においてではあるが、利益の分配に係る承認と利益を超える金銭の分配に係る承認を別々の議案として決議します。


(注) 租税特別措置法第67条の15《投資法人に係る課税の特例》の概要等については、後述の(参考)[投資法人に係る課税の特例制度の概要等]を参照のこと。


【A】

照会の事実関係を前提とする限り、照会要旨のとおり取り扱って差し支えありません。


(理由)

1 照会要旨①について
投資法人が利益を超えて金銭の分配を行った場合におけるみなし配当の金額は、照会要旨の算式により算出されることとなるが、この算式における減少剰余金等割合については、次のiの金額をiiの金額で除して計算した割合をいい、当該割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り上げた割合をいうこととなります(法令23①三)。

i 資本の払戻しにより減少する資本剰余金の額

ii 払戻し法人の当該払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額


イ 株式会社の場合(前提:3月決算)
株式会社が資本の払戻しを行った場合の「当該払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時」とは、実際に払戻しを行った日を含む事業年度の前事業年度終了の時をいうこととなります(次のイメージにおいてはX-1年3月31日)。
なお、会社法の制定により配当と事業年度との対応関係がなくなったことに伴い、税務上も平成18年度の税制改正において、資本の払戻しに伴う利益積立金 額の減少時期がその効力発生時とされるなど、資本の払戻しがその効力発生以前の事業年度に影響を及ぼすことはなくなっています(法規別表四 記載要領3)。

ロ 投資法人の場合
投資法人が金銭の分配(みなし配当を含みます。)を行う場合において、その事業年度に係る金銭の分配が当該事業年度における配当可能利益の金額の90% 以上に相当する金額であるなどの要件を満たしているときには、その金銭の分配のうち一定の金額を投資法人に係る課税の特例制度により当該事業年度の損金の 額に算入することができます((参考)の1参照)。
このように、投資法人が行う金銭の分配は、依然として剰余金の生じた事業年度(すなわち、金銭の分配を行った事業年度の前事業年度)との間に対応関係が 存していることから、照会者は「当該払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時」を「当該払戻しの金額につき投資法人に係る課税の特例制度を適用し た事業年度の前事業年度終了の時」と解すべきとして照会に及んでいるところです。

照会者は、上記イメージのとおり株式会社とは異なる時点を「当該払戻しの日の属する事業年度の前事 業年度終了の時」と解することとしているところ、次に掲げる点を考慮すれば、投資法人が利益を超える金銭の分配を行った場合のみなし配当の計算において は、照会者意見のとおり取り扱うことが相当です。


① 投資法人が利益を超える金銭の分配を行った場合に、上記イメージの特例制度の適用を受けた前事業年度末の資産・負債の帳簿価額により減少剰余金割合を計算すれば、みなし配当の計算が以下のとおり不可能となること。

i みなし配当の計算における減少剰余金等割合は、「当該払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時」における資産及び負債の帳簿価額が確定していなければ求めることはできません。

ii 投資法人が利益を超える金銭の分配(みなし配当を含みます。)をし、これに投資法人に係る課税の特例制度を適用する場合には、当該利益を超える金銭の分配は、実際に分配を行った事業年度の前事業年度において損金算入の対象となります。

iii 通常、上記iの計算によりみなし配当の金額を算定し、これを含めたところにより上記iiによる損金算入額を計算するところ、その損金算入に伴って、実際に分配を行った事業年度の前事業年度の資産及び負債の帳簿価額に変更が生じ、再度iの計算を行うこととなり、結果としてiとiiの計算を際限なく繰り返すこととなります。


② みなし配当の規定は、会社法の規定の適用対象となる株式会社等を前提とした規定振りとなっており、投資法人法に基づく投資法人の金銭の分配については、その根拠法等に照らして適正な計算を行うことができるよう解するべきと考えられること((参考)2(1)の注書参照)。


③  投資法人の課税の特例制度においては、依然として金銭の分配と事業年度との間に対応関係が存しており、当該事業年度末(上記イメージにおいては「X-1年 3/31」)において当該事業年度(X-1年3月期)に係る金銭の分配につき投資法人に係る課税の特例制度の適用を受けることから、当該事業年度末(X- 1年3/31)において金銭の分配を負債(未払金)として認識しているとも考えられ、この場合には「当該払戻しの日」を当該事業年度(投資法人に係る課税 の特例制度を適用した事業年度)末と解することが相当と考えられること。

