【飲食業の税金】経営者なら知っておきたい
ポイントについて解説
【飲食業の税金】経営者なら知っておきたい  ポイントについて解説
最終更新日:
2019/4/9
 
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一般的に飲食業は参入しやすく、競争が激しい業種といわれています。そのため、経営者なら飲食業の税金のポイントを知り、店舗経営を優位にしたいところ。しかし、消費税率の増税に伴い軽減税率が導入されるなど飲食業特有の税金の知識が存在します。そこで、飲食業の税金についてポイントを絞って解説します。

飲食業の税金のアウトライン

飲食業に課税される税金は次の通りです。

「もうけ=所得金額」に課税される税金

飲食業のもうけに相当する所得金額に課税される税金は次の通りです。

(1)個人

所得税5%~45%(所得金額に比例する)、個人住民税10%、個人事業税5%に加えて、所得税の2.1%に相当する復興特別所得税が課税されます。

(2)法人

「決算上の利益≒所得金額」に対し、法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税のトータルで約30%課税されます。一方、代表者などの利益配分に当たる役員報酬に対し、所得税、個人住民税、復興特別所得税が課税されます。

取引自体に課税される税金

取引自体に対し、次の税金が課税されます。

(1)消費税

「売上税額(売上にかかる消費税)-仕入税額(支払いにかかる消費税)=預かった消費税」が飲食業に課税されます。

(2)印紙税

課税文書に対して印紙税が課税されます。たとえば、領収書を発行する場合、税抜価格5万円以上が課税文書に該当します。

資産に課税される税金

次の所有する固定資産に対して、1.4%の固定資産税が課税されます。

  • 土地
  • 家屋
  • 償却資産(自動車以外の動産であり、テナントが取り付けた事業用の内装・造作および建築設備なども含む)
  • 給与支払いのときに課税される税金

    給与支払いのときに天引きする源泉所得税特別徴収住民税を納付します。源泉所得税は月額給与に対応した税額、特別徴収住民税は各市区町村から通知された税額を天引きします。

    飲食業に関係する税金とは?
    飲食業の経営者が知っておくべき税金のポイントは次の通りです。

    (1)経費の範囲

    いかに経費に計上するのかによって、所得金額に課税される所得税などの節税対策に差が生じます。

    (2)軽減税率の対象品目

    飲食業は軽減税率の対象品目になるものとならないものが混在しているため、消費税の計算や経理業務に影響を及ぼします。

    (3)許認可の申請手数料

    許認可の申請は新規と更新に区分でき、手数料を負担します。

    飲食業が経費に計上できるもの

    経費の範囲

    おもな経費の範囲は次の通りです。

    • 仕入:食材、商品などの仕入代金
    • 租税公課:事業税、収入印紙、店舗にかかる固定資産税など
    • 荷造運賃:発送用の段ボール代、運送料など
    • 水道光熱費:水道料金、電気料金、ガス代など
    • 広告宣伝費:広告出稿料、ホームページ作成費用など
    • 損害保険料:店舗、厨房機器などの事業用資産に対する損害保険料
    • 修繕費:厨房機器、車検代などの固定資産の維持修理にかかる費用
    • 消耗品費:洗剤、割りばしなど
    • 減価償却費:購入金額を一括で経費に計上できない固定資産を耐用年数に応じて数年に分けて経費計上する金額
    • 福利厚生費:従業員の社会保険料の事業主負担分、制服代、保健衛生関連費用など
    • 給料賃金:従業員の給料、賞与など
    • 利子割引料:事業用資金の借入金利息
    • 地代家賃:店舗家賃、月極駐車場代など
    • 雑費:テレビ・ラジオ・有線放送の受信料など他の経費項目に該当しない費用
    • 専従者給与:青色事業専従者(代表者の親族)にかかる給与・賞与

    まかない代は現物給与?福利厚生費?

