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税理士コラム

吉田信康税理士事務所ブログ

かばんの真実 その47
2008.11.28

「遺言書を自ら書いたか。」
「遺言書を誰からか言われて書かせられたか。」
これは大変重要なことなのです。
遺言書が出た時の状況を想定したら、誰でも分かることでしょう。

三男信三郎氏のHPには
「父は、巻紙に毛筆で書き、実印を押した遺言書を
会社の顧問弁護士に預けていました。」
と記載しています。
つまり「父の意思」で書いたと言っているのでしょう。

一方で長男信太郎氏はある雑誌で
「平成9年に母が亡くなりました。すると信三郎はほかの兄弟に黙って、
父に遺言書を書くように強く迫るようになりました。
食事の世話などをしてもらっている負い目も感じていたのでしょう。
父は信三郎の意に沿った遺言書を書かざるを得なかったようです。」
と言っています。

もちろん本当のところは分かりません。
でも昨日書きましたように、私が顧問税理士なら遺言書を書いておくように
当然勧めたかもしれません。
遺言書は法律的な要件さえ整えれば当然有効なものです。
弁護士に預けていたということから、弁護士の指示に従った有効な遺言書で
あったことも間違いありません。
残念ながら「他の兄弟には黙って」という信太郎氏の記述が気になりますが、
当時の兄弟の仲を考えたらやむを得ない選択だったかもしれません。
でも確かに遺言書作成時に兄弟の話合いがされていれば
良かったのでしょう。

これから有名な兄弟ケンカが始まるのですが、
あとでご説明する民法の改正は、
「兄弟間で話し合って事前に自社株を生前贈与すれば特例を与えます」
というものです。
そんなうまく話合いができるものなのでしょうか。
話合いがうまくいかないから、兄弟の仲が悪いから「遺言書」が
登場するのではないでしょうか・・・。
どうもこの改正は考えれば考えるほど矛盾するようなお話なのです・・。




・・・ブログ書いていたら昨日画期的な判決が出てしまいました!
何てタイムリーなブログなのでしょう!? 詳細は来週!お楽しみに!!


かばんの真実 その46
2008.11.27

さあ!いよいよ問題の遺言書が登場しました。

そこでその遺言書の中味を見る前に、
やはりこの遺言書が作成された経緯が非常に重要だと思うのです。
三代目信夫氏自ら、これを書いておこうとしたのでしょうか。
もちろん。このあたりの真実は当事者しか預り知らないところです。

ただ、この時点で一番遺言書を書いて欲しい方は四代目信三郎氏です。
ここでハッキリしておかなければ社長の座が確保できません。
でも、ご承知のとおり、遺言書を書く方は三代目信夫氏です。
どんな経緯で遺言書を書いたかが重要です。

税理士としての経験から、
「将来のために一筆書いておこう!」
自らの意思で遺言書を書こうとする人は稀です。
誰かが
「後々困るからお父さん書いておいて。」
と頼むケースがほとんどでしょう。
その後、ご本人ではなくその親族から、
顧問の税理士か弁護士に相談することになります。

でもここが最初のポイントです。
誰かの依頼であればなおさら、その依頼者の意図が入ってしまうものです。
だからあとで問題にもなりやすいのです。

先日ある研究会で講師の弁護士が
「税理士が関わって『書かせた』遺言書はあとで揉めることが多い。」
そういっていました。
何となくそうかなと思います。
どうしてでしょうか。
つまり、依頼者が有利な遺言書になりがちだからです。
一澤帆布の場合も、もし顧問税理士が作成に関わっていたとしたら
(ここは重要なのですが、もちろん本当のところは分かりません)
やはり、クライアントである信三郎氏の立場で作成したと思うのです。
だから先ほどの講師の弁護士の発言からも納得するかもしれません。
でもそれは当然だと思うのです。

どうしても四代目は経営権を確保したかったに違いありません。
20数年間、心血注いで発展させた一澤帆布。
どうしても社長の座はゆずれないと思っていたに違いないのです。
私がもし当時一澤帆布の顧問税理士であったとしたら、
私も当然そうアドバイスしたかもしれません
一緒にその会社と苦楽を共にしてきた顧問税理士なら
当然のことでしょう・・・。


