12月20日に日本銀行が大規模な金融緩和を見直し、長期金利の上限を0.25%程度から0.5%程度へと引き上げました。この引上げによる住宅ローンへの影響が懸念されているなか、三菱UFJなどの大手銀行が来年1月適用分の固定型の住宅ローン金利を引き上げる見通しであることが分かりました。
住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」の違いとは?
住宅ローンとは、宅地の取得や住宅の新築・改築などの目的のために、 土地と家屋を担保にして銀行などから資金を借りるローンのことをいいます。
住宅ローンの金利には「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。
「変動金利」とは、借入期間中に適用される金利(適用金利)が変動するタイプのことを指し、一般的に借入後は、半年に一度、適用金利の見直しが行われるものが多くなっています。
一方で、「固定金利」とは、借り入れた時からあらかじめ決められた期間において金利が固定できるローンのことをいいます。固定金利には「固定金利期間選択型」と「全期間固定金利型」があり、期間中は世の中の金利水準がどれだけ上昇しても、金利は見直されないため返済額は変わりません。
「変動金利」と「固定金利」の仕組みについては、「広がる「変動金利」と「固定金利」の格差!どちらを選択すべきか?」をご覧ください。
固定金利を0.1%から0.2%ほど引き上げか
銀行の住宅ローン金利は、市場の金利の動向などを踏まえて決定されていますが、12月20日に日本銀行が「事実上の利上げ」を決めたことにより、市場で長期金利が上昇。そのため今回引き上げが検討されているのは、長期金利と連動している住宅ローン金利の指標となる固定型10年などの基準金利とされています。
銀行各社は、12月30日に来年1月の住宅ローン金利を発表する予定で、大手銀行の担当者からは「長期金利が上昇すれば引き上げざるを得ない」「まだ確定はしていないが、引き上げる方向」という声が挙がっているようです。
なお、今回の日本銀行の見直しでは、変動金利には直接的な影響はないとみられています。