登記申請はどのように行う? 商業・法人登記申請書の書き方と申請方法を解説します – マネーイズム
 

登記申請はどのように行う?
商業・法人登記申請書の書き方と申請方法を解説します

    公開日:
    2021/03/01
     
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    会社を設立したり事務所を移転したりすると、必要になるのが登記申請です。登記申請は専門家に依頼することなく自分で行うこともできますが、専用の申請用紙などがなく自分で書面を作成しなければならないため、慣れていないとハードルの高い手続きです。しかし、法務省が提供する申請用総合ソフトを利用すれば、用意された各種テンプレートを使って比較的簡単に登記申請書を作成できるのをご存知でしょうか。そこでこの記事では、登記申請書の作成方法、および忘れずに登記する必要がある場面や複数ある登記申請方法のそれぞれの持つメリット・デメリットについて解説します。

    商業・法人登記について

    商業・法人登記とは

    商業・法人登記は、同じ目的を持った人の集まりである会社・法人の名前や所在地、役員の名前などを公に示すための制度です。商業登記は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社といった会社、つまり営利団体のための登記で、法人登記はそれ以外の一般社団法人・一般財団法人・NPO法人・社会福祉法人といった団体のための登記です。これらの団体が法人として権利や義務の主体となる法人格を認められるのも、登記手続きによるものです。また、定款や事業内容をきちんと登記として公示することで信用を得ることができます。

    商業・法人登記が必要になる場面

    商業・法人登記が必要な代表的な場面としては、役員の異動や、本社・事業所の移転、社名・団体名の変更、新規事業を始めるために目的に変更がある場合などが挙げられます。

     

    これらのなかで特に注意が必要なのが役員の変更の登記です。平成18年に施行された会社法により、公開会社ではない株式会社の取締役と監査役の任期は最長でも10年間 と定められています。小規模なオーナー企業などで、これまでも、そしてこれからも役員を変更するつもりがないとしても、任期が満了となれば改めて役員を選んで登記を出す必要があります。現在の役員が続投することに特に問題がないため、間を置かずに再任するということを「重任」と呼びますが、この場合も役員変更の登記は出す必要があるため注意しましょう。

    登記を怠ると罰せられることも

    商業・法人登記には登記の必要な事由が生じてから登記するまでの期間が定められています。期間は です。この期間を過ぎることによって登記申請が却下されることはありませんが、過料が科される可能性があります。登記の義務が生じたら、忘れずにできるだけ早く登記を出すようにしましょう。

    登記の申請方法

    登記の申請には「オンライン申請」と「書面申請」の2通りの方法がありますが、書面申請であっても事前に申請情報をオンラインで送信しておくという併用の形式もあります。

    オンライン申請

    オンライン申請では、法務省が提供する申請用総合ソフトを用いて登記申請を行います。あらかじめ公証人の認証を受けた電子証明書を取得しておく必要がありますが、法務局に出向くことなくスムーズに登記申請を完結することができます。また、申請用総合ソフトに用意されている申請様式のテンプレートを利用するとよりスムーズです。

     

    特に1人の会社を設立したい場合は、本人の「公的個人認証サービス電子証明書」さえ取得していれば申請書情報と全ての添付書面情報に必要な電子署名を付与できるため、オンライン申請の活用をおすすめします。オンライン申請のための事前準備や、申請の流れの詳細は法務省のサイトを参照してください。

    書面申請

    オンライン申請以外では、会社・法人の代表者が必要書類を持参して直接管轄の法務局に申請しに行く方法と、書類を郵送して登記申請を行う方法があります。

     

    • 書面申請に必要なもの
      1. 1. 申請する登記内容に合った様式の、横書きのパソコン(ワープロ)での入力か、黒色ボールペンなどの改ざん・退色のおそれのない方法で作成した登記申請書
      2. 2. 代表者が登記所に提出している印鑑(設立登記の場合は申請書とともに提出する代表者の印鑑)の押印
      3. 3. 登録免許税額分の収入印紙
      4. 4. 申請人または代理人の連絡先の記載:法定の記載事項ではありませんが、申請書類に補正があった場合の連絡のために余白に記載することとされています。
      5. 5. その他必要な証明書類:登記によっては、別途必要となる添付書類があります。たとえば株式会社・投資法人・特定目的会社の登記の申請では、「登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合」と「登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合」に「株主リスト」が必要となります。なお添付書類は原則として原本が必要です。
    • 郵送申請の手段
      管轄の法務局への登記申請書類の送付は、郵送のほか、民間の信書便等を利用することも認められています。郵送申請の際には必ず連絡先を記載し、到着の確認ができる書留を使いようにしましょう。

