教室ビジネスで独立する個人事業主必見!
税金対策ですべきことを解説
教室ビジネスで独立する個人事業主必見!  税金対策ですべきことを解説
最終更新日:
2019/3/20
 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア

教室ビジネスは独立する場合、税金対策をするかどうかにより、納付税額に差が生じます。しかし、開業1年目に税金対策ですべきことは多岐にわたり、会社員時代とは勝手が違います。そこで、教室ビジネスで独立する個人事業主に絞って、税金対策ですべきことについて解説します。

教室ビジネスを始めるときにすべきことの概要

教室ビジネスで独立開業をするときにしなければならないこと、したほうがよいことについて説明します。

開業届を提出する

独立開業をするときは次の税目について開業届を提出する義務があります。

(1)所得税

開業日から1ヵ月以内に開業届を税務署に提出します。

(2)事業税:各都道府県に開業日から1ヵ月以内に提出する

教室ビジネスは事業税の課税対象となる法定業種の「諸芸師匠業」に該当するため、開業日から1ヵ月以内に開業届を各都道府県に提出します。

税金対策になる書類も提出する

税金対策のために提出したほうがよい書類について説明します。

(1)青色申告承認申請書

青色申告で確定申告をすれば、節税につながります。青色申告特別控除という最大65万円の所得控除ができ、一括で必要経費に計上できる消耗品の金額の範囲が「10万円未満→30万円未満」まで拡大されるなど税金対策の幅が広がります。

(2)源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

そもそも「納期の特例」とは、給与やデザイナーなどへの報酬支払時に天引きする源泉所得税を毎月納付から年2回納付に納付回数が軽減できる制度です。適用対象者は従業員数が10人未満の会社になります。

 (3)減価償却資産の償却方法の届出書

そもそも減価償却資産の償却方法は購入金額について「毎年均等に必要経費を計上する定額法」「資産を使用した年から前倒しで必要経費を計上する定率法」に大別でき、個人事業主が定率法を選択するために提出する書類です。個人事業主の場合、減価償却資産の償却方法の届出書を提出しないと自動的に定額法が選択されます。

特に自動車など購入価格が多額になる傾向の動産を所有している場合、定率法を選択したほうが節税効果は大きくなります。

ただし、2016年4月1日以降に購入した建物・建物附属設備・構築物については定率法が認められません。

帳簿を付ける

個人事業主は所得税などの税金の計算根拠を示すために、帳簿を付ける義務が課せられます。特に青色申告で確定申告をする場合、白色申告よりも厳密な帳簿付けが求められます。

確定申告をする

教室ビジネスのもうけに相当する所得金額や所得税などの税金がどのように算出されるのかという過程を税務署に確定申告をする義務があります。申告期限である翌年3月15日までに確定申告をしないと青色申告特別控除額が65万円から10万円に減額されるなど税金面で不利益を被ってしまいます。

帳簿付けと確定申告の方法は?

教室ビジネスで独立開業をすると帳簿付けと確定申告をしなければなりませんが、いずれも会社員時代には未経験です。そのため、開業1年目の個人事業主にとって最初のハードルといえます。

帳簿付けのポイント

教室ビジネスでの所得金額の計算をゴールに帳簿付けをします。

収入金額と必要経費を帳簿に記入する

所得金額は「収入金額-必要経費」であり、帳簿には収入金額と必要経費を記入します。所得税の計算根拠となるため、授業料や領収書など記帳漏れが税額計算のミスにつながります。

収入金額の計上方法

そもそも「収入金額≠入金」です。教室ビジネスの場合、「授業というサービスを提供したタイミング」および「教材などの商品を売ったタイミング」で収入金額を計上し、入金の有無は関係ありません。そこで、ケースの収入金額の計上方法について説明します。

