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税金Q&A

発明者の相続人が支払を受ける職務発明報酬
【Q】

Aは、平成17年5月20日に死亡するまでX社に勤務し、医薬品に係る数々の職務発明を行っており、X社の職務発明規程に基づき、職務発明報酬(出願補償金、登録補償金及び実績補償金)として総額30万円の支払を受けていました。
X社は、平成18年4月に職務発明規程を改正し、実績補償金の上限金額を撤廃するとともに、平成8年4月1日以降、特許として有効に存続する職務発明を使用している全製品にまでその対象を拡大しました。
そこで、Aの妻Bは、X社に対して改正後の職務発明規程に基づきAが生前に行った職務発明に係る実績補償金の支払を求めて提訴したところ、平成21年5 月に、X社がBに対して総額2,500万円の金員の支払うことで和解が成立しました。なお、この実績補償金の額は、平成8年4月1日~平成20年3月31 日の製品売上高をベースに計算された職務発明報酬相当額です。
この実績補償金(和解金)の課税関係はどのようになりますか。

【A】

照会の実績補償金(和解金)は、職務発明の対価として平成21年分の雑所得として取り扱われます。なお、一定の要件に当てはまる場合には、臨時所得として平均課税の適用を受けることができます。

特許法第35条に規定する職務発明に係る対価請求権は、民法上の債権と解されており、また、被相続人(職務発明者)の一身専属的な権利ではないこ とから、一般的に相続人に承継されるものと考えられています。したがって、照会の実績補償金は、Aが有していた対価請求権をBが相続によって取得し、その 権利を行使することによって得られたものと考えられますので、Bの平成21年分の雑所得として取り扱われます。
ところで、役務の提供を約することにより一時に取得する契約金に係る所得その他の所得で臨時に発生するもののうち一定のものは臨時所得に該当し(所得税 法第2条第1項第24号)、その課税方式は超過累進税率によらず平均課税(五分五乗方式)によることとされています(所得税法第90条)。
この一定のものには、工業所有権その他の技術に関する権利若しくは特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものを有する者が、3年以上の期間、 他人にこれらの資産を使用させることを約することにより一時に受ける権利金、頭金その他の対価で、その金額が当該契約によるこれらの資産の使用料の年額の 2倍に相当する金額以上であるものに係る所得その他これに類する所得が含まれます(所得税法施行令第8条、所得税基本通達2-37(3))。
照会の実績補償金は、使用者等に特許を受ける権利又は特許権を承継等させたことの代償として支払われるものであり、その実質はAが行った職務発明を利用 した製品が会社業績に貢献したことにより発生するものです。また、その金額が平成8年4月1日から平成20年3月31日までの製品売上高をベースに計算さ れた金額とされていることからすると、3年以上の期間に対応する一時に受ける対価で、使用料の年額の2倍に相当する金額以上であることから、「その他これ に類する所得」に当たり、臨時所得として取り扱って差し支えないと考えられます。
(注) 実績補償金が毎年の特許製品の売上高や特許の使用料の実績に応じて毎年支払われるような場合には、その実績補償金は、「3年以上の期間に対応する一時に受ける対価」に当たらないため、臨時所得に該当しないこととなります。

※2009年12月現在での情報を元に制作しております。最新または正確な情報をお求めの方は、専門家にお問い合わせください。
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