    従業員のまかない代は現物給与または福利厚生費に区分でき、現物給与に該当する場合は源泉所得税の課税対象になります。福利厚生費に該当する条件は次のすべての条件を満たす場合です。

    • 食事の価額の半分以上を役員や従業員が負担していること
    • 飲食業側の負担額が1月あたり3,500円(税抜)であること

    飲食業の軽減税率

    軽減税率の対象品目

    消費税が10%に増税されず、8%に据え置かれる軽減税率の対象品目は次の通りです。

    • テイクアウト・宅配など(コンビニエンスストアのイートインで飲食するものを含む)
    • 有料老人ホームなどで提供する飲食料品
    • 週2回以上発行される新聞の定期購読料

     

    厨房設備で調理し店舗で提供する外食、酒類の販売などは軽減税率の対象外です。

    軽減税率に対応した帳簿などの記載方法

    課税事業者(消費税の納税義務者)は帳簿と区分記載請求書等、免税事業者は区分記載請求書等を作成し、保存する義務があります。記載する項目は次の通りです。

    (1)帳簿
    • 「課税仕入れの相手方(取引先)の氏名」または「名称・取引年月日・取引内容・対価の額」
    • 軽減税率の対象品目である旨
    (2)区分記載請求書等
    • 「請求書発行者の氏名」または「名称・取引年月日・取引の内容・対価の額・請求書受領者の氏名または名称」
    • 軽減税率の対象品目である旨
    • 税率ごとに合計した対価の額(税込み)

    税額計算の特例

    税額計算の特例とは、軽減税率の対象品目を取り扱っている飲食業が売上税額および仕入税額を消費税率8%と10%に区分することが困難な場合において、厳密に区分経理する事務的手間を省く制度です。基準期間(法人:前々事業年度、個人:前々年)の課税売上高が 5,000万円以下の飲食業が対象になります。

    (1)売上税額

    軽減税率の対象品目にかかる売上税額を概算額で計算することができます。「売上高×軽減売上割合」で計算し、軽減売上割合は次の2つの方法が選択適用できます。

    • 通常の連続する10営業日(特売日などを除く)の軽減税率対象品目の売上額(税込み)÷通常の連続する10営業日の売上総額(税込み)
    • 50%
    (2)仕入税額

    売上税額をベースに仕入税額を概算で計算できる簡易課税制度を適用します。ただし、特例として、簡易課税制度選択届出書の提出期限は簡易課税制度を適用する年度の末日になります。原則は適用する年度の前年度の末日が届出書の提出期限です。

    食品衛生法に基づく営業許可の申請手数料

    飲食業の業種ごとの新規と更新の申請手数料は次の通りです。

    業  種 金額(円) 業  種 金額(円)
    新規 更新 新規 更新
    飲食店営業 18,300 8,900 飲食店営業(臨時移動) 5,600 2,700
    喫茶店営業 11,500 5,700 菓子製造業(臨時移動) 5,500 2,700
    乳類販売業 11,500 5,700 魚肉ねり製品製造業 19,200 9,600
    食肉販売業 11,500 5,700 みそ製造業 19,200 9,600
    魚介類販売業 11,500 5,700 醤油製造業 19,200 9,600
    菓子製造業 16,800 8,400 ソース製造業 19,200 9,600
    アイスクリーム類製造業 16,800 8,400 酒類製造業 19,200 9,600
    あん類製造業 16,800 8,400 そうざい製造業 25,200 12,600
    豆腐製造業 16,800 8,400 乳処理業 25,200 12,600
    納豆製造業 16,800 8,400 乳製品製造業 25,200 12,600
    めん類製造業 16,800 8,400 食肉処理業 25,200 12,600
    乳酸菌飲料製造業 16,800 8,400 食肉製品製造業 25,200 12,600
    氷雪販売業 15,800 8,200 マーガリン製造業 25,200 12,600
    氷雪製造業 25,200 12,600 食用油脂製造業 25,200 12,600
    缶詰製造業 25,200 12,600 食品冷凍業 25,200 12,600
    清涼飲料水製造業 25,200 12,600 食品添加物製造業 25,200 12,600

    (新宿区)

    まとめ

    飲食業経営者が知っておくべき税金のポイントは①節税対策に必要な経費に計上できる項目、②消費税の増税に対応するための軽減税率、③許認可の申請手数料となります。特に①と②は税法の専門知識が必要であるため、専門家に相談するのも一つの手です。

    阿部正仁
    TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
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