かばんの真実 その45
2008.11.26

相続の現場では、配偶者の方が先に亡くなると、
対策の必要性が現実味を帯びてきます。

昨日ご説明した「配偶者の税額軽減」というのは
税金計算でいかに重要なものかお分かりになっていただけたでしょうか。
もう一度「庶民感覚」を打破するために、遺産を仮に10億円としてみましょうか。
この税額軽減は、遺産の半分か1億6000万円のどちらか大きい方が
税金かからなくなるのです。
10億円の半分は5億円ですね。当然1億6000万円より大きいです。
となると、もし仮に相続が発生しても配偶者が存命なら、
配偶者に半分の5億円を相続すれば、配偶者の方は税金がかかりません。
これが、もし配偶者の方が先に亡くなってしまっていたら、
当然この特例は使えないのですから、税額が跳ね上がることになります。
以前ご説明したように相続税の税率は3億円超なら50%ですからね。
トンでもない天文学的数字になります!

一澤帆布の4代目は、実際税に相続税を試算でもしたのでしょうか。
「これは大変なことになる!」
というお話に多分なったのでしょう。(想像です)
これは税理士としての経験からも、本当によくあるお話なのです。
配偶者がご存命ならそれほど税金かからなかったはずなのに、
亡くなったトタン、急に対策が必要になる・・。
(ただこの特例は今度の税制改正で大幅に変更される予定です。
詳細はそのうち・・・)

しかも問題は相続税のお話だけではありません。
相続権は兄弟三人なら3分の1となります。
経営権の確保という重要な問題があります。
つまり、社長の座を守る必要があるのですね。
現経営者である四代目信三郎氏は専門家に当然相談でもしたのでしょう。
(ここも想像です)

ここで、その後大問題に発生する遺言書が作成されます。
お母様が亡くなった平成9年の12月12日の日付でした。
第一の遺言書」の登場!です。


かばんの真実 その44
2008.11.25

相続税のお話で大変重要なのでこれもご説明しておきましょう。
配偶者の方が先に亡くなるとどうなるのか?」
逆に「配偶者がいると税金はどうなるのか?」

ぜひ知っていていただきたいお話です。
税金、ここでは相続税のお話なのですが
自分の配偶者への財産の移転に対しては、極端に緩和された税金となっています。

よく「夫婦で築き上げた財産」といういい方しますね。
ご主人の財産の半分はすでに奥様のもの!なので、
それを相続により移転しても税金はかからないのです。
それこそ離婚した時に「財産分与」というお話さえあります。
(離婚の税務は結構重要なので・・知りたくないですか!?
・・またそのうちブログで・・)

実は、相続税も「配偶者の税額軽減」という制度があります。

配偶者の税額軽減の詳細はこちら

ちょっと難しいお話かもしれませんが、簡単に言えば1億6000万円!まで
相続により配偶者へ財産を写しても税金はかからないのですね。
「財産が1億6000万円も財産ない!」
という方は良かったですね。
奥さんに
「お前に私の財産を無税で残してあげる準備はしている!」
と自慢しておいてください!?
「1億6000万円では少ないのでもっと下さい。」
と万が一!奥さんから言われたら
「大丈夫! 私の財産の半分はキミのものだよ。」
と安心させてください!?

この特例により
奥さんに1億6000万円以上を無税で渡すには3億2000万円以上!
の財産を築きあげる必要があるのですね。

・・相続税はやはり、なかなか「庶民感覚」では難しいお話のようですね。
やはり毎晩ホテルのバーに通って感覚を磨いておいてください・・・。


かばんの真実 その43
2008.11.21

平成9年に三代目の奥様が先にお亡くなりになります。
これは相続のお話でこれは大変重要なことなのです。

一般論として考えてみてください。
仮に兄弟が3人いて、父親が亡くなっても、もし母親が生きていれば
揉めることは比較的少ないのです。
お母さんの言うこと聞かないの!」
その一言で済みます。

法律的に考えても、以前お話した「法定相続分」も母親には2分の1ありますし、
何より、自分を生んでくれた母親に逆らってまでも
揉めることはやはりあまりないのです。
(でもご高齢であったなどそれでも揉めたこともありました・・・)
ここでもし、母親の方が先に亡くなった場合には、
たいがい兄弟間で揉めてしまうものです。
自分の税理士としての過去の経験則でもそうでした。
本当に揉めるケースは兄弟だけが残された場合です。
法律的には、先ほどの法定相続分も兄弟3人なら、
3分の1ずつということになり、
母親が生きていた場合より、各兄弟間の相続分も倍に増えてきます。
当然主張も多くなるのでしょう。

