フリーランスも受給できる小学校休業等対応支援金 とは? 家賃支援・持続化給付金も紹介 | MONEYIZM
 

フリーランスも受給できる小学校休業等対応支援金
とは? 家賃支援・持続化給付金も紹介

現在、新型コロナウイルス対策として多くの補助金・助成金・給付金が実施されています。そのうち「小学校休業等対応支援金」は、小学生などの子どもがいるフリーランスが利用できる給付金です。この記事では小学校休業等対応支援金について詳しく解説したうえで、子どもがいないフリーランスでも申請できる給付金として「家賃支援給付金」と「持続化給付金」もご紹介します。

子どものいるフリーランスが申請できる「小学校休業等対応支援金」

アンダーコロナの状況が長引き、フリーランスとして働く方の中には収入面の不安が大きくなっている方も多いでしょう。特に子育て世代の方の中には、小学校の臨時休業などの影響で思うように仕事ができなくなったという方もいるのではないでしょうか。この場合、「小学校休業等対応支援金」の給付を受けられる可能性があります。

小学校休業等対応支援金とは

新型コロナウイルスの影響で子どもの世話のために仕事を休まなければならなくなった方を支援するために、個人で仕事をする方向けに創設された支援金です。支給対象者は、業務委託契約などによって個人で仕事をしている方です。小学校等の休業があった、または子どもに新型コロナウイルス感染等があったことにより、子どもの世話のために仕事ができなくなった場合に申請をすることができます。

 

具体的には以下の場合に申請が可能です。

 

  • 小学校や保育所、幼稚園、認定こども園、放課後児童クラブなどが休業となった、あるいは利用を控えるよう自治体などから依頼があった場合
  • 子どもが新型コロナウイルスに感染した、あるいは感染した恐れがある、感染すると重症化する恐れがあるなどの理由で登校などの自粛が認められた場合

 

支給額は、新型コロナウイルスの影響で仕事を休んだ日を対象とし、2月27日から3月31日までについては1日当たり4,100円、4月1日以降については1日当たり7,500円です。支給対象期間は、当初予定されていた9月末までから延長され、12月末までとなっています(9月30日発表)。

小学校休業等対応支援金の申請手続き

必要書類

申請に必要な書類は以下の5つです。

 

  • 支給申請書
    氏名や振込先などの基本情報の他、仕事を取りやめた日など、支給の決定に必要な情報を記入します。厚生労働省のホームページに掲載されている様式を使用します。記入方法については後の項目で詳細に説明します。
  • 住民票記載事項証明書(原本)
    休業した小学校等に通っている子どもの保護者であることの証明書として提出します。子どもが同居する世帯全員の氏名が記載されているかどうかを確認しましょう。
  • 小学校などが臨時休業したことが分かる書類
    学校便りや学校からの電子メール、ホームページに掲載されたお知らせなどを提出します。登校等の自粛を要請された場合は、そのことが分かる書類か、医療機関や薬局の領収書の写し、子どもの症状を記した任意様式による申立書を提出します。
  • 契約内容が分かる書類
    業務委託契約書や契約内容の記載された電子メールの写しなどを提出します。書類がない場合は、業務委託契約等契約申立書を様式に従って発注者との連名で作成します。
  • 振込先口座が分かる書類
    銀行の通帳やキャッシュカードのコピーを提出します。

 

なお、支給申請書への記入に不足や誤りがあった場合、また提出書類に不備があった場合は提出した書類一式が返送されますので、提出前に十分に確認しましょう。

支給申請書の書き方

支給申請書は支給対象期間によって、9月30日までの分の申請用と、10月1日以降の分の申請用のものに分かれています。

 

まず支給申請書の1枚目に、申請者と子どもの氏名・住所・子との続柄を、住民票記載事項証明書に記載されているとおりに記入します。

 

また1枚目には、雇用保険被保険者等ではないこと、および支給要領に従うことを承諾することのチェック欄がありますので、忘れずにチェックをしましょう。

2~3枚目には、小学校臨時休業日や感染した子などの世話をした日、仕事を取りやめた日を記入します。また、1段目の小学校等休業日の欄のうち小学校臨時休業日に「○」、感染した子等の世話をした日に「●」を記入します。さらに、2段目の仕事を取りやめた日の欄のうち該当日に「○」を記入します。そのうえで、1段目と2段目の両方に印のついた日を支給対象日とし、3段目の支給対象日の欄に「◎」を記入します。◎のついた日の数を数えて支給対象日数の欄に書き入れて支給申請額を算出します。

 

2枚目または3枚目の最下部には春休み・夏休みの期間の記入欄がありますので、それぞれの休み期間の開始日と終了日を記入します。

 

最後に、申請内容を確認したうえで1枚目に署名と押印をします。

提出方法

書類の記入が終わったら、必要書類をまとめて郵送にて提出します。郵送先は「学校等休業助成金・支援金受付センター」(〒137-8691 新東京郵便局 私書箱132号)です。なお提出先は当初地域別に4ヶ所に分かれていましたが、8月1日以降は国内で1ヶ所となっています。特定記録など、差し出しの記録が残る方法で郵送しましょう。

 

申請期限は、9月30日までの分については12月28日まで(消印有効)、10月1日から12月31日までの分については翌年(2021年)3月31日まで(必着)となっています。

 

提出前に、書類に不備がないか、支給申請書1枚目のチェックリストを使って確認をしましょう。支給申請期間によって何回かに分けて申請をすることもできますが、過去に申請して支給または不支給が決まった期間については、再度申請をすることができないため注意が必要です。

子どもがいないフリーランスも申請できる給付金

ここまで小学校休業等対応支援金について説明してきましたが、ここからは、子どもがいないフリーランスでも申請できる給付金として、「家賃支援給付金」と「持続化給付金」の2つをご紹介します。

家賃支援給付金

家賃支援給付金とは、新型コロナウイルスの影響で売上の減少した事業者を対象とし、地代・家賃の負担を軽減し事業の継続を支えるために創設された給付金です。中堅・中小企業や小規模事業者だけでなく、フリーランスを含む個人事業者も、支給対象者となっています。

 

2020支給申請が可能になります。給付額は、法人の場合は600万円を上限、個人事業者の場合は300万円を上限として算出されます。例えば賃料が月額75万円以下の場合、賃料の3分の2が給付額です。

 

申請の期限は2021年1月15日です。期限までに家賃支援給付金のホームページ上で申請を行いましょう。

持続化給付金

持続化給付金とは、新型コロナウイルスの感染拡大により営業自粛等のために業績が悪化した事業者を対象とし、事業継続のために幅広く活用できる資金として給付するために創設された給付金です。中小法人や個人事業者が対象となりますが、個人事業者としては、主な収入が雑所得や給与所得である方も含まれます。

 

2020給付額は、法人の場合は200万円を上限、個人事業者の場合は100万円を上限として算出されます。具体的には、2019年の収入から、収入の減少した対象月の収入の12倍を差し引いた金額が給付額となります。

 

申請の期限は2021年1月15日です。期限までに持続化給付金のホームページ上で申請を行いましょう。

☆ヒント
ここまで、小学校休業等対応支援金を中心にフリーランスが申請できる給付金を紹介してきました。子どもがいないから、もしくは収入が雑所得だからといって、給付金を諦める必要はないということがおわかりいただけたかと思います。フリーランスが支援を受けられる給付金や融資制度等は他にもあり、制度の変更や新設も都度行われています。自分に合った支援の仕組みを上手く活用するには、税理士に相談するのがおすすめです。

まとめ

今回の記事で紹介してきたように、新型コロナウイルスの影響を受けるフリーランスが支援を受けられる方法は複数あります。直近の経済的な不安を解消するためにも、また自分のしたい仕事を諦めないためにも、支援の制度を上手く活用していきたいですね。

永井綾
慶應大学法学部卒。 外資系コンサルティング会社に勤務後、某有名法律事務所に転職し、広報業務に携わる。 コンサルティング業務での幅広い業界知識と、法学部・法律事務所で培った知識を解説します。
「税務/会計」カテゴリの最新記事