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税金Q&A

公益法人等が指定調査機関等として介護サービス情報の公表制度に係る調査事務等を行う場合の収益事業判定
【Q】

介護保険法が改正され、平成18年4月1日より「介護サービス情報の公表制度」が創設されました。当該公表制度は介護サービスを利用し、又は利用 しようとする者(以下「介護サービス利用者」という。)が適切かつ円滑に介護サービスを利用することができる機会を確保するため、都道府県知事が介護サー ビス事業者から報告される介護サービス情報の内容について調査を行い、その報告内容及び調査結果を公表するという制度です。


(注) 介護サービス情報は、基本情報項目(事業所の職員体制など基本的な事実情報であり、調査をすることなく公 表するもの)と調査情報項目(マニュアルの有無など事実かどうかを客観的に調査して公表するもの)の2つに区分され、都道府県知事は調査情報項目について 調査を行うこととされています。

介護サービス情報は、次の①から③の手続を経て、介護サービス利用者に対して公表されることとなります。


① 都道府県知事が行う介護サービス事業者からの介護サービス情報の報告の受理(介護保険法115の35①)

② 都道府県知事による調査情報項目についての調査(同法115の35②)

③ 調査終了後、都道府県知事による介護サービス情報の公表(同法115の35③)


この①から③の事務については、都道府県知事が指定した者(指定調査機関又は指定情報公表センター)に行わせることができることとされており(同法115の36①、115の42①)、これらの事務に係る手数料は、介護サービス事業者が直接、指定調査機関又は指定情報公表センターに納付し、当該指定調査機関又は指定情報公表センターの収入とすることができるとされています(同法115の36③、115の42③)。

公益法人Pは県知事から指定調査機関と指定情報公表センターの両方の指定を受けて、上記(1)から(3)までの事務のすべてを行い、これらの事務 に係る事務手数料を介護サービス事業者から直接収受していますが、公益法人Pの行うこれらの事務については、都道府県知事に義務付けられた事務を都道府県 知事に代わり行うものであり、法人税法上の収益事業(請負業)に該当しますか。


【A】

照会の事実関係を前提とする限り、収益事業(請負業)に該当します。

(理由)

1 収益事業(請負業)の該当性について
(1) 法人税法上の「請負業」
法人税法上の収益事業となる「請負業」には「事務処理の委託を受ける業」が含まれることとされており、また、この場合の委託者については、それが誰であるかを問わないこととされていることから、国又は地方公共団体(以下「国等」という。)からの委託に基づいて行う調査、研究、検定等であっても、あるいは、その委託された事務処理の内容が本来国等が行政の一環として行うものであるとしても、法令に定める非課税要件に該当しない限りは「請負業」に該当する こととなり(法令51十イ~ニ、法規4の3)、その範囲はきわめて広いものとなっています。 したがって、公益法人等が国等との間に業務委託契約を締結して、その業務に係る費用等を国等から収受するものである場合には明らかに請負業に該当するものと考えられます。
一方、国等との間には明確な委託契約はないが、法令の規定に基づき指定された法人が当該指定に基づき役務の提供等の一定の業務を行い、利用者等から対価を収受するものがあります。これについては、国等と公益法人等との間に明確な委託契約はないものの、法令上、実質的に国等が行うべき業務を公益法人等が代行していると認められる場合には、原則として、「事務処理の委託を受ける業」に該当し請負業に該当するものと考えられます。
(2) 収益事業から除外される「請負業」
公益法人等の行う請負業のうち、法令の規定に基づき国等の事務処理を委託された法人の行うその委託に係るもので、①その委託の対価がその事務処理のために必要な費用を超えないことが法令の規定により明らかなこと、②その委託の対価がその事務処理のために必要な費用を超えるに至った場合には、法令の規定により、その超える金額を委託者又はそれに代わるべき者として主務大臣の指定する者に支出することとされていること、③その委託が法令の規定に従って行われていることという要件に該当する場合には、収益事業から除かれます(法令5十イ、法規4の3)。
(3) 本件への当てはめ
本件公益法人Pが県知事より指定を受けて行う調査事務及び情報公表事務については、次のことから、本来県の行うべき業務を公益法人Pが県に代わって行うものであり、法人税法上の請負業に該当するものと考えられます。また、当該調査事務及び情報公表事務については、上記(2)の①及び②につき法令の規定により明らかにされておらず、その要件を満たしていないことから、収益事業から除かれる請負業には該当しないものです。
  • ① 介護サービス情報の調査事務及び情報公表事務については、介護保険法において都道府県知事の行う業務である旨明定されていること。
  • ② 当該調査事務及び情報公表事務については、介護保険法において都道府県知事に代わって指定調査機関又は指定情報公表センターに行わせることができるとされていること。
なお、本件は公益法人Pが事務処理の受託の対価を県から直接収受するのではなく、介護サービス事業者から調査事務及び情報公表事務に係る事務手数料として 収受するものです。本来、これらの事務手数料は、地方自治法第227条の規定に基づいて都道府県が介護サービス事業者から徴収することができるものであ り、調査事務又は情報公表事務を指定調査機関又は指定情報公表センターが行う場合にあっては、当該指定調査機関等が介護サービス事業者から直接収受しその 収入とすることができるとされているところ、実質的には都道府県からの請負の対価と認められます。
2 実費弁償による事業の該当性について
(1) 実費弁償による事業
公益法人等が請負又は事務処理の受託としての性質を有する業務を行う場合(上記1(2)に該当する場合を除く。)であっても、その業務が法令の規定、行 政官庁の指導又はその業務に関する規則、規約若しくは契約に基づき実費弁償方式により行われるものであり、あらかじめ一定期間(おおむね5年以内の期間) を限って所轄税務署長(又は国税局長)の確認を受けたときは、その確認を受けた期間については、当該業務は、その委託者の計算において行われるものとし て、当該公益法人等の収益事業としては取り扱わないものとしています(法基通15-1-28)。
なお、ここでいう実費弁償方式とは、その委託により委託者から受ける金額がその業務のために必要な費用の額を超えない、すなわち、当該公益法人等において、その事業により剰余金が生じないような仕組みになっているという意味であり、具体的には、①個々の契約ごとにその都度実費精算が行われるもののほか、②ごく短期間に実費精算が行われるもの及び③手数料等の額が法令により実費弁償の範囲内で定められており、剰余金が生じた場合には手数料を減額する等の適正な是正措置を講ずることになっていることを主務官庁が証明するものが該当するものと考えられます。
(2) 本件への当てはめ
本件については、調査事務及び情報公表事務に係る事務手数料については、厚生労働省よりその算定等に係る指針が示され過度の剰余が生じる水準であっては ならないとされており、通常は多額の剰余金が生じることはないと考えられますが、本件事業については、そのような場合の適正な是正措置等について何ら定め られていないことから、本件事業が実費弁償方式と認められるためには、調査事務規程又は情報公表事務規程等において当該是正措置等を定める必要があり、そ の上であらかじめ所轄税務署長の確認を受けた場合には、収益事業として取り扱わないことができるものと考えられます。
3 結論
本件公益法人Pが県知事から指定を受けて行う調査事務及び情報公表事務については、法人税法上の収益事業(請負業)に該当します。
なお、本件調査事務及び情報公表事務について、実費弁償方式により行われることについて、あらかじめ所轄税務署長の確認を受けた場合には、収益事業として取り扱わないこととなります。

※2009年12月現在での情報を元に制作しております。最新または正確な情報をお求めの方は、専門家にお問い合わせください。
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