確定申告しないと損をする?
個人事業主の税金が還付される方法
確定申告しないと損をする?  個人事業主の税金が還付される方法
最終更新日:
2018/12/27
 
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個人事業主は毎年、所得税の確定申告と納税を行う必要があります。しかし、すべての人が納税するわけではなく、中には税金が戻ってくる場合もあります。しかも、税金の還付を受けるための申告は、通常の申告に少し手を加えるだけでできます。ここでは、どのような場合に税金が還付されるのか、またその方法について解説します。

個人事業主と確定申告

確定申告とはどんなもの?

確定申告とは、1年間の所得や税金を納税者が自ら計算し、国に申告する制度のことです。個人の1年間のもうけに課される税金を「所得税」といいます。税金には多くの種類がありますが、固定資産税のように国や自治体が納める税額を計算して納税者に通知するものと、納税者が自ら申告し納税するもの(申告納税制度)があります。所得税は後者の申告納税制度を採用しています。

 

そこで、個人事業主は利益の計算をするために日々の取引を帳簿付けし、所得や税額を計算するために、確定申告を行います。所得税の確定申告と納税の期間は毎年翌2月16日~3月15日までです。

個人事業主が確定申告をしなくて良いケース

個人事業主は原則、確定申告をする必要があります。しかし実は、すべての個人事業主が確定申告をしなければならないということではありません。個人事業主であっても確定申告をしなくてよいケースがあります。それは、納める税金がない場合です。

 

「納める税金がない場合」とは、例えば赤字の場合です。所得税はあくまでもうけ(所得)に対して課される税金のため、もうけ(所得)がなければ、所得税がかかりません。そのため、確定申告をする必要はありません。ただし、確定申告をする必要がなくても、日々の帳簿付けは必要なので注意しましょう。

 

納める税金がない場合には、確定申告をしなくてもよいとはいえ、確定申告をした方がよいケースがあります。それは次のような場合です。

・赤字を翌年以降に繰り越したい場合(青色申告に限る)

青色申告をしている場合は、事業の赤字を翌年以降3年間繰り越すことができます。ただし、そのためには損失が出ている旨の確定申告をする必要があります。

・所得の証明が必要な場合

住宅ローンや保育園・幼稚園などの申請を行う場合、所得の証明が必要なケースがあります。この場合、確定申告をしていないと所得の証明ができません。

・税金の還付を受ける場合

個人事業主であっても税金の還付を受ける場合があります。この場合には確定申告をする必要があります。

個人事業主で税金の還付があるケース

納める税金がない場合でも、税金の還付がある場合は確定申告をしたほうがよいことが理解できたかと思います。では、個人事業主で税金の還付があるケースとは、どのようなものか見ていきましょう。

勤めていた会社を退職し、個人事業主になったケース

個人事業主で税金の還付があるケースとして多いのが、勤めていた会社を退職し、個人事業主になった場合の退職した年の確定申告です。会社員は、原則毎月の給料から所得税が天引き(源泉徴収)されています。この源泉徴収された所得税は、いわば税金の前払いのようなものです。会社員の場合は年末調整を行い、徴収されていた分は会社から還付されます。

 

では、勤めていた会社を退職し、個人事業主になった場合はどうかというと、勤めていた会社は、その年の年末調整をしてくれません。還付を受けるためには、確定申告をする必要があります。開業初年度は、赤字になる個人事業主も多いようです。還付される所得税の金額や翌年以降に繰り越す赤字の金額と、確定申告にかける労力や時間などを天秤にかけ、確定申告するかどうかを決める必要があります。

毎月の売上から所得税が源泉徴収されているケース

個人事業主であっても、毎月の売上から所得税が源泉徴収されている場合があります。これは、会社員の源泉徴収と似ていて、支払先が売上から所得税を差し引き、翌月などにその源泉徴収した所得税を国に納付するという制度です。この源泉徴収された所得税も、いわば税金の前払いのようなものです。個人事業が赤字の場合は、源泉徴収された税金がすべて還付されます。「勤めていた会社を退職し、個人事業主になったケース」と違い、毎年還付が発生する可能性があるので、確定申告はするようにしましょう。

 

源泉徴収される職業は、ライターや外交員などの一定の職業の場合に限られるため、小売業や製造業などその他の職業では該当しません。対象となる職業等は、国税庁のHPを参照してください。

所得税の還付を受けるための手続き

所得税の還付を受けるための必要書類

どのような場合に所得税の還付を受けることができるのかについて確認してきました。ここからは、実際に所得税の還付を受けるための手続きについて見ていきましょう。まずは、必要書類からです。実は、還付を受けるために必要な書類は、通常の確定申告で必要な書類とあまり変わりません。

①確定申告書B 第一表、第二表

「確定申告書B 第一表、第二表」は納める税金を計算する書類です。還付があってもなくても同じ様式です。その他、状況により土地や株などの売却がある場合の第三表(分離課税用)、翌年度以降に繰り越す損失がある場合の第四表(損失申告用)が必要になる場合があります。

②収支内訳書または青色申告決算書

収支内訳書または青色申告決算書は、利益を計算するための書類です。白色申告の場合は収支内訳書を、青色申告の場合は青色申告決算書を作成・提出します。

③生命保険や地震保険などの控除の書類

生命保険控除や地震保険控除、医療費控除などの控除を受ける場合は、証明する書類を確定申告書に添付します。

④源泉徴収票または支払調書

源泉徴収票や支払調書には、その年に源泉徴収された所得税の金額などが記載されていますので、確定申告書に添付します。「勤めていた会社を退職し、個人事業主になったケース」では源泉徴収票を、「毎月の売上から所得税が源泉徴収されているケース」では支払調書を添付します。

 

源泉徴収票は支払者側に交付義務がありますが、支払調書には交付義務がありません。そのため源泉徴収票がない場合は、勤務していた会社に交付を依頼する必要があります。支払調書については、交付されたもののみ添付すればよいです。

所得税の還付を受けるための確定申告書の記載事項

所得税の還付を受けるために必要な書類は、通常の確定申告で必要な書類とあまり変わりません。しかし、記載事項が少し異なります。

①所得の内訳書

所得の内訳書は、源泉徴収された所得がある場合に支払先ごとに記載する箇所です。記載場所は「確定申告書B 第二表」にあります。各欄には次の事項を記載します。
 

  • 所得…給与または事業
  • 種目・所得の生じる場所又は給与などの支払者の氏名・名称
    給与の場合は「給料 相手会社名」、事業の場合は「原稿料 相手会社名」というように記載します。
  • 収入金額、所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額…源泉徴収票や支払調書の金額を記載します(支払調書の場合は、売上の発生のタイミングで異なる場合あり)。
②還付銀行

還付金が振り込まれる銀行名や支店名、預金の種類(普通・当座など)、口座番号などを記載します。記載場所は「確定申告書B 第一表」にあります。

 

還付金は、概ね1ヵ月から1ヵ月半程度で振り込まれます。ただし、確定申告時期などはそれより遅くなることもあります。通常の確定申告書の提出期間は翌2月16日~3月15日までですが、還付申告の場合は翌1月1日から申告することができます。還付を急ぎたい場合は、早めに申告するようにしましょう。

まとめ

個人事業主であっても、納める税金がない場合には確定申告をする必要がありません。しかし、確定申告をしないことで、税金の還付が受けられなかったり、所得の証明をすることができないなどのデメリットもあります。税金の還付を受けるためには、必要な書類の準備や申告書への記載などが必要です。正しく申告して、納めすぎた税金を取り戻しましょう。

 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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