一澤帆布の場合でも、「もし三代目にもしものことがあったら・・・」と
その時の社長が考えてもおかしくなかったと思います。
ましてや、どうも兄弟間がうまく行ってなかったようです・・。

それとこれも経験則ですが、
長男の方が弟達と年が離れていて、しかも長男が家業を継ぐような場合にも
揉めることは少ないです。
これも同じですね。
お兄ちゃんのいうこと聞けないのか!」
この一言でおしまいです。

でも残念ながら一澤帆布の場合は三男が後継者でしたし、
お母様が先に亡くなれていた。
もうこれはこれだけで将来揉める要素十分でした・・・。


かばんの真実 その42
2008.11.20

お待たせしました!
いよいよ相続のお話の開始です。
以下、マスコミ等で記事にされたものを元に
自分なりにコメントをつけて発表していきます。
事実とは異なるかもしれませんが、文責吉田でご説明していきましょう。

まず、三代目信夫氏が亡くなったのは
平成13年3月15日です。

それまで、再三ご説明したように、
四代目信三郎氏は一澤帆布を発展させていきます。
しかしながら、自社株の生前贈与はうまく進まなかった・・・。

そこで、遺言書が登場するのですが、それがなぜ必要であったか。
これも専門家の立場からも説明してみましょう。
具体的によくあるお話で、非常に参考になるケースです。

まず兄弟間の仲のことからご説明しましょう。これも推定のお話です。
信三郎氏のHPから、その相続の5年ほど前の平成8年12月に
四男喜久夫氏がまだ45歳の若さで一澤帆布を退社してしまいます。
それまで三男信三郎氏と協力して会社を発展させてきたとは思いますが、
どうして辞めたのか本当のところはもちろん分かりません。
そのHPから
「もう仕事はしたくない。好きなことをして暮らしたい。」
といったそうです。
その後一大騒動のあと長男と組んでしまう経緯から考えれば、
少なくとも三男と四男のお二人の関係が、うまくいってなかったのかも
しれません。
この兄弟間の仲というのが、やはり非常に大事なことなのです。
話し合いがうまくできないからこそ、この遺言書が必要となるのは
いうまでもないことですからね。

でもその次に、もっと決定的なことが起こってしまいます・・・。


かばんの真実 その41
2008.11.19

なかなか一澤帆布のお話が進みませんね。

でも敢えて贈与税のお話をシツコク続けているのは、
この税金が一般の「庶民の人」には分かりえないものだからなのですね。
取りあえず、庶民感覚!?を捨てて相続問題を考えてみてください。
相続税に悩む人は、カップラーメンが一ついくらかさえ知らないものです!?
(12000円もらったら、これで「総理に何個買ってあげられるかキャンペーン」
でもやったら面白いですね・・・)

バブル当時には、こんな贈与税の特例がなかったのです。
だからこそ、あえて申し上げますが、大変申し訳ないですが、
一澤帆布は生前贈与に「失敗」したのです。
贈与税の支払に躊躇して、結局自社株の生前贈与がうまくいかなかった・・。
それで仕方がないので遺言書を作成した・・・。でも結局・・・。
そんなお話なのですね。
ただ、別に一澤帆布に限らないのです。
この特例が作られる前は、
どこの会社でも生前に自社株を動かすということは
至難のワザであったのです。

ここで昔の制度をいくら説明しても、まったく意味がないですし、
これからの事業承継対策は、この特例をうまく使って
生前に株式を移動させていくしかないのです。
だから、敢えてシツコク贈与税のお話をしている次第です。
それとあとで出てきますが、この贈与によって、
遺留分(いりゅうぶん)という大変難しいお話がでてくるのですね・・・。
これこそが今度の改正のキモなのですね・・・。

さあ、横道それていないで、そろそろ本題に入りましょうか!