    書面申請でも登記・供託オンライン申請システムを併用するのがおすすめ

    書面で登記申請を行う場合は、登記・供託オンライン申請システムを使って、登記事項をあらかじめ送信しておいてから申請書を法務局に提出するという方法が可能です。この方法には以下のようなメリットがあります。

     

    • 申請用総合ソフトで簡単に登記申請書を作ることができる
    • 受付番号、補正、手続終了といった通知を受けられる
    • オンライン申請とは異なり電子証明書がいらない

    登記・供託オンライン申請システムを利用する流れ

    登記・供託オンライン申請システムで登記事項の事前送信を併用する書面申請行う手順はシンプルです。

     

    1. 1. まずオンライン申請に使うのと同じ申請用総合システムをインストールします。
    2. 2. 次に申請用総合システムで登記事項提出書を作成し、送信します
    3. 3. 作成した登記事項提出書を印刷して登記申請書を作成し,添付書類を添えて法務局に提出します。

     

    あとは、登記所内で申請の処理が行われるのを待つだけです。この処理の進捗状況は、申請用総合ソフトから見ることも可能です。詳しい操作の説明等はこちらからダウンロードできます。

     

    ☆ヒント
    商業・法人登記にともなう登録免許税の税額は、登記の項目と会社・法人の種別によって変わります。登録免許税について不明な点や心配な点があれば、まずは税理士に相談しましょう。司法書士法人と提携している税理士法人であれば、登記申請の代行を依頼することができる場合もあります。

    申請用総合ソフトで登記申請書を簡単に作成!

    登記のテンプレート機能は登録しなくても利用できる

    先ほどオンライン申請や、登記・供託オンライン申請システムを併用した申請のメリットとして、申請用総合ソフトに用意されたテンプレートを使用して簡単に登記申請書を作成できることを紹介しました。このテンプレートを利用した申請書作成機能は、オンライン申請の利用者登録をしないでもオフラインで使うことが可能です。つまり、登記・供託オンライン申請システムを併用しないで完全に書面だけで登記申請を行いたい場合も、総合ソフトのテンプレートに申請内容を入力して書面だけを作成してしまえるということです。書面申請を行うつもりの人も、書面の作成にはこの機能を使用することをおすすめします。

    テンプレートを使用した登記申請書の作り方

    1. 1. 申請用総合ソフトを起動し、登記・供託オンライン申請システムにログインする
      ログインをしなくても申請書の作成は行うことができますが、オンライン申請を行う場合は必ずログインする必要があります。
    2. 2. 申請書様式を指定する
      「申請書作成」ボタンをクリックすると表示される申請様式一覧画面から、作成したい様式を選択します。
    3. 3. 申請書などを編集する
      選択した様式の「申請書作成・編集」画面が表示されるので、各項目欄に申請情報を入力すれば申請書ができていきます。ブラウザ上でプレビューを表示することもできるので、法務省のページから閲覧できる各登記申請書の様式と見比べて確認すると良いでしょう。
    4. 4. 申請書などを保存する
      「完了」ボタンを押して作成した申請書を保存します。
    5. 5. 作成した申請書を印刷する
      プレビューを表示してからブラウザの印刷機能を起動すれば、作成した登記申請書を印刷することができます。

    まとめ

    商業・法人登記には、義務づけられた申請期間を過ぎると罰せられる場合があります。役員の重任のように実質的な変更がなくても登記義務が発生することもあるため注意しましょう。一見難しそうな登記の申請書類も、申請用総合ソフトを使うことで簡単に作成することができます。登記申請にはオンライン申請・書面申請・併用申請の各手段が用意されていますが、どれを選ぶ場合でも申請用総合ソフトのテンプレートは利用できるので、活用したうえで申請しやすい方法を選ぶと良いでしょう。

    永井綾
    慶應大学法学部卒。 外資系コンサルティング会社に勤務後、某有名法律事務所に転職し、広報業務に携わる。 コンサルティング業務での幅広い業界知識と、法学部・法律事務所で培った知識を解説します。
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