税金Q&A 吸収分割に当たり、分割承継法人から分割法人に株式の割当てを行わない場合の適格判定(分割型分割) | 紹介実績NO.1のビスカス 税理士紹介センター

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税金Q&A

吸収分割に当たり、分割承継法人から分割法人に株式の割当てを行わない場合の適格判定(分割型分割)
【Q】

本件分割は、A社を分割承継法人とし、A社の100%子会社であるB社を分割法人とする吸収分割で、平成X1年4月1日を分割効力発生日として、A社はB社の事業の一部である不動産賃貸事業を承継する予定です。
また、本件分割は、100%親子会社間における分割であることから、仮に分割型分割として本件分割に際してA社株式を交付したとしても、剰余金の配当を 経て結局A社が自己株式として保有することとなるため、これを省略する、すなわち株式の交付を行わない旨を吸収分割契約書(案)において明らかにしていま す。
なお、A社は、本件分割に際してB社に対し金銭等のA社株式以外の資産も一切交付せず、分割後においてもA社とB社の間で100%の親子関係が継続する見込みです。

上記のように、株式の交付が省略された場合であっても、本件分割は法人税法上の分割型分割に該当し、分割法人の株主(分割承継法人)に対して分割承継法 人の株式以外の資産が交付されないことから、法人税法第2条第12号の12に規定する適格分割型分割に該当すると解して差し支えありませんか。


【A】

本件分割は、法人税法第2条第12号の12に規定する適格分割型分割に該当すると解して差し支えありません。


(理由)

1 法人税法においては、分割型分割と分社型分割が次のように定義されています。

(1) 「分割型分割」とは、分割により分割法人が交付を受ける分割対価資産のすべてがその分割の日において当該分割法人の株主等に交付される場合の当該分割をいう(法2十二の九)。

(2) 「分社型分割」とは、分割により分割法人が交付を受ける分割対価資産がその分割の日において当該分割法人の株主等に交付されない場合の当該分割をいう(法2十二の十)。


2 平成18年度の税制改正前においては、分割型分割において、本件分割のように分割承継法人(親会社)が有していた分割法人(100%子会社)の株式等に対して株式割当等がなかった場合に株式割当等があったものとみなす規定(旧法24②二、旧法61の2④、旧法令23⑤)が置かれていましたが、会社法上、旧商法における人的分割に相当するものが、分割承継法人から分割法人への分割対価資産の交付及び分割法人からの剰余金の配当とされたことを受けてこの規定は廃止されました。


3 本件分割については、次のことからすれば、分割手続において株式の交付が省略されたものと認められるので、分割型分割として取扱うのが相当と考えられます。

(1) 本件分割においては、その当事者であるA社及びB社において、100%親子会社間の分割であることからA 社株式の交付を行わないこととしたものであり、そのことが吸収分割契約書(案)において「B社は、A社の完全子会社であるため、本件分割に際して、A社の B社に対するA社株式の交付は、省略するものとする。」と規定され、B社へのA社株式の交付及びB社からA社へのA社株式の配当が省略されていることが明 らかであること。
旧商法上、合併においては、被合併法人の株主に対して、合併対価として株式の交付等を行うことが原則として必要とされていましたが、例外として、 100%親子会社間又は100%子会社間における吸収合併において、株式の交付等を省略することも可能と解されており、そのような合併契約が締結された場 合であっても登記実務上合併として認められていました。また、100%親子会社間等における分割においても合併と同様に株式の交付等を省略することは実務 上認められていましたが、会社法においては、合併等において株式等の対価を交付しないことができることが明示されました。

(2) 本件分割においては、分割型分割として実際に株式が交付された場合の分割後のA社の株主構成及びA社とB社の資本関係が何ら変わらないこと。
仮に本件分割を分社型分割とした場合には、分割法人であるB社がA社株式を保有することとなり、A社の株主構成に変化が生じることとなります。

(3) 実務上株式割当等を省略した場合に、法人税法上、従前どおり株式割当等があったものとして法人税法の規定を適用することは、立法趣旨に反しないと考えられること。


4 また、本件分割については、(1)分割に際して、B社の株主であるA社に株式以外の資産が交付されないもので あること、(2)分割前にA社とB社との間に当事者間の完全支配関係があり、分割後も当該完全支配関係が継続することが見込まれていることから、法人税法 第2条第12号の11に規定する適格分割の要件を満たし、同条第12号の12に規定する適格分割型分割に該当します。


5 なお、上記の考え方は、100%資本関係グループ内において行われる株式が交付されない合併又は分割のすべてにおいて成り立つわけではありませんので、この点注意が必要です。
例えば、100%孫会社間における株式が交付されない分割が、分割型分割として実際に株式が交付された場合及び分社型分割として実際に株式が交付された 場合のいずれとも分割後の株主構成や資本関係が異なり、株式の交付を省略したと見ることができない場合には、分割法人、分割承継法人及び分割法人の株主について、課税関係が生ずることがあります。

※2009年12月現在での情報を元に制作しております。最新または正確な情報をお求めの方は、専門家にお問い合わせください。
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