かばんの真実 その40
2008.11.18

この相続時精算課税の税率20%というのは
今までの贈与税に比べたら、「とんでもなく」安いのです。

以前ご説明したとおり(11月10日のブログ)、
1000万円を超える贈与税は税率なんと50%となってしまいますからね。
だからこそ今まで、高額な贈与が行われてこなかったのですね。
「相続対策で生前に財産を移転しておきましょう。」
といくらご説明しても、やはり税金というキャッシュが出て行くのは
嫌われるのです。

ここで、もう一つ説明しておかなければいけませんが、
今までの贈与税の税率と相続税の税率を比べたら、
だんぜん相続税の税率の方が安いですからね。

相続税の税率表はコチラ

この相続時精算課税制度ができる前は、無理して、生前に贈与するより、
亡くなったあとから相続により財産を移転した方が、
結局税金が安くなるということが実際多くあった訳です。
(ここ説明するともっと難しくなるのでサラッと・・・突っ込み禁止です!)

だからこそ、今まで贈与というのが「嫌われて」いた訳です。
お分かりになりますか。

この制度改正によって、国を挙げて事業承継対策を後押ししてくれたのです。つまり、

「税率安くするので、もっと贈与税を好きになってください。」
と国税庁が言い出した訳なのです・・・!?


かばんの真実 その39
2008.11.17

相続時精算(そうぞくじせいさん)課税制度とは
実に難しそうな名前ですね。
もっと「やさしい」名前を付ければよかったのですけどね。
でも事業承継対策には非常に有効なのです。
間違いなく相続対策のために作られた制度なのですが、
何故か広まらないのですね。ご存知ない方も多いようです。
「そんな制度があるのですか?」
よく言われます。
一澤帆布のように、
将来自社株の相続でもめそうな」会社には本当に有効なのです。

こういう制度を分かりやすく説明できない税理士がいるから
広まらないのでしょうか!?
(すいません。また言い過ぎたでしょうか?)

やはり、少し簡単にご説明しておきましょう。
名前の通り、贈与税を「相続時に精算しよう」という制度なのですね。
財産の移転を行い、その贈与税の申告をして、贈与税の税金を納めて
おいて、その税金を相続開始時、つまり亡くなったときに相続税の計算を
やり直して精算しようというものなのです。
払いすぎたら返して(還付)もくれます。
つまり、簡単に言えば「相続税の先払い制度」なのですね。

ただ本当に相続で困っている人には有効な面も多くあるのです。
まず有効なお話は、2500万円までが非課税で贈与できること。
それと2500万円を超えても税率は一律20%しかかならないのです。
でも「20%しか」という点を、まかなかご理解いただけないでしょうか・・・。


かばんの真実 その38
2008.11.14

贈与税のお話をもう少し。
そもそものことなのですが、
この世の中で贈与税の申告をした経験のある方は少ないのです。
だから、ほとんどの方がこんな税金知らないでしょう。
大金持ちのウチに生まれた方ならまだしも、
普通のウチに生まれた方に、急に親から大金をもらって申告することなど
通常あり得ないのです。
そういうウチの方(麻生総理のような大金持ち)は
キチンと顧問税理士がついていて、何らかの相続対策の指導は
受けているはずです。
それでなかったら、自分の相続税が心配で夜もぐっすり寝れません。
多分毎晩ホテルのバーで優雅に酒なんか飲んでいられません!?

ところで、よくある贈与のご相談は、そんな相続対策でも何でもなく
「今度マンションを買おうと思っているのだけど、
足りない1000万円を親から出してもらうのですが大丈夫ですか?」
というような類のご相談です。
借りたことにすればよいのですか?」
この質問何度聞かれたことでしょう。
その回答はブログなんかでは、アップできません(!?)

「税務署もヒマでないので、そんなに普通の方の贈与までは・・・。」
と心では思いつつ(これ本音ですが内緒)、贈与税の特例
丁寧にご説明してあげます。(でもそれが正しいのです)

・・・そろそろ、ご存知な方に突っ込まれそうなので、
平成15年より改正された、贈与税の特例
ご説明しておきましょう。
ちょっと難しいので、ブログで詳細は語れません。

詳しくはコチラ

要するに2500万円まで贈与税がかからない仕組みができたのです。
今までの制度とはまったく違います。先ほどのマンションの取得なんかもそうです。
でも、この制度あまり知られていないですね。
当初は、実は一澤帆布のような自社株の贈与を想定して作られていたのです・・・。