2 照会要旨②について
みなし配当が生ずる事由の一つである「資本の払戻し」とは、次の2つの事由をいうこととされています(法法24①三)。

i 資本剰余金の額の減少に伴う剰余金の配当(分割型分割によるものを除きます。)

ii 解散による残余財産の分配

投資法人が利益を超えて金銭の分配を行う場合、換言すれば、利益の分配に合わせて出資の分配を行った場合には、上記iの事由に該当するものとしてみなし配当の金額を計算することとされている((参考)2(1)の注書参照)。

イ 株式会社における資本の払戻し
株式会社において剰余金の配当を行う場合には、その原資を資本剰余金の金額によるのか、それとも利益剰余金の額によるのかを当該株式会社が任意に定めることができることとされている(会社計算規則23)。
また、会社法においては、資本剰余金を原資とした配当と利益剰余金を原資とした配当を区分することなく「剰余金の配当」という一の行為として規定している(会社法446一、453)。
このため、税務上も一の決議によって資本剰余金の額の減少に伴う剰余金の配当が行われた場合には、資本剰余金を原資とした部分と利益剰余金を原資とした 部分を区分することなく、当該決議により行われる剰余金の配当の総額をみなし配当の計算の対象とすることとされている(法法24①三)。

ロ 投資法人における資本の払戻し
照会者は、投資法人が利益を超えて金銭の分配を行った場合において、利益の分配については本来配当に該当することから、これを金銭の分配額から除いた残額(利益を超える部分)をみなし配当の計算の対象とすることとしたい旨を照会しているところです。
この点については、上記のとおり株式会社とは異なる計算方法によるものではあるが、次に掲げる点を考慮すれば、利益の配当を本来配当とし、利益を超える部分の配当をみなし配当の計算の対象とする照会者意見のとおり取り扱うことが相当です。

①  投資法人は、「利益を超える金銭の分配を行うことができる」(投資法人法137)との規定振りから、まず利益をすべて分配した場合に限り、これを超える分 配を行うことができるものと解されているところであり、これらの分配は投資法人の任意性が働くことなく明確に区分されるものであること。

② 投資法人が利益を超えて金銭の分配を行う場合には、その分配計算書において、利益の分配と利益を超える分配を明確に区分して表示することが求められていること(投資法人計算規則76①二、78①)。

③ 投資法人の金銭の分配は、役員会の承認を受けてこれを行うこととなるが(投資法人法131②)、照会者においては、利益を超えた金銭の分配を行うに当たって、利益の分配に係る承認と利益を超える金銭の分配に係る承認を別々の議案として決議することとしており、それぞれを別々の金銭の分配とみることが相当であること。


(参考)

[投資法人に係る課税の特例制度の概要等]

1 投資法人に係る課税の特例制度の概要
投資法人(次の(1)に掲げる要件を満たすものに限る。)が支払う金銭の分配のうち利益の配当から成る部分の金額(みなし配当の額及び合併に際してその 合併に係る被合併法人の投資主に対する利益の配当として交付された金銭の額を含む。以下「配当等の額」という。)で、(2)の要件を満たす事業年度(以下 「適用事業年度」という。)に係るものは、当該適用事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される。ただし、適用事業年度の所得の金額(注)を超え る場合には、損金の額に算入される金額は当該所得の金額が限度とされる(措法67の15①)。

(注) 上記の「適用事業年度の所得の金額」は、本制度並びに法人税法57条 《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第1項、第58条《青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越し》第1項及び第59 条《会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入》第2項の規定を適用しないで計算した所得の金額をいう(措令39の32の3②)。

(1) 投資法人の要件
本制度の適用対象となる投資法人は、次に掲げるすべての要件を満たす必要がある(措法67の15①一、措令39の32の3③④、措規22の19①)。

① 投資法人法第187条の登録を受けているものであること。

② 次のいずれかに該当するものであること。

i その設立に際して発行をした投資口の発行価額の総額が1億円以上であるもの。

ii 当該事業年度終了の時において、その発行済投資口が50人以上の者によって所有されているもの又は機関投資家(金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者のうち投資運用業を行う者などをいう。以下同じ。)のみによって所有されているもの。

③ その発行をした投資口に係る募集が主として国内において行われるものであること。

④ 投資法人の会計期間が1年を超えないものであること。

(2) 適用事業年度の要件
本制度の適用事業年度は、次に掲げるすべての要件を満たす必要がある(措法67の15①二、措令39の32の3⑧)。

① 投資法人法第63条の規定に違反している事実がないこと。

② その資産の運用に係る業務を投資法人法第198条第1項に規定する資産運用会社に委託していること。

③ その資産の保管に係る業務を投資法人法第208条第1項に規定する資産保管会社に委託していること。

④ 当該事業年度終了の日において同族会社に該当していないこと。

⑤ 当該事業年度に係る配当等の額の支払額が当該事業年度の配当可能利益の額として定められた一定の金額の90%に相当する金額を超えていること。

(注) 上記の「一定の金額」とは、投資法人の計算に関する規則の規定により当該事業年度の税引前当期純利益として表示された金額から前期繰越損失の額、負ののれん発生益の金額及び減損損失の90%相当額を控除した金額をいう(措令39の32の3⑥、措規22の19②)。ただし、当該事業年度に係る金銭の分配の額のうち投資法人法第137条第3項に規定する利益を超えて投資主に分配された金額がある場合には、次の算式により計算された金額が上記の「一定の金額」となる(措令39の32の3⑦)。


(算式)
  投資法人の計算に関する規則の規定により当該事業年度の税引前当期純利益として表示された金額から前期繰越損失の額、負ののれん発生益の金額及び減損損失の90%相当額を控除した金額 投資法人法第137条第3項に 規定する利益(*1参照)を超え て投資主に分配された金額 左の金額のうち出資 総額に戻し入れた 金額(*2参照)

*1 投資法人法上の「利益」とは、貸借対照表上の純資産額から出資総額と出資剰余金の額の合計額を控除した金額をいう(投資法人法88③、136)。

*2 「出資総額に戻し入れた金額」とは、投資法人の計算に関する規則第78条第2項の規定により、同項に規定する組入額の全部又は一部をもって同規則第39条第3項の出資総額控除額を減算した場合における同規則第78条第2項に規定する減算額をいう(措規22の19⑧)。


⑥ 他の法人の発行済株式又は出資の50%以上に相当する数又は金額の株式又は出資を有していないこと。

⑦ 投資法人が機関投資家以外の者から借入れを行っていないこと(措令39の32の3⑧)。

2 投資法人におけるみなし配当について

(1) 既存の投資法人における配当
投資法人に係る課税特例制度の適用を受ける「投資法人が支払う金銭の分配のうち利益の配当から成る部分の金額」には、上記1のとおり、みなし配当の額を含むこととされている。
しかしながら、既存の投資法人においては、当該事業年度の利益を超えて金銭の分配をした例はなく、法人税法第23条《受取配当等の益金不算入》第1項第1号に規定する「剰余金の配当」に相当する配当(以下「本来配当」といいます。)のみが行われてきた。


(注) 

明文の規定はないものの、平成18年度の税制改正後においては、投資法 人が利益を超えて金銭の分配を行った場合は、同法第24条《配当等の額とみなす金額》第1項第3号に規定する「資本の払戻し」を行った場合に該当するもの として、配当の額とみなす金額を計算することと整理されている(「平成18年 税制改正の解説」P267参照)。

(2) 投資法人におけるみなし配当(利益を超える金銭の分配)
既存の投資法人において行われた例はないものの、投資法人は利益を超えて金銭の分配を行うことができ(投資法人法137①)、これを行った場合には、当該利益を超えて投資主に分配された金額を出資総額又は出資剰余金の額から控除することとされている(投資法人法137③)。
したがって、投資法人が利益を超えて金銭の分配を行った場合には、法人税法第24条《配当等の額とみなす金額》第1項第3号に規定する「資本の払戻 し」(以下「資本の払戻し」という。)が行われたものとされ、当該金銭の額が、その分配の基因となった投資法人の出資に対応する部分の金額を超えるときは その超える部分の金額は、剰余金の配当とみなされることとなる(みなされた金額を以下「みなし配当」という。)。
この場合におけるみなし配当の金額は、次の算式により算出されることとなる(法法24①三、法令23①三)。


(注)

1 減少剰余金等割合とは、次の①の金額を②の金額で除して計算した割合をいい、当該割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り上げた割合をいう。

① 資本の払戻しにより減少する資本剰余金の額

② 払戻し法人の当該払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額

なお、上記②の金額については、払戻しの日の属する事業年度の前事業年度終了の時から当該払戻しの直前の時までの間に資本金等の額に増加又は減少があった場合には、それらの金額を加算又は減算した金額となる。

2 払戻しに係る投資口割合とは、次の①の口数を②の口数で除して計算した割合をいう。

① 各投資家が資本の払戻しの直前に有していた資本の払戻しに係る投資口の数

② 投資法人の資本の払戻しに係る投資口の総数


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