「コロナ不況」の下、あらためて確認しておきたい
資産運用のイロハ

「コロナ不況」の下、あらためて確認しておきたい  資産運用のイロハ
公開日:
2020/08/31
 
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新型コロナウイルス感染症による経済環境の急速な悪化で、多くの人が将来の生活にますます不安を募らせています。「少しでも多くお金を貯める・殖やす」ことの重要性があらためて意識されるなか、資産運用に対する関心も高まっているようです。それは個人事業主であっても同じでしょう。とはいえ、やみくもに始めるのは、失敗のもと。こんな時代だからこそ、「資産運用で大事なこと」を1から考えてみましょう。

超低金利と少子高齢化のリスク

まずは、そもそも論から。なぜ貯金しておくだけではなく、わざわざ資産運用を意識する必要があるのでしょうか?

 

理由の1つは、今の日本が金融機関にお金を預けておくだけではほとんど利息が付かない、超低金利の状態にあることです。メガバンクの普通預金の金利は、わずか0.001%! 定期預金も、今年4月にそれまでの1/5の0.002%に引き下げられてしまいました。100万円を1年預けても、もらえる利息はわずかに20円というのでは、「ただ置いておくだけ」と変わらないでしょう(広い意味では、預金も資産運用の1つではあるのですが)。

 

第2の理由として、少子高齢化の急速な進行が挙げられます。ご存知のように、日本の公的年金は、現役世代が受給者(高齢者)を支える仕組みになっています。現状は、まさに“逆ピラミッド”のように、「少ない人数で多くの高齢者を支える」構造になっていて、年金の原資が先細りしていくのは、明らか。結果的に公的年金は、「支給開始年齢の先送り+減額」のトレンドにあり、今後ますます厳しい状況も予想されます。「老後を年金に頼る」のが難しい世の中になっていることは、認識せざるをえません。

 

「稼ぎ」も限られるなか、保有している資産そのものを活用することで、少しでもお金を殖やし、残すことが求められているわけです。

資産運用の目的・目標を明確にする

低金利とはいえ、「十分な蓄え」がある人は、後述するようなリスクも伴う資産運用に、無理して乗り出す必要はないかもしれません。資産運用には、必ず目的があるはずです。それに適した運用方法を考えるようにしましょう。

 

  • ◆生活資金として使うため……いつでも好きなときに現金化できるというのが、条件になります。
  • ◆老後など、将来に備えるため……「備え」ですから、減らしてしまっては元も子もありません。なるべくリスクは避け、できれば元本の保証された商品などを運用するようにすべきでしょう。
  • ◆余裕資金を活用して殖やす……「ハイリスク・ハイリターン」、「ローリスク・ローリターン」、あるいは長期と短期など分散投資を行うことで、収益性と安全性を両立させる工夫を。余裕資金を上手に運用できれば、子どもなどの家族により多くの資産を引き継ぐことも可能になるでしょう。

 

資産運用においては、それらの目的のために、「いつまでに、いくら貯めるのか」を明確にするのも、大事なことです。目標が定まれば、それに向けた主体的な運用ができるはずです。

資産運用にもいろいろある

資産運用とは、保有する資産(現金、有価証券、不動産など)を管理・運用して、リターンを受け取ることを言います。具体的には、次のようなものがあります。

 

  • 定期預金
    少ないながらも利息を受け取る金融機関への預金も、資産運用の1つ。超低金利とはいえ、デフレ経済(モノの値段が上がらない、ないし値下がり)の下では、安全かつ効率的な資産運用、という見方もできます。
  • 国債
    国が発行する債券で、国が破綻したりしない限り、「元本割れ」のリスクはありません。ただし、リターンも僅か。
  • 投資信託
    投資家から集めたお金を、プロのファンドマネジャーが運用する。低リスクの債券型、リスクを取ってリターンを狙う株式型などがあります。
  • 株式投資
    自分で上場企業の発行する株を購入し、売買で利益を狙います。利益に従って分配される配当金や、株主優待などの特典も魅力ですが、当然、株価値下がりのリスクもあります。
  • NISA(少額投資非課税制度)
    5年間にわたり、少額の投資で得た収益を非課税にする制度。20年間、800万円まで非課税の「つみたてNISA」もあります。ともに2020年度の税制改正で、見直しが行われました。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)
    加入者が毎月一定の金額を積み立て(掛金を拠出)、あらかじめ用意された定期預金・保険・投資信託といった金融商品で自ら運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。国の制度であり、掛け金が所得控除になるなどの節税メリットもあります。ただし、60歳になるまで、資金を引き出すことはできません。
  • 外貨預金
    円高・円安といった外国為替の変動を利用して、利ザヤを稼ぎます。円に換金するときなどにかかる手数料に注意する必要があります。
  • FX(外国為替証拠金取引)
    外国通貨を交換、売買することにより、差益を狙います。典型的な「ハイリスク・ハイリターン」商品と言っていいでしょう。
  • 仮想通貨
    貨幣などの実物がない、インターネット上のデジタルデータで、これも「高騰」、「暴落」がニュースになります。
  • 不動産投資
    賃貸アパート、マンションのオーナーになり、借主からの家賃の形で、毎月収入を得ることができます。ある程度の初期投資が必要ですが、一定の入居率を確保できれば、安定的な収入源になるでしょう。

リスク、デメリットもしっかり認識を

将来を考えたときに、資産運用の必要性が高まっているのは事実。国もさきほどのNISAやiDeCoなどを通じて、それを後押ししています。

 

ただし、運用にはリスクも伴います。その点はしっかり認識して、決して無理をしないようにしましょう。

 

当然のことながら、最も怖いのが、多額の元本割れ=損失を出すことです。商品ごとに、その可能性について入念にチェックすべきでしょう。ハイリスク商品に投資を集中させないこと、そうした投資を行う場合には、「ここまで儲けたら売る」「このラインまで下がってきたら撤退する」という「運用ルール」を設けて、機械的にそれを守るようにすることも大事になります。

 

付け加えれば、商品によっては、不断の情報収集が必要になったり、各種の手続きや確定申告に手間や時間がかかったりすることもあります。目標金額などによっては、そうした労力が大きくなる可能性も考えておく必要があるでしょう。

まとめ

資産運用は、「何のために」という目的と、「どのくらい」という目標を定めたうえで、それに見合ったやり方を選択する、という姿勢で臨みましょう。リスクに目を向けることも忘れずに。不明な点については、ファイナンシャルプランナーや、資産運用に詳しい税理士などの専門家のアドバイスを仰ぐことをお勧めします。

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