緊急対策融資!
2008.11.13

中野区より「緊急対策融資」が発表されました!
こんな時こそ、のんびり贈与税のお話をしている場合ではないですね。

当初2年間も利払いがなく
その後中野区が金利を一部負担してくれます。
通常2.3%もの金利が0.5%に!!
つまり、1.8%もの金利負担をしてくれるのですね。
何とか調達していただいて、頑張ってほしいものです。

中野区の緊急融資の詳細はコチラ
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/030/d03500243.html

実はこのお話は先月から知っていたのですね。
他の区役所(杉並区役所など)はすでに詳細をHP上にアップしていたので、
信用保証協会が制度融資を開始する10月31日に、中野区役所の担当課にいったら
「まだ詳細も決まっていませんし、パンフレットもありません。」
と結構冷たく言われてしまったので、
「中野区の中小企業のために早急に開始してください。」
とお願いしてきたのですね。
早く制度化されてよかったです。

ポイントは
指定業種に入っていることと
②売上が前年同期に比して3%減少している
ことなのですが、①指定業種はほとんどのものが入ってくるように11月14日付で
さらに増やされています。
あと3%減少していることを証明するために、
税理士の証明した「試算表」を求められるようです。
その対応にこれから追われそうです。
でも、大事な顧問先のために頑張ります!

がんばれ中小企業!!


かばんの真実 その37
2008.11.12

贈与税のお話は、事業承継とこれからお話しする民法の改正で、
結構重要なのでもう少し続けましょうか。

贈与に関しては税理士としていろいろ経験しました。
でも本当にこれだけ嫌われる税金も珍しいですね!?
どうして嫌われるかお分かりになりますか?
他の税金、例えば所得税や法人税は、
基本的には儲けに対して課税されるので、通常は儲かっているのだから、
キャッシュがあるのですね。これで税金払えるのです。
これを難しい専門用語で「担税(たんぜい)力」といいます。
要するに課税されても払えるキャッシュが存在するのです。
(通常のお話です・・・。ここらでこの不況に喘ぐ中小企業の社長さんから
文句がでてきそうです・・・。)

でも、金銭ではなく「もの」を贈与した場合の贈与税と言うのは
「支払うべき」キャッシュはないのです。
他からおカネを持ってきて支払わなければならない・・・。
だからこそ嫌われるのですね。
特に自社株を後継者に贈与する場合は、おカネそのものは渡らないので、
その税金分のおカネをどこからかもってこなければいけない・・・。

ここが重要なのですね。お分かりになりますか。
財産をもらう人が税金を支払うのですね。
つまりオヤジが後継者の息子に自社株を贈与した場合、
税金を払うのは息子なのですね。息子がおカネを一杯持っていれば
いいでしょうけど、通常はオヤジの方がおカネ持っているはずですよね。
これ当たり前のことだと思われるかもしれませんが、
でも海外の場合では、贈与する人が課税されるところもあるのです・・・。
オヤジが税金払うのならやりやすいのですね。
(この制度を利用(悪用?)した相続対策のお話はまたいつか・・)

結局、日本の場合は後継者に自社株を贈与するのには、
同時にキャッシュも贈与してやる必要があったりして、
この納税資金の面から、やはり承継がうまくいかない場合が
多かったのですね。

一澤帆布の場合も、いろいろ対策を講じてみたようでしたけど
以前アップしたように4代目には、
結局26.6%しか生前贈与されなかったのです・・・。


かばんの真実 その36
2008.11.11

昨日アップした贈与税の税率表では、最高税率50%でした。
(ご覧になりましたか?アップの仕方をちょっと工夫してみました・・)
ところが、この平成13年度の改正前は最高税率が1億円超の贈与の場合、
なんと70%もあったのです。
最低税率10%から始まっているのですが、これでは「累進課税」にも程がありますね。
この贈与税の税率では、このころの生前贈与がうまくいかなかった
ということがお分かりになると思います。
実際に一澤帆布の生前贈与もかなり苦労したようでした。