(1) 授業料1年分の12万円を前金で受け取った場合
・授業料の入金時
借方 金額 貸方 金額 備考
現金預金 12万円 前受金 12万円 収入金額に計上しません
・年末までに5ヵ月間の授業を実施した場合
借方 金額 貸方 金額 備考
前受金 5万円 売上高 5万円 5ヵ月分の授業料を前受金から売上高に振り替えます
(2)フランチャイズ本部に対するロイヤリティが発生する場合
借方 金額 貸方 金額 備考
現金預金
(売掛金)
11万円 売上高 12万円 収入金額はロイヤリティを差し引く前の金額になります
支払手数料
(ロイヤリティ)
1万円
(3)チケットを販売した場合
・原則
借方 金額 貸方 金額 備考
現金預金 12万円 売上高 12万円 サービスを提供していなくても、販売した時点で収入金額に計上します
・特例

サービスの提供・未提供を厳密に区分経理し、事前に税務署長の承認を得ている場合に限り、特例が適用できます。

1.チケットの販売時点

借方 金額 貸方 金額 備考
現金預金 12万円 前受金 12万円 サービスを提供していないため、収入金額に計上しません

 

2.サービスを提供した時点

借方 金額 貸方 金額 備考
前受金 1万円 売上高 1万円 前受金から売上高に振り替えます

 

  1. チケット販売の翌年度期首から3年経過後(チケット販売から足掛け5年目の年度末)にサービスを提供していない場合
借方 金額 貸方 金額 備考
前受金 3万円 売上高 3万円 チケット代金は返金しないため、サービス未提供でも収入金額に計上します

必要経費の範囲と計上方法

必要経費は教室ビジネスに関連する費用であり、基本的に「消耗品などが納品された時点」および「広告宣伝などのサービスの提供を受けた時点」で計上します。しかし、一部例外があるため、教室ビジネスに関係する例外項目について説明します。

(1) 減価償却資産がある場合

減価償却資産とは土地以外の固定資産(建物、自動車など)を指し、購入金額を一括で必要経費に計上できません。前述の通り、購入金額について「毎年均等に必要経費を計上する定額法」と「資産を使用した年から毎倒しで必要経費を計上する定率法」の2パターンあります。

(2)権利金を支払った場合

賃貸物件の権利金や返還されない敷金・保証金については支払金額を一括で必要経費に計上できず、毎年均等に計上します。

(3)在庫がある場合

未販売分にかかる在庫は資産価値があるため、必要経費は「商品仕入高-期末在庫」で計算します。

自宅の一部を教室に使用する場合の必要経費の計上方法

自宅の一部を教室に使用する場合、家賃や水道光熱費などの費用は教室ビジネス用とプライベート用に区分できません。そこで、これらの費用を事業割合(全体のうち事業用に使用した割合)で按分計算します。事業割合の例としては、家賃なら自宅のうち教室ビジネスで使用する面積割合、自動車なら事業用に使用する走行距離などが挙げられます。

確定申告のポイント

開業1年目の確定申告のポイントについて説明します。

開業1年目の必要書類

開業1年目の場合、「生命保険料控除など会社員時代の年末調整書類」および「自営業の確定申告の必要書類」に加えて、給与所得にかかる源泉徴収票、振替納税依頼書(振替納税の希望者のみ)の準備が必要になります。

確定申告書の提出方法

確定申告書の提出方法は次の通りです。

  • 窓口提出:税務署の窓口に直接提出します。
  • 郵送:税務署に郵送します。
  • 電子申告:事前に届け出ることを条件にオンラインで申告します。

納税資金を用意する

納税方法に合わせて、次の納付期限までに納税資金(税金を納める資金)を用意します。

  • 現金払い:確定申告の申告期限(翌年3月15日)
  • 振替納税:例年は翌年4月下旬
  • クレジットカード納税:カード引落日

住民税・事業税の確定申告は必要なし

個人事業主の場合、税務署に確定申告書を提出すると、住民税と事業税の税額が自治体から通知される仕組みになっています。そのため、原則として住民税と事業税の確定申告は必要ありません。

まとめ

教室ビジネスの開業1年目の税金対策ですべきことはさまざまですが、特に青色申告承認申請書の提出が大切になってきます。青色申告を選択しないと開業1年目にできる税金対策の幅が狭くなってしまいます。開業したら忘れずに青色申告承認申請書を提出しましょう。

阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
全国の税理士をご紹介しています
税理士紹介ビスカス