ここで私の研究成果(!?)を発表します!
実際どうやったか推定してみましょう。
会社の登記簿謄本でも確認しましたが、
(会社の登記簿謄本は今ではネットで誰でも取れるのです。ご存知ですか?)
もともと昭和36年設立時には、
資本金1000万円で1株500円で2万株発行されていました。
多分3代目を全額もっていたと推定されます。
登記簿謄本を見ると、昭和63年12月に2万株増資して
資本金2000万円に、さらにその後6万株増資し、
資本金5000万円までに引き上げています。
これで都合、合計10万株の株式が発行されたことになります。

なぜこのように増資したかと言うと、
多分一株あたりの金額があまりに高額になりすぎて、
動かすのに莫大な贈与税がかかると計算されたので、
増資をして一株あたりの金額を小さくしてから
少しずつ贈与したのではないかと思います。(これも推定です)
でも結果的に全部を贈与しきれずに終わってしまった・・。
これが大問題につながっていくのです。
贈与税の支払を悩んだがために・・・。


かばんの真実 その35
2008.11.10

ところで生前贈与というのは、
当然ですが「贈与税」という税金がかかります。
贈与税と言うのは、税金の中では比較的高い税率が課されのですね。

贈与税の税率はコチラ

例えば1000万円を超える贈与は税率がなんと50%にもなってきます。
ですから、生前贈与のご相談があった際に、具体的に税金を計算すると
「そんなに高いの!」
とビックリされてしまう方も多いようです。
何もしなければ納めなくてもよいのに、わざわざ財産を動かすことにより、
余計な税金が出てしまうのにかなり抵抗があるようですね。

このお話をしているころには、基礎控除が60万円でした。
平成13年度の税制改正によって、
この基礎控除は110万円まで引き上げられたのですが、
どうもこの贈与税というのは嫌われる税金のようです。
「60万円までなら税金はかかりません。」
と説明したトタン、
「では毎年60万円ずつ贈与しましょう。」
と大抵はなってしまいます。
60万円を10年繰り返しても600万円の財産の移転にしかなりませんけど・・・。

でも、これは昔からある相続対策の基本中の基本です。
比較的知られたお話のようです。
よくおじいさんが孫のために毎月5万円ずつ定期にしていた
というのを、相続の現場で何度も見たことがあります。

嫌われる贈与税なのですが、この「贈与税との戦い」が
あとでお話する民法の改正のキーワードにもなってきます!


かばんの真実 その34
2008.11.07

ご説明してきたように四代目信三郎氏が大変努力され、
この一澤帆布の業績を伸ばしていきました。
でも
「自分の親にもしものことがあったらどうなるだろう?」
そうご本人が常に思っていたかどうか分かりません。
多分4代目はそんなこと思わないような経営者で
しかも職人気質の方ではなかったでしょうか。
これも私の過去の経験則ですが、仕事一辺倒な方が
自分のことを省みたり、ましてや親の相続まで想定することなど
まったくないように思います。

ただ、周りの税理士や弁護士あたりが、
多分入れ知恵したはずです。(これも推定です)
以前書きましたように、この頃の銀行や証券会社
この株式の相続問題で大騒ぎ(!?)していましたので、
こういうお話は誰も言わなくても自然と耳にはいってきたかもしれません。
相続対策をしないと大変なことになります!」
そう「挨拶代わりに」銀行の担当者は常に言っていたはずです。
ついでにこれも付け加えていたはずです。
借金して・・・すれば・・・」と。

実は私の調べたところによれば、
やはり自社株の生前贈与が行われていたようです。
「26.6%が四代目信三郎氏側へ生前贈与されていた」
という記事がこの問題を取り上げた雑誌にありましたので、
多分そうだと思います。
三代目のお持ちの自社株を贈与したのだと思います。
でも、やはり株価が高すぎて動かすのに
かなりの税金がかかったはずです。


かばんの真実 その33
2008.11.06

ところで、これから申し上げていくことは私の推定のお話です。
私は一澤帆布の顧問税理士でもないのでハッキリとしたことはわかりません。
事実とは異なるかもしれません。
でも本当の顧問税理士であれば、当然守秘義務があるので
こんな勝手なことも発言できないとも思いますが・・・。
よって、クレームが起きないように、私が机上で調べたことを前提とした
フィクションとお断りさせていただきます。
また、このブログで特定の一族のことを根掘り葉掘りアップしていることに
私自身いささか後ろめたい感じも実はしています。
ブログを始めてまだ3ヶ月あまりですが、
ブログというのが分かっていないのでしょうか。
ただ、ありきたりのつまらない日記ブログにはしたくない(スイマセン本音です)
ですし、何らかの主張や示唆に富むものにしたいとも考えています・・・。
よって個人的な見解も含めて検証していきたいと思っています。
文責はこの吉田です。ご意見ご批判は甘んじてお受けする覚悟です・・。




さて一般論ですが、相続でもめる事案と言うのは、まずその親族内でもともと
兄弟間の仲が悪いということもいえます。
生前贈与であれ、遺言書の作成であれ、後にもめそうだからとか
事実すでに仲が悪いからこそ起こりうるお話なのです。
特にもめていなかったら、相続後に遺族で話し合って「遺産分割協議書」で
定めれば問題もないのです。
それをあえて事前に行うとか、死後の分割を指定したいというのは
やはり何らかのもめる要素があるからです。
これも私の想像ですが、やはり一澤家内でやはり前提となる兄弟間の仲が
よくなかったのではないかとも感じています。(これこそ推定です)

・・・もう一言。特定の事案を面白おかしくいうつもりもありません。

一澤帆布の一ファンでもあり、やはり税務の専門家として
どうすればよかったのか、
また、この一澤帆布の例から何を学び何を考えるべきかという観点から
お話を続けたいとと思います。


かばんの真実 その32
2008.11.05

さあ、ここで本題の株式のお話なのですが、
これもお話を創業時まで戻しますが、
昭和36年当時から、多分三代目信夫氏が全株持っていたはずです。

では、ここで相続が仮に起こったとしたらどうなるでしょう。
まず基本的な相続の法律的なお話からご説明していきましょう。
税金の計算というお話は最後にしましょう。
(難しいので多分やらないと思います!?)
取りあえずこの株式の行方が重要なのです。

経営しているのは四代目信三郎氏ですが、実は法律により
三代目がお持ちの自社株全株は「法定相続」されてしまいます。

このあたり、以前ご説明したように、戦前は「家督相続」という制度が
あったのですが、やはり戦後民主主義の発展と共に、
公平な制度に変更されてしまっているのですね。

経営している社長さんに全株引き継がれるわけではないのです。
つまり、民法の法定相続により、公平な相続分が決まっています。
ところで「法定相続」とは難しい民法の用語を出して恐縮です。
一応法律で決まっているのです。

でも難しく考えなくてもよいです。
「平等に」しかも「公平に」分けられるということなのです。

どういうことかというと、配偶者にまず2分の1が、
その残りを兄弟間に均等に相続されることになります。
ということは、兄弟3人ですので、社長である信三郎氏には、
残りの2分の1の3分の1、つまり
6分の1しか相続権がないということになります。

これではマズイということで、通常の相続対策として、
自社株の生前贈与ということが行われるのです。
もしくは、「あとで大問題に発展する」遺言書の作成なのです・・・。


かばんの真実 その31
2008.11.04

いつまでも「後ろ向きの」お話をしていても仕方がないので、
前向きな」お話をしましょう。
ところで、一澤帆布のお話に戻しましょうか。
どこまで書いたか、私も忘れてしまいました・・・。
(誰も覚えていないと思いますが・・・)


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再三申し上げている通り、
このお話は相続対策を勉強するにはもってこいの事例なのです。
もう前置きはよいでしょうから、
(もういい加減にしてくれ!と言われてしまいそうです・・。)
これから相続の本題に入っていきましょう。

さて、お話を前に戻しますが、
この一澤帆布の4代目信三郎さんが社長になったのは昭和58年でした。
その後、以前詳しくご紹介したように、この4代目の力で
会社の業績を飛躍的に伸ばしていきます。
売り上げ増加に対応しながらも、「京都商法」にこだわり、
昭和60年に地元に作業場を竣工し、その後平成4年にも
今の新店舗も竣工させています。
このあたりの見事な経営手腕についても、もっといろいろ書きたいのですが、
相続の本題が重要でしょうから、話をすすめていきましょう。

これも何度か、ご説明したように一澤帆布の株価
どんどん高くなっていったはずです。
やはり、この株価が高くなりすぎてしまって
非常に困ったことが起きてしまうのです